7-20 Double-Decade "NETWORK" in YOKOHAMA ARENA①

長らく放置していてすみません
本当に時間がなくて、今も全然ない状態です
しかしそんな中で、貴重な土日を費やしてしまいました…
10/19・20、ウツの「Dragon The Carnival」の名古屋・大阪公演に行ってきたのです


もともと大阪は押さえていたのですが、
TMをいっぱいやるらしいと聞いて、急遽名古屋も押さえました
今回は地方公演もチケット難民が出ているようですね
まだツアーは終わっていませんが、
とりあえず両日のセットリストをコメント欄に書いておきます
今回は日替わり曲もあります


レア曲も含めてTMの過去曲を演奏するという内容は、
かつての「tribute LIVE」と同様ですが、
多くはサポートメンバーによるアレンジが加わって現代風に変わっており、
オリジナルに忠実な「tribute LIVE」よりははるかに楽しかったです
私の周りの観客も楽しそうでした


ネタばれは見たくない方も多いでしょうから、
具体的な内容は書きませんが、
選曲は思っていた以上にマニアックでした
セットリストを見て「この曲なんだっけ?」と思うのがある方も、
結構いらっしゃるんじゃないでしょうか(特にSE)


今回ウツはサントラや企画盤も含めて、
過去の作品を網羅的に聴いたそうで、
その中には初めて開封したものもあったそうです
だからこんなバージョンをあえて出してきたりしたのかぁ、
というのもいくつかあります


いくつか小ネタ的な演出もありました
特に某曲では30周年のライブ演出を意識した映像が流れ(№19)、
個人的にはここで一番うるっと来ました
ウツもこの曲が一番やりたかったそうです


ウツのメッセージとして、「ぼくなりの35周年」という言葉がありました
TMでできなかった35周年をソロでやってみたというところでしょう
そういやTM25周年がなくなった時も、
ウツはソロで「SMALL NETWORK」をやってくれましたよね


ただしパンフによれば、今回はあくまでもウツならではものにしたいと考えたそうです
ウツ個人が振り返るTMということなんでしょう
微妙な配慮も感じられる表現ではありますが、気持ちも分かります
ツアーは来月まで続きますが、参加する方はどうぞ楽しんできてください


少し前には、ウツ恒例のFC向け年末ライブが告知されました
12/28ヒルトン東京お台場で「Fan Party&Live Through2019」のタイトルです
また8月のSPEEDWAYライブの特注Tシャツが、9/3から通販で受付が始まりました
これ、締め切りが書いていないのですが、特にないのでしょうか


木根さんは10/6を以て、「2626ツアー」が終わりました
12/14・15には去年と同じ羽田空港TIAT SKY HALLで、
年末ライブ「ニューロマンティックシアター」開催します
メールマガジン会員はすでに先行予約が始まっています


11月にはイルコルティーレ三軒茶屋で、
「劇場版『ユンカース・カム・ヒア』上映会&トークLIVE」が開催されます
上映105分+ライブ30分の予定みたいです
なんと大谷香菜子さんも出演だそうです
ユンカースの思い出話を語るんでしょう
当初は23日のみの予定でしたが、
チケットの売り上げが好評なのか、24日にも追加公演が出ました
その他、ライブやイベントのゲスト出演なども数件あります
9/7には高崎ラジオの「&RADIO」に出演したそうです


以上がソロの近況ですが、その他にTMの話題もあります
TMデビュー35周年に当たり、ベスト盤をリリースするというのです
「Dragon The Carnival」初日の9/22に発表されました
うーん、またベストか…


今回はリリースに先駆けて、
「FANKSが選ぶ、TM NETWORKソング10曲」の投票を公式サイトで受け付けています
趣旨は「新時代・次世代に伝えたいTM NETWORKの名曲」を選曲することだそうです
投票できるのは、1人1回10曲です
投票期間は10/1~12/31で、結果発表は1月下旬というので、
リリースは年度末の3月頃でしょうか


ファン投票ベストは2004年にも「Welcome to the Fanks!」がありましたが、
その時と異なるのは、様々なバージョン違いやシングル曲も選べるようになっていることと、
ROJAM・R&C・avex時代の楽曲も選べるようになっていることです
(大部分のライブ音源とシングルカップリングのインスト音源は不可)
これまでの濫造ベストはすべてSONY時代楽曲のみでしたが、
ようやくROJAM期以後の楽曲も含むオールタイムベストのリリースが実現することになります


2013年にライブ会場限定で販売されたシングル「Green Days 2013」およびカップリングの「I am (TK EDM Mix)」も、
今回の投票対象になっています
配信すると言われながらこれまで放置されてきましたが、
ようやく一般発売の可能性が出てきました
まあしかし「Green Days」はともかく、
「I am (TK EDM Mix)」は難しいかな


ライブ会場で販売された「Get Wild 2015」とカップリングの「Children of the New Century -Final Mission-」も、
すでに配信はされていますが、CDの形でほしい方もいらっしゃるかもしれません
また配信しかなかった「Just Like Paradise 2015」「Get Wild 2017 TK Remix」も入っています
(最初入っていないと書いたのですが、入っているとのご指摘を受けて訂正)


おそらくほとんどの方が持っていないであろう「Major Turn-Round (Slowdown Mix)」も候補に入っています
しかし楽曲の長さもあり、これが投票で上位に入ることは多分ないでしょうね
その他「Vision Festival」収録のライブ音源「Quatro」が候補にされるなど、
いまいち基準や意図が分からないものも含まれています


今回ファンの間では、「Green Days」及びROJAM期シングルに注目が集まっているようですが、
個人的にはアルバム「Easy Listening」収録テイクとはまったく別物の「Castle in the Clouds」「君がいる朝」「風のない十字路」「Screen of Life」「Take it to the lucky」の5曲のシングル版(特に最初の3曲)をなんとか救済して欲しい気もします
しかしもともとそんなに人気もないし、多分入らないでしょうねえ
他に今回救済されないと忘れられてしまいそうな曲を挙げれば「Memories」でしょうか
うーん、こっちはもっと厳しそうです


気にかかるのは、シングルとアルバムがまったく同じ音源の場合、
ちゃんと集計では同じものとしてカウントされるのかという点です(投票欄は別)
逆に「金曜日のライオン」「1974」のように、
タイトルは同じでもシングル・アルバムでアレンジが異なるものもあります
こうしたものはちゃんと判別されるのでしょうか
また「Get Wild」のように大量のアレンジ違いがある場合、
票が分散して不利になるようにも思います


今回の投票を踏まえてリリースされるベスト盤が何曲入りになるのかも気になります
1枚でのリリースだったら、ROJAM期以後の音源はほとんど入らないでしょう
多分2枚組か3枚組になるんじゃないかと思っていますが、
告知は投票が終わった年明けにでもあるものかと思います


以上、近況整理ということで、
一応ベスト盤についてまとめてみましたが、
実は私は既発表音源の組み合わせがどうなろうと、
特に興味はありません
「Green Days 2013」「Get Wild 2015」もすでに持っていますし、
多分投票もしないし、投票がどういう結果になろうが、買うこともないでしょう


ただ先の「Welcome to the Fanks!」が、
リリース告知後に後出しでボーナスディスクを付けてきた前例があります
今回もボーナスディスクは難しくても、
ボーナストラックくらいはあるかもしれません
SONYお得意の商法ですしね
とはいえいずれにしろ年明けまでは分からないと思いますので、
適当に見守っていようと思います


他の話題として、実写版「シティーハンター THE MOVIE 」のスケジュールが、
色々と発表されています
吹き替えの声優はアニメ版とは変わるようですが、
アニメ版の冴羽役の神谷明さんや香役の伊倉一恵さんも、別の役で出るそうです
公開日は11/29で、10/20にはTOHOシネマズ日本橋で試写会も行なわれました
「Get Wild」はどのくらい使われるんでしょうか


9/6には「機動戦士ガンダム The Origin」で使われたLuna Sea版の「Beyond The Time」配信が始まりました
9/7・8に幕張メッセで行なわれたライブイベント「GUNDAM 40th FES."LIVE-BEYOND"」でも、
Luna Seaが出演して「Beyond The Time」を演奏したそうです
Luna Seaファンの評判はどうなんでしょうか


その他、TMとは関係ありませんが、
アニメ版「ぼくらの7日間戦争」の公開日が12/13に決まりました
12/19にはTM35周年のFANKS感謝祭「Come On Let’s “FANKS”!!」が、
渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催されます
DJダイノジさんやnishi-kenさんが出演するそうです


以上、2カ月明けたので近況が長くなりました
では本題に入ります
今回からは年明けまで、DOUBLE-DECADEのライブの話になります

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2003/12/20頃、TM NETWORK3人それぞれのFCから、
会員のもとにダイレクトメールが届けられた
その中には「Dear FANKS」で始まる3人名義のグリーティングカードが封入されており、
TMの20周年の活動への意気込みが記されていた
この時にシングル・アルバム・ライブDVDのリリースも明らかにされたことは、
別章ですでに触れたことがある


そしてこれに加えてもう一つ、
ファンが待ちに待った情報も届けられた
TM NETWORKデビュー20周年記念日の2004/4/21、
横浜アリーナでの「TM NETWORK DOUBLE-DECADE FIRST MISSION in YOKOHAMA ARENA(仮)」の開催告知である
2000年に開催された再始動後初のフルライブ「Log-on to 21st Century」以来、
4年ぶりの横浜アリーナ公演となるが、
そもそもアリーナライブの開催自体が4年ぶりだった


さらにまだ詳細は明かされていなかったが、
5月に全国ツアーが開催される予定も言及された
上記横浜アリーナライブの「FIRST MISSION」のタイトルを見ても、
「SECOND MISSION」が構想されていたことは予測できる


この後さらに「THIRD MISSION」に当たるライブも行なわれる
これらは最終的には、
「Double-Decade “NETWORK” in YOKOHAMA ARENA」
「Double-Decade Tour “NETWORK”」
「Double-Decade Tour “NETWORK” Final in NIPPON BUDOHKAN」

として、4~6月に開催された
TM20周年企画は2月のシングルリリースから始まり、
6月の日本武道館ライブまで約4ヶ月の活動として結実した


横浜アリーナライブの正式タイトルは1/30になって発表された
小室は2月前半まで「Easy Listening」のレコーディングを行なっており、
ライブの準備に入ったのはその後と考えられる
おそらく本格的な準備は3月からだろう


なお1987年の「Kiss Japan Tour」以来、
TMのフルライブには必ずスポンサーが付いてきたが、
この時以降は付かなくなる
企業側も宣伝効果が見込めないと考えるようになったのだろう
それはTMのライブが対象を固定層に限定し、
広がりを持たなくなったことと表裏の関係にある


もっとも2000~01年のスポンサーも小室の会社ROJAMだったので、
実質的には再始動後のTMにはスポンサーが付いていなかったとも言えるが、
それにしてもスポンサーの消滅は一つの変化とは言える


2/5に20周年の打ち合わせで3人が集まった時には、
すでに横浜の演奏曲の相談が行なわれている
ただしその最終的な決定はリハーサルの時だったらしい
リハーサルは4月初めから行なわれた
4/16の時点で「リハも残すは後3日」と言われているので、
4/18頃まで行なわれたものだろう


本ライブはデビュー記念日の特別ライブであるとともに、
全国ツアーの前哨戦としての意味も持った
ファンの多くは前者の意味で期待をしていただろうが、
20周年の一連のライブタイトルを見るに、
当人たちにとっては後者が強く意識されていたように思う
実際に横浜アリーナでの演奏曲や演出は、
多くが全国ツアーと共通している


本ライブで目指されたのは、TMによるトランスである
これは2003年9月の「Fan Event in Naeba」や、
先行シングル・アルバムの内容からも予測できるところだった
小室は2001~02年、globeで一連のトランスライブを開催しており、
そのノウハウをTMにも生かした形になる
また一連の20周年ライブは、
2001年から続く小室のトランスライブの最後を飾るものでもあり、
小室トランスの最終形態を示したものとも言える


もっともTMのライブでは、globeのライブほどトランスを徹底していない
もちろん「Just One Victory」など徹底したトランスアレンジが施された曲もあるが、
メインフレーズは原曲を生かしたものが多い
Double-Decadeのライブに近いものをglobeのライブから探した場合、
トランスを前面に出した「genesis of next」「tour category trance」よりも、
非トランス楽曲も含む「category trance & all genre」が該当するだろう
小室自身、すでにトランスから距離を取り始めていたことも関係していると思われる


ただ「Double-Decade “NETWORK”」でステージに立ったのは、
TM3人の他はギターの葛城哲哉1人のみだった
この点はドラム・ベースを含むバンド形式を取った「category trance & all genre」とは異なり、
「genesis of next」「tour category trance」と共通している


TMは1985年の初の全国ツアー「Dragon The Festival Tour」以来、
常にギターやドラムなどサポートメンバーを連れ、
バンド形式のライブを行なってきた
特に前のツアー「Tour Major Turn-Round」は、
TM史上でもバンドの生演奏に重点を置いたライブであり、
「Double-Decade “NETWORK”」の内容はこれと対照的である


ただし一面では、これは小室がデビュー当初からTMで目指していた形態に近いものでもあった
たとえば1984年12月のライブ「Electric Prophet」は、
TM3人とマニピュレータ小泉洋の4人体制で行なわれ、
(木根以外の実質的な)エレキギターや生ドラムは存在しなかった
これ以前に行なわれたファーストコンサートでも、
当初は生ドラムを入れずシンセのドラムマシンで対応することを試みている


3人を前面に出すライブは後にも意識されており、
2014年の「Quit30」ではステージに3人だけが現れる(バンドは裏に隠れる)演出も行なわれている
その意味で「Double-Decade “NETWORK”」は、
TMのみによるTMライブという目標に近い形を、
演奏面で目指したライブだったと言うこともできる


なお唯一のサポートとしてエレキギターを担当した葛城哲哉は、
「Fan Event in Naeba」でもサポートを務めた上、
「Easy Listening」のレコーディングにも参加している
その点でもこのライブのサポートとして最適の人選だっただろう
葛城自身この頃は、
トランスユニットTrance Noise Machineにも参加していた


小室は後に、エレキギターのひずみはシンセでは表現できないと言っている
この時もギターはデータで代用できないと考えたのだろう
ただし小室のシンセからはギターの音も出されていた
つまりこのライブでは、
小室・木根・葛城の3人がギターを担当していたことになる


小室哲哉の担当はもちろんシンセサイザーであり、
鍵盤の演奏も行なったが、
従来のライブと比べるとその比重は小さい
むしろこの時はハードディスクから流れる複数の音源のミキシングをリアルタイムで行なうのが、パフォーマンスの中心となった
これはDJのパフォーマンスをライブに取り入れたものでもある
本ライブの音楽面での最大の特色はこの点にある


デビュー当時のTMは、コンピュータを含む電子機器を用いた楽曲をステージでそのまま再現できないことが、
ライブ活動における一つの障害となっていた
だが一方でステージで演奏するために施されたライブ用アレンジが、
TMのライブの醍醐味ともいえるものになっていた


全編ハードディスクレコーディングが実現した「Major Turn-Round」の時、
この障害は技術的には完全に克服された
しかしプログレッシブロックをコンセプトとした「Tour Major Turn-Round」では、
バンドによる生演奏に重点が置かれ、
オリジナル音源をステージでそのまま流す場面はほぼなかった


ところがトランスを中心に据えた「Double-Decade “NETWORK”」では、
すでに生演奏にこだわる理由はなかった
エレキギター以外のパートは小室がすべて制御し、
音を構築するというのがこの時の基本的な方針であり、
それはglobeでもすでに実践済のものだった
これをTMでも実践した「Double-Decade “NETWORK”」は、
歴代のTMライブでも小室の存在感がもっとも強いものということができる


もっとも小室の鍵盤演奏を見たかったファンには、
ミキシングコンソールの操作を中心とした地味なパフォーマンスに不満を持つ者もいた
なにしろ小室の見せ場である「Get Wild」間奏ですら、
手弾きしていないのである


Double-Decadeではキックを中心にドラムが大変強調されており、
その音がかなり印象に残るライブだった
その機械的なドラムはトランス風の音を作るには必要だっただろう
だがこれにも違和感を感じるファンはいたようである


Double-Decadeのライブでは、
小室がその場の判断で一部のトラックのボリュームを絞ることがあり、
これに合わせなければならない他のメンバーには大変スリリングだった
特に各地を回った「Double-Decade Tour」では、
様々なパターンを試してみたかった小室が、
大胆なミックスを行なうことも多かった


こうした環境に対応すべくTMに初めて導入されたのが、
ウツのイヤーモニターである
ガイドとなる音をウツの耳に届け、
時にはスタッフの指示もこれを通じて届けられた


イヤーモニターは当時すでに広く普及していたが、
ステージの反応を味わいたいウツはソロでも導入していなかった
しかしこの時はそもそも歌に入るタイミングすら分からない恐れがあり、
ついに導入に踏み切ったものである
結局ウツは意外とイヤーモニターを気に入ったようで、
これ以後継続的に利用するようになる


以上のようなライブの方針が固まったのは、
2003年年末のことだったらしい
ウツはトランスのライブを行なうことにも抵抗があり、
特に生ドラムを入れないことには反対していたが、
木根の説得で受け入れたと言う


木根自身も当初はトランスに消極的だったが、
20周年企画が暗礁に乗りつつあった状況を鑑みて、
不安定な状態の小室を引っ張り出せる環境を作ることを最優先したのだろう


ステージ背後には3枚のモニターが並べられており、
ライブ中はそのそれぞれに、
ステージ上の様子やイメージ映像、過去の映像などが映し出された
照明機材を付した鉄柱のオブジェも張り巡らされ、
メタリックな印象を与えている


ステージ後方には高い壇が楕円形に設けられ、
そこに小室のシンセブースが置かれる
他の3人はその前に並んで立った
客席から見て左から、葛城・ウツ・木根である
ドラムがいないため、演奏用に据え置かれた機材は小室ブースだけとなり、
シンプルな見た目となった


ステージは終始暗い
照明も暗めの赤と青で、
あえて暗いステージを意図したのだろう


小室の機材については、
ROLANDのFantom-X8やV-Synth、Access Indigo2、YAMAHA Motifなどが使われている
前回「Tour Major Turn-Round」で使われたMoog・ハモンドオルガン・メロトロンなどは、
ライブのコンセプトの相違もありすべて姿を消したが、
代わってYAMAHAのエレクトーンSTEGEAが導入された
エレクトーンはたぶんこれ以前のTMでは使っていなかったと思う


ステージセットでこの時の目玉とされたのが、
50インチの大型タッチパネルモニタである
楕円形の台の前、ウツの真後ろに置かれた
当時家電の一部に使われ始めていたタッチパネルを、
近未来的な装置として導入したのである


タッチパネルでは約60種類の映像エフェクトから選んだものが、
中央のスクリーンに映される仕様だった
ボリュームコントローラらしいものもついている
これはライブではウツが操作した
小室がDJ、ウツがVJというところだろう
ただしこのタッチパネルは「Just One Victory」のイントロでしか使われない
たいした視覚効果もないし、
随分と無駄な出費のような印象も受ける


衣装はトランスを意識して、
あえてカジュアルなものにしたという
小室は白のパンツにドクロ柄の黒Tシャツだが、
DJっぽさを意識したものだろう
木根は白と赤茶のストライプのジャケットである


ウツは本編前半・中盤は白・黒のストライプのジャケット姿で、
頭には黒いハチマキをしている
このハチマキは違和感があり、当日かなり驚いた
これが「カジュアル」なのだろうか?
本編終盤では白・黒・グレーのゆったりとしたシャツを羽織っているが、
こっちはまあまあかっこいい

7-20.jpg
ハチマキ君


アンコールは、小室がドクロ柄の白Tシャツで、
本編の衣装の色違いである
木根は白地に赤・青で柄が入っているシャツだが、
小室が同じ服を着ている写真(2003/9/6?)がDVD「Live in Naeba」のブックレットにある
2人の間で使い回したものだろうか
ウツは黒茶地の衣装の上から黒のスカーフを巻いている
スカーフは本編のハチマキとセットだろうか


ライブは1時間50分程度行なわれた
オープニングやアンコール待ちの時間を除けば1時間40分程度であり、
20周年記念ライブとしてはかなり短い
もっとも2000年の「Log-on to 21st Century」も時間は同じくらいだし、
「Tour Major Turn-Round」も長時間のMCを除けば同じくらいである
ウツの短時間のセリフ以外ほぼMCがなかったことも、
「Double-Decade “NETWORK”」の公演時間の短さに影響しているのだろう


5月に始まった「Double-Decade Tour」はMCを入れることが予定されており、
そのため横浜ではあえてMCを入れなかったのだという
小室はライブに緊迫感をもたせるため、意図的にMCを省いたのであろう
前年の「tribute LIVE」で長時間のMCやお遊び企画が設けられたこととの落差もあり、
TMとの和気藹々とした掛け合いを期待したファンには、
MCがないことを残念がる者も見られた
(そもそも「終了」以前もほとんどMCなどなかったのだが)


以上のように「Double-Decade “NETWORK”」はかなり攻めの内容であり、
しかもそれをフォローするためのMCも設けられなかった
定番曲を排した前回のツアー「Tour Major Turn-Round」も、
その点ではかなり攻めた内容ではあったが、
アンコールでは長時間のMCが用意されていた
これと比べても「Double-Decade “NETWORK”」はファンへのフォローが少なかった


この点は小室やスタッフも自覚していたようで、
小室はライブ後に行なわれた打ち上げでの挨拶で、
「武道館はもう少し親切な内容にします」とコメントしたという
ウツも後に「Double-Decade Tour」「Double-Decade “NETWORK”」の親しみやすいバージョンと述べている
言い換えれば横浜アリーナは親しみづらいライブだったという意識を持っていたのだろう


ライブの演奏曲は16曲である
新譜「Easy Listening」からは5曲が演奏された
その内で3曲は過去曲のリミックスであり、
新曲で演奏されたのは「Screen of Life」「Presence」の2曲だけである
「Castle in the Clouds」はシングル曲にもかかわらずセットリストから漏れてしまい、
現在までフルライブで演奏されたことがない


ニューアルバム発売後初のライブであることを考えると、
この新曲の扱いはかなり小さいという印象を受ける
記念ライブとしての性格を考慮したものなのか、
または新曲を演奏してもファンが喜ばないという自信の無さの表れなのか


いずれにしろ「Double-Decade “NETWORK”」は、
新曲を中心とした「Tour Major Turn-Round」と比べると、
過去曲の比率が非常に高いセットリストとなった
むしろリミックスに重きを置き、
過去の曲を今のアレンジで聴かせることに主眼を置いていたと言えるかもしれない


この点で注目されるのが、
ライブで初披露されたTMトランスミックス第4弾「Just One Victory」である
8分中イントロだけで3分半に及ぶ大胆なアレンジで、
原曲とはまったく異なるものになっており、
歌詞も一部変わっている
ライブの目玉とされた曲である


「Self Control」「Get Wild」「Be Together」も演奏された
定番曲として必ず演奏されるようになるのはこの時からである
これらは「Just One Victory」ほど大幅な変更は加えられておらず、
基本的な構成はオリジナルのままだが、
生ドラムをなくしたことで印象はそれなりに変わっている


ライブ冒頭には「Rhythm Red Beat Black」「Kiss You」が演奏された
「TMN 4001 Days Groove」でも続けて演奏された曲である
ポップさの薄い曲調がライブのコンセプトにも合ったのかもしれない
また前者の選曲については、葛城がサポートを担当したことで、
葛城のトーキングモジュレータを入れることが可能になったのも大きいのだろう
再始動後初の演奏例である


20周年という節目の記念として演奏されたのが、
TMデビューのきっかけとなった「1974」と、
「終了」の曲である「Nights of the Knife」である
特に「Nights of the Knife」はツアーでも演奏された
「新しい始まり」の曲として、
またはTM10周年の曲として選ばれたのだろう


「10 Years After」も20周年を意識した選曲だろうが、
この曲がフルライブで演奏されたのはこの時だけであり、
極めて貴重な機会となった
続けて演奏された「We Are Starting Over」と合わせて、
再始動後のTM曲をセットリストに入れたかったのだろう
さらに「We Are Starting Over」と並んで、
木根バラから「Telephone Line」も演奏されている


以上のライブの様子は幸いなことに、
DVD「Double-Decade Tour “NETWORK”」のDisc1に完全収録されている
TMのトランスライブをもっともよく伝えるものとして必見である


以上が本ライブの概要である
ライブの具体的な内容については、
章を改めて述べることにしたい

TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]
TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]

7-19 World Heritage

8/28にSPEEDWAYの「SPEEDWAY 40th ~☆Folk Pavilion☆もやるよ!!~ 」が開催されました
ニコ生でやらないかなあと思っていましたが、ありませんでした
カメラも入っていなかったそうなので、
今後映像が公開されることもないでしょう
浅倉さんのtwitterには、終演後?の記念写真がアップされています
ハタ☆ケンさんもライブ中の写真をアップしてますね


私もチケット欲しかったのですが、手に入りませんでした
FC会員でも厳しかったようです
ただライブの内容は、参加した方から情報を頂くことができました

「SPEEDWAY 40th ~☆Folk Pavilion☆もやるよ!!~」
2019.08.28 マイナビBLITZ赤坂公演

◇Folk Pavilion
1. 冬の稲妻(アリス)
2. 氷の世界(井上陽水)
3. 落陽(吉田拓郎)
4. あずさ二号(狩人)
5. 飾りじゃないのよ涙は(中森明菜)
6. あの素晴らしい愛をもう一度(ザ・フォーク・クルセイダーズ)
7. Another Meeting (TMN)

◇SPEEDWAY 40th
SE. American Woman (The Guess Who)
1. ACT 810
2. Close Your Eyes
3. 眠りの森
4. Love Goes On
5. Diving
6. Super Star, Good Morning
7. Smile Again
8. 夢まで翔んで
9. Captain America
Enc. Rockin' On the 月光仮面


今回はFolk PavilionとSPEEDWAYの40周年ライブが同時に開催されました
MCによると、ウツはある時2019年がSPEEDWAY40周年だと気が付いて、
携帯にメモしていたのだそうです
で、木根さんを通じてメンバーに打診…ということだそうで、
1996年と同じように、ウツが言い出しっぺで木根さんが動くという流れだったんですね


しかしやはり年齢もあり(ハタ☆ケンさんてウツや木根さんより年上なんですね)、
2時間のライブはきついということで、
1時間Folk Pavilionを開催するということになったそうです


Folk Pavilionは久々ですが、選曲は定番曲が多いです
ウツはずっと「それゆけ!! 歌謡曲」をやっていますから、
ウツファンにはそれほど久しぶり感はなかったかもしれませんね
「落陽」はレアかもしれません


浅倉さんはFolk Pavilionだけの出演なのかなと思っていましたが、
SPEEDWAYにも参加したようです
SPEEDWAYの演奏曲はアンコール含め10曲で、
13曲を演奏した1996年の「Only One Night Dream Away」よりは少ないですが、
時間が半分になった割にはまあまあ演奏した印象です


オープニングが「ACT 810」「Close Your Eyes」なのは1996年と同じで、
選曲もあまり変わっていない印象です
1996年にやらなかったSPEEDWAYの曲は、
本編では「眠りの森」くらいですね
演奏しづらい曲とか思い入れがある曲もあるんでしょうね
個人的には「Mickael」「神話」をやってほしいんですが
…いや、どうせ参加できなかったんですけど


意外な選曲としては、TMの「Diving」があります
(ウツは歌を間違えたようですが)
「SPEEDWAYのアルバムの中の曲」と言って始めたそうですが、
たしかにTMのアルバム「SPEEDWAY」の収録曲です
このアルバムのコンセプトはSPEEDWAYの3rdアルバムでしたから、
あながち間違ってもいません


SPEEDWAYの若気の至り代表のデビュー曲「夢まで翔んで」は、
1996年には現代仕様で「ぽこぽーん」「ピーッ」はなくなっていましたが、
今回はこれをちゃんと再現していたそうです
おそらくは浅倉さんがシンセで音を出していたんでしょうか
 *(追記)新井さんとハタ☆ケンさんだったそうです
  (kaiesanご提供情報)
これは参加者、笑ったんじゃないかなあ
少なくとも心の中では
いや、うらやましいんですよ?


おそらくライブで一番盛り上がったであろう曲は、
アンコールの「Rockin' On the 月光仮面」でしょう
1996年は恥ずかしいという理由で外されましたが、
今回はやっと演奏してくれました
本人たちはやっぱり恥ずかしかったでしょうが、
これは参加者の思い出になったことと思います
そういや最後の3曲は全部シングル曲ですね


MCでも色々と面白い発言があったようですが、
(ソロのデビュー曲とかは今後も形を変えてやっていけるけど、TMのデビュー曲は10年後にはやれないとか)
そこらへんも含めてライブレポートが出ると良いですね
まあ難しいかなあ


SPEEDWAY関連企画として、
ライブのオーダーTシャツ販売があります
ライブ会場でカードを購入した後、
web上でサイズや入れる文字などを指示するというものです
こういう企画は他のミュージシャンもよくやっているんでしょうか?
なおライブに参加できなかった方も通販できるようです
締め切りは9/30です


話題は変わりますが、8/7に、
劇場版「シティハンター」のBlu-ray発売が10/30と発表されました
さらにフランスで公開されていた「シティハンター」の実写版「NICKY LARSON」が、
11月に「シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション」のタイトルで日本でも公開されることが決まりました
8/17に公式サイトも立ち上がっています
ティザー映像を見る限り、主題歌は「Get Wild」なのでしょうか


その他の話題では、木根さんが、
8/5・12にFMヨコハマ「otonanoラジオ」にゲスト出演しました


では本題に入ります

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SONYは2004/2/6、TM20周年に当たり、特設サイトとして、
「TM NETWORK 20th Anniversary DOUBLE-DECADE」を開設した
SONYは以後6月末日まで、
20周年記念商品の情報をここで発信するとした
この期限設定は、TM20周年の活動が6月に終わることが年始の時点で決まっていたことを示すものでもあろう
ただしその後SONYの追加企画が始まったことで、
DOUBLE-DECADEのサイトは年末まで継続することになった


サイト内には速報、SONYの商品リリース情報、BBSが設けられた
(その後ベスト盤企画に伴いファン投票のページも設けられた)
これらは2004年末日を以って更新が止められ、
BBSも書き込みできなくなったが、閲覧は現在(2019年)も可能である
リリース情報についても、
現在はSONY Musicのサイトにリンクが貼られている


SONYが企画した主な商品は2つあった
CD BOX「World Heritage」とDVD「CAROL The Live」である
その中で、まずは「World Heritage」を見てみよう


「World Heritage -DOUBLE-DECADE COMPLETE BOX-」は3/31にリリースされたが、
完全受注生産で、2/26までが予約受付期間とされた
(実際にはamazonなどでその後も購入できた)
この締切日は、「NETWORK™」リリース日の2/25に合わせたものに違いない
20周年の盛り上がりが始まるタイミングで、
便乗商品を出してきたのである
なお値段は24000円(税込25200円)で、
それまでのTM関係商品で最高金額となった


タイトルはユネスコの「世界遺産」に基づく
日本でも1992年の世界遺産条約批准以来、
世界遺産が急速に登録され(2000年までに11件)、
日常的にも「世界遺産」の語をよく聞くようになってきた頃だが、
SONYはそのような中で「終了」以前のTM楽曲を、
「世界遺産」になぞらえたわけだ


BOXに収録されたのは、
基本的に1994年の「終了」以前の既発売アルバムである
オリジナルアルバム9枚(フルアルバム8枚+ミニアルバム1枚)に、
ベスト盤4枚・リミックス盤3枚・ライブ盤4枚も含まれる
これに特典ディスク6枚を含め、
全26枚のディスクとブックレットが封入された
BOXの形状は立方体で、遺跡のレリーフ風の模様が施されている
この形はなかなかカッコ良いと思う


これまでTMのオリジナルアルバムは何度か再発されていたが、
ミニアルバム・リミックス盤・ベスト盤などは再発されてこなかった
これらは中古市場で安価で投げ売りされていたが、
新品を求めていた後発ファンには貴重な機会だったかもしれない
特にミニアルバムとはいえオリジナル版だった「Twinkle Night」は、
需要も少なくなかっただろう


各アルバムはリマスター処理が施されている
この後SONYは旧譜を再発する際、
何度も「リマスター」を銘打ち続け、
音にこだわるファンに同じ作品を買わせ続ける商法を展開した


当初から予想はされていたが、
BOX収録アルバムはこの後単品でもリリースされた
NETWORK時代のオリジナル盤7枚と「Dress」は紙ジャケット仕様で2007/3/21、
「Gift for Fanks」は2007/11/21(DVD付き)である


さらにBlu-spec2 CD仕様でのリリースは、
NETWORK時代のオリジナル版が2013/2/20、
「Dress」は2013/11/21、
「Rhythm Red」「EXPO」は2014/5/21、
「Colloseum」「Classix」「Groove Gear」「final live LAST GROOVE」は各2枚組で2014/9/24のリリースである
それにしてもTMN時代の「Rhythm Red」「EXPO」の冷遇はなぜなのだろうか


リマスターで特に重要だったのは、
リリース当時あえて音量を小さくして収録された「humansystem」で、
本BOXの発売によって通常の音量で聴けるようになった
これによって本作の音源を他のアルバムと続けて聞いても不自然ではなくなった


また「TMN Black」「TMN Red」「TMN Blue」は、
リマスター盤が2019年現在で単独販売されていない
現在では「TMN Red」「Open Your Heart」「TMN Blue」「Another Meeting」の2曲以外に価値がないので、
今後も販売されることはないだろうが、
CDで両曲のリマスター音源が欲しいファンはBOXを購入せざるを得ない
(ただし配信音源では販売されている)


ただしリマスター作業もかなり雑なものだったと見え、
「Dress」収録の「Be Together」には一部音飛びが含まれている
SONYはこの問題が発覚した後「Dress」を回収し、
音飛びなしのディスクの返品を行なった
後述の「Get Wild Song Mafia」でも同様の問題が起こったが、
作品に敬意の見えないこの手の雑な仕事には、実にうんざりさせられる


本商品のリリースに当たり危惧されたのは、
レーベルゲートCD2(SONYのCCCDの規格)での発売となる可能性だった
SMEは2003年に、2004年1月以後全CDをレーベルゲートCD2でリリースする方針を発表していた
その意味で「World Heritage」が通常のCD(CD-DA)となったのは、
かなり幸運なことであった


レーベルゲートCD2の全面採用についてはユーザー側の批判も多く、
SMEも慎重に様子を見ていたらしい
この点で大きな意味があったのは、
「World Heritage」の1週間前にリリースされたレベッカ20周年記念BOX「REBECCA COMPLETE BOX ~20th anniversary~」である


本作は「World Heritage」よりかなり早く、
2003年末にはリリースが発表されていたが、
当初はレーベルゲートCD2とされていた
ところがこれに対してファンの抗議や、
BOX編集に関わったレベッカリーダーの土橋安騎夫の訴えがあり、
年始になってCD-DAでのリリースに変更された


土橋が反対した一つの理由は、
「すでに10年以上も前にリリースされたもの」ということだった
この少し後の1/20には佐野元春「VISITORS 20th Anniversary Edition」も、
「既にCD化された音源が殆どである」との理由で、
レーベルゲートCD2でのリリースをやめ、
CD-DAとすることが発表されている


「VISITORS 20th Anniversary Edition」の半月後にリリース告知された「World Heritage」がCD-DAとなったのは、
過去作品の再発盤を例外扱いとすることが認められたことによるものだったと考えられる
(AKAさんのご指摘による)


「World Heritage」収録のCDジャケットは、
オリジナルのプラスチックケースではなく紙ジャケットとされた
これは物理的容積を抑えるための措置だろう
ライナーは白黒の紙1枚を4つ折りしたものに変更されたため、
オリジナル盤にあった写真や解説文などはすべて割愛されることになった


本作の問題点として、「COMPLETE BOX」と銘打ちながら、
シングルが収録されなかったことがある
TMの場合、シングルとアルバムでアレンジが異なる場合や、
シングルカップリングにしか収録されていない作品もあるが、
これらはベスト盤に入らなかったものを除き聞くことはできなかった


1996年にはシングル全曲をまとめた「Time Capsule」がリリースされていたが、
これはBOXに収録されていない
収録対象を1994年以前の作品に限定する方針もあったのかもしれないし、
当時まだ「Time Capsule」が単品で販売されていたこともあるのかもしれない


また1999年のTRUE KiSS DiSC時代の楽曲は、
シングルでしかリリースされなかったので、
基本的にはBOXには収録されなかった
(後述の通り、「Get Wild Decade Run」は例外的に収録された)


以上のように「World Heritage」は実態としては、
「COMPLETE」とは言いがたいものだった
なお次年度にはこの中途半端な状態を利用して、
また新商品がリリースされるが、
これについては別章で触れることにしたい


BOXには「3大スペシャルディスク」が特典と称して収録された
1つは1994年の限定生産BOX「Groove Gear」収録の3枚のCDである
これは「終了」以前から追っていたファンならば、
たいてい持っているものだっただろうが、
TK時代にファンになった者には意味があっただろう


2つ目は「All the “Get Wild” Album」で、
「Get Wild」の各バージョンを集めたアルバムである
ジャケットはシングル盤のものを使っているが、
「Get Wild」のタイトルの下に、
「ALL the “Get Wild” ALBUM」の字が小さく追加されている


具体的な内容は、「Get Wild」のオリジナルバージョン、
「Get Wild ‘89」「Get Wild (techno overdub mix)」「Get Wild Decade Run」「Get Wild Decade Run(112 Club Mix)」の4つのリミックスバージョン、
「Fanks Cry-Max」「Camp Fanks!! ’89」「Rhythm Red Tour」「EXPO Arena “Crazy 4 You”」「TMN 4001 Days Groove 5.18」の5つのライブバージョンの合計10テイクに加え、
最後にボーナストラックとしてデモ音源「ver.0」を収録したものである


言うまでもないが、「Get Wild」のオリジナルは、
本BOXの他の複数のディスクにすでに収録されている
「Gift for Fanks」「TMN Black」「Groove Gear 1」
ここにさらに「All the “Get Wild” Album」を入れることに何の意義があるのか、
私にはまったく理解ができない


さらに他のテイクも、多くは他のディスクに収録されている
あえて言えばTRUE KiSS DiSC時代の「Get Wild Decade Run」2テイクは、
本BOXの中ではこのディスクでしか聞くことができない
もちろんシングルで発売済みの音源ではあるが、
あえて言えばリマスターが施されたという点に価値を見出すことができるかもしれない
ただしシングルのリリースから5年も経っておらず、
リマスターの意義がどの程度あったのかは疑問である


「Get Wild (ver.0)」「Groove Gear 1」にも収録されるが、
そこでは前曲の「INTRODUCTION」と続けてクロスフェードして曲に入る構成になっている
これに対して「All the “Get Wild” Album」では、
そのクロスフェード部分がカットされているので、
単独で聴く場合には「INTRODUCTION」の音が気にならない仕様ではある
(デモ音源にそのような配慮が必要かは疑問だが)


ただしクロスフェード部分から前曲の音を取り除くのではなく、
重なっている部分をカットしているのは、
マスターテープからの処理ではなく商品化音源に手を加えたに過ぎないことも示している
そのため「All the “Get Wild” Album」では、
イントロの一部を聞くことができない


以上の如き驚くべき収録内容の中で(これで「特典」だと!?)、
本ディスクの売りとされたのは、
「Fanks Cry-Max」「EXPO Arena」のライブ音源収録である
これは確かにCD音源としては初商品化である


ただし前者は「Fanks The Live 1」
後者は「Groove Gear」収録の「EXPO ARENA FINAL」のライブビデオに収録されており、
ライブ音源はその映像から抜き出したものに過ぎない
マスタリングの問題にこだわらなければ、
自宅のビデオデッキで作成できる音源ということになる


要するに本ディスクのライブ音源は、
すべて既発表のライブCD・ライブビデオから寄せ集めたものである
もしも「Fanks! Bang The Gong」「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」「STARCAMP TOKYO」「CAROL Tour」「TMN 4001 Days Groove 5.19」「Log-on to 21st Century」などのライブ音源が収録されていれば、
本ディスクは真の意味で「特典」になっただろうが、
どのようなユーザーが喜ぶと思って作ったのだろうか


実のところ根本的なところで理解できないのは、
なぜ「Get Wild」の音源を集めようと思ったのかという点である
ただ2017年には本品の拡大企画「Get Wild Song Mafia」がリリースされ、
しかもそこそこ売れている
あるいはこの点が理解できないのは、
私の感覚のズレのせいなのかもしれない


もしも特典が以上だけだったならば、
TMのアルバムを一部しか持っていなかったファンや、
紛失・破損などしてしまったファンを除き、
本BOXにほとんど価値がなかったと言って良い
だがそうした中でも本BOXに価値を認めざるを得ないのは、
第3の特典として収録された2枚組DVD「”BEE” presents TM VISIONS」があるからである


これはSONYのBEEが全国で開催したビデオコンサート用の映像で、
TMは1985~87年の3年間で6本のビデオを制作した
本DVDではこの中の1~3をDisc1、4~6をDisc2に収録し、
さらにDisc2の最後に「TM VISION 0」として、
「金曜日のライオン」「Rainbow Rainbow」のPVも収録している


すでにこれらの具体的な内容については、
本ブログの第1部・第2部で扱っているので割愛するが、
(テーマ「映像作品(PV・ライブ映像)」を参照)
映像作品の少ないブレイク以前の活動状況を知る上で非常に重要であり、
私にとってはこの2枚のDVDだけで、2万円超の価値があった

7-19.jpg


これは従来まったく商品化されていなかった映像であり、
特に「Eletric Prophet」「1974」「カリビアーナ・ハイ」や、
「Fanks Dyna-Mix」「Come on Let's Dance」「Passenger」「8月の長い夜」は、
現在でもこれでしか見ることができない
(ただし「1974」の一部は「Decade」「TM NETWORK THE MOVIE」でも見ることができる)


最後に挙げておくべきは、120ページに及ぶ付属ブックレットである
本ブックレットには、
各年代におけるメンバーの写真や全アルバムの解説を載せており、
またTMの歴史を振り返るエッセイもついている
ただし解説・エッセイは藤井徹貫によるもので、
新味も新発見もない


ただし本ブックレットにはその他にも、
小坂洋二・青木高貴・山口三平・坂西伊作・立岡正樹など、
80年代のTMに関わっていたスタッフのインタビューが載っている
これは当時の活動の裏側を記すものとして貴重な情報である
特に初期TMの活動のキーマンである小坂や、
今は亡き伊作のインタビューは貴重である


本作は限定生産ということで、売上はそれほど高くなかったが、
それでもチャート40位・7730セットを売っている
単価の高さ・雑な仕事ぶり(制作費の低さ)を考えれば、
それなりの成果だったと言えるだろう


なお本BOXは2017/3/21に、
「World Heritage ~Revival and Renewal BOX~」と題し、
税抜27500円(税込29700円)に値上げした上で
SONY Music Shopで再発売された


本商品はCDを2013年以後のリマスター音源に差し替え、
1000セット限定販売とされた
ただし2019年現在でも売れ残っている


さて、2004年版「World Heritage」は2/26に予約を締め切ったが、
その直前になって、シングル「NETWORK™」リリースに合わせ、
4つの商品の発売を発表した


その内の3つはライブビデオ「Fanks The Live」シリーズ(1~3)のDVD化である
リリース日は2004/5/19で、TMN「終了」の日に合わせられた
値段は税抜2300円(税込2415円)に値下げされ、
かつてのビデオと比べると半額以下になった


SONY時代のTMのビデオ作品の内、
1994年の「Decade」「final live LAST GROOVE 5.18」「final live LAST GROOVE 5.19」の3本は2000年にDVD化されていたが、
それ以前のものはデジタル映像化されていなかった
その中でもっとも売り上げが見込めそうな「Fanks The Live」シリーズが、
この時にDVD化されることになったのである
なお「Decade」「final live」2本のDVDは、
20周年に先駆けた2003/12/17に再販されている


そしてもう1つの新商品は、DVD「CAROL The Live」である
これは2004/4/21、TMデビュー記念日に合わせてリリースされ、
2004年末日までの限定生産販売とされた


内容は「Camp Fanks!! ‘89」ファイナルの1989/8/30横浜アリーナ公演を、
「Passenger」を除いて全曲収録したものである
「Passenger」ではコロッケがゲスト出演したため、
商品化の許諾を得る手間と費用を惜しんでカットしたのだろう
また抱き合わせで木根の小説版「CAROL」の新装版も封入された
実は私が初めて小説版を読んだのはこの時である


値段は税抜3800円(税込3990円)で、
「Fanks The Live」シリーズの倍となっている
ただし収録時間は3倍近くあるので、悪い値段ではない
むしろ10年後に「CAROL Deluxe Edition」としてほとんど同じ商品に不要なおまけをつけたものを1万円で販売したのと比べれば、
良心的な値段設定と言える


これまで「終了」前のTMライブは、全体が商品化されることはなかった
これが初めて実現したのは、1994年の「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」の時である
この状態はTMファンにとって非常に残念なことであり、
過去ライブの完全版映像は長く待望されていたが、
それがこの時に、(1曲は欠くものの)ほぼ実現したのである
「Camp Fanks!! ’89」はTM人気最盛期のライブだった上、
目玉のミュージカル部分が従来一切伏せられていたこともあり、
その全貌公開は商業的にも成立すると判断されたのだろう


本作が比較的良心的な状態で商品化された前提には、
制作費がほとんどかからなかったこともある
これはライブ当日に全国で中継上映された「Closed Circuit」の映像をそのまま使ったもので、
ビデオ用に数台のカメラで撮影した素材映像を編集したものではなかったのである
そのため本作は、ライブ映像の商品版としては音質・画質が必ずしも高くなく、
「Fanks The Live 3」に収録される「Camp Fanks!! ’89」の映像の方が質は良い


またこれは以前も書いたことがあるが、
DVDのチャプターが「CAROL TOUR FINAL」と「CAMP FANKS '89!!」の2部に分かれている
前者は第1部のミュージカルパート、後者が第2部の通常パートに当たる
これは本ライブのタイトルが「CAROL Tour Final Camp Fanks!! '89」だったのを、
「CAROL Tour Final」「Camp Fanks!! '89」と解したためと思われるが、
(なおDVDの「CAMP FANKS '89!!」の「!!」は位置が間違っている)
実際は「CAROL Tour」ファイナルの特別公演のライブタイトルが「Camp Fanks!! '89」という関係である
おそらく当時のスタッフがほとんど関与していなかったのだろう


DVDのライナーには、
TM3人名義の(おそらく藤井徹貫作文の)文章が掲載されており、
本作リリースの建前としての理由が書かれている
その全文は以前転載したことがあるが
要するにDVDという高品質メディアが普及したから映像を公表したという趣旨である


以上のように、SONYは20周年という機会をとらえて、
すでに移籍したTMの特設サイトを作り、
過去のコンテンツを用いた商品をリリースした
その中でファンは「TM VISIONS」「CAROL The Live」を得ることができた


これでもまだまだ出し惜しみしたラインナップとも感じる
だがその中に価値の高いものが含まれていたことは確かであり、
その後SONYがリリースした商品群と比較して見れば、
この時期の商品はかなりマシな内容だったとは言えると思う

TM NETWORK WORLD HERITAGE~DOUBLE DECADE COMPLETE BOX~ - ARRAY(0x101527f0)
TM NETWORK WORLD HERITAGE~DOUBLE DECADE COMPLETE BOX~ - ARRAY(0x101527f0)

7-18 メディア出演(2004年)

思わぬところで、久々の小室さん情報です
8/1開催の「 FUTABA 1 DAY SUMMER SCHOOL」という、
福島県双葉郡の中高生交流を目的とするサマースクールに講師として登壇しました
いわき経済新聞のサイトに、写真付きのレポートが出ています


このイベントでは、双葉郡内の中学校・高校の在籍者から学校単位で参加希望者が募られました
その分の募集については、
すでに学校を通じて行なわれていたと思われますが、
その他に震災前に双葉郡内に住んだことがある中学生・高校生も参加資格があり、
さらに福島県内の他地域からも10人ほど募集されました
この募集は7/20にweb公開され、7/26に締め切られました
(すでにサイトは消えています)


このイベントで開催されるワークショップには5つのコースがあり、
その一つに「小室哲哉と音を創ろう」という企画があります
ウェブサイトに出ていた企画の趣旨文は以下の通りです


令和元年、僕らの夏曲。
皆んなでワイワイ創れたら、スゴい思い出になるだろうな!
(スマホ1台あれば曲が作れる!「音楽大好き」「曲作りに 興味がある」 「スマホやパソコンを使うのが好き、得意!」 な人大集合。小室さんと一緒に曲作りに挑戦しましょう!)


どうやら小室さんが中高生と一緒に曲を作る企画だったようです
いわき経済新聞のレポートには、以下のように書かれています

小室さんのワークショップでは、楽器や音楽活動の経験がある生徒を中心に、小室さんのリードで作詞と、アプリを使った作曲体験を行った。生徒たちから出てきた言葉とフレーズを小室さんがつなぎ合わせ、1曲を仕上げた。参加した生徒からは、「授業で『東北の曲』を作っているが、小室さんの言葉やフレーズの選び方はとても参考になった。言葉に触れることの大切さを知った」「小室さんが来ると知って、両親がすごく喜んでいた。今日の授業のことを伝えたい」と興奮気味な感想が聞かれた。小室さんは、「みんな音楽が純粋に好きなんだなということを実感させてもらった。僕も久々に元気をもらった」と笑顔を見せた。



今回は公式サイトでもレポートでも、
小室さんの肩書は「音楽家」とされています
引退はしていてもミュージシャンとして扱われていました
イベントのコーディネーターは秋元康さんでしたが、
レポートに引用される秋元さんのコメントによれば、
「小室さんに関しては、引退しているがボランティアということで受けてもらった」
ということのようです


正直私は秋元さんには何の関心もないのですが、
引退直前の「ラストアイドル」での登用といい、
まさかこんなに小室さんのために動いてくれるとは思いませんでした
同世代の戦友という意識なんでしょうか
ありがたいことです


今回のお仕事は、あくまでも単発の講師としての登壇で、
今後音楽活動を再開するという話ではありません
しかし自信を失ってつらそうにしていた頃と比べれば、
今はかなり良くなってきているのかもしれません
人前に出ても良いと思うくらいには…


なおいわき経済新聞の公式twitterでは、
小室さん直筆サイン入りのメッセージの写真が公開されています
「僕も久々に元気をもらいました」と書いています
人づてではなく小室さんの言葉が届けられたのって、1年以上ぶりですよね
すぐには無理でしょうが、今後さらに何らかのアクションが起こればいいなあと思います


そしてもう一つ、気になる単発企画の情報が入ってきました
1979年デビューのSPEEDWAYが40周年を迎えるということで、
8/28にマイナビブリッツ赤坂で、
SPEEDWAYの一夜限りの復活ライブを行なうというのです
さらにフォークパビリオンも同時に行なうとのことで、
ライブタイトルは「SPEEDWAY 40th ~☆Folk Pavilion☆もやるよ!!~ 」となります


参加メンバーは木根さんとウツの他、
岩野光邦・樋口潔志・荒井克己・河鰭良成(ハタ☆ケン)さんです
1996年の復活ライブ「Only One Night Dream Away」の時と同様、
小室さん以外のSPEEDWAYメンバーが集結します
(ただし1996年に参加したドラムの杉本ユウさんはご逝去されました)


さらに今回は浅倉大介さんも参加します
1996年にもキーボードで嶋田陽一さんが参加したので、
その代わりかもしれませんが、
フォークだけの出演かもしれません


しかしそもそもフォークパビリオンは要るかなあ?と思いますが…
本気でやればSPEEDWAYの曲なんて1回のライブで全部演奏できちゃうはずですが、
1996年にも時間の半分くらいがトークやコントになっていました
今回も持ち曲の半分くらいしかやらないのかもしれないです


このライブ、開催告知が7/18で、
7/28までmagneticaでFC先行受付をした後、
8/10から一般発売とのことです
(現在はローチケでプレオーダー受付中)
8/28という公演日を考えると随分急な日程のようにも思いますが、
FC先行でほとんど全部売っちゃうんでしょう
FCがなくなった木根さんのファンには、なかなか厳しいですね
ウツFCの会員でも、これはなかなか当選確率低そうですけど


今回この企画が立ち上がったのは、
TM35周年の埋め合わせとして、
せめて動けるウツと木根さんで特別企画をやろうと思ったのでしょうか
そこらへんの真意はライブでも少し触れられるかもしれませんが…


その他、ウツは秋ツアー「Dragon The Carnival」のFC先行予約が終わり、
現在一般先行予約を行なっています
木根さんは「2626ツアー」の最中ですが、
去年年末と同様に、今年も羽田空港のTIAT SKY HALLで年末ライブを行なうことが決定しました
12/14(1公演)・15(2公演)の開催です
また7/16には静岡放送「聴くディラン」
7/31にはFM星空ステーション「あべ静江と太田美知彦のYou&Me」に出演しました


最後に、少しずつやっている過去記事再追記、
あれから1986年分まで終わりました


以上、近況整理でした
では本題に入ります

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2003年年末になって、
シングル「NETWORK™」・アルバム「Easy Listening」・DVD「Live in Naeba」のリリースや、
横浜アリーナライブ「Double-Decade “NETWORK”」の開催など、
TM NETWORK20周年に関わる様々な情報が公表された
ファンもTMがようやく動き出したことに喜んだだろう


こうした中、4/21の「Double-Decade "NETWORK"」の会場では、
木根の「新・電気じかけの預言者たち―新世紀篇―」の発売が告知された
発売は「Double-Decade Tour」開始直前の5/14である


木根は2000年、「Tour Major Turn-Round」に合わせて、
「続・電気じかけの預言者たち」を刊行していた
TMの活動再開という商機に合わせてそれまでの活動を総括するという方針が続いていたことが分かる


「続」では1997年から2000年、
TM再始動の準備期間から「Tour Major Turn-Round」開催までが扱われたが
「新」では2001年から2004年、
「Rendez-vous in Space」開催から「Easy Listening」制作までが扱われている
対象となる期間の長さはあまり変わらないが、密度の差は大きく、
TMの活動がいかに断片的なものだったのか知ることもできる


なお木根は「新」の発売の直後に、
さらなる続編の刊行予定も発表した
当初は秋刊行予定だったが、12/4に延期され、
タイトルは「真・電気じかけの予言者たち―眺望篇―」となった
これについてはまた章を改めて触れることにしたい


TM3人は2月頃からメディアにも出演した
たとえば1/28には、FM各局の収録を集中的に行ない、
また2/5には打ち合わせの前にFM YOKOHAMAの収録を行なっている
小室がレコーディング中で時間がなかったため、
広報活動はまとめて行ないたかったのだろう


これらはDJ DragonがDJを務めたJ-WAVE「SUPER LINE 'J '」を除き(2/7放送)、
シングルリリース日の2/25前後に放送された
特に2/16にはFM YOKOHAMAで「STAR DAYS」と題し、
3本の番組に出演するなどの厚遇を受けている(すべて録音)


2月半ばにレコーディングが終わると、
改めて3人でのメディア取材が行なわれた
2/24には「Keyboard Magazine」「CDでーた」など各誌のインタビューがあった
(つまりこの時期に発売された各種雑誌のインタビューはすべて同じ日のものである)


特に新星堂では無料配布ペーパー「pause」の特別版を発行し、
一冊まるごとTM特集を組んでいる
当時のTMでもこれくらいの扱いをしてくれたのは、嬉しいことである

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「pause」表紙。この写真は2012年avex移籍の頃までよく使われていました


2~3月には他にもウツ・木根の単独でのラジオ・テレビ出演はあるが、割愛する
TMは4月にもラジオとテレビに出演している
3/24のアルバムリリースと4/21の横浜アリーナライブに挟まれる時期であり、
全国ツアー「Double-Decade Tour」決定とチケット発売も視野に入れたものだろう


まずラジオでは、JFN系列の全国各局で、
「スーパーエディション」の4月第1~4週のパーソナリティをTMが務めた
この番組は30周年ツアー「Quit30」の時にも、
2014年10月に4回に渡ってTMがパーソナリティを務めている


残念ながら私はこの番組を聞いていないのだが、
「Easy Listening」に関わる話を聞けたはずである
ただ収録は4回とも3/11なので、
横浜アリーナの具体的な話はあまりなかっただろう


テレビ出演については、4/17フジテレビの「ミュージックフェア21」がある
この時期の唯一のまともなテレビ出演である
再始動後は活動再開のたびに一回だけテレビに出演して、
新しい活動を紹介するというパターンが続いている

・2000「Major Turn-Round」「ミュージックステーション」
・2002「Castle in the Clouds」「FUN」
・2004「Easy Listening」「ミュージックフェア21」
・2007「SPEEDWAY」「みゅーじん」
・2014「Quit30」「どぅんつくぱ」


「ミュージックフェア」は河村隆一との共演である
TMは番組前半で過去曲メドレーとして、
「Get Wild」「Love Train」を演奏し、
番組後半では新曲として「Screen of Life」を演奏した
「Get Wild」「Love Train」は2番がカットされたショートバージョンである


事前の番組告知ではさらに「(Self Control)」という微妙なものも入っていたが、
これは「Get Wild」のアウトロと「Love Train」のイントロの間に、
「Self Control」のサンプリングボイスが入るためである


「Love Train」は過去曲の一つとして演奏されたものだが、
実はこの時に披露されたのは「Easy Listening」収録の「Extended Mix」であり、
実質的には新曲である
半リミックス版という新譜の形式を、
新作アピールにうまく利用した形になっている


それにしても3曲10分の演奏を放映してくれるのは、
この時期のTMでは破格である
しかも懐メロミュージシャンとしての扱いでもない
おそらく2015年のドキュメンタリ番組「Master Tape」を除けば、
再始動後のTMがもっとも厚遇された例だと思う


当時一般化していた準バラエティの音楽番組ではなく、
このような真面目な音楽番組に出演できたことは、
TMにとって幸運なことだった
小室も当日朝まで音源を作るほどの気合いであり、
番組最後にはコメントで、
「今のこの時代に音楽をきっちりと作ってる番組で、感心しました」
「PVを作るくらい一生懸命やってくれてるでしょう」
などと言っている


演奏の前後にはTM・河村と司会の恵俊彰・鈴木杏樹のトークもあった
その中で、河村がデモテープの話をしている時、
TMに話が振られた時の話は結構面白かったので、
一部を転載しておこう

小室「ぼくなんて(歌が)うまくないので、デモテープ聴く人、大変なんですよ。ウツとかもそうですけど」
恵「宇都宮さん、最初の小室さんの声を聞くんですか?」
ウツ「そうですね」
恵「それはどんな感じなんですか?」
ウツ「え? 言いづらいっすね…いやいや、そんなことないっすけど(笑)。でもあの、一番二番結構違ったりとか(←音程が狂ってるから?)」
恵「これはあまり世の中に出ていないですよね」
小室「音楽業界でぼくの下手な歌謡曲をどのくらいの人が聞いているか分からないですよ、ええ」
木根「でもぼくは、サイケで好きですけどね」
鈴木「サイケなんだ」
小室「ホント何百人の方が持っていると思いますよ」
恵「小室さんのその、聞きたいなあ」
木根「ああ、あげますよ」
鈴木「いやいやそんな」


出演はTM3人と葛城哲哉の4人で、
「Double-Decade “NETWORK”」と同じ編成である
小室は白黒チェックのシャツの上に黒の上着、
ウツは黒のポロシャツに茶色の上着、
木根は柄物のTシャツにグレーのジャケット姿である


ステージには中央にシンセを並べた大きな四角い台があり、
そこで小室が演奏している
その前・右後ろ・左後ろにはそれぞれ120℃の角度で小さな台が置かれ、
それぞれウツ(前)・木根(右後ろ)・葛城(左後ろ)が立っている
司令塔の小室を中心として、
ボーカルとギターが3方向を向いているという構図である
なかなかかっこいいと思う


1曲目「Get Wild」は基本的にオリジナルに準じているが、
この時期に特有のトランス風の強いキックが入っており、
その点では4月の「Double-Decade “NETWORK”」に近い
ただイントロに「ゲゲゲ」のサンプリングボイスが加わっているなど、
「Double-Decade “NETWORK”」とは異なるアレンジである
番組収録日は3/23でライブまで1ヶ月あることを考えれば、
この時にライブ用トラックが披露されたが、
後に変更が加えられたのかもしれない


「Love Train」「Screen of Life」は一部カットはあるが、
それぞれCDと同じアレンジである
「Screen of Life」はシングルバージョンで演奏された
当時はまだライブでも披露されておらず、
演奏シーンはこれが初披露となった
もちろんこの曲がテレビで演奏された唯一の例である
アウトロは一部カットされたが、歌はフルコーラス演奏されている


4/21の横浜アリーナライブ以後は、
6/24・25「Double-Decade Tour Final」まで、
メンバーがスタジオに赴いて取材・収録を行なうことはほとんどなかった
(ワイドショーなどが楽屋でインタビューをした例などはあるが)


そのような中で小室哲哉は「Double-Decade Tour」を控えた5/3、
「徹子の部屋」に一人で出演している
当然TM20周年のプロモーションが目的だったはずだが、
この時はTMの話はほとんど出ず、
話題はほぼKEIKOとの新婚生活だった


一応CM明けの最後の時になって黒柳徹子が、
「さて、ベストテンでもよくお会いしたんですけど、小室さんはTM NETWORK、20周年ですって今年?」と話を振って、
「Live in Naeba」の映像を少しだけ流したが、
全部合わせて1分程度である
おそらくスタッフが新婚話だけで終わるのはまずいと言って、
CM中にお願いしてTMの話をねじ込んだのだろう


小室がTMの話をしたのは、エンディングテーマが流れる中で、
黒柳が「「NETWORK(Easy Listening)」10曲入りってのが出たんですよね、TM NETWORKの」と言ったのに対し、
「そうですね、20周年記念でね。コンサートもまたあるんで」と言ったのが唯一である
(なおこれに対する黒柳の対応は「そうですか」だけ)
いったい小室はどういうつもりだったのだろうか


以上の地上波の番組の他、有料番組だったからプロモーションの効果は薄かっただろうが、
4/29にviewsicで「TM NETWORK 20th Anniversary SPECIAL」が組まれ、
1日かけて「final live LAST GROOVE」に至るSONY期TMの全ライブビデオが放送された


ライブビデオ自体はすべて商品化されていたものなので特に意味はないが、
その間にスペシャルプログラムとして、
「TM VISION」の映像の一部が放映された
また番組のエンディングには、
「Double-Decade “NETWORK”」のリハーサルシーンと、
ライブのオープニングシーンが合計2分程度流された


この番組の制作はSONYだった
そのためSONY時代の映像が大々的に放映されたわけだが、
実はTMの20周年の活動が始まるのと並行して、
SONYも過去の遺産を利用して商売を始めていた
それまで商品化されていなかった「TM VISION」が放映されたのも、これと関わっている


SONYはこの時以後、TMの活動再開に合わせて、
過去の未発表音源・映像を含む商品や、
リマスター音源・アップコンバート映像のリリースを繰り返すようになる
その多くは商業的な意図のみで制作された意義の低いものだったが、
すべてがまったく無意味だったわけでもない
特に「TM VISION」の公開は、
意味のあるものの一つだった


SONYの便乗商法は2004年度末、つまり2005年3月にまで及んだ
次章ではその中で、2004年春に行なわれた企画について見ていきたいと思う

NETWORK -Easy Listening- - TM NETWORK
NETWORK -Easy Listening- - TM NETWORK

7-17 NETWORK -Easy Listening-

7/2、Biglobeがブログの仕様を変更したようで、
見た目も少し変わりました
正直このままで良いのか判断が付きかねているので、
しばらく様子を見て、違和感がぬぐえないようだったら、
また微調整いたします


サイドバーが強制的に直されてしまい、
また手直ししたいのですが、
どうやればいいのかよくわからず…
その他不具合があっても、
しばらく放置せざるを得ないかもしれません
ちなみにテーマ別記事一覧や最近のコメントは、
サイドバーの一番下に移されました


今回の仕様変更でアクセスカウンターがなくなりました
少し前まで使っていた他業者のカウンターも止まってしまいましたが、
今はカウンターははやらないんでしょうか
別に私もそんなこだわっていたわけではないので、
これにてカウンターは終わりにしようと思います


また気持ち玉がしばらくなくなるそうです
(そのうち復活するとのことですが)
いつも気持ち玉をくださっていた方々、
しばしご迷惑をおかけします


ウェブリブログ自体、
いつまで続くのか心配にもなってきましたが、
今しばらくは継続していこうと思います
字数制限の緩和とか、悪いことばかりでもないようですし


最近新たにまとまった情報提供を受けたので、
時間を見つけて初期記事の一部を手直ししています
まだ一部しかできていませんが、進み次第進捗状況を報告します


以下近況について
Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS」について、
前回取り上げ忘れたのですが、
「Dragon The Festival Tour」のディスクに、
チャプター設定のミスがあったそうで、
SONYが郵送によるディスク交換を受け付けています
期限は今年12月までです


BOXのリリースを受けて、
ナタリーでウツのインタビューが掲載されました
前回のGYAO!のインタビューに続いて2回目です
ウツは当時、FANKSがどれくらいいるか実感できなかったけれど、
後になって影響力の大きさを感じるようになったと言っています
たしかに90~00年代て、
TMの影響が過小評価されていた印象があります


さて、これまで今年上半期は、
「劇場版シティハンター」「final live LAST GROOVE」上映会、「TM NETWORK THE VIDEOS」と、
2019年は過去のTMにちなんだ企画が次々と発表されてきました


それももう終わりかなと思っていたんですが、
ここに来てまた一つの話題が投下されました
今年は「機動戦士ガンダム」の40周年に当たりますが、
去年から関連企画を行なうことが発表されていました
そしてそのプロジェクトコンセプトは「BEYOND」でした


ガンダムで「BEYOND」といえば、
「逆襲のシャア」のエンディングテーマ「Beyond The Time」が、
ただちに想起されます
私も「ふーん、TMが動いてたら「Beyond The Time」も絡んだんだろうなあ」とは思っていましたが、
どうにもなるはずもないので、
この話題については特に触れることもなく放置していました
ところがここに来て、微妙にTMが絡む話題が出てきました


40周年企画の目玉は、
オリジナルのガンダムのプロローグに当たる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化でした
こちらは全13話で、4月末から7月まで放送の予定です
オープニング・エンディングテーマの担当はLuna SeaのSUGIZOさんで、
オープニングはこれまで第1弾(1~4話)・第2弾(5~8話)ともLuna Seaの新曲でした


6/24放送の第9話からのオープニングテーマもLuna Seaですが、
その曲は意外にもTM「Beyond The Time」カバーでした
「劇場版シティハンター」と同じサンライズの制作であることも関係しているのかもしれません
それにしてもTMとLuna Seaが絡むなんて、昔なら想像もできませんでした
たぶん「THE ORIGIN」楽曲は、今後まとめられてCDでリリースされると思います


また8/7には、森口博子さんのガンダムカバーアルバム「GUNDAM SONG COVERS」リリースされます
もちろん「Beyond The Time」も収録されます
森口さん、昔ライブでウツ・木根さんと一緒にこの曲を歌ったこともあるんですよね


TM35周年に向けて、周到な準備がされていたんだなと思うと、
嬉しさの反面、残念さもぬぐえません
こんな良いタイミング、もうあり得ませんよね…


ちなみに「ぼくらの七日間戦争」のアニメ版も、今年12月に公開予定とのことです
まあこちらはTMの「Seven Days War」が使われるとの情報は出ていませんが、
TMが活動していたら、何らかの絡みはあっただろうと思います


ウツは「それゆけ!!歌謡曲~ギア4 one~」が6/25赤坂BLITZ公演を以て千秋楽を迎えました
この日のライブは、当日ニコニコ生放送で配信されています
(その前には去年の「Tour Thanatos」の編集版も配信されました)


これに先立つ6/14には、9/22~11/10の全国ツアーも発表されました
サポートは去年の「Tour Thanatos」と同じくギター1人+キーボード3人の編成で、
ギターは北島健二さん、キーボードは去年と同じ土橋安騎夫さん・浅倉大介さん・nishi-kenさんです
去年と同様の小室曲を多く含むセットリストになるのでしょうか


そしてツアータイトルは「Dragon The Carnival」です
これは「TM NETWORK THE VIDEOS」に収録された「Dragon The Festival Tour」を意識しているのでしょうか
だとすると「Dragon The Festival」なども演奏するかもしれません
あとはソロ曲から「カーニバルの騎士たち」でもやるのかな?


木根さんは「2626ツアー」が始まりました
ツアーでは会場限定CD「R1」を販売しているそうです
劇団こどもみかんで一緒に活動している吉田ゐさおさんの企画・プロデュースで、
「木根尚登 遊ビートシリーズ」の第1弾とのことです
新曲「傘がさせない」「君が生まれた日」の他、
TMの「Get Wild」「8月の長い夜」のカバーも収録されているそうです


BOXリリースが終わり、近況整理は落ち着くかと思ったのですが、
意外と話題が途切れませんね(結構負担)
では本題に入ります

---------------------------
アルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、
2004/3/24にリリースされた
当時は「待望のオリジナル・フルレングス・アルバム完成!!」と宣伝された
「フルレングス」がアピールポイントになっていたことは、
この頃のTMの活動の低調さを物語っている
ただTM NETWORKはR&C移籍後2年にして、
ようやく初の新作アルバムリリースを実現したことになる


本作は初回限定版に限り、
見る方向で絵が変わるチェンジングジャケットが導入された
私は初回限定版以外に見たことがないが、そうでない版もあるようで、
そこではチェンジングジャケットが使われていないらしい
(GAUZE氏提供情報)


ジャケットには横3枚・縦2枚、合計6枚の写真があるが、
これを傾けると、それぞれ別の写真になる
またジャケットの裏側にも、同じ形で6枚の写真が載せられているが、
そのうちの4枚は表面の変化後の写真と同じものである

7-17.jpg
右が表面(通常)、左が裏面


表左上の老夫婦の写真は、傾けると夫が白くなって見えなくなる仕様で、
さらにこれに対応する裏の写真は結婚式の写真となっている
これは結婚から死別に至る夫婦の一生を表現したものと考えられる
このようにジャケットの写真には、それぞれ意味が与えられているようだ


右上は象の写真だが、傾けるとTM3人の写真になる
(なおこれは2004/2/5小室自宅で撮影したもの)
これはあるいは歌詞に象が登場する「Take it to the lucky」に対応するものか
上段真ん中の写真はスクラップの車が積み上がっている写真で、
傾けるとハエの写真になる
これはスクラップにされる恐れがある中で努力を続けることを歌った「Screen of Life」を表現したものか
ならば老夫婦は、男女の日常と別れを扱った木根の「君がいる朝」「風のない十字路」に対応しているのかもしれない


本作はチャートでは初動12位・2.4万枚で、
最終的には3.6万枚を売った
2003年リリースの音源集「キヲクトキロク」は、
初動25位・1.4万、総合2.1万枚だったから、
さすがにこれよりは売れたことになる
TMがSONYから移籍した2000年以来、
現在までもっとも高い売り上げとなった作品である


TMの新作アルバムが10位内に入れなかったのは、
1987年の「Self Control」以後では初めての事態である
とはいえ再始動以後のアルバムはこれまで「Major Turn-Round」しかなく、
それはインディーズ盤で売り上げが不明である(チャート集計の対象外)
要するに再始動後の作品はそもそも10位以内に入っていなかった
(2012年再々始動後は入っている)


本作の収録曲は合計10曲である
その中の3曲は、「終了」以前のシングル曲のトランスミックスだった
また木根曲2曲と1年前のシングル曲「Castle in the Clouds」の合計3曲は、
Dave FordとIan Curnowによるリミックスとして収録されている
小室が本アルバムのために作ったのは、残り4曲ということになる


その内の「nuworld」はインスト、
「come closer」は準インスト曲であり、
歌モノの新曲は2曲に過ぎなかった
その中の1曲「Screen of Life」は先行シングルで発表されており、
アルバムで初めて披露されたのは「Presence」のみである
20周年の新譜に期待するファンの中には、
この内容に不満を抱く者も少なくなかった


本作に収録された楽曲は2004/1/6からレコーディングが始まり、
2月まで1カ月半程度で制作された
この期間の短さが、本来リミックスアルバムの制作のために設定されたことに起因する点は、
以前推測したところである


その推測の是非はともかくとして、
この期間では満足なオリジナルアルバムを作ることは難しかっただろう
本作は時間的制約の中で、
可能な限りの力を注いで作り上げた作品といえる


本作が会心の出来であるとは、
スタッフもメンバーも、小室自身も思っていなかっただろう
小室によれば本作のタイトル「Easy Listening」について、
イージーリスニングという音楽ジャンルは、
音楽的にはしっかりしているがあまり失敗はなく、
流しておいても恥ずかしくないし、
邪魔にもならないものであるといい、
本作もどこで流しても気持ちいいと言われることを狙ったものだと述べている


小室は一応ポジティブな言い方をしているが、
むしろここからは、自信の無さが漏れ出している
2003年初めまでの小室は、
先進的・画期的な試みによって評価を得ようという意欲を常に発していたが、
上記の説明に見る本作の方針は、
失敗を避けたいという消極的・妥協的姿勢が強く出ているように感じられる


また小室は本作で、トランスのような音をポップスに入れていく作業を行なったとし、
トランスの気持ちよさのさじ加減を考えたと言っている
小室はこれをトランシーまたはJトランスと呼んでいるが、
つまり全面的なトランスの実践ではなく、
トランスを適度にポップスに取り入れることを試みたと言うことである
具体的には「Screen of Life」を念頭に置いた発言だろうが、
この頃の小室の、トランスを前面に出すことを強調しない姿勢は見て取ることができる


これ以前、2001~02年の小室は、
トランスを日本のミュージックシーンに送り込みたいと語っていたが、
それと比べるとこの頃の小室の態度は相当妥協的である
2003年のglobe「Level 4」での失敗が尾を引いているのかもしれない


小室は「Level 4」以後の作品では、
トランスから離れる方向も見せていたが、
かと言って新しい方向性を見出していたわけでもなかった
小室はそうした迷いの中で、
TM20周年作品になかなか取り掛かることができなかったが、
最終的にはトランスの方向で行くことを選択した
しかしその選択に十分な自信はなかったため、
上記のような妥協的な発言となったのだろう


その意味で本作は、
小室が自らの迷いを払拭できないまま着手を余儀なくされた作品でもある
ともかくも形になったことを喜ぶべきか、
中途半端な作品となってしまったことを嘆くべきか、
なかなか判断は難しいものがある


ただともかく、小室が長期にわたって傾倒したトランスは、
ここでついにTM NETWORKにも導入されることになった
これは小室の音楽史の中では、トランス作品の最末期のものとなる
あえてポジティブな評価をすれば、
2001年以来の小室トランスの最終的な達成が本作だったといえよう


以下では各収録曲について言及していきたい
ただし「Take it to the lucky(金曜日のライオン)-Album Mix-」「Screen of Life -Extended Mix-」については前章で触れたので、
ここでは他の8曲について触れることにする


すでに述べたように、本作で歌モノの新作といえるのは、
先行シングル「Screen of Life」を除けば、
3曲目「Presence」のみである
曲名はLed Zeppelinのアルバムタイトルから取ったものである


この曲はイントロ無しで歌が始まる
「Seven Days War」「Winter Comes Around」「大地の物語」などの例はあるが、
TMでは珍しい作りである
少なくとも再始動後だと、
これ以外には「if you can」くらいしかない


「Presence」は本アルバムの小室曲の中で、
唯一のミディアムテンポ曲である
音はシンセが前面に出ているが、
どちらかといえば歌をじっくり聞かせる作りである


トランスのように耳に突き刺さるインパクトはないものの、
シンセの穏やかな空気は良い雰囲気だ
葛城のギターとの絡ませ方もとてもよい
この曲と「Screen of Life」を出すことができたことは、
この頃の小室の状況を考えれば、よくやったといえる


作詞は「Screen of Life」に続いて小室哲哉が行なった
アルバムに収録された小室の新曲は、
すべて小室自身が作詞している
小室は木根曲の「風のない十字路」も作詞する案があり、
後にインスト曲「nuworld」にも歌詞を付ける案があった
この頃の小室は、作曲以上に作詞に意欲的だった


「Presence」では「Screen of Life」と同様に、
歌詞に「ですます」調の文体が使われている
内容も「Screen of Life」と同様に、
社会から使い捨てにされそうな絶望感の中で、
奮い上がる気持ちを歌ったものである


この絶望感は「Screen of Life」以上に直接的で、
冒頭から「悲しかったね自分の影をだんだん…誰もがまわりが必要としなくなってた」と言っている
さらにかつて自分に向けられていたのは「たてまえの笑顔だった」とも語る
この頃の小室の下からは、知人が次々と離れていっていたのだろうか


小室はこうしたつらい現状の中で、
「私たちの国はこれからいつから何処へ進むのか走り込むのか」と言って、
日本という国への不満を語る
これは政治的な発言というよりは、
自分を取り巻く不如意な環境への絶望感を吐露している部分で、
国の戦士として戦いを強いられてきた者をスクラップとして捨て去る日本社会への不満を語る「Screen of Life」と同様の趣旨である


ここまで「Presence」「Screen of Life」とほとんど同じことを言っている
ただ形式としては、「Screen of Life」はファンの状況を語ったものであるのに対し、
「Presence」は明らかに小室が自らの状況を吐露するモノローグである
両者が同じ内容であるのは、前章で推測した通り「Screen of Life」も実質的には小室自身のことを歌ったものだからであろう


ここまでは小室がスランプに陥っていた2003年の絶望的な心情を表現したものだが、
「Screen of Life」はそれでも愛する人のために再起を図ろうとする決意を外に向けて表明する内容となっている
一方の「Presence」もこの結論は同じだが、
描かれるのは自らの決意を「愛する人」に伝えるという、より個人的な場面である
同じ決意表明でも、片やオフィシャル、片やプライベートな場面でのそれと言える


「Presence」の決意表明に当たるのは、具体的にはサビの部分である

We know the truth 独り言です
We know the pride 君と出会えて
We know the crime 素顔見せずに済んでいる
何よりも感じられる存在、PRESENCE


「君と出会えて素顔見せずに済んでいる」とあるのは、
「君」がいるおかげで外に対して本心を隠して頑張れるということだろう
その本心はAメロ・Bメロで語られた絶望感に他ならない


小室はサビに入るところで、
この絶望感を「独り言です」と言ってひっこめるのだが、
こうした愚痴を何も言わずただ聞いてくれている「君」のおかげで、
小室はようやく精神の平衡を保つことができていたのだろう


その「君」は「PRESENCE」、つまり目の前にいる存在である
この頃の小室の生活を考えれば、
ここで念頭に置かれていたのは妻のKEIKOとするべきである
(小室は冗談で木根がいればいいんだという意味だと言っているが)
ならば「We know the truth」などのフレーズで主語が「We」になっているのは、
小室だけでなくKEIKOも同じ思いを抱えていることを示していることになる


ただこれを聞いているファンにとっては、
「君」は自分たちを指していることにもなるだろう
小室がファンに対して自らの絶望感を告白するとともに、
曲を聞いてくれるファンのおかげで活動ができていることを感謝している歌詞と読むこともできる
この曲はこの頃のライブで本編の最後やアンコールで演奏されたが、
それはライブに来てくれたファンに対する感謝のメッセージでもあったと考えられる


歌詞の内容はかなり病的だし、優れているとも思わない
だが歌詞に現れた心情がシンセの音色で表現されている点は、
やはり「Screen of Life」と同様である
穏やかなシンセの音色は、
「君」のおかげで救われている小室の心情を表現したものに違いない
このアルバムにおいて、「Screen of Life」とあわせて聞くべき曲である


ついでリミックス曲に触れよう
まずは2曲目の「Love Train -Extended Mix-」である
なお1993年の「Classix 2」には、
「Love Train (extended euro mix)」が収録されているが、
これとはまったく関係ない
しかしそれにしてもまぎらわしいタイトルである


この曲は「Take it to the lucky」と同様に、
2003年9月の「Fan Event in Naeba」で使われたライブ用トラックを手直ししたものである
ただライブからレコーディングまでの時間差があったためか、
手直しの度合いはより大きい


たとえば「Fan Event in Naeba」では、
アクセル音をイメージしたシンセなど、オリジナル音源で使われた音が各処に残っていた
だが「Extended Mix」では、これらが大々的にカットされており、
原曲の雰囲気が著しく減退している
「Fan Event in Naeba」では残っていた冒頭のサビもなくなっている
一方で「Extended Mix」では、
イントロの特徴的なシンセや葛城哲哉の冒頭のコーラスなど、
「Fan Event in Naeba」にはなかった要素を付け加えている


言うなれば原曲にトランス的な要素を加えたのが「Fan Event in Naeba」バージョンだったとすれば、
「Extended Mix」は原曲の部分を取り除きトランス要素のみに仕立て直したと言う印象である
その結果「Extended Mix」は、
原曲よりも落ち着いてクールな雰囲気を作り出すことに成功している


私は「Love Train」自体があまり好きではないので、
このアレンジへの関心はそれほど強くない
だが3曲の過去曲リミックスの中では、
これが一番よくできていると思う


リミックス曲としては、
6曲目の「Take it to the lucky-Album Mix-」の他、
8曲目の「Time To Count Down -Labo Mix-」もある
「Time To Count Down」は3曲のリミックス曲中では、
もっとも極端なアレンジが施されたものである


このアレンジはライブ用テイクの転用「Take it to the lucky」「Love Train」と異なり、
レコーディング時に作ったものである
小室は半日で作ったと言っている


冒頭で「Time To Count Down」の掛け声が入り(ウツ声ではない)、
「Ah」「LaLa LaLaLa LaLaLaLa」の声が続くが、
その後はパーカッションが続き、なかなか歌が始まらない
原曲の雰囲気の希薄さでいえば、
「Take it to the lucky」「Love Train」以上である


だが2分を過ぎた頃から、
原曲イントロのピアノソロのフレーズがシンセで奏でられる
ここが本曲でもっとも「Time To Count Down」的な部分だろう
さらにドラムやギターも加わるが、
ピアノのフレーズは2分以上、曲の終盤まで続く


そして最後の20秒になってようやく、
「Time To Count Down 風の中 Wow Wow Wow 裸で」の歌が入るのだが、
曲はここでフェードアウトして終わる
「Time To Count Down」と言いながら、
歌メロはほとんど使われておらず、
歌詞カードにも歌詞は掲載されていない
私も初めてこれを聞いた時、予想外のアレンジにかなり驚いた


以上3曲およびシングル曲「Screen of Life」「Take it to the lucky」は、
20周年ライブでも演奏された
その意味ではこの5曲が「Easy Listening」の主役と言える


最後の9・10曲目は新曲である
8曲目の「Time To Count Down」からここまでは、
本作でもっともトランスの雰囲気が濃い部分である
3曲ともほとんど歌詞がなく、
小室ソロのインスト作品としての性格が強い


9曲目「nuworld」は「new world」の意味である
8分半近くに及び、アルバムの中ではもっとも長い曲である
5:39のところからは、基本的に2分過ぎの部分からの繰り返しであり、
無駄に引き延ばした感が強い
冒頭の部分は悪くないと思うのだが…


ただ同じ構成が続くのは、意味があるのかもしれない
というのも小室はレコーディング終了から間もない2/24のインタビューで、
ライブでは「nuworld」に歌詞を付けたいと語っている
(現在まで実現していない)
かつて2001年、globe「genesis of next」が、
まずインストで発表された後に歌詞が付けられたことなども念頭にあったのかもしれない


小室がインタビューで歌詞を付けたいと言っているのは、
実はもともと歌を入れるつもりで作っていたためとも考えられる
同じフレーズが繰り返されているのも、
歌モノのバックトラックの予定だったと考えれば理解しやすい
おそらく時間が足りず、歌詞と歌メロを作ることができなかったのだと思う


その場合、「Time To Count Down」も改めて気になるところである
この曲ではボーカルトラックをオリジナル音源から取っているが、
(ライナーにもこの部分だけ、「This track contains samples from “TIME TO COUNT DOWN” under licence from Epic Records Japan Inc.」と書かれている)
実は当初は「Take it to the lucky」「Love Train」と同様、
歌を録り直すことが予定されていた
半日で作ったと言うことから考えるに、
歌が録られなかったのは時間の不足によるものである可能性がある


さらに疑えば、最後の「come closer」もタイムアップだった可能性がある
この曲の歌詞は、
「Come closer Don't go away…」
「Stay Around Stick Around…」
「Get a hold of yourself…」
の3つだけであり、
インストの中にウツのボーカルが時折流れるという構成だが、
歌をちゃんと入れる時間がなかったのかもしれない


ただこの曲については、
ささやくようなウツの声をSE的に使用している部分は、
それなりにかっこよく聞こえる
これでアルバムを終えると言う構成は、悪くないと思う


この曲は最初のワンフレーズから広がった曲だと言う
ワンフレーズとは、歌詞冒頭の「Come closer」だろうか
「Easy Listening」は、最初は「Screen of Life」で再起を目指すことを宣言し、
最後はファンに対して、「もっと近くに来て、去って行かないで」と、
お願いして終わるのである


しかしそれにしても、
最後にインスト・準インストを3曲並べるというのは、
バランスとしてどうかと思う
(これは次回作「SPEEDWAY」もそうなのだが)
音も似ているため、いかにも捨て曲という印象を受けてしまう


以上5曲が小室によって作られたトラックである
他の3曲は既発表曲のリミックスで、
クレジット上では小室が編曲したことになっているが、
小室がこれらについて具体的な発言をしたことはない
実際の関与はなかったか、ごく限定的だったと考えられる


4曲目「Castle in the Clouds」はDave Fordが、
5曲目「君がいる朝」と7曲目「風のない十字路」はDaveとIan Curnowが、
Additional Productionを行なったとされているが、
事実上リミックスを全面的に委託したものだろう
これらはすべて「Album Mix」の副題が対いている


この3曲のアレンジは、アルバム用に音を調整したというレベルではなく、
曲自体が大きく変更されている
そのアレンジはトランス風というわけではないが、
特に「君がいる朝」「風のない十字路」は原曲の雰囲気を大幅に変え、
長く重苦しいイントロが加わっている


「Castle in the Clouds」は、
生ドラムがすべてシンセに差し替えられており、
リズム感が原曲とは大きく変わって、勢いが感じられる
小室も2002年のアレンジ時に、同様のことをしようとしたのだが、
その時は80年代というコンセプトを意識してやめたという
それがこの時に実現したというところだろうか


「君がいる朝」は、
オケのメインだった生ピアノがシンセに置き換わったことで、
大きく趣が変わっている
またイントロや間奏が大幅に長くなっており、
原曲の長さは4分半もなかったにもかかわらず、
「Album Mix」は8分となっている


「Castle in the Clouds」のドラムにしろ、
「君がいる朝」のピアノにしろ、
生楽器がほぼなくなっているのは、
トランスを中心にしたいと考えていた小室が、
そのように依頼したものかもしれない


「風のない十字路」も、原曲ではピアノ音色のシンセが目立っていたが、
これが控え目になり、ドラムが目立つ形で加えられている
やはりかなり印象が変わった曲である


個人的にこれらの曲については、
音はオリジナルよりもアルバム版の方が好きだ
ただ発表当時の楽曲のコンセプトや歌詞を考えると、
違和感を感じなくもない
特に「君がいる朝」については、その印象が強い
DaveもIanも日本語は分からないだろうから、
歌詞の内容を考慮せずリミックスを行なったものと思われる


NETWORK -Easy Listening-
コロムビアミュージックエンタテインメント
2004-03-24
TM NETWORK
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7-16 NETWORK TM

Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS」が、
5/22にリリースされました
3万円を超える高額商品の上、ほとんどが既発表商品の寄せ集めだったにもかかわらず、
音楽Blu-rayチャートで2位・5914セットの成績を上げました
音楽Blu-ray・DVD総合では3位です。


同様の商品としては2016年に、
30周年関連の映像をまとめた「TM NETWORK 2012-15」がありましたが、
こちらは1519セットでした
まあこれはほとんどが数年以内にリリースされたばかりの映像でしたからね
また2015年にはSONYのライブ映像を1枚のDVDに寄せ集めた「TM NETWORK THE MOVIE」もありましたが、
これも3360枚の売上でした


2013年「START investigation」以後の新作映像も、
売上は7000~8000枚でした
(2012年の「incubation Period」は1万枚くらいでしたが)
映像作品まで手を出すファンの上限はこのくらいと考えられますので、
その中の6000人を動員できたのは、商法としてはうまくいったのだと思います


今回の商品、10枚全部ごちゃごちゃ言うこともできますが、
私にとって商品価値の99%は初商品化の特典ディスク「Dragon The Festival Tour」にあるので、
これだけ触れることにしようと思います
ちなみにBOXのフタの裏には、
本ツアーエンディングの3人のシルエットがイラストとして描かれています
こういう細かいところで、ファンとしては嬉しくなりますね


さて、肝心の映像の内容ですが… 実は何も語ることがありません!
「CAROL Deluxe Edition」「TM NETWORK THE MOVIE」「FANKS CRY-MAX」など、
これまで私は過去ライブの商品化のたびに、
ものすごくねちっこく、どの部分の映像がどうだと、細かく検証してきました
熱心なファンの反感も買いながらも、時間をかけてこんなことをしてきたのは、
ひとえに提供されるものの質がひどすぎたことがあります


またこういうクズ商品でもファンが満足してしまうと、
今後もSONYから同様の粗悪品が出され続け、
本丸となる映像の全貌が延々と隠匿され続けるという危惧もあり、
本当に求めるものはこんなのじゃないはずだと訴え続けてきました
しかし遺憾の意を述べるだけでは理解が得られないと思い、
どこが不満で何が欲しいのかをちゃんと書くようにしてきたわけです


ところがですよ


今回の「Dragon The Festival Tour」
これ、私が求め続けてきたものそのものなのです!


まず映像は保存されている素材を使い、最善の画質で提供されました
今回商品化された日本青年館公演の映像は、
かつて4曲がTVで放映されていましたので、
私はてっきりその映像が含まれているものと思っていたのですが、
見てみると、共通する映像も用いながら、まったく別編集となっていました
過去の編集済映像をアップコンバートしたのではなく、
映像素材を使って一から編集し直したと考えられます


音についてはこれまで「Groove Gear 1」「The Singles 1」に断片的に収録されたものがありましたが、
Blu-rayはそれらと比べても、それぞれの音がはっきりと聞こえます
当時のラジオの録音との違いはもちろんです
やはりBlu-ray用にリマスター処理を行なったようです
なお余談ですが他のディスクについて、
DVDで抹消されていた「LAST GROOVE 5.19」「Kiss You」の歌ミスも、
ミックスをし直した結果か、うっすらと復活しています


最後になんといっても感激したのは、
デビューからまもない売れていない時代のライブの様子を、
最初から最後まで続けて全部見ることができたこと!
古いライブは完全な形では見られないという話は何度も聞かされていましたが、
ここに来て人生の願いの一つが叶えられました


「永遠のパスポート」を座りながら歌っていたのも初めて知りました


ということで、SONY様!様様!
今回のBOXは(実質的には「Dragon The Festival Tour」が)大満足の出来でした!
つきましては、この他にも蔵に眠っている映像素材、
機会を見つけて日の目を見せていただきたく存じます!


いや、あることは分かっているんです!
分かっているから早く出せやこのや…いや、出してくださいませ
今から企画を作れば、来年度には出せますよね?
そんなすぐに無理でも、またいずれ次の企画を、是非お願いします!
この水準のものを出してくれれば、単品3万円くらいでも余裕で出します!


さて今回の35周年関係企画について、
少し前には木根さんのインタビューが出ました
「Player」7月号にもインタビューが出ているそうです
(本記事haruさんコメント)


BOXリリース日にはウツのインタビューが出ました
昔の思い出を語ってくれています
「TMN 4001 Days Groove」2日目のオープニングの話もしていますが、
何の曲をやったか覚えていないようです
まあこの時ウツはステージにいなかったわけだし、
ウツ自身が演奏したわけでもないから、
あんまり印象にないのかもしれないですね
サポートがその日になって即興で演奏したわけですし


35周年企画は終わりとなりましたが、
6/18ナタリーの企画で、新宿ロフトプラスワンで、
クラムボンのミトさんとRAM RIDERを招いて、
トークライブ「Respect! トークライブ Vol.2 ~TM NETWORK 勝手に名曲総選挙~」開催されます
すでに終わってしまいましたが、
6/3まではTMの名曲投票が行なわれており、
おそらくこの結果を元にトークを行なうんだと思います


ウツは「それゆけ!歌謡曲〜ギア4 one〜」が佳境に入ってきましたが、
5/29のマイナビブリッツ赤坂公演では、ゲストとして木根さんが出演しました
木根さん、小室さんとたまたま会った話などしたそうです


木根さんは「2626ツアー」の後半公演の日程(8/17~10/6)を発表しました
6/15チケット発売です
またFC休止の代替措置として、
停止されていたメーリングリスト再開されました
いつのまにか「キネメガ」て名前が付けられているんですが、こんな名前ありましたっけ?


メディア出演では、木根さんが、
6/3日本テレビの「ヒルナンデス!」
6/4ラジオフチューズの「Zackeyの府中熱中音楽館」に出演しました
ウツは6/1「ほくりくアイドル部 放課後ホリデイ」
6/11「Sunset Express MOVE」に出演します
どちらもFM石川です


では本題に入ります

--------------------
TM20周年記念シングルは、
小室新曲・小室リミックス曲・木根新曲の3曲と、
それぞれのインストを加えた6テイクを収めたマキシシングルとして、
2004/2/25にリリースされた


この中で小室の2曲はともにトランスアレンジである
これをリードシングルとして出してきたことは、
TM20周年がトランスを中心とすることを宣言するものでもあった
アルバム制作も本作と連続して行なわれたが、
やはりトランス風味の作品に仕上がっている


このシングルは収録曲とは別のタイトルが付けられた
「NETWORK™」である
こうした例はTMでは他にないが、
当時の邦楽シングルでしばしば見られたものであり、
小室にとっての前作に当たるKEIKOのマキシシングルも、
曲名とは関係なく「KCO」と名付けられている


翌月のアルバムは「NETWORK-Easy Listening-」であり、
20周年記念ライブは「Double-Decade “NETWORK”」であり、
20周年では「NETWORK」という単語がクローズアップされた
実は意外なことに、これまで20年間、
「NETWORK」が強調されたことはなかった


タイトルのロゴは、「™」の部分がマルで囲まれている
また文字の周りには汚れのような装飾がある
このロゴは「NETWORK™」のCDに印刷されているほか、
「NETWORK-Easy Listening-」の「NETWORK」の部分でも用いられている
だから実は「NETWORK-Easy Listening-」も、
厳密には「NETWORK™-Easy Listening-」とすべきである


CDには藤井徹貫による解説文を載せた別紙も封入されており、
その後ろには20周年のロゴマークが印刷されている
3本の傘が横に並び、その下に「NETWORK™」の文字、
そしてその下に「DOUBLE-DECADE」の文字があり、
これらが下向きの矢印の中に収められているというものである
なぜ傘なのかは分からないが、
3本の傘はTMの3人を表現しているのだろう


このロゴマークは「Double-Decade “NETWORK”」でも使用され、
TM20周年のシンボル的なマークになった
色々と不満があった20周年の活動ではあったが、
個人的にこのロゴは結構好きである




CDのジャケットは、浮輪をはめて屋外を歩く子供の後ろ姿である
海岸で撮影したものだろうか
この時期のジャケットデザインは、
洋楽ジャケット風の雰囲気が濃い


本作に封入される応募券を「Easy Listening」に封入される応募ハガキに貼って送ると、
抽選で「プレミアムグッズ」がプレゼントされた
A賞はオリジナルリストウォッチ(50名)、
B賞はオリジナルウィンドブレーカー(100名)、
C賞はオリジナルピンバッチ(赤・青・黒)(300名)だった


また4/21の横浜アリーナライブ「Double-Decade “NETWORK”」と、
5~6月の全国ツアー「Double-Decade Tour」(一部)の特別先行予約案内も封入されていた
この時の活動が短期で宣伝もほとんどできなかったこともあり、
TMは新作の発売をライブ開催と組み合わせて効率的に動員に結び付けようとした


本作は初動13位・1.8万枚、総合2.7万枚の成績となった
2002年の前作「Castle in the Clouds」の3.6万枚を下回る成績であり、
TMのメジャーシングルでは、
1987年「Get Wild」以来、初めて10位内ランクインを逃した
売上3万枚(1989年CD化当時の売上を除く)を越えた1987年「Self Control」を下回っている
TMが長い間まともな活動を見せなかったことで、
ファンの規模がブレイク前の程度にまで低落していたことが分かる


本作の制作過程については、
アルバムとともに前章ですでに触れたところである
結論のみ確認すると、
2003/11/10~13に「Take it to the lucky」がレコーディングされた後、
2004/1/6から同月半ばにかけて、
「風のない十字路」「Screen of Life」がレコーディングされた
そして小室はそのまま、アルバム曲の制作に入った


アルバムも含めてこの時のレコーディングでは、
小室とウツ・木根の間のコミュニケーションが極めて乏しかった
レコーディングの時も、3人で会ったことは一度もなかった


2000年の「Major Turn-Round」の時も、
小室はアメリカ、他のメンバーは日本でレコーディングし、
データをネットでやり取りしつつ制作を行なった
だがこれは、小室がアメリカの永住権を保持するために、
一定日数アメリカに滞在しないといけないという事情もあったと思われる


一方2004年には、3人とも東京にいたにもかかわらず、
小室は自宅のスタジオで一人で作業を行なった
(もちろんアシスタントはいたが)
小室によれば、Protoolsでハードディスクレコーディングをすれば、
大規模な設備は不要だったためという
シンセサイザー以外の生楽器は、
葛城哲哉のエレキギターだけである


小室は音源がある程度できると、
スタッフを呼んで渡したり、データでメンバーに送ったりしていた
ウツ・木根はこれに歌やコーラスを入れて小室に送り返すということを行なっていた
木根は個別に小室に会うことはあったようだが、
3人で日常的な会話をする機会はほとんどなく、
ラジオ出演などの機会をとらえて打ち合わせを行なった


木根の「新・電気じかけの予言者たち」でも、
本作のレコーディングについては、エピソードらしいものがほとんどない
木根がほぼ関与しておらず、
仕事の進行状況以上の情報が入ってこなかったのだろう


一方で木根曲の「風のない十字路」には、
小室が関与した形跡がまったくなく、
事実上木根と吉田建による共作となっている
アルバム曲を含めても、この事情は変わらない
Dave Fordに外注した音源も、小室は関わっていないようだ


小室が関わった曲はほぼ一人で作り、
その他の曲は完全に制作をまかせると言う形態であり、
シングルのキャッチフレーズである「NETWORK」が生きているとは思えない状態だが、
前章で触れたように、精神的に追い詰められていた中での作業だったことから、
あえてこのような形が取られたのだろう
おそらく楽曲制作をする小室の横にいたのは、
ウツでも木根でもなく、妻のKEIKOだった
この小室の孤立感は、次作「SPEEDWAY」レコーディング時との大きな相違点である


以下、本作収録の3曲について触れていく
まず最初に作られた「Take it to the lucky(金曜日のライオン)」は、
すでに述べたように9月の「Fan Event in Naeba」でのアレンジを基にしている
2004年1月から、フジTV系「ジャンクSPORTS」のエンディングに起用されたが、
かつての「Ignition, Sequence, Start」と同様に、
よど意識していないと誰の曲なのかも分からない程度の無意味なタイアップだった


本作は1984年のTMデビュー曲「金曜日のライオン(Take it to the lucky)」のトランスミックスで、
選曲としては20周年にふさわしい
曲名とサブタイトルを入れ替えた事情はよく分からないが、
「金曜日のライオン」というタイトルを後悔していたのだろうか


この曲と「Easy Listening」収録の「Love Train (Extended Mix)」は、
「Fan Event in Naeba」のライブトラックを利用し、手直ししたものである
ウツは両曲でボーカルを録り直した
ウツは20年前よりも声が若くなっていると言っている
歌唱力の増したこの頃のウツによる「金曜日のライオン」が音源化したことは、
この曲のファンである自分には嬉しいところだった


ベース・ドラムはシンセである
いかにも機械で作られた感じのシンセドラムは、
この時期の作品の特徴でもある
生音としては葛城哲哉のエレキギターが入っている
このギターはところどころでかなり目立っており、
曲によく重みを加えている


「金曜日のライオン」の原曲は個人的にも大変好きな曲なのだが、
このアレンジではたしかに21世紀仕様に大きく様変わりした
原曲のフレーズはほぼ使っておらず、
かつての表現を使えば「リプロダクション」というべきものである
原曲の雰囲気が残っているのは、間奏のシンセのフレーズくらいだろうか


苗場で行なわれた「Fan Event in Naeba」のバージョンとシングル版を比較すると、
シングル版はイントロがパーカッションのみで始まるが、
苗場バージョンではこの部分が存在しない


シングル版で私が特に好きなのは、
イントロやBメロで多様される、左右に振られたシンセ音で、
この曲でもっとも印象的な音となっている
AメロからBメロの展開も好みで、
原曲とは違った魅力を表現できていると思う


この曲は1番から2番Bメロにかけて勢いを増すが、
2番・3番のサビ(「Together」以下の部分)では音が大きく減らされる
(ただし3番サビ後半では音が加えられている)
サビをあえてシンプルにしてメリハリを付けようとしたものだろう
ただ私はこの部分は、あまり好きではない
なお苗場では、シングル版ほど極端にはサビの音が減っていない


「Take it to the lucky」は翌月リリースのアルバム「Easy Listening」にも、
「Album Mix」として収録された
曲の長さは30秒ほど長くなったくらいだが、
音の面でもシングル版とはかなり異なっている
ライブでは常に「Album Mix」が演奏された


「Album Mix」のイントロはシングルのようにパーカッションではなく、シンセで始まる
私としては、イントロはこちらの方が気に入っている
1番Aメロに入った後も、オケの印象はかなり違う
「Album Mix」ではしばらくドラムが入らないのだ


また3番Aメロのドラムパターンが、シングルと「Album Mix」で異なっている
シングルは2番Aメロのパターンを使っているが、
「Album Mix」は前半が1番Aメロ、
後半が2番Aメロのパターンを用いている
(この曲は1番と2番でAメロのドラムパターンが異なる)


最大の違いは3番サビの後の展開である
シングル版では原曲に準じてBメロの繰り返しが入るが、
「Album Mix」ではこれがなく、
ウツが「Take it to the lucky」のフレーズを2回歌うまで2分以上間奏が続く
逆に「Take it to the lucky」のフレーズは、シングル版には入っていない
他にも様々な相違点があると思うが、
いずれにしろ「Album Mix」は、単にシングル版を長くしたわけではない


ついで「Screen of Life」に触れよう
本作は1999年「10 Years After」以来の小室の作詞だが、
リリース当時、この歌詞が話題にされた
1999年「Happiness×3 Loneliness×3」以後のTMの歌詞は、
すべて小室みつ子が手掛けてきていたが、
この時実に5年ぶりに小室哲哉自作詞が披露された
以後2014年まで(つまり小室引退に至るまで)、TMの歌詞は小室作詞が基本となる
その意味で本作は、歌詞の上ではTM史上の画期である


この時に示された歌詞は、です・ます調のものだった
また相手への呼びかけは「あなた」となっている
同様の文体は「Easy Listening」に収録された「Presence」でも採用された
この文体はTMでは、前にも後にもこの時だけである
ウツは、はっぴいえんど的な言い回しと言っている


ただこの文体はTMファンには驚きだったかもしれないが、
実はglobeではすでに2002年から、
「Over the Rainbow」「get it on now」などで使われており、
必ずしも突飛なものではなかった


しかしこの歌詞の衝撃は、文体よりもむしろ内容である
この頃の小室は、自分の心象風景などいろんなことを歌詞にしたいと思っており、
どんどん言葉が出てくる状態だった
次に述べる「風のない十字路」も、
初めは小室が自分で作詞することを提案したという
2007年の「SPEEDWAY」でも同様に小室が大部分を作詞したが、
あるいは曲よりも歌詞の方に関心が向かっていたのかもしれない


歌詞は「あなたはこの国の戦士(ソルジャー)」という呼びかけから始まる
その「あなた」は戦いを強いられながらも、
生きがいを見つけて愛すべき人を思い出しながら奮闘しているが、
「手遅れな人々は山積みにスクラップのようにこの国の土地のために埋め立ての材料にされていく」という


つまり「あなた」は、替えの利くコマの一つとして、
使い捨てにされる可能性がある中で、
生きがいや愛する人のために生き抜こうとしている
それを踏まえて小室は「あなた」に対して以下のように、
今すぐじゃなくてもいいから動くべきだと伝える

目覚めてるんでしょう? 動かないのですか?
明日からでもいいんです 今日からじゃなくてもいいんです



要するに小室は、社会から使い捨てにされそうな状況でもがんばろうと呼びかけている
かつて作ってきた10代向けの歌詞と比べると、
なんとも様変わりした感がある
小室はこれについて、団塊世代でも共感できる歌詞と言っている


だがそもそもこの曲は記念すべき20周年のアニバーサリーソングである
ファンに向かって「あなたはスクラップにされそうだ」というのは、
歌詞の一テーマとしてはありえるとしても、
「なぜ今これ?」という思いも禁じ得ないというのが正直なところだ
団塊世代が共感できる歌詞だとしても、
それはTMファンの中心世代(1970年代生まれ)でもない
この歌詞は本当にTMファンへのメッセージとして着想されたのか、
という疑問も湧いてくる


気にかかるのは、先に述べたようにこの頃の小室が、
自分の心象風景などを書きたいと発言していることである
つまりこの歌詞は、小室自身の内心を表現したものである可能性がある
ならば歌詞の形式は「あなた」=ファンに忠告するものではあるものの、
その実、自らの決意表明であるとも考えられる


決意表明説を傍証するのが、2番の歌詞である
冒頭では「死に際のスクリーン」に「クライマックスをつくりましょう」と述べられ、
そして「私もあなたもつくりましょう」とも述べられている
自分もクライマックスを作るから、あなたも作ろうと言うことであり、
「あなた」への忠告が自分の決意でもあることが明言されている


それは1番の歌詞についても言えるだろう
すなわちスクラップにされそうな状況下で、
再起を図ってがんばりたいと思っているのは、
ほかならぬ小室自身ではないかということである
話しかける「あなた」の特殊な絶望的設定も、
自分の状況を投影したものと見れば理解できるように思う
想像をたくましくすれば、「あなた」と「わたし」の会話は、
小室の心中で行なわれていた自問自答の様子を歌詞に起こしたものかもしれない


この頃の小室は財政的に窮迫する一方で、
仕事はうまくいかず、創作意欲も減退していた
小室はそのような状況を自省して、
「スクラップ」にされそうだと思って作ったのが、
「Screen of Life」の歌詞だという前提で、
以下歌詞を解釈してみたい


小室がスクラップにされるのは、
「この国の土地のため」の埋め立てのためである
ここで「国」という大きなレベルが持ち出されているのは、
この頃の小室が、日本社会全体から不要なものとして見捨てられ、
抹殺されようとしていることを感じていたためだろう


その前提には、かつて日本列島全体がこぞって、
自分を天才ともてはやしていた頃との落差を意識したこともあったに違いない
かつての多忙なプロデューサー時代の小室は、
まさに戦いを強いられる「この国のソルジャー」だったのだ


だが現状のような絶望的な状況下でも、
生きがい=音楽や、愛すべき人=KEIKOのために、
今すぐではなくてもできる限り動きたいと考えた
小室の決意表明説をとった場合、
だいたい以上がその内容であると考えられる


周知の通り小室は、2008年の逮捕時、世間から様々な批判を受けたが、
その中には、現状を認識せず浪費を続けたことへの批判も多かった
だが以上のような歌詞の解釈が成立するならば、
小室はこの頃には危機的状況を自覚していたと見るべきだろう


そうした中でスランプ状態に陥った2003年だったが、
2004年になって小室はもう一度、音楽とKEIKOのためにがんばろうと決意した
その決意を元に作り上げたのが、この「Screen of Life」だった


ところでタイトルの「Screen of Life」=「人生というスクリーン」とは、
歌詞の中に、「死に際のスクリーン」に「クライマックスをつくりましょう」とある部分を受けたものに違いない
つまり小室は人生を、一本の映画に例えているのである
「クライマックス」というのは仕事の成功など人生の盛りを言っているのだろうが、
それを「クライマックス」と表現するのも、人生を映画に例えた表現と考えられる


すでに自らは人生において「死に際」にいるが、
そんな中でも華々しい場をまた実現したいと、小室は考えていた
それは「愛する人にその人のためだけの上映会を行ないましょう someday」という通り、
愛する人、KEIKOに見せるためだった
もちろん以上の決意表明説は、あくまでも一案であるし、
最終的な結論を出すことはできないだろう


決意表明説が成立するとしても、
歌詞全体はファンへのメッセージの形式となっていることも確かである
「We are always shooting mind, pride, shame, cry, love, fight, all of you!!」
というサビの歌詞などは、メッセージとしての体裁を取っている部分である


これを直訳すれば、
「我々TMは、あなたのあらゆるものをいつも撮影している」というところだろう
ファンの人生の様々な要素を映画の素材に例え、
TMがこれをいつも見守っていると伝えているのである
もっともそれは同時に、
自分の人生を見守っていて欲しいと言うファンへの期待の裏返しでもあるのだろう


いずれにしても重い歌詞だが、
この空気は曲にも表れていると思う
たとえばイントロ冒頭、哀愁漂うギター音は、
まさに「死に際」で息絶えようとしている「私」の様子を表現しているのではないか


しかしやがてテンポの速いドラムとともに、
哀愁を含みつつも勢いのあるブラス系音色のシンセが加わる
これはこの曲のトレードマークとも言える音だ
曲は勢いを増し、Aメロからサビに向かって盛り上がり続ける


なお1番後の間奏以後は、ピアノ音色のシンセが前面に出されるが、
これが軽快な感じをよく出している
曲の進行とともに重い雰囲気から軽やかな雰囲気へと展開する作りで、
少し前の小室曲ではglobeの「Many Classic Moments」を思わせる


私はこの展開は、絶望の中生きることをで改めて決意したことを表現したものと思っている
音が歌詞とともに、製作者の心情を表現しているように思うのだ
この曲の好き嫌いは分かれるかもしれないが、
「Screen of Life」は小室が自らの心情を絞り出すことによって生み出された楽曲だったように思う
なお事態がさらに差し迫った段階で、
小室が改めて同様の決意表明をしたのが、
2007年「SPEEDWAY」収録の「Action」だろう


木根は「Screen of Life」について衝撃作と思ったと語っている
特に歌詞を見て新鮮な衝撃を受け、
TMで新しいことがやれそうな気がしたと述べている
TM20周年が真の意味で始まった曲だと言えるだろう


ウツもこの曲については、
曲の雰囲気と歌詞が合っていてとても好きだと言っている
2009年TM休止中に開催された「SMALL NETWORK」でも、
ウツはこの曲を演奏曲に選んでいる
ただデモテープではお経のようなラップだったため、
ポップスにするのはかなり大変だったという


音はトランスを意識しているが、ポップスとして聴くこともできる作りであり、
「Take it to the lucky」ほどはトランスの要素を前面に出していない印象を受ける
小室は本作を含むアルバム「Easy Listening」の音について、
ポップスにトランスを落とし込んだJトランス、
またはトランスぽいという意味でトランシーという言葉で説明しているが、
おそらくこの説明は「Screen of Life」を念頭に置いたものだろう


この曲は、シングルでは約5分だが、
アルバム版「Extended Mix」は約8分で、かなり長さが異なる
(なお歌の部分はどちらも3分程度)
アルバムでは1曲目に位置するため、
イントロは事実上冒頭のSEの役割も兼ね、
2分というかなりの長さになっている(シングルは1分)
1番・2番の間の間奏も、シングルでは約30秒だったのが、
アルバムでは約2分半に及ぶ


アルバムでは冒頭のギターがシンセに置き換えられており、
シングルとは印象がかなり違う
他にもアルバムでは間奏で、
「All of you」や「浮かぶんでしょ」の「ぶん」のサンプリングフレーズが挟まれており、
ドラムやシンセも加減がされている


最後に「風のない十字路」について触れよう
歌詞(小室みつ子)については前章で触れたので、ここでは略す
曲は木根が2002年末に、TMのために作っていたものだという
これは以前私が推測した、2002年末からのアルバム制作の計画と関わるものだろう


編曲は2002年の「君がいる朝」と同様に、
吉田建と小室哲哉の連名である
ライナーで吉田建の方が前に書かれていることを見るに、
メインは吉田の方だろう
おそらく小室の編曲は最終確認程度のものか、
またはほとんど名義上のものかもしれない


木根は12/25「TK Presents X'mas Chorus」および、
12/17のリハーサルの時に、吉田と打ち合わせを行なっている
この時木根は吉田に、
「メロディとミスマッチのアレンジ」をお願いしたと言う


演奏については、吉田がシンセとベースを担当しており、
小室のシンセは入っていない
キーボードとしては国吉良一、ギターとしては松尾和博、
シンセプラグラマーとしては溝口和彦が参加した


曲調は別れをテーマにした歌詞に合わせて、
悲しげな感じが漂っている
特にピアノ音色のシンセが印象的である
サビで別れの決意を力強く歌い上げるところなどは引き込まれる
安定した木根バラという印象である
ウツも「君がいる朝」と並んで、すごく良い曲と言っている


なおこの曲も「Easy Listening」では、
「Album Mix」として収録された
このアレンジについては「君がいる朝」とセットで、
次章で触れることにしたい


以上3曲の中で「Take it to the lucky」は、
すでに「Fan Event in Naeba」で演奏されており、
「Double-Decade “NETWORK”」に始まるTM20周年のライブでも演奏された
それ以後TMでは一度も演奏されなかったが、
意外にも2007年のtribute LIVE「Spin Off from TM 2007」では、
シングルバージョンで演奏されている


「Screen of Life」は20周年を代表する曲であり、
20周年のライブでも1曲目など大事な場所で演奏された
その後も2009年、ウツの「SMALL NETWORK」や、
2015年TMの「30th Final」でも演奏されている
ウツが好きな曲ということもあるのだろう


以上に対して「風のない十字路」は、
20周年ライブも含めてTMでは一度も演奏されたことがない
好きな曲だけに、一度TMで聞いてみたかった曲である
ただ木根ソロでは演奏されたことがあり、
また2007年のtribute LIVE「Spin Off from TM 2007」でも、
「君がいる朝」と日替わりで演奏された


NETWORK TM
R and C Ltd.
2004-02-25
TM NETWORK
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7-15 小室哲哉の覚醒

5/17、東京・大阪で、
「TMN final live LAST GROOVE 1994」のライブハウス上映会が行なわれました
私は行っていませんが、上映開始前の東京会場では、
石坂健一郎さん・川崎幹雄さん・藤井徹貫さんによるトークが行なわれました
多分こちらのレポートは、後日公式に発表されることでしょう


石坂さんはウツのメッセージを朗読しました
この様子は大阪でも中継されたはずです
メッセージ朗読シーンは、ネットに動画が投稿されていました

会場にお集まりの皆さん、35周年を盛り上げてくれて、ありがとうございます。
今日会場にはうかがえませんが、皆さんの応援に改めて深く感謝しています。
僕たち3人も年齢を重ねてきましたが、奇跡的にみんな元気にやっています。
この先は自然の流れに任せつつ、音楽活動ができたらなと思っています。
25年前のLAST GROOVE、最後までゆっくり楽しんでいってください。本日はご来場ありがとうございます。
令和元年5月17日、宇都宮隆


また今回の上映会に先駆けて、
ネットには4/21の上映会の関連動画レポートインタビューなどが出ました
最後の木根さんインタビューには、思い出話も色々と語られています


「アルバム『EXPO』で総括して。「じゃ、とりあえず一回休もう」って、てっちゃんに言われたんだけど」
というところなどは、
小室さんの提案がどういうニュアンスだったのか気になるところですが、
考えてみれば活動休止の時の話が語られるのて珍しいですよね
あと「STARCAMP TOKYO」について、
「つっこみどころ満載だよね(笑)」てのは、なかなか率直な感想です(笑)


今回の上映会と、5/22の「TM NETWORK THE VIDEOS」を以て、
TM35周年関連の企画は多分終わると思います
まあ企画といっても、完全にSONYの過去作品の再販活動だったんですけど、
振り返ってみると、何もないよりはよかったんだろうなと思います


ウツは「それゆけ!歌謡曲〜ギア4 one〜」を来月まで開催しています
また木根さんは、6/22から8/12まで約2カ月、
「NAOTO KINE 2626ツアー」開催します
(なおまだ公演は増える可能性があるとのこと)
去年の「2525ツアー」を受けたネーミングですが、今後も数字を増やしていくんでしょうか
チケットの一般発売はTMのBOXリリース日の5/22です
て、一般発売も何も、FCなくなったから、チケットは全部一般なんですよね多分


では本題に入ります
いよいよ今回から、TM20周年の本編に入ります
今回は客観的な事実の整理と言うよりは、
私の推測・解釈がかなり入っていますので、異論をお待ちしております

-------------------------------
2003/12/30のことである
TM NETWORKは3年ぶりに、音楽番組に生出演を果たした
特番「ザ・ベストテン2003」である
この特番は「ザ・ベストテン」放送当時の名曲を歌うというもので、
2000~04年の間、毎年年末に放送されていたが、
この時はTMの「Get Wild」が8位となった


ランキングが発表されると、
3人は80年代と同じセットから、スタジオに登場する
3人ともスーツ姿である
小室は何を勘違いしたか、登場するなりカメラに投げキスである


ちゅ


この時司会の黒柳徹子は、
小室に対しては1年前の結婚式やKEIKOの話を振るなど、
それなりの時間を取ったのだが、
ウツに対しては「しばらくでございましたね」と話しかけ、
ウツが「4年ぶりくらいですかね」と返事すると、
「そんなに何十年も前てわけでもないですかね」と言って早々に話を切り上げ、
さらに木根に至っては、
「じゃあ木根様、どーも、しばらくぶりです」
→木根「お久しぶりです」→黒柳「どーも、どーも」
で終わりという、なんともおざなりな対応だった
小室とのトークに時間を使いすぎて時間がなくなったのだろうか


なおこの時、黒柳が小室に、
「(KEIKOは)お仕事も一緒だから、家庭生活どっぷりというわけでもないですかね?」
と質問したところ、小室が「どっぷりです」と答えたのは、
この後で述べる当時の小室の状況を考えると、
必ずしも笑えないところがある


小室は黒柳の「Get Wild & Tough」「Get Chance & Luck」「TM NETWORK」の声を事前に録音し、
演奏の時にサンプリングして使用した
1989年に「夜のヒットスタジオDX」で披露した演出で、
その頃のパフォーマンスを知っていた番組スタッフが企画したものだろう


イントロでは黒柳の「Get Wild & Tough」が使われ、
間奏では黒柳声で「GeGeGeGe」が流れた
ただ正直、黒柳の声と曲はまったく合っていない
また演奏は、サンプリングボイス以外はカラオケと思われる
全体としてあまり見るべきところのないパフォーマンスだったが、
短くなった間奏を除きほぼフルコーラスだったのは、
21世紀のTV出演では珍しい例である


なおTMはパフォーマンス後、
番組が終わるまでスタジオのソファーに座り、
7位以後の歌手のコメントや歌も見ていた
その一人に「タイム・トラベル」を歌った原田真二もいたが、
ウツはこの時に原田と初めて話をした
これが、次のソロアルバムのプロデュースを原田に依頼する前提となる


さて、この日はTM NETWORK 20周年において重要な日だった
3人はこの日を年内の仕事納めとし、
年明けからレコーディングに入る予定だったのだが、
よりによって小室がこの日になってメンバーとスタッフに、
翌年の仕事の内容の変更を提案したのである


それは、次のシングルに自分の新曲を1曲入れたいというもので、
すでに曲は制作中だとも告白された
この提案にスタッフは大いに困惑し、
スケジュール調整などに奔走したという
今からで間に合うのかという不安もあったらしい


結局小室のこの提案は通り、
新曲はシングル「NETWORK™」の1曲目として収録されることになった
これがTM20周年を代表する曲になった「Screen of Life」である
この件は、私はTM20周年にとって大きな出来事だったと考えている
それは「Screen of Life」という1曲が生まれただけでなく、
20周年のプラン自体もこの時に変化したと考えているからである


そもそも小室の新曲制作が新提案だったということは、
2004年のTMは小室の新曲がないままで活動を行なう予定だったはずである
だが一方でレコーディングは計画されていた
それは後で述べる様に、過去曲のリミックスだったと考えられる
関係者は年末にも、その前提で動いていたのだろう


ところが小室はレコーディングの日程が目前に迫り音作りを始めた中で、
新曲を作る手応えをつかんできたのだと考えられる
以下ではしばらく、この件を考察したい


TMはこれ以前、クリスマス前に、
メンバーのFC会員向けのダイレクトメールで、
2004年の20周年関連企画を発表していた
2/25のシングルリリース、3月末のアルバムリリース、
「Fan Event in Naeba」のライブDVDの限定販売、
TMデビュー20周年記念日4/21の横浜アリーナライブである


この時に告知されたシングルの情報では、
表題は「Take it to the lucky~金曜日のライオン~」とされ、
カップリングとして木根の新曲も入るとされていた
前者はTMデビュー曲「金曜日のライオン」のトランスミックスで、
「Fan Event in Naeba」で披露されていたものである
「ザ・ベストテン2003」でも、
「金曜日のライオン」セルフカバーと横浜アリーナライブの予定が告知されている
木根曲の曲名はこの時点では決まっていなかったが、
後に「風のない十字路」と名付けられた


「Take it to the lucky」は、
2003/11/10~13にレコーディングが行なわれており、
木根による「風のない十字路」のデモテープも、
その時点ですでにできていた


だがなぜか「風のない十字路」のレコーディングは年内には行なわれず、
両曲の商品化も翌年2月末まで待つこととなった
おそらく3月のアルバムリリースと連動させることで、
ファンの関心をアルバムにつなげることを意識した日程だろう
そしてここで改めて注意したいのは、
この時点でシングルに小室の新曲が入る予定がなかったことである


一般に先行シングルは、アルバムの顔となる曲を入れるものであり、
TMの場合それは当然、小室の新曲である
ところがこの時はそれが予定されていなかった
こんな不可解な例は、これまでほとんどない


唯一の例として挙げられるのは、
1989年に「Get Wild '89」をはじめとする3枚のリプロダクションシングルが出されたことくらいである
そしてこの時に出されたアルバムは、
海外プロデューサーによるTM楽曲のリプロダクション作品集「Dress」だった
つまりリプロダクションアルバム(要するにリミックス版)を出すから、
その音の紹介としてリミックス音源を数曲先行発表したのである


だとすれば、2004年にリミックス曲が先行シングルとされたのは、
その後のアルバムもリミックスアルバムが想定されていたためではないかと思えてくる
私はこの時点では、小室の新曲はアルバムに入らないことになっていたと考えている
インストやSEくらいはあったかもしれないが、
少なくとも歌入りの新曲は想定されていなかったのではないか


逆にもしも新曲の収録が想定されていたのならば、
ファンへのアピールのためにも先行シングルに選ぶのが普通だろう
たとえば1992年リリースの提供楽曲セルフカバーアルバム「Hit Factory」には、
新曲として歌入り2曲とインスト1曲も含まれていたが、
先行シングルとしてはその中から「Magic」が選ばれている
また1999年のglobeリミックスアルバム「first reproducts」の先行シングルとしても、
1曲だけ収録された新曲「Miss Your Body」が選ばれている


だとすれば年末に小室が新曲を入れたいと発言したのは、
シングルに1曲を加えるだけという話ではなくなる
それはアルバムにも新曲を入れたい、
少なくとも単なるリミックス盤ではないものにしたい、
という主張だったことになる
実際に年明けに作られた20周年記念アルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、
オリジナル曲とリミックス曲双方を含む独特な形態となった


リミックスアルバム計画という想定は、必ずしも突飛な発想ではない
そもそもTMは2002年秋、
リミックスアルバムで吉本での活動を始動させる予定だった
TMの本格始動自体がうやむやになり、この計画は語られなくなったが、
20周年を目前としてようやく活動を始めるという時点で、
リミックスアルバム計画が復活したことは十分にあり得るだろう


逆に当初からオリジナルアルバムが計画されていたのならば、
理解しがたい点がある
「Easy Listening」の制作期間の短さである


「Easy Listening」のレコーディングは、
11月にレコーディング済みだった「Take it to the lucky」を除くと、
2004/1/6から始まった
まずはシングル用の「Screen of Life」「風のない十字路」の制作から始まり、
これらが1月半ばに完成すると、
以後はアルバム用楽曲の制作に移った
木根によれば、完成はバレンタインデー直前(2/13頃?)だったという


この「完成」がどの段階を指すのかははっきりしないが、
アルバムリリース日3/24まではまだ余裕がある
おそらくバレンタイン直前とは小室の音源制作が終わった段階であり、
この後に1週間程度でトラックダウンが行なわれたものだろう


トラックダウンはロンドンのDave Fordが行なった
元PWL所属のミキサーで、
プロデューサー期以来小室の作品を多く手掛けてきた人物だが、
TMに関わったのは本アルバムが初めてである
アルバム制作は2/13頃に小室の手を離れ(木根の言う「完成」)、
その後イギリスで最終的な音源が完成したものと考えたい


以上のスケジュールを見ると、
シングル・アルバムは一連の作業の中で制作されており、
その期間は1カ月半程度である
このスケジュールはオリジナルアルバム制作期間としてはかなり短い
比較のため、これまでのオリジナルアルバムについて、
トラックダウンまで含む制作期間を以下にまとめておこう

「Rainbow Rainbow」:4ヶ月(1983/10~1984/2)
「Childhood's End」:5ヶ月(1984/12~1985/4)
「Gorilla」:2ヶ月(1986/2~4)
「Self Control」:3ヶ月(1986/9~12)
「humansystem」:2ヶ月(1987/7~9)
「CAROL」:3ヶ月(1988/6末~8初、1988/8末~10初)
「Rhythm Red」:3ヶ月(1990/5~8)
「EXPO」:3ヶ月(1991/3~6)
「Major Turn-Round」:3ヶ月(2000/8~11)


「Easy Listening」のレコーディング期間の短さは、
制作が順調に進んで早く終わったため、というわけではあるまい
年度内(3月まで)のシングル・アルバムリリースは、
R&Cとの契約での必須条件だったはずであり、
そのためにはレコーディング全行程は2月に終わる必要があった
それにもかかわらずレコーディングは年明けに始まったのだから、
もともと1カ月半程度で制作することが想定されていたと考えざるを得ない


TKプロデュース全盛期、1か月でアルバムを作った話などはよく語られるが、
2003年頃の小室が楽曲制作ペースの谷底期にあったことも考えれば、
オリジナルアルバムの制作スケジュールとしては、あまりにも危険である
この点からも当初予定されていたのは、
リミックスアルバムの制作だったと見るのが自然ではないか


実際に作られたアルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、
10曲中3曲が「終了」以前の楽曲のトランスミックスとなっている
また最後の3曲はインストや準SE的な曲になっているが、
小室はこれについて、音はこだわって作っていると断りながら、
分数(収録時間)や曲数の数合わせの意味もあったと白状している
そのため本作をオリジナルアルバムとして数えるのは不適当だという批判も、
しばしば見られるところである


この批判はたしかにもっともなところもある
だが1カ月半の日程が本来リミックスアルバム用の制作スケジュールだったのならば、
それを限られた時間の中で可能なだけオリジナル盤に近づけようと尽力した結果ともいえる
実際に本作制作中の小室は、寝るかレコーディングしているかの日々だったといい、
小室は久々にスイッチの入った状態になっていたようである


以上のように想定した場合、
アルバム制作の方針はレコーディング開始の1週間前になって変更されたことになる
その場合もっとも変更が困難なのは、外注していた作業である
具体的には、Dave Fordの担当分が挙げられる


Daveはミキサーとしてトラックダウンを行なった以外に、
2002年のシングル「Castle in the Clouds」「君がいる朝」と、
木根の新曲「風のない十字路」について、
Additional Productionを行なっている
また「君がいる朝」「風のない十字路」については、
Ian CurnowもAdditional Productionに参加している


この3曲は原曲から大きくアレンジが変更されているが、
他の7曲と比べても明らかに異色の音である
小室もこの3曲についてこれまでコメントしたことがなく、
DaveとIanは「Additional」などではなく、実質的なリミックス作業を担当したと考えられる
2004年に入ってからこのような仕事の依頼ができるはずがなく、
2003年中には依頼されていたはずである


ならば当初計画されていたリミックスアルバムとは、
Dave・Ianが新曲3曲をリミックスし、
小室が「Take it to the lucky」をはじめとする過去曲のリミックスを担当するという構想だった可能性が高い


以上のように私は、TM20周年記念アルバムが2003年年末になって、
リミックスアルバムから(準)オリジナルアルバムに変更されたと推測している
この急な方針転換が混乱を生みながらも受け入れられたのは、
ウツ・木根やスタッフも、
新作としてはオリジナルアルバムが望ましいと考えていたからに違いない


ならばなぜ2003年には、リミックス盤でお茶を濁そうとしたのか
11/10~13頃にシングル表題曲として「Take it to the lucky」がレコーディングされた時点で、
20周年はリミックス中心で行くのが基本方針だった可能性は高い
ただ私は、これ以前には別の方針が想定されていた可能性も考えている
以下、シングルの制作計画について整理してみよう


TMはすでに7月の時点で、
秋のシングルリリースと翌年のアルバムリリースを宣言していた
globeの東京ドームライブが中止になった後、
「Fan Event in Naeba」の開催が内定した5・6月頃、
新譜のレコーディングについても打ち合わせが行なわれたのだろう


「秋」のシングルリリースはもっとも遅くて11月としても、
10月中にはレコーディングを終える必要がある
9/5~7には「Fan Event in Naeba」が開催されたから、
それから2ヶ月以内に制作しなくてはならないことになる


だが3人とも「Fan Event in Naeba」の直後は、しばらくソロ活動を行なった
具体的に確認すると、小室はイベント直後から、
KEIKOのソロシングルのレコーディングに入った
木根はソロミニアルバム「Ci è la musica due」の制作に入り、
9/24からはソロツアー「talk & live 番外編 vol.3」の後半の公演を始めた
ウツも9/15から「Tour wantok」のリハーサルを始めた


ウツによれば、「Tour wantok」中(9/20~10/26)に、
TMのレコーディングが入る可能性があったという
たしかにその期間にレコーディングしないと、
秋(9~11月)のシングルリリースは無理である
木根は実際に9月頃、TMの曲も作っていた
シングルに収録された「風のない十字路」と考えられる


小室はKEIKOのソロシングル以外、年内に仕事があった形跡がない
おそらく小室はKEIKOのシングル制作後、
9月下旬から10月にかけてTMシングル曲の制作に入る予定であり、
木根もそのための曲を準備していた
小室が音源を完成させたらウツの歌入れを行ない、
それを先行シングルとするという予定だったのだろう
ところが実際には10月が終わっても、
TMのレコーディングは行なわれなかった


木根は10/21シングルについて、
小室と打ち合わせを行なっている
その具体的な内容は不明だが、
この時点でレコーディングが行なわれていなかった以上、
秋のシングルリリースは不可能である
この日の2人はシングルリリース延期の確認と、
それを踏まえた20周年企画の見直しを行なったのだろう
11/10~13の「Take it to the lucky」レコーディングは、
おそらくこの打ち合わせを経て決定したものである


レコーディングが11月までずれ込んだのは、
楽曲制作担当の小室の都合によるものだったと考えられる
この間、ウツも木根も予定通りにツアーをこなしていたし、
木根は自分の担当する曲を作っていた
問題は小室にあったと見られる


これは小室のスランプ状態が原因である可能性が高い
少なくとも2003年後半の小室が、
これ以前と比べて多忙だったとは考えがたく、
単発のイベント出演とKEIKOのシングルを除き、
ほとんど仕事をしていない
しかもそのシングルも、1曲は夏に発表済、
2曲は小室ソロ曲・TM曲のリメイクであり、
実質的な新曲は「Humanrace」1曲である


小室は後に、KEIKOと結婚してからの約1年、
つまり2003年頃は創作意欲を失っていたと、自ら告白している
2003年3月に前妻吉田麻美への慰謝料支払いが滞ったことを考えると、
すでに経営・資金繰りで奔走する時期に入っていたと見られ、
それが楽曲制作にも関わっているのかもしれない


そのような中でレコーディングされた「Take it to the lucky」は、
「Fan Event in Naeba」で披露したライブ用トラックを手直ししたものだった
もしもこれが当初からシングル表題曲として想定されていたのならば、
音源の準備にそれほど手間取るとは考えがたく、
秋のシングルリリースの予定が延期されることもなかっただろう
おそらく小室が新曲を作れない状態だったことを踏まえ、
代替措置としてライブテイクをシングルにすることにしたものと考えられる


そう考えると、打ち合わせが行なわれた10/21は、
本来はシングルのレコーディング予定日だったとも考えられる
木根は10/17にソロツアー「talk & live 番外編 vol.3」を終えており、
ウツのソロツアー「Tour wantok」も、
10/19の名古屋公演の後は10/25Zepp Tokyo公演まで空いていた


ウツが名古屋から移動した後、休憩日を1日設けた上で、
21~24日にレコーディングを行なうというのが当初の計画と考えれば理解しやすい
それならばウツのツアー中にレコーディングが予定されていたという話も、
整合的に理解することができる


しかし肝心の小室は曲を作ることができず、
シングルにはライブ用のトラックを使うことにした
この時点でメンバー・スタッフは、
小室の新曲を中心としたオリジナルアルバムの制作は困難と判断しただろう
しかし吉本との契約上、
アルバムは年度内にリリースしなくてはいけない
そこでかつてのリミックスアルバム計画を復活させ、
20周年はこれでお茶を濁すという方針が決まったものと推測する


仮にこのような事態があったとすれば、
これをもっとも不本意と感じたのは、当の小室自身だったはずだ
小室はその後も悩みあがき、そしてついに手応えを得た


この時点で新曲を入れたいとあらためて訴えたのが、
冒頭に触れた年末の小室の発言だったのだと思う
そしてその間の葛藤を生の言葉で表現したのが、
次章で触れる「Screen of Life」の歌詞だったのだろう


20周年を記念する作品として、
「Easy Listening」が満足の行く内容だとは、私も思わない
過去曲のリミックスと新曲を両方入れるならば、
「20」周年にちなんで新曲10曲+リミックス10曲の20曲2枚組くらい出してほしいとも、
当時は感じたものである


だがこの頃創作意欲が減退していたと告白する小室の状態を考えれば、
これでも最善の結果だったと考えるべきなのかもしれない
ともかくも年が明けてから小室がレコーディングを始めたことは、
メンバーやスタッフを安心させたようだ
ウツの2月初め頃のインタビューはそれを示していよう

ちゃんとリーダーがやってくれてる感じが嬉しいね。MCでいろいろしゃべる立場としてはさ、心のどこかで正直ちょっぴり不安があるから。いつもやるのかやらないのか、いや、やるのははっきりしてるんだけど、それがいつになるのかってね。みんなに話したくても話せない、はっきり言えないできた部分があるからさ。それが、どうやらちゃんとできそうなんで。


一方で20周年遂行のために奔走していた木根は、
苦しむ小室を見ながら、心苦しくも感じていたように思う
それを思わせるのが、「風のない十字路」の歌詞である
この曲については、本来次章で触れるべきところだが、
歌詞については先回りしてここで触れておきたい


本作は「We Are Starting Over」「君がいる朝」と続け、
木根が3部作の最後として作ったものだった
11月のレコーディング時、
木根がこの曲のデモテープを小室に聞かせたところ、
小室は自分が作詞することを提案したが、
結果的には3部作なら前2作を作詞した小室みつ子に依頼した方が良いということになったという


これを踏まえて木根はみつ子に作詞を依頼した
レコーディングは2004/1/6から始まったから、
11~12月に依頼したことになる
avex期以前では、これが最後のみつ子作詞のTM曲となる
なおみつ子は「風が吹いたら」の部分などで、
コーラスにも参加している


3部作のテーマは、それぞれ男女の出会い・日常・別れだった
つまり「風のない十字路」は、それまで一緒にいた男女の別れの歌である
イメージとしては、3曲とも同じ二人を描いているのだろう


「新・電気じかけの予言者たち」によれば、木根の本作のイメージは、
お互いを尊重しつつ別々の道を行くと言うものだった
実際に歌詞はそのような内容になっており、
木根が伝えたイメージに沿って書かれたと見て良い


歌詞を詳しく見ると、曲名の「風のない十字路」とは、
事態が停滞して動かない現状を表現したものであることが分かる
歌詞の主人公はこの十字路に立って思い出を振り返っている


歌詞には「たくさんの「はじめて」と交差してた終わり」とあるが、
これはパートナーと一緒に過ごしてきた日々が、
すでに終わったものになっていることを意味している
2人の関係は過去のものであり、新しい思い出はもう生まれない
そのような中で二人を取り巻く事態がすでに変化しつつあることは、
「きのうが流れ出」していると歌われていることから分かる


「君が選ばなかった毎日を今も過ごしている」
「僕は僕らしいままで今もここにいる」
というフレーズに見るように、
主人公の男性は過去にとらわれて、十字路から動き出せていない
しかし自分が留まることは相手の未来も縛ることになると考えたものか、
主人公はついに「風が吹いたら」、つまりきっかけができたら、
「ホントの自由を君に返すために」「別なあしたを歩き始めよう」
と決意するというのが、歌詞全体の流れである


みつ子はこの曲の歌詞の内容を以下のように要約している

別れではあるけれど、前向きな別れ。離れた相手のことをいつまでも想う限り、相手をどこかで引き止めてしまう。本当の意味で互いに自由を与え合うには、それぞれの道を歩もうと歩きださなくちゃというような気持ち。


木根はみつ子にこの曲の作詞を依頼する際に、
The Beatlesの「My Long and Winding Road」(のような歌詞)にしてくれと注文した
歌詞の冒頭が「曲がりくねった道(=winding road)」と始まるのは、
この注文を踏まえたものだろう


木根はこの注文につき、
「この言い方で、みっこちゃんなら僕の心情を理解してくれると思った」と、
簡略ながら意味深な書き方をしている
当時の木根とみつ子の間では共有されていた思いがあり、
木根はそれを前提として作詞を依頼したのだと思う


またみつ子によれば、木根は作詞の依頼をした時、
「ファンに期待をさせるようなものにはしたくない」
という趣旨のことを告げてきた
木根はすでに、TMがファンの期待に応え続けることに限界を感じていたことになる
この時みつ子も、苦悩も含めた木根の気持ちを感じ取ったという


要するにこの曲の歌詞は、みつ子が完全な創作として作ったものではなく、
関係者として知っていた木根の気持ちを踏まえて作ったものだった
そしてその気持ちとは、TMの限界を自覚したことに基づくものである
以上を踏まえて、この曲で歌われる男女の「別れ」を読み解けば、
それはTMとファンの別れ、もしくはTMメンバーの別れの象徴的表現ということになると思う


そもそも歌詞のモデルとされた「My Long and Winding Road」は、
最後までたどりつけない道を歩き続けることの苦しみを歌ったもので、
内部の関係が微妙になっていた時期のThe Beatlesのラストシングルでもある


木根があえてこの曲をモデルに持ってきたのは、
自らもTMの活動の難航に苦しんでいることを踏まえているのであり、
さらにいえば今回が最後の活動になる可能性も意識していたのだと思う
ならば別れを告げる相手として想定されているのは、
まず第一には小室哲哉であるに違いない


なお別の曲の話だが、木根は2004/2/24のインタビューで、
「君がいる朝」について、連れ添って一緒にいる感じとした上で、
メンバー3人がオーバーラップする歌詞だと言っている
これは木根が自分の曲の歌詞をTMメンバーの関係になぞらえる発想があったことを示しており、
「風のない十字路」にも同様の発想があったと見ることは困難ではない


ならば木根が「風のない十字路」に込めた気持ちとは、
長い間小室とはTMとして一緒に活動してきたけれど、
今回の活動が終わったら自由になって欲しい、
ということだとも考えられる


そのように考えてよいならば、
この歌詞を依頼した2003年11~12月頃、
木根は苦しむ小室にTMの活動を強いることを、
束縛とすら感じていたのではないか
その上で20周年の仕事が終わったら、
小室を解放してあげたいとすら思っていたのではないか


一曲の歌詞からどこまで読み取ってよいのか危いところもあるが、
もしもこのような読解が可能ならば、
20周年は実に危機的な状況下で遂行されたのだともいえる


だがその本格始動の直前も直前になって、
年末に小室は覚醒した
その覚醒は、十全な活動を実現するにはすでに遅きに失したものではあった
しかし一時期メンバーですら悲観しきっていた20周年の活動は、
ここから時間の限りの挽回へと向かっていくことになる


その挽回がどの程度達成できたのかは人によって評価が異なるだろうが、
私は20周年を形としてまとめるくらいには挽回できたと考えている
それは小室のあがきの結果でもあり、
木根やスタッフの忍耐が可能にしたものでもあった


次章以降は、2004年に行なわれた20周年の活動について、
具体的に触れて行こうと思う


NETWORK TM
R and C Ltd.
2004-02-25
TM NETWORK
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7-14 Fan Event in Naeba

つい2ヶ月前、カウンターの増設をした旨を書いたばかりですが、
先日気がついたら、旧カウンターが動いていませんでした
どうやらもともと利用していたサービス先が消滅したようです
ということで結果として、カウンターの切り替えということになりました
やっぱ無料サービスてのは怖いですねえ
まあこのBIGLOBEのブログサービスも無料なんですけど


さて、TM NETWORKデビュー35周年、おめでとうございます
4/21のTM35周年記念日には全国の映画館で、
「TMN final live LAST GROOVE 5.18/19」の上映が行なわれました
意外と動員も良かったようで、
大半の会場は前売り券で満員になっていました
私も一応見には行きました


今回の目玉は音・映像のレストアと、
松本孝弘さん出演の5.19「Get Wild '89」「You Can Dance」でした
まず映像については、まあこんなもんかなと思いました
映画館の大画面だからそこまできれいな映像とは思わなかったんですが、
家でBlu-rayをDVDと比べてみると違うのかもしれません


一方5.1chになった音はとてもよかったです
これまではちゃんと聞こえていなかった音もよく聞こえました
1994年の会場では席のせいもあり、必ずしも音は良くなかったので、
今回はこの音を聞きに行ったと考えれば良いのかなと感じています
Blu-rayになっても、家に5.1ch再生環境がないと再現できませんしね…


新追加の「Get Wild '89」は、
なぜか「もう一人のスペシャルゲスト、松本孝弘!」の紹介シーン前後が、
演奏も含めて削られており、
妙に気持ち悪いイントロになっていました
また浅倉大介さんの登場シーンも、以前と同様にカットされています
こんな1分くらいの映像、けちっていったい何の得があるんでしょうか
もしかしたら将来、「真の完全版」が出る可能性が…?
なんかBOOWY商法みたいになって参りました


この他、リハーサルシーンやエンディングなども含め、
事前告知があった部分以外、
映像の構成は基本的にほぼすべて既発売DVDと同一でした
また数カ所あった音の修正も変わっていません
まあこれはもともと期待はしていませんでしたが


「Get Wild '89」以外に映像の再編集告知があったのは、
「Rainbow Rainbow」「You Can Dance」です
「Rainbow Rainbow」は葛城さんと北島さんの映像のバランスが悪かったのを調整したものとのことです
(ふくりゅうさんが直々に教えてくれました


「You Can Dance」はかつての映像では松本さんが消されていましたが、
今回はちゃんと入り込むように編集されていました
こちらの映像、楽しそうな雰囲気が伝わってきて、とてもよかったです
最後の松本さんの雄たけびがなかったことにされているのは気になりましたが…


なお上映が終わると、5.18・5.19ともに、
最後に「in memory of ISAC SAKANISHI」の一行が映し出されました
TMのかつての映像監督坂西伊作さんをしのぶと言うメッセージが出たのは、
今回の企画にはSONY内部でも伊作さんの関係者が入っていたからでしょう
きっとTM3人も、同じことは感じているんだと思います


さて、TOHOシネマズ新宿では上映の前に、
木根さんとふくりゅうさんのが舞台挨拶がありました
その様子はすでにネットニュースに上がっており
全貌も近日中に公式サイトに出るそうです


また木根さんの挨拶の時の他、
各会場でも5.18と5.19の合間に告知されたのですが、
TMN「終了」ライブの前日に当たる5/17に、
東京のZepp DiverCityとZepp Osaka Baysideで、
また「TMN final live LAST GROOVE 1994」上映するそうです
(4/21のとは微妙にタイトルが違いますが、同じ内容のようです)
すでにチケットぴあで先行受付が始まっています
なおトークショーもありますが、登壇者は未発表です


今回の映画上映に先立って、企画を盛り上げるために、
同ライブについて関係者へのインタビューなどが行なわれました
たとえばCocotameでは立岡正樹さん、久保こーじさん、川崎幹雄さん(映画の映像プロデューサー)のインタビューが掲載され、
公式サイトでは葛城哲哉さんと山田亘さんのトーク動画も公開されています
中には初めて聞いた話もありました
関係者にはこういう機会にいっぱいしゃべってもらいたいものです


挨拶程度のものですが、35周年記念日にはメンバーの発言もありました
ウツは35周年記念日に、
「人生いろいろ♫ですが、3人とも生きているという小さな奇跡も迎えましたm(__)m 」
tweetしました
木根さんも上記舞台挨拶で、
「これだけは言えるのは、今のところ3人とも元気です(笑)。そして僕らも皆さんと同じ思いだということだけお伝えします」
と言ったそうです


さて、前回大騒ぎで話題にした「TM NETWORK THE VIDEOS」ですが、
謎に包まれていた特典ディスク2枚目の内容が判明しました
1988/8/25開催の東京ドームライブ「STARCAMP TOKYO」です
ただし「Dragon The Festival Tour」とは異なり、
完全収録ではなく、2/3程度の収録となります
その内容はNHK総合の1時間版と同じとのことです


編集用経費がかかるからテレビで放映されたものを使うというのは分かります
しかしこの件で解せないのは、
なぜNHK総合版なのかということです
というのもこのライブ、当時はNHK総合以外にNHK BSでも放送されており、
BSの方が2曲多いのです
当然ながら、この2曲は放送用に編集済みです


つまり今回の収録内容は編集費用の問題ではなく、
単なるSONYの出し渋りです
ここで出し渋るということは、
今後まだTMの映像作品で稼ぐつもりなのでしょう


これに対して「Dragon The Festival Tour」を最初から完全版で出すのは、
たぶんブレイク前の本ツアーは今後もたいした金づるにならないのに対し、
全盛期の「STARCAMP TOKYO」は、
小出しにすれば金づるになると考えているからだと思います


正直今後「STARCAMP TOKYO」が中途半端に増補されても、
完全版じゃない限り買う気はないですが、
もしもSONYがそういう考えなら、
「価値がない」時期の「Electric Prophet」(1984年)や「Fanks Dyna-Mix」(1986年)の完全版を出してほしいものです


また「final live LAST GROOVE」両日分のライブDVDが2枚組で、
「TM NETWORK THE VIDEOS」と同日の5/22にリリースされるそうです
BOXを買うほどではないけど「LAST GROOVE」だけなら買いたいという方用でしょうね
ただ「LAST GROOVE」は過去に発売したものもまだ在庫があるようです
こちらは画質が悪い上に1曲少ないのに、今回の商品よりも高くなります


メンバーの活動を見ると、
ウツは4/1から「それゆけ!歌謡曲〜ギア4 one〜」が始まりました
また4/17には「Tour Thanatos」のBlu-rayが一般発売されました
「Open Your Heart」「Ignition, Sequence, Start」「Runnning To Horizon」などが収録されています


木根さんはコラボライブなどを回っています
また4/4には日本テレビの「笑神様は突然に」の特番に出演しました
正月に続き2回目ですね
私は見ていませんけど


またFM COCOLOの「J-POP Legend Forum」では、
今月は毎週ゲストを招いて小室哲哉特集をやっています
これまで藤井徹貫さん・木根さん・DJ KOOさんなどが出演しています
木根さんの時には結構じっくりとTM話をしてくれました
木根さん、番組の締めに、
「でもなんか僕は予感としてね、もう一度TMはできるんじゃないかなと勝手に、希望的観測を持って、メンバーとして」と言っていました
TMはまだ終わっていないと言うスタンスを取り続けてくれているのは嬉しいところです


小室さんについてはBOXのリリースが終わった後、
今度は「Tetsuya Komuro Archives」のT版・K版各50曲から20曲をセレクトした「T SELECTION」「K SELECTION」と、
CD版に入らなかった小室さんの楽曲20曲を集めた「Tetsuya Komuro Archives EX」が、
4/10に配信限定でリリースされました(収録曲にミスがあったEXのみ4/17に延期)


以上、近況だけで相当長くなってしまいましたが、
2ヵ月半ぶりに本題に入ります
もう皆さん覚えていらっしゃらないと思いますが、
前回「7-13 20周年への助走」を踏まえて、
2003/9/6・7開催の「Fan Event in Naeba」の内容のまとめです
(具体的内容は9/7に準じる)
期せずして「終了」の話から始まります

------------------------------
ファンが待ちわびる中、
SEなどもない中で、メンバーがステージに現れる
ウツ・木根・吉田はステージの椅子に着席する
通常のTMのライブの場合、オープニングで何らかの演出を設けたり、
派手なSEやイントロを流したりするのだが、
普通にステージ奥からメンバーが歩いて現れるという始まりは稀有である


1曲目は誰も予想しなかったであろう「Nights of the Knife」である
言うまでもなくTMN「終了」の曲で、1994年以来の演奏となる
この曲がここで選ばれたのは、
20周年という節目を強く意識したイベントだったからだろうが、
観客の中には「終了」を思い出した者もいたかもしれない


実は「Nights of the Knife」は、
「新しい始まりが今」から歌詞が始まることから分かるように、
新たな活動に移ることを宣言した曲である
もちろんリリース当時、それは実質的にはTMN「終了」を意味したのだが、
「we are going to make a brand-new day」と言っているように、
歌詞の趣旨はあくまでも次の活動を前向きに告げる内容である


20周年の助走となる本イベントをこの曲で始めたのは、
ファンに対して今からが「新しい始まり」となることを宣言したものだろう
TMファンにとってのトラウマになったこの曲は、
この時に別の意味を与えられ生まれ変わったのである
この曲は翌年の20周年ライブでも演奏されたが、
それも同様の意味づけの下で行なわれたものと考えられる


演奏が終わると、ウツの舌足らずなMCが入り、
「Nights of the Knife」の上記の位置付けがなんとなく述べられる

えー、あらためてこんばんは。「終了」の歌ですが、まーなんかこれも、続きみたいなね、新たなまた始まりで。えー、84年にデビューしたわけなんですが、実質結成から考えると、まー今年がね、本当は20周年。で来年が本当の…


ここで木根は「どっちがホントなの」と突っ込むが、
ウツが笑いながら続ける

まーでもなんかあの、よく最近ね、「tribute LIVE」やったばかりだし、20年なんていってますけど、よく考えると、なんか演歌の世界だと、20周年だと先生みたいなのも、なんか違うね20周年ていってもね。


ここで木根が「北島先生に比べたら」と、どうでもいい絡み方をしてきて、
ウツが「え?」と戸惑う

木根「北島三郎さんが40周年迎えたから」(北島三郎は1962年デビュー)
ウツ「そうですね。(木根は)なんかそういうの詳しい」
木根「ぼくらは「函館の女(おんな)」から…「函館の女(ひと)」か」
ウツ「あー、そうですね、ええ」


ここで会話が途切れ、微妙な空気になり、
木根が「すばらしいトークの交流だね!」と、無理やり話を進める

ウツ「まあね、昨日もね、こんな感じだったんですけど」
小室「そうだね」


やっと小室が一瞬だけ会話に加わり、観客拍手

ウツ「ま、今日、今夜はですね、いろんな曲をご用意致しております」
観客拍手
ウツ「なかなかね、集まることないんで、おさらいみたいな、来年に向けての、おさらいみたいな。ホントにね、おさらいになりました」
観客笑い
ウツ「いろんなこと考えたのも、今回も何曲かあるんですが。でまあ、軽く、ほとんど木根君になると思うんですが、トークの達人として、こういったトークを交えて」
木根「いやあの、なんかこう、ぼくの話なんてのはもうね、よく出しているんで、いろんなところで。やっぱ小室さんの声なんかも聞きたいんじゃないかと思うんですけど」


木根がシンセをいじる小室に話を振ると、観客の拍手
ウツは「大丈夫ですか?」と小室に話しかけ、
小室は「ええ、リハーサルで声出してないですからね、一言も。すいません。大丈夫です」と答えるが、
ウツは「大丈夫ですか?」と再確認
小室は今度は沈黙したため、
ウツは改めて「ばっちりですか?」と問いかけると、
小室は笑いながら「ばっちりです」と答え、
ウツは「あのー、次の合間からよろしく」と続けた
観客が笑いながら拍手する中、ウツ「じゃあ次行きましょう」


ここでウツが「大丈夫ですか?」と聞いたのには、
一つの伏線がある
この日(9/7)の小室は体調を崩しており、
夕食前のトークショーでは席を外して吐きに行き、
写真撮影会でも鼻血を出すという場面があったのである


その後休憩を取ってライブに臨んだわけだが、
おそらく万全の体調ではなかっただろう
翌日木根とウツがイベントを終えて苗場を出た後も、
小室はホテルで寝込んでいたと言う
こうした状態がこの日だけのことなのか、
精神的な原因から不調が続いていたのかはよく分からない


さて、2曲目は「Human System」である
小室は楽器をシンセからピアノにシフトする
基本的にオリジナルバージョンの演奏だが、
「ClassixⅠ」収録の「café de paris mix」で使われたドラムのフレーズが用いられている


3曲目は、この日の目玉というべき「金曜日のライオン」である
原曲とは大きく異なり、トランスアレンジが施されている
これがTM版トランスの初披露となる
最新のTMの音を、TMの始まりの曲(デビュー曲)で試みたわけである


このアレンジの「金曜日のライオン」は、
翌年「Take it to the lucky(金曜日のライオン)」と題され、
(原曲のメインタイトルとサブタイトルを入れ替えたもの)
シングル「NETWORK™」に収録された


シングル用のオケはライブ用トラックのデータを手直ししたものであり、
その点でシングル版の音は基本的には本ライブで披露されていたことになる
もちろん本ライブの演奏とシングル版には異なる部分もあるが、
これについては別章で触れることにしたい
なお2004年のアルバム「Easy Listening」リリース時にはPVが作られなかったので、
メディアでの宣伝では、DVDのこの曲の演奏シーンが流された


この曲の後にウツは、
「金曜日のライオン」がニューアレンジになりました」とファンにアピールし、
小室に「やっぱトランス系なんですかね?」と聞くと、
小室はそうだと答えた上で、20年ぶりにこの曲をいじったと述べた
(実際には80年代にはかなりアレンジを加えて演奏していたのだが)


その後はメンバーがデビュー当時のエピソードをめいめいに話した
木根は、ライブで「Electric Prophet」を演奏している間、
松本孝弘が寝てしまうことがあったというエピソードを語る
FANKS時代のアレンジでは、
終盤のサビ繰り返しまでエレキギターが出る場面がなく、
松本は5分ほど立ちっぱなしになることになるし、
ライブの最後の曲でもあったから、つい油断してしまうこともあったのだろう


またウツは、1984年のライブの話をした
デビュー当時はライブをやらないことにしていたが、
どんな人が来るか確認するため、実験としてライブをやったのだという
1984年6~7月のライブのことだろう
この時、客が踊り出すと言う予想しなかった行動を取ったため、
後にTMでダンスを取り入れたという
時間軸がかなり飛んでいる話をまとめて話している印象もあるが、
デビュー当時はダンスという要素を想定していなかったという証言は興味深い


ウツがサポートの吉田建と葛城哲哉を紹介し、次の曲に入る
独特なシンセのイントロで始まる「8月の長い夜」である
原曲とはかなりアレンジが替わっているが、
特に小室のピアノパートはとても好きだ
「Tour TMN EXPO」のフォークパビリオンを除けば、
この曲が演奏されるのは1989年「CAROL Tour」以来14年ぶりである
9月初めという日程を意識した選曲だろう


次の「Girl」も、フォークパビリオンを除けば、
TMでは1987年「Kiss Japan Tour」以来となる演奏である
ただ直前の「tribute LIVE」でも演奏されたので、
参加者にとって懐かしさという点ではそれほどでもなかったかもしれない
明るい雰囲気だった「8月の長い夜」とは打って変わって、
緊張感のある演奏である


「8月の長い夜」が終わると、小室がシンセからピアノに移動し、演奏を始める
ウツ、「ピアノ、小室哲哉」と言ってステージから退く
前半は「CAROL」組曲の「A Day in the Girl's Life」で、
「キヲクトキロク」「CAROL (unreleased piano version)」を意識した演奏となっている
後半は多分即興演奏だと思う


長時間の雑談に入る
初めは葛城がライブ中のインスト演奏の意義について論じていたが、
木根に話が振られると、
なぜか竹馬や空中浮遊などパフォーマンスの話になってしまった


次の曲は「Dreams of Christmas」
アコースティック楽器のみのシンプルな演奏である
この時はウツもアコースティックギターを演奏した


♪君はきっと埋まっているよぉ


「8月の長い夜」と同じライブでクリスマスソングを演奏するのはどうかとも思うが、
この曲のオリジナルシンガー4人が揃ったことから、
季節感の無さすぎる選曲になったのだろう
この曲はウツ・木根のソロライブなどで演奏されることはあったが、
4人そろった演奏はこの時以外では、
「Rhythm Red Tour」「Tour TMN EXPO」のクリスマス前後の数公演で披露されたくらいである


この演奏は、意外なところにつながる
このイベントにはKEIKOもついてきて、会場で見ていたのだが、
この曲を聞いて自分も歌いたいと言い出したのである
小室は9/8に帰宅した後、
9/9からKEIKOのソロシングル「KCO」のレコーディングに入ったが、
本作に「Dreams of Christmas」が入ったのは、これがきっかけだった


「Seven Days War」
この曲、オリジナルではウツの歌で始まるが、
この時は小室のピアノで始まり、その後にウツの歌が乗るというアレンジだった
前曲から引き続き、アンプラグドの演奏で、
特にピアノが前面に出されている
最後はウツが「どうもありがとう」と言って締める


MCに入る
ウツが、「Seven Days War」がロンドンで制作されたことや、
小室がロンドンに住んでいたことに言及し、
ロンドンでの活動に当たりEPIC/SONY社長(当時)の丸山茂雄の後押しがあったことにも触れた


ここで丸山の手紙が出された
20周年を迎えるTMに向けて認めたものである
木根がこれを朗読し、小室はバックでピアノを伴奏した
演奏曲は「1974」「Self Control」「Get Wild」「Love Train」と変わり、
最後にはglobeの「Feel Like Dance」になった
TMのイベントでglobe曲を演奏するのは疑問に思うところだが、
それまでの自らの道のりを曲で時代順に表現したものだろうか


個人的にこうした演出をファンの前で行なうのは好きではないが、
動き出しが鈍かったTM(特に小室)に対しては、
いくらかの刺激(叱咤激励)にはなったものと思う
その全文は翌年の「Double Decade “NETWORK” in YOKOHAMA ARENA」のパンフレットに、
丸山の署名とともに収録されている
以下にこれを転載しよう

小室哲哉様
宇都宮隆様
木根尚登様

背景 新涼の頃、TM NETWORKが20周年に向け本格的な活動を始めるとの知らせに老翁の心を躍らせております。

こんな堅苦しい挨拶は君達と私の間では不似合でしょうか。いえ、君達も不惑を過ぎ、これくらいの挨拶が馴染む大人になったのですね。そうわかっていても、ついつい思い出すのは、出会った頃の事、20代の君達が自信と不安、理想と現実の狭間で揺れていた頃です。

当時、まだヨチヨチ歩きだったEPICレコードも、今年25周年を迎えました。手前味噌のようですが、私が社長を務め、君達がアイドルだった80年代は、50周年になろうと100周年になろうと語り継がれるでしょう。その群雄割拠の時代、百花繚乱の季節、TM NETWORKは一つの使命を持ち、それを果たしたのだと考えます。ジャパニーズ・ポップスのクオリティーをワンランク引き上げ、ロック・フィールドに華やかさを持ち込み、J-POPエンタテインメントの基礎を築いたのだから、この事はもっともっと誇りに思うべきだと思います。

そして、今年はいよいよTM NETWORKデビュー20周年。20年と言えば、生まれたての赤ちゃんがまがりなりにも大人になる年月です。言葉を覚え、ひとり歩きを始め、友達ができ、初恋をし、失恋を味わい、人生について考え、夢を抱き、夢破れ、また夢を掲げ、そして責任と義務を認められるようになるまでの時間です。

君達TM NETWORKも同じでしょう。20周年だ、ベテランだと、見張り塔から雲の行方を眺めるのは怠け者です。TM NETWORKを名乗るからには、自身と不安を抱えながら新たな居場所を探す旅を続けてください。

大人にならなければ見えない夢、大人にならなければ感じられない事があります。今の君達だから歌える歌は限りないでしょう。この老翁も、君達に負けないようまだまだ前を向いて走り続けます。あの頃よりも体力は落ちても、ゆっくり走らなければ見えない風景もあるのだと言い聞かせながら。

新しいスタートラインを前に、タイムマシン号の調整は万全ですか?
哲ちゃんは地図を描きましたか?
ウツは操縦桿を握りましたか?
木根君は安全ベルトをしっかり締めましたか?
君達の乗ったタイムマシンが金色の尾を引き、天空を横切るのを楽しみに待ちながら、今日も夜空を見上げましょう。

敬具
丸山茂雄


朗読が終わると、観客の拍手
これにてMCコーナーは終わり、
ウツ・木根・吉田も含めて全員が起立する
ウツが「そろそろ、新しい曲に行きましょう」と言うと、
「Castle in the Clouds」の演奏が始まる
「新しい曲」とはいっても、すでに1年近く前の曲だが…


小室はこの曲では意外にもピアノを担当するが、
この音色は意外と良く合っている
なお2002年の「Laugh & Peace Premium Night」では、
小室はこの曲でシンセを演奏した


ウツのMC
「ありがとうございます。久々に歌いました。たしか今回で2回目だったと思います」
すると木根、
「大丈夫大丈夫、「一途な恋」は歌ってないから」
などと余計な事を言ってしまう


観客から「歌って―」の声
ウツは「歌わねーし」と答えるも、
木根はギターを弾いて「一途なこーいー♪」とワンフレーズだけ歌い、
観客も後から合唱する事態になる
この曲は生では歌えないため、これまでも演奏されてこなかったのだが、
木根は「(歌えない部分は)みんなに歌ってもらえばいい」と言い、
小室も、長淵剛のように会場だけで歌ってもいいと話す


ウツは「でも一途な恋に限らず、(歌ったことない曲なら)いっぱいあります」と言い、
「I Want TV」「You're The Best」などのレア曲に話題が及んだ
小室は応援歌として「You're The Best」よりも「Just One Victory」を推したい旨を述べたが、
実際に20周年ライブでは「Just One Victory」のライブバージョンが一つの目玉になった
この時点で「Just One Victory」が念頭にあったのかもしれない


そろそろ時間が来たのか、ウツがまとめに入り、
20周年に向けての抱負を小室と木根に求めた
これに対して小室は、
1999年に再始動したのはどこかにやり残した感があったからだとして、
TM NETWORKの20周年を形にしたいと述べた
木根は、今回のイベントで出た話題を20周年に預かっておきたいとして、
20周年を次のステップとなる年として大切にしたいと述べた


最後にウツは、普段はTMの曲をちゃんと聞く機会がないとのことで、
「Rainbow Rainbow」から聞いて練習しておく、選曲の神様として頑張ると述べた
そして最後にひとこと
「ということで、最後の曲を聞いて下さい」


曲は「Love Train」のトランスミックスである
これは翌年「Easy Listening」「Love Train -Extended Mix-」として収録されるものの元になったものだが、
「金曜日のライオン」と比べると後のスタジオ音源との差異が大きい
この曲のアレンジについては、別章で改めて触れることにする


なお9/6には、この曲でブレイクが入る箇所の後、
小室がガイドになる音を出さなかったため、
バンドメンバーが混乱する場面があったらしい(2番のサビ前か)
さすがに9/7には行なわなかったようだが、
音の加減を即興でいじる場面は、
翌年の「Double Decade Tour」でもしばしば見られた


演奏が終わるとウツが、
「どうもありがとう。来年会いましょう」と言い、
メンバーはステージから退場する
そしてスタッフが出てきて、ライブの終わりを告げた


なおここまでの流れから明らかなように、
ライブは「Love Train」まで一連の流れで構成されており、
メンバーも一時退場などはしていない
ところがDVDでは「Love Train」のみ「Encore」と書かれている
これはアンコールではないと思うのだが、
DVD製作者の意図がよく分からない


DVDにはこの後、
トークシーン、リハーサル、写真撮影会などのダイジェスト映像が収録される
BGMは「MESSaGE」のインストだが、
この音源はシングル収録のインストとミックスが違っている
(BGM用に、サビの部分などで音が減らされている)
DVDリリース告知では、この部分について、
「あの曲のNEWバージョンが収録されています!」として宣伝されたが、
別にもったいぶってアピールするほどのものではない


NETWORK -Easy Listening-
コロムビアミュージックエンタテインメント
2004-03-24
TM NETWORK
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