7-46 2008~09年の木根ソロ + 第七部完

「How Do You Crash It? one」のアフターパンフレットの発売が、11/27に迫ってきました。
この前後の11/26・27には、小室さんのソロライブ「Tetsuya Komuro Rebooting 1.0」が4公演開催されます(私は26日の夜公演に参加してきます)。
なお「Rebooting 1.0」の最終公演は、e+の配信サービスStreaming+で配信されます(12/4まで)。
さらに「Tetsuya Komuro Studio」会員限定ですが、小室さんのソロアルバム「Jazzy Token」も同じ頃にリリースされる見込みです(「22日の週」=11/22~28)。


11/27は小室さんの誕生日に当たりますが、この辺りにいろんなものが固められてきた印象です。
おそらくTMの配信ライブ第2段「How Do You Crash It? two」の告知も、この頃に行なわれるのでしょう。
なお11/26の「Tetsuya Komuro Studio」は20時過ぎまで「Rebooting 1.0」があり、普段通りの21時からの放送は難しいということで、23時か23時半頃から誕生日の0時に向けて、カウントダウン配信を行なうことにするそうです。


TM関係のイベントとしては、12/14の「年忘れ!! 歌酔曲vsフォーク 2021」も控えています。
チケットの一般発売は11/27です(ウツFC会員先行予約受付はすでに完了、ぴあ・e+では11/17まで一般先行受付中)。


「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票の締切も、11/30に迫ってきました。
もしかしたら投票結果発表および新商品情報は、「How Do You Crash It? two」配信に合わせて発表され、発売日は「How Do You Crash It? three」の配信日近くに設定されるのかもしれません。


私は前回のブログ更新後、10/31にウツの「U Mix」のZepp Namba公演に行ってきました。
やはりヴァイオリンの音は、ニコ生でパソコンを通じて見るよりも、現場で聞いた方が良いなと感じました。
このツアーはまだ開催中なので、最終公演が終わった段階でまた言及しようと思います。
なおファイナルの11/20・21のZepp Tokyo公演は、ニコ生で配信が行なわれます


木根さんは、11/5にbayfm78の「KISS & SMILE」のDJを務めました。
こちらは森口博子さんが普段はDJを務めているのですが、急用により代役を務めることになったものです。
また11/7には、FM大阪の「あわじ感動!音楽島」に出演しました。
こちらでは小室さんも電話で少しだけ登場しました。
11/20にはTBSラジオの「ナイツのちゃきちゃき大放送」の「TOKYOよもやま話」のコーナに出演する予定です。


小室さんは11/12に.muraのサイトで「Hills Roppongi」という楽曲のNFTデータを「#1」から「#5」まで売りに出しました。
楽曲に映像イメージを付けたもので、曲は「#4」「#5」が先日の「Innovation World Festa 2021」で即興制作されたもの、その他はスタジオで作ったものとのことです。
「Hills Roppongi」という曲名は、同イベントの会場である六本木ヒルズアリーナに因んでいます)
販売はオークション形式で、11/28まで入札可能です。


今回のNFTデータ販売は、リスナーが購入することを想定したものではなく、youtubeなどで公開し収益化する権利を認めるもののようです。
(正直よく分かっていないのですが)
新たな形での音楽ビジネスというところでしょうが、うまくいくのでしょうか。
私としては、最終的に普通に聞けるようになれば、特に思うところはないです。


11/12には小室さんが「地球OS書き換えプロジェクト2021」のトークセッションに参加しました。
このイベント、去年も参加していましたね。


小室さんのファンコミュニティ「Tetsuya Komuro Studio」では、10/29・11/5・12に配信が行なわれました。
10/29は浅倉さんがゲストで、約3年ぶりのPANDORAでの出演となりました。
番組内では2人で「Be The One」の演奏が行なわれました。
最後は「Open Your Heart」(または「Opera Night」)を演奏しました。


11/5にはチャンネル内で、TM3人でのゲリララジオを配信する計画が明かされました。
配信は「1ヶ月以内」を考えているとのことなので、11月末から12月初頭に行なわれるのでしょう。
「How Do You Crash It? two」に先立って行なうという感じでしょうか。
ただ視聴はゴールド会員(会費3ヶ月9000円)の限定となるようです。
番組の最後には、「Love Train」を演奏しました。


11/12には「Jazzy Token」の宣伝も行なわれました。
faniconのアカウントの中で「Starting Over」として公開されていた楽曲が「traffic jam」というタイトルで収録されるとのことです。


さて、いよいよ本題に入るところですが、今回で長かった第7部は終わりになります。
これまで第1~6部では、各記事を最後まで書いた後に、一回を使ってまとめを書くことにしていました。
第7部の記事は今回で最後となるので、本来は次回で第7部のまとめを行なうことになります。


ところが10月に、TM NETWORKが復活しました。
現在皆さんの関心はこちらに向けられていると思われ、第7部がどうとか言っている場合じゃなくなっているのですが、かといってあと少しで終わる第7部を中断するのも、なんとも中途半端です。


そこで本ブログでは近況の整理とともに、第7部を急いで年内に終わらせる方針を取ることにしましたが、今回の更新後は年末までTM関連のイベントが目白押しになります。
多分タイミングから見て、年明けまでは通常記事を書く余裕がありません。
もしも来年になって第7部のまとめを書いても、もう印象が薄すぎて、何言ってんの?て感じになりそうな雰囲気が満ち満ちています。
そこで、幸い今回の第7部最後の記事は普段より分量が少ないこともあり、この際第7部のまとめも一緒に書いてしまおうと考えました。


ただ本ブログでは、冒頭の近況整理と、過去の歴史を整理した本編では、文体を変えてあります。
そしてこれまで第1~6部のまとめは、近況整理の文体で書いてきました。
本来ならば近況→第7部最後の記事→第7部まとめと書くのが筋なのですが、この順番で書くと文体が何度も変わってすわりが悪くなります。
そこで変則的ではありますが、今回は近況→まとめ→第7部記事の順番で書くことにします。


ではまず、第7部まとめから入りますね。

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本ブログ第7部は、2001~09年の足かけ9年間という、これまででもっとも長い期間を扱うセクションとなりました。
全46章というのも、これまでで最多です(今までは第4部の37章が最多)。
おまけに執筆ペースも遅かったため、2018/3/4から書き始めて、実に3年8ヶ月以上の執筆期間となりました。
あらゆる意味で、これまで書いてきたどのセクションよりも長くなったということができます。


そういえば第7部は、本来は2018年1月から始めるつもりだったのが、小室さんの引退宣言という大事件があったため、少し遅らせて始めました。
いわば現実が最悪な中で、過去の最悪な時期の記事を書き始めたわけで、そういう意味でもなかなかヘビーでした。
しかしちんたら書いていた結果、最後はTMの復活という超吉報とともに終えられたわけで、人生そう捨てたもんじゃありませんね(?)。


第7部の期間に、TMの3人は吉本に移籍しました。
そして専属契約が解除された後も、TM作品は第7部を通じてよしもとR&Cからリリースされ続けました。
レコード会社について言えば、これまで扱った第6部までがSONY時代とすれば、第7部は吉本時代ということもできます。
(第6部で扱った2000年のTM作品はインディーズレーベルROJAMからリリースされましたが、この時期も3人の専属契約先はSONYです)


第7部で扱った時期の内で、実際にTMが動いていたのは2002年10~11月、2003年9月~2004年5月、2007年11月~2008年5月の18ヶ月(1年半)に過ぎず、他に活動に先立っての準備期間もあったものの、3人は大半の期間、TM以外の活動を行なっていました。
しかしそれぞれのソロ活動もTMの動向に影響したりするため、浅くではあっても一通りソロの動向に触れたり、活動に至る経緯を推測したりしていたところ、全体としてとっても冗長になってしまいました。


ただ、もしもTMの活動だけに絞って書くと、内容があまりにも断片的になってしまい、活動の流れが分からなくなってしまうため、結局この形しかなかったのかなとも思っています。
またこの時期はTMの歴史の中で、一般にもっとも関心が向けられていない時期で、ネット上でも通史的に整理したものが乏しいということもあり(現在公式で進行中の「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票でもほとんど除外されています)、ある意味で情報の整理がもっとも必要な時期だったともいえます。


しかしTMの活動の前後の動向を書く場合、どうしても触れなくてはならなかったのが、小室さんの借金問題や、逮捕・有罪判決の問題でした。
世間一般がこの時期のTMについて思い浮かべるのも、やはりこうしたネガティブな出来事であることは否定できません。
この点はブログでわざわざ触れるべきか、なかなか悩ましい問題ではありました。
しかし、特に2007年のTM再開や、25周年企画の中止については、この点に触れずに語ることは不可能でした。


以前も書いたと思うのですが、ここは小室哲哉応援サイトではなく、TM NETWORKの歴史をまとめるサイトです。
なので、この点での忖度は一切行ないませんでした。
第7部を書き終えるのは精神的にもなかなかつらかったですが、もしもこの続きを書くことがあったとしても、今回ほど悩むことはないと思います(今後さらに悩ましいことが起こらない限りは)。


さて、第7部のTMの活動の核は、2004年の20周年の活動と、2007-08年に25周年に向けて行なった活動でした。
作品としては、前者は「Easy Listening」、後者は「SPEEDWAY」に成果がまとめられています。


TMの歴史において両作品の評価は概して低く、2020年に行なわれた人気投票でも、「Easy Listening」からは64位に「Screen of Life」、70位に「君がいる朝」、99位に「Castle in the Clouds」「SPEEDWAY」からは100位に「Action」が入りましたが、概して低い順位に留まっています。
(他に原曲が2004年に発表された「Green Days 2013」が52位)
同じ再始動後の作品でも、6位の「I am」や30位の「MESSaGE」と比べると、第7部の時期の作品は概して人気がないと言えそうです。
この投票結果を踏まえて発売されたベスト盤「Gift from FANKS」では70位以上の楽曲が収録されたため、「SPEEDWAY」の楽曲は1曲も収録されないという、ベスト盤としては非常に偏った結果になりました。
今後も楽曲の人気だけで彼らの歴史を作り上げてしまえば、2007~08年の活動は言及する必要もないということになりかねませんし、実際に目下の「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票では、それに近い状況になっています。


しかし2010年代の活動の始まりとなった「Incubation Period」や、2020年代の活動の始まりとなった「How Do You Crash It? one」で、ともに「Action」が演奏されました。
この時期の作品は彼らの長い活動の中で扱いが大きいとは言えなくても、メンバーによって歴史の一部としてたしかに位置付けられていることが分かります。
そのことを踏まえれば、これらの楽曲を不人気というだけで抹殺する「歴史修正主義」に従うことはできません。


「Action」が活動の狼煙の場面で演奏されてきたのは、これからの活動をファンに伝えたい(「Gonna let you know my action」)という、この曲のテーマが関わっています。
小室さんのこの時期の歌詞では、しばしば赤裸々な気持ちがつづられており、中には口下手なトークよりも鮮烈に伝わるものもあります。


こうした魂の歌詞の始まりとなったのは、2004年の「Screen of Life」でした。
その歌詞は、様々な事業や音楽活動の失敗で絶望しスランプになっていた中で、改めて再起を誓った時に作られたものでした。
いわば小室さんが2000年代の絶望的な境遇によって追い詰められる中で、自らの思いをこれ以上ないほど率直に絞り出したものでした。
これに対する好き嫌いはあると思いますが、TMにおける小室詞の歴史の中で大きな転機がこの時期だったことは確かです。


この時期の小室さんの歌詞が良質であるとは私も思いませんが、それは未整形の生の言葉をそのまま作品にしたことの必然的な結果でもあります。
美しくはなくても作りものではない言葉が、そこにはあります。
特に「SPEEDWAY」の楽曲の歌詞からは、いわば作品に魂をそのままぶつけたような、そんな印象を受けています。
おそらくその系譜上に作られたのが、2010年代の「I am」「Loud」であり、2020年代の「How Crash?」です。
今のTM曲を歌詞の面から語る上で、2000年代は欠かすことはできません。


一方で楽曲について、小室さんが常に迷い続けていた感は否めません。
これまで調子のよい時の小室さんは、目指す音の方向をはっきりと示した上でアルバムを仕上げてきました。
しかし80年代ポップスを方針として打ち出した2002年の「Castle in the Clouds」は満足な成果が出せなかった後、2003年に出してきたのはトランスでした。


小室さんはトランスを2001年以来globeで試みており、しかもそれは2003年に失敗という結果に終わりました。
おそらくトランスを出してきたのは、そこに何か確信があったからではなく、当時それしか出せなかったためと思われます。
その証拠に、小室さんはTMの20周年が終わるとともに、明確にトランスから離れていきました。


そして2007年の小室さんは、「SPEEDWAY」でTM以前のSPEEDWAY時代に戻るというコンセプトを出してきます。
ただこの時の音はシンプルなものになりましたが、それはSPEEDWAY風の楽曲だったわけではなく、SPEEDWAYの名前はどちらかというと制作に当っての精神的な拠り所というべきものでした。
同時期に行なわれたライブ「TM NETWORK -REMASTER-」でも、原曲通りに演奏することが宣言され、特に目指す音が示されたわけではありませんでした。
2009年の25周年企画で何か出される予定だったのかもしれませんが、少なくとも2008年まで小室さんは、次の音が明確に見えていなかったのだろうと思います。


おそらくそのためもあって、「SPEEDWAY」では全体の半分を木根さんが作曲するという、TM史上他に例を見ない構成となりました。
安定して良質なポップスを作り続けてきた木根さんの力が頼りにされた作品でした。
これは木根さんの楽曲がほとんど収録されなかった2014年の「Quit30」と対照的です。


こうした状況は、小室さんが金銭的に追い詰められていたことと無縁ではないと思われます。
仕事とプライベートは別とは言いますが、結局借金問題が解決しない限り、小室さんがTMを含む音楽活動に専念することは、かなり無理がありました。


こうした中でウツと木根さんは、2005年に「Spin Off from TM」を開催し、「TMのブランド」なる概念を持ち出しました。
これは今となってみると、ファンの反応を見る観測気球的なものだったのかもしれないと思いますが、小室さんを除いた不自然なライブ活動を正当化するために、TMのブランドを守るという大義名分を掲げたわけです。


この頃は小室さんが動けるまで待ち続けることで、TMのブランドが廃れてしまいかねないという危惧がありました。
要するに小室さんがもうTMとして動けないかもしれないという判断が、ウツと木根さんの間にはありました。
この時点では、TMの活動が2004年を以て事実上凍結され、TMの名前は3人のトライアングルから独立して動かされることになる可能性すらあっただろうと、私は思っています。


しかしそうした中で2007年には、TMが慎重な準備の下で活動を再開しました。
この時にゴールとされた2009年のTM25周年企画は、小室さんの逮捕によって立ち消えになりましたが、今にして思うと、TMが続いているという形式を逮捕直前に提示できたことは一定の意味があり、この時期の活動が根拠となって、TMが一応「現役のユニット」として2010年代に引き継がれたという側面もあったように思います。
ならば、2012年から始まるTM30周年の素晴らしい活動の前提として、2000年代の活動も意味を持っていたということになります。


さて、これまで私は、各セクション最後のまとめでは、その時期の好きな曲をSクラスとAクラスに分けて挙げてきました。
私もさすがにこの時期にTMを代表する一級の作品が作られたとはなかなか言いづらく、Sクラスに該当する曲はありません。
Aクラスとしては、「Screen of Life」「Action」を挙げておきます。


今回で第7部を終えた後のこのブログについてですが、しばらくはTM本体の活動を追いつつ、時間を見つけて過去記事の手直しをまたやろうと思っています。
先に第6部が終わった後も、2年ほどかけて同じようなことをやりましたが、それはTM 30thの活動で様々な新情報が出たため、その情報を過去記事に加筆するためでした。
それに対して今回することは、内容面での加筆ではなく(それも適宜しますが主眼はそこではなく)、形式面の修正です。


というのも、本ブログではかつて、あえて文末の「。」を付けず、こまめに改行をする形で文章を書いていました。
これはもともと、文章から「硬さ」を取ってカジュアルな雰囲気にするためのものでした。
しかし時がたつにつれ(なんと15年前から書いています)当初考えていたものよりも一記事が長くなってしまい、この形式だと読みづらくなってしまいました。
そこで第7部の途中から、「。」を入れて文中改行を入れない(つまり普通の)文体に変えることにしました。


もう1年以上今の文体を続けていますが、今のところ、これに違和感を表明する声は聞きませんので、過去の記事もこの文体に統一していこうと思います。
まずは第7部の前半(旧文体で書かれた部分)を全部終わらせ、その後は最初から直していくつもりです。
その間は、適宜近況報告の形で、ブログを更新していくことになると思います。


その後に第8部を書くかどうかは、これまで私は未定であると言ってきました。
それは各セクションの期間が定まらないと、セクション全体の叙述方針が決まらないという問題があったからです。
もしも今第8部を書くならば、第7部が2009年までを扱ったので、2010年以後となります。
その中心は間違いなく2012-15年のTM NETWORK 30thの活動となりますが、その終期については、これまで先延ばしにしてきました。
理屈から言えば、その次の活動が始まった時を基準とし、そこに至る動向が現れる時を未来の第9部の初めとした上で、その前を第8部の終わりとすることになりますが、第9部に相当する活動が始まらないと、これらを決定することができませんでした。


ところがこのたび、このタイミングでTMが復活してしまいました!
いや、嬉しいんですけど、じゃあ「歴史」となった第8部をどう書くか…という話になりますよね。


一つの考えとして、2012年以後の活動については、このブログで近況報告の形でかなり詳しく触れているので、それを見て勘弁してください、というのもありだとは思います。
実際に第8部をまとめる意義は、第7部ほど高くはないというのが、正直な気持ちです。
もちろん改めてまとめた方が一貫性はあるとも思うのですが。


ということで、この問題はさらに先送りして、過去記事を修正している間に考えようと思います。
もしかしてプライベートが忙しくなって、第8部は定年後に、ということもあるかもしれませんし。


問題の第8部の終わりについては、とりあえずTM30th最後の活動となった2015/4/17の「TM NETWORKのオールナイトニッポン」の放送および4/22の「Just Like Paradise 2015」配信までは、第8部に含めることに異論はないでしょう。
商品についていえば、2015/11/25のBlu-ray「30th Final」や、2016/3/23のBlu-ray BOX「TM NETWORK 2012-2015」リリースまで含めても良いかもしれません。


もう一つの重要な事件として、2018年1月の小室哲哉引退宣言もあります。
小室さんの去就を問題にする場合、引退前最後の作品となった8月の「SUNNY」サウンドトラックで区切っても良いかもしれません。
ただ引退というネガティブな事件でセクションを切るよりは、今のTMにつながる動向が始まる時点で区切る方が、より積極的な意味づけができそうです。


TM再起動の前提となったのは小室さんの復帰ですが、表に出てきたところでは、2020年7月の乃木坂46への「Route 246」提供が、その始まりになります。
さらにその1ヶ月前の6月に、ラジオ番組「TOKYO SPEAKEASY」に出演したことを前史として挙げることも、異論はないと思います。


その前の2019年11月には、ウツが行なった全曲TMのツアー「Dragon The Carnival」を見て、小室さんが音楽活動を再開したい気持ちを語っています。
小室さんの心を動かしたものの一つにウツのライブ活動があったのならば、「Dragon The Carnival」の開催が告知された2019年6月から第9部とする余地もあります。
さらに「Dragon The Carnival」の前年の2018年9~11月に、ウツが小室さんの楽曲を多く演奏した「Tour Thanatos」があり、これも前史として扱うこともできます。
ここまで遡ってしまえば、小室さんの引退以後全体を小室さん復活の過程として、全部第9部とすることもできそうです。


ただ2018年の引退は、2017年のスランプが背景にあり、その兆候は2016年終わりに制作を始めた「JOBS#1」から見えていました。
ならばTM30thが終わった2015年までと、スランプが始まった2016年以後で切るのも一つの案でしょう。
2016年8月にglobe 20th企画が終わり、KEIKOをステージに復活させるという目標が破れた頃から、小室さんが弱音を頻繁に吐くようになったことを考えれば、2016年8月で切るのが良いかもしれません。
同年3月には「TM NETWORK 2012-2015」がリリースされ、TM30th関連の商品が出尽くしたことも合わせて、区切りには良い時期です。


以上、自分の思考整理も兼ねて、2015年と2021年の間の画期となる時期を列挙して、区切りとすべき時期を考えてみました。
現時点では結論が出ているわけではないのですが、上記の文章を書きながら、なんとなく2016年8月が良いかなあ…という感じに、今はなっています。
もっとも、第8部を書くかどうかすら決まっていないわけなんですが、仮に書くとしてもまだ相当先のことなので、皆さまはしばらく現在のTMの活動を楽しんでいただければと思います。


第7部のまとめは以上になります。
それでは第7部最後の記事に入ります。


なお今回の記事には、以前の記事で書いた文章を移した部分があります(元記事からは削除済み)。
これについては読んでいただければわかるようにしてありますが、その文章について私の勘違いに気付き、今回の記事に入れる方が妥当であることが分かったからです。
この点、どうぞご了承ください。

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第7部の最後では、2008~09年の木根尚登の活動を追うことにしたい。
木根は2008年の春から秋を通して、長期のソロツアー「talk & live 番外編 vol.8」を開催した(5/3~9/21)。
5月中は「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」と同時並行での開催だった。


さらに断続的にではあったが、木根はジャズ歌手神谷えりとのコラボライブを、この頃たびたび開催している。
その最初は2007年8月の「eri kamiya meets naoto kine talk like singing」である。
どういう経緯で始まった企画だったのかは不明だが、この時点で木根・神谷の共作「seven」「fly high」が披露されている(両曲はeri kamiya meets naoto kine名義で、2008/4/16シングルリリース)。
これ以後2人は2013年までコラボライブを開催した。
一方で2004年以来断続的に開催されていた森口博子とのコラボライブ「Voice Two Voice」は、2006年を最後に開催されなくなった。


木根は「talk & live 番外編 vol.8」と並行して、レコーディングも行なった。
6月中にはレコーディングが行なわれていたことが確認できる。
確証はないが、レコーディングの開始は、TMの「SPEEDWAY and TK Hits!!」が終わった5/25以後のことだろうか。
この結果出来上がったのが、ニューアルバム「New Town Street」だった。


「New Town Street」「Life」「道」に続いて、木根が大部分を作詞・作曲し、編曲を中村修司が行なった。
中村修司がアレンジに関わった三部作の最後でもある。
スタジオでは木根(ピアノ・ギター)や中村(ベース)以外に、ドラムの阿部薫やキーボードの佐藤真吾もレコーディングに参加した。
木根としては、バンドで作ったアルバムという印象だったらしい。
その点は中村と二人三脚状態で制作した前二作との相違点だった。


本作制作の前提としては、2007/10/10リリースの先行シングル「Knock Three Times」があった。
この曲はNHK「みんなのうた」のコンペに採用されたことを受けて、アルバム「道」に収録する予定を中止して、シングルとして別にリリースすることになった。
木根はその際に、新曲「色づく街に」をカップリングとしたが、そのレコーディングはバンドで行なった。
木根はそれに手ごたえを感じて、「New Town Street」でも同様の方針で行くことにしたのだという。


「New Town Street」は、日常で車で走ったり散歩したりしながら見たものをもとにした楽曲を収録した。
木根は、日常の断片みたいなアルバムになればいいと思って作ったという。
「New Town Street」というアルバムタイトルは、木根が日常的に見ている光景の象徴なのだろう。
おそらくこの「New Town」は、木根と縁の深い多摩ニュータウンをイメージしていると思われる。
タイトルを決める際には、住んでいた町の通りの名前から名付けたビリー・ジョエルのアルバム「52nd street」も念頭にあったという。


本作の収録曲で注目されるのは、「海の見える窓」である。
木根は6月のインタビューで、TMの「SPEEDWAY」のために作られた曲を次のソロアルバムに収録する予定であることを述べているが、それに当たるのがこの曲である。
つまり「海が見える窓」は、本来「SPEEDWAY」のために作られた曲だった。


木根はこの曲に自信があったものの、小室が曲を聞いても歌詞が見えなかったことで、アルバム収録は見送られた。
実際に「New Town Street」のブックレットには、木根による同曲の解説として以下のようにある(「7-41 25周年への道」haruさんコメント)。

このメロディーはもともとTMの為に書きました。ただ、その時はCDの発売そのものがなくなったので、僕から旅立たずにいました。今回自分のアルバムに収録するにあたり、サビをシンプルにしてみました。


木根によれば、「海の見える窓」はTMで不採択になった後、別の企画で使う予定だった。
しかしその後、この曲を使う企画がなくなったため、サビの部分だけ作り直してソロアルバムに収録することとなったのだという。


私は以前、この「企画」はTM NETWORKに関わるものではないかと推測したことがある。
だが木根の「震・電気じかけの予言者たち」の59ページに、2008/5/8に「当時やっていた(結果的には望む形で着地できなかった)ソロ・プロジェクトのミーティング」があったことが書かれていることに気が付いた。


おそらく「海の見える窓」に関わる「企画」と、5/8頃に動いていた「ソロ・プロジェクト」は、時期から見ても、また実現しなかったという結末から見ても、同じものと見て良いだろう。
ならば「海の見える窓」が使われる予定だった企画は、TMとは関係ないことになる。
以上について、ここで見解を修正しておきたい。


さて、「New Town Street」の制作は、おそらく9月の「talk & live 番外編 vol.8」終了後に佳境を迎え、2008/11/19にリリースされた。
これを受けて11/22からは、レコーディングメンバーを引き連れたライブ「talk & live vol.11 〜New Town Street〜」が4公演開催された。


さらに12/21~31には「talk & live 番外編 vol.9」を3公演開催している。
12/24のアミュー立川公演はクリスマスライブ、12/31のTOKYO FMホール公演は、年末カウントダウンライブだった。
アミュー立川は10代の時にも木根が使用した会場だったため、ライブではおんざろっく時代の楽曲「しぐれ坂」「自業自得」も披露された。


なお以前触れた通り、「talk & live vol.11」「talk & live 番外編 vol.9」では、逮捕された小室に向けて作った「春を待つ」がアンコールで披露された。
ただし「春を待つ」については、以前すでに触れたので、ここでは割愛する。


2009年前半は、本来TM NETWORK25周年企画が予定されていたが、小室事件後に急遽予定を組みなおしたものと見られ、1・2月に葛城哲哉との弾き語りジョイントライブ「KINE & KATSURAGI JOINT PARTY〜極上なキネカツ定食を召し上がれ!」、4・5月にはウツとのジョイントライブ「EXPO Folk Pavilion -Revival-」追加公演を開催した。
後者については以前触れたので、ここでは略す。


前者の「キネカツ定食」については、第1部で葛城ソロ、第2部で木根ソロ、第3部・アンコールで二人一緒の演奏が行なわれた。
セットリストは毎回同じではなかったようだが、TM曲からも「Time To Count Down」「大地の物語」「Still Love Her」「一途な恋」などが演奏されたらしい。
特に「Time To Count Down」「一途な恋」は、どんな風に演奏したのか気になるところである。
なお「キネカツ定食」は、2010/1/29にも再演されている。


2009/5/2からは、年末に開催した「talk & live 番外編 vol.9」を約4ヶ月ぶりに再開している(9/21まで)。
このツアーの1曲目は、2008/12/31のカウントダウンライブ以来、TMの「We Are Starting Over」だった。
これはファンへの感謝の気持ちを表すものであるとともに、サビの歌詞に「さあもう一度出会いなおそうはじめから」とあるように、いつかTMを再開できるはずとの思いも込めたものだった。

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ライブの様子


「talk & live 番外編 vol.9」の不規則なライブスケジュールは、いかにもTM25周年企画消滅後の調整の結果という印象を受ける。
その他、木根はこの年には、多くのライブにゲスト出演をしたり、コラボライブを開催している。
こうした活動は、もともとウツや小室と比べて多かったが、この年からさらに拡大の傾向を見せる。
木根の活動は単発のイベントが多くなってくるため、その全貌を追うのはこの頃からかなり困難になってくる。


なお「talk & live 番外編 vol.9」の吉祥寺Star Pine’s Cafe公演のライブ音源は、一部が「NAOTO KINE CONCERT 2009 Talk & Live 番外篇 Vol.9 @ KICHIJOUJI Star Pine's Cafe」として配信されている
全10曲で、TMの「We Are Starting Over」や、SPEEDWAYの「Captain America」「The Door」「Super Star, Good Morning」も含まれている。


2009/12/3~16と2010/2/3~14には、劇団IOHの舞台「天使の涙」に出演している。
以前触れた通り、木根は2005年にIOHの舞台「家族対抗歌合戦」に出演していたが、この時に4年ぶりに舞台に復帰した。
なおこれは木根の娘shao(木根沙織)の初舞台でもあった。


脚本の元になったのは、1997年発売の木根の同名小説だった。
この時のタイトルには「竜眼堂物語VOL.1」のサブタイトルがついていたから、好評ならばVOL.2以降も上演する計画があったのだろう。
木根はこの時、劇伴曲の制作にも携わった。
その楽曲はアルバム「天使の涙」として2009/12/16に配信され、2010/2/3にはCDとして通販限定発売されている。


その他、木根は執筆業も再開しようとした。
2008/7/1には、「LOST FOODS〜僕らの食べ物が危ない〜」を発売している。
これは小説ではなく、食料と農業の問題を扱った本である。
当時は木根がどこに行こうとしているのか強い疑問を覚えたが、幸いなことに、その後この方向の書籍を執筆することはなかった。


さらに2010年3月には、木根が雑誌「パンプキン」に8年ぶりの小説「天使が空に帰った日」の連載を始めた。
自分は内容を知らないが、タイトルを見るに「天使の涙」と関わるものだろうか。
おそらく2010年の間に連載を続けたものと思うが、単行本としてまとめられることはなかった。


概して言って、この時期の木根の執筆業は実を結ばなかった。
これ以後刊行される木根執筆の単行本は、TMのドキュメント「電気じかけの予言者たち」シリーズに限られることになる。


ただし出版物としては、2010/9/15に「木根本」も刊行されている。
木根のインタビューや写真なども収録するが、基本的には楽譜集である(94曲)。
ただし収録曲はソロ曲やTM曲・提供曲などの他、SPEEDWAY時代やそれ以前のアマチュア時代の楽曲も含まれており、特におんざろっくの「自業自得」やハンバーグ&カニクリームコロッケの「神社でB」「恋のながら族」などは、人によっては気になるかもしれない。
また各楽曲には木根のコメントも書いてあるので、その点でも情報源となり得る本である。


最後に触れておきたいのが、2009年の年末に行なわれたライブである。
12/26と12/27、木根は東京のサイエンスホールで「talk & live -Children-」を開催した。
ライブのサブタイトルは、「New Town Street」収録の「悲しみのチルドレン」に因むものだろうか。
両日は内容が異なり、初日はTM曲を中心とした弾き語りライブ、2日目は中村・阿部・佐藤との4人による木根ソロ曲のバンドライブ(テーマは「キネロック」)だった。


とりあえず初日公演の演奏曲を挙げると、「金曜日のライオン」「Fallin’ Angel」「Dragon The Festival」「Here, There & Everywhere」「一途な恋」「アクシデント」「Teenage」「Fool On The Planet」「君がいる朝」「月はピアノに誘われて」「Girl Friend」「Time Passed Me By」「1/2の助走」「Winter Comes Around」「Seven Days War」「Time Machine」「Still Love Her」の17曲で、木根ライブとは思えない曲数だった。


中盤・終盤は自分の曲を中心にセットリストを組んでいるが、序盤は小室の曲がむしろ中心である。
小室曲は、特に難しい曲をあえて選んでいるようにすら思える選曲である。


断片的な情報を見るに、「アクシデント」はスローバラード風に歌われた。
「Dragon The Festival」は観客と一緒に歌ったとのことである。
歌ってみると、罰ゲームのように長かったらしい。


特に「一途な恋」は、ウツが生で歌えないという理由でライブでの演奏がされてこなかった曲である。
木根も「難易度五つ星の「一途な恋」は歌えないことがわかった。一人で生では歌えない曲だ。宇都宮君の言っている事は嘘ではなかった」とした上で、「いつか3人で演奏できることを願った」と述べている。
なお先に述べたように、この曲は同年中に「キネカツ定食」で披露されている。
おそらくその時反応が良かったためこの時も演奏したのだろう。


200912/31から2010/1/1にかけては、渋谷Duo Music Exchangeで、前年同様にカウントダウンライブが行なわれた。
このライブはウェブラジオMUMIX Radioで生配信された。
実に2部構成、4時間近くの長丁場だった。


ライブには山本英美の他、Fence of Defenseから西村麻聡・山田亘が駆けつけた。
Fenceの2人は9~11月にウツの「SMALL NETWORK」でサポートを務めており、この頃TM周辺によく出入りした。


第1部はTM曲およびカバー曲だった。
1曲目は吉田拓郎「おやじの唄」だった。
これは12/25に木根の父がなくなったことを踏まえたものである。
木根は12/26・27にライブがあったため、12/28にお通夜、12/29に告別式を行なった。
26・27のライブは大変つらかったことだろう。


カバー曲としては「My Revolution」も演奏された。
木根としては難しい曲だったらしい。
またミュージカル「天使の涙」に提供した「天使の涙~蘇生~」も披露している。
TM曲としては12/26の演奏曲の中から、「一途な恋」「アクシデント」「Girl Friend」「Seven Days War」を演奏している。


年越しのカウントダウンの後は、Fenceの2人によって、「Sara」「頑張る人」「Red Line」「君にムチュムチュ」など、Fenceの曲が演奏された。
その後第2部では、ゲストとともに木根のソロ曲が演奏された。


以上が2009年年末の木根のライブの様子である。
木根がソロライブでSPEEDWAYやTMの曲を披露するのは珍しいことではないが、この時は特にTMを前面に出したライブが行なわれている。
これは2009年が本来TM25周年の年で、25周年企画も予定されていたことが前提にあるのだろう。
2008年末から2009年に開催された「EXPO Folk Pavilion -Revival-」と同様に、TMに期待していたファンに対してのお詫びないしプレゼントの意味もあったのだと思う。


折しもこの少し前には、ウツも「僕なりの25周年」と銘打って、全国ツアー「SMALL NETWORK」を開催し、TMの曲をファンに向けて演奏していた。
TM25周年が流れたことはファンにとって悲しい出来事だったが、それは当然TM3人にとっても同じことだった。
そうした中でウツと木根は、限られた条件の下でTM絡みのライブを企画し、未来のTM NETWORK再開を誓って2010年を迎えたのである。

木根本 TM NETWORK/NAOTO KINE 楽譜集 「番外編」 メロディー譜&ギター弾き語り - 木根 尚登
木根本 TM NETWORK/NAOTO KINE 楽譜集 「番外編」 メロディー譜&ギター弾き語り - 木根 尚登

7-45 SMALL NETWORK

10/17に「How Do You Crash It? one」の配信が終了する前後から、TMについていくつかの追加情報が出てきました。
一つは10/15の「Tetsuya Komuro Studio」での小室さん配信映像の解説(以下①)、一つはウツのFC会報「Magnetica」101号(以下⓶)、一つは「Sound & Recording Magazine」2021年12月号のTM NETWORK特集(以下③)です。
以下、出典として①②③を挙げながら、新情報を整理してみます。
なお③の一部は、「Sound & Recording Magazine」のサイトでも見ることができます(前編後編)。


今回のTMの活動再開は、小室さんに壮大なことが浮かんだことから始まったとのことです。
小室さんは一時音楽に興味がなくなったと言っており、ウツはそれをもったいないと思っていたので、今回の復活は良かったとコメントしていました(⓶)。
小室さんの引退表明後、ウツが3年続けてTMを意識したツアー「Tour Thanatos」「Dragon The Carnival」「SPIN OFF T-Mue-needs」を開催したのも、小室さんに向けてのメッセージという意味合いがあったのでしょう。
小室さんは今回のライブ配信が好評で良かったと言って喜んでおり(①)、まずまずの手ごたえを感じているものと思われます。


今回の配信ライブは、ウツの「LIVE UTSU BAR「それゆけ歌酔曲!!」ギア―レイワ3」が終わってから一ヶ月足らずで、リハーサルと本番の収録が行なわれたとのことです(⓶)。
「それゆけ歌酔曲!!」は7/6に終わったので、8月初旬に収録されたことになります。


ただ本記事のnobさんのコメントによれば、「Tetsuya Komuro Studio」で8/20に某所のリハーサルスタジオで撮影が行なわれており、その時の機材は「How Do You Crash It? one」と同様であったとのことです。
私はこちらの映像を確認していないのですが、もしもそうだとすると、「How Do You Crash It? one」のリハーサルが8/20前後に行なわれ、本番の撮影は8/21以後に行なわれたことになります。
もしもこれが正しいのならば、「LIVE UTSU BAR」が終わってから一ヶ月足らず=8月初旬頃というウツの発言には記憶違いがあるのかもしれませんし、または準備が始まったのが8月初旬頃だったのかもしれません。
私も8月初旬の撮影は早いなあと思っていたので、むしろこっちの方がしっくりきます。


いずれにしろ「How Do You Crash It? one」は、配信まで1~2ヶ月ほど寝かせていた映像ということになります。
1999年の再始動後の活動は、直前になってギリギリで動き、そのために満足な形に至らないことが少なくありませんでしたが、それと比べると今回は大変余裕を持った活動ということができそうです。
だとすると今後配信される「two」「three」も、「one」と同時かそれほど隔たらない頃に、すでに収録済みなのかもしれません。
この点は(多分12月初め頃に)「two」のティザー映像が出ればはっきりするでしょう。


そしてライブ収録とあまり変わらない頃、「How Crash?」のレコーディングもすでに済ませたようです。
ウツは新曲のレコーディングの話もしており、その時期は8月某日だったとのことです(⓶)。
今後の配信で完全版を披露した後で評判を見た上で、レコーディング音源にアレンジを加えて配信をするつもりなのかもしれません。


「How Crash?」のレコーディングの場所は、「Tetsuya Komuro Studio」を配信しているスタジオです。
このスタジオは、春頃に小室さんが構想したもので、最初にレコーディングしたのが「How Crash?」だったとのことです(③)。
多分4/9のPavilions Tetsuya Komuroの設立の前後に、具体的なイメージが決まったのでしょう。


ただすでに去年から新しいスタジオの準備に取り掛かっていたという話もあり(本記事nobさんコメント)、機材等スタジオの構想は春頃だとしても、新スタジオを設けることはより早くから決まっていた可能性もあります。
なお10月某日の深夜に「Tetsuya Komuro Studio」でゲリラライブを配信した時、ビルの管理人から注意の電話が来て中断したそうで(10/22配信時の発言)、そんな音漏れする環境で大丈夫なの?という不安は感じますが、どうなんでしょう。


小室さんは「How Crash?」では、歌詞で悩んだそうです(①)。
2~3ヶ月というので、遅くても6月には考え始め、8月までに完成ということになるでしょう。
小室さんはウツにも相談に来たとのことです(⓶)。
おそらく木根さんにも相談したでしょう。


小室さんによれば、「I am」の歌詞は居酒屋でもクラブでもカラオケでも自由に行ける時代における「個」を扱ったものでした。
しかしその環境はコロナ禍によって一変してしまいました。
これに対してどのように対応すべきか、科学者も政治家も分からなかったが、みんな間違えながら前に進んでいきました。
小室さんはそのことを踏まえて、間違えながらも前に進んでいこう、事態を打開していこうという意味で、新曲では「Crash」というキーワードを出してきたとのことです(①)。
この話を踏まえると、「Crash」は「破壊する」という行為よりは、その結果として目指す「打開する」という行為を、より強く意識しているように感じられます。


小室さんは「How Crash?」を作る際に、ウツに「もう「I am」じゃないんだよ」と言ってきたそうです(⓶)。
これはパンデミックによって「I am」を作った頃から変化したしまった社会に向けて、どのようなメッセージを出すべきか悩む中で出てきた言葉なのでしょう。


「How Do You Crash It? one」「I am」「How Crash?」が続けて演奏され、その間に衣装が変わったのも、この時代に即したメッセージの変化を表していると考えられます。
30周年の時の衣装で演奏した「I am」と、新しい衣装で演奏した「How Crash?」は、それぞれ30周年と2020年代の活動を象徴するものとして見ることもできます。


なお「How Do You Crash It? one」「We love the EARTH」がマイナーコード進行のアレンジになったのも、パンデミックを踏まえて、「やたら明るいだけの愛し方」ではないものを表現しようとしたものだったそうです(③)。
ここでも30周年の時とは異なる事態に応じた新しい音・メッセージを発信したいという小室さんの考えを見て取ることができます。


「How Do You Crash It? one」が3人のみの演奏となったのは、小室さんが提案したそうです(③)。
サポートを見てもらうよりは、3人を見てもらいたいという考えによるものでした。
特にこれまでのライブでシンセで代替できなかったものに、ディストーションギターの音がありました(③)。
このことは私も2008年のトークで本人が話しているのを聞いたことがあります。
しかしTM NETWORK 30thの頃から、なんとか自分のシンセでもディストーションギターの音を出すことができるようになってきたとのことです(③)。
小室さんのソフトシンセ導入と、ソフトシンセの音色の進化が、これを可能にしたのでしょう。
今後のTMのライブも、最終公演などの記念ライブを除いて、基本的に3人のみのステージになる可能性が高そうです。


「How Do You Crash It? one」の演出について、いくつか気付いたことを追記します。
まずオープニングで、少女が部屋でシンセを弾くと、部屋にあるモニターにバトンが吸い込まれる演出がありました。
私は見落としていたのですが、この少女が持っているスマートフォンにはバトンが映っていました。
ふくりゅうさんのレポートにも書いてありました)
小室さんによれば、少女がシンセで特殊なコードを弾くと、そのスマホ内のバトンがモニターに投げ込まれるという設定だったようです(①)。


2015年の「30th Final」で、TM NETWORKからファンに託されたバトンは、QRコードを介して送られた画像ファイルでした。
私は、これはフィジカルな実物としてのバトンを託したことをデータによって表現したものと考えており、物語上では実物のバトンが託されたことになっていたと思っていたのですが、どうやらあの画像ファイルこそがバトンの実体なのだと考えてよさそうです。


ついで今回ライブセットの目玉だった三角形について、これは高橋哲人さんの率いるTETSUJIN AUDIO VISUALによるドット・イメージの演出だったことが、ご本人により明かされました。
ドット・イメージは少し前にこのブログでも取り上げた照明機材で、実は2008年「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」でも最終公演のみで用いられたことがあります。
形状も機能もかなり違ったので気付きませんでしたが、同じものだったんですね。


おそらくドット・イメージは、2009年のTM25周年ライブでも使うつもりだったつもりだったのでしょう。
それが今回の再起動に当たり、再び起用されたものと思います。
このブログでは、これまで誰も興味がない時期の記事を延々と書いてきましたが、意外と新しい活動につながることもあるんですねえ。


最後に、今回入ってきた新しいTM情報の中で、一番重い話があります。
それは今回のTMの活動が「きっと最終章だろうなぁ」という小室さんの発言です(③)。


実は私もこのことは予想していて、近いうちにここでも書こうと思っていたんですが、先に本人に言われてしまいました。
今回の活動がそれなりに長期的な視野で(1年以上)行なわれるならば、3人の年齢や最近の体力面の衰え具合を見るに、その次の活動はもうないことは予測できました。
しかしこんなにはっきりと明言されると、やっぱりそうだよなぁ…てなりますね。


もっとも小室さんはウツや木根さんと、50周年はないよねと語っているそうです。
ということは、身体の不調が来ない限り、2024年の40周年まではやるつもりなのでしょう。
私としても、まあそこまでやり切れればよいかなとは思います。
小室さんも今回は完全にTMに集中してくれそうな気がしますし、本当に全力での活動を見せてくれるはずです。
私の方が息切れしそうな危惧もあるのですが、現時点では、がんばって付いていこうと思っています!


TMに関して現在出ている今後の情報としては、まず「How Do You Crash It?」のアフターパンフレットがあります。
こちらウツFC版は予約受付が終わりましたが、通常盤はamazonなどで「three」まで注文することができるようになりました。
amazonとか出版元のリットーミュージックのサイトを見ると、それぞれの発売日が11/27・1/27・3/27となっていますね。

「How Do You Crash It? one」AFTER PAMPHLET
「How Do You Crash It? two」 AFTER PAMPHLET
「How Do You Crash It? three」 AFTER PAMPHLET


otonanoのサイトでは、引き続き「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票の受付が行なわれています。
投票対象のライブには、「How Do You Crash It? one」も追加されました(相変わらず「Tour Major Turn-Round」などは入っていませんが)。
なお前回指摘した2位の「Get Wild '89」のライブ日程・会場の記載内容の混乱については、いつのまにか修正されていました。
(1994/5/18「TMN 4001 Days Groove」とのこと)


今回のTM再起動に当たり、avexでは2014年の「Dress 2」「Quit30」を紙ジャケ・リマスター音源・Blu-Spec2で再版するそうです。
出戻りファンを想定してのリリースでしょうけど、「Quit30」がDisk1だけの再版なのは気になります。
ここはDisk2も入れてほしかったです。
後年のファンにとっては結局、旧版しか購入の選択肢がないことになるはずです。


さらにこれに合わせて、小室さんの過去のヒット曲35曲をノンストップミックスした「TK WORKS ~TETSUYA KOMURO HITS NONSTOP MIX~」もリリースされます。
現在発表されている収録曲を見る限り、avexの楽曲で構成されるようで、TMからは「I am」が収録予定です。
選曲とミックスを誰がやるのかはサイトには明記されていないのですが、多分小室さんは関係ないのでしょう。
以上3枚のCDは、いずれも12/1のリリース予定です。


去年年末に開催された「年忘れ!!歌酔曲vsフォーク」が、今年も「年忘れ!!歌酔曲vsフォーク 2021」と題して開催されます。
12/14、LINE CUBE SHIBUYAでの開催です。


ウツの歌酔曲チームは、恒例の野村義男さん・松尾和博さん・nishi-kenさんです。
木根さんのフォークチームは、去年の山本英美さん・中村修司さんに加え、ピアノとして海老原真二さんが参加します。
このフォークチームは、今年の「K-Folk 2021」のメンバーでもあります。
そして特別審査員として、今回も小室さんが参加します。
多分去年と同様に、最後にTM NETWORKとしての演奏もあるのだと思います。
今回も無料配信はあるんでしょうか。


その他、TMの関連商品ではありませんが、10/20付けで集英社新書より、音楽評論家のスージー鈴木さんの「EPICソニーとその時代」が刊行されました。
TMの記述はごく一部ですが、80年代EPICへの愛情が深く詰まった本です。


特に後半では丸山茂雄さんと小坂洋二さんへのインタビューが掲載されており、当時のEPICの雰囲気を知ることが出来ます。
あとあまり意識していませんでしたが、1988年にEPIC/SONYがCBS/SONYグループの一部門になったのは、社内的には悪い意味で大きな出来事だったようです。
小坂さんの存在感が「CAROL」の頃から薄くなるのは、そういうことが関係していたのかもしれません。


以下、ソロ活動について整理します。
小室さんは「Tetsuya Komuro Studio」で10/15・22の配信がありました。
10/15はすでに述べたように、小室さんが「How Do You Crash It? one」の配信を見ながら解説を行ないました。
番組の冒頭では「Electric Prophet」を演奏し、最後には「How Do You Crash It? one」のラストに1分だけ流れた曲のフルコーラスを流しました(2分弱)。
この曲、TMの曲なのかとの質問もありましたが、小室さんは「さて、これはTM NETWORKの新曲なのでしょうか?」とだけ匂わせ発言をして退場しました。
後日ボーカルを入れて別の形でリリースされるかもしれません。


10/22には、ウツの「U Mix」ミュージカル「マドモアゼル・モーツァルト」を見た感想を語りました。
10/16に「U Mix」のEX Theater Roppongi公演、10/19に「マドモアゼル・モーツァルト」を見に行ったようです。
この間の小室さんは、ヴァイオリン三昧だったとのことです。
特に「U Mix」のヴァイオリンがきれいだったと言っていました。


番組の最初には、「マドモアゼル・モーツァルト」に因んで、「Mademoiselle Mozart」の楽曲のメドレーを演奏しました。
「永遠と名づけてデイドリーム」を演奏している時には、小室さんの鼻歌も聞こえました。
これは番組としてはダメな例ですが、得した気分です。
番組の最後には、「Self Control」を演奏しました。
これは先に触れたゲリラライブの時、管理人の電話で演奏を中断してしまった曲です。
この日はゲリラライブのリベンジで、改めてこの曲を演奏しました。


10/15には、小室さんのソロライブ「Tetsuya Komuro Rebooting 1.0」を11/26・27にBillboard Live Tokyoで開催することが告知されました。
今回が再起動(reboot)の「1.0」とされているのは、ソロ活動もここからがいよいよ本格的な復活というメッセージでしょう。
MusicDesignの頃は多分「0.5」くらいだったのでしょうか。
このライブのチケット、「Tetsuya Komuro Studio」の会員向けの先行販売はすでに行なわれています。
Billboard Live会員向けのチケットは10/28、一般向けチケットは11/4発売ですが、席はあまり残っていないかもしれません。


近々「Tetsuya Komuro Studio」会員限定で、アナログ盤LP「Jazzy Token」が販売されます。
小室さんは11月下旬には発売できそうと言っていたので、多分誕生日の11/27頃に出すのでしょう。
内容は、去年から作ってきたジャズテイストのインスト楽曲30曲からセレクトした楽曲を収録したものとのことです。
「Tetsuya Komuro Studio」で映されたジャケットの文字を見るに、A面4曲・B面5曲の計9曲のようです。
私は再生環境がないので買いませんが、内容は気になります。
今度の「Rebooting 1.0」でも、何曲か演奏されるかもしれません。
その内配信してくれませんかね。


ウツはソロツアー「U Mix」が10/15から再開しました。
セットリストも、10/15から1曲日替わり曲が入ってきたようです。
私も10/31のZepp Namba公演に参加してきます。
ニコ生配信は、これまで9/26の他、10/16・24に行なわれています。
今回は2公演ごとに2日目の公演を配信する方針なのでしょうか。


木根さんは11/7にFM大阪の「あわじ感動!音楽島」出演します。
ただ放送時間は午前5:30~6:00ですので、なかなかリアルタイムで聞ける方は多くなさそうです。
Radikoでプレミアム会員になって、後で聞くというのが現実的なところでしょうか。


もう終わってしまったので今さら書いても意味はないのですが、宝塚歌劇の舞台「City Hunter」が、10/14にオンライン配信されました。
なお舞台自体は、東京宝塚劇場で11/14まで続きます。
また10/10に始まった「マドモアゼル・モーツァルト」も、東京建物Brillia Hallで10/31まで続きます。


以上、長くなりましたが、近況の整理でした。
今回はこれで終わらせてもいいかなとも思ったのですが、第7部をできるだけ早く完結させたいので、やっぱり本題も続けます。

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前章までは、小室の逮捕によってTM25周年企画が立ち消えになったこと、そうした中でもウツと木根の2人によって「EXPO Folk Pavilion -Revival-」が開催されたことを見てきたが、この前後の時期にも2人はTMとは別にソロ活動を行っていた。
本章ではその内、2008年後半から2009年にかけてのウツのソロ活動について見ていくことにしたい。


2008年は5月末までTM NETWORKのツアー「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」があり、おそらく12月頃にはTM25周年企画が発表される予定だった。
その間は6~11月の半年程度しかなく、ソロ活動もあまり長期的なものは期待できなかった。


TM25周年企画がいつまで行なわれる予定だったのかははっきりしないが、デビュー記念日の4/21の前後、春を中心に行なわれることになっていたと推測できる。
となれば、おそらく当初2009年前半にはソロ活動は予定されていなかったか、少なくとも大規模なものは計画されていなかったはずである。


だが小室の逮捕により、2009年のTMの活動はなくなってしまった。
2009年4・5月の「EXPO Folk Pavilion -Revival-」追加公演は、TM25周年がなくなって2人の予定が空いたこともあって開催されたものと考えられる。
他にもウツ・木根は2008年の年末頃からスケジュールの調整を行ない、2009年の活動を行なったのだろう。
本章と次章においては、まず2人の以上のような活動の大枠を押さえておく必要がある。


まず本章では、ウツについて見ていくことにする。
2008年6月以後半年のブランク期になると、ウツは短期間ながら、ソロでの新しい活動を試みる。
Revo率いるSound Horizonとのコラボレーションである。
ウツは2008/9/3リリースのSound Horizonのアルバム「Moira」に、ウツが「雷神域の英雄」「死せる者達の物語」「死せる英雄たちの戦い」の3曲でゲスト参加した。


「Moira」はチャートで初動3位・4.5万枚を売り、最終的には6.7万枚の成績を上げた。
人気が上り調子だったSound Horizonにとって、この成績は当時の自己最高記録だった。
ウツにとっては当時のU_WAVEはもちろん、TM NETWORKと比べても数倍の売上であり、TMファンよりもはるかに多くのリスナーが本作でウツの歌を聴いたことになる。


ウツは9/11,13,14,15,17,18の6日間、このアルバムをひっさげてJCBホールで開催されたSound Horizonのライブ「Moira~其れでも、お征きなさい仔等よ~」にも出演している(翌年1/7~9にも同会場で再演)。
ウツはレオーンティウスという役を演じ、鎧・マントをまとい槍を持ってステージに現れた。

7-45.jpg
レオーンティウス様


Sound Horizonの作品はアルバム・ライブともに、ストーリー・演出を重視した独特な内容だったが、TM NETWORKやU_WAVEをこなしてきたウツにとって、こうしたスタイルはなじみやすかっただろう。
ウツはCDやDVDを視聴して、TMの「CAROL」やソロの「White Room」に近いという印象を持ったという。


この時期はウツがSound Horizonに参加するとともに、Sound HorizonのRevoもU_WAVEに参加した。
6/20には「ルナ」、9/24には「テラ」が、U_WAVE名義で配信リリースされたが、これらはRevoが作詞を担当している(作曲は石井妥師)。
なお、これまでU_WAVEの作詞はほぼすべて森雪之丞が担当してきたが、以後関わることはなくなった。
あるいはウツは森の脱退が決まった時点で、U_WAVEの歌詞を作る人材を探して、Revoに巡り合ったのかもしれない。


2008/11/5,6,8,9には、SHIBUYA AXで3度目のU_WAVEのツアー「evolutio」が開催される。
U_WAVEのキーマンだった森雪之丞はライブにも参加せず、ポエムリーディングの役はRevoが担当した。
U_WAVEは結成当初の2005~06年を第1期、Revoが参加したこの時期(2008~09)を第2期ととらえることもできるだろう。


なおRevoが参加した第2期U_WAVEのライブは、第1期と比べると公演数がかなり限定されている。
TM25周年を控えていたこともあるのだろうが、Sound HorizonをメインワークとするRevoの参加を前提にスケジュールが組まれていたこともあるのだろう。


このようにウツは、TM25周年が始まるまでの半年間、Revoとのコラボ活動を展開した。
ただしRevoとの関係はそれほど長く続いたわけではない。
2009年にもSound Horizonの「Moira」再演およびU_WAVEのツアー「Revolutio」でRevoとのコラボは続いたが、ウツとの関係があったのはこの時までであり、またRevoは最後までU_WAVEの正式メンバーにならなかった。


実はRevo作詞のU_WAVE配信楽曲第3弾として「Wave of memories」という曲が予定されており、2008年11月の「evolutio」でも披露されていた。
おそらく「evolutio」でお披露目をした上で、全公演終了後に配信する予定だったのだろうが、なぜかそれは実現しなかった。
その事情は不明だが、あるいは「evolutio」開催直前の小室逮捕が配信中止に関わっているのかもしれない。


この1年後、2009/10/21にはU_WAVEの3枚目のCDシングル「Beat Call the Moment」がリリースされたが、これにはRevoは関与していない。
作詞は畑亜貴という人で、アニメソングを多く手掛ける作家だが、ウツとの関係はとくにうかがわれない。
この曲は深夜テレビドラマ「俺たちは天使だ! NO ANGEL NO LUCK」後期のエンディングテーマというタイアップがついていたが、そのことが関わるのかもしれない。
Revoはこの頃レコーディングされた他の楽曲にも関わっておらず、この段階でRevoによるU_WAVEへの歌詞提供の構想は失われていたと見られる。


「Beat Call the Moment」リリースに先立つこと1ヶ月前の2009/9/12~27には、U_WAVEのライブ第4弾として、東京・横浜・大阪で「Revolutio」が開催された。
「evolutio」に続く公演という位置づけだった。
ツアータイトルにもアピールされている通り、この段階ではRevoも本ツアーにも参加したが、これがRevoが参加する最後のU_WAVEの活動となった。


これに先立つ4月には、U_WAVE発足以来のメンバーだった石井妥師が脱退した。
石井はT.UTU with The Band時代以来の仲間だったが、以後ウツとともに音楽活動を行なうことはなくなった。
ウツにとっては寂しいことだっただろう。
代わってベースとして、岡本崇志が参加した。
6月頃にオーディションで選抜したものという。
岡本のU_WAVE参加はこの時だけだった。


U_WAVEは結成以来、森が作詞、石井と土橋が作曲・編曲という体制を取った。
しかし2008年に森、2009年に石井が抜けた。
作曲は以後、大部分を土橋が担当するようになる。
作詞は短期的にRevoが関わったが、それは2008年の3作に留まった。
U_WAVEは2009年の時点で、大きく編成を変えたことになる。


こうした中でU_WAVEの楽曲制作に関わってくるのが田中花乃である。
これ以前も2005年の「Spin Off from TM」の前後に配信曲として発表された「Magenta」「We are the sound」の作詞を担当していた。
U_WAVEに関わるようになるのは、2009年のシングル「Beat Call the Moments」のカップリング曲「12個のkeynote」からである。
これ以後田中は作詞担当という謎の役割で、U_WAVEの正式メンバーとなった。
さらに2010年代には、宇都宮隆名義の「TRILOGY」「mile stone」でも一部楽曲の作詞をするなど、ウツの作品に関わり続けている。


メンバーの出入りと並ぶ大きな変化が、楽曲発表の方針である。
本来U_WAVEはポエムリーディングを伴うコンセプチュアルなステージと、毎月の音源配信による新曲発表を活動の柱としていた。
だが後者の音源配信は、U_WAVEとしては活動の中断とともに行なわれなくなった。
2006年12月から2007年8月までは宇都宮隆名義で行なわれたが(「Spin Off from TM 2007」の開催に伴う)、TMが活動の準備を始めると、2007年9月からはそれも行なわれなくなった。
2007年11月からは野村義男とのトークが、ポッドキャスト「千夜一夜物語」として、不定期ながらほぼ毎週のペースで配信されたが、これはTM活動中の音源配信中断を補うべく企画されたものといえる。

2008年にU_WAVEが活動を再開すると、先に述べたように2曲のU_WAVE楽曲の配信が行なわれた。
しかし「evolutio」の後に予定されていた「Wave of memories」の配信中止とともに、U_WAVEの音源配信は最終的に途絶えてしまう。


2009年9月の「Revolutio」開催前後になっても音源配信は復活せず、新曲「Beat Call the Moments」はシングルCDでの発表になった。
シングルのリリース時には、他にも候補曲として「come back to us」「notice」「always」がレコーディングされたが、これらもしばらくお蔵入りとなり、2006年の既配信曲や先述の「Wave of memories」、新曲「Last Voyage」とともに、2010/6/28にCDアルバム「U_WAVE 2 FRE-QUEN-CY」に収録された。
(なお、なぜか「ルナ」は未収録)
これがU_WAVEの2ndアルバムである。


第1期U_WAVEならば、「come back to us」以下の楽曲は、「Revolutio」が開催された2009年9月前後から順次配信していたはずである。
しかしこの時は、これらの楽曲を配信せずに、まとめてCDにすることを選んだ。
楽曲配信を軸に据えるというU_WAVEの構想はすでに行なわれなくなって久しくなっていたが、「Beat Call the Moment」以後も復活されなかった時点で、完全に放棄されたと言って良い。


ポッドキャスト「千夜一夜物語」も、「Revolutio」が終わるとともにその使命を終えた。
正確な配信日は把握していないが、公式サイトのディスコグラフィを見る限り「Revolutio」の特集(2009年9月頃)の後は3回の配信が行なわれたのみである。
最終回(第50回)に流された「Last Voyage」「U_WAVE 2」の1曲なので、最終回の配信はおそらく「U_WAVE 2」リリース前後の2010年6月頃だろう。
だとすればそれまで9ヶ月前後の間に「千夜一夜物語」は3回しか配信されなかったことになる。
ウツ周辺の音源配信からの撤退の様子がよく分かる。


U_WAVE自体も息切れを迎えたものか、「U_WAVE 2」リリースとともに2度目の活動休止に入った。
これと前後して2009~12年のウツは、2004年以来中断していた宇都宮隆名義の活動を再開する(ただしそれまでもディナーショーなど小規模な活動では宇都宮隆名義を用いていた)。
ウツが2005年に始めたU_WAVE中心の活動は、ここにひと段落する。


以上、第2期のU_WAVEの動向をまとめてみた。
概して言えば迷走としりすぼみの時期という印象がぬぐえない。
ただしウツはこの時期、U_WAVEのみを行なっていたわけではない。
「Revolutio」の直後の10/3~11/14に、追加の2公演を含む全国16公演のツアー「SMALL NETWORK Fence of Defense」を開催している(11/7以後の4公演は追加公演)。
ウツのソロツアーの規模としては、2000年代で最大のもので、tribute LIVEと比べても大差ない規模だった。


「SMALL NETWORK」は、2004年以来長らく開催されていなかった宇都宮隆名義のツアーだったこととともに、TM NETWORKの楽曲を演奏したことでも注目されるところである。
ウツは7月にこのツアーを発表した際に、「25周年に敬意を表して僕なりのLIVEが、SMALL NETWORK」というメッセージを出している。
ここでいう「25周年」とは、年数から見て明らかにTM NETWORKの25周年を意味している。
ツアータイトルに「NETWORK」が含まれるのも、そのためである。


つまりウツは、2009年のTM25周年企画が実現できなかったことを踏まえて、自分なりのTM25周年ライブをやろうと言ったのである。
ただしあくまでもソロライブの枠内で、TMの3人の中の1人で行なう企画ということで、タイトルに「SMALL」を冠した。
ウツは「みんなきっとさ、実際には待っててくれたはずだから」ともコメントしている。


当然ながらこの企画は、TM25周年が計画されていた2008年の段階では存在しなかったはずである。
小室の逮捕によってすべての企画が流れてしまったことを踏まえ、ウツなりにファンに向けて25周年企画を催したのである。
この企画がいつ立ち上がったのかははっきりしないが、7月にツアー開催が告知されているので、2009年上半期中に企画されたものということになる。


それにしてもツアー日程が「Revolutio」と極めて近接しているのは、ウツも大変だっただろう。
「Revolutio」最終公演と「SMALL NETWORK」初日公演の間は、1週間しか空いていない。
サポートメンバーがすべて違った上、2009年になってから企画されたため、スケジュールの調整が困難だったと考えられる。


そのためウツは「SMALL NETWORK」のリハーサルにもなかなか来られず、「あんなに歌っていないリハは初めてかも」と言っている。
ウツも本来はこのような無謀なスケジュールでの活動は望んでいなかった。
しかし自分なりの「25周年」は、どうしても「25周年」の年の間に開催したかったのだろう。


なお本イベントとは関係ないが、2010年にはウツと木根が2人でMEDIUM NETWORKを名乗ったことがある。
SMALLよりも多くTM本体よりも少ないということで、MEDIUMとしたのだろう。
この名義は2010/9/25・26に品川プリンスホテルステラボールで開催されたガンダム関連イベント「GUNDAM LIVE ENTERTAINMENT SOUL G+」出演した時に用いたものである。
この時2人は「Beyond The Time」を演奏した。


「SMALL NETWORK」のサポートメンバーは、ギター北島健二、ベース・キーボード西村麻聡、ドラム山田亘の3人だった。
つまりFence of Defense全員がそのままサポートについた。


Fenceは80年代にTMのサポートやレコーディングにも参加した面々であり、TM25周年企画に協力を仰ぐには最適な面々だった。
これ以前、2003・2005・2007年に開催されたtribute LIVEでは90年代のサポートメンバーが参加したが、ソロツアーとしてソロ曲を入れることも念頭に置いて、tribute LIVEとは別企画という側面が強調できる面子にしたとも考えられる。
なおこのライブでは、シンセのフレーズの一部は西村が演奏したが、シンセのほとんどは生演奏ではなかった。
バックステージでハードディスクから流されたものと思われる。


この頃はFenceの活動も断続的になっており、彼らの活動はウツと連動することも多かった。
Fenceは1999年に一度活動を休止した後、2003年に復活したが、これはウツが同年のソロツアー「Tour wantok」で、3人にサポートの話を持ち掛けたことがきっかけだった。
「Tour wantok」の終了直後、彼らは久々のFenceとしてのライブを開催している。
Fenceはそれ以後コンスタントに新作をリリースし続けた。


Fenceは「SMALL NETWORK」も活動のアピールに利用しており、「SMALL NETWORK」終演後の2009/11/25には、1989年の武道館ライブ「2235 Zero Generation 完結編」と同じ曲を演奏する(ただしまったく同一ではない)「2235 Zero Generation Update」を、CLUB CITTA' 川崎で開催している。


「Tour wantok」ではFence以外にもサポートメンバーがいたが、「SMALL NETWORK」では3人以外にメンバーがおらず、完全にウツ+Fence of Defenseという布陣になった。
そのため「SMALL NETWORK」は、Fenceの存在感が強いステージとなった。
Fence楽曲の演奏時間も、ウツの休憩時間を兼ねて長く設けられた。
ただし11/13・14の追加公演のJCBホール2公演のみ、葛城哲哉と浅倉大介がゲストで数曲参加した。


Fenceのサポートを踏まえて、ツアーの正式タイトルは「Takashi Utsunomiya SMALL NETWORK Concert Tour 2009 Fence of Defense」とされ、略称されて「SMALL NETWORK Fence of Defense」とされた。
英語としてはさっぱり意味が分からないタイトルだが、要するにウツとFenceによるライブツアーということだった。


なお3人の中でも特にウツと仲の良い山田亘は、翌2010年にDJ KOOとのユニットWILLにウツをゲストボーカルとして迎えて新曲をリリースし、ウツのソロライブ「Jumping Jack Show」でもWILLでサポートを行なった。
さらに2012年のイベント「All That Love」でのTM NETWORK再結成でも、ウツの意見によってFenceがサポートを務めた。
FenceはTM25周年企画中止以後TMの再開まで、3年間にわたりウツ・TMと関係し続けたことになる。


演奏曲には日替わりもあったが、1度のライブで演奏される曲数を見るに、TMが9~11曲、ウツソロが5~6曲、Fence曲が4曲で、TMが約半分を占めた。
TM曲は再始動後の各アルバムから計4曲が選曲されており、単なるヒットメドレー的な選曲になっていないところはウツらしい。
ウツソロ曲も90年代のライブ定番曲ではなく、2000年代の曲が中心だった。
選曲は色々と考えたようで、ファンが聞きたい曲やFenceに合いそうな曲を選んだという。
実現はしなかったが、TM曲としては「Girl」を演奏する案もあったという。


以下、ライブの流れを簡単にまとめておこう。
ライブのオープニングはFence3人の演奏から始まる。
ロックテイストの、緊張感がある演奏だ。
セットリストでは具体的な曲名がないので、ライブ用のオリジナル曲だろう。


3人の演奏が終わると、「START」の声が会場に流れ、ウツが登場する。
「Be Together」「Kiss You」と、「humansystem」のTM曲が続く。
「Be Together」サビ前のクルリパフォーマンスは、北島・西村も付き合ってくれた。


「Kiss You」は西村のベースが映える。
間奏ではベースソロも設けられた。
ロックバンドがサポートにつくと、魅力が増す曲である。
Fenceに合うとして選ばれた曲の一つはこれだと思う。


「Get On Your Express」
「Spin Off from TM 2007」の時に配信され、ライブでも演奏されたウツソロ曲である。
ソロ枠の選曲ではあったが、TMファンにも多少なじみのある曲ではあった。


短いMCが入り、4曲目はTMの「Pale Shelter」
「Major Turn-Round」から、意外な選曲である。
これ以後ライブ本編で演奏されたTM曲の多くは、再始動後のアルバムからの選曲となっている。
なおJCBホール公演では、ここでゲストとして葛城哲哉が登場し、1曲だけ演奏した。
以後葛城は主にTM曲だけで登場し、演奏に参加した。


次いでウツソロ曲からバラード2曲が続く。
曲は「the long night is over」「Sing A Song, miss clear light」である。
私はこのライブに参加するまで両曲とも知らなかったが、良い曲だと思う。
なお追加のJCBホール公演のみ、「Sing A Song, miss clear light」「Call」に差し替えられた。


2度目の長いMC。
ウツが3人の紹介をし、4人の雑談が繰り広げられた。
11/3のZepp Sapporo公演以後は、この時間に楽器オーディションコーナーが行なわれた。
ステージ上のメンバーでいろいろな楽器を毎回挑戦するというもので、Zepp Sapporo公演ではドラム、11/7のなんばHatch公演では電子ピアノ、11/8のZepp Nagoya公演ではフルート、11/13・14のJCBホール公演では尺八が披露された。


次はTMの「SPEEDWAY」から「Diving」「Pride in the Wind」が演奏された。
「Diving」は2021年現在で、TMのライブ映像が存在しないため、これが唯一のライブ映像ということになる。


「Diving」はツアー前期にはウツ・北島・西村3人で並んでアコギを演奏し、山田はパーカッションを担当した。
しかし福岡での打ち上げの話がもとで、10/31のZepp Sendai公演以後は、山田も前に出てアコギを弾くようになった(パーカッションはハードディスク音源)。
JCBホール公演ではさらに葛城も加わり、5人のアコギ演奏となった。
最後の「ラララララ」の部分は、全員で合唱が披露された。
次の「Pride in the Wind」は、西村のベースが加わったことで、「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」とは少し異なった趣になっている。


ウツ、「Fence of Defense」と言って退場(JCBホール公演では葛城も退場)。
この後はFenceのステージとなる。
1曲目は最新アルバム「円游律」収録の「Spiral Rondeau」
プログレッシブロックを意識した複雑な構成の曲を弾きこなした。


西村を中心にFenceのMCが入り、その後は日替わり曲コーナーが設けられた。
「時の河」「Fathia」「Midnight Flower」「Sara」などの過去曲や、「The Seed of Light」「Wave of Delight」などの新曲が披露された。


Fence2曲目が終わると、舞台袖からウツがエレキギターを演奏しつつ登場。
ウツがギターで演奏に参加する「君にムチュムチュ」で、Fenceコーナーは終わる。
演奏が終わると、西村が「リードギター宇都宮隆! サイドギター北島健二」と紹介。


ウツの軽いMCを挟み、TMの「Self Control」
ただしこの時は、西村麻聡が企画した「Pop Meets Jazz」のアレンジで演奏された。
私はこのアレンジの「Self Control」が演奏されることは想定していなかったので、ライブ会場で聞いた時は意表を突かれたが、西村が参加しているのだからあり得る選曲だった。
このメンバーだからこその演奏だったと言えるだろう。


西村のシンセのイントロで始まるTMの「Screen of Life」
JCBホール公演では、葛城哲哉がここで一曲だけ再合流する。
「Double-Decade “NETWORK”」の時とは異なる生っぽさを感じる演奏である。
アウトロではオリジナルにないフレーズが加わっている。


ウツが退場し、山田亘のドラムソロ。
さらにFenceの「クロスロード・パズル」につなぐ。
途中でウツ(とJCBホールでは葛城)がステージに登場し、続いてソロ曲「Howling」「Dawn Moon」を演奏した。
「クロスロード・パズル」から「Howling」は、盛り上がる流れである。


「Dawn Moon」「Spin Off from TM」の時に配信された曲で、「Spin off from TM 2007」で演奏されたこともある。
「Spin Off from TM」で演奏された「Get On Your Express」とともに、TMファンにも聞き覚えがある曲として選ばれたものだろう。
浅倉の曲だったこともあり、JCBホール公演ではこの曲で浅倉がゲストとして登場した。


本編最後はTM曲で締める。
ここは日替わり曲で、「Get Wild」「Love Train」のどちらかが演奏された。
演奏が終わると、ウツは「どうもありがとう。最高です!」と言い、他のメンバーと一緒に退場した。


アンコールの声を受けて、ウツたちが再登場。
JCBホールでは、葛城・浅倉も一緒に登場した。
アンコール曲はウツソロの「Dance Dance Dance」とTMの「You Can Dance」だった。
ただし10/18Zepp Tokyo公演からは、「You Can Dance」「Come on Let’s Dance」に代わる日もあった。
いずれにしてもここでは、曲名に「Dance」が付く盛り上げ曲が演奏された。


11/13JCBホールのセミファイナル公演では、「Dance Dance Dance」「All-Right All-Night」に変更され、TM率が増えた(もう一曲は「You Can Dance」)。
11/14の最終公演のアンコールもこれと同じだったが、この日はさらにダブルアンコールとして「Come on Let’s Dance」も用意され、本編最終曲から4曲続けてのTM曲演奏となった。
ダブルアンコールが終わると、ウツは最後に「どうもありがとう、みんな」と告げて退場した。
退場曲はなぜかDaryl Hall & John Oates「Everytime You Go Away」だった。


なお「SMALL NETWORK」では、ウツ52歳の誕生日だった10/25のZepp Fukuoka公演のみ、アンコールの冒頭でFenceの演奏に合わせて観客みんなで「Happy Birthday To You」を歌う演出があった。
この日はファンからウツに向けて、誕生日を祝うメッセージカードを書くこともできた。


以上でウツの2009年の主な活動は終わったが、12/26にはホテル日航東京で「Premium annual concert dinner show 2009」が開催された。
以前触れた通り、ウツは2006年に初めてFC向けの年末ディナーショーを開催し、2007年にはソロ15周年企画として、ディナーショーのツアーを開催した。
2008年にはホテル日航東京で12/23に「Premium annual concert dinner show 2008」が開催されるが、これ以後ウツは少なくとも現時点では、2020年までは年末ディナーショーを恒例化している。
2014年まで、会場は毎年ホテル日航東京だった(ただし2014年のディナーショーはTM NETWORK名義)。


ディナーショーではトーク等の他、ミニライブも行なわれた。
2007・2008年には土橋・石井・山田や是永巧一・葛城哲哉など、かつてのT.UTU with The Bandのメンバーが集められた。
2009年には石井のU_WAVE脱退を受けてベースが西村麻聡に代わり、山田と合わせて2人がFenceメンバーになった。
T.UTUメンバーという縛りがなくなったためか、ギターは葛城のみになり、是永は参加しなかった。


ディナーショーは私自身さほど興味もないので詳しくは触れないが、2009年には冒頭でTMの「MESSaGE」が演奏されている。
一方2008年は、小室逮捕直後・裁判開始前という微妙な時期だったこともあってか、TMの曲は演奏されなかった。


これまでウツは毎年のソロツアーの映像を、翌年ライブDVDとしてリリースしてきた。
2004年以後は事務所M-tres名義のインディーズ盤となるが、現在まで継続的にリリースされている。
具体的には、2004年のソロツアー「Tour Overtone」、2005・2006年のU_WAVEのツアー、2007年のディナーショーツアー「Solo 15th Anniversary」は、翌年にライブDVDがリリースされている。


さらに続いて2008年のU_WAVE「evolutio」、2009年の「SMALL NETWORK」もDVD化された。
「SMALL NETWORK」直前に開催されたU_WAVEの「Revolutio」は商品価値が低いと判断されたものかDVD化されていないが、ともかくこの間は、毎年1本はライブDVDのリリースが見られた。


ところが2007年の「Solo 15th Anniversary」がDVD化されたのを機に(そもそももこの年は他にソロライブがなかった)、2008年以後も通常のライブDVDに加えて、ディナーショーのDVDも別に商品化されるようになった。
曲数は通常のライブDVDよりも少ないのに値段は同じという、謎の価格設定だった。
売上も限られたと見られ、ディナーショーは2011年の公演(2012年DVD化)を最後に、DVD化されなくなった。

(2021/10/26執筆、11/1加筆)

How Do You Crash It? one、配信開始!

Everyone Makes Mistakes.
Everyone Makes Mistakes.
How Do You Hit? How Hit?
How Do You Crash? How Crash?

Everyone Makes Mistakes.
Everyone Makes Mistakes.
How Do You Hit? How Hit?
How Do You Crash? How Crash?

今朝も鏡覗き込む
自分が誰なのか日ごとに
分からなくてなってゆくたび
無性に森を歩きたい

遠くから喧騒が幻想とともに響いてる
文字情報と踊ってる
そしてアプリケーションと舞っている
何よりも最優先する君に
誰よりも声を届けたい

未来は止まらない
地球も止まれない
二人で抱き合って
明日を迎えたい
ささやかな夢

Everyone Makes Mistakes.
Everyone Makes Mistakes.
How Do You Hit? How Hit?
How Do You Crash? How Crash?

Everyone Makes Mistakes.
Everyone Makes Mistakes.
How Do You Hit? How Hit?
How Do You Crash? How Crash?


2021/10/9についに配信された、TM NETWORK再起動ライブ第1弾「How Do You Crash It? one」
御覧になった方々の多くは、好意的な意見を表明されているように見えますが、皆さんはいかがでしょうか。
私は…TMが動くことは本当に嬉しかったんですが、実は内容はそこまで期待していませんでした。
今回は一度引退した小室さんのリハビリのために、短くても一回ライブをやってみるのは良いことだ、くらいの思いでした。


ところが小室さん、この3年間で醸成されたものが一気に噴き出してきたのでしょうか。
演出もアレンジも、冒頭からかなり攻めて来ました。
おいおいおいおい、なんだか夢中になっちゃうよ、涙出ちゃうよ、と困惑しきりでした。

要するに、とっても良いライブだったよ!てことです。


事前に告知されたように、新曲「How Crash?」も演奏されました!
冒頭に挙げた引用は、ライブ映像から「How Crash?」の歌詞を聞き取ったものになります。
おそらく間違いもあると思いますので、その前提でご覧いただければと思います。


ただし今回「How Crash?」は1番しか演奏されませんでした。
「Tetsuya Komuro Studio」でも、最初は全部演奏されないみたいなことを言っていましたので、2番以後は「How Do You Crash It? two」以後に披露されるのだと思います。
あるいは「one」では1番の歌詞、「two」では2番の歌詞に対応した内容になるのかもしれません。


「How Crash?」のサビは口ずさみやすい優しいミディアムテンポのフレーズです。
「Action」みたいな印象でしょうか。
個人的にはBメロ(未来は止まらない~)のところは歌謡曲みたいな感じで、あんまり好きじゃないんですが、イントロから冒頭のサビの流れはとても好きな作りです。
多分今回の再起動の象徴みたいな曲になると思います。


歌詞はまだ1番しか明らかになっていませんが、2004年の20周年以来のTM楽曲と同様、小室さんの心情を歌ったもののように見えます(ここでは小室さんの作詞であることを前提とします)。
たとえば「今朝も鏡」以下の歌詞は、悩んでいる自分の日常を歌っているのでしょう。


「遠くから」以下では、大量の文字情報がやりとりされている中で、ファンである「君」に最優先で自分の声を届けたいと言っています。
また世間一般よりも自分を支持してくれるファンとふれあいたいという発想は、今年に入ってClubhouseや「Tetsuya Komuro Studio」でファンを相手に発信を行なっている今年の活動形態を髣髴させます。
おそらく「How Do You Crash It?」シリーズそのものを含むものでもあるでしょう。


小室さんは「未来は止まらない 地球も止まれない」と言って、変化する現状を受け止めて未来に向けて動こうとします。
これに続く「誰しも間違いを犯すとして、どうやって現状を壊して前に進む? どうやって正解を見つける?」というサビのフレーズ(意訳)は、要するに過去に失敗にとらわれず事態を前に進める意志を前提として、どうやって前に進んでいくかをファンに対して問うていると考えられます。
小室さんはライブタイトル「How Do You Crash It?」の意味として、後述の「WOW Music」で、「今のこの状況・生活みたいなのを、どう壊して次に進もうかというような意味あいがあって」と述べており、「Crash」のキーワードは「破壊」よりもその結果可能になる「前進」に重きを置いて用いているようです。


なお小室さんはファンに対して前に進む方法を問うていますが、これは実際には、小室さん自身が抱えている悩みをファンにぶつけているものと考えられます。
それはかつて、小室さんが再起の意志を表明した「Screen of Life」で、「あなた」に対して「目覚めてるんでしょ? 動かないのですか?」と問いかけたのと同じ文法なのだと思います。


この「How Crash?」を初披露した配信ライブ「How Do You Crash It?」の内容についても、以下で見ていきましょう。
ライブの冒頭は、一人の少女がある部屋に入るシーンの映像で始まります。
この少女については、10/8のTMオフィシャルtwitterに、以下のようにあります。

2015年、任務を完了し姿を消した三人。
バトンは残された潜伏者たちに託された。
How Do You Crash It?三人が戻ってくる。
そのきっかけを作ったのは、ある少女だった。


この少女が何者かはこれだけでは分かりませんが、重要な役どころのようです。
おそらく「two」「three」にも登場するのでしょう。
またこのtweetからは、「How Do You Crash It? one」が、TMが2015年の「30th Final」でファンにバトンを託し地球を去った後の物語となっていることを読み取ることができます。
TMはこの少女の行動がきっかけとなって、地球に帰ってくるようです。


少女の入った部屋には正面・左右に三台のシンセが置かれています。
多分正面がMoog One、左右がMoog Subsequent 37のようです。
今回はライブ中でも、YAMAHA MONTAGE 7、YAMAHA CP88?、ACCESS VIRUS TI、ACCESS Indigo等の他、Moog Oneが多用されていました。


右のシンセが起動します。
このシンセの液晶には「one」の文字が映し出されています。
おそらく正面と左のシンセが「two」「three」で、次回以後起動するのだと思います。


少女は右の「one」のシンセの鍵盤を押してみます。
すると部屋の奥にあるモニターにバトンが映し出されます。
あるいは少女の手元のバトンがモニターに吸い込まれたのかもしれません。
そしてこのバトンは、回転した後に粉々に砕け散ります。
これが「How Do You Crash It?」の物語の幕開けとなります。


場面は半球体構造の部屋。
おそらく宇宙船の中でしょう。
3人が、宇宙船の中を舞台とした2014年のツアー「the beginning of the end」の衣装を着ていることからも、そのことは推測できます。


今回の舞台装置で注目すべきは、彼らの周りに漂っている数十もの三角形の物体です(これなんて表現すればよいんだろう?)。
これは様々な色に発光しながら、様々な形の隊列を組みながら宙を動き回ります(上から糸で動かしているようです)。
これがどういう機材なのか分かりませんが、また面白いものを出してきました。
多分PCのアプリケーションを使って動かしているのでしょう。
この三角形は30thの時と同様に、3人で構成されるTM NETWORKを象徴する形でもあるのでしょう。


もう一つ注意すべきは、演奏が3人だけで行なわれており、サポートメンバーがいないことです。
これまでも2014年の「Quit30」ではギターの松尾和博さんとドラムのRuyさんが舞台裏で演奏し、ステージには3人しか出ていないということがありましたが、今回は(木根さん以外の)ギターもベースもドラムも生演奏ではなく、シンセのようです。
木根さんのtweetにも「三人だけによる最新パフォーマンス」とあり、サポートには言及していません。


これまでも1984年の「Elecrric Prophet」では3人+マニピュレーター、2004年の「Double Decade "NETWORK"」では3人+ギターという編成が試みられましたが、3人だけのライブというのは今回が初めてです。
小室さんはデビュー当初から最小限の人数でのライブを目指していましたが、配信ライブという形態もあり、このたびそれがようやく実現した形になります。
あるいは再起動TM NETWORKは、今後も3人だけで行くつもりなのかもしれません。


さて、配信ライブは宇宙船内の3人の映像になります。
BGMは「Electric Prophet」で、バトンが砕けた場面から流れます。
このライブが「Electric Prophet」で始まるのは、この曲が「30th Final」のエンディングで使われた曲だからであり、つまり「How Do You Crash It? one」の冒頭が「30th Final」の続きのシーンであるためと考えられます。


30thのライブでは、宇宙船内の物語である「the beginning of the end」のラストと、TMが宇宙船から地球に降り立った物語である「START investigation」の(ウツ登場の)1曲目がともに「Beyond The Time」とされ、またTMが過去にタイムスリップして終わった2015年の「Quit30 Huge Data」のラストと、タイムスリップしたTMが地球に降り立った物語である「Incubation Period」(初日)の1曲目がともに「Fool on the Planet」とされるなど、物語の連続性を意識したセットリストを組んできました。
今回もそれと同様の演出をしてきたことになります。


この曲はTM NETWORKのテーマソングであるにもかかわらず、30thでは「Incubation Period」でしか歌ってもらえなかったので、とても残念に思っていたところでした。
イントロが流れている間も、「どうせ歌わずにオープニングSEとして使われるだけだろう」とヒネたことを考えていたこともあり、ウツが歌い出した時は大歓喜でした!


ただ原キーで歌うのはつらかったのか、ウツはこの曲をキーを下げて歌いました。
それに伴い、歌い方も昔とかなり変わっていました。
こういうのを見ると、やはりTM再起動は早く行なうべきだったと感じます。


今回「Electric Prophet」が歌われたのは1番だけで、2番と3番は飛ばされました(それでも7分くらいあったんですけど)。
「Incubation Period」で演奏されたのは3番とサビ繰り返しだけでしたので、なかなかフルコーラスで演奏されない曲です。
今のところフル演奏の最後は2001年の「Tour Major Turn-Round」ですから、なんと20年前となります。
まあ長い曲だから仕方ないのかもしれませんが、この曲だけは今回の再起動の間に、なんとか一度フルでやってほしいです…!!


次は「I am 2013」
今回は前回の30thを代表する曲を、2曲目に持ってきました。
木根さんはギターをアコギからエレキに持ち換えます。


1曲目に昔の大事な曲、2曲目に少し前に発表した新しめの曲を演奏するというのは、2000年の「Log-on to 21st Century」「Kiss You」「Happiness×3 Loneliness×3」)や2012年の「incubation Period」「Fool on the Planet」「Action」)など、長期の活動休止後の再開1回目のフルライブで良く見られるパターンです(今回が「フルライブ」なのかは微妙なところですが)。
三角形の物体は「Elecric Prophet」の終盤ではDNAの二重螺旋状に動いていましたが、「I am」のイントロでは3人の頭上に規則的に並んで発光し、宇宙的な雰囲気をよく出していました。


「I am」最後のサビ繰り返しの後は、通常のアウトロにつながらず、突如違う曲が始まります。
照明も突然暗くなるので、驚きました。
曲は新曲「How Crash?」です。


この曲から3人の衣装が変わります。
とはいえ上に着ている服を白いYシャツに変えただけなのですが、気になるのはイントロの途中で回転するバトンの映像が出ることです。
おそらく冒頭の少女によって3人にバトンが届けられたのは、この時だったのです。


逆にいえばその前の2曲はバトンが届く前、「30th Final」の後の母船の様子であり、だから「30th Final」のエンディングと30thのテーマ曲が歌われたと考えられます。
これに対してバトンが届いた後は、新しい物語として「How Crash?」が歌われます。
衣装はこの間の時間の経過、または段階の変化を表現するものとして用いられていると考えられます。


「How Crash?」が1番だけ演奏されると、木根さんが宇宙船内の三角形と交信します。
三角形には地球の様子が次々と映し出されますが、その映像はいずれも2014年の「Quit30」や2015年の「Quit30 Huge Data」で使われたものです。
実際にはTMには前回地球に降り立って以降の情報が伝えられたことを表現しているのだと思われます。


なぜこの時TMに新しい情報が届いたのかといえば、それはバトンが届けられたからにほかなりません。
冒頭ではバトンがモニターの中で砕け散りましたが、おそらくバトンが砕けると、中に保存された情報が3人のところに届くことになっているのでしょう。


自分たちが去った後の地球の様子を知った3人が最初に演奏するのは、「Action」です。
「僕の行動を君に知らせたい」「僕に行動のチャンスをもう一度与えてくれ」と歌うこの曲によって、TMは地球の新事態に向けて行動を起こすことを宣言したのだと考えられます。
今回この曲が演奏されるのは意外でしたが、私としては大変嬉しかったです。
小室さんとしては、再起を誓ったこの曲の歌詞は、今の心情に近かったのかもしれません。


今回のセットリストは、1999年の再始動以後の曲が半分程度を占めており、ただのヒットメドレーライブになっていないことは評価できるところです。
実は私、今回は復活一回目だし、87年前後の曲ばかりを演奏するヒットメドレーライブになるんだろうと思っていたのですが、その予想は良い意味で裏切られました。


今回の「Action」のアレンジは、シンセのキックドラムを強調した「Incubaiton Period」に準拠していますが、音は違います。
生楽器がなくなったことで、印象が変わった曲の一つだと思います。
シンセで新しいフレーズを入れるなど、色々とこれまでと異なるアレンジとなっていました。


次はまた意外な選曲、「1/2の助走」です。
1994年の「TMN 4001 Days Groove」以来の演奏となります。
歌い方は27年前のような力を入れた歌い方と違い、さらりと歌い上げました。
なおこの曲では、ウツがアコギを持ち、木根さんはシンセを担当しました。
小室・木根のツインキーボードでの演奏は、「TMN 4001 Days Groove」の時と同じです。


この20年間、木根バラの選曲てほとんど固まっていて、一部の曲以外まったく演奏されなくなっていたんですが、ここらへんをやってくれるんなら、もしかして「愛をそのままに」「Winter Comes Around」「Tender Is The Night」とかをやってくれる可能性もあったりするのでしょうか?
ちょっと「two」「three」に期待しちゃうんですが…


次は小室さんのバラードから「Green Days 2013」
木根さんはアコギを演奏します。
これまた意外なところが出ました。
これまで6曲中、「Electric Prophet」「1/2の助走」を除く4曲が再始動後の曲です。
さらに言えば例外の2曲は、どちらもデビュー年の1984年の曲です。
なんだか今回の選曲、ものすごいマニアックなところを攻めますね。


場面が暗転し、鍵盤を叩く小室さん登場。
3人の衣装が「the beginning of the end」のものに戻っています。
シンセから飛び出る「ジャジャジャジャ」の音と「Get Wild and Tough」のサンプリングボイス。
「Get Wild」です。
これまでもライブの見せ場となってきたこの曲ですが、「Get Wild Song Mafia」のリリースや、「Get Wild」退勤などで、この曲が広く注目されるようになってから、初のTMによる「Get Wild」となります。


サンプリングボイスの後は、新フレーズのイントロが続きます。
この部分、かっこいいですねえ。
30thの時の「Get Wild 2015」のイントロは、基本的にシンセのプリセットのフレーズを組み合わせていましたが、これは自分で作っているんじゃないでしょうか(違うかもしれないけど)。


イントロ途中で木根さんのギターを挟んで次の展開につなげるのは「Get Wild 2015」と同じです。
木根さんの弾くフレーズも同じでしたし、その後のシンセも「Get Wild 2015」の雰囲気を少し残していました。
なお木根さんはこの曲でダブルネックギターを装着しました。
(片方のネックは上記のイントロの見せ場で使用)
これは珍しいですね。


オリジナルのイントロにつなげて歌に入る流れは「Get Wild 2015」の流れを汲んでいます。
歌に入ってからの演奏も「Get Wild 2015」に準じており、今回のアレンジは「Get Wild 2015」の進化系というべきでしょうか。
間奏でもイントロの新フレーズが流れ、宇宙船型のステージには火焔の特効が炸裂します。
全体として、とても攻撃性の強い「Get Wild」だったという印象です。


続いて大幅にアレンジを変えた「We love the EARTH」
正直、歌が始まる直前まで何の曲か分かりませんでした。
こちらは「Get Wild」と逆に、マイナー進行で勢いを抑え気味にしており、軽快なポップソングだった原曲からはかなりかけ離れたアレンジとなっています。
背後で鳴っているシーケンサも相まって、とても神秘的でスペイシーな雰囲気を出しています。
サビはウツのボーカルを前面に出すアレンジとなっていますが、この部分はティザー映像にも出ていましたね。
小室さんは「Tetsuya Komuro Studio」で、今回の「We love the EARTH」はファンの方に聞いてほしいと言っていましたが、まさに今回の目玉の曲だと思います。


最後に演奏するのは「Seven Days War」
3人の衣装は、またYシャツ姿になります。
ここまで新しめの曲やアレンジが一変した曲で不安に陥ったファンを安心させるためか、定番曲でしっとりと締めました。


以上9曲の演奏が終わると、宇宙船はまっくらになります。
すると配信画面には冒頭の少女がまた現れます。
場所はどこだか分かりませんが屋外で、日中の川沿いの街です。


前を見てほほ笑んだ少女の前には小室哲哉。
少女が届けたバトンの情報を得て、3人は地球に降り立ったのでしょう。
終盤で「We love the EARTH」を演奏したのは、宇宙船にいながら地球のことを思っていた3人が、また地球に降り立つことを決意したことを示していると思われます。


ここで映像は終わり、画面には「to be continued」の文字。
12月の「How Do You Crash It? two」に続くというわけです。
どうやら次回は地球編になりそうです。


配信画面には最後にセットリストが映り、さらに「All Produced by Tetsuya Komuro」のクレジットで締めます。
これにて第一話完、ということになります。
この間に流れていたエンディングテーマは聞いたことがありませんが、将来TMの曲となるのでしょうか。
それとも今回だけのテーマ曲となるのでしょうか。


以上が今回のライブの内容となります。
あれ?
そういえばウツや木根さんのサイトでは、「「Get Wild」「BE TOGETHER」「SEVEN DAYS WARr」などヒット曲を中心としたライブパフォーマンス」があると書いてあったんですが、「Be Together」
何かの手違いでしょうか。


冒頭で書きましたが、今回はかなり攻めた内容で、収録済み映像の配信だったとはいえ、私の予想以上に素晴らしい内容でした。
小室さんも後述の「Innovation Festa」のトークで、「自分でもよくできているかなと思いました」と言っていました。
まだ見ていない方は、10/17まではアーカイブで見ることができるので、是非どうぞ! お勧めします!


「How Do You Crash It? one」のレポートについては、私のブログよりも早く、ふくりゅうさんがライブ配信4時間後にYahoo!ニュースに掲載しています。
もしかしたら事前に映像を見て用意していたものかもしれません。

ご本人のtweetによれば、ライブを見て夜中1時過ぎに書き上げたものとのことでした(10/16追記)。


さらにウツの誕生日の10/25には、「Sound & Recording Magazine」12月号が発売されます。
こちらは巻頭に今回のライブのレポートと小室さんのインタビューが掲載されます。


また今回のライブのアフターパンフレットは、11/27にリットーミュージックより発売されます(2500円+税)。
M-tresのオフィシャルオンラインショップでは、「one」「two」「three」3冊セット(特典のクリアファイル付き)の予約を受け付けていますが、こちらは10/17が受付締切となっているので、ご検討中の方はご注意下さい。


今回再起動したTMは、「How Do You Crash It?」3部作が終わった後にどうするのか、現状で不明ですが、おそらくかなり計画をちゃんと立ててやっている気がします。
なんとなく活動再開したという感じではなさそうなので、期待して良いと思われます。
来年にかけてのTMの活動、楽しみになってきました!


今回のTM再起動については、少しだけ追加情報が出ています。
まず小室さんは、9月にKREVAさんがマンスリープレゼンターを務めたJ-WAVEの「WOW MUSIC」に、9/25にゲストとして出演しました。
その収録風景の動画は、10/2にyoutubeのMUSIC FUN!チャンネルにアップされ、ラジオでカットされた部分も収録されました。
そしてそのカット部分では、10/9のTM NETWORK再起動の話が語られていました。
再起動公表以前にラジオで放送されたから、カットされたんでしょう。
番組内では、冒頭に述べた「Crash」のニュアンスの説明なども行なわれました。


小室さんが最近ジャズを聴いているという発言もありました。
今年配信された「Running To Horizon(206 Mix)」や、「Tetsuya Komuro Studio」にアップされていた「starting over」「Novembe's Day」など、最近の作品には明らかにジャズの趣向が現れていましたが、やはりそうだったようです。
個人的にもジャズロックなTMはとても聞いてみたいところなので、今後に期待したいです。


なお本番組で映された小室さん側の配信映像に映りこんでいたPCの待ち受け画面に、「Pavilions」というロゴが見えます
これは小室さんが4/9に新しく設立した会社で、「Pavilions Tetsuya Komuro株式会社」というところのようです。


「EXPO」時代を思わせる名称、「FANKS!」を思わせるフォントなど、「Pavilions」はTMを意識した名称・ロゴであるように思います。
小室さんによる説明は確認していませんが、様々な音楽のジャンルをパビリオンに見立てた「EXPO」のコンセプトを考えれば、多彩な音を届ける会社みたいなコンセプトでしょうか。


もしもこの会社の名称がTMを意識しているとすると、この会社を設立した4/9の時点で、小室さんはTM再起動を念頭に置いていた可能性があります。
もちろん4/9は登記された日ですから、実際の設立準備と名称の決定はそれ以前、遅くても3月には遡るはずです。


小室さんは3/15に「坂本美雨のDear Friends」に出演した時には、今やりたいこととしてTMでヒット曲を出すことを挙げていました
その時点ではまだその自信が持てていないという発言もしていましたが、この頃にはTM再起動を目標とするようになっていたと見られます。
おそらくその思いがPavilionsの社名に現れているのでしょう。


小室さんはこれ以前、2/6にはニコ生に出演して、事前に作っておいた「Running To Horizon (206 Mix)」の音源の一部を披露しました。
その数日後には、Clubhouseのアカウントも作成し、2月中は頻繁に出入りしていました。
この頃には新しい活動を行ないたいという意欲が高まっていたように思います。
KEIKOとの協議離婚(2/26に成立)も、気持ちを心機一転させる機会になった可能性があります。


前回触れたように、小室さんは2020年9月以来MusicDesignを拠点として活動してきましたが、12月にTMに関わる活動を行なった頃からMusicDesignと距離を取って活動するようになっていました。
おそらくその結果が新会社Pavilionsの設立であり、それ以後TM再起動に向けて本格的に動き出したものと推測されます。


これも前回触れたことですが、TM再起動が決まったのは6月頃と見られるので、TMは去年12月から半年を経て、ようやく再起動が決定したということができます。
さらに遡れば去年秋の「SPIN OFF T-Mue-needs」なんかにも行きつくわけですが、そこらへんの話について、早く情報を出してほしいものです。


その他TM関連情報としては、SONY+avexの「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票企画があります。
10/1に始まったばかりですが、「How Do You Crash It? one」の配信に合わせて、10/9に中間発表が行なわれました(10/8集計)。
1位は1989/8/30「Camp Fanks!! '89」「Dive Into Your Body」、3位は2013/7/20「START Investigation」「Children of the New Century」です。


2位の「Get Wild '89」は、1989/8/30横浜アリーナ公演の「TMN 4001 Days Groove」とあるのですが、1989/8/30横浜アリーナ公演は「Camp Fanks!! '89」であり、「TMN 4001 Days Groove」は1994/5/18・19に東京ドームで開催されました(両公演とも「Get Wild '89」を演奏)。
この「Get Wild '89」ははたして「Camp Fanks!! '89」なのか、「TMN 4001 Days Groove」なのか…
それにしてもこのランキングを見ると、TMのベストライブてこれなのかぁ…と、かなり意外な印象を受けています。


最後にソロ関連について。
まず小室さんは、10/8に「Tetsuya Komuro Studio」の定期配信があり、「How Do You Crash It? one」の関連話などをしました。
実はこのたびのTM再起動という緊急事態を受け、これまで入会を見合わせていた私も、「Tetsuya Komuro Studio」のスタンダードコースに入ってみました。
ただ回線の問題か、映像がとぎれとぎれで何を言っているのかさっぱり分からないところが多く、話の内容はあまり理解できていません。
なお配信冒頭では「Gravity of Love」を演奏し(歌付き!)、最後には「CAROL」をかなり本格的に演奏してくれました。


10/10には「J-WAVE Innovation World Festa 2021」に小室さんが出演しました。
小室さんが新配信メディアNFTで販売する予定のアートパフォーマンスを、その場で演奏するというものでした。
小室さんの出演は30分程度でしたが、演奏は最後の7分くらいで、あとは司会のふくりゅうさんや音楽プロデューサーの山口哲一さんとのNFTに関するトークでした。
トークはどうでもよかったですか、映像に即興で音楽を付けていく様子はそこそこ面白かったです。
小室さんが関わる.muraのNFT配信の事業は10/29から始まるそうなので、小室さんの作品の配信はそれ以後になるでしょう。


ウツのソロツアー「U Mix」は、横浜2公演が開催されてから2週間止まっておりますが、10/15のEX Theater Roppongi公演から再開します。
これからは日替わり曲なども入るかもしれません。
なお10/16のEX Theater公演は、ニコ生で配信が行なわれます
また「U Mix」でサポートを務めているヴァイオリニストのNAOTOさんの「NAOTOの月イチな音」(MBSラジオ)に、10/11にウツがゲスト出演します。


以上、「How Do You Crash It? one」のレポートを中心に、ここ一週間の近況をまとめました。
多分今後は頻繁に新情報が出るようになると思いますので、ブログの更新も忙しくなるかもしれませんが、今後は取り上げるべき新事態があまりない時を狙って、第7部の残りを終わらせてしまおうと思います。


ではまた、次回の更新で。

Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2021年 12月号 (表紙&巻頭:TM NETWORK) - サウンド&レコーディング・マガジン編集部
Sound & Recording Magazine (サウンド アンド レコーディング マガジン) 2021年 12月号 (表紙&巻頭:TM NETWORK) - サウンド&レコーディング・マガジン編集部

再起動! TM NETWORK 2021

ついに出ました!

前回の更新で、「まあそれはいいからTMをやってください」とか書いたら、2021/10/1の18:00、まるでこれに応えたかのように(?)に、各サイト・SNSで一斉に出ました。

「TM NETWORK 再起動」の情報が!!


すでにいろんなニュースサイトに書かれているのですが、ここではmagneticaのサイトから関係情報を引用しておきます。

2012年から2015年にわたる30周年プロジェクトを大成功で締め括ったのち、活動が凍結されていたTM NETWORKが動き出す。
再起動の第一弾は『How Do You Crash It?』と題された、10月から隔月で配信される3回連続のオリジナルライブ映像作品。
6年ぶりの新曲「How Crash?」や、「Get Wild」「BE TOGETHER」「SEVEN DAYS WAR」などヒット曲を中心としたライブパフォーマンスと、TM NETWORKならではのサイバーパンクなストーリーが絡み合う内容となっている。テーマは、「Everyone makes mistakes, How do you crash it?(直訳:誰もが間違いを犯す、どうやってそれを壊していく?)」
なぜ今、彼らがこのテーマを掲げたのか、新曲「How Crash?」が謎を解く鍵となるはずだ。


すでに前日の9/30には「女性自身」のニュースで、「3年前の1月に芸能界引退を発表した小室さんが、再び芸能界の表舞台に復帰するそうです。まずはTM NETWORKを6年ぶりに再始動させるとか。近日中に正式発表される予定です」という「音楽関係者」の情報が掲載されていました。
後述の「ベスト・ライブ・パフォーマンス」投票企画が10/1に発表されることになっていたので、もしかしたらこれと絡んでTM再始動もあるのか?と期待したのですが、まさにその通りになりました。


今回の活動再開は、「再起動」と言われています。
前回の30周年の活動では、「Quit30」の「Q」や「TM NETWORK」の「O」や「Quit30 HUGE DATA」の「G」がPCの電源ボタンのロゴで示され、ライブではそれらが電源オフの状態を示す赤色で表示されました。
つまりTMは一端シャットダウンの状態で、次の活動に向けて待機していたわけですが、今回はそれを踏まえて活動再開を「再起動」と呼んでいると考えられます。

Quit.jpg

実は9/25に始まったウツの「U Mix」のパンフレットに掲載されているインタビューに、「オリンピックの開催前からTMの打ち合わせとかが始まっていた」という話がさらりと出ていました。
オリンピック開催前からということは、7月上旬~中旬のことでしょうか。
打ち合わせ以前に再開の決定プロセスがあったはずですが、ウツによれば「結構急展開の決定」だったそうなので、多分そんなに前の話ではないと思います。
6月頃の話でしょうか。


6~7月といえば、小室さんがfaniconのコミュニティアカウント「Tetsuya Komuro Studio」を開設したのが7/2でした(開始告知は7/1)。
これに少し先立ち、去年11月からほとんど動いていなかった小室さんの公式twitterが、今年5/6から急に頻繁にtweetするようになっていました。
しかも去年はMusicDesign絡みのtweetばかりだったのに、5月以後は知人のtweetやTM絡みの話題のリツィートが中心となりました。
多分小室さんは5月頃からTM再開に向けて動き出し、6月終わり頃に再開を決定した上で、7月に「Tetsuya Komuro Studio」を始めたのではないかと推測しています。


実は小室さんは今年に入ってからMusicDesign絡みのtweetをしなくなったばかりか、InstagramのアカウントからもMusicDesignの痕跡を消し、MusicDesignの情報を発信していた公式アカウントをサブにして、以前からあった個人アカウントを公式アカウントに変更しました。
このことは、以前このブログでも指摘したことがあります
多分去年12月に東海ラジオに特番「TM NETWORKのSFロックステーション」にTM NETWORKの名義で出演し、「年忘れ!!歌酔曲vsフォーク」で5年ぶりの3人共演を果たした頃から、TM復帰の準備を始めていたのだと思われます。
その決意が固まったのが6月頃だったのでしょう。


ちなみに私は入会していないので分からないんですが、情報解禁の3時間後に始まった「Tetsuya Komuro Studio」の配信では、再起動の話が語られたようです。
私が上に書いたことなどは、そこであらかた語られたかもしれません。
たぶん後日別の媒体でも、詳しく語られるでしょう。


今回のTM再起動の具体的な内容は一つだけ、配信ライブの開催となります。
ライブタイトルは「How Do You Crash It?」です。


このライブは10月・12月・2月の3回にわたって配信され、それぞれ「one」「two」「three」を附して呼ばれるようです。
第1回の「How Do You Crash it? one」の配信は10/9(土)の21:00~22:00の1時間で、その後は10/17(日)の23:59までアーカイブ配信が行なわれます。
なお配信はローチケニコ生e+PIALINE LIVEで行なわれ、料金は4800円+手数料となります。


なんと「How Do You Crash it? one」はすでに収録済みで、ティザー映像がyoutubeにアップされています
衣装は前半・後半で違います。
後半は2014年の「the beginning of the end」のものですね。
前半も下は「the beginning of the end」のもので、上にゆったりとした白のYシャツを着ています。



曲は3曲がアップされています。
2曲目・3曲目は「Get Wild」「We love the EARTH」ですが、注目すべきは1曲目で、なんと新曲です!!
いつか調子が戻ったら作って欲しいと思っていたけど、もう作っていたんだ!!


新曲の曲名は「How Crash?」で、ライブタイトルもこの曲名に基づいていると思われます。
ライブでも1曲目にやるんでしょうかね?
映像は20秒足らずしかありませんが、私の好きなミディアムテンポの曲です。
告知はありませんが、おそらくいずれスタジオ音源も配信されると思います。
「I am」に続くTMのアンセムになって欲しいです。


magneticaの告知によれば、ライブでは他に「Be Together」「Seven Days War」もやるそうです。
これですでに5曲になりますね。
時間は1時間ですから、あとは4~5曲くらいでしょうか。
今回は1回目だし、まずは代表曲を中心に演奏するのかなと思います。


なおティザー映像に含まれる「How Crash?」の映像は、多分サビに入る部分と思われ、「Everyone makes mistakes, How do you hit how hit?(最後怪しい)」と言っています。
magenticaの公式情報では、これに似た「Everyone makes mistakes, How do you crash it?」をライブのテーマとしており、多分サビではこの前後で「How do you crash it?」のフレーズも登場するのでしょう。
これをmagneticaは、「誰もが間違いを犯す、どうやってそれを壊していく?」と訳しています。
 *この部分の文章、記事アップの9時間後に微調整しました。


これは多分小室さんの歌詞と思われます。
というのも今回のTM再起動に当たり、小室さんがinstagramで直筆メッセージをアップしたのですが、そこでは冒頭で「改めて、お騒がせし、ご心配やご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします」と述べ、さらに後半では以下のように述べています。

いろいろな過ちがあっても、まだやれると背中を押してくれる友がいる。
待っていてくれるファンがいる。
これからの自分に残された時間にできること全てで、音楽で少しでも光を灯せたら。
と、このコロナ禍に沢山の事を考え奮起致しました。


要するに小室さんは、これまで過ちを犯してきたけれど、友人やファンのためにがんばりたいという思いで今回のTM再起動を決意したということです。
この「過ち」とは冒頭で述べている「ご心配やご迷惑」の言い換えであり、それは2018年に不倫疑惑や引退宣言などで関係者やファンを振り回したことを指していると考えられます。


「How Do You Crash It?」のテーマである「Everyone makes mistakes, How do you crash it?」は、上記の小室さんの気持ちを踏まえたものと考えられます。
つまり小室さんは、自分のせいで関係者やファンに心配や迷惑を与えたという過ちをつぐなうために、またTMをやりたいと思ったわけです。


以上のように書くと、今回の再起動はいかにもネガティブな雰囲気が漂いますが、一方で小室さんは「音楽を創るアイデアとエネルギーは確実に進化していると感じています」ともコメントしています。
この文章を見る限り、TMの再起動は単なる贖罪というわけではなく、TMで音楽をやりたいという気持ちも高まってきているようです。
3月に「坂本美雨のDear Friends」に出演した時にも、TMでヒット曲を作りたいという気持ちを表明していましたが、一方で特に歌詞についてはまだ自信が持てないということも言っていました。
それがようやく6月頃になって、何かつかめたということでしょうか(小室さん的な表現では「見えた」)。


ともかく最初は配信ライブから始めるというのは、とても良いプランだと思います。
ライブを3回もやれば、さらに何かが「見え」て来ることもあるかもしれません。
「How Do You Crash It? three」が終わった暁には、十分な準備の上で、ファンの前でフルライブを披露してもらえればうれしいです。


なおウツと木根さんも、今回の再起動に当たってコメントを出しています。
二人とも小室さんと一緒に音楽活動ができることを素直に喜んでいるようです。
ウツは「TM NETWORKの物語は、まだ続いている」、木根さんは「プロデューサー小室哲哉を確信しました」などと発言しています。
また今回の再起動をめぐっては、10/25発売の「Sound & Recording Magazine」12月号の巻頭に掲載されるライブレポートおよび小室さんのインタビューで、詳細が語られるかと思います。


今回の「How Do You Crash It?」シリーズは、ライブごとにアフターパンフレットがリットーミュージックから発売されることになっています
「one」は小室さん誕生日の11/27発売で、「two」は来年1月、「three」は3月の予定です。
またmagneticaのオフィシャルwebshopで3冊セットを予約すると、特製クリアケースがもらえます。


今回のTM再起動のために影が薄くなってしまいましたが、SONYのotonanoのサイトでは再起動発表と同時に、「あなたが選ぶベスト・ライブ・パフォーマンス」の企画が始まりました。
この企画、9/25のウツの「U Mix」開始に合わせて予告されていたのですが、このころまでに関係各社は準備を進めていたんですね。


本企画はSONYとavexの共同企画で、ファンが過去のライブやツアーでベストと思うパフォーマンスを投票する、というものです。
締切は11/30になります。
多分今回の投票結果を踏まえて、ベストライブアルバムかライブ映像集をリリースする予定なのでしょう。


私、この企画は商品化済みのライブDVD・ blu-rayから何曲か選んで投票するというものなのだろうと思っていました。

と・こ・ろ・が!

投票の参考として提供されたライブデータには、「Fank! Bang The Gong」「Kiss Japan Tour」「CAROL Tour」「Tour TMN EXPO」など、一切商品化されていないツアーが含まれており、また各ライブについて商品化されていない楽曲も含めた全曲のセットリストが掲げられております。


…てことは、あれ?
もしかして「Electric Prophet」「17 to 19」とか、「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」「金曜日のライオン」「1974」「Time Machine」とか、「Fanks! Bang The Gong」「Your Song」「Dragon The Festival」とか、「Kiss Japan Tour」「Maria Club」「Don't Let Me Cry」とか、「CAROL Tour」「Come on Let's Dance]とか、「Rhythm Red Tour」「Rhythm Red Beat Black version 2.0」とか、「Tour TMN EXPO」「Think of Earth」とか、好き放題投票できちゃうってことですか!?


…いや、どうせこういうところでたくさん票を集めるのは、すでにDVDに入ってみんなの記憶に張り付いている映像とかなんでしょうから、こんなの投票したって泡沫にしかならないってのは分かっているんですけどね。
どうせ「TMN 4001 Days Groove」「Fanks Cry-Max」「Get Wild」あたりが1位で、その他も「4001 Days Groove」ばかりがランクインするんでしょうっ!?(何かに切れ気味)


もっとも今回は1人の投票回数に制限がないように見えるので、その気になれば何曲も投票できるのかもしれません。
またそうならば、今回は票数を集計してランキングを出すというよりは、いろんな思いで話を集めることに主眼があるのかもしれません。
だとすれば今回は、思い入れのあるライブパフォーマンスをSONY・avexにアピールするチャンスということでしょうか?


もう一つ気にかかるのは、ライブのリストとして挙げられているものが一見網羅的に見えながら、1999年の再始動後のデータがかなり雑なことです。

・2000年「Log-on to 21st Century」 →なし
・2000-01年「Tour Major Turn-Round」 →なし
・2004年「Double-Decade Tour "NETWORK"」 →4/21横浜公演と6/24・25武道館公演のみ(全国ツアー全カット)
・2007年「TM NETWORK REMASTER」 →12/3武道館公演のみ(横浜・渋谷計4公演カット)
・2008年「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」 →なし
・2012年「All That Love」 →なし

以上の抜けの大部分は、今回の企画に関わっていないROJAM・吉本の時代のものなので、情報の収集が不十分なせいとも考えられます。
2017年の「Get Wild Song Mafia」で、「Get Wild」のあらゆるトラックを集める企画だったのに、ROJAM・吉本時代のテイクがほとんど取られていなかったことも思い出されます。


ただしこれは自分でも非常に低い確率と自覚しながら書くのですが、ライブタイトルごと記載がない4つについては、もしかして今回の投票企画後にリリースする予定の商品に特典として付けるつもりなのではないか(だから通常ディスクに入らないように投票対象外としているのではないか)、という妄想もしなくはありません。
特に、事実上のTM再始動の始まりとなった「Log-on to 21st Century」は、待望している方もかなり多いのではないでしょうか。
まあ、自分でも非常に低い確率とは自覚していますけどね…(2度書いた)。


以上、昨日10/1に発表されたTM絡みの情報でした。
こちらの通常更新、第7部はあと3回で終わる予定だったんですが、これでは果たしていつ書けることやら…。
TM本体の活動の谷間にやっていくしかないですねえ。
しかし第7部の残りとか、今さらみんな興味なさそうな気がしますが。


最後にソロの情報をまとめておきます。
前回もお伝えしたように、小室さんは10/10に「J-WAVE Innovation World Festa 2021」に小室さんが出演します(トーク・ライブ)。
ライブは有料配信されます。
実はこの「Innovation World Festa」は、「How Do You Crash It? one」の翌日になります。
小室さん大変ですね。


9/24の「Tetsuya Komuro Studio」は、木根さん誕生日(9/26)の直前ということで、また木根さんがゲストでした。
2人で「Still Love Her」「永遠のパスポート」を演奏したそうです。
そして10/1には、先ほど書いた通り、TM再起動話が語られました。
演奏曲はTM縛りで、「Seven Days War」「Human System」「Get Wild」だったようです。
今回は登録して見ればよかったなあ…。
「Tetsuya Komuro Studio」のことは頭から飛んでました。


ウツはソロツアー「U Mix」が、9/25に始まりました。
今回はヴァイオリンをフィーチャーしたライブとなります。


9/26にはニコ生で配信があったので、私も見てみました。
まだツアーが始まったばかりなので具体的な内容には触れませんが、セットリストはなかなか意外なところを攻めてきました。
また今回はサポートがヴァイオリンの門脇大輔さんとnishi-kenさんだけだったので、曲によっては門脇さんがシンセをやったり、ウツがベース・ギター・ドラムをやったり、nishi-kenさんがドラムやギターをやったりと、なかなか大変そうでした。
そういや4月頃には、宇都宮隆名義のソロ活動25周年とか言っていた気がするんですが、全然関係なかったです。
色々と試行錯誤があったんでしょうね。


特に前半の楽曲は、ヴァイオリンパートを目立つ形で取り入れた形にアレンジされており、その中には私が大歓喜だった曲もありました(何の曲かは書きませんが)。
これに対して後半は、前半と比べるとアレンジの度合いが薄く、これなら普通にドラムとギター入れればよかったんじゃない?とも思いました。
選曲はマンネリを避けてきた感じで、好印象だったんですけどね。


あとアンコールのイントロでは、「Tour TMN EXPO」「Don't Let Me Cry」で使われたサンプリングフレーズ(Vanessa Williams「The Right Stuff (Norman Cook 12'' Remix)」)を入れていました。
nishi-kenさん、これやってみたかったんでしょうね!
「U Mix」は多分10月以後の公演も配信されると思うので、気になる方は是非ご覧ください。


以上が近況の整理でした。
実は通常更新分の記事もすでに書いているんですが、今回は余計なものを入れない方がよいだろうと思ったので、またいずれかの機会にします。


来週は早くも再起動TM NETWORKの配信ライブです。
6年前に託されたバトンを用意して、心して拝見しようと思います。
ではまた1週間後に!

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