4-11 Digitalian is eating breakfast (Video) & TMN

1990年にリリースされたTM関係のビデオは3本ある
1本は5/21リリースのアニメビデオ「CAROL」
1本は6/1リリースの小室ソロビデオ「Digitalian is eating breakfast」
1本は12/21リリースのTMNビデオシングル「TMN」である
このうち「CAROL」すでに触れたので、
ここでは残り2本について触れることにしよう


ビデオ「Digitalian is eating breakfast」は、
小室哲哉のサウンドトラック「天と地と」と同時発売された
5/21発売のアニメビデオ「CAROL」と両方購入すると、
「CAROL Soundtrack」のCDが抽選で当たったことは、
以前触れたことがある
ジャケットは小室の写真で、
シングル「天と地と」と同じ時に撮られたものである


本作は2003/12/17と2013/7/7にDVDとして再発されている
後者ではボーナストラックとして、
「Digitalian is eating breakfast tour」「20th Century Boy」が収録されている
これは1990年に「eZ」で放送されたものを収録したものである
なお2003年版は2418円で販売されたが、
2013年版はボーナストラック1曲が入ったことで4104円で販売された
恐るべきSONY商法である


ビデオは大部分が「Digitalian is eating breakfast tour」の映像である
アニメ「CAROL」と同じく、
3/21~4/8に行なわれたビデオ上映イベント「Fanks! Film Collection」で使われたものの商品化である


ライブ映像はツアーファイナルの1990/1/28横浜アリーナ公演のもので、
収録曲は以下の6曲である

「炎」「Shout」「Hurray for Working Lovers」「I Want You Back」「Running To Horizon」「Seven Days War(実際はWinners)」

「炎」「Winners」はインストだから、歌はたった4曲である
小室がライブで歌ったのは10曲だから、半分も収録されていないことになる
なお2013年版ボーナストラックの「20th Century Boy」も小室は歌っていない
(サポートギターのWarren Cuccurulloがボーカルを取った)
ボリュームの不満足感では「Fanks The Live 1」をしのぐ内容である
時間も「Fanks The Live 1」を下回る44分である


このように不満な点は多いビデオだったが、
現状では小室ソロライブの数少ない商品映像であり、
その点では大変貴重な作品となっている
ショルダーキーボードの小室を最もたくさん堪能できるビデオと思う
毒まで食らう覚悟の小室ファンならば、是非持つべきアイテムであろう


ライブの内容については以前触れたので、そちらを参照されたい
「Digitalian is eating breakfast tour①」「Digitalian is eating breakfast tour②」
選曲については、ライブ最大のアレンジ曲「Opera Night」と、
会場でコーラスを合唱するアンコールの「Christmas Chorus」は、
是非入れてほしかった
この二曲は長すぎるから外されたのだろうが(各10分以上)、
もともとビデオの収録時間が短すぎるくらいであり、
それくらい入れろと言いたい
イロモノ的関心から言えば、「Kiss You」「Dream Rush」も見たかった


このビデオにはライブ映像以外に一曲、
「天と地と」のPVも収録されている
その内容は以前触れた


小室のソロPVは21世紀になるとしばしば作成されるが、
20世紀だと他には1997年の「Speed TK-Remix」だけだと思う
(2000年「Throwin' down in the double 0」も事実上ソロ曲だが、globe featuring TK名義)
映画「Speed 2」の映像ダイジェストと、
炎を上げて走る車を背景に歩く小室の映像を織り交ぜた、
ほとんど意味が無い内容である


「Digitalian is eating breakfast」では、
「天と地と」が終わるとライブ映像の「炎」が入り、
「天と地と」関係曲で続く形になっている
この「炎」はかっこいいと思う
歌わないからボロも出ていない
ビデオのラストは「Winners」で、これもインストである
しっとりとしたインストで歌のインパクトを和らげる終わり方である


ついでビデオシングル「TMN」に話を移そう
このビデオは1990/12/21、
シングル「Rhythm Red Beat Black」と同時にリリースされた
シングルの応募券とこのビデオの応募券を両方送ると、
抽選で新宿Space Zeroのファンイベントに参加できたことは、すでに述べた


ビデオのパッケージは真っ赤な仕様で、
その中に宇宙服姿の3人の写真がプリントされている
12分の短い内容である
パッケージには収録内容として、
「Secret Rhythm」「Time To Count Down」「Rhythm Red Beat Black」
の3曲が書かれているが、
フルコーラス入っているのは「Rhythm Red Beat Black」のみである


最初の場面では、「Secret Rhythm」をBGMに、
パソコンやシンセが並ぶ部屋の中で、
白いスーツを着た小室が立っている
この小室は普通にかっこ良い


小室がパソコンをマウスでいじり始めると、
そのパソコンのディスプレイが画面に映し出される
そこには「TMN」ロゴの「T」の字が大きく映っている
まもなくその後ろにダンサーたちの映像がかぶさり、
「Rhythm Red Beat Black」のPVに移る
このPVはビデオ発売前から、
1990/10/25「eZ」で放送されていた


「Rhythm Red Beat Black」が終わると、
場面が一瞬小室部屋に戻るが、
まもなく「Time To Count Down」PVに移る
こちらはイントロと1番Aメロの後、
なぜか突然最後のサビ繰り返しのところに飛んでしまう
そして曲が終わると、
革ジャンを来た小室が部屋の中に立ってこちらを見ている映像が映し出され、
ビデオが終わる


2本のPVではどちらも、
マイケル・ノーブルの振り付けによるダンスを堪能できる
まず「Rhythm Red Beat Black」では、
ウツが9人のダンサーと一緒にダンスを繰り広げる
このダンサー陣の中で後藤秀敏と新上裕也は、
この後「Rhythm Red Tour」でも登用された


ダンサーは4人が全身赤スーツ、5人が全身黒スーツで、
曲のタイトルを意識した演出となっている
なおウツは黒スーツである
小室とシンセブースには赤い照明が掛かり、
画面は全体として赤と黒の二色で構成されている
木根はほとんど出ないが、一瞬間奏のところで影として登場する


このPVの大枠のアイデアはウツによるものだという
独特なダンスではあるが、
得体の知れない勢いがプラスに働いているように思う
歴代PV中で、今でも見られるものの一つではないか


特に2番のサビのところ、
ウツの後ろにダンサーが全員並んで、
全員で体を左右に震わせるダンスのところは、
なかなか圧巻である
「Rhythm Red Tour」でもこのPVのダンスは再現された
ただし傍目から見てもかなり疲れそうなダンスで、
実際にウツも大変だったらしい


なお2004年「Double Decade "NETWORK"」の退場の時、
ウツは一瞬このダンスを披露し、
2015年「30th Final」でこの曲を演奏した時も、
やはり間奏中で一瞬このダンスを披露している
TM再始動後のウツが「終了」以前のパフォーマンスを一瞬とは再現するのは稀有で、
きっとこの曲のダンスが印象深いのだろう


本ビデオ収録のもう一本のPVである「Time To Count Down」は、
別の意味でなんかすごい
途中が削られたのも分かる気がする


ウツのダンスは、
1990/9/19「夜のヒットスタジオ」で披露した衝撃のアレである
最初から変な動きのウツと、シンセをノリノリで演奏する小室
体前面の中央だけシースルーの妙な服が、
また独特な雰囲気をかもし出す
ちなみに衣装はメンバー3人とも「Rhythm Red Beat Black」と別である


3人のまわりでは炎が燃え盛り、
廃墟の町をイメージしたセットでは、柱が倒れると火薬が発火を繰り返す
ところがこの柱、倒れてもまた自分で立ち上がる
そして立ち上がりきるとまた倒れるという動きを全自動で繰り返す
あまりにもちゃちいセットで、
「終末への逃走」も「ピュア・デカダンス」も全然伝わってこない


なおセットは「Rhythm Red Beat Black」と同じだが、
「Rhythm Red Beat Black」では柱は動かず、
単なるオブジェなので、別に気にならない


ウツのまわりに直立不動の人々が立っているのも、
妙な違和感をかきたてる
その中には木根もいる
「Rhythm Red Beat Black」では出番すらほとんどなかったが、
こちらでは出番はある
しかし直立するだけで、何もしない


木根たん…



他の直立する人々としては、例の赤と黒のダンサー陣もいる
人数は「Rhythm Red Beat Black」の半分の5人ほどになり、
やはり並んでウツの後ろに立つだけである
顔にはなぜか獣神ライガーみたいな仮面をつけている
しかも中盤がカットされて終盤になると、ライガーたちは全員消えている
何がどうなのか、もう意味が分からない


この無駄に動くオブジェとウツ、動かない人々の対比は、
多分何かを狙っているのだろうが、
あまりにもシュール過ぎて、私はギブアップである
ついてこれた人はいるのだろうか?
「Dragon The Festival」以来の突っ切ったPVだと思う


ただこの後、1990/11/29「eZ」では、
「Time To Count Down」の新PVが公開された
こちらはライブ会場での演奏風景をPVにしたものである
(ライブそのものではないが)


「Your Song」「Just One Victory」と同様のコンセプトで、
終始ステージ上のパフォーマンスを見せるだけだが、
こちらの方がこの曲の魅力がストレートに伝わってくる
おそらく10月末~11月初頭のゲネプロの様子を撮影したものだろう


「Rhythm Red Beat Black」PVは、
後に「All the Clips」にも収録された
こちらはTVで放映されたバージョンで、
厳密には「TMN」バージョンとは少し違う


「TMN」では最初の部分でパソコンの映像がかぶるのに対し、
「All the Clips」ではこれが外されている
また「All the Clips」では最後のところで、「TMN」のロゴも入っている


「Time To Count Down」PVは、
2種のPVを合成したものが「Decade」に収録された
前半が「eZ」バージョン、
終盤のサビ繰り返しの部分が「TMN」バージョンである


「eZ」バージョンの完全版は長く商品化されなかったが、
2004年になって「All the Clips」に完全収録された
おそらく「TMN」バージョンも完全版があったのだろうが、
多分今後も永遠に闇に葬られ続けることと思う


なお1990年10月のインタビューによると、
「TMN」用の映像はツアーリハーサルの直前に撮影したと言う
「Rhythm Red Tour」は10/6以後11月初めまでリハーサルとゲネプロが行なわれ、
その後12月初め頃に最終ゲネプロが行なわれたから、
インタビューの時期を考えれば、リハーサル直前とは9月終わりから10月初めと考えられる
この時点では「Time To Count Down」は、
「TMN」版PVの通り、ダンス付きのパフォーマンスになる予定だったのだろう


前章で考察した通り、
10月末にこのダンスパフォーマンスは取りやめになったと考えられる
しかしシングルビデオの撮影はすでに行なわれていたため、
商品化に当たってはこれをごまかすために一部をカットして収録することになったのだろう
「eZ」版PVの制作も、
「TMN」版に代わり放送すべく作成されたものに違いない


ここで不審なのは、ビデオ「TMN」のパッケージである
一応3曲入りビデオということになっているが、
「Secret Rhythm」は冒頭のBGMに過ぎず、
実質的には「Rhythm Red Beat Black」「Time To Count Down」の2曲入りビデオである


しかしパッケージには、上に「TMN」のロゴが大きく印刷され、
その下には小さな字で、
「SECRET RHYTHM|TIME TO COUNT DOWN」と書かれ、
さらにその下には大きな字で、
「RHYTHM RED BEAT BLACK」と書かれている
ビデオのタイトルは当時から「TMN」「Rhythm Red Beat Black」両様の表記があり、
現在では公式には後者の表記が採られている
(なお本ブログでは後者は内容にそぐわないと考え、前者を採用している)


これは「Rhythm Red Beat Black」を前面に出した文字配列だが、
同時に「Time To Count Down」の影を薄くしようとする配列でもある
要するにSONYはこのビデオを出すに当たり、
すでに経費を使って撮影した「Time To Count Down」を収録せざるを得なかったものの、
あまり前面には出したくなかったのだろう
その判断の前提にはやはり、
「夜のヒットスタジオ」出演時の不評があったのだと思う

(2009/7/26執筆 2011/1/2・2017/11/9加筆)

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この記事へのコメント

ふかっち
2009年07月26日 19:30
はじめまして。以前から拝見させてもらってましたが、こうして書き込むのは初めてです。僕も1974の頃からのファンで、ファン歴25周年です(笑)さて、小室さんのこのビデオですが、歌をCDから被せた訳じゃないんですよ。実際のライブでも、小室さんは口パクでした。実際に生で歌ったのは、kiss youとNever cry for me、それとアンコールの2曲だけです。実はこのライブのPA音源を持ってまして、よくライブ終了後にメンバーがその日のテープをもらってる様子がドキュメント本に書いてたけど、同録ってやつですね。ある程度演奏もしなければいけないからか、歌詞を全部覚えられないからなのか(笑)
ちなみに、91年のソロイベントのThink of Earthではちゃんと生で歌ってるけど、全く弾いてないですしね(笑)
蒼い惑星の愚か者
2009年07月29日 01:11
はじめまして
デビュー当時からのファンですか!
そんな方がまだいらっしゃるなんて…

音源、モゴモゴ…な事情で多分私も同じものを持っているのですが、たしかにShoutとかランホラとか、初めからCDっぽいですね…
昔の記事も一緒に直しておきます
ただGravity of Loveは、最後のサビ繰り返しがいつも悲惨なので、ここだけ生歌っぽい気がします
しかし苦労したツアーだったんですね(笑
ふかっち
2009年07月29日 04:44
こんにちは。確かにGRAVITY OF LOVEのリフレインは生ですね。他にも所々も歌ったり、あとは、フ~!だのCome on!とかの合いの手(笑)はもちろん生ですね。映像でも確認出来ますが、合いの手が歌に被ってたり(笑)
このツアーって、予算が足りなくて、小室さんが自腹で幾らか出したんですよね。いくらTMで活動していたとはいえ、ソロでは新人だし、新人の初ツアーが全部体育館クラスってこの時代では異例でしたしねぇ。
蒼い惑星の愚か者
2009年07月31日 02:35
へえーー知りませんでした <自腹
スポンサーが付かなかったけど、引くに引けずってとこでしょうかね
まあ実際にあまり埋まらなかったみたいだから、スポンサーの判断が正しかったのかもしれませんけど…(--;
横浜アリーナ何公演もやったり、大風呂敷過ぎましたね
Maki
2018年04月30日 23:32
"RHYTHM~"のダンス、カッコ良くて大好きです。
"TIME TO~"は、【静と動】を表現したとのことです。(よく分からないとツッコミ入りそうですが(笑))

"Dagitalian~"はレンタルしてダビング(ごめんなさい)しており持っていたのですが、ある日父親が「はい、これ・・・」と手渡してくれました(多分レンタル落ち)。小室さんの楽曲は大好きですが、特に小室ファンというワケではなかったので、「あ、ああ・・・。ありがとう・・・」と、ビミョーな感じになってしまった覚えが(笑)

Maki
2018年04月30日 23:33
小学生の頃は某女性アイドルが好きなくらいで、初めて好きになったアーティストがTMでした。(この某女性アイドルのアルバム曲が大好きで、当時何度も何度もリピートして聴きまくっていました。後に小室さん作曲と知り、物凄く驚いたのと喜びとが混ざって「あわわわわ・・・」状態でした(笑) 何年かに一度・何十年かに一度程ですが、聴き直す度に何時間も聴いて(歌って(笑))しまいます。それまでは「この人が歌っているから好き」という理由で聴いたりしていたと思うのですが、楽曲に対してここまで入り込んだのは初めての経験でした。昨年秋にTMを聴き直していた際、何十年か振り??に聴いてみて驚きました!音がTMTMしてる!!(笑) 編曲は小室さんでは無いですし、まだ全体をプロデュースする前のものだと思うのですが、もしかしたらデモを参考にしたりとか、編曲者が小室さんと交流のある方なのでそれっぽくしたのかもしれませんね。音も勿論好きだったとは思うのですが、今回驚きがあったということは、小室さんのメロディが印象的で好きだったんだなぁと。TMファンになる前にもう実は出逢っていたんですね・・・(笑) TM好きになってすぐだったと思いますが、知った時は本当に嬉しかったです)
TMファンになったのがこのソロ期で、小室さんの"天と地と~"も良い曲だなぁ・・・と聴いていました。あ、今思ったのですが、この頃はまだ居間で聴いていたので、それで父は小室さんファンだと思って買ってきてくれたのかな・・・。
何の先入観もなく聴き始められたことや、真っ新な状態での初めての出逢いがTMだったこと、本当に幸せなことだったなぁと、つくづく思います。
青い惑星の愚か者
2018年05月10日 20:37
TIME TO~のビデオの趣旨が動と静というのはよく分かりますよ。でも作品としてどうなの?て思います。あの爆発柱だけでも、もう少しなんとかできなかったのかなあ…
Digitalianは居間で見ると微妙ですねえ。あんたこんなの好きなの?て言われそうな、罪悪感に近いものを抱きながら見ることになりそうです。
でも歌とかはあれでも、ホント89年の小室ソロは素晴らしいですよね。
おっしゃるアイドルの曲は、小泉今日子でしたら、あれはアレンジャーが意図的に小室風にしたらしいですよ。

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  • 炎/小室哲哉

    Excerpt: 1990年公開の角川映画『天と地と』のサウンドトラックに収録。合戦シーンで使用された曲で、ボレロ調のリズムが印象的な曲。監督・製作総指揮の角川春樹が、『ぼくらの七日間戦争』(1988年公開)のサウンド.. Weblog: 本日の1曲目 racked: 2009-08-13 14:24

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