4-7 Time To Count Down

さて、今回は前置きは無しで…(といいながらありますが)
どうせ話題もないので、
次回からは話題が無い限り、いきなり本題に入ります

--------------------------------------------------
「Time To Count Down」は、1990/9/28発売のシングルである
TMN名義での第一弾シングルとされるが、
シングルCDでは「TM NETWORK」と書かれている
したがって表記の上からは、
次の「Rhythm Red Beat Black」から、
TMN名義のシングルになる(12月リリース)


これはレコード会社への連絡不行き届きのためかもしれないが、
12月開始の「Rhythm Red Tour」の正式名称も、
「maxell presents TM NETWORK RHYTHM RED TMN TOUR」だった
ツアーパンフレットや写真集にもそのようにある


このタイトルは、表記上はTMNでもTM NETWORKというグループ名は継続するという、
当初の案を反映したものだろう
だとすれば、「Time To Count Down」の名義にも、
同様の事情を考えて良いかもしれない


ジャケットはシンプルに、
白地の上に黒でTMNのロゴが大きく書かれているというものである
ジャケット裏も同じデザインで、表面の色を白黒反転させている
TMNの表記を印象付ける目論見があったのだろう
また余計な装飾を付けずに音を聞かせたいという意気込みもあったのかもしれない


「Time To Count Down」も、
「The Point of Lovers' Night」に続きmaxellのCMソングになり、
9/21から放送された
これにあわせてCMの映像も新しくなった
大部分の人はスルーしていたように思うが、
このCMでは一応ダイヤモンドヘッドも登場していた


このCMでは、TMの3人が宙に浮きながら、
猛スピードで移動しているところが表現されている
「その快感は、時速300kmで駆け抜ける」
というナレーションは、
この頃TMNが目指したスピード感の重視をアピールしたものだった


画質悪いですが失礼



チャートでは「The Point of Lovers' Night」に続いて、
堂々の一位を獲得した
ただし1週目の売上は10.2万、総売上は26.4万枚(年間42位)で、
「The Point of Lovers' Night」(1週11.3万/総32.6万)と比べると、多少落ちる


「Rhythm Red」発売が一ヵ月後に控えていたことも、
マイナス要因としてあったのかもしれないが、
ファン離れがあったのかもしれない
なおこれは発売日のめぐり合わせによるところが大きいが、
この曲は1990年10月の月間一位も獲得している
これはTM NETWORK・TMNを通じて唯一の例である


ちなみにこの頃TMNがライバル視していたのは、
いわゆるTMファミリーから出たB'zだった
「太陽のKomachi Angel」(1990/6/13)で、
TMよりも先にチャート1位を獲得したころには、
すでにかなりのファンがB'zに移りつつあり、
それへの対抗心もあったのだろう
後に小室はB'zに追い抜かれたことについて、
「ちょっとお休みしてたのが間違いでしたね」と述べている


ただしこの頃は、勢いはB'zの方にあったが、
シングルの売上に関しては、ほぼ同じレベルだった
アルバムでも、TMN「Rhythm Red」とB'z「Risky」は、
発売当初はそれほど大きな売上の差があったわけでもない


完全に抜かれるのは、
1991年にB'zが「Lady Navigation」でミリオンを達成した頃で、
また「Risky」もロングセラーになって売上を伸ばした
この頃になると完全に勝負は付いたと言える


話が横道に逸れたが、「Time To Count Down」は、
「Rhythm Red」の先行シングルとして、
TMNへのリニューアルを印象付けることを最大の目標としていた
そのため、当然ハードロック的なサウンドが目指されている
曲名は「21世紀へのカウントダウン」の意味らしい


作曲は小室哲哉、作詞は小室みつ子で、
TM NETWORK時代の黄金コンビである
リニューアル第一弾として、
一番確実なパターンで来たのだろう


曲全体としては、それまでにないスピード感と、
激しいディストーションギターとツーバスのドラムの印象が強烈である
ギターはNight RangerのBrad Gillisで、
スタジオのミキサーに足をかけてギターを弾く熱中ぶりだったという


イントロは、小室のピアノ早弾きである
これはTM史上でもっとも美しいピアノで、小室も気に入っており、
globeなどTM以外でのライブも含め、このイントロは頻繁に即興演奏されている
ただこの部分もテンポはかなり早く、
スピード感を重視した作りという点はこの後の部分とも一貫している


ピアノが終わると、ウツの「Time To Count Down」の声とともに、
一気にハードロックサウンドに変化する
この急激な変化によって、ロックの雰囲気を際立たせようとしているのだろう
「Rhythm Red」「Good Morning Yeasterday」や、
後のH jungle with t「Wow War Tonight」と同様、
動の前に静を置くことで、動を強調する手法である


勢いのあるロックサウンドに対応して歌詞も攻撃的で、
またものすごい早口である
それまでも「Faire La Vise」「All-Right All-Night」など、
多くの早口ソングはあったが、
TM史上最大の早口期はこの頃だろう


まず出だしのところ、

 What do you think is going on? 悲しげに
 スパークしてるサーキット・シティ」

の部分からして、ものすごい勢いである
歌詞には「常識さえ追いつけないスピードで」や、
「嵐のように駆け抜けたい」など、
スピード感を感じさせるフレーズが満載である


「Time To Count Down」という曲名自体、
切迫感とスピード感を感じさせる
「サーキット・シティ」のフレーズも考えれば、
小室が当時はまっていたF1の影響もあるのかもしれない
この傾向は、「69/99」「Burnin' Street」など、
「Rhythm Red」の他作品にも当てはまる


歌詞の作りは「The Point of Lovers' Night」と同様、
ファンの象徴としての「君」に対してTMNが語りかける形である
あまり深い意味のある歌詞ではないが、
未体験のサウンドとの接触と、未来志向の積極的な意志を表現している
極めて単純に言ってしまえば、
リニューアル後の意気込みを伝える内容と言えよう

耳をつきやぶるビート・フォース 地上をゆらすリズミック・エナジー
Automatic love 気がついたよ 君が僕を変えていたのさ
嵐のように駆け抜けたい 流れる髪と星屑たち
欲しいものは君と未来だけ しなやかに僕をくるわせて


曲の特徴としては、あまり指摘されないが、
Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビという、
典型的な歌謡曲の構成を取っていないことが挙げられる


まずはAメロが8フレーズ繰り返された後、
「ラララララララララ」のコーラスが挟まり、
Aメロが4フレーズ繰り返され、サビに入る
その後はサビ以上の早口ゾーン(多分全TM曲で最速)が挟まり、
Aメロに戻らずサビを繰り返し、曲は終わる
サビに行った後の盛り上がりをクールダウンすることなく、
最後までテンションを上げ続けようとする構成である


この構成は、後述するカップリングの「World's End」も同様である
TM NETWORK時代の整然とした作りの楽曲に飽き足らず、
新しい形を目指したものだろう


感想をいえば、この曲はサビ以外のところはかなりかっこよい
イントロのピアノは小室ファンならかなりツボだろうし、
メロディはこなれておらずとも勢いは感じさせるAメロは、
間奏の余計なシンセ音を外せば、
表現しようとしている世界をうまく表現できていると思う


特に二度のサビの間に挟まる早口ゾーンは、
個人的にこの曲の最大の魅力であり、
maxellのCMでもここが使われた

I wanna get you on the beat
Just go on, go on, all alone
Every day every night 走り続ける
How can keep on keepin' on? めまいの中で
オーロラのような君と一緒に


ただどうしても、サビが残念である
まず歌詞が微妙だ
「Time to count down 風の中 Wow wow wow wow 裸で」
とか、もう少し良いフレーズはでないものか
ここらへんは感性の問題だが、
「風の中」とか、なんだか陳腐な響きに感じてしまう


何よりも曲である
楽器は確かにハードロックしているのだが、
メロディがここだけポップなのだ
おそらく同様のコンセプトで作った「69/99」が、
徹頭徹尾ハードロックなのと比べると、中途半端な感は否めない
シングル曲としての妥協なのかもしれないが、
個人的にはここで冷めてしまう


ただこの曲、ライブで聞くと印象が変わる
サビの部分も含めて、実に盛り上がれる曲である
演奏頻度も極めて高く、リリース以後2007年までは、
「EXPO Arena」「Log-on to 21st Century」
以外のすべてのフルライブで演奏された


「EXPO Arena」でも沖縄の最終公演では追加で演奏されたし、
2008年「SPEEDWAY and TK Hits!!」でも、
イントロは小室シンセソロで演奏された
ただ2012年以後では「Quit30」で演奏されたのみである
ウツの体力の問題で演奏しづらくなったのかもしれない



特に2000年の「Tour Major Turn-Round」では、
「終了」以前の盛り上げ曲としては、
この曲と「Get Wild」だけがアンコールで演奏された
「Get Wild」と並ぶ盛り上げ曲としての位置を読み取ってよいだろう
「Double Decade Tour」でライブの一曲目で演奏されたことも、
やはりライブにおけるこの曲の存在感を示している
リニューアル以後で最大のライブ定番曲と言うこともできよう
ライブでCD以上の魅力を見せるという点では、
かつての「Dragon The Festival」と同様の位置である


「Time To Count Down」のカップリングの「World's End」についても触れよう
作詞は坂元裕二、作曲は小室哲哉だが、
坂元はこの曲で初めてTMの作詞を担当した
「EXPO」期を含め、TMN期の大人の歌詞を担当した人である


もっともこの人は作詞家というよりは、
本業はドラマの脚本家であり、
これより前では「同・級・生」
この後では「東京ラブストーリー」などを手がけている


1989年、ドラマ「同・級・生」で成功した頃、
演出家の永山耕三と脚本家の坂元は、小室と知り合いになった
1990/8/1リリースの中山忍「箱入り娘」に提供した「ホタル」「僕がむかえにいくよ」が、
管見では小室・坂元コンビの最初の仕事のようだ
「ホタル」では、モノローグのセリフ調に歌詞を付ける試みをし、
永山もアドバイスしたりしたらしい
(ちなみに編曲は久保こーじ)


「World's End」の歌詞は、
「Time To Count Down」よりも退廃的な雰囲気が漂っている
リニューアルのキーワードの「終末への逃走」「ピュア・デカダンス」、
特に前者をもっとも表現した曲がこれだと思う

一人の夜に話しかける君を奪い Great Escape
パラダイスでは愛せない 追われるだけの終われない Journey to heaven
逃げ道は一つだけ World's end, World's dead
ラインを越えて You are just a stranger
Be Right 世界の終わりに  Be High 始まりがある
Be Right 止められないのさ Be High 灰になるのさ


「High」と「灰」をかけるなど、言葉遊びも見られる
特に私が好きなのは、曲の最後近くの以下のところである
こういう歌詞のセンスは、それまでのTMにはなかったと思う

とらわれた二人 崩れ落ちた二人の距離
永遠をみつけた瞬間 最後に見た Rainbow
君の瞳の中確かめた
Shinin' sky, Shinin' days, Shinin' time, Shinin' dream, Shinin' eyes


この曲ではイントロでハモンドオルガンが入る
ライブでもこの曲で小室のオルガンプレイが見られるが、
オルガンは小室のルーツである70年代プログレッシブロックの、
定番アイテムである


その後はギターを中心にゆったりとした演奏がイントロで展開するが、
歌が始まると俄然テンポが上がる
ここらへん、「Time To Count Down」の静→動の作りと共通している
この部分はタイムトンネルで70年代から90年代にワープするという感覚で作ったのだという


この曲も独特な構成が取られており、
Aメロ→Bメロ→Aメロ→Bメロと繰り返し、
その後は長い間奏が入り、Bメロ→Aメロ→Aメロと展開する
Bメロがサビに当たるのだろうが、サビとしてはあっさりしており、
一聴しただけでは構成が捉えづらい曲である


だがこれはこれで、聞き込むとなかなかかっこ良い
シングル表題曲にするのは冒険だろうが、
むしろ「Time To Count Down」より徹底してロックしており、
個人的にはこちらの方が好きである
復活後もライブで聴いてみたかった曲だが、
「Rhythm Red Tour」以後一度も演奏されていない


TIME TO COUNT DOWN
エピックレコードジャパン
1990-09-28
TM NETWORK
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 17

なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い 面白い 面白い 面白い
ナイス ナイス

この記事へのコメント

fe
2009年06月26日 21:06
今晩は。

確かに…言われてみるとサビが宮沢りえ氏の「DREAM RUSH」とパターンが酷似してますね。ジャンルの「音」そのものと小室先生の手癖がミスマッチしてしまった一例とも取れてしまいますね(そういう私は「RHYTHM RED」の中では「WORLD'S END」がお気に入り)

場違いな話で申し訳ありませんが、小室先生の情報で凄く早いサイトがあります。あと、あのユニットが…!?

http://tkmuse.syncl.jp/

それでは、失礼致しました。
蒼い惑星の愚か者
2009年06月26日 22:51
World's Endいいですよねー
いかにもオケ先行な作り(?)が小室さん的と思います

サイト情報ありがとうございました
毎日更新ですか… すごい情熱のサイトですね!
木根さんライブ音源配信は次回触れようと思っていたんですが、まさか○○○○○ with D○G がここで出るとは!(笑
木根さん、本当に人脈を切らさない人ですね
TCT
2009年07月01日 01:05
こんばんは。

名義が「TM NETWORK」なのは多分意図的なものじゃないでしょうか。
パンフレットを参照にされるとお分かりになると思いますが、「RHYTHM RED TMN TOUR」でも「TM NETWORK」を用いていました。
蒼い惑星の愚か者
2009年07月01日 01:50
おっと
たしかにパンフや写真集を見ると、ツアータイトルに「TM NETWORK」が入っていますね
見逃していました
ご指摘ありがとうございます
ブログ本文を微調整しておきましたm(_ _)m

この記事へのトラックバック

QRコード