2-16 Super DX Formation

DJTKのアルバム収録曲が全部決まったようです
以前お知らせした10曲に以下の2曲が加わります

・11.恋しさとせつなさと心強さと(篠原涼子)
・12.DJTK MEGA MIX(All Cast)
http://www.murauchi.com/MCJ-front-web/CoD/0000001406154/

11は自分の曲
12は1~11のメドレーでしょうか


他にも失敗しそうなオーディション企画とかに関わったりしているようですが、
内容はともかくとして、
やる気を出してくれているのは心強いです
何かきっかけがあれば迷走状態から脱することもできると思うので、
もう少し見守っていようと思います


では本編に入ります
今回で「Gorilla」「Self Control」の中間期は終了です
いよいよ第二期の折り返し地点に入りました


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1987/1/6から2/1の間、
8会場でYAMAHAのイベント「Super DX Formation」が開催された
正式名称は「小室哲哉プロジェクト スペシャルセミナー&ライブ Super DX FORMATION TOUR」である
ネット上に情報がほとんど存在しないようなので、以下に全公演を挙げておく

・1/6仙台モーニングムーン
・1/8旭川マチイホール
・1/10新潟県民会館
・1/11FM東京ホール
・1/15広島YMCA国際ホール
・1/18名古屋フレックスホール
・1/24宮崎ニシムラホール
・2/1大阪バナナホール





なおこの中で、大阪ライブは1日2回公演だったという情報もある
(本記事NutRockerさんコメント)
ただし他の会場も2回公演だったか否かは不明である


前半では小室哲哉が、YAMAHA DXでの作曲講座を行なった
実はこれ以前の1986/9/28、
小室は渋谷にあるYAMAHA R&Dスタジオで、
女性4人・男性3人を対象に「実践キーボード教室」を開いたことがあった
「シンプジャーナル」誌上で少人数を対象に募集されたもので、
もしも優秀な生徒がいれば小室のバックアップでデビューもあり得るとされていた
この頃からプロデューサー的な発想があったのは面白い


小室は「実践キーボード教室」で、
参加者への質問を交えながら曲の作り方などの講義を行ない、
最後は「Come on Let's Dance」など数曲のデモ演奏を行なった


小室はこのイベントが終わった後、
「今年中にもう一度くらい「キーボード教室」をやりたいな。今度、ヤマハでDX7の新製品が出るんだけど、それを使ってやってみるとか」と発言している
「キーボード教室」が結構楽しかったのだろう
ここで小室がDX7の新製品(YAMAHA DX7Ⅱ)の話を出しているのは、
この時点でYAMAHAのことは念頭にあったためと見られる
これが実現したのが「SUPER DX Formation」だった


さて「SUPER DX Formation」では、
「キーボード教室」を引き継いだ前半が終わると、
後半では小室・西村麻聡・山田亘のライブが行なわれた
小室のライブは1989年、
「Digitalian is eating breakfast tour」が最初かと思いきや、
実はそれ以前にも行なわれていたのである
なお西村はこのライブを最後に、小室・TMのサポートから外れる


なおYAMAHAの機材講座ということで、
使用機材は西村・山田の分も含め、ほぼすべてYAMAHA製である
例外は山田亘のシンバルのみである


演奏曲はほとんどインストであり、
ボーカルがある場合は西村麻聡が担当した
ただし西村は遅刻癖があり、しばしば待ち合わせに遅れたらしい
1/24宮崎公演では、電車を降りる場所を間違えてライブに来られず、
そのため歌がなくなってしまった


小室の服は、黒の帽子とスーツだった
シンセ講座だけあって、シンセを何台も積み上げている
1/11の東京公演には、ウツや松本も観客として来ていたようだ


前半のシンセ講座も、
小室マニアには大変興味深いかと思うが、
自分は機材についてあまり詳しいことも分からないので、
以下では後半のライブについて述べることにしたい


じゃあ、先ほどの話のようなことを実際でやってみたいと思います。一曲目は、んと、キーボード雑誌のね、「KEYPLE」という雑誌の、ソノシートが、作曲して、レコーディングした、ハレー彗星…ハレー彗星…ハハッ(照れ笑い) ハレー彗星の、別れを惜しんだイメージで作った曲で、これも作ってる間に、そういうイメージかなと思って、Beatlesの「Hello, Goodbye」をもじって、「Harlie Good Bye」と名付けましたけど、一曲目、聞いて下さい。これはね、さっきのコンピュータと一緒に演奏するんだけども、まだキーボードは鳴ってないから、ドラムマシーンだけが鳴ってるから、ドラムマシーンと、亘と麻聡と僕、という感じで。聞いて下さい。



普段通り、小室は本当にトークが下手だ
しかし機材話など専門の話になると、急にスラスラと話し出す
これも普段通りだ


なお「Harlie Good Bye」について、
今まで触れていなかったので、ここで触れておきたい
これは小室が言っている通り、
キーボード雑誌「KEYPLE」12号の付録ソノシートに収録された曲だ
レコーディングは1986/5/22、渋谷R&Dスタジオで行われたもので、
「Fanks Dyna-Mix」の少し前に録音されたことになる


ソノシートの小室の解説によれば、
この曲は1986年の時点で「すごく昔」に作った曲だった
TMデビュー当時かそれ以前のことだろう
原曲の曲名は「ハリー」と言ったといい、
「KEYPLE」所載の自筆楽譜でも曲名は「HARLIE」である
これを「Harlie Good Bye」としたのは、
上記MCで小室が述べているように、
The Beatlesの「Hello, Goodbye」に掛けて名付けたものだった


ただし同時に、この頃話題に上ったハレー彗星が、
地球に接近してまた去ってしまうことをイメージして作ったものでもあった
ハレー彗星は1986年2月~4月頃地球に最接近したから、
制作はまさしくハレー彗星が去り行く時期だった


ソノシートには、A面のデモ版(「Demo Tape」)と、
B面の完成版(「OK Take」)が収録される
ただしレコーディングは先に「OK Take」が作られたというので、
「Demo Tape」も本当の意味でのデモではないようである
アマチュアでも使用できる機材で作った音源というところだろうか


「Demo Tape」ではYAMAHA DX7も使われているが、
主に使用したのはX'ARTシステムだった
X'ARTは当時YAMAHAが売り出していたDX-100を核とした音楽制作システムで、
これがあればアマチュアも自宅で音楽制作が可能だと言う触れ込みだった
(今では何の驚きもない話になってしまったが)
これを使った楽曲の公開は、素人プレイヤーにとって貴重な勉強素材だっただろう
完成版と比べると音も少なく、テンポも遅い


「Harlie Good Bye」は、
「Fanks Dyna-Mix」のキーボードソロと並び、
小室のエッセンスを詰め込んだ曲だと思うのだが、
以後まったく商品化されておらず、
貴重なコレクターズアイテムとなっている


曲の雰囲気は、時期の上から当然であるが、
「Fanks Dyna-Mix」のキーボードソロの雰囲気に少し似ている
フレーズは他の曲に似ている部分もちらほら入っている
「雨に誓って」のBメロそっくりの部分もあるが、
今のファンが聞いて最初に思うのは、
「Come On Everybody」じゃん!」だろう
冒頭の部分のシンセのフレーズは、
明らかに「Come On Everybody」の原曲である


このフレーズは1987年「Fanks! Bang The Gong」以後、
「Come on Let's Dance」のアウトロで使われるようになる
FANKS期ライブの「Come on Let's Dance」のアウトロは、
基本的に「Fanks Dyna-Mix」のものを踏襲しているが、
その上に「Harlie Good Bye」のフレーズが加えられるようになる
これが後に「Come On Everybody」のイントロ・間奏で使われるのである


「Harlie Good Bye」が生で演奏されたのは、
自分が知る限りでこの「SUPER DX Formation」の時のみである
早くも超レア曲が演奏されたことになる
なおイントロでは、西村がベースではなく電子ドラムを叩く珍しいシーンが見られる


「えーと、曲順をね、あの、別に考えてやったわけじゃないんだけど、だんだん音が増えてくるという感じになってますけれども、次は、これに、生の声を入れてみたという感じになるんでね、マットシ(西村麻聡)に一曲歌ってもらいますけども。えーTM NETWORKの曲では、今日はウツが来てますね(東京公演でウツが来ていた)」
「歌えないですね、ご本人の前では」
「ウツの前では歌えませんね」
「歌えませんね」
「んーと、でも歌うんでしょ?」
「違う曲をね」
「違う曲をね。よく、あの東海ラジオの「SFロックステーション」で、よくかけてる曲ですけど、Communardsという曲、じゃなくて、Communardsというバンドの、「Don’t Leave Me This Way」という、モータウンの曲をね。Communardsも、モータウンの曲を自分達流にディスコ流にアレンジしたんですけども、僕たちは今日はDX風に、ちょっとやってみたいと思います。じゃあ「Don’t Leave Me This Way」


コーラスがないこともあり、雰囲気が原曲と違う
演奏も原曲よりもシンプルだ
だが必要な音は入っており、
原曲のリズミカルな面はうまく再現している
なお西村は半年後の6/21、山田・北島健二と一緒に、
Fence of Defenceのボーカルとしてデビューする


えーとじゃあ、次は、去年のツアーで、キーボードソロを、木根君のね、パントマイムと一緒にやったんですけども、それをまた、なかなかツアーの時しかできなかったし、まあ今日、これもまた最後かもしれないけど、また思い出してやってみようと思います。「Vampire Hunter “D”」というサウンドトラックから少しと、キーボードソロを少しと、あともう一つね、続けて、美里の「lovin' you」のLPに入っている、「そばにいるよ」という僕の曲がありますけど、これをやってみたいと思います、今日はインストゥルメンタルバージョンで。んーと、10年くらい前にね、作った曲なんですけども、この曲は。高校…10年じゃない、もっと前ですね。高校時代に作った曲で、その頃は、こういう編成ていうか、歌がないインストゥルメンタルでね、演奏してたこともあって、懐かしいんですけども、その2曲を続けていきたいと思います



「Vampire Hunter “D”」「魔物たちの夜」から入るのは、
「Fanks Dyna-Mix」と同じ流れだが、
「魔物たちの夜」はツアーよりも長く演奏している


その後の「Fanks Dyna-Mix」キーボードソロは、
小室の予想通り、これが最後の演奏になった
激しいキーボード演奏の後、
しっとりとした「そばにいるよ」に移るが、
これもインストで聞いてもなかなか魅力的である


「えー、なかなか次も聞けない曲です。ライブでは結構やってましたけどね。今度のツアーでもやるかもしれない、「Passenger」というTMの曲の、今日はまたとない、インストゥルメンタルバージョン」
西村「ウツは歌うかな」
「ウツは、歌わないって(笑)。結構ね、これはインストゥルメンタルじゃないけどね、意外とビートと、サウンドで、ライブとかレコードでね、押してる曲だから、聞ける曲だから、インストゥルメンタルでも結構、面白い」
西村「12インチシングルの…。ね、オケ版だと思えば」
「そうだ、ね。リミックスバージョンとかね…リミックスまではいかないですね。まあいつもはね、やっぱりこう、ステージを見ちゃうと、耳が音まで行かない時もあるし、全体で聞いちゃうと思うんで、こういう時はちょっと、バックはどういう音をしてるのか、聞いてみて下さい。今日はね、ギターの松本君が来てるんでね」
西村「ね、是非なんか、パントマイムかなんかやってほしい。あははは」
「木根君がいないみたいですね」
西村「いないのが残念だね」
「ギターのね、松っちゃんはね、ずーっとTM、ちょっと、「X-Day」の時とかね、お休みしてたから、これから聞いてたらね、聞いて、おさらいしておくように。カラオケで。じゃあ、「Passenger」と、えーそのままもう一曲行きたいと思いますけども、えーと、これは懐かしい曲で、昔「Quatro」というインストゥルメンタルの曲を、ライブでやってたんですけども、それをまたやってみたいと思いますけども、ちょっと、中にね、Emerson, Lake & Palmerの「Nutrocker」とかもちらっと触れてみたりして、やりたいと思います。じゃああと2曲ですけども、聞いてください」
(ここの文字起こし、不明だった部分はポコ太さんが補充してくれました)


「Fanks Dyna-Mix」でおなじみの「Passenger」イントロが流れる
「HeyHey」「NoNoNo」などのサンプリングボイスが、
イントロから加わっているのは、
「YAMAHA X-Day」と同じである
サビでも「YAMAHA X-Day」と同様、
サンプリングボイスが流れる


この曲のインストというのは珍しい
音源としても貴重である
他に聞く機会はまずないだろう
ウツが歌うのが困難であるにも関わらず、
当時かなりの頻度で演奏されていたのは、
小室自身が気に入った曲だったからだろう


「じゃあ今日最後の曲です。聞いて下さい、「Quatro」
これが史上最後の「Quatro」になる
おそらくもう二度と聞けないであろう
「パノラマジック」の導入としてではなく、
単独で演奏されたのは、この時だけである
「Electric Prophet」「Dragon The Festival Tour」の時よりも、
音が加わっている
小室が言っている通り、ELPの「Nutrocker」が途中で挟まる
個人的には、「Nutrocker」から「Quatro」に戻るところが好きだ


最後に司会からメンバー紹介があって、幕
ほとんど全曲インストという地味な内容ではあるが、
当時の小室の手持ちの曲をすべて見せてくれたライブといえる
普通では絶対に聞けないレア曲だらけのセットリストは、
正直言ってかなり魅力的に感じる
しかしこの種のライブは、以後行なわれることはなかった

(2007/4/18執筆 2008/10/22・2013/3/20・2017/2/4・3/11・4/22加筆)

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この記事へのコメント

NutRocker
2017年03月06日 09:31
こんにちは。お久しぶりです。お元気ですか?

以前お伝えしたかもしれませんが、私は2/1大阪バナナホールを見に行きました。
はっきり覚えていないのですが、1日2回公演だった様な気もします。(1回目のセミナーの質問コーナーで自分が質問し、
2回目に友達が質問したような記憶があるので…)


このときの小室さん、黒い帽子と黒いジャケットが似合っていてかなりかわいかったです。また、"Quatro"が大好きなので、生で聴けて本当に嬉しかったです。
"Vampire Hunter D"は何か怖すぎて(本当に怪物が出てきそうで)聴きながら友達と笑ってしまいました。


Harlie Good-byeのソノシートについて「デモ版はYAMAHA DX7のみで作ったもので」とありますが、デモ版は「エグザートシステム」を使用していると思います。

X'ART システムはDX-100(キーボード)、ドラムマシン、マルチトラックレコーダー(もちろんカセット)、シーケンサー等のセットで、その機材全部でDX-7・一台分くらいの値段だったので「こんな安い機材でも、小室さんはそこそこかっこいいのを作るんだなあ」と感じました。(今から考えたら全然安くないですが、昔は機材が高かったので)
私もそのセットにあるMTRだけは単品で持っていました。

で、OKバージョンの方を聴くと、お金を出せばこうなるんだなあと思いました。

なので「素人プレイヤーにとっては貴重な勉強素材だっただろう」とありますが、本当にその通りで、かつ、ヤマハの宣伝にも貢献している(購買意欲を刺激する内容)だったとも思います。
青い惑星の愚か者
2017年03月11日 04:42
貴重なご指摘を2つも、どうもありがとうございました。
このイベントに参加できたのって、すごくうらやましいです。
私もQuatroは生で聞いてみたいのですが、もう絶対に演奏しないでしょうね。
そういやこの時は、NutRockerさんのHNの曲も混じったりしていましたよね。

X'ARTシステムの件もありがとうございました。
Demo TakeはDX7で作ったと言うのは、私の思い違いだったみたいですね。
記事を修正しておきます。

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