7-23 Double-Decade Tour Final “NETWORK” in NIPPON BUDOKAN①

*緊急追記あり(2020/2/1)


2020/1/18にTM NETWORKの人気投票の結果が、
ニコ生「TM NETWORK 35周年 FanksからのTOP100曲カウントダウンSP~Gift from Fanks~」で発表されました
この番組、DJ KOOさん・ふくりゅうさん・平賀哲雄さんによって行なわれ、
途中にはゲストとして坂本美雨さんと浅倉大介さんもいらっしゃいました
また大した内容はありませんでしたが、木根さんとウツも録画でメッセージを送ってくれました


同番組では上位100曲が発表されました
その結果はwebsiteでも公表されています
この内で上位70曲がSONY版とavex版各3枚組35曲にまとめられて、
3/18に「Gift from Fanks T」「Gift from Fanks M」のタイトルでリリースされます(各税込4400円)
SONY版が「T」、avex版が「M」です


タイトルは1987年のベスト盤「Gift for Fanks」を意識したものとなっており、
なかなか良いネーミングと思います
曲数はTM35周年とかけたものですが、
まさかこんなに大規模なものになるとは思っていませんでした
すでにTMの曲の半分くらい入っていることになります


今回の人気投票、2回の中間発表もありましたが、
結果としては上位は3回ともほとんど変わりませんでした
(予想外だったのは「Resistance」が初回14位から最終8位に上がったことくらい)
2004年の投票とも大して変わっていないし、
改めて行なう意義があったかははなはだ疑問です
他にやる企画もなかったんでしょうけど


選曲のバランスの悪さには思うところもあり、
たとえば「Twinkle Night」「Self Control」の曲はほとんど入っているのに対し、
「SPEEDWAY」からは一曲も入っていないというのは、
TMを新世代・次世代に伝えるという企画のお題目からすればどうかと思います
決定版ベストの選曲とファン投票という手段の相性には、
私は当初から懐疑的でした
まあ「Green Days 2013」「Get Wild 2015」がやっと一般でもCDで買えるようになるのは良かったと思います


私としては新音源が入らない限り、
今回の商品に手を出すつもりはないですが、
「ボーナストラック」が入るっぽい情報もあります
その内容次第では、私も買わざるをえなくなるかもしれません
まあアルバム本体は一度も再生しないと思いますけど


^^^^^^以下緊急追記^^^^^^^^^^^^^^

ブログを更新した十数時間後、
「Gift from Fanks」の収録内容が発表されました
人気投票のランク順ではなく、
上位70曲を基本的にリリース順(厳密ではないですが)に並べて、
T盤・M盤に振り分けるという方式です


たとえば1stアルバム「Rainbow Rainbow」から選ばれた「1974」「金曜日のライオン」「Rainbow Rainbow」については、
T盤に「1974」「Rainbow Rainbow」
M盤に「金曜日のライオン」、という感じです


同一曲の別バージョンは、T盤とM盤に分けられています。
たとえば「Your Song ("D" Mix)」はT盤、
「Your Song (Twinkle Mix)」はM盤です
また2000年以後の作品については、
ROJAMとR&CはT盤、avexはM盤に収録されています


…とまあ、ここらへんは正直私にはどうでもいいことです
商品によっては24㎝×24㎝のデカジャケットや応募ハガキ(何の応募か不明)が付録に付いていたりしますが、
ここらへんも当面は気にしません
実際のところ、私も本商品はあまり買う気もありませんでしたし


…ところが、さて皆さん、
汚い汚い大人のSONY商法がやってまいりましたよ!


いえ、今回は、
汚い汚い大人のSONY+avex商法がやってまいりました!


今回はT盤・M盤ともに、
ボーナストラックが1曲ずつ入っているのですが、
(そのため35周年なのに36曲入りになりました)
M盤は「Get Wild '89 (7 inch version)」となりました
以前ネットラジオで木根さんが「Get Wild Another '89」と称して流したやつでしょう
「ゲゲゲ」のサンプリングがないやつです


で、こっちはまあどうでもいいです
問題はT盤の特典です
なんと、「グリニッジの光を離れて」が収録されるとのこと!
て、この曲、ちゃんとレコーディングしてたの!?


この曲、現在まで音源の公表もないし、
ライブでも演奏されたことがない幻の曲ですが、
木根さんの「電気じかけの預言者たち」で言及されています
1983~84年に作った「Rainbow Rainbow」の没曲です
本ブログでも以前軽く触れてはいます


まさかこの曲を聴ける日が来るとは、
かけらも思っていませんでした
つうか他にも1994年に発表された「Open Your Heart」とか、
「Rainbow Rainbow」没曲のテープて、
まだ他にも隠されているんじゃないの?という疑念が強まってまいりました


正直言って私は、今回のベスト盤には何も興味がありませんでした
ところがここに来てまさかの驚き特典です
くそう…この1曲のためだけに4400円を払えというか! いうか!!


本当にSONYの良いカモにされていることは自覚していますが、
今回はもう仕方ないです
分かりましたよ! 払いますよ! 1曲4400円たけえなおい!
でも早く聞きたいなっ!!


ということで、うれしいながらも悔しい、
微妙な追加情報でしたとさっ!(半キレ)

^^^^^^^^^^^^追記ここまで^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^


ウツは来週「Dragon The Carnival」追加公演を控えています
私はファイナル2/7に参加してきます
その後は4月から「それゆけ歌酔曲!!」となります
木根さんは1/24にコーストFMの「ピカソキャンディ」
1/31にNHK BS11「Anison Days」に出演しました
小室さんは特に動きはありません


では本題に入ります

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2004/6/24・25の2日間、
TM NETWORKは20周年の締めくくりのライブとして、
日本武道館で「Double-Decade Tour Final “NETWORK” in NIPPON BUDOKAN」を開催した
この日程は、TM初の武道館公演「Fanks Cry-Max」の開催日1987/6/24を意識している
ライブの開催告知は4/21横浜アリーナ公演「Double-Decade “NETWORK”」会場で行なわれ、
来場者に対しては特別優先予約も行なわれた
私は気づいていなかったが、この日の新聞の朝刊でも開催告知が掲載されていたらしい
(本記事やまびこさんコメント)


武道館公演はタイトルからは、
「Double-Decade Tour」の最終公演に過ぎないようにも見える
しかし実際には「Double-Decade Tour」は横浜アリーナの「Double-Decade “NETWORK”」を調整したものであるのに対し、
武道館公演はこれらとまったく別のライブである
「Double-Decade Tour」の16曲と武道館公演の19曲で、
共通するのは10曲だけである
ライブの構成もまったく別物だった


かつて「Tour TMN EXPO」の特別版のタイトルを「EXPO Arena “Crazy 4 You”」としたように、
この時のライブタイトルももう少し凝ったものにしてほしかったと言う思いもあるが、
おそらく企画段階では武道館公演が決まっていただけで、
内容については構想が定まっていなかったのだろう


横浜公演と「Double-Decade Tour」は小室の関心を反映して、
トランスによる新しいTMのパフォーマンスを示すことに力が注がれた
それに対して武道館公演は、
20周年をファンとともに楽しむお祭りとしての性格が強い


武道館公演は3部構成を取っており、
第1部でNETWORK期(1980年代)、
第2部でTMN期(1990年代)の楽曲を演奏し、
第3部で今のTMとしてトランス楽曲を演奏した
(ただし第2部は未発表曲1曲を含む)


トランスの要素はほぼ第3部に限定されており、
全体としてはTM20年の歩みを過去から現在まで振り返る(その一部としてトランス楽曲を演奏する)という構成になっている
なおアンコール3曲はすべてNETWORK期の曲だった


第2部・第3部はそれぞれ5曲ずつ演奏されたが、
第1部のみは6曲が充てられた
これは第1部が一番人気曲が多いこともあろうが、
第2部の「Time To Count Down」や第3部の「Just One Victory」のように、
10分近くに及ぶアレンジの曲がなかったこともあろう


上記の構成に応じて、サポートの編成もこれ以前のライブとは変化した
横浜公演および「Double-Decade Tour」では、
TM3人と葛城哲哉の4人のみで演奏が行なわれ、
小室が操作する機材が大部分の音を出していた
バンド形式を排し、極力小室が音を制御するというのが、
この時期のライブで追及されたものだった


だが武道館公演でこのスタイルが取られたのは第3部のみであり、
第1部・第2部ではかつてのサポートメンバーがステージに上がり、
バンド形式のライブが行なわれた
具体的には、第1部では80年代のサポート西村麻聡・山田亘に北島健二を含むFence of Defense、
第2部では90年代サポートの葛城哲哉・阿部薫・浅倉大介がサポートを務めた
さらにアンコールでは第1部から3部の出演者が全員登場し、
豪華メンバーによるバンド演奏が行われている


なお西村は「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」にも参加しておらず、
TMのフルライブでサポートをするのは1986年以来18年ぶりだった
(1989年のイベント「Thank You TM NETWORK」には参加している)


横浜公演と「Double-Decade Tour」ではミキシングコンソールの操作を中心にしていた小室も、
第1部・2部(特に1部)ではシンセの手弾きを積極的に行なった
また「Time To Count Down」では、
(ほとんど鳴っていないだろうが)TM史上唯一のエレキギター演奏を行なっている


さらに6/25のアンコールでは、松本孝弘が登場した
初期サポートの小泉洋・白田朗と早世した日詰昭一郎を除き、
歴代サポートメンバーはこの時ほぼ揃った
消化不良が多かった20周年の活動だが、
最後は豪華に締めることができたといえよう

7-23.jpg終演シーン。左から、阿部・西村・葛城・ウツ・小室・木根・松本・浅倉・北島・山田。


このように武道館公演は、
セットリストだけでなく演奏スタイルも大きく変更されたため、
リハーサルにも6/14~20の1週間が充てられた
(毎日行なわれたかは分からない)


こうした過去の形態・人脈を再活用した内容は、
20周年を祝いたいファンの要望に応えるものでもあった
小室は当初同窓会的なライブに消極的だったが、
武道館公演ではその点で妥協し歩み寄ったのだという
観客も次々と繰り出されるかつてのヒット曲を前に、
全力で体を動かすことができたようで、
概して肯定的な意見が多かった


機材・セットで特筆すべきものは特にない
メンバーの配置は、中央にウツで、
小室はその後ろ(中央奥)にいた
ドラムセットは観客から見て右の奥である
木根の位置は以下に述べるように、場面によって変わった


第1部ではドラムの山田亘の他、
ベースの西村麻聡が観客から見て左、ギターの北島健二が右にいた
木根はこの間、ウツの後ろ、小室の前に立っていた


第2部では、葛城が観客から見てウツの左、
木根が右(阿部のドラムの前)になった
また浅倉のシンセブースは小室の左に設けられた


第3部はこの配置から阿部・浅倉が抜けた状態になる
これは「Double-Decade Tour」と同じ配置である
なおアンコールではサポート全員が登場したが、
ギター4人+ベース1人はステージ前方に並んで演奏した
ドラムは阿部が務め、山田は小室のブースに入ってシェイカーを振った


小室の衣装は、24日は黒地のTシャツ、
25日は白地のTシャツだった
ウツは本編前半は柄シャツの上に白のジャケット、
後半は黒のジャケットを羽織り、
木根はストライプのYシャツにベージュのジャケットを羽織っている
これらの内、黒ウツと木根の衣装は、
「Double-Decade Tour」で用いられたものと同じようだ
(白ウツもツアーで使われたことがあったのかもしれない)


アンコールは、ウツは横浜公演本編終盤と同じ衣装であり、
木根は横浜公演アンコールと同じ衣装を着ている
小室は本編と同じ衣装である


選曲を見ると、第3部はすべて「Double-Decade Tour」から引き継がれている
第1部では「Come on Let’s Dance」「Confession」が、ツアーで演奏されなかった曲である
他の曲もバンドアレンジになっている
特に「Get Wild」は大きく変わっており、
DVDでは「D.D. Extended Version」と名づけられている


特に目新しかったのは第2部である
これまで20周年では、トランスアレンジの楽曲を除いて、
TMN時代の曲は「Rhythm Red Beat Black」「Nights of the Knife」しか演奏されてこなかった
だが武道館ではこの2曲をセットリストから外し、
ほとんどすべての曲を再始動後初めて演奏する曲とした
(そもそも再始動後はTMN時代の曲がほとんど演奏されていなかった)


例外は「Time To Count Down」だが、
これもこの時だけの特別アレンジであり、
DVDでは「D.D. Tour Final Version」と名付けられている


本ライブの映像は、
DVD「Double-Decade Tour “NETWORK”」で商品化されている
本編は6/24の映像で、ライブの様子はMCも含めて完全収録されている
アンコールは6/25の映像だが、これは松本孝弘が登場したからだろう
ただし商品化の権利の問題のためか松本を紹介するシーンはカットされ、
演奏された3曲の内「Seven Days War」だけが収録されている


最後に触れておきたいのが、
本ライブの最重要事項である「Green Days」の演奏である
これはこのライブのために作られたバラードの新曲で、
第2部の最後に演奏された
作詞作曲はともに小室哲哉である


当時ファンの間ではリリースが期待されたが、
2013年にライブ会場限定販売シングルとしてリリースされるまで、
スタジオ音源が発表されることはなく、
それまではライブDVDが本作を聞くことができる唯一のメディアだった


次回取り上げるMCによれば、
リハーサルの時になって小室が新曲をやりたいと言い出したのだという
小室もツアーを経て、スイッチが入ってきたということだろう
木根は「今しがた」作られたばかりと述べている
2003年年末、「Easy Listening」制作開始の直前になって、
小室が新曲を作りたいと言い出したことを彷彿させる


木根の発言によれば、
小室が新曲をやりたいと言ったのは選曲の打ち合わせの時だった
ツアー最終日の6/9広島公演開演前のバックステージでの会話で、
小室が「Confession」を演奏する話をしているので、
これ以前に選曲が行なわれていたものか


6/9は小室のみ午前に大分にいて、
その後夕方までに広島に移動したので、
この日のライブ前に打ち合わせがあったとは思われない
打ち合わせは6/8以前に行なわれたものだろう


肝心の曲はリハーサルの時にもできていなかったが、
本番1週間前になってようやくデモテープができたという
となればデモができたのは6/17前後となる
リハーサルの最終段階近くのことだろうか


6/20のリハーサル最終日にこの曲のトラックの調整を行なったことが知られるので、
6/19にはおおよその形が出来上がっていたとみられる
ウツもライブまで数回しか歌っていなかったようで、
リハーサルも終わりになってようやく完成した曲だったのだろう


「Green Days」のタイトルについては、
意味がよく分からないというのが正直なところだが、
ライブにおける小室の発言を見るに、
いくつかのイメージが重ね合わされていたようだ


その中には、きれいな色やおおらかな様子というのもあり、
おおむね肯定的なイメージで語られている
曲調もゆったりとした癒しの雰囲気を漂わせており、
特に間奏などは、苦しむ者への救いを表現しているかのようである


曲のコンセプトについてMCで2日とも言及されたのが、
青信号の色という点であり、
それは「前へ進みなさい」の婉曲表現とのことである
つまりこの曲における「Green」とは、
自分の判断を肯定し受け入れてくれるものの象徴であり、
「Green Days」は自分が肯定されている日々を意味しているのだろう


自己肯定の歌詞は「Screen of Life」も同様だが、
特に自己を肯定してくれる存在を歌った「Presence」と共通するところが大きい
この時期の小室の歌詞に一貫したテーマと言えるし、
また小室自身の葛藤をリアルに表現したものでもあったのだろう
小室は、この3曲を一緒に聞けば20年間やってきたことを感じ取ってもらえると思うと発言している


小室が6月になってこの曲を作ろうと考えたのは、
ツアーに入ってやる気が高まってきたことも意味していると考えられる
ただその「やる気」というのは、必ずしもTMに限るものではなかったらしい
以下、このことについて、歌詞に即して考えてみたい
注目したいのは「Green Days」Bメロからサビにかけての以下の一節である

情報が報われず 情で偶然が訪れて
報われぬ恋が芽ばえて
限りある今をつむいでつないで
やさしさを君から学んだ
緑の芝生を歩いて思った
Green Days 今なら生きれる


曲のタイトルが出るのは最後の部分だが、
そこでは「今なら生きれる」という衝撃的な言葉が唱えられる
つまり主人公は、それまで死にたくなるほど絶望していたのだが、
「緑の芝生」を歩いた時にその思いを改めたのだ


歌詞中ではこの独白の前提として、
主人公が「君」と思いを通じ「やさしさ」を学んだことが述べられる
要するに愛情をもらったことで、主人公は再起を決意したのである


ここで歌われる2人は誰だろうか
注目されるのは冒頭箇所である
ここでは「情報」と「情」「報」を絡めた言葉遊びが行なわれているが、
要点は主人公が「君」に対して「報われぬ恋」を抱いていたことである
つまり二人の関係は、本来報われないものとして始まったのだ


私はこれは、小室とKEIKOの事にほかならないと思う
「報われぬ恋」とは、小室が吉田麻美と結婚していた時に不倫関係にあったことを指しているのだろう


上記の箇所の前のAメロには、以下のようにある
これは不倫関係の成立、離婚、再婚というプロセスを表現したものにほかならない

気付いたら手の届きそうだった恋
気付かない罪なき恋のアンテナ
そう甘くないよと言われたまま
生まれかわるつもり君をみつめる
誰と誰かがお互いの欲を満たして
誰と誰かがぬぐいされぬ傷を残して


こうして傷を負いながらも結ばれた相手であるKEIKOに対し、
小室が再起の決意を語ったのがこの歌詞全体の趣旨と考えられる
ではこの決意の契機となった「緑の芝生」とは何なのだろうか


小室は「Green Days」の「Green」について、
サッカーの芝生の色とも発言しており、
サッカー場のイメージもあったようである
私はこれは、大分のサッカーチームトリニータと関係する可能性が高いと思う


詳しくは別章で触れるが、
小室はこの頃トリニータのオフィシャルサポーターとなった
曲が作られる直前の6/12には、
大分総合競技場で記者会見を行ない、
トリニータのスーパーバイザーになったことを発表している


またその少し前の6/9には、
大分県知事と面会して大分に拠点を移すことを宣言した
大分はKEIKOの実家がある場所であり、
この頃小室がしばしば訪れていた


先に推測したところでは、
小室が新曲の制作を提案したのは6/8以前と考えられるが、
それは小室が大分を拠点とした新たな活動に向けて動き出していた時に当たる
小室が「Green Days」を作ったのは、この頃の高揚感もあったのだろう


ただし小室は大分を拠点としてTMに関わる仕事をすることはなかった
つまり「Green Days」で歌われた再起への決意は、
必ずしもTMと関わるものではなく
小室個人の再起の決意を歌ったものだったとことになる


そのような歌詞がTMにふさわしいのかという疑問は当然あるだろうが、
当時の小室は死にたくなるほど崖っぷちの状況にあったのであり、
そこから立ち直ろうとする意志を20周年の最後に示したのだとすれば、
たしかにこれ以上正直なファンへのメッセージはなかったともいえる


以上が本ライブの概要である
ライブの具体的な内容については、次章で触れることにしたい

TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]
TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]

7-22 Double-Decade Tour "NETWORK"

明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします


12月にはウツのディナーショーと木根さんの年末ライブがありました
ウツは1曲目が「Spanish Blue」だったそうですが、
聞けた方はうらやましいです
もしかして「Dragon The Carnival」の候補曲だったんでしょうか


ウツは2月6・7日に「Dragon The Carnival」追加公演を控えていますが、
ローチケの広報誌「O-チケ」に、
これに関するインタビューが出ています


ウツ、当初はもっとマニアックなセットリストを考えていたそうで、
「Castle in the Clouds」も入れる予定があったとのことです
「Dragon The Carnival」はTMのほぼすべてのアルバムから演奏されましたが、
「Easy Listening」の曲だけ選ばれませんでした
これも当初は入れるつもりだったんですね


追加公演については、
「来年2月までまだ時間があるので、1回頭をリセットしていろいろ練り直す時間はあります」
と述べているので、内容が微調整されるかもしれません


また12/28のウツのディナーショー「Fan Party & Live Through 2019」では、
4/6~5/20の「LIVE UTSU BAR TOUR 2020 それゆけ歌酔曲!!」開催が告知されました
すでにFC先行予約は受け付け中です


木根さんは、12/14・15「ニューロマンティックシアター」で公開された「君が生まれた日」のMVが、
クリスマスイブの日にyoutubeにアップされました
ファンから集めていた赤ちゃんの写真が使われています


以上はウツと木根さんの話ですが、
他に小室さんについても動きがありました
ただ小室さん自身の発言があったのではありません
小室さんと会ったavexの松浦勝人さんが、
12/29から12/30にかけて不穏なtweet行なったのです
その端緒は12/29の16:33の以下のtweetでした

あの人を助けるためにお金を貸したけど、その人は返す気もないという。 意味がわからん。 2023年に一括返済の予定だけど、あなたの得意なあれを差し押さえでもする以外方法はないなぁ。本当にあの時、全てはあなたがいたおかげだと言ったことを真に受けているならそろそろ夢から目覚めろと言いたいね。


ここでの「あの人」が誰かは明言されていませんが、
お金を貸したこと、「すべてはあなたがいたおかげ」と松浦さんから言われたことが分かります
この時点で小室さんのことが脳裏に浮かぶ方もいたはずです


そしてその後になると、
松浦さんはより特定しやすい形で情報を出していきます
たとえば12/30の朝には
「KEIKOをほっておいて、挙げ句の果てに僕にまでそんなこというって、 どういうことなのかなぁ」
と発言しており、この時点で「あの人」が小室さんであることがはっきりしました


以上二つのtweetからは、
松浦さんが12/29かその少し前に小室さんと会ったこと、
そこで借金を返済しない旨を告げられたこと、
それに対して松浦さんが憤慨していることが分かります


この借金とはもちろん、小室さんが詐欺事件で起訴された時、
松浦さんが被害者に対して6億5000万円を弁済してくれた件に当たります
これは2009年3月のことでしたが、
2023年にこれを一括返済する予定だったことが分かります
14年間で6.5億円、つまり1年あたり約5000万円の返済が想定されていたようです
小室さんの印税収入は1~2億円と考えられますので、
さほど無理のない計画だったと思います


ところが小室さん、これを返さないと言ったというのです
松浦さんはこれに対し、
「あなたの得意なあれを差し押さえでもする以外方法はないなぁ」と述べていますが、
これは詐欺事件の時に問題になった小室さんの著作権譲渡の話を踏まえているのでしょう
借金のカタにavexからの印税支払いを止めるか、
または法的に印税を強制的に差し押さえする措置を行なうと脅しているわけです
もっとも松浦さんは、実際には小室さんに返済する財力があると見ているようで
つまり返せるのに返そうとしないことに腹が立っているようです


どういう流れでこうなったのかはよく分からないですが、
もし事実ならば松浦さんが怒るのも当然です
松浦さんが「そろそろ夢から目覚めろと言いたいね」と言っているのを見るに、
小室さんが何か浮わついた(ように見える)話をしてきたのでしょうか
「いい加減に目覚めて欲しかったけど無理ですね」というtweetも、同じことを言っているのでしょう


また「KEIKOをほっておいて、挙げ句の果てに僕にまでそんなこという」という発言を見るに、
もともとKEIKOさんに関わる話があって、その後で借金返済の話が出たのでしょうか
松浦さんの手元には12/29にKEIKOさんから手紙が届いたそうで、
「俺もKEIKOが心配だよ。 昨日手紙もらって泣けた」とtweetしています


これは最近ゴシップ誌に書かれている小室さんの離婚の意向と関わるものでしょう
あるいは松浦さんが小室さんと会ってKEIKOさんの話をしたところ、
小室さんが消極的な反応をした上に、
借金も返せないかもしれないなどと発言してしまったのでしょうか


もっとも松浦さんも、小室さんへの敬愛の念は随所で見せています
それにもかかわらず不誠実な対応を取る小室さんへの非難には、
むしろ怒りよりも悲しみの感情を強く感じてしまいます


たとえば小室サウンドが好きというファンに対しては、
「そこはなんも否定しないし、素晴らしい人」と述べていますし
「小室さんにまた名曲をかいてもらきたいけど無理なのかな」(原文ママ)とも述べており
松浦さん自身、小室さんの復帰を強く望んでいることが分かります
TMファンが「私はTMの復活を信じています」と伝えたのに対しても
「大好きなんだね!小室さんのこと!」「それは僕もおなじなんだよ」と答えています


さらに重要な情報と思うんですが、松浦さんは、
「小説 Mが出版された時に浜崎あゆみに曲を書いてくれと言ったら、僕は彼女が苦手だからと断られた」
ともtweetしています


この小説「M」は2019/8/1発売です
つまり2018年の小室さん引退後、松浦さん直々に、
小室さんに対して復帰の打診が行なわれていたのです
松浦さん自身、この頃小室さんを復帰させたいと考えていたことになります
もしもこれが実現していれば、いずれTM NETWORKの再開もありえたはずです
何もないように見える中でも、裏では様々な動きがあったんですね


ところが小室さんはこの打診を断り、松浦さんの怒りを買いました
その後しばらく二人の接触はなかったようで、
松浦さんは10/12に小室さんのことを聞かれた時には、
最近は会っていないと言っており
おそらく年末の会合は久々のことだったのでしょう
なお松浦さんは、マネージャーを通して小室さんに連絡を取っていたようですが、
そのたびにごまかされてきたようです


松浦さんは上記tweetの後にも小室さんに連絡を取ろうとしましたが、
小室さんは電話に出ませんでした
松浦さんは12/30の午前に電話をした履歴のスクショをtwitterに出して怒っています
結局夜になって小室さんが電話をしてきて、
1月に2人で会うことにしたようです
松浦さんはこれを受けて、以後tweetに小室さんのことは書き込まないことを宣言しました
ただし「会談が決裂したら知りません」とも付け加え、牽制を加えております

※u-chanさんのコメントにより、文章を修正しました


以上が二日間の顛末ですが、
なぜ小室さんが借金を返さないなんて言い出したのか不明です
客観的に見ても、人としてありえない発言だと私は思います
KEIKOさんとの離婚話が絡んでいるのかなとか憶測はできますけど、
現時点では憶測にすぎません


何しろ情報ソースが松浦さんの発言だけで、
小室さん側の言い分が分からないので、
現時点でことの是非を判断するのは難しいです
ただ少なくとも、松浦さんと小室さんの関係が危機的な状況にあることは分かります


逮捕後に活動を再開した小室さんを全面的に支えてくれた松浦さんおよびavexを敵に回せば、
もう小室さんの音楽業界への復帰は絶望的です
私自身、この騒動が始まった時、もう終わりかなと思いました


松浦さん自身が小室さんの改心を期待してくれていることもあり、
今は首の皮一枚でつながっている状況ですが、
小室さんがよほど真摯な態度で接しなければ、
関係の回復はないように感じます


実際に松浦さんは1997年に、小室さんとの関係を一度断ち切っており、
やる時にはやる方だと思います
ただそもそも小室さんが復帰を望んでいないならば、
その可能性を自ら摘み取ることに躊躇はないかもしれません


ともかく今月(1月)に話し合いがもたれるはずなので、
その結末はどこかで明らかにされるかもしれません
もしも明らかにされたら、またブログでも言及しようと思います


では暗い近況はこれくらいにして、本題に入ります
なお今回は実家での更新のため画像を入れられませんでしたが、
後日追加する予定です
*追加しました(2020/1/5)

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TM NETWORKは4/21に横浜アリーナで「Double-Decade “NETWORK” in YOKOHAMA ARENA」を開催した後、
1ヶ月の間隔を空けて全国ツアー「Double-Decade Tour “NETWORK”」を開始した
5/20~6/9の約3週間で、8会場10公演である


横浜アリーナ公演の日付はTMデビュー記念日を意識したものだったが、
ツアー開始日の5/20はTMN「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」が開催された5/18・19の翌日に当たる
さらにいえば、この後に開催される武道館公演「Double-Decade Tour Final in NIPPON BUDOKAN」は6/24・25だが、
これはTM初の武道館ライブ「Fanks Cry-Max」開催の1987/6/24を意識している
20周年の活動の内容はいささか寂しいものだったが、
スタッフは日程を組む際にTMの歴史を意識して、
アニバーサリーイヤーを演出しようとしていた


「Double-Decade Tour」の開催は2003年中に決まっていた
おそらく横浜アリーナ公演・全国ツアー・武道館公演の手配は、
並行して行なわれたのだろう
ただ最終的な決定まではしばらく時間がかかったらしく、
2004年年始には6都市8公演と予告されていた(実際は8都市10公演)、


小室・ウツ・木根のFC会報で開催が正式に告知されたのは2004年2月中旬である
2/25のシングル「NETWORK™」リリースに合わせて宣伝を行なおうとしたものだろう
実際に「NETWORK™」のCDには、
横浜アリーナおよびツアーの先行予約の案内が封入されていた
(予約受付開始日は3/5)


8会場10公演という規模は、
前回の「Tour Major Turn-Round」の10会場15公演と比べると、
かなり絞られている印象を受ける
TM最初のツアー「Dragon The Festival Tour」(8公演)に次ぐ規模の小ささであり、
開催期間も史上最短である
記念すべき20周年の記念ツアーであるにもかかわらず、
随分おちぶれてしまった感もある


ただこのツアーについては、
前後の横浜アリーナ公演1本と武道館公演2本もセットで考えるべきであり、
その場合動員規模は「Tour Major Turn-Round」と変わらないか、
むしろ少し上回ると見られる


なお東京・大阪・名古屋の3大都市(またはその近郊都市)に加え、
札幌・仙台・広島・福岡の4都市を回るのは、
以後30周年までTMの全国ツアーの基本パターンとなる
(もちろんツアーによって増減はある)
これはtribute LIVEやウツのソロツアーもだいたい同様である


「Double-Decade Tour」のライブタイトルだけ見ると、
その後の武道館公演「Double-Decade Tour Final」が近い内容で、
横浜アリーナの「Double-Decade “NETWORK”」とは別内容のように感じられる
だが実際にはツアーの演奏曲は横浜とほぼ同じであり、
武道館公演とはまったく違うものである
横浜公演をブラッシュアップしたものがツアーと言って良いと思う


演奏曲がほぼ変わらないにもかかわらず、
観客の評価は横浜よりもツアーの方がおおむね良かった
ウツによれば、ツアーは横浜公演を親しみやすくしたバージョンだった


演奏曲を具体的に見ると、
横浜公演で演奏された曲の中では、
「1974」「We Are Starting Over」「Telephone Line」の3曲が消え、
代わりに「All-Right All-Night」「Come On Everybody」「Fool on the Planet」が加わった
曲数は横浜公演とツアーで変わらない


追加3曲はいずれも再始動後初の演奏であり、
特に「Fool on the Planet」は1988年「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」以来である
ただ2003年「tribute LIVE」で演奏されたので、
それに参加したファンには感激は薄かったかもしれない


「1974」は本来ツアーでもやる予定だったのだが、
「sixteenあのころの気持ち」の歌詞にウツが抵抗を感じたため、
セットリストから外されたのだと言う
これは「Self Control」をいつまでも歌っていられないと言う同時期のウツの発言にも通じる
ウツは10代向けのTMの歌詞に違和感を覚えるようになっていたらしい


横浜で使われたオープニング(過去曲を順番に流すもの)はなくなったが、
代わりに長時間のMCが挟まれるようになった
公演時間はおおむねツアーの方が15分ほど長く、2時間超となった
大規模な会場である横浜アリーナではMCを入れず、
話しやすいホールでMCを入れると言うのが、小室の考えだった


サポートメンバーは横浜公演と同じで、
ギターの葛城哲哉のみである
イヤーモニターや大型タッチパネルの導入なども、
横浜公演と同様であった


機材も横浜公演とは変わらないが、
小室によれば横浜は足し算、ツアーは引き算で音を構築しようとしていた
それまでのTMのライブと比べると、
横浜もかなり音数は絞られていたのだが、
ツアーではさらに禁欲的に音を減らすことを試みた


小室は公演ごとに音のミックスを変え、
ギター以外の音が大幅にミュートされることもあった
木根や葛城は演奏のガイドになるものがなく、大変緊張したというが、
小室としてはミックスを変えて客の様子を見ることができるのは、
ツアーの楽しみだったのだろう


ウツは白地に赤・青の線で模様の入ったシャツの上に、
黒のジャケットを羽織っている
これは武道館公演の本編後半で来ていたものと同じようだ
木根は白・赤・黒のストライプのYシャツの上にベージュのジャケットを羽織っている
これも武道館公演本編と同じものと見られる
小室は白地のTシャツと黒地のTシャツが確認できる


以上はライブ本編の衣装だが、
アンコールではウツは横浜公演本編終盤と同じ衣装、
木根は横浜公演アンコールと同じ衣装、
小室は横浜公演本編と同じ衣装だった
(ただし小室は毎日変わった可能性がある)


なお木根は5月のサッカーの試合で転んで肋骨を痛め、
そのままツアーに臨んだという
10年前の「TMN 4001 Days Groove」の時も腰を骨折していたが、
記念ライブで怪我をする運命の星の下にでも生まれたのだろうか
この時は部位の関係でギブスを付けることもできず、
結構大変だったらしい
ただ武道館公演の前には完治していたという


このツアーについては、ほとんど資料がない
ライブDVDや雑誌記事も、
ほとんどが前後の横浜公演か武道館公演を取り上げているためである
現在音源・映像で公にされているのは、
オープニングの「Time To Count Down (Labo Mix)」のバックステージ映像くらいである
これは「ETERNAL NETWORK」付属DVDに収録されている


もっとも演奏曲の大部分は横浜公演と同じなので、
本ツアーの映像についてはファンの間にもそれほど渇望感はないかもしれない
横浜・武道館どちらでも演奏されなかった(ツアーのみで演奏された)のは、
「Come On Everybody」「Fool on the Planet」のみである
ただツアー後半で「10 Years After」の前に木根が演奏したアコギソロなどは、
どこかで見てみたい気もする

7-22.jpgツアーの3人


以下ではツアーの様子を見てみよう
開演前のステージには薄い半透明の幕が掛かっており、
ステージは横浜公演と異なり観客からは直接見えなくなっている
鐘の音とともにライブが開幕を告げる
会場に響く「Time To Count Down」の声
「Time To Count Down (Labo Mix)」である
音はCD音源をそのまま流したものである


幕には00:00に向けてカウントダウンする時計とともに、
過去のライブ映像やPVが古い時代に向けて次々と映し出される
20周年を意識させる始まりである


過去映像を順番に映す演出は、
横浜アリーナ「Double-Decade “NETWORK”」のオープニングと同じだが、
「Time To Count Down」をBGMとしたのはツアーのみである
カウントダウンを示す名称の曲が映像と組み合わさり、なかなか盛り上がる始まり方だ


カウントダウンが進むとともに、
TM3人+葛城がステージに並んでスタンバイ
その様子は幕を通じて薄っすらと見ることができ、観客を盛り上げる
そしてドラム連打とともに時計が00:00を迎え、
幕が落ちると同時にウツが「Time To Count Down 風の中~♪」と歌に入る


この演出は、オープニングとしてはとても良かったと思う
また「Time To Count Down」でライブが始まること自体かなり意外で、
観客としても面食らっただろう


この後はしばらく横浜公演と同様の進行となる
まずは「Sceen of Life」
横浜アリーナでは4人が並んで立っている中で曲が始まったため、
イントロの始まりはシンセの音だけだったが、
この時は葛城哲哉のギターで始まる
この点のみはシングルバージョンに準拠している
この演奏は次の武道館公演にも受け継がれた


その後は「Rhythm Red Beat Black」「Kiss You」と続く
ここは横浜公演と同様の演奏だったが、
「音の引き算」が顕著だった部分でもある


「どうもこんばんは! 20周年を迎えたTM NETWORKです!」
と始まるウツのMC
会場ごとにウツの発言は違ったが、いずれも長いものではなく、
今日もがんばるくらいの軽い挨拶だった


「All-Right All-Night」
原曲は音の洪水というにふさわしい豪華なオケだが、
この時はそのイメージを一新するシンプルなオケだった


オケの音を禁欲的に構成するというのは、
「Rhythm Red Beat Black」「Kiss You」から継続した流れだが、
特にイントロやAメロは非常に抑え目な印象を受ける
曲の構成は原曲に準じているのだが、
アプローチの違いでこんなに変わるものかと感じさせられた
ただしこのツアーは会場ごとに音のミックスが異なったので、
その意味でも人によって印象は変わるかもしれない


「Come On Everybody」
ツアーでしか演奏されなかった曲である
これも原曲に準じながらオケはシンプルに作られていた
以上2曲は、あえて原曲が派手な曲を選び、
変化を楽しませようとしたのかもしれない


なお「Come On Everybody」ではスクリーンにPVが映されたが、
木根はイントロや間奏でPVと同じ姿勢でギターを演奏した
派手な演出が少なかったツアーだっただけに、
客席はこの時少し盛り上がった


ウツ「どうもありがとう。えー次の曲は、ちょっと懐かしい曲です」
1988年以来の演奏となる「Fool on the Planet」
これは原曲のままの演奏である
横浜公演とツアーでは中盤で木根バラが演奏されたが、
横浜では「Telephone Line」「We Are Starting Over」2曲だったのに対し、
この時は1曲だけになった


木根によれば、横浜公演のセットリストを考える段階で、
「Telephone Line」「Fool on the Planet」のどちらにするか迷っていたところ、
小室は片方を横浜、片方をツアーで演奏すれば良いと答えたという
この頃TMを代表する木根バラとして、
木根自身がこの2曲を考えていたと言うことだろう
当時のメンバーもラジオ出演時に、
「Fool on the Planet」は良い曲だとコメントしている


「10 Years After」
横浜公演ではこの曲の後に木根バラが演奏されたが、
ツアーでは順番が逆になった
アレンジは横浜公演と同じである


6/3グランキューブ大阪公演以後の4公演では、
この曲の冒頭で木根がアコギで1分程度のギターソロを披露する演出があった
その後はさらに葛城のエレキと小室のシンセも加わり、
「10 Years After」のフレーズを演奏する
そして通常のイントロに入ると言う流れだった


この部分はとても良い雰囲気なので、
是非商品化して欲しいのだが、難しいだろう
なお6/4グランキューブ大阪公演では、
木根のギターの弦が途中で切れてしまうと言うハプニングがあった


この後は数分のMCコーナーとなる
会場ごとに話題は異なったが、
おおよそ公演場所と関わる過去の思い出を語る時間となったようだ
また次に演奏される「Just One Victory」について、
小室は口コミで広めてほしいと語ることも多かった
この頃小室の中で、この曲の認知度を上げたいと言う気持ちがあったらしい


6/8福岡サンパレス公演の小室MCでは、
聞き捨てならない発言があった
実はツアーでは「Maria Club」を演奏する予定があったというのだ
「All-Right All-Night」「Come On Everybody」あたりのところに入れる計画だったのだろうか


しかしサビのコードが「10 Years After」と同じなので、
セットリストからは外されたという
いやそんなこといいから、それやってよ…
この日のMCコーナーでは、
小室が即興で「Maria Club」のフレーズを弾いて、
木根がそれに合わせて「10 Years After」を歌うと言うお遊びも行なわれた


「Just One Victory (offensive version)」
ここからトランスコーナーである
タッチパネルの演出などは横浜と同じである


「Take it to the lucky(Album Mix)」
横浜公演ではなかった神秘的なシンセ音から始まり、
そこからクロスフェードする形でイントロが始まる
最後に小室のシンセソロが続くのは横浜と同じだが、
この部分は会場ごとにかなり内容が変わった
次いで「Love Train(Extended Mix)」


横浜公演ではライブ本編の終盤で過去曲のトランスミックスを中心に演奏したが、
ツアーではMC後に3曲のトランスミックス曲を続けて演奏し、
その後は3曲のヒット曲を続けて演奏した
ファンが一番盛り上がるのがトランスではないという現実を受け入れた上での曲順変更だろう


まずは「Be Together」
アレンジは横浜公演に準じている
ウツは「終了」以前にも、この曲のサビ前でクルッと回ることがあり、
横浜公演でも回っていたが、この時にみんなで回ることを提案した
これは以後30周年ライブまで、
この曲を演奏する時のお決まりのパフォーマンスとなった


「Get Wild」
横浜では珍しくオリジナルに準じたアレンジで演奏され、
イントロも原曲と同様となったが、
この時は「ジャジャジャ」のシンセ連打と「GeGeGeGe」のサンプリングボイスが入れられ、
ファンが喜ぶアレンジが復活した
一方2番後の間奏はトランス風のフレーズに替えられた


盛り上がり曲の最後は「Self Control」
横浜と同じアレンジである
「Take it to the lucky」の後のシンセソロを除き、
ここまで6曲、アップテンポで休憩なしである
この頃のウツはまだ体力があったことが分かる


最後は「Presence」
歌詞最後の「Presence」のところでは、
ウツが観客にマイクを向けて合唱を促した
また最後のアウトロのところでは、
ウツが(あまりうまくない)口笛を披露した


なおこの曲はツアーでは、
サビの繰り返し(We know the crime以下)が二回行なわれた
そのため横浜公演よりも演奏時間が長くなった


以上が終わるとウツが「どうもありがとう」と言って、
他のメンバーと一緒に退場する
その後アンコールで再登場し、
何も言わず「Nights of the Knife」を演奏した


アレンジは基本的に変わっていないと思うが、
アウトロが少し加わって引き延ばされている
この曲は武道館公演では演奏されなかったため、
このアウトロはDVDなどで聞くことができない


最後はウツが「どうもありがとう」と言ってライブを締める
ピックやタオルを投げたりと、
ライブの終わりっぽいパフォーマンスも行なった
退場曲は「Dawn Valley」


本編ラストとアンコールは横浜公演とは逆である
ただいずれもしんみりする2曲で締める構成である
ここで熱いMCなど挟めば涙も誘えたと思うが、
ほとんど何も言わないままアンコールは締められた


なおツアー最終日6/9の広島郵便貯金会館公演のみ、
本編は「Get Wild」で締められた
その後アンコールでは、
「Presence」「Self Control」「Nights of the Knife」の3曲が演奏されている
曲順が少し変わったが、結局演奏曲の内容は同じである

TMネットワーク TMN 20th DVD付本  ETERNAL NETWORK  美品 TM NETWORK
TMネットワーク TMN 20th DVD付本  ETERNAL NETWORK  美品 TM NETWORK

7-21 Double-Decade "NETWORK" in YOKOHAMA ARENA②

相変わらず非常に多忙な日々が続いており、
隔月更新になっています
今回の横浜アリーナライブなんて2回に分けているから、
この1日のライブの記事だけで4カ月ですね…すみません


とりあえず近況をまとめておきます
まずウツの「Dragon The Carnival」が11/10を以て終わりました
ところがファイナルの日になって、
来年2/6・7の追加公演が発表されました
会場は中野サンプラザです
結構評判良かったんでしょうか


すでにFC受付は終わっていますが、
おそらく会場規模から考えて一般でも取れると思うので、
関心のある方はどうぞご参加ください


また木根さんは12/1にFMかつしか「優峰のエポック」に出演しました
12/14・15には「ニューロマンティックシアター」を開催し、
12/30には「Nobuyuki Shimizu Presents 木根尚登×鳥山雄司×清水信之」に出演します
え、この組み合わせ、好きな人にはたまんなくないですか?
来年にはまた佐藤竹善さんとのコラボライブ「My Favorite Songs」を開催します
2/6から3/12まで4公演です
以上はいずれもチケット発売中です


ライブ会場で販売しているシングル「R1」に収録される「君が生まれた日」のMVを、
現在制作しているそうです
11月末日で募集は締め切られましたが、
自分や家族・友人などの0歳の時の写真をwebで募集していました
MVは後日youtubeで公開されるそうです


TMベスト盤投票企画、
公式サイトで第1回中間発表が11/15にありました
上位30曲が発表されているので、
CDには30曲が収録されるのでしょうか


選ばれた曲を見た感想は、
2004年の「Welcome to the Fanks!」の時の投票結果と比べて、
ほとんど変わらないということです
上位20曲について、2004年には選曲対象外だった「I am」「Get Wild '89」を除く18曲中12曲は、
2004年盤にも入っています
また今回の上位30曲には、2004年の上位20曲中16曲が入っています


今回の10位内に絞って見ると、2004年に入らなかった曲は、
「I am」「Nights of the Knife」だけです
2004年には「Nights of the Knife」はツアーで演奏したのに選ばれませんでしたが、
30周年ライブでは1会場以外演奏しなかったのに10位にランクインです
2004年にはまだファンの間に拒否感が強かったのでしょうか
逆に2004年にはライブ効果で選ばれたと思しき「10 Years After」は、
今回は姿を消しました


ROJAM期以後の曲は、20位内では9位の「I am」だけでした
(28位には「Message」もランクイン)
結局こんな風になるんですね
ボーナスディスクとか付けて再始動以後の楽曲を救済しないと、
2004年盤の微調整くらいのものになっちゃいそうです
とりあえず今月中にもう一回中間発表があるみたいです
投票は12/31まで行なっています


11/29には「シティーハンター THE MOVIE 」が公開されました
「Get Wild」のオリジナルも使われているそうです
また来週にはアニメ映画「ぼくらの7日間戦争」が公開されます
こちらには「Seven Days War」のインストが使われるとか
ホント今年はTMのコラボが目白押しでした
いえ、肝心の本体がまったく動けなかったんですけどね…


そんな中で最後のリリース情報になるでしょうか
「Beyond The Time」「Seven Days War」のアナログシングルレコードと、
サウンドトラック「Seven Days War」のBSCD2盤が、
12/4にリリースされました


アナログ盤は完全にコレクターズアイテムですが、
今はCDよりもレコードの方が売れたりするそうなので、
案外今後はこういう商品が出たりするのかもしれません
2年前の「Get Wild」アナログ盤と会わせて3枚ということになります


なお「Beyond The Time」は1988年のリリース当時、
CD盤はカットアウト、レコード盤はより短いフェイドアウトになっていました
その後1996年の「Time Capsule」を除き、
歴代ベスト盤はなぜかことごとくレコード盤に準拠してきたのですが、
今回はなぜかレコード盤なのにカットアウトという謎の事態になっているそうです
うーーん、もう何がなにやら
いや、良いことなんですけども


サントラ盤は私も大好きな作品なのに絶版だったので、復刻はうれしい限りです
「TETSUYA KOMURO ARCHIVES PROFESSIONAL PRODUCTS」に入れたやつを単品リリースしただけですけども)
今回のアニメ映画をきっかけに、
30年前の実写映画にも関心を持った方が、
小室さんの音楽を聴くきっかけになればうれしいです


では本題に入ります
上で触れた「10 Years After」「Nights of the Knife」も登場します

----------------
開演を告げるベルが鳴ると、
ステージ上の赤い照明が静かに明かりを灯す
まだ誰も現れていないステージの背後の大きな3枚のスクリーンには、
ツアーのロゴマークである三本傘のマークが映し出されている


スクリーンの映像は時計に変わる
時計が時間を遡ってTM NETWORKのデビュー日「1984.4.21」の日付を表示すると、
TMの始まりであるデビューシングル「金曜日のライオン」PVの冒頭部分が流される


その後は「Come on Let’s Dance」「Time To Count Down」「Get Wild Decade Run」のPVが流れる
それぞれTMブレイクにつながったFANKSを掲げた曲、
TMNへのリニューアルを宣言した時の曲、
「終了」後の再始動時に発表された曲であり、
20年のTMの歴史におけるターニングポイントとなる3曲である
ここまでの4曲は、TMの歴史をよく踏まえた選曲である


続いて「Dive Into Your Body」「Come On Everybody」「All-Right All-Night」「Self Control」など、
歴代のシングル曲のPVが流される
歴史的な位置づけを意識したというよりは、
勢いのある曲を並べた選曲だろう


その後はまた時計の映像になり、
「2004.4.21」の文字が映し出される
この日TMがデビューから20年目を迎えたことを、
ヴィジュアル的に表現した演出である
スクリーンの映像は「NETWORK™」のロゴに変わり、
ステージには「Screen of Life」のイントロが流れ出す


暗かったステージ中央に赤い照明が灯される
すでに中央の台の上には、
メンバー3人と葛城哲哉の4人が直立して立っており、
照明が当てられることで、表情もうっすらと見えるようになる
記念すべき20周年ライブの始まりである


4人はそれぞれの持ち場に移動し、演奏に入る
「Screen of Life」のアレンジは、
イントロの長い「Extended Mix」である
全体的にキックが強調されている


長いイントロや間奏の演奏は緊張感を漂わせ、
これからどんなライブになるのかという期待も高める
サビの「mind,pride,shame,cry,love,fight」の部分は、
一言ごとに体を動かす特徴的なフリである


2曲目は「Rhythm Red Beat Black」
再始動後初の演奏である
葛城哲哉はTMN時代と同様、
ギターとトーキングモジュレータを操る


前の曲から引き続き赤と青を主体とした照明で、
全体としては暗いステージだが、
それも曲名や曲の雰囲気にマッチしている
「It’s called “RED”」で照明が赤くなり、
「It’s called “BLACK”」で暗くなる演出は、
この時にも行なわれた


TMN時代の演奏と比べると、リズムトラックが強調され、
鍵盤パートの多くは削られたり目立たなくされている
クラブ風に乗りやすい音作りを志したのだろう
個人的に、この曲についてはこのアレンジは好きだ


同様のアレンジの傾向は、本ライブの他の曲についても言える
すべての曲がトランスアレンジになったわけではないが、
ライブを通じて音に一定の統一性が図られている


「Kiss You」
ライブの定番曲だが、
前回「Tour Major Turn-Round」では外されていた曲である
この曲も、特に歌に入ってからはリズムトラックが目立っており、
その中でもAメロは前曲以上に緊張感が漂うアレンジである
2番の後の間奏でのウツのセリフ「I Kiss You for Happy Christmas」以下の部分はなかった


「Be Together」
ここでようやく観客が飛び跳ねて暴れられる曲が登場
オリジナルのゆったりとしたイントロではなく、
軽やかで勢いのあるイントロで始まるニューアレンジである


ステージも明るい照明で照らされ、雰囲気を一新する
ウツもイントロで客席を見渡す仕草をし、
「Foo! Yeah! Everybody!」と煽る


2番の間奏は葛城のエレキギターがメインで演奏され、
その後テンポを落としたシンセパートが入る
このアレンジは20周年のライブでのみ用いられたもので、
観客はこの音に合わせて手を振った


「Get Wild」
やはりリズムトラックを強調したアレンジではあるが、
この曲には非常に珍しいことに、
それ以外の点ではオリジナルに準じた演奏である
しばしば「Get Wild」はライブでオリジナルで聴く機会がないと言われるが、
この日はそれが実現したのである


ただしこの後2007年の「TM NETWORK –REMASTER-」の最初の2公演(パシフィコ横浜)では、
「Get Wild」をオリジナルで演奏するのが売りとして宣伝された
(なんとも不思議なアピールだが)


ようやく盛り上がってきたところで、
ウツが両手を大きく目の上にかざし、会場を見渡してMC

どうもこんばんはー! Yeah!
えー、今日はもう間違いなく、20周年です!


ウツ、歓声を聞くジェスチャーをしてMCを続ける

ありがとうございます。えー今夜はですね、もうそうですね、あの、堅苦しい感じじゃなく、できるだけお祭りな感じで! もうどんどんどんどん、もう飲め…飲めないか、飲めや歌えやの、その歌えやの方か、あと踊れやか、そんな感じで最後まで、思いっきり、楽しんでいって下さい。(歓声)えー次の曲はですね。第3期TM NETWORKの作品です。


ここで始まったのが「10 Years After」
これが「第3期」とのことだが、
そもそもこれまでTMの活動が公式に3期に区分されたことはない
おそらくTMN以前が1期、「終了」までが2期であり、
3期は再始動後の活動を指すのだろう
特に20周年記念ライブで演奏する曲として、
「10 Years After」の曲名はふさわしいと考えられたのだろう


実は「10 Years After」は、
かつて1999年の「Yes To Life Festival」内のミニライブや、
同年の日本テレビのスタジオライブで演奏されたことはあるが、
フルライブでは一度も演奏されたことがない


さらにいえばこの時とその後の「Double-Decade Tour」以後は、
現在まで演奏されたことがない
つまりこの前後の時期が、この曲の唯一のフルライブでの演奏例となる
その意味でこの曲は、かなり貴重な選曲だったと言える


なおこの曲はこの時までかなり影の薄い曲だったが、
本年年末リリースのファン投票ベスト盤「Welcome to the Fanks!」では、
再始動後の曲としては唯一収録された
ライブで演奏したことが影響したのだろうか


演奏はシンプルだが、安心感のあるものとなっている
木根はこの曲で、ギターをアコースティックギターに持ち替えた
また小室はこの後のバラード2曲も含めて、
他の曲よりも比較的多く手弾きをしている


なお「10 Years After」は小室のコーラスがかなり目立つ曲だが、
この時のコーラスではCDの音を流し、小室は歌っていない
(他の曲では参加しているのだが)


ウツ、「どうもありがとう」と言って曲を締める
次の曲はおそらくこのライブで一番意外な選曲、
「We Are Starting Over」である


「10 Years After」と続けて「第3期」からの選曲ということなのだろうが、
前のツアー「Tour Major Turn-Round」とかぶるところである
ニューアルバムにも木根の曲は入っているのだから、
そこから選んだ方が納得しやすい
なぜあえてこの曲だったのだろうか


横浜公演以前に木根が書いた「新・電気じかけの予言者たち」によれば、
横浜のセットリストを考えるときに、
小室は再始動後の木根三部作から選ぶことを一案として提示したという
「三部作」とは「We Are Starting Over」「君がいる朝」「風のない十字路」を指す
これらが一連のものとして作られたことは、木根自身が語るところである


私は当初一連の20周年ライブで、
木根三部作を1曲ずつ演奏する計画だった可能性を考えている
前章で述べたように、20周年ライブは横浜アリーナ公演に加え、
全国ツアーと武道館公演の3種類が用意されていた
その最初に当たる横浜アリーナで、
三部作一作目の「We Are Starting Over」を選んだのは、
全国ツアーで「君がいる朝」
武道館で「風のない十字路」を演奏するつもりだったからではないだろうか


ただ実際にはツアーでは三部作の枠が削られてしまい、
「君がいる朝」「風のない十字路」は、
TMのフルライブで一度も演奏されない曲になってしまった
特に「風のない十字路」はTMで演奏されたこと自体が現在まで一度もない


「We Are Starting Over」アウトロは、
小室のピアノ音色のシンセ手弾きで終わった
次いでウツのMC

どうもありがとう。えーじゃあこのへんで、懐かしい曲を。


小室の手弾きシンセのイントロで始まる「Telephone Line」
この曲では小室の手弾きが特に目立つ
プラネタリウム風の照明が降り注ぐ80年代以来の演出は、この時も行なわれた


この曲は2000年「Log-on to 21st Century」で演奏され、
2007年「TM NETWORK –REMASTER-」でも演奏されている
この頃の木根バラでも特に頻繁に演奏された曲だが、木根が推していたのだろうか
個人的に好きな曲ではあるのだが、貴重なバラード枠なのだから、
もっといろんな曲を聞きたいと言う気持ちもあった


アルバム版の冒頭のセリフ付きの「1974」
これもウツの言う「懐かしい曲」の一環だろう
また20周年記念ライブということで、
TMデビューのきっかけとなった記念曲を持ってきたこともあるのだと思う
暗かったステージの照明も明るくされた


また照明が暗くなり、トランス風のトラックが流れ出す
木根はアコギをエレキギターに持ち直す
イントロのフレーズからは何の曲かまったくわからないが。
スクリーンには「Fanks The Live 3」から、
「Camp Fanks!! ’89」のCAROL役、Parnilla Dahlstrandの映像が映し出される
観客はここで「CAROL」関係の楽曲が演奏されることが分かっただろう


Parnillaの映像には英語のメッセージがかぶせられている
これは実際にParnillaからTM20周年に寄せられたメッセージである
ただDVDではスクリーンの遠景しか見えず、
このメッセージを読むことはできない
なぜこういうのを読めるように編集しないのだろうか…


ただしその全文は木根の「真・電気じかけの予言者たち」に引用されているので、
これを転載しておこう

March 15, 2004
To all TM NETWORK members,
Dear Tetsuya, Utsunomiya and Kine,
Congratulations to the Twentieth Anniversary Concert,
It’s great to hear that you all still have the spirit and are performing together.
I wish you the best of luck on your concert and hope that all your fans will join you in this celebration.
My stay in Japan in 1988 was an important and inspirational part of my career and my remembrance of Carol is like a fairy tale.
To freshen up your memory I am including a short list of my career since 1989.


木根によれば、これはEメールで送られた文面だという
2004/3/15という日付は、3人がライブの準備に入っていた時だが、
おそらくライブの企画としてPernillaに連絡を取り、
メッセージを送ってもらったのだろう


このイントロの間、ウツの背後のモニターに電源が入り、
ウツは観客に背中を向けてこのモニターを操作する
これは大型のタッチパネルで、
希望のエフェクトをウツが選んでスクリーンに映すことができた


冒頭からしばらくはリズムトラックだけが流れ続けたが、
やがてスクリーンに「Just One Victory」のPVが映るとともに
オリジナルの「Just One Victory」イントロのフレーズが入る
ここで観客はようやくこの曲が何なのか理解できた


一瞬だけのオリジナルフレーズの後は、
またオリジナルの痕跡が皆無のイントロが続く
もともとはミディアムテンポの曲だが、
このアレンジでは歌に入っても勢いのあるドラムが続き、
原曲とはかなりかけ離れた雰囲気となっている
この大胆なアレンジは好き嫌いを措けば、ライブ最大の目玉である


ただAメロ後半ではドラムの音が消える(Bメロでは復活)
曲のペースは変わらないが、雰囲気は大きく変わる
音数が減ったことでウツの歌に耳が行く構成である
一曲の中で雰囲気を大きく変えるのは、
「Take it to the lucky」でも取られた手法である


サビではさらに音数が減らされてバラード的なアレンジにされるため、
通常のTMライブのようにサビで手を振ろうとするとかなりやりづらい
(会場で多くのファンが戸惑い気味にやっていた)
小室はそういう伝統的なノリを崩したかったのかもしれない


またこの曲では、なぜか歌詞も変えられている
「男たちの熱いレース」が「男たちの熱いプライド」になっているのである
この変更の理由が何なのかはいまだに分からないが、
1999年の「Get Wild Decade Run」や、
2001年のウツソロ「Runnning To Horizon」でも、
同様の試みが行なわれている


また2番の後の「たった一つ君のVictory」以下の部分は、
歌の符割りがまったく変わっている
曲の聞かせどころの符割りを変更するのは、
翌年小室が玉置成美に提供した「Get Wild」のリミックスでも行なわれている


ついで「Time To Count Down (Labo Mix)」
この曲の間ウツは一時退場し、小室・木根・葛城での演奏となる
ウツは曲の終盤で着替えて再登場する
基本的にアルバムと同じアレンジでの演奏だが、
ウツの歌は少し長くなっており、サビの全体を歌う
最後は「Time To Count Down」と歌って曲を終える

ウツMC

どうもありがとう! えー僕たちはですね何年も前から、「自己責任」「自己管理」という言葉を言っていましたね。早すぎたのかもしれないし。聞いてください。


代表曲「Self Control」の前振りのMCだが、
これは同月イラクで武装勢力によって、
日本人のボランティアやジャーナリストが拉致された時、
閣僚や官庁関係者より「自己責任」との発言が相次ぎ、
これがメディアで頻繁に取り上げられたことを踏まえている
もちろんウツのMCは深い考えがあってのものではなく、
流行りの言葉を演奏する曲にひっかけただけのものである


「Self Control」「Fanks Cry-Max」以来の定番のイントロから始まる
キックが強調されている以外は、
基本的にオリジナルに準じたポップな演奏である


ライブ中でもっとも強烈な2曲の後にこの曲が来ることで、
トランスの流れが断ち切られてしまった印象を受ける
この後にトランスアレンジの2曲が来ることを考えればなおさらである
あるいはライブの最後をトランスだけで締めることに不安があったのかもしれない


明るい照明が再び暗くなり、
「Love Train (Extended Mix)」が始まり、
「Take it to the lucky (Album Mix)」へとつながる
この2曲は基本的にCD通りの演奏である
20周年ライブの「Take it to the lucky」は、
この後も一貫してアルバムバージョンで、
シングルアレンジでは演奏されなかった


曲の最後、ウツが両手を左右に広げて、
「Take it to the lucky」と歌い「フー!」と声を上げると、
ウツ・木根・葛城は客席に手を振って続けて退場した


小室のみはシンセブースに残り、シンセの演奏を今少し続けた
ここはCDのアウトロとは異なっており、
資料によっては小室のシンセソロとして扱われている
小室は演奏を終えると、
客席に向かって「どうもありがとう」と言って退場した
これにてライブ本編は終わりである


本編最後の2曲はライブの中心となるべき部分だっただろう
実際にライブ向けに作られたトラックだと思う
しかし当日は本編が終わると、
「もう終わり?」という空気が強かった
私もようやく体も温まってきたところと感じており、
あと2~3曲は来ると思っていたところである
記念ライブにしては、演奏時間が短すぎたように思う


スクリーンに「NETWORK™」のロゴが浮かぶ中で、
手拍子などしながらアンコールを要求する観客たち
5分ほどすると4人は着替えて再登場する
木根はアコギである


ステージが真っ暗になり、演奏が始まる
アンコール曲は「Nights of the Knife」
ここでこの曲か!と思うが、
実は前年の「Fan Event in Naeba」でも1曲目で演奏している


「Fan Event in Naeba」の記事でも言及したが、
この曲は「終了」の曲としてではなく、
ポジティブな「新しい始まり」の歌として歌っているものと思われる
TMN「終了」の曲であるとともに10周年の曲でもあり、
この時歌うにふさわしいと考えられたのだと思う
またTM3人+葛城という編成も、
この曲のレコーディング時のメンバーである


なお2014年の30周年ツアー「Quit30」の初日公演で演奏されたのも、
10周年記念の曲という理由によるものと考えられるが、
この時には会場の雰囲気が重くなってしまったため、
同ツアーでは以後セットリストから外されることとなった


照明が明るくなり、ウツのMC

みんなどうもありがとう! Yeah!
えー6月に、武道館ファイナルも決まりました! えーまたそこではですね、スペシャル的な企画も、「考えて」います。えーまだ「考えて」いる段階なんですが(苦笑)、皆さん楽しみにして下さい。


この「武道館ファイナル」とは、
6/24・25の「Double-Decade Tour Final in NIPPON BUDOKAN」のことで、
この日横浜アリーナの会場で配布されたチラシで開催が発表された
この告知をライブ最後に行なったわけである


アンコール最後は「Easy Listening」から新曲「Presence」
小室もしっかりと手弾きで演奏しているし、
木根のアコギもしっかり聴こえる
TMの「演奏」をじっくりと味わうことができる
ウツの歌も生き生きとしている
実は私はCDではこの曲はあまり気に入っていなかったのだが、
ライブで聴いて良い曲と感じ、好きになった

7-21.png
間奏中


演奏が終わると、ウツは頭を下げ、また頭を上げて、
客席に向けて「みんなどうもありがとう!」と告げる
4人はステージ真ん中に集合し、客席に手を振る
この時ウツと葛城は、
かつての「Rhythm Red Beat Black」のダンスを一瞬再現している


最後は「Screen of Life」のインストをBGMに、
4人でファンに手を振りながらステージを左右に歩き回る
ライブ中は動きが少なかった小室だが、
この時だけはやたらとよく動いている
以上が終わるとメンバーは退場し、
ライブは完全に終わりを告げた


しかし考えてみるとこのライブ、
メンバーがステージ中央から全然動いておらず、
横浜アリーナの広さを生かしていない
クールなトランスのライブを目指したためだろうか

TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]
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7-20 Double-Decade "NETWORK" in YOKOHAMA ARENA①

長らく放置していてすみません
本当に時間がなくて、今も全然ない状態です
しかしそんな中で、貴重な土日を費やしてしまいました…
10/19・20、ウツの「Dragon The Carnival」の名古屋・大阪公演に行ってきたのです


もともと大阪は押さえていたのですが、
TMをいっぱいやるらしいと聞いて、急遽名古屋も押さえました
今回は地方公演もチケット難民が出ているようですね
まだツアーは終わっていませんが、
とりあえず両日のセットリストをコメント欄に書いておきます
今回は日替わり曲もあります


レア曲も含めてTMの過去曲を演奏するという内容は、
かつての「tribute LIVE」と同様ですが、
多くはサポートメンバーによるアレンジが加わって現代風に変わっており、
オリジナルに忠実な「tribute LIVE」よりははるかに楽しかったです
私の周りの観客も楽しそうでした


ネタばれは見たくない方も多いでしょうから、
具体的な内容は書きませんが、
選曲は思っていた以上にマニアックでした
セットリストを見て「この曲なんだっけ?」と思うのがある方も、
結構いらっしゃるんじゃないでしょうか(特にSE)


今回ウツはサントラや企画盤も含めて、
過去の作品を網羅的に聴いたそうで、
その中には初めて開封したものもあったそうです
だからこんなバージョンをあえて出してきたりしたのかぁ、
というのもいくつかあります


いくつか小ネタ的な演出もありました
特に某曲では30周年のライブ演出を意識した映像が流れ(№19)、
個人的にはここで一番うるっと来ました
ウツもこの曲が一番やりたかったそうです


ウツのメッセージとして、「ぼくなりの35周年」という言葉がありました
TMでできなかった35周年をソロでやってみたというところでしょう
そういやTM25周年がなくなった時も、
ウツはソロで「SMALL NETWORK」をやってくれましたよね


ただしパンフによれば、今回はあくまでもウツならではものにしたいと考えたそうです
ウツ個人が振り返るTMということなんでしょう
微妙な配慮も感じられる表現ではありますが、気持ちも分かります
ツアーは来月まで続きますが、参加する方はどうぞ楽しんできてください


少し前には、ウツ恒例のFC向け年末ライブが告知されました
12/28ヒルトン東京お台場で「Fan Party&Live Through2019」のタイトルです
また8月のSPEEDWAYライブの特注Tシャツが、9/3から通販で受付が始まりました
これ、締め切りが書いていないのですが、特にないのでしょうか


木根さんは10/6を以て、「2626ツアー」が終わりました
12/14・15には去年と同じ羽田空港TIAT SKY HALLで、
年末ライブ「ニューロマンティックシアター」開催します
メールマガジン会員はすでに先行予約が始まっています


11月にはイルコルティーレ三軒茶屋で、
「劇場版『ユンカース・カム・ヒア』上映会&トークLIVE」が開催されます
上映105分+ライブ30分の予定みたいです
なんと大谷香菜子さんも出演だそうです
ユンカースの思い出話を語るんでしょう
当初は23日のみの予定でしたが、
チケットの売り上げが好評なのか、24日にも追加公演が出ました
その他、ライブやイベントのゲスト出演なども数件あります
9/7には高崎ラジオの「&RADIO」に出演したそうです


以上がソロの近況ですが、その他にTMの話題もあります
TMデビュー35周年に当たり、ベスト盤をリリースするというのです
「Dragon The Carnival」初日の9/22に発表されました
うーん、またベストか…


今回はリリースに先駆けて、
「FANKSが選ぶ、TM NETWORKソング10曲」の投票を公式サイトで受け付けています
趣旨は「新時代・次世代に伝えたいTM NETWORKの名曲」を選曲することだそうです
投票できるのは、1人1回10曲です
投票期間は10/1~12/31で、結果発表は1月下旬というので、
リリースは年度末の3月頃でしょうか


ファン投票ベストは2004年にも「Welcome to the Fanks!」がありましたが、
その時と異なるのは、様々なバージョン違いやシングル曲も選べるようになっていることと、
ROJAM・R&C・avex時代の楽曲も選べるようになっていることです
(大部分のライブ音源とシングルカップリングのインスト音源は不可)
これまでの濫造ベストはすべてSONY時代楽曲のみでしたが、
ようやくROJAM期以後の楽曲も含むオールタイムベストのリリースが実現することになります


2013年にライブ会場限定で販売されたシングル「Green Days 2013」およびカップリングの「I am (TK EDM Mix)」も、
今回の投票対象になっています
配信すると言われながらこれまで放置されてきましたが、
ようやく一般発売の可能性が出てきました
まあしかし「Green Days」はともかく、
「I am (TK EDM Mix)」は難しいかな


ライブ会場で販売された「Get Wild 2015」とカップリングの「Children of the New Century -Final Mission-」も、
すでに配信はされていますが、CDの形でほしい方もいらっしゃるかもしれません
また配信しかなかった「Just Like Paradise 2015」「Get Wild 2017 TK Remix」も入っています
(最初入っていないと書いたのですが、入っているとのご指摘を受けて訂正)


おそらくほとんどの方が持っていないであろう「Major Turn-Round (Slowdown Mix)」も候補に入っています
しかし楽曲の長さもあり、これが投票で上位に入ることは多分ないでしょうね
その他「Vision Festival」収録のライブ音源「Quatro」が候補にされるなど、
いまいち基準や意図が分からないものも含まれています


今回ファンの間では、「Green Days」及びROJAM期シングルに注目が集まっているようですが、
個人的にはアルバム「Easy Listening」収録テイクとはまったく別物の「Castle in the Clouds」「君がいる朝」「風のない十字路」「Screen of Life」「Take it to the lucky」の5曲のシングル版(特に最初の3曲)をなんとか救済して欲しい気もします
しかしもともとそんなに人気もないし、多分入らないでしょうねえ
他に今回救済されないと忘れられてしまいそうな曲を挙げれば「Memories」でしょうか
うーん、こっちはもっと厳しそうです


気にかかるのは、シングルとアルバムがまったく同じ音源の場合、
ちゃんと集計では同じものとしてカウントされるのかという点です(投票欄は別)
逆に「金曜日のライオン」「1974」のように、
タイトルは同じでもシングル・アルバムでアレンジが異なるものもあります
こうしたものはちゃんと判別されるのでしょうか
また「Get Wild」のように大量のアレンジ違いがある場合、
票が分散して不利になるようにも思います


今回の投票を踏まえてリリースされるベスト盤が何曲入りになるのかも気になります
1枚でのリリースだったら、ROJAM期以後の音源はほとんど入らないでしょう
多分2枚組か3枚組になるんじゃないかと思っていますが、
告知は投票が終わった年明けにでもあるものかと思います


以上、近況整理ということで、
一応ベスト盤についてまとめてみましたが、
実は私は既発表音源の組み合わせがどうなろうと、
特に興味はありません
「Green Days 2013」「Get Wild 2015」もすでに持っていますし、
多分投票もしないし、投票がどういう結果になろうが、買うこともないでしょう


ただ先の「Welcome to the Fanks!」が、
リリース告知後に後出しでボーナスディスクを付けてきた前例があります
今回もボーナスディスクは難しくても、
ボーナストラックくらいはあるかもしれません
SONYお得意の商法ですしね
とはいえいずれにしろ年明けまでは分からないと思いますので、
適当に見守っていようと思います


他の話題として、実写版「シティーハンター THE MOVIE 」のスケジュールが、
色々と発表されています
吹き替えの声優はアニメ版とは変わるようですが、
アニメ版の冴羽役の神谷明さんや香役の伊倉一恵さんも、別の役で出るそうです
公開日は11/29で、10/20にはTOHOシネマズ日本橋で試写会も行なわれました
「Get Wild」はどのくらい使われるんでしょうか


9/6には「機動戦士ガンダム The Origin」で使われたLuna Sea版の「Beyond The Time」配信が始まりました
9/7・8に幕張メッセで行なわれたライブイベント「GUNDAM 40th FES."LIVE-BEYOND"」でも、
Luna Seaが出演して「Beyond The Time」を演奏したそうです
Luna Seaファンの評判はどうなんでしょうか


その他、TMとは関係ありませんが、
アニメ版「ぼくらの7日間戦争」の公開日が12/13に決まりました
12/19にはTM35周年のFANKS感謝祭「Come On Let’s “FANKS”!!」が、
渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて開催されます
DJダイノジさんやnishi-kenさんが出演するそうです


以上、2カ月明けたので近況が長くなりました
では本題に入ります
今回からは年明けまで、DOUBLE-DECADEのライブの話になります

-------------------
2003/12/20頃、TM NETWORK3人それぞれのFCから、
会員のもとにダイレクトメールが届けられた
その中には「Dear FANKS」で始まる3人名義のグリーティングカードが封入されており、
TMの20周年の活動への意気込みが記されていた
この時にシングル・アルバム・ライブDVDのリリースも明らかにされたことは、
別章ですでに触れたことがある


そしてこれに加えてもう一つ、
ファンが待ちに待った情報も届けられた
TM NETWORKデビュー20周年記念日の2004/4/21、
横浜アリーナでの「TM NETWORK DOUBLE-DECADE FIRST MISSION in YOKOHAMA ARENA(仮)」の開催告知である
2000年に開催された再始動後初のフルライブ「Log-on to 21st Century」以来、
4年ぶりの横浜アリーナ公演となるが、
そもそもアリーナライブの開催自体が4年ぶりだった


さらにまだ詳細は明かされていなかったが、
5月に全国ツアーが開催される予定も言及された
上記横浜アリーナライブの「FIRST MISSION」のタイトルを見ても、
「SECOND MISSION」が構想されていたことは予測できる


この後さらに「THIRD MISSION」に当たるライブも行なわれる
これらは最終的には、
「Double-Decade “NETWORK” in YOKOHAMA ARENA」
「Double-Decade Tour “NETWORK”」
「Double-Decade Tour “NETWORK” Final in NIPPON BUDOHKAN」

として、4~6月に開催された
TM20周年企画は2月のシングルリリースから始まり、
6月の日本武道館ライブまで約4ヶ月の活動として結実した


横浜アリーナライブの正式タイトルは1/30になって発表された
小室は2月前半まで「Easy Listening」のレコーディングを行なっており、
ライブの準備に入ったのはその後と考えられる
おそらく本格的な準備は3月からだろう


なお1987年の「Kiss Japan Tour」以来、
TMのフルライブには必ずスポンサーが付いてきたが、
この時以降は付かなくなる
企業側も宣伝効果が見込めないと考えるようになったのだろう
それはTMのライブが対象を固定層に限定し、
広がりを持たなくなったことと表裏の関係にある


もっとも2000~01年のスポンサーも小室の会社ROJAMだったので、
実質的には再始動後のTMにはスポンサーが付いていなかったとも言えるが、
それにしてもスポンサーの消滅は一つの変化とは言える


2/5に20周年の打ち合わせで3人が集まった時には、
すでに横浜の演奏曲の相談が行なわれている
ただしその最終的な決定はリハーサルの時だったらしい
リハーサルは4月初めから行なわれた
4/16の時点で「リハも残すは後3日」と言われているので、
4/18頃まで行なわれたものだろう


本ライブはデビュー記念日の特別ライブであるとともに、
全国ツアーの前哨戦としての意味も持った
ファンの多くは前者の意味で期待をしていただろうが、
20周年の一連のライブタイトルを見るに、
当人たちにとっては後者が強く意識されていたように思う
実際に横浜アリーナでの演奏曲や演出は、
多くが全国ツアーと共通している


本ライブで目指されたのは、TMによるトランスである
これは2003年9月の「Fan Event in Naeba」や、
先行シングル・アルバムの内容からも予測できるところだった
小室は2001~02年、globeで一連のトランスライブを開催しており、
そのノウハウをTMにも生かした形になる
また一連の20周年ライブは、
2001年から続く小室のトランスライブの最後を飾るものでもあり、
小室トランスの最終形態を示したものとも言える


もっともTMのライブでは、globeのライブほどトランスを徹底していない
もちろん「Just One Victory」など徹底したトランスアレンジが施された曲もあるが、
メインフレーズは原曲を生かしたものが多い
Double-Decadeのライブに近いものをglobeのライブから探した場合、
トランスを前面に出した「genesis of next」「tour category trance」よりも、
非トランス楽曲も含む「category trance & all genre」が該当するだろう
小室自身、すでにトランスから距離を取り始めていたことも関係していると思われる


ただ「Double-Decade “NETWORK”」でステージに立ったのは、
TM3人の他はギターの葛城哲哉1人のみだった
この点はドラム・ベースを含むバンド形式を取った「category trance & all genre」とは異なり、
「genesis of next」「tour category trance」と共通している


TMは1985年の初の全国ツアー「Dragon The Festival Tour」以来、
常にギターやドラムなどサポートメンバーを連れ、
バンド形式のライブを行なってきた
特に前のツアー「Tour Major Turn-Round」は、
TM史上でもバンドの生演奏に重点を置いたライブであり、
「Double-Decade “NETWORK”」の内容はこれと対照的である


ただし一面では、これは小室がデビュー当初からTMで目指していた形態に近いものでもあった
たとえば1984年12月のライブ「Electric Prophet」は、
TM3人とマニピュレータ小泉洋の4人体制で行なわれ、
(木根以外の実質的な)エレキギターや生ドラムは存在しなかった
これ以前に行なわれたファーストコンサートでも、
当初は生ドラムを入れずシンセのドラムマシンで対応することを試みている


3人を前面に出すライブは後にも意識されており、
2014年の「Quit30」ではステージに3人だけが現れる(バンドは裏に隠れる)演出も行なわれている
その意味で「Double-Decade “NETWORK”」は、
TMのみによるTMライブという目標に近い形を、
演奏面で目指したライブだったと言うこともできる


なお唯一のサポートとしてエレキギターを担当した葛城哲哉は、
「Fan Event in Naeba」でもサポートを務めた上、
「Easy Listening」のレコーディングにも参加している
その点でもこのライブのサポートとして最適の人選だっただろう
葛城自身この頃は、
トランスユニットTrance Noise Machineにも参加していた


小室は後に、エレキギターのひずみはシンセでは表現できないと言っている
この時もギターはデータで代用できないと考えたのだろう
ただし小室のシンセからはギターの音も出されていた
つまりこのライブでは、
小室・木根・葛城の3人がギターを担当していたことになる


小室哲哉の担当はもちろんシンセサイザーであり、
鍵盤の演奏も行なったが、
従来のライブと比べるとその比重は小さい
むしろこの時はハードディスクから流れる複数の音源のミキシングをリアルタイムで行なうのが、パフォーマンスの中心となった
これはDJのパフォーマンスをライブに取り入れたものでもある
本ライブの音楽面での最大の特色はこの点にある


デビュー当時のTMは、コンピュータを含む電子機器を用いた楽曲をステージでそのまま再現できないことが、
ライブ活動における一つの障害となっていた
だが一方でステージで演奏するために施されたライブ用アレンジが、
TMのライブの醍醐味ともいえるものになっていた


全編ハードディスクレコーディングが実現した「Major Turn-Round」の時、
この障害は技術的には完全に克服された
しかしプログレッシブロックをコンセプトとした「Tour Major Turn-Round」では、
バンドによる生演奏に重点が置かれ、
オリジナル音源をステージでそのまま流す場面はほぼなかった


ところがトランスを中心に据えた「Double-Decade “NETWORK”」では、
すでに生演奏にこだわる理由はなかった
エレキギター以外のパートは小室がすべて制御し、
音を構築するというのがこの時の基本的な方針であり、
それはglobeでもすでに実践済のものだった
これをTMでも実践した「Double-Decade “NETWORK”」は、
歴代のTMライブでも小室の存在感がもっとも強いものということができる


もっとも小室の鍵盤演奏を見たかったファンには、
ミキシングコンソールの操作を中心とした地味なパフォーマンスに不満を持つ者もいた
なにしろ小室の見せ場である「Get Wild」間奏ですら、
手弾きしていないのである


Double-Decadeではキックを中心にドラムが大変強調されており、
その音がかなり印象に残るライブだった
その機械的なドラムはトランス風の音を作るには必要だっただろう
だがこれにも違和感を感じるファンはいたようである


Double-Decadeのライブでは、
小室がその場の判断で一部のトラックのボリュームを絞ることがあり、
これに合わせなければならない他のメンバーには大変スリリングだった
特に各地を回った「Double-Decade Tour」では、
様々なパターンを試してみたかった小室が、
大胆なミックスを行なうことも多かった


こうした環境に対応すべくTMに初めて導入されたのが、
ウツのイヤーモニターである
ガイドとなる音をウツの耳に届け、
時にはスタッフの指示もこれを通じて届けられた


イヤーモニターは当時すでに広く普及していたが、
ステージの反応を味わいたいウツはソロでも導入していなかった
しかしこの時はそもそも歌に入るタイミングすら分からない恐れがあり、
ついに導入に踏み切ったものである
結局ウツは意外とイヤーモニターを気に入ったようで、
これ以後継続的に利用するようになる


以上のようなライブの方針が固まったのは、
2003年年末のことだったらしい
ウツはトランスのライブを行なうことにも抵抗があり、
特に生ドラムを入れないことには反対していたが、
木根の説得で受け入れたと言う


木根自身も当初はトランスに消極的だったが、
20周年企画が暗礁に乗りつつあった状況を鑑みて、
不安定な状態の小室を引っ張り出せる環境を作ることを最優先したのだろう


ステージ背後には3枚のモニターが並べられており、
ライブ中はそのそれぞれに、
ステージ上の様子やイメージ映像、過去の映像などが映し出された
照明機材を付した鉄柱のオブジェも張り巡らされ、
メタリックな印象を与えている


ステージ後方には高い壇が楕円形に設けられ、
そこに小室のシンセブースが置かれる
他の3人はその前に並んで立った
客席から見て左から、葛城・ウツ・木根である
ドラムがいないため、演奏用に据え置かれた機材は小室ブースだけとなり、
シンプルな見た目となった


ステージは終始暗い
照明も暗めの赤と青で、
あえて暗いステージを意図したのだろう


小室の機材については、
ROLANDのFantom-X8やV-Synth、Access Indigo2、YAMAHA Motifなどが使われている
前回「Tour Major Turn-Round」で使われたMoog・ハモンドオルガン・メロトロンなどは、
ライブのコンセプトの相違もありすべて姿を消したが、
代わってYAMAHAのエレクトーンSTEGEAが導入された
エレクトーンはたぶんこれ以前のTMでは使っていなかったと思う


ステージセットでこの時の目玉とされたのが、
50インチの大型タッチパネルモニタである
楕円形の台の前、ウツの真後ろに置かれた
当時家電の一部に使われ始めていたタッチパネルを、
近未来的な装置として導入したのである


タッチパネルでは約60種類の映像エフェクトから選んだものが、
中央のスクリーンに映される仕様だった
ボリュームコントローラらしいものもついている
これはライブではウツが操作した
小室がDJ、ウツがVJというところだろう
ただしこのタッチパネルは「Just One Victory」のイントロでしか使われない
たいした視覚効果もないし、
随分と無駄な出費のような印象も受ける


衣装はトランスを意識して、
あえてカジュアルなものにしたという
小室は白のパンツにドクロ柄の黒Tシャツだが、
DJっぽさを意識したものだろう
木根は白と赤茶のストライプのジャケットである


ウツは本編前半・中盤は白・黒のストライプのジャケット姿で、
頭には黒いハチマキをしている
このハチマキは違和感があり、当日かなり驚いた
これが「カジュアル」なのだろうか?
本編終盤では白・黒・グレーのゆったりとしたシャツを羽織っているが、
こっちはまあまあかっこいい

7-20.jpg
ハチマキ君


アンコールは、小室がドクロ柄の白Tシャツで、
本編の衣装の色違いである
木根は白地に赤・青で柄が入っているシャツだが、
小室が同じ服を着ている写真(2003/9/6?)がDVD「Live in Naeba」のブックレットにある
2人の間で使い回したものだろうか
ウツは黒茶地の衣装の上から黒のスカーフを巻いている
スカーフは本編のハチマキとセットだろうか


ライブは1時間50分程度行なわれた
オープニングやアンコール待ちの時間を除けば1時間40分程度であり、
20周年記念ライブとしてはかなり短い
もっとも2000年の「Log-on to 21st Century」も時間は同じくらいだし、
「Tour Major Turn-Round」も長時間のMCを除けば同じくらいである
ウツの短時間のセリフ以外ほぼMCがなかったことも、
「Double-Decade “NETWORK”」の公演時間の短さに影響しているのだろう


5月に始まった「Double-Decade Tour」はMCを入れることが予定されており、
そのため横浜ではあえてMCを入れなかったのだという
小室はライブに緊迫感をもたせるため、意図的にMCを省いたのであろう
前年の「tribute LIVE」で長時間のMCやお遊び企画が設けられたこととの落差もあり、
TMとの和気藹々とした掛け合いを期待したファンには、
MCがないことを残念がる者も見られた
(そもそも「終了」以前もほとんどMCなどなかったのだが)


以上のように「Double-Decade “NETWORK”」はかなり攻めの内容であり、
しかもそれをフォローするためのMCも設けられなかった
定番曲を排した前回のツアー「Tour Major Turn-Round」も、
その点ではかなり攻めた内容ではあったが、
アンコールでは長時間のMCが用意されていた
これと比べても「Double-Decade “NETWORK”」はファンへのフォローが少なかった


この点は小室やスタッフも自覚していたようで、
小室はライブ後に行なわれた打ち上げでの挨拶で、
「武道館はもう少し親切な内容にします」とコメントしたという
ウツも後に「Double-Decade Tour」「Double-Decade “NETWORK”」の親しみやすいバージョンと述べている
言い換えれば横浜アリーナは親しみづらいライブだったという意識を持っていたのだろう


ライブの演奏曲は16曲である
新譜「Easy Listening」からは5曲が演奏された
その内で3曲は過去曲のリミックスであり、
新曲で演奏されたのは「Screen of Life」「Presence」の2曲だけである
「Castle in the Clouds」はシングル曲にもかかわらずセットリストから漏れてしまい、
現在までフルライブで演奏されたことがない


ニューアルバム発売後初のライブであることを考えると、
この新曲の扱いはかなり小さいという印象を受ける
記念ライブとしての性格を考慮したものなのか、
または新曲を演奏してもファンが喜ばないという自信の無さの表れなのか


いずれにしろ「Double-Decade “NETWORK”」は、
新曲を中心とした「Tour Major Turn-Round」と比べると、
過去曲の比率が非常に高いセットリストとなった
むしろリミックスに重きを置き、
過去の曲を今のアレンジで聴かせることに主眼を置いていたと言えるかもしれない


この点で注目されるのが、
ライブで初披露されたTMトランスミックス第4弾「Just One Victory」である
8分中イントロだけで3分半に及ぶ大胆なアレンジで、
原曲とはまったく異なるものになっており、
歌詞も一部変わっている
ライブの目玉とされた曲である


「Self Control」「Get Wild」「Be Together」も演奏された
定番曲として必ず演奏されるようになるのはこの時からである
これらは「Just One Victory」ほど大幅な変更は加えられておらず、
基本的な構成はオリジナルのままだが、
生ドラムをなくしたことで印象はそれなりに変わっている


ライブ冒頭には「Rhythm Red Beat Black」「Kiss You」が演奏された
「TMN 4001 Days Groove」でも続けて演奏された曲である
ポップさの薄い曲調がライブのコンセプトにも合ったのかもしれない
また前者の選曲については、葛城がサポートを担当したことで、
葛城のトーキングモジュレータを入れることが可能になったのも大きいのだろう
再始動後初の演奏例である


20周年という節目の記念として演奏されたのが、
TMデビューのきっかけとなった「1974」と、
「終了」の曲である「Nights of the Knife」である
特に「Nights of the Knife」はツアーでも演奏された
「新しい始まり」の曲として、
またはTM10周年の曲として選ばれたのだろう


「10 Years After」も20周年を意識した選曲だろうが、
この曲がフルライブで演奏されたのはこの時だけであり、
極めて貴重な機会となった
続けて演奏された「We Are Starting Over」と合わせて、
再始動後のTM曲をセットリストに入れたかったのだろう
さらに「We Are Starting Over」と並んで、
木根バラから「Telephone Line」も演奏されている


以上のライブの様子は幸いなことに、
DVD「Double-Decade Tour “NETWORK”」のDisc1に完全収録されている
TMのトランスライブをもっともよく伝えるものとして必見である


以上が本ライブの概要である
ライブの具体的な内容については、
章を改めて述べることにしたい

TM NETWORK DOUBLE-DECADE TOUR“NET WORK” [DVD]
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