5-4 二十歳の約束

大震災を挟んでの更新となります
幸いにも私や家族・知人は無事でしたが、
報道番組は依然として被災情報を中心に扱っています
とにかく原発のニュースが恐ろしすぎます
早く安心できる状態になってほしいです


小室さんのオフィシャルサイトによれば、
「Digitalian is eating breakfast 2」もこの震災のからみで発売延期になったようです
まあこればっかりは仕方ないですね
ただ3/16からmumoで先行DLは始まっているようです


あと同サイトの発表によれば、
来月上旬に「フリースタイル」誌上で小室さんが小西康陽さんと対談するそうです
この組み合わせって今までなかったですよね


そういや、以前小室さんが匂わせていたナカタヤスタカさんとの関係って、
あれからどうなっているんでしょう
ソロアルバムでコラボしてくれれば面白かったんですけど、
考えてみればソロアルバムの作曲を小室さん以外がやるのもアレですね


あと、こちら御覧の方にお願いがあります
1992~94年のTMN関係のラジオ音源をお持ちの方で、
ダビングしていただける方がいらっしゃったら連絡下さい(可能ならデータで)
(ついでにSF ROCK STATIONとか古いのもあったらお願いします)
アドレスはtm_on_the_planet * yahoo.co.jpです (*を@にしてください)


この頃はTMNへの興味が薄れていたので、
ラジオは全然保管していないのです…
お譲りいただけましたらお礼なども致しますので、よろしくお願いします


では本題に入ります

-----------------------------
小室哲哉はマイアミとニューヨークで、
「Hit Factory」のレコーディングを行なった後、
今度はロスアンゼルスに飛んで、日向・久保らとともに、
「二十歳の約束」のサウンドトラック制作に取り掛かった
ロスは当時日向が住んでいた場所であり、
日向が大きな役割を果たしたものと思う


ただロスで行なった作業は全体の一部で、
9月に帰国した後は東京でも作業を続けたようである
ロスでは歌モノだった「Hit Factory」から頭の切り替えがうまくできず、
東京に戻ってから徐々にサウンドトラック用の頭に切り替えられたという


「二十歳の約束」は、小室初のテレビドラマのサウンドトラックである
ドラマの脚本は坂元裕二、演出は永山耕三で、
かつて同じ枠で大ヒット作「東京ラブストーリー」を制作したコンビだが、
これまで触れてきたように、彼らは小室とも親しい関係にあった


ドラマ自体は1992/10/12~12/21、フジテレビ月曜9時枠で放映された
いわゆる「月9」で、当時ヒット作が続出した枠だった
条件だけで見れば、かなりの可能性を秘めた仕事だったといえる
小室からすれば、当時のトレンディドラマブームに乗る絶好の機会に見えただろう
日向大介の兄敏文の「東京ラブストーリー」サントラは、
5位、31.8万枚のセールスを出しており、
小室も本作は参考にしたと言っている


しかし「二十歳の約束」は当時の月9枠にしては大ヒットとは言えず、
小室のサウンドトラックがそれほど評価された印象もない
ただ主題歌の佐野元春「約束の橋」は70万枚のセールスを出し、
佐野の歴代シングル中で圧倒的な売上となっている
(2番目は17.8万枚を売った「Young Bloods」


サウンドトラック「二十歳の約束」自体は、
1992/11/27にリリースされた
最高位は15位、総売り上げは3万枚で、
成績は「Seven Days War」「天と地と」はもちろん、
「Mademoiselle Mozart」にも及ばない


ドラマタイアップ効果でロングセールスを記録するということもなかった
全曲インストという構成も難があったのかもしれず、
「約束の橋」が収録されればもっと売れたかもしれない



収録楽曲としては「Pure」が佳作で、
アルバムにもオリジナル版と、
「Hyper Mix」「Strings Mix」の3テイクが収録されている
ドラマでもBGMのメインとして使われた
また最後のピアノ演奏による「Overture」も、
「Pure」の別バージョンである
これはサントラのメインになる曲だが、
(ドラマ制作陣から?)OKをもらうまで6・7曲作ったと言う


「Pure (Hyper Mix)」「二十歳の約束」と同日で、
シングルとしてもリリースされている
小室哲哉初のインストシングルである
これを最後に小室哲哉のソロシングルはしばらく絶える


このシングルはカップリングの「Yuki's Song」とともに、
アルバム収録曲とまったく同じアレンジである
両曲はアルバムの1・2曲目の配列でもあり、
ジャケットもアルバムと同じである
アルバムを持っている者にとっては、
コレクションとしての意味しかないアイテムである
なぜリリースしたのかいまだによく分からない


シングルのセールスは39位、1.8万枚で、
それまでの6枚のシングルと比べ、格段にセールスを下げた
ちなみに小室は、1993/1/2「タモリの音楽ステーション」で、
この曲を演奏している
この時は阿部薫の他、レコーディングに参加した鳥山雄司も演奏に加わった


なお次のシングルは1997年の「Speed TK-Remix」で、
以後「Blue Fantasy」「Arashiyama」などをリリースするが、
これらはすべてインスト作品である
時間的間隔は大きいが、結果として「Pure (Hyper Mix)」は、
小室のインストシングルの始まりとなっている


アルバムの方に話を戻すと、
本作はトレンディドラマのBGMという性格もあり、
万人受けするようにバランス良く作られている印象である
「Straight to the Heart」「Tears in the Rain」などはいかにも小室の曲だが、
小室的なアクの強さは抑えられ、BGMとして邪魔にならない作りである
日向の力もあってか、職人的な出来といえるかもしれない
翌年に発表される楽曲の荒削りさと比べると、その落差に驚かされる


ただ作品全体としては、あまり面白みもない
和の雰囲気を備えた「天と地と」や、
クラシックを意識した「Mademoiselle Mozart」などよりは、
どちらかといえば「Seven Days War」に近い雰囲気と思うが、
「Seven Days War」で感じられたほどの可能性を感じない


管見では本作の曲がライブで演奏された例もないと思う
もちろんこの頃の小室はソロライブを行なっていなかったから仕方ないが、
後の即興のシンセソロなどでも演奏されたのを聞いたことがない
たぶん歴代の小室の作品の中でも、印象の薄いものの一つだろう


1990年以来様々な作品を作り出してきた小室と坂元・永山の関係は、
この作品を最後に希薄になっていく
もちろん関係が切れたわけではないが、
小室が自分の作品の作詞を坂元に依頼することはなくなる
おそらく小室がavexに軸足を置く中で、自然とこうなったのだろうが、
小室が次の可能性を求める中で、
TMN期の人脈の一つが決着したということもできるだろう


ちなみに小室は1993/9/17の牧瀬里穂のアルバム「PS. RIHO」に、
「国境に近い愛の歌」「キャンセルされたプライバシー」を提供している
レコーディングは1月頃に行なわれたというが、
牧瀬が「二十歳の約束」の主演であることを考えれば、
坂元・永山あたりの紹介かもしれない


最後にあまり知られていないが、
小室哲哉監修のクラシックアルバム「SAGA」に触れよう
これは小室が選曲したクラシックの名曲のオムニバスで、
1992/12/2にリリースされた


小室が演奏しているわけではなく、
小室が好きな曲を収録し、簡単な解説をつけただけのものである
YOSHIKIによる同様の企画アルバム「Yoshiki Selection」(1991/12/12リリース)を参照したものだろう


「架空のフィルムのサウンドトラック」がコンセプトだったが、
地味な企画だったので、週間20位にも入らなかった(56位、7000枚)
相当のファン以外は、存在も知らないのではないか
もっともYOSHIKI版も9位、2.7万枚なので、
もとより大したセールスは期待されていなかったと思う


一曲目がムソルグスキーの「展覧会の絵」というところがいかにも小室である
(しかも7曲目にも入っている)
バッハが3曲も入っているのは、バッハ好きのYOSHIKIに影響されたものだろうか
一年前にかなり関わったモーツァルトは、意外にも本作には一曲も入っていない


以上、前章と今回で見てきたところをまとめれば、
この時期の小室の仕事は、女性アイドルへの楽曲提供、
提供楽曲のリメイクを中心とした自らのボーカルによるソロアルバム、
テレビドラマのサウンドトラック、クラシック楽曲集の制作などだった


これは従来の小室の仕事を延長させたものと言うことができるが、
ただこの中で成功したと言えるのは、観月ありさへの楽曲提供くらいで、
あとはあまりまともな成果を出さなかった


だが小室にはもう一つの可能性が残っていた
「EXPO」期に積極的だったクラブとの接点である
そしてこれが、方向性に悩む小室の突破口となるのである
これについては次章で改めて触れることにしたい


二十歳の約束(TVサントラ)
エピックレコードジャパン
1992-11-27
小室哲哉

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この記事へのコメント

fe
2011年03月21日 11:06
失礼します。

背景の職人としてはシーンに邪魔をしない
出来にすることに成功したものの
万人受けを狙ったが故に小室先生の
コアなファン向けとしては
いまいち箏線に響かない感じという
所でしょうか?しかし、万人受けという
フィールドに挑戦しつつ、所々で
個性を放つ所に小室先生らしさを感じました。

日向さんもそこを反省したのか
ロングバケーションでのR&Bと背景の融合では
いい仕事してましたね。
日向さんのむき出しの個性とストーリーが
見事にシンクロしていたのを思い出します。
のんき
2011年03月22日 00:17
僕は《二十歳の約束》のサントラは好きです。

小室哲哉らしい作品かどうかは私にはわかりませんが、気持ちが落ち着く曲が散りばめられていると感じました。

《REMASTER 武道館公演》で演奏された《Beyond the time》の小室さんのピアノのイントロがいつもと違い1音多く弾いていて、ふっと、《PURE》のメロディが頭をよぎったのを覚えています。

日向さんは最近ウツに《パンクロ》という曲を書いてくれました。

ドラマに合いそうな曲で、良い曲だなと感じました。
青い惑星の愚か者
2011年03月24日 23:53
>feさん
ロングバケーションは見たことないので(というかドラマ自体見ないので)、聞いたことないというか、日向さんがドラマのサントラやってたことを今知りました
ただ今回の二十歳の約束はあまり積極的なことを書きませんでしたが、サントラという性格上、どれだけ注文者側の意向を汲んでいるかというところも見ないと、本当のところの評価はしづらいですよね(注文者側の意向がどうなのかは知りませんけど)

>のんきさん
二十歳の約束はBGMとして流すといいアルバムだと思いますよ
TMの曲は必要以上に耳に入ってしまうので、BGMに向かないし(笑
ただ単品として聞くと、アピールポイントがあまりないアルバムという気はしています
Pureっぽいフレーズは入っていましたっけね<beyond
今まで気付いていませんでしたが、今度気にして聞いてみます
りる
2011年03月29日 08:49
はじめまして。
「二十歳の約束」の頃、
なんで小室哲哉がサウンドトラックつくるのに、
主題歌はTMNじゃないんだろ?と思っていました。
プロデューサー側の意向だったんでしょうか…。

もしTMNが主題歌を歌えば「LOVE TRAIN」以上のヒットになりえたかもと思うのは浅はかですかね。
青い惑星の愚か者
2011年03月30日 01:33
はじめまして~

たしかにTMNが主題歌やってたら、自己最高記録を出せたでしょうね
折悪く、この頃はTMNは分裂していたわけですが…
ただこの頃ドラマ主題歌で単発ヒットを出したミュージシャンでその後人気が継続した例がほとんどないので、TMN自体の活動継続につながったかは疑問でもあります

ちなみにあくまでも推測ですが、Hit FactoryのMagicとFutariは、二十歳の約束で使う候補曲だったんじゃないかと思っています(で、小室の歌だったので落選)

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