2-6 Fanks Dyna-Mix ①

私は見てませんが、先日小室とKEIKOが、
Fence of Defenceのライブにゲスト出演したらしいですね
キーボードで「20th Century Boy」を演奏したらしいですが、
聞いてみたかったです
こんな感じでライブ会場に顔を出し続けてくれれば、
ライブやりたいとか思ってくれるかも…
とかなればいいですね
さて、本編に入ります


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TM二回目のツアー「Fanks Dyna-Mix」は、
1986/6/10から7/18まで、15公演行なわれた
リハーサルは5/16以前から行なわれていたことが確認できる
(5/17「Jan Janサタデー」で、昨日リハーサルから帰ってきたとウツが言っている)
5月頃のテレビ出演では、すでにライブアレンジを踏まえた演奏を行なっている
その後6月初め頃にも観音崎マリンスタジオで合宿があった
ここは「Twinkle Night」のレコーディングが行なわれた場所でもある


ツアーの正式名称は「TM NETWORK Tour '86 FANKS DYNA☆MIX」だが、
「☆」は今見るとあまりにこっ恥ずかしいので、
このブログでは「Fanks Dyna-Mix」と表記する
ツアータイトルに「FANKS」とあるように、
新キーワード「FANKS」を前面に押し出したツアーだった


このライブはTMの歴史を語る上で、
アルバム「Gorilla」以上に、決定的に重要な意味を持つ
そもそも「FANKS」は、「ダンス」がキーワードであり、
それを実践する場としてライブという場は必須だった
当時の彼らの発言に即して言えば、
ディスコのようなライブである


そしてこのツアーでTMのライブは踊る空間として生まれ変わった
「Dragon The Festival Tour」はステージング・演出重視だったが、
このツアーで最重要視したのは、踊れる音、盛り上がれる音だった
そのため「Dragon The Festival Tour」と違い、
大掛かりなセットには力を入れず、比較的シンプルなステージだった
あるいは巨額の費用を掛けた「Dragon The Festival Tour」の直後だったため、
この時はステージ・演出にあまり費用を掛けられなかったのかもしれない


メンバーによれば、「Dragon The Festival Tour」は、
良い音にするなどクォリティを高めることを追求したため、
客を楽しませる余裕がなく、客席との距離があった
この反省を踏まえて企画されたのが、「Fanks Dyna-Mix」だった
メンバーの認識としても、客はよく踊ってくれたということである


自分の好みで言えば、アルバムについては、「Gorilla」よりは、
「Rainbow Rainbow」「Childhood's End」の方が好きだ
しかしライブの魅力で言えば「Fanks Dyna-Mix」は、
「Dragon The Festival Tour」を越えたと思う
サポートの松本孝弘も、
「Dragon The Festival Tour」は自分の求めているものと違ったが、
「Fanks Dyna-Mix」はイケると思ったらしい
(これは松本個人の好みもあるのだろうが)


実際には色々と未完成な部分も多いライブだったが、
その後のTMのライブは、1990年のリニューアルまで、
この時に定められた方向を微調整し、
あるいはおまけ要素を付け加えつつ、
展開したと言っても過言ではない


そしてこれ以後のTMの活動がライブをメインにしていったことを考えれば、
その意味は決して小さくはない
リニューアル前のライブというと、
「Fanks Cry-Max」「CAROL Tour」が圧倒的に有名だが、
TMの歴史上で「Fanks Dyna-Mix」はもっと重視されて良い
以下では、このツアーに関する基本的な事項に触れていく


ツアーのコンセプトもあり、
メンバーの服装からファンタジー的な雰囲気は薄れている
小室は白の燕尾服、木根は黒いジャケット姿だった


ウツは前半は白のシャツ・黒のパンツに黒のジャケット、
後半は白のシャツ・パンツに銀のラメ入りジャケット姿で、
短い髪ともあいまって、野生的・男性的な雰囲気である



なおセミファイナルの7/17中野サンプラザ公演では、
ウツがライブ後半で銀色の衣装を初披露したという情報があるが、
これは上記のラメ入りジャケットに当たるものだろうか
ラメ入りジャケットはビデオ「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」で確認できるが、
これは最後の2日間のみで使われた衣装だったことになる


中野サンプラザ以前の公演の後半の衣装ははっきりしないが、
6/12大阪厚生年金会館公演の写真では、
ジャケットを脱いで白シャツ姿でステージに立っている写真が存在する
ウツは中盤のアコースティックコーナーでジャケットを脱ぎ、座って歌うが、
おそらく後半もそのままの衣装だったのだろう
またウツが白シャツ姿で「Nervous」ダンスをしている写真も存在するが(撮影会場不明)、
「Nervous」はライブ終盤に演奏された曲なので、
やはり後半では白シャツ姿になるのが通常だったようだ
つまり前半は黒ジャケットを羽織り、
後半はジャケットを脱ぐだけだったことになる


さて、このツアーからTMのライブでは、
YAMAHAの全面的なバックアップが始まる
TM全盛期を知るものは、
「小室といえばYAMAHA EOS」というほど、
YAMAHAのイメージが強いが、それはこの頃から始まる
その影響で、この頃から機材の数が増え始める
以後TMはライブの時、
目立つところにYAMAHAのシンセを積み上げて演奏することになるが、
TMのブレイク後には大変な宣伝効果になっただろう


サポートメンバーは「Dragon The Festival Tour」とほとんど同じで、
松本孝弘・西村麻聡・山田亘・白田朗の4人である
マニピュレーターの小泉洋が抜けたため、
小室自身がコンピュータを扱った


小室は「Gorilla」以後、
1985年秋発売のカモンミュージック社のソフト、レコンポーザを使うようになったが、
「Fanks Dyna-Mix」でも利用されている
PC98のモニターに映るレコンポーザのウィンドウの映像は、
いかにもコンピュータを使っているという印象を与えることができるためか、
テレビでもよく映された


「Gorilla」では生音重視の音作りがされたが、
ライブではサックスや黒人コーラスを連れてくることはせず、
オリジナルで用いた音源をEmulatorⅡでサンプリングして再現した
(これは以後のライブでも同様)
そのため前回のツアーと比べてサンプリングフレーズが非常に増え、
機材の容量の貧弱だった当時、
ライブ中にディスクチェンジをしつつの演奏となったという


このツアーから始まったものとして、
ウツ・木根とサポートメンバーのフォーメーションダンスがある
ウツはこのために、リハーサル前から河原で一人でダンスの練習をしていた


典型的なフォーメーションダンスを見るには、
1987年の武道館ライブを収めた、
「Fanks The Live 1 Fanks Cry Max」を見るのがもっとも良いだろう
1986年に関しては、「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」の、
「Come on Let''s Dance」「You Can Dance」「Nervous」
で見ることができる


今見ると恥ずかしくて正視できないが、
当時はライブを盛り上げる上で大きな役割を果たした
後にはダンスにも専門の指導員が付くが、
この頃はメンバーとサポートメンバー自ら考えていた
松本孝弘は、踊るのがいやだったらしい


木根のパントマイムが披露された点も重要である
このツアーのために、週一回教室に通ったという
このライブでは、キーボードの演奏の時にもパントマイム風の振り付けをすることがあった
「Dragon The Festival Tour」でも道化役としての立場が与えられていたが、
パントマイムはこの時からである
(ただし1984年の「Rainbow Rainbow」PVでも、稚拙なパントマイムを披露している)
以後木根のパントマイムは、TMライブの顔の一つとして定着する


もっともパントマイムはたいしてうまいものではないし、
狭い空間に閉じ込められている様子や、
ボールを投げている様子を再現するなど、
初歩的なものが多いのだが、
こうした要素をライブに盛り込んだこと自体、
評価されるべきだろう
David Bowieのパフォーマンスを取り入れたものだという


この頃のTMのライブは、しばしばロックショーと言われた
(自分たちでも言っている)
TMのライブはただ曲を演奏するだけではなく、
ステージング・パフォーマンスなどにも気を配っており、
その点が魅力でもあった
80年代終わりに成功したアーティストには、
米米クラブ・UNICORNなどそうした要素を持つものが多かった


演奏曲目は、「Rainbow Rainbow」から5曲、
「Childhood's End」から3曲に加え、
小室のキーボードソロと、「Electric Prophet」
他は「Gorilla」から「I Want TV」を除く9曲である


この時の目玉は、やはりシングルの「Come on Let's Dance」だが、
個人的には「Childhood's End」以前の曲が注目だ
FANKSのライブで演奏するために、
FANKSアレンジというべき形に変化しており、
CDバージョンにない魅力が引き出されている


それぞれのアレンジについては次章で触れるが、
この時の小室の気合は尋常ではない
何しろ半分は新曲で、半分の旧曲はすべて新アレンジで、
前ツアーからの使い回しはない
ライブ音源の作成にも力が入っており、
スタジオでの打ち込み作業では、
山下達郎から「君たちも長いねえ」と言われたという


そもそも「Dyna-Mix」というライブタイトル自体、
レコードの音をライブにすることは一種のリミックスだという発想から来ていた
実際に当時の機材では、
ライブでのオリジナルアレンジの再現が困難だったこともあるが、
この時はより制限が大きかったはずの「Dragon The Festival Tour」以上に大幅なアレンジが加えられており、
そのアレンジは生演奏用の変更のレベルではなかった
小室はイントロでは何の曲かすぐに判断できないアレンジを施し、
客にスリリングな気分を味わわせることを、
このツアーの一つの狙いとしていた


小室は後に外国人プロデューサに旧曲のリプロダクションを依頼し、
1989年に「Dress」を発表するが、
正直言ってこのライブでは、
「Dress」よりもよほど大胆なアレンジをやっている
ライブアレンジにもっとも気合を入れていた時期は、
おそらくこの時と「Rhythm Red」の時だろう


これは人によると思うが、
自分がTMにはまった最大の理由は、ライブアレンジの大胆さである
リミックスというより、もはや別の曲になっているものも少なくない
ライブアレンジにここまで力を入れたアーティストは、
おそらく同時代にほとんどいなかったと思う
(今もあまりいないだろうが)


Fanksアレンジは、いくつかやり方がある
あえて分類すると、以下のようになるだろう

①サンプリングボイスを上から加える
 (「Come on Let's Dance」など)
②サビなど印象的なフレーズをイントロに持ってくる
 (「金曜日のライオン」「Dragon The Festival」など)
③テンポを部分的、あるいは全体的に落とす、または上げる
 (「1974」「Rainbow Rainbow」など)
④イントロ・アウトロ・間奏などを長くして盛り上げる
 (「Come on Let's Dance」「Dragon The Festival」など)


「Rhythm Red」の頃になると、
ライブアレンジはさらに新境地を開拓していくが、
FANKS期にはだいたい以上のような手法でアレンジが行なわれていた


この時の最終公演7/17・18の中野サンプラザのチケットは、
2時間で売り切れたという
チケット発売は3/16で、「Come on Let's Dance」発表以前のことなので、
FANKSの成功というよりは「Dragon The Festival Tour」の成功というべきだろうが、
ともかくまずまずの成果は得られたようである
ただし大都市ではチケットがすぐに売れた一方で、
東北や中国などでは席がガラガラのこともあったといい、
FANKSの盛り上がりは地方ごとに異なったようだ


なお東北・中国での公演としては、
6/18山口・6/19広島・6/20岡山・6/23秋田・6/25郡山・6/26仙台・7/4福島の7公演があった
これだけで15公演中の約半分であり、
人気に比して公演が多すぎたのかもしれない
(ただし福島公演は満員だったという)


本ツアーについて、メンバーは満足が行く内容だったとコメントしており、
ウツはもっとやりたかったと、雑誌のインタビューで言っている
このツアーの成功が、8/23の初の大規模ライブ「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」や、
28公演を数えた翌年の「Fanks! Bang The Gong」へとつながったのだろう


なおTMは1990年のリニューアルまで、
ツアーを行なうたびに公演回数を倍ずつに増やしていった

・1985「Dragon The Festival Tour」8公演
・1986「Fanks Dyna-Mix」15公演
・1987「Fanks! Bang The Gong」28公演
・1987~88「Kiss Japan Tour」53公演


さらに1988~89「Carol Tour」の公演数は64で、
それほど増えてはいないが
動員人数は「Kiss Japan Tour」の10万から20万に倍加している
5年間に渡ってライブ規模を毎年倍加させ続けたのは驚異的である


ただし「Fanks Dyna-Mix」では、体の弱い小室がかなりダウンしており、
過密化したスケジュールについていけなかったようである
特に6/17~20の福岡・山口・広島・岡山の4連日では、
小室が高熱を出してかなり大変なことになった


ライブ自体はどうにかこなしたものの、
6/17の福岡郵便貯金会館公演の後には病院に搬送され、
ライブ直前まで山口の病院で手当てを受けていた
6/20に岡山市民文化ホール公演が終わると、
翌日早朝、他のメンバーに先駆けて新幹線で東京に帰ったという
後年のツアーでも小室はしばしば体を壊したが、
その始まりがこのツアーだった


さて、「Fanks Dyna-Mix」については、
「Dragon The Festival Tour」ほどではないが、
商品によって得られる情報が少ない


映像に関しては、「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」に、
「雨に誓って」「アクシデント」と、
「Dragon The Festival」の2番までが収録されている
(2番の後は「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」の映像に切り替わる)


また「TM VISION Ⅴ」「Come on Let's Dance」
「TM VISION Ⅵ」「Passenger」「8月の長い夜」が収録されている
(いずれも1986/7/18中野サンプラザの映像)
音源に関してはまったく商品化されていない


ラジオに関しては、
1986/8/14TBSラジオの「スーパーギャング」で、
7/18の「Rainbow Rainbow」「Girl」「You Can Dance」が放送された


また放送局が不明だが、
「Fanks Dyna-Mix」「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」
のライブ音源を混ぜて放送した番組が、
確認しているだけで二つある


タイプAでは、
「Come on Let's Dance」「雨に誓って」「1974」「クロコダイル・ラップ」「Confession」「Faire La Vise」「Nervous」「Dragon The Festival」
の8曲を放送した
タイプBは1986/12/1に放送したもので、以下の9曲である
「Come on Let's Dance」「雨に誓って」「You Can Dance」「Confession」「1974」「Faire La Vise」「Give You A Beat」「Nervous」「Dragon The Festival」


それぞれ共通の曲目は同じ音源を用いているようだ
これらのうちで、
「Come on Let's Dance」「1974」「Confession」「Dragon The Festival」は、
おそらく「Fanks Dyna-Mix」の音源である


以上をすべて集めれば、「Fanks Dyna-Mix」は、
映像については5.5曲分を商品で、
音源については7曲をラジオ音源で得ることができる
映像・音源のうちで、
「Come on Let's Dance」「Dragon The Festival」
は重複するが、これを考慮しても19曲中11曲に関しては、
映像ないし音源を入手できるということになる


またツアーの音源ではないが、
ツアーと同じアレンジで演奏したライブが、
ラジオで放送されている


一つはTBSラジオで放送された1986/5/26赤坂スタジオでのライブで、
以下の5曲を演奏している
「Nervous」「パノラマジック」「Girl」「金曜日のライオン」「Come on Let's Dance」


もう一つは1986/8/16、NHK FMの「New Sound Special」で、
「Come on Let's Dance」「Girl」「Give You A Beat(ただしショートバージョン)」「Nervous」「Keyboard Solo」「You Can Dance」「Dragon The Festival」
を演奏した


これらの音源を含めれば、さらに、
「Nervous」「パノラマジック」「金曜日のライオン」「Give You A Beat(ショートバージョン)」「Keyboard Solo」
の5曲も得られることになる


以上を除くと、現状でライブバージョンをまったく知ることができないのは、
「クロコダイル・ラップ」「Sad Emotion」「Electric Prophet」の3曲と、
「Give You A Beat」の完全版のみということになる


「クロコダイル・ラップ」「Give You A Beat」は、
このライブでしか聞けないアレンジで、
「Sad Emotion」は、
このライブでしか演奏されたことのない曲なので、
手に入らないのは残念だが、
それでも大部分は現在でも知ることができる


ただしラジオ音源に関しては、大変多くの種類があるので、
すべてを入手するのは容易ではないと思われる
また得られる映像・音源も大変断片的なため、
ライブ全体の雰囲気については、
「Dragon The Festival Tour」以上につかみづらい


以上でライブ全体に関するコメントを終える
各曲についてのコメントは、章を改めて書くことにしたい

(2007/2/7執筆 2008/10/13・2013/2/17・2017/1/27・5/3加筆)

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この記事へのコメント

エルレ
2017年07月15日 14:09
イパネマ84が似合う天気になりましたね♫
追記させていただきたいですが、このツアーから木根のギターが少しながら聴こえるようになりましたよね?ドラフェスツアーと比べると明らかです。もちろん全体的には分からないですが、ビデオの雨に誓ってとドラフェスは明らかに聴こえます。誰でも弾けそうなカッティングですが笑 多分エレキギターも松本孝弘の元で練習したんだと思います♫
青い惑星の愚か者
2017年08月14日 04:52
木根さん、エレキの練習を多少積むことができたんですかね。
ドラフェスツアーではほぼアコギ要員だったんですかね。
今思えば、ドラフェスツアーのアコギコーナーは、木根さんが実際に演奏できる場面を作ってあげたのかも。

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