3-29 Gravity of Love

先日少年サンデーコミックス「ハヤテのごとく!」15巻を見てたら、
サブタイトルで吹きました

「眠れないAM2:00イラだってドアを壊す」
(リンク先に扉絵)


「Running To Horizon」の歌詞じゃん!
(少し違うけど)


ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、
このマンガはパロディの宝庫でして、
サブタイトルもだいたい元ネタがあるのですが、
まさか「Running To Horizon」とは…
この場合は小室さんの歌だからというよりは、
「City Hunter 3」主題歌だからでしょうけど


それにしても、
先週「Running To Horizon」を取り上げたばかりのところに、
なんというシンクロ
(たまたま自分が気付いただけですが)


ついでに今更感がありますが、
小室ソロ絡みで、少し前のTVネタもリンクを貼っておきます
こちらこそ小室さんには関係ないですが


「サッポロ生ビール」デジタリアン編(リンク先に動画)


今や「デジタリアン」はオヤジトークの一環かぁ…
当時はかっこいいと思った言葉なんですけども
テレビで見た時は笑いながら複雑な気持ちでした
いや、見方によっては、
小室さんの造語が現在まで生きているともいえるわけですけども
ちなみにネットで検索してみたら、
結構使われているんですねデジタリアン…

参照:google検索結果


どうでもよい話題を失礼しました
当分新しい話題はないでしょうから…
あ、トリビュート版「I Love TM NETWORK」が出ましたね
すいません まだ聞いていません
持っている方は貸して下さい(オイ)


ということで本題に入ります

----------------------------------------------------
1989/11/17、
小室ソロシングル第二段「Gravity of Love」がリリースされた
ジャケットのデザインは「Running To Horizon」と同系列で、
イメージカラーは青だった



なんか威圧的な目線



チャートでは二作連続で1位を獲得した
ノンタイアップで、小室の人気だけによる売上である
同時チャートインした松田聖子「Precious Heart」は2位に終り、
前作まで24作続いた聖子の連続首位記録はここで途切れた
これは聖子一年ぶりのリリースで、
当時全盛期のPrincess Princessの奥居香作曲だったが、
よりによって小室の歌に敗北してしまった
聖子ファンにはさぞかし屈辱だったことだろう


「Gravity of Love」の売上は、最終的に11.3万枚
首位を獲得したにも関わらず、
1989~91年のソロシングル中で最も売上が低い
3枚連続リリースの真ん中という不利な位置にあったことが大きい
2週間後にはシングル「Christmas Chorus」発売を控えていた


曲調は明るめ・さわやかめ路線である
ミディアムテンポの曲だったことも注目される
1989年の小室は、「Dive Into Your Body」「Running To Horizon」と、
勢いのある曲を発表し続けており、
こうした曲はかなり久しぶりだった


この前後で近い雰囲気の曲を挙げれば、少し後になるが、
宮沢りえに提供した「No Titlist」あたりだろうか
なおゲストミュージシャンとして、
ギターに松本孝弘が参加している


この時期の3枚の小室シングル中で、
「Gravity of Love」は私が最も好きな曲である
実は正直に告白すると、
はじめて「Running To Horizon」を聞いた時、
あまりの壮絶なボーカルに、私は引いた
CD化されたTMの過去シングルすら購入したのに、
「Running To Horizon」はスルーした
おそらく先行シングルがこれだけだったら、
アルバム購入も見送っていた可能性が高い


しかしその後、「Gravity of Love」を聞き、
「あれ? 実は小室いいじゃん」と思いなおした
ハイテンポな「Running To Horizon」と比べ、
ミディアムテンポの「Gravity of Love」は、
むしろ小室の声質に合っているように聞こえる
(ライブではそれでもちゃんと歌えないのだが)
それに小室特有の変なクセがあまり出ていない
普通に名曲ではないか


小室哲哉の歴史上、このシングルが特筆されるのは、
作曲のみならず作詞も小室哲哉の手になっていることである
もちろんこれ以前も小室詞はあるのだが、
これを境に小室がシングルの作詞をする割合が増えるようになる


すでに「CAROL」では、
約半分の作詞が小室哲哉になっていたが、
シングル曲では小室詞はあまり多くなく、
大部分は小室みつ子だった
みつ子詞なら売れるという目算があってのことだろう


だがこの頃からシングルでも、
小室哲哉が詞を多く手がけるようになり、
小室みつ子の影が薄くなっていく


具体的な事例から見ると、
1986年の「All-Right All-Night」から1988年の「Seven Days War」まで、
TMのシングルはすべてみつ子作詞だった


その後TMの「Come On Everybody」「Just One Victory」では、
小室哲哉の作詞が続いた
だが「Dive Into Your Body」「Running To Horizon」では、
またみつ子が作詞を担当している


そして「Gravity of Love」の後は、
「Christmas Chorus」「天と地と」「The Point of Lovers' Night」と、
4作連続小室自身の作詞となる
ソロアルバム「Digitalian is eating breakfast」も、
小室作詞の割合が高い
この頃小室がプロデュースした田中美奈子「夢見てTRY」も、
作詞・作曲・編曲を小室が担当した


その後、TMN期の7枚のシングルを見ると、みつ子作詞は3作で、
「Time To Count Down」「Wild Heaven」「Nights of the Knife」
小室哲哉作詞は2作のみだが、
「Love Train」「一途な恋」
カップリングの「Dreams of Christmas」「We love the EARTH」も入れれば、
むしろみつ子よりも多くなるのである


ボーカリストとしてはほとんど仇花に終わったソロ活動期だが、
作詞家としての活動について見れば、
TMN期・プロデューサー期を経て現在まで続く流れともいえる
その点では大いに意味のある時期だったといえるだろう


しかも後と比べて、この頃の小室詞は出来が良い
正直に言って私は、「EXPO」期からプロデューサー期にかけての小室哲哉の歌詞は、
あまり高く評価していない
カラオケ需要を見込んだこともあり、
空虚なキャッチフレーズの羅列という感じがして、
どうも受け付けないのである


しかし「Gravity of Love」に代表される「Digitalian is eating breakfast」期の歌詞は、
びっくりするくらいセンスが良い
小室自身もアルバム作成の作業中で、
楽しかったこととして、まず作詞を挙げている


この時期の小室哲哉詞の特徴は、
心情を吐露する前に、
歌詞の主人公の周りにある風景を、
具体的なアイテムを出しつつ歌詞に読み込むことで、
その環境を具体的にイメージさせる点である
適当なノリの良い言葉を並べるだけの歌詞とは一線を画している
(もっともプロデューサー期はCMタイアップのために、
 耳に残る言葉を使う必要があったのだろうが)
「Gravity of Love」では、以下の部分が例として挙げられる

カブリオレ幌(ほろ)を開けて
港見下ろすサタデーパーク
深く息を吸い込んだ
君の肩越しスターダスト
すれ違う時があった
何度か泣かせたけれど
夜空に描くヒストリー
これから始まるはずさ


小室が言うには、TM NETWORKの場合は、
歌詞の世界に具体的な小物や設定を出すことができなかった
抽象的な雰囲気にしないといけないという了解があったらしい
ラブソングでもオブラートに包んだ形で、
どのようにでも取れるような詞にしていた


この点は「Come On Everybody」「Dive Into Your Body」などを見れば、確かに納得できる
小室はそうした縛りから離れた形で、
歌詞を作りたかったということである


また具体的な、ひいては現実味のある歌詞という点も、
異星人的な世界を構築していたTM NETWORKと大きく異なっていた
かつて現実的なラブソングを多く詰め込んだ「Childhood’s End」の作風に近いかもしれない


なお小室は「Gravity of Love」の歌詞について、
「シンプルなラブソング」と言っている
イメージは横浜か神戸とのことである
「港見下ろすサタデーパーク」というのは、
横浜の港の見える丘公園あたりであろうか


曲名は直訳すれば「愛の重力」で、
愛が主人公とその相手の二人をひきつけたことを表現している
そのことを地動説を唱えたガリレオ・ガリレイの名を出して詞にしている
なんとも雰囲気のある歌詞である

ガリレオが解いた めぐる地球の不思議
君に出会えたこと 君を苦しめたこと
きっとそうさ   引力がみちびくよ


以上書いたように、私はこの曲をかなり評価しているのだが、
3枚のシングル中ではもっとも影が薄いというのも否めない
後の取り上げられ方を見ても、
「Running To Horizon」はウツ、
「Christmas Chorus」はKCOがカバーしているが、
この曲だけはカバーされていない
地味な曲だけに仕方ないとも言えよう


シングルのカップリングには、
「Gravity of Love (Shep Pettibone Special Remix)」が収録された
前作と同様にShep Pettiboneのアレンジで、
シングルのみで聞けるレアテイクである


曲の長さは8分を越え、イントロやアウトロが長くなっている
また全体的にパーカッションの印象が強い
(特に二番の後、「ガリレオが解いた~」の部分)
ただ冗長なだけという印象で、
個人的にはあまり好きなアレンジではない


なお確証はないが、Shep Pettiboneのリミックスは、
「Running To Horizon」と同時に行なわれた可能性が高いだろう
(締切は違ったかもしれないが)
ならば「Gravity of Love」のオリジナル音源は、
「Running To Horizon」と同じ頃に完成していたことになる


前章では「Running To Horizon」について、
5月から本格的にレコーディングが始まった後、
「CAROL Tour」後期公演以前、
つまり7月前半頃にはほぼ完成し、
Shepへのリミックス依頼が行われたことを推測した


もしも「Gravity of Love」のリミックス依頼も同じ時に行なわれたのならば、
そのレコーディング日程も同様に、
5月から7月前半にほぼ完成というスケジュールだったことになろうか
具体的な情報はまったくないが、あえて推測しておきたい


また「Digitalian is eating breakfast」の曲の中で、
「Running To Horizon」「Gravity of Love」のみは松本孝弘がギターを担当している
これは同じ時にレコーディングされたものだろう


小室の宮沢りえへの提供曲「Dream Rush」のギターも松本孝弘だが、
これも同時にレコーディングされたものかもしれない
「Dream Rush」は9/15リリースなので、
8月上旬にはレコーディングが終わっていたことになる
これは「Running To Horizon」「Gravity of Love」のレコーディングが7月前半頃までにほぼ完成という推定の傍証になるかもしれない

(2008/6/9執筆 2009/1/1、2017/9/2加筆)

GRAVITY OF LOVE
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1989-11-17
小室哲哉
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この記事へのコメント

kuri566
2008年06月10日 05:09
私もつい先日、荷物整理をしていて、「デジタリアン~」のCDを久しぶりに掘り出し、たまたま自動車のハードディスクにリッピングしたばかりだったので。なんだか不思議とみなさん、タイミング的に「デジタリアン~」がキテますね。
蒼い惑星の愚か者
2008年06月10日 19:32
もしやデジタリアン再評価の時代が来る前触れでしょうか?
街中でシャウシャウ流れる日々…


ないでしょうね(笑

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