5-17 Nights of the Knife

12/23、小室さんがラフォーレ原宿で「HARAJUKU PERFORMANCE+ DOMMUNE」に出演しました
8月に富田勲さんと共演するはずだった「FREEDOMMUNE ZERO」が、
台風で中止されてしまったことのリベンジだったのでしょうか


ライブ前には富田さんと小室さんのトークがありましたが、
小室さんの憧れの方ということもあり、
小室さん、本当に嬉しそうでした
Keikoさんが退院したこともあって、良いクリスマスになったのかな…?


一時間以上に及ぶトークの後、
富田さんの「Planet Zero」が会場に流され、
その後「Dedicated to Isao Tomita」と題する小室さんのライブが行なわれました
だいたい50分くらいでした
きっと小室さんの中では、
憧れのミュージシャンに自分の音を聴いてもらえる晴れ舞台だったんだと思います


ライブの始まりは、iPhoneをマイクに近付け、
アプリで「Hallelujah」を流してスタートです
クリスマスを意識した粋な演出ですね
その後はglobe「please don't give up」とdigi2の「Years Later」
「Years Later」、上から派手に音を重ねて、ライブ感満点でした


そして富田さんのシンセアレンジで有名な「Jupiter」を演奏しました
「Planet Zero」にも入っていましたし、
「Jupiter」は間違いなく、富田さんに向けられたものですね
「Jupiter」は初めシンプルに始まったのですが、
どんどん派手に勢い良く荒っぽいアレンジに変わって行きました
ここで小室さん、シンセ音源でエレキギター演奏です
この曲で使うかー!! かっけー
ロック版「Jupiter」って感じでした


この後、TMの「Passenger」風のハンドクラップ音が流れ、
ドラム音など他のリズム隊も加わり、疾走感溢れるトラックが演奏されます
マジでまさかの「Passenger」じゃ?と疑いましたが、
やがて「Self Control」のサンプリングボイスが出て、曲名が分かりました
まあ、もはや原曲とはまったく別の曲になっていました


そこからglobe「Love Again」
そして最近のライブの名物、ドラムソロコーナーです
ついでdigi2から「奇跡」! 初めてライブ版を聞きました
これ、かっこいいなあ


ライブのクライマックスは、
大幅にアレンジされたH jungle with t「Wow War Tonight」と、
定番のglobe「Many Classic Moments」でした


この後もリズムトラックは鳴り続けます
小室さん、シンセを一台持ち上げてステージ前に出て、
シンセを床に立てかけたり置いたりしながら荒っぽく弾きまくります
これは? もしや、また壊すのか? いや、客席に投げるのか?


…という期待は叶いませんでしたけど、
何をするのか分からない危うさを漂わせながら、演奏が終わりました
これも計算なのかもしれないですね


最後はシンセ手弾きのみで、
globe「blow」、The Beatles「Let it be」、そして「Silent Night」で締めました
最後の曲はクリスマス選曲ですね
それにしても今回、「please don't give up」とか「blow」とか、
globeの曲はやたらとマニアックですね


これでライブは終わり、小室さんはいったん退場しましたが、
また富田さんと一緒に現れ、軽いトークをしました
小室さんの、何かやりとげたという笑顔がが忘れられません
小室さんは富田さんから、
「すごいスピード感と生命力、それに哀愁もある」というコメントをもらっていました


ある意味で今年の小室さん、
すごい意味のある日々を過ごしたんじゃないでしょうか…
(Keikoさんとの大変な日々も含めて)
富田さん、Keikoさんには苦労をかけたんじゃないかと言いながら、
でもまだ若いから…という励ましの声をかけていました


今年の小室さんはDOMMUNEでの活動が目を引きましたし、
少なくとも小室さんの中では意味のある巡り会わせだったと思います
そして前回の記事でMさんがコメント欄に書いてくださった通り、
来年2/22、6月のDOMMUNEのライブDVDが商品化されます
ageHaライブとピアノコンサートのライブCDが各一枚(計2枚)付いているものもあります


DVDのみは3150円、CD付きは6300円ですが、
amazonで予約すると、後者は4620円で買えます
コストパフォーマンス的にはかなりお勧めと思います


また2/29、発売が中止になっていた「Digitalian is eating breakfast: Remixes」がリリースされるようです

そして上記ライブDVD・ライブCD・digi remix全部パックの豪華版(9359円!)をmu-moで予約すると、
内容は未定ですが特典が付くようです
なんともアコギな商売ですが、どうせ買うならばこれを買った方が良いかもしれません
まあ、コスパ的にはamazonで買う方が良いのですが…


なお私は見てないから詳しくは分かりませんが、
小室さんのDOMMUNEライブと同日のウツのディナーショー、
一曲目は「Resistance」だったそうです
木根さんのクリスマスライブはよく分からないですが、
ひとまずこれで3人とも、年内のお仕事は終わりでしょうか


そういやウツと木根さん、来年はソロ20周年なんですよね
TMはないかな…?
まあ、20年続けてこられたのは立派と思います
良い記念の年になると良いと思います


なお年内の更新は、今回が最後になります
(まあ日付けから見て、そりゃそうですが)
来年は、もう少し時間を見つけて、早く5章を終わらせたいと思います
もう5章初めて1年近く経つんですよね実は…


まあ、それはともかく…
前置きが長くなりすぎました
本題に入ります

-----------------------------------
TMNの28thシングル「Nights of the Knife」は1994/4/21にリリースされた
この日はTM NETWORKがデビューした1984/4/21のちょうど10年後であり、
このシングルリリースが予告された時点では、
多くの者がいよいよTMN10周年が始まると考えただろう


もちろん本作は、10周年記念シングルではあった
ただそのリリースは、あまりおめでたいものとはならなかった
10周年記念日のこの日、全国の新聞でTMNの「終了」が発表されたからである
この件は、前章で詳しくふれたところである
つまりこのシングルは、TMN最後のシングルとしてリリースされたのである


シングルのジャケットには3人の写真はなく、
黒地に赤の字で「Night of The Knife」「TMN」の字が大きくプリントされただけのものだった
ジャケットの裏には赤地に黒で同じ字がプリントされ、
その下には「終了」トレードマークの3つの円の重なった図形がプリントされていた
このマークはCD本体にもプリントされている


ジャケットは三つ折りになっており、開くとかなり大きくなる
中には黒地に赤の字で歌詞が書かれ、
過去のTM NETWORK/TMNの全シングルの写真も掲載されている
(ただし12インチの3枚は除く)
最後のTMN作品として、過去を振り返るべく掲載したものだろう



本作には、カップリングとして「Nights of the Knife (Instrumental)」が収録されている
「Nights of the Knife」のインストである
ただ本来入るはずだった曲はこれではなく、
木根作詞、ウツ作曲の「Another Meeting」だった


「Nights of the Knife」は別れの歌、「Another Meeting」は未来の出会いの歌で、
テーマから見ても両曲は対で作られたものだったことが分かる
「Nights of the Knife」は作詞小室みつ子、作曲小室哲哉だから、
両曲揃えばTM NETWORK時代以来のTM+みつ子の4人全員の手に成るシングルとなるはずだった


「Another Meeting」については別の機会に触れるが、
本曲が収録されなかったのは、
ウツがソロツアー中のためにノドの調子が悪かったためだったという
これは言うまでも無く「Live Water Dance」のことで、
1994/1/27~4/20の日程で行なわれた
レコーディングはある程度ツアーが進んだ時点で行なわれたはずで、
しかも後日の撮り直しの日程を組むのも困難な頃だったと推測される
木根も「シングル発売としてギリギリの日」と言っている


この点を「Live Water Dance」の日程から、もう少し詰めてみよう
本ツアーは数日まとめて公演を行ない、
数日休暇を入れるというスケジュールを取っている
ツアー日程を見るに、1/27・29の公演の後は、
2/8~17(中部・関東、10日で6公演)に公演があり、
その後まとまった日程としては、
3/9~16(名古屋・四国・中国、8日で6公演)、
3/24~4/2(大阪・九州、9日で7公演)、
4/7~13(東北・北海道・静岡、7日で4公演)があった
この間にレコーディングを行なう余裕はなかっただろう


2公演しか済んでいない1/30~2/7にノドの調子が悪かったとは思えないし、
4月に入ってからのレコーディングは、リリースのタイミングから見て考えがたい
3/26「TMN United」最終回には、新曲リリースの予定が告知されており、
「Nights of the Knife」の曲名も明言されているので、
この頃までにはレコーディングのメインの部分は終わっていたと思う
(最終的なトラックダウンなど済んでいたかはともかく)
以上を考えると、ウツの歌入れが行なわれた可能性があるのは、
2/18~3/8か3/17~23の間に限られよう


ただもしも2/18~3/8に歌入れが行なわれたのならば、
3/17~23に「Another Meeting」を撮り直すことも可能だろう
3月下旬に別のスケジュールが詰まっていたために、
この日は使えなかったということも考えられなくはないが、
リリースにギリギリの日程だったという木根の証言を踏まえれば、
可能性が高いのは3/17~23と思う


これ以前の例では、1991年4月下旬に歌入れされた「Love Train」が、
5/16からテレビCMで放送され、5/22にリリースされている
1ヶ月前の歌入れという日程は不自然ではない
もちろん作詞やオケ作りはこれに先行して行なわれたはずで、
遅くても3月中旬、おそらく3月上旬には始まっていただろう


ただしこの曲は、実は1993年には存在しており、
5月にはウツが仮歌を入れたことが知られる
その後の「終了」決定を受け、
ウツのソロツアー中に迅速に新曲のレコーディングをする必要が出来たため、
手持ちの曲から「終了」シングルを選ぶことになったのだろう


この曲は最後のシングルということで、
じっくり聞かせるバラードとなっている
TMのバラードシングルは「Girl」「Seven Days War」に次いで3作目で、
実に6年ぶりのこととなる
ただ「Christmas Chorus」「天と地と」「永遠と名付けてデイドリーム」など、
小室ソロのバラードシングルの存在を考えれば、
それほど突飛でもないかもしれない


イントロは印象的なシーケンサとシンセソロで始まる
楽器は基本的にシンセが中心で、シンプルな音である
ドラムもシンセで、生音は間奏の葛城のギターだけらしい


TMN休止後の小室は、
どちらかというと押し付けがましい「行き過ぎ」の曲を作る傾向が強かったが、
この曲のシンセは派手過ぎず主張し過ぎず、
歌モノとしての適度なバランスを保っている
ミックスもバランスがよい


このシングルを初めて聞いた時は、
なぜこんな曲を作れるのに…と思ったものである
おそらくTM歴代シングルの中で、
もっとも安心できる出来の曲の一つではないか
(リリースの事情もあるので、熱心なファンは安心して聞けないだろうが)


最後のシングルということで、
ビーイング的な戦略など余計な計算がないことも大きいのだろう
邦題の曲名を唱えるサビで曲を始めるという、
ヒットの方程式などはこの曲では意識されていないし、
タイアップも付けられていない
50秒近い間奏もあり、バラードシングルで6分22秒という長さなのも、
TMNの最後を飾る曲にするために、
余計な商業的縛りを取り払った結果なのだろう


なお1994年初め、
「太陽の季節」というシングルのリリースがレコード店で発表されていたが、
いつのまにかなかったことにされた
「一途な恋」に続く邦題のシングルリリースが予定されていたのだろう


作詞はすでに述べた通り小室みつ子である
みつ子はデモテープを渡された時、
「終了」を前提に「別れ」をテーマにした詞を作った
だがそれを見たメンバーは3人とも、
「終わりじゃなくて、始まりを書いてほしい。感慨の涙を流すよりも、新しい何かへの前向きな気持ちがあったほうがいい」
と伝え、みつ子は歌詞を作り直したという


この方向性は、歌詞に見事に表れており、たとえば冒頭の、
「新しい始まりが今ドアの向こうまで近付いてきてる」という箇所や、
2番の「話しておきたいよ明日からのことを新しい何かが始まると」
という箇所などからは、
新たな始まりとしての別れというコンセプトが見える


早い話、この曲はTMNの3人が、
TMN「終了」後も別の形で音楽活動を続けて行くことを、
ファンに伝えた曲なのである
2番のサビの英語詞の、
「We are going to make a brand-new day」
などは、まさしくこれを表現している


この曲でもう一つキーワードになるのは「夜」である
歌詞の舞台は寝付けない夜であり、
その夜にTMNがこれからのことを告げるという内容になっている
「Nights of the Knife」という曲名にも「Nights(夜)」が入っている
みつ子によれば、「ナイフのような夜」という意味らしい


「Nights of the knife 切り開きたい 目の前の暗闇を」
というフレーズが歌詞にあるが、
暗闇(≒夜=Night)を切り開く(≒Knife)という関係を見るに、
曲名としては「Knife of the Night」とでもした方がむしろしっくり来る
おそらくみつ子が依頼された時点で曲名は決定しており、
みつ子はその意図を忖度して歌詞に反映させたのだろう


みつ子に拠れば本作は、
かつて作詞した「Fool on the Planet」の10年後を描いた続編だという
おそらく「Nights of the Knife」に出る、
「ささやかな夢をかかえて昔君とただ街を見下ろしたあの丘に行きたい」の「あの丘」と、
「Fool on the Planet」に出る、
「星の降る小高い丘まで今すぐに君を連れて行く」の「小高い丘」は、
同じ場所を指しているのだろう


「Fool on the Planet」はかつて述べたように、
叶いそうもない夢を追い求める若者を歌ったものである
この若者が「君」を連れて夢を語った場所が「丘」だが、
この若者はTM、「君」はファンを象徴しているに違いない
つまり「Fool on the Planet」の「丘」は、
TMがファンに向けて未来への夢を語った場の象徴である


一方で「Nights of the Knife」に登場する「丘」は、
かつてTMNが夢を抱きつつ「君」と共にいた場所として登場する
この点からも、両者は連続しているものと見るべきであろう


「Fool on the Planet」が発表された1987年初め、
TM NETWORKはコンピュータを駆使した未来志向の音楽ユニットとして、
世間から注目されつつあった
未来志向の夢を語れるミュージシャンだった


それから7年、TMNとユニット名を変えた彼らは、
いよいよその活動を終わらせようとしていた
だがそれは消極的な意味での解散ではなく、
3人はなお未来志向の夢を持って、先に進んで行こうとしていた
少なくとも彼らは、そのような積極的な形で、
TMN「終了」を演出しようとし、みつ子もそれに答えたのである


この曲はチャートでは一週で12.6万枚を売り、
「Love Train」以来4作連続、通算6作目のシングル1位を獲得した
最後のシングルで、見事に有終の美を飾ったのである


初動は「一途な恋」の13.4万枚を下回ったが、
これは事前のプロモーションがほぼ皆無だったためである
発売後は1―6―4―15位と推移し、
2週しか10位内になかった「一途な恋」よりはチャートに長く入った
「終了」がメディアに大々的に取り上げられたことも大きいのだろう


最終的には43万枚を売り、1994年度の年間56位となった
「一途な恋」はもちろん、
「EXPO」期の「Wild Heaven」(39.9万枚)をも上回る売上で、
TMN歴代シングル中、「Love Train」に次いで史上2位の売上となった


本作にはPVがある
「Decade」などにも収録されず、
実に2004年の「All the Clips」リリースまで商品化されることはなかった


本PVでは、新たに撮影を行なったところはまったくない
最初に3つの円を並べた「終了」のロゴが出て、
最後に3人の写真を並べた映像(当時のポスターで使われたもの)が出る以外は、
過去のライブ映像やPVを編集し並べただけである


各映像の合間には「Gift for Fanks Video」曲間の地球の映像の他、
ビデオ「TMN」のコンピュータをいじる小室の映像が挟まり、
小室が過去のTMの活動を振り返っているように見える演出になっている
また過去の映像が流れる間、その映像と関わる曲名やアルバム名も表示される


このビデオはほとんど予算がかかっていないと思われるが、
にもかかわらずファンからすると目が離せない作りである
映像は最新の「EXPO」期から始まり、
少しずつ過去に遡りつつデビュー期に至る
最後はデビュー期から「EXPO」期へ向け、
各期のツアーにおけるメンバー退場シーンが順番に映し出され、
最後は誰もいないコンピュータが出て終わると言う構成になっている


TMNの歴史を時間軸に沿って見せられてしまうことで、
TMNの「終了」を実感させられてしまうという、実に巧みな作りである
以下、用いられている映像を順番に挙げていこう
後ろの年代は、ビデオ商品化の年代ではなく、収録映像の撮影年代に拠っている
なお本PVでは2番のAメロなどが削られ、原曲よりも1分近く短くなっている

1番Aメロ(約45秒)=「EXPO」
「Love Train」PV(1991)
「EXPO Arena “Crazy 4 You”」(1992)

1番Bメロ~サビ(約50秒)=「Rhthm Red」
「Rhythm Red Tour」(1991)

間奏~2番Bメロ(約45秒)=「CAROL」
「Just One Victory」PV(1989)
「Camp Fanks!! ‘89」(1989)

2番サビ(約35秒)=「humansystem」
「Get Wild」PV(1987)
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」(1988)
「Kiss You」PV(1987)
「Come on Let’s Dance」PV(1986)

間奏~サビ繰り返し1回目(約50秒)=「Self Control」期以前
「Fanks Cry-Max」(1987)
「Self Control and the Scenes from the “Shooting”」(1987)
「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」(1986)
「Dragon The Festival」PV(1985)
「1974」PV(1984)
「Electric Prophet」(1984)

サビ繰り返し2回目(約40秒)=ライブのエンディングシーン
「Electric Prophet」(1984)
 *実際はエンディングではなく「1/2の助走」の映像
「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」(1986)
「Fanks Cry-Max」(1987)
「Kiss Japan Tour」(1988)
「Camp Fanks!! ‘89」(1989)
「Rhythm Red Tour」(1991)
「EXPO Arena “Crazy 4 You”」(1992)


後期(1989~)の「EXPO」「Rhythm Red」「CAROL」の扱いが大きく、
初期(1984~85)の「Childhood’s End」「Rainbow Rainbow」の扱いが極度に小さいのは(15秒程度)、
古いものほど時代を感じさせてしまうためだろうが、少々残念である
また各ツアーの退場シーンには、
「Dragon The Festival Tour」(1985年)も入れて欲しかった
古いが、絵になる退場シーンだったはずである


本PVで使われた映像の中で注目すべきは、実は「EXPO Arena」である
かつてTV放映され、後に商品化されたのは1992/4/12横浜アリーナ公演だが、
本PVでは1992/4/18沖縄コンベンションセンター公演の映像が用いられている
これはTM楽曲を演奏しなかった「Metal/Folk Pavilion」を除くと、
「4001 Days Groove」以前の、
つまり通常の活動形態を取っていた時期のTMN名義の最後のライブとなる


本PVには実はフルバージョンもあり、
「4001 Days Groove」のエンディングでスクリーンに映された
「CAROL」期までと「Childhood's End」期以後の映像は同じだが、
その間のFANKS期の映像は倍近い長さとなっている
(商品版=70秒、フルPV=140秒)


「Get Wild」PVの収録位置は、
「CAROL」期の後、「humansystem」期の前で、時間軸に沿っていないが、
本来このビデオは1番でTMN期、間奏で「CAROL」期、
2番でFANKS期という構成で作られており、、
2番冒頭にFANKS期の代表曲「Get Wild」を置くという構想だったと考えられる
ところが商品版では間奏の一部と2番Aメロがカットされたため、
「CAROL」期が2番Bメロまで食い込んだ後、
「Get Wild」は2番サビ冒頭に置かれることになり、
中途半端な位置になってしまった


2番サビには「Get Wild」「humansystem」期を詰め込んだため、
映像が大幅にカットされている
フルPVでが30秒近く収録されていた「Get Wild」PVは7秒になり、
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」「Telephone Line」はまるごとなくなっている


本PVで収録位置が時間軸に沿っていないものとしてはもう一つ、
「Come on Let's Dance」PVもあるが、
これは商品版とフルPVで収録順序が異なっているという問題もある
すなわち商品版では、「Come on Let's Dance」PVの次が「Fanks Cry-Max」だが、
フルPVではこの順番が逆である


いずれにしろ時間軸には沿っていないのだが、
一方で「Nights of the Knife」楽曲中での収録位置に注目すると
「Come on Let's Dance」PVは商品版・フルPVとも2番最後で一致し、
いずれもウツが女性を抱いて道で倒れているシーンで終わっている
これはこのシーンで2番を締めるのが映像的にはまっていると考えられたからで、
そのため「Come on Let's Dance」の位置を固定し、
その前後の映像の順番をずらして収録することにしたのだろう


この後、フルPVでは2番後の間奏前半が「Self Control」の映像になるが、
商品版では「Fanks Cry-Max」「Self Control」となっており、
双方時間を半分に減らされた上で収録されている
間奏後半(葛城ギターが入ってから)からは、商品版・フルPVとも映像は同じである
「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」以後の部分)


話が細かいところに行ってしまったが、
ともかくもこの曲はTMN「終了」の象徴の曲である
「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」でも、
二日目の本編ラストで演奏されている
だが特別な曲すぎるため、再結成後も演奏される機会が極めて限られている


この曲が演奏された例としては、
2004年の20周年記念ライブ「Doubel Decade “NETWORK」「Double Decade Tour」と、
その前振りとしての意味を持った2003年のファンイベント「Live in Naeba」が挙げられる
前者ではアンコール、後者では冒頭に演奏され、やはり特別な扱いのようである
10周年=「終了」で演奏された曲ということで、20周年で演奏されたのだろう


次いで30周年記念ツアー「Quit30」では、
初日の2014/10/29横須賀公演でのみ演奏された
翌日からセットリストから外されたのは、
前年に大病を患い満足なコンディションではなかったウツが、
体力的な消耗を理由に曲を減らそうと考えたためと言うが、
その結果この曲が削られたのは、
会場の空気がこの曲の時に変わったのを感じたためという
この曲はTM当人たち以上に、ファンにとって特別な曲だということだろう


この時の演奏は、Blu-ray BOX「TM NETWORK 2012-2015」収録のドキュメンタリ映像「beyond the fact」に、カットはあるものの半分以上収録されているらしい
ただし商品化前提で収録されたものではなかったためか、
ステージ映像はほとんどなく、客席の映像が中心になっているとのことである


TMNは「Nights of the Knife」のリリースを最後に「終了」したため、
本作を収めたオリジナルアルバムはリリースされなかった
そのため「Nights of the Knife」はベストアルバムでしか聞くことができない
具体的には2ヶ月後にリリースされたベスト版「TMN Black」の他、
シングルコレクションの「Time Capsule」「Singles 2」「Original Singles」などで聞くことができる
他には「Groove Gear 3」に、
ラフミックスの音源「Nights of the Knife (ver.0)」が収録されている


最後に本シングルの歌詞を、1番だけ掲載して本章を終えたい
この曲から伝わる前向きな別れというコンセプトを感じていただければと思う
なお「見えない力に~」の箇所、今まで私自身思い違いをしていたが、
「闘い続けた君に」と読むべきではなく(歌詞カードではそう見えるのだが)、
「見えない力に流されそうな日々と闘い続けた。君に励まされて」
と読むべきで、つまり、
「僕は君に励まされながら、見えない力に流されそうな日々と闘い続けた」
という意味なのだろう

新しい始まりが今 ドアの向こうまで 近付いてきてる
じっとしてられない 今夜はこのままじゃ 眠りにつけそうもない 君と
ささやかな夢をかかえて 昔君とただ 街を見下ろした
あの丘に行きたい あの頃の気持ちを ふと思い出したくなったのさ
Nights of the knife 君を抱きよせ この街に踏み出そう
Dream on
ハイウェイがビルの 谷間を突き抜けてく
贅沢な夢を かなえている街
見えない力に 流されそうな日々と
闘い続けた 君に励まされて
We are going to, We are going to step into the night


(2011/12/26執筆、2016/4/15加筆)

Nights of The Knife
エピックレコードジャパン
1994-04-21
TMN
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この記事へのコメント

ボヤッキ
2011年12月27日 00:47
年末のお忙しい時に 更新ありがとうございまっす よいお年を・・・
kuri566
2011年12月27日 01:56
TMの3人での新しい始まりが今、ドアの向こう(2012年)にあると信じて、私も新年を迎えたいと思います。皆様もよいお年をお迎えください。
もず
2011年12月27日 08:11
はじめまして。
今更になって恐縮ですが、これまでに記された各記事を興味深く拝読しました。

さて、「Nights of The Knife」というタイトルの解釈ですが、
「ナイフのような夜」というよりは
2コーラス目Bメロ「切り開きたい 目の前の暗闇を」や
サビ終わりの「We are going to step into the night」
という歌詞から
新しいこと=未知への不安→闇→夜、という逆連想で、
夜の闇を切り裂くナイフ→新しい世界に踏み出す勇気や力、
といった解釈をしておりました。

今後も楽しみにしております。
チロル
2011年12月27日 22:39
お忙しい中更新有難うございます。
今まで[nights of the knife]は、終了ショックのトラウマからあまり聴けずにいました。
私も管理人様と同じく[Fool on the~]が大好きなのですが、この曲が続編だという事は知らなかったので、今改めて聴き込んでいます。なんて素敵な曲なんでしょうね。本当にこんな素晴らしい曲が作れたのに何故…(>_<。)
また三人揃ってこんな曲を聴かせてくれる事を祈ってます。
また来年からも、(気長にお待ちしていますので)更新宜しくお願いします。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。
kuri566
2011年12月29日 01:42
nights of the knifeは、近所の町CD屋さん(というより町の電気屋さんが掛け持ちでCDも売っていた)で前日フライングゲットしたのがよくなかったんです。10周年イヤーを飾るシングルでしょうし、タイトルからも発売前は、RESISTANCEなどのイケイケを期待していたんです。なのに、聴いてみたら「バラード?!どうなってるんだい?!」友達同士で「どういうつもりなんだろうね。まあ、”新しい始まり”とか”終わりのない夢”とかいうのが10年目のスタートということだろうか。それにしてもパンチのないシングルじゃのぉ。」と語り合っていた翌日の衝撃!!新聞の広告で終了を知り、片隅に書いてあったラストシングルの文字にようやく曲の意図がわかったんです。だから、バラードなのかと・・・。当たり前にやっていたフライングゲットに痛い目に遭わされた1曲でもありました。
FANKS大仏
2011年12月31日 23:14
年末のお忙しい中、更新ありがとうございます。

この曲のPVを見ていると、今でもTMNの解散が悔やまれます。それでも小室さんは見事にTMNを締めくくってくれたと思います。
まあご承知の通りこの後小室さんだけは躍進していくんですが。

さて「Fool on the Planet」の続きである「Night Of The Knife」ですが、「Get Wild」ともリンクした歌詞になっているという話を小耳に挟みました。
・行き過ぎる車のライト→車のライトにキスを投げては
・いつの間にそんなに綺麗になったのか→車道で踊るあの子?
これに関しては信憑性も全くないのですが、おもしろい意見だなとは個人的には思いました。

後、訂正なのですが
文中で「ささやかな夢をかかえてあの日君とただ街を見下ろしたあの丘に行きたい」という箇所があるのですが、
「ささやかな夢をかかえて昔君とただ街を見下ろしたあの丘に行きたい」ではないでしょうか。
細かい指摘で申し訳ございません。

ラストライブ「Last Groove」の記事も楽しみにしております。
長文で申し訳ありませんでした。
お体にお気をつけて年末をお過ごしください。
青い惑星の愚か者
2012年01月02日 12:39
ボヤッキーさん、その他皆さん、新年明けましておめでとうございます!

>もずさん
はじめまして
「Nights of the Knife」の意味は、小室みつ子さんがエッセイ集「Nights of the Knife」で自らお書きになったことに拠っています
おっしゃる通り、「切り開きたい目の前の暗闇を」というフレーズとは意味上でもずれており、むしろ「夜のナイフ」(Knife of the Night)とした方が良さそうな気がしますが、おそらく曲名自体は小室さんが決定した上で、みつ子さんに依頼したのかと思っています(1974やSelf Controlはそのパターンでした)
そこらへん、少し記事に書き足しておきます

>チロルさん
Nightsは、熱心なファンほどトラウマな曲だろうと思います
しかしいい曲であることには変わりないですよね
私は再結成後では、Messageはいい線行っていた曲だったと思います
当時はTMの半端な活動に対するファンの不満もあって、必ずしも正当な評価は受けていなかった気もしますが、TMが再結成して良かったと思った曲でした

>kuri566さん
今から見ると、フラゲはこの曲に関してだけは、お勧めできない行動でしたね
私は朝刊を見てから、予約したCDをCD店に取りに行ったので、その時点では心の準備はできていました

>FANK大仏さん
歌詞の誤り、どうもありがとうございました
記事の訂正をしておきます
記念の曲なのに、なんということを…
Get Wildもみつ子さんの作詞だから、意識はしていたのかもしれませんね
iyotae
2014年07月15日 18:25
当時すでに熱心なファンではなくなっていましたが、あんなに好きだったものが終わることに気持ちがついて行けず聴くことを避けていました
20年振りの出戻り
新旧の曲を聴き漁る日々のなか、まだ聴けていませんが、30周年の間には聴こうと思います
青い惑星の愚か者
2014年07月17日 01:32
この曲だけは特別ですからね
私の予想ですが、この曲、Season3で演奏するんじゃないかなあ
iyotae
2014年11月04日 00:24
生で聴いてしまいましたね
30thよこすか初日
QUIT30感激しましたが
Nights of the Knife にも
別の意味で感激しました
新しい夢を見せてくれたお三方のためにも
30thを一緒に走り切ってみせましょう
青い惑星の愚か者
2014年11月08日 11:53
横須賀で聞けてよかったですね
1日しか演奏しない幻の曲になっちゃいましたから…
もう一回くらい聞きたいですね
かっと
2014年12月18日 23:21
QUIT30の未来からやってきたと思いきや先客が(笑
横須賀初日、隣の方が顔を覆ったのもあって思わずもらい泣きしてしまいました。
終了ライブ終わった後から遅れてきた当時中学生の自分は、ラジオチャートの最初の方でしばらくこの曲が入っていたことを覚えています。

なんでこの記事に来たのかといいますと、昨日2014年12月17日、THE BOOMの最後のコンサートの生中継で「手紙」が演奏されていたからです。
「それにしてもお気楽な音楽が蔓延しててまるで公害のようだね。
この巨大な渦の中心にいるのはいったい誰なんだろう。きっと誰もいやしないよ。
今は風が止むのを待ったほうがいい。その間に僕らはナイフを研いでおくべきだ。」
TK批判と言われますが、”ナイフ”というワードを選ぶあたり、Human SystemやSeven Days War、Nights of the Knifeを連想させ、批判一辺倒ではないのかな、と思ったり。

THE BOOMの最後のコンサート自体、予定されていなかった終わりと言いつつも、曲を並べてメッセージとしたり前向きな終わりを印象付けたい構成やメッセージの方向性が奇しくも自分が好きな3人組と重なり、数ワードでこのページにたどり着きました(笑

別項でも触れましたがV2やこの曲でも出てくる「あの丘」、華原朋美save your dreamに至っては「くじけたことがあったあの丘、もう一度越えることが必要」と、TMNはくじけたけどもう一度越えたいというメッセージなのかなと。

そして今、ナイフを十二分に研いだQUIT30を体感できるなんて、追い続けて20年目にして、ようやく心の底から良かったなぁ、と感じています。
青い惑星の愚か者
2014年12月22日 03:00
THE BOOMも終わっちゃいましたね
「手紙」、当時結構インパクトありました
あれはTK批判といわれているんですか?

「丘」、save your dreamは考えたこともありませんでした
無意識に小室さんの中に刷り込まれているのかな?

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