3-11 Just One Victory

12/23・27の両日、「みゅーじん」で、
「SPEEDWAY」のレコーディング風景や、
「TM NETWORK -REMASTER-」の様子が放送されました
実に三年半ぶりのテレビ出演で、
しかも30分まるまるTMという充実した内容でした


番組の内容に逐一触れることはしませんが、
「You Can Find」のエピソードについて詳しく触れていました
歌詞カードに使われていた写真は、
当時阿部晴彦氏に送った実物だったんですね
歌詞カードには何も書いてませんでしたが…


ライブやレコーディングの時も、小室さんは楽しそうに見えました
最後に来年もがんばりたいとの意気込みを語っていましたが、
是非ともその一部をTMに振り分けてもらいたいです
あとライブ映像が断片的に放送されましたが、
早くDVDを出して欲しいものです


しかしこれからしばらくは、
速報にすべきネタもなくなるのかな?という気がします
まあ本ブログの更新も、今年はこれが最後ですから、
キリがいいといえばいいんですが
早く次の活動予定が耳に入ってくればと思います
(Jr.の方はどうでもいいです)


そういえば気が付いたらこのブログ、15000ヒットに達しました
(ていうか、16000行ってますね)
ご覧下さっている方、どうもありがとうございます
本ブログ開設が去年の11月、
前ブログの記事移転完了がだいたい一年前(1月初め)なので、
実質的に稼動を始めて一年で16000ヒットとなります
平均一日50回くらい見ていただいているということになるでしょうか
TMの活動再開でヒット数が増えてきた気がしますが、
ファンの間での盛り上がりが感じられて嬉しかったです
春頃に20000に行くように、がんばって定期的に更新していきます
では本題に入ります


----------------------------
「Just One Victory(たった一つの勝利)(Remix Version)」は、
1989/3/21発売のシングルで、
「CAROL」からのシングルカットである
曲名はTodd Rundgrenの1973年のアルバム「A Wizard, a True Star」に収録される同名曲から取ったものである
高校生の頃から、小室がとても好きな曲だったらしい


ジャケットは黄色を背景に三人が立っているところを映したもので、
かなりシンプルなデザインである
木根はスーツ、ウツはTシャツにジャケット、
小室はなんだかよく分からない謎の服を着ている





売上は12万枚にわずかに及ばない程度だった
それまでのシングルと比べ、
ほとんどプロモーションもされなかった上、
リカットシングルだったということもあり、
この時期としては売上が低い
一年前のリカットシングル「Resistance」とほぼ同じ成績である


同時期のタイアップはなかったが、
少し後に深夜の天気予報番組で使われていたのを偶然見たことがある
ただしこれについては他の情報で確認できず、
BGMとして一度限り用いただけかもしれない
またこれも確認できないが、
本記事ふかっちさんのコメントによると、
コカコーラのCMソングとなる予定もあったという


オリコンでは初登場6位で、
3週間10位以内にランクインした
4週目には15位に落ちるが、
これは3枚のリプロダクションシングル同時リリースがあったためで、
この週にはベストテンに3曲、
20位内に4曲のTM曲がランクインするという記録を出した
(なお同年9月の12インチシングルCD化の時にも、
20位内に4曲ランクイン)


このシングルは作品自体よりも、
リリース前後の時期のTMの環境が注目を集めた
3/3「CAROL Tour」大阪フェスティバルホール公演で、
ウツが右足のヒザの靭帯を切って緊急入院したのである


これは翌日の新聞やニュースなど各所で取り上げられた
「CAROL Tour」真っ最中だったにもかかわらず、
ウツは全治2ヶ月と診断されてしまい、
その後のツアー日程やメンバーのスケジュールは、
大幅に変更されることになった


そのような中、TMは3/8に「夜のヒットスタジオDX」に出演した
怪我の件をファンに報告するという意味もあったらしい
この時期のTV出演はこれだけで、緊急の出演だったと思われる
この時は「Just One Victory」を演奏した


ウツはもちろん立つことができないので、椅子に座りながら歌った
最後に三人が並び、ウツがひとさし指を上げるところなどは、
「CAROL Tour」を再現している
なおこの時は、「Chase in Labyrinth」が入るところはカットされた


この翌日からウツは入院し、治療に専念することになった
4/6「ザ・ベストテン」「Just One Victory」が10位にランクインした時も、
小室がVTR出演し、ウツの怪我のために出演できない旨を答えている


ウツの怪我が治った後、
TMは再びテレビに出演するようになるが、
この時にはすでにプロモーションの対象は「Dress」に移っており、
演奏されるのはもっぱら「Get Wild '89」だった
このため「Just One Victory」はほとんどテレビで見ることができず、
前後にリリースされたシングルと比べて、一般の知名度ははなはだ低い


他にこの曲がテレビで演奏されたのは、
1988/12/11に放送された「Hits」だけである
この時は「Come On Everybody」「Gia Corm Fillippo Dia」とともに、
「Just One Victory」も演奏された
ただしこの時はCD音源・口パクなので、
真の意味でテレビで演奏したのは「夜のヒットスタジオ」の時だけである


もっともこの曲は、ファンの間ではそれなりに存在感がある
「CAROL」のテーマソングであり、
アルバム全体の象徴的な位置にある曲だったためである
「CAROL Tour」でもラストに演奏された
「CAROL」に思い入れがあるファンには、特に存在感の強い曲だろう


小室にとっても、「CAROL」の中でも苦労して作った曲だった
「CAROL」組曲は1988/8/13の日本帰国以前におおよそ出来上がっていたが、
「Just One Victory」はそれまでに4回の撮り直しを行ないながらも、
エンジニアからOKが出なかった
結局8月末にロンドンに戻ってからレコーディングを再開し、ようやく完成したものである


「Come On Everybody」に続き、作詞・作曲は小室哲哉である
サブタイトル「たった一つの勝利」から分かるように、
歌詞はキャロルの勝利を祝う内容となっている
小室哲哉の詞の中でも名作の一つだと思う
ソウルオリンピック(1988/9/17~10/2)に影響を受けたものだという

We've got a chance! We've got a groovy night
今宵満ち足りた時が今訪れるWow Wow Wow Wow
We've got a luck! We've got a glorious night
宴に集うよ光り輝く勝利の為にWow Wow Wow
人は時と共に生きてゆく宿命を背負うから
山を越え谷底を進んで目指すゴールは君そのもの
Just One Victory Now Just One Victroy Tonight
Just One Victory Now Just One Victroy Tonight



なお冒頭が「We've~」で始まるのは、
オマージュ元になったToddの曲が、
「We've been waiting so long」と始まることを意識しているのだろう


前向きな歌詞に対応して、
曲からも前向きな雰囲気が漂っている
ミディアムテンポの落ち着いた曲調ながら、
テンポ以上に盛り上がれる
「CAROL」全体の雰囲気を代表しており、
少なくとも「Come On Everybody」よりは、
「CAROL」の紹介としての役割は果たしていたと言える


自分の中でもこの曲は、TMの中でも屈指の名曲である
この後の曲で言うと「We love the EARTH」もそうだが、
このテンポの曲に弱いらしい


この曲の一つの工夫は、
2番の後の間奏で「Chase in Labyrinth」が入るところである
この部分は、異世界に迷い込んだキャロルを、
勝利後に回想していることを表現している
ライブでは、衣装替えの時間に宛てられる


シングル音源は「Remix Version」とある通り、
リミックスであってアルバムとはアレンジが異なる
ミックスはJason Corsaroによるものである
JasonはThe Power StationやDuran Duranの作品に関わったエンジニアである
1987年に坂本龍一「Neo Geo」のミキサーを務め、
同年にRebecca「Remix Rebecca」でリミックスを担当したように、
日本人ミュージシャンの作品に関わった例はいくつかある


小室は1989/2/22Duran Duranの東京ドーム来日公演にゲスト出演している
1987年「humansystem」のレコーディングに参加したWarren Cuccurulloが、
この頃Duran Duranに正式に参加しており、
小室とDuran Duranの縁はこれによるものだろう
あるいはJasonの起用にも、WarrenやDuran Duranが関わっているのかもしれない


小室は本作についていかにも後付けっぽく、
4月に発売されるリプロダクションシングルの前触れと言っている
ただリプロダクションと違い、音のバランスの再調整がメインである


音のバランスは、アルバムよりもシングルの方が断然良いと思う
ドラムの音がより強調され、メリハリが効いている印象がある
イントロの音が左右に振り分けられているのも、
幻想的な雰囲気を強める効果を出している
アウトロがフェードアウトに変わり、短くなっていることと、
間奏の「Chase in Labyrinyh」部分に特殊な処理がされていることも、
オリジナルと異なる点である


個人的にアウトロはアルバムバージョンの方が好きなのだが、
後に1993年、「Classix 2」「Single 7' Version」として、
シングルの音でフェードアウトしないバージョンが収録された
自分の中ではこれが「Just One Victory」の完成版である
この後、2009年発売の「The Singles 2」限定版に、
「Just One Victory (Long No Breakdown)」が収録された
「Chase in Labyrinth」の挿入箇所がないものである


この曲は「Come On Everybody」に続いてPVが作成された
現在は「Decade」「All the Clips」で見ることができる
撮影は仙台イズミティ21で行なわれた
イズミティでは2/6・7・9・10・13~15に「CAROL Tour」公演があったが、
この時に公演の合間に撮影したものだろう


PVの内容は、「CAROL Tour」のステージセットで、
ツアー第1部のコスチュームで演奏する3人の姿をビデオにしたものである
ステージ後方には、ジャイガンティカが控えている
ステージ上にはツアーサポートメンバーの松本・阿部もいる


シンプルなビデオではあるが、
「Come On Everybody」PVと違いカメラのアングルがいくつかあり、
途中で別の映像も挟まったりするので、
ビデオとしての出来ははるかに良い
CAROLミュージカルの様子も一部見ることが出来る
(キャロルが逃げ惑うシーン、木根の空中浮遊シーンなど)


この曲は「CAROL」組曲の一部ということもあり、
「CAROL Tour」「Camp Fanks!! '89」以後はほとんど演奏されることはなかった
次に演奏されたのは、「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」で、
一連の「CAROL」組曲を演奏した時のことだった


ところがこの曲は20周年の時に、
「Double Decade "NETWORK"」に始まる一連のライブで、
「offensive version」としてトランスバージョンで単独演奏された
この時は歌のメロディや歌詞までも変える大胆なアレンジだった


これ以後「CAROL」組曲は、
単独で演奏しないという暗黙の了解から解放されたらしい
「Spin Off from TM 2007」では、
「Chase in Labyrinth」「Just One Victory」が、
それぞれ単独で演奏された


30周年およびその前にも、
2012年「incubation Period」から2015年「30th Final」まで、
ほとんどのフルライブで演奏された
(演奏しなかったのは2014年「Quit30」だけ)
実は30周年で「Get Wild」に次いで多く演奏されたのはこの曲だった
再始動後にライブでの存在感が高まった曲と言えるだろう


シングルのカップリングには、
「Still Love Her(失われた風景)」が収録された
こちらは「CAROL」のままのアレンジである
アルバムのラストを飾る落ち着いた雰囲気のミディアムナンバーである
詞は小室哲哉、曲は木根・小室の合作である


歌詞には「古いレンガの街並」「二階建てのバス」など、
ロンドンの風景が読み込まれ、
この点で「Winter Comes Around」に通じる
別れた昔の恋人に向けて歌った内容である
叙情的で、文学的も優れた内容ではないかと思う

冬の日ざしをうける公園を横切って 毎日の生活が始まる
時がとまったままの僕のこころを 二階建てのバスが追い越してゆく
歌をきかせたかった愛を届けたかった 想いが伝えられなかった
枯れ葉舞う北風はきびしさを増すけれど 僕はここで生きてゆける


このシングルで小室は、意外なほど良い詞を書く
ただ作詞は時間がかかり、ウツの歌入れ前日にようやく完成した
小室はプロデューサーの小坂洋二に叱られたと言う


この曲は「CAROL」の最後に収録されているが、
レコーディングされた順番も最後だった
この曲のコーラス入れを以って、長かった「CAROL」レコーディングは終わった


この曲はシングル標題曲「Just One Victory」よりも、世間的には有名である
「City Hunter 2」のエンディングテーマに使われたからである
「Get Wild」に続く二度目の「City Hunter」シリーズ採用である


「Still Love Her」は、通常ならば他のマイナー曲と同様に、
「CAROL Tour」以降は演奏曲目から外される曲となるはずだった
ところがその知名度のため、
これ以後もしばしばファンイベントなどで演奏され、
「TMN 4001 Days Groove」でも、
ラジオでの人気投票の結果を見て急遽演奏リストに追加された


再結成後では、「Tour Major Turn-Round」「TM NETWORK -REMASTER-」「Quit30」「Quit30 Huge Data」などで演奏されている
特に「Tour Major Turn-Round」では、
「Electric Prophet」と並び本編で演奏された再結成以前の2曲中の1曲として演奏された
また「TM NETWORK -REMASTER-」で演奏されたのは、
有名な曲を演奏するというコンセプトに沿って選ばれたものであろう
「Quit30」では3人が並んで演奏するサービスシーンが提供された曲でもあった


TVでも一度だけ、1992/1/2「ヤマモリステーション」「Music Station」特番)で演奏された
同じ頃では「Party Pavilion」や1992/1/15の成人の日イベントでも演奏され、
後者は「TMN EXPO Special Part 3」で生中継された

(2007/12/28執筆 2008/12/10・2017/7/10加筆)


Just One Victory
ERJ
1989-03-20
TM NETWORK
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この記事へのコメント

ふかっち
2009年08月08日 11:24
本来はこの曲はコカ・コーラのCM曲のタイアップがつく予定だったんですよね。当時、発売前にレコードショップに行った際に、予約受付の紙にも、しっかり告知されていたんですが、結局、事情はわかりませんがタイアップは無くなってしまったんですね。後年、trfがコカ・コーラのタイアップになった時に、この時の事を思い出しちゃいました(笑)
蒼い惑星の愚か者
2009年08月09日 00:34
そうなんですか?
リアルタイムで買っていたはずなんですが、全然知りませんでした
たしかにコカコーラってのは、すごいありそうな話ですね
記事に書き加えておきます
ありがとうございました
超獣ギーガー
2018年03月08日 16:04
はじめまして。TMでググっていたらこちらにたどり着きました。気になったことがあったので書き込みさせていただきます

Just One Victryが使われていた天気予報番組は当時自分もよく見ていましたが、かかっていたのは出所不明のインストアレンジ(その割に間奏のChase In Labyrinthもインストで再現されてました)でこの他にStill Love Herもかかっていました。
番組を見ていたのは通学関係で早起きしていた1992~93年頃で、結構頻繁にかかっていた記憶がありますが、その後は番組を見ていなかったのでいつまで使われていたのかは分かりません。後でJust~のシングルを買って「あっ、あの天気番組のアレだ!」と驚いた記憶があります。
青い惑星の愚か者
2018年03月20日 02:51
貴重な情報ありがとうございます。
私が見たのは89~90年頃で、歌もついていました。
後になってまた別のところでインストが使われたんですかね。

そのインスト音源は何なんでしょうかね。
1990年の特典CD「Carol Soundtrack」にジャスワンインストがあるんですが、こっちはChase~の部分は歌が入っています。
となると天気予報用に未商品化音源を使ったんでしょうか。
謎です。

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