2-20 Fanks! Bang The Gong ①

いろいろあったDJTKのアルバムも、ようやく製作が完了したようです
「2-18 Self Control (Album)」のコメント欄に、
関係者さん(本物?)が書き込んでますが、
DJTKのofficial blogで発表されています
7/4リリースとのこと

1)JUMP  忌野清志郎
2)Wanderers  松任谷由実
3)Happiness×3 Loneliness×3 TM NETWORK
4)ガッツだぜ!  ウルフルズ
5)SOMEDAY  佐野元春 
6)MY REVOLUTION  渡辺美里
7)アンジェリーナ   佐野元春
8)I Want You Back  KCO
9)恋しさとせつなさと心強さと  篠原涼子
10)Rocket Dive  hide


TM曲は結局、
「Be Together」「Self Control」「Love Train」「Seven Days War」も収録されず、
事前にまったく言及がなかった「Happiness×3 Loneliness×3」のみになりました
DJTK制作日記の第25回に拠ると、
ボーカルはKCOのようです
「I Want You Back」とともに、
昔サッカー特番の「Tribalkicks TV」で使われていた音源の、
再利用かと思われます
あの音源は少し気になってはいましたが、
かなりTM曲が入りそうな雰囲気だっただけに、少し残念です
まあ無事リリースというだけでも、安心すべきかもしれません


あと全然関係ない話ですが、
「Dragon The Festival」のMagic Word、
一つだけ綴り不明だった「ガラビランカ」が判明しました
「Guarapiranga」で、「グァラピランガ」が正しい発音です
まあ、どうせ本人たちが正しく発音してないので関係ないですが
過去の記事も訂正しておきました
ちなみにYahoo! Japanで「Guarapiranga」を検索すると、
トップに”Guanabara, Rio Grande, Guarapiranga, Estrela, Espirito, Juiz de Fora”というブログがヒットしました
どうやら元FANKSのようです


一応Magic Wordを全部書くと、以下のようになります
( )はライブ中のメンバーによる発音

・Guanabara  グァナバラ
・Rio Grande  リオグランデ
・Guarapiranga  グァラピランガ (ガラビランカ)
・Estreilia  エストレージャ (エストレイリア)
・Espirito  エスピリート
・Juiz de Fora  ジュイスデフォーラ (ジェステフォーラ)


さて、本編に入ります


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過去のTM NETWORKのライブを一つだけ見ることができるなら、
どのライブが一番人気だろうか
自分ならば、必ずこれを選ぶというライブがある
今回紹介する「Fanks! Bang The Gong」である
自分の中では、TMライブが完成の域に達したツアーである


ところがこのライブ、大変残念なことに、
映像・音源がほとんど商品化されていない
唯一の商品は、
「Get Wild」のPVオープニングで一瞬使われているライブ映像である
これは「Maria Club」のイントロの部分である
もちろん音はスタジオ版の「Get Wild」であり、
ライブの音はまったく知ることができない


商品化されていないものを含めても、
状況はほとんど変わらない
1987/5/2広島で放送された「白島北町音楽倶楽部」で、
同日広島郵便貯金会館で行なわれたライブから、
「Bang The Gong」「Passenger」「Rainbow Rainbow」「Come on Let's Dance」
のダイジェスト映像が放送されたくらいである


「Self Control」期のライブとしては、
特別ライブ「Fanks Cry-Max」がTVやラジオで放送され、
商品化される時もこの映像が用いられた
そのため「Fanks! Bang The Gong」は、
「CAROL Tour」「Tour TMN EXPO」と並び、
現在TM史上でもっとも情報を得ることが困難な幻ライブとなってしまった


「Fanks! Bang The Gong」「Self Control」発売半月後、
1987/3/10から二ヶ月間に渡り行なわれた
ツアーコンセプトは、
「WHAT MAKES YOU STOP DANCING? WHAT MAKES YOU STOP CRYING? WHAT MAKES YOU STOP LAUGHING?」である
「僕らが踊るのを、泣くのを、笑うのを、止められるものはない」というもので、
「Self Control」のライナーにあるメッセージから引用したものである
この中の「CRYING」は、
6月開催の「Fanks Cry-Max」のライブタイトルの前提かもしれない


前ツアー「Fanks Dyna-Mix」(1986年6~7月)開催以前、
1986年5月には、同年秋に全国30カ所のツアーが予定されていた
このツアーは実現していないが、30ケ所という規模から見て、
全国27会場28公演(「Fanks Cry-Max」を含めれば28会場29公演)の「Fanks! Bang The Gong」につながるものだろう
「Fanks Dyna-Mix」は14会場15公演だから、
「Fanks! Bang The Gong」はその2倍の規模になったことになるが、
この規模のツアーが「Fanks Dyna-Mix」開催以前から計画されていたことを考えるに、
「Fanks Dyna-Mix」のチケットはまずまずの売上を実現していたのだろう


1986年10月には、翌年3月中旬のツアーが決定しているが、
これが「Fanks! Bang The Gong」に当たる
チケットは1月に発売されたが、たちまちSold Outになり、
2月には追加公演が発売された
まさにブレイク期のツアーであった


ツアーのポスター
ライブの写真は「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」のもの



なお詳細が良く分からないのだが、
ツアー中の1987/3/28には、札幌市民会館でANAの企画で、
「TM NETWORK '87スキーツアーサヨナラコンサート」なるものが開催されている
(ミツカワ氏のご教示による)
この時は「ANA北海道スキーツアー」と称して、
様々なミュージシャンのライブが北海道で開催されており、
TMのライブもその一環である
(TMが同企画の最終公演なので「サヨナラコンサート」となっている)


この直前のツアー日程を見ると、
3/23函館市民会館、3/26北海道厚生年金会館(札幌)、3/27旭川市公会堂でライブが行なわれており、
旭川から札幌に戻ってライブを行なったことになるが、
これはツアーとは別メニューだったのだろうか


ツアーのリハーサルは2月中旬に行なわれた
YAMAHAの施設である三重県の合歓の郷で合宿が行なわれたが、
メンバーはここが気に入り、
以後1990年まで、ツアーリハーサルは常にここを使うようになる


これ以前、12月まで「Self Control」のレコーディングがあり、
1/6から2/1までは小室ソロイベント「SUPER DX Formation」が開催され、
2/9まで「Get Wild」のレコーディングを行なった
小室はその合間やその後にライブ音源を作成し、2月中旬からリハを行なったことになる
2月下旬にはテレビなどに出演し、3月からはツアーという日程だった
ツアー開始直前の3/6には、伊勢原市民文化会館でゲネプロを行なっている


ライブの衣装は3人ともデザインが異なるが、
生地の素材や柄は同じで、
黒地に紫の斜線の入った統一感のあるものとなっている
(ただしウツは後半で全身紫の衣装に変わる)
紫は「Fanks! Bang The Gong」のイメージカラーだった
これまでのTMは別々の衣装を着ていたが、
以後のライブでは同じか似たような衣装を着ることが多くなる


メンバーのコスチュームはSF的で、
「Self Control」の雰囲気を再現している
この雰囲気は翌年の「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」まで続いたが、
折しもブレイク期ということもあり、世間のTMのイメージを決定付けた


選曲などライブの構成は「Fanks Dyna-Mix」に近いが、
ステージのパフォーマンスには、
「Fanks Dyna-Mix」のような野性味・泥臭さはあまりない
コンセプトも「シアトリカルなステージ」というもので、
ステージングを重視した「Dragon The Festival Tour」に近い
これは「情景を思い浮かべるような音を出す」というもので、
具体的にどこで切れるのかは分からないが、全部で6景という構想であり、
照明も場面ごとに変えたという


「シアトリカル」というキーワードは、
すでに「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」の頃には出されており、
今後は演劇的要素が強まる予定だとされていた
1986年年末の時点でも、「Fanks! Bang The Gong」のコンセプトとして、
「シアトリカル」という言葉が出ている


「シアトリカル」な部分が特に強調されたのは、
「Bang The Gong」の演出や、木根のパントマイムなどである
小室のインストでも映画音楽を取り入れ、
ストーリー仕立ての内容となっていた


ウツやメンバーのダンスも、前回よりもさらに力が入っており、
見せることに意識を向けていた
この傾向は「Kiss Japan Tour」「CAROL Tour」と、
以後どんどん強まっていく


サポートメンバーとしては、
キーボードの白田朗とベースの西村麻聡が抜け、
代わってベースの日詰昭一郎が加わった
日詰は高校時代にうじきつよしが結成した子供バンドのオリジナルメンバーという経歴を持つ(1973~76年)
Fence of Defenseメンバーや松本孝弘らと知り合いで、
北島健二とは一緒にバンドをやっていたこともある
TMサポートに参加したのは彼らの紹介だったという


日詰は他のサポートメンバーにはない独特なキャラクターだった
この頃は口ヒゲを生やし、男性的な風貌だった
(後にヒゲを剃った後、かなりイメージが変わったが)


なお日詰は2001/10/14に脳出血で亡くなっている
愛された人だっただけに、
当時からのファンには衝撃だった
2004年の「Double Decade Tour Final」では、
20周年を記念して、
松本孝弘を含めた過去のサポートメンバーが集結したが、
逆に日詰がいないことも再認識させられたライブでもあった


「Fanks! Bang The Gong」の時点のサポートは、
ギター松本、ベース日詰、ドラム山田の三人となった
1988年の「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」まで、
TMはこのメンバーでライブを行なうことになる
この顔触れはFANKS時代のサポート陣の典型として、以後記憶された


シンセ・コンピュータの担当は、
「Dragon The Festival Tour」の3人、
「Fanks Dyna-Mix」の2人、
「Fanks! Bang The Gong」の1人と、
次第に減少している
背景としてはシンセの技術的発達もあるのだろう


裏方にはマニピュレーターの久保こーじが控えていたが、
表舞台では小室が一人でシンセを扱うようになる
小室は何台ものシンセをタワー状に積んで操作したが、
これは会場の中心に配置され、
コンピュータの要塞の指令室のような雰囲気を出した


当時初めてTMを見た人の多くは、
シンセタワーに囲まれクールに演奏する小室に萌えた
ステージの配置は「Fanks Cry-Max」と同じなので、
こちらを参照してもらえればと思う
「Fanks The Live 1」に収録)


このツアーのエピソードとして、
ウツのケガの件にも触れなければならない
「Self Control and the scenes from the Shooting」では、
メンバーがキャッチボールをするシーンがあるが、
この頃は球技で時間をつぶすことが多かったようだ


ウツは4/22九州を回っていた頃もスタッフとソフトボールをやっていたが、
この時に打球を手で受け、
右手の中指と人差し指の間に5針の裂傷を負ってしまった
以後ウツは右手に包帯を巻いての公演となった


ウツは自己管理できていない自分が情けなく、
落ち込んで眠れなかったという
また4/23の熊本市民会館公演の開演前には、
マイクを握るのも痛かったという
だがいざライブが始まると、ふっきれたパフォーマンスができ、
これ以後むしろウツとしても満足の行くステージが増えたという


実は「Get Wild」のPVには、
現在のものよりも多くのライブ映像が使われる予定だった
だが撮影日にウツの右手がケガをしていたために、
ごく一部のみの収録となってしまったという経緯がある
特別ライブ「Fanks Cry-Max」では、
ケガこそ治ったものの、声の調子が悪く、
この頃のウツは自己管理が甘い


選曲に関しては、「Self Control」から、
「Fool on the Planet」以外の9曲を演奏している
本来はアルバムから全曲を演奏する予定だったのだが、
サンプラーのメモリ容量の限界のため、
「Fool on the Planet」がカットされたと推測される


他は「Rainbow Rainbow」から4~5曲、
「Childhood's End」から1曲、
「Twinkle Night」から2曲、
「Gorilla」から3曲
他に小室によるインストと、
新曲「Get Wild」発売後はこれも演奏された


意外なことにライブ定番曲が多い印象の「Gorilla」からは、
3曲しか演奏されていない
前ツアーで中心的な位置を占めた「Nervous」も、
セットリストから漏れている
ただし「Nervous」は、ゲネプロの時にセットリストに入っていた形跡があり、
演奏する案もあったらしい


この頃から「アクシデント」「Girl」など、
シングルでも演奏されない曲が出てきており、
アルバムが4枚となって曲数も増えてきたことを反映している
ライブの上演時間も、この頃から2時間を越えるようになった


「カリビアーナ・ハイ」「Here, There & Everywhere」「Your Song」など、
珍しい曲を演奏していることもこのライブの注目点だろう
「Your Song」は、「Fanks Dyna-Mix」のアコースティックコーナーで一瞬演奏されたことがあるが、
正式にセットリストに加えられたのはこの時だけである


ライブの構成は「Fanks Dyna-Mix」を引き継いでいると先に述べたが、
旧曲のアレンジについても、
その多くは「Fanks Dyna-Mix」「YAMAHA X-Day」を引き継いでいる
ただしまったく同じわけではなく、
「カリビアーナ・ハイ」「Your Song」など、新しいアレンジが施された曲もあった
(そもそも「Your Song」は初披露だが)
「Dragon The Festival」のMagic Wordタイムなど、
演出に趣向を凝らしたものもあった


曲解説については、次回に回すことにしたい

(2007/5/17執筆 2008/10/22・2013/3/20・2017/2/24加筆)

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この記事へのコメント

エルレ
2019年03月29日 22:33
このライブでてっちゃんの機材の置き方がかなりかっこよくなりましたね。
気づいた点としてコンソールを初めて導入しておりますね。
これ以来置いたのは確かLIVE IN NAEBA以降だと思います。
コメントさせて頂きます。
青い惑星の愚か者
2019年04月12日 04:12
Bang The Gongのセットはかっこいいですよね。私も大好きです。
次にコンソール置いたのはLIVE EPICかも。いずれにしろ21世紀になってからですね。Fanks Cry-Maxの後、Kiss Japanからは機材の一部を裏方で操作するように分離したので、小室さんのブースからは消える、ということでしょう。

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