5-24 TMN Black/Red/Blue

「I am」、2週目は41位、1966枚で、総計23449枚になりました
最終的に総計は2.5万枚くらいでしょうか
2004年の「NETWORK TM」(2.8万枚)くらいの数字になりそうです
(ネット配信の普及を考えれば、実質的にはもっと上でしょうが)


「Incubation Period」からもうすぐ一ヶ月で、
TM NETWORKをめぐる動きは終息した感じですが、
6/17の21:00からはWOWOWのライブ放送があります
(ただし放送は1時間半なので、数曲カットの模様)
ちなみに5/15にはWOWOWで「All That Love」の再放送もありましたが、
6/3には再々放送をやるようです
って、3回もやるの?


5/26発売の「ARENA 37℃ SPECIAL」でTM特集が組まれることは前回触れました
さらに「Keyboard Magazine」でも、
5/14に小室さんにTMについてのインタビューを行なったようで、
6/9発売のSummer号に掲載されるそうです


7/4リリース予定の木根さんの提供楽曲集「キネメロ」の収録曲が決定しました
記事の文字数制限の関係で曲名は挙げられませんが、
1位~12位は渡辺美里・佐々木ゆう子・宇都宮隆・葛城哲哉・浅香唯・木村由姫・小室みつ子・日置明子・鈴木あみ・吉田栄作・田中裕子・椎名へきるへの提供曲となっています
レコーディングも始まったようですね


また7/3~8には、ル・テアトル銀座で朗読劇「ユンカース・カム・ヒア」が開催され
木根さんも出演するそうです
「キネメロ」発売日の前後ですね
これを前提に決めた発売日だったんでしょうか


奇しくも同じル・テアトル銀座で8/3~26上演の野島伸司脚本の舞台「ウサニ」で、
小室さんが音楽を担当します
演出が永山耕三さんなので、その縁でしょうか
野島・小室の組み合わせ、初めてですっけ?
小室さんはGoogle+などによると、5/16頃に音楽制作を始めたようです


では本題に入ります
今回から通常運転に戻ります
なお今回でようやく、
「終了」以前のTM全楽曲に触れることになります
いよいよ後始末も含めて、TMNの本当の終わりに近付いてきました

----------------
1994/6/22、ビデオ「Decade」と同じ日、
3枚のベスト版CDもリリースされた
「Tetsuya Komuro Presents TMN Black」
「Takashi Utsunomiya Presents TMN Red」
「Naoto Kine Presents TMN Blue」

である


3枚のジャケットはほぼ同じデザインで、
表は「TMN 4001 Days Groove」で用いられた河口陽一郎の有機体CG、
裏は3つの円を組み合わせた「終了」ロゴである
色はそれぞれ異なり、タイトルの通り黒・赤・青となっている
この3色は「TMN Groove Gear」の3枚のCDでも用いられた、
「終了」のイメージカラーである


3枚のCDのライナーでは関係者として、
Time Machine、SONY MUSIC AGENCY、IROAS CORPORATION、M.O.G、立岡正樹の5者を挙げているが、
「TMN Black」(小室)ではSONY、
「TMN Red」(ウツ)ではM.O.G、
「TMN Blue」(木根)ではIROASが、
それぞれArtist Managementとなっており、
他の4者は「Special Thanks To~」の扱いである


M.O.Gはウツの事務所、IROASは木根の事務所名である
つまりこの3枚は権利関係の上ではTMN名義ではなく、
それぞれ小室・ウツ・木根の個人名義の商品として扱われたらしい
3人がタイムマシンを離れ別々の事務所に所属することになったため、
ベスト版を3枚リリースしてそれぞれに収入が入る形にしたのだろう


内容は、「TMN Black」がシングル曲、
「TMN Red」がダンスナンバー、
「TMN Blue」がバラードを集めたものである


一般に認知された曲は「TMN Black」に集中しており、売上も高かった
だがそこには未発表音源はなく、
シングルを購入済みのファンには大して意味はなかっただろう
特に1996年にTMの全シングルを収めた「Time Capsule」がリリースされると、
「TMN Black」の存在意義はまったくなくなった
これに対して他の2枚には、未発表曲が1曲ずつ含まれていた
前者はライトファン向け、後者はヘビーファン向けの作品と言えよう


「TMN Black」「TMN Red」「TMN Blue」は、
それぞれチャート一週目に14.5万枚・10.5万枚・10.1万枚を売り、
2位・4位・5位に入った
ベスト5中の3枚がTMNによって占められたことになる
最終的な売上は36.8万枚・21.8万枚・20.3万枚である


「TMN Red」「TMN Blue」のセールスはほぼ同じで、
初動・総合とも1993年の「Classix 1」(10.5万/24.8万)・「Classix 2」(10.1枚/24.0万枚)とだいたい同じ成績だった
これが最後まで残ったヘビーファンの規模と見て良いだろう


一方で「TMN Black」は36.8万枚を売り、
「EXPO」以後「終了」期までのアルバムでは最大の売上を記録した
「CAROL」「EXPO」「Rhythm Red」「Dress」「Time Capsule」「humansystem」
に次ぎ、TM7番目の売上となっている


なお当時CD店の店頭では、
「Nights of the Knife」「Groove Gear」「Decade」
および3枚のベストアルバムの宣伝映像が流された



この時は3枚のベスト版と「Decade」を購入すると、
抽選でグッズがプレゼントされた(T賞・M賞)
「まいるどHEAVEN」によれば
T賞はテレフォンカード12枚セット、
M章は特製キャップだったらしい


3枚のアルバムの選曲は、スタッフが行なったという
ただ3人の意向も汲まれている可能性は高いと思う
そう考える理由の一つは、
「TMN Black」「TMN Red」での「Love Train」の重複である
スタッフの選曲ならば、このような結果になるはずがない
事務所間で調整が行なわれず、3枚でそれぞれ独自に選曲していたのだろう
特に「Love Train」はTM最大のヒット曲ということもあり、
たとえば小室側がウツ側に差し替えを要求することなどは困難だったと思われる


メンバーの意向が汲み取られていると考える理由のもう一つは、
「TMN Red」にウツ好みのマイナー曲が入っていることである
具体的には「Spanish Blue」「あの夏を忘れない」で、
ともに発表当時、ウツが好きな曲であることを公言していた
「TMN 4001 Days Groove」のセットリストと同様、
素案はスタッフが組んだとしても、
そこにメンバーの意向が反映された可能性は高いと思う


となると、「TMN Black」「TMN Blue」の選曲は興味深い
まず「TMN Black」は、
4枚のリプロダクションシングルを除くと、
1980年代のシングル17曲から7曲が選ばれているのに対し、
1990年代のシングル7曲はすべて収録されており、
明らかにTMN時代の比重が高い


さらに区切りを変えると、14曲中9曲は、
1988年末の「Come On Everybody」以後の10曲から選ばれている
(未収録曲は「Just One Victory」のみ)
これ以前のシングル14曲から選ばれたのは5曲だけである


5曲の内訳はデビュー曲「金曜日のライオン」
デビューのきっかけになった「1974」
TMの代表曲でオリジナルアルバム未収録の「Get Wild」など、
絶対に外せない曲以外では、
1987年の「Self Control」「Kiss You」のみである


この傾向は一言でいえば、「今」に近い楽曲の重視である
もちろん最新の3枚のシングル、
すなわち「Wild Heaven」「一途な恋」「Nights of the Knife」は、
オリジナルアルバム未収録であり、
その前の「Love Train」はTMN最大のヒット作だから、
この4曲を収録することは大前提だっただろう
しかしそれでも、「TMN Black」が新しい曲に重点を置いていることは疑いなく、
TMの歴史を通時的に俯瞰するという姿勢ではない


一方で「TMN Blue」は、これとまったく逆の傾向を示す
ボーナストラック「Another Meeting」を除く13曲を見ると、
TMN時代は1曲もなく、すべて1988年の「CAROL」までの曲である
つまりこのアルバムは、
TM10年間中で前半5年分(TM NETWORK期)のみのベストである


TMN期のバラードは、
「TMN Black」収録が確定していたラストシングル「Nights of the Knife」を除き、
全部で6曲ある
その中で8分に及ぶ「Think of Earth」は、
時間の関係で除外されたのかもしれないが、その他にも、
「Looking At You」「Tender Is The Night」「Dreams of Christmas」「大地の物語」「月はピアノに誘われて」
の5曲があり、これらはすべて除かれた


一方TM NETWORK期のバラード・準バラードは23曲ある
その中で「CAROL」組曲の
「A Day in the Girl’s Life」「CAROL(Carol’s ThemeⅠ・Ⅱ)」
はバラでベスト版には入れづらいし、
「Electric Prophet」は9分近くあるため、
あえて収録されなかったものだろう


これらを除くと候補は19曲となるが、
「TMN Blue」はその中から約2/3に当たる13曲を選んだことになる
13/19(1984~88)と0/5(1990~91)という偏差を見るに、
この選曲も偏りがあることは否めない


以上を要するに、「TMN Black」はTM後半期、
「TMN Blue」はTM前半期を主な対象としている
「TMN Red」がウツの意向を汲んでいるのならば、
「TMN Black」「TMN Blue」の選曲も、
小室・木根の意向を汲んでいる可能性が高い
おそらくこれは、2人の志向を反映しているのではなかろうか


いささか乱暴な一般論を言えば、
小室は新しい曲を評価されたがるところが強いのに対し、
木根はデビュー当時も含め、古い思い出を語りたがる傾向が強い


木根は1993年のソロライブでも、、
「1/2の助走」「クリストファー」「パノラマジック」「永遠のパスポート」「8月の長い夜」
など、TM初期の曲はかなり演奏したが、
TMN期の曲で演奏したのは、
自らボーカルを取った「月はピアノに誘われて」のみである
初期曲の方が反応が大きいということもあるのだろうが、
木根個人の志向もあったのだろう


また当時の小室はTMN後の未来に向け、
かなりの期待を持って臨んでいたのに対し、
木根はこの点であまり積極的ではなかったし、
実際にメンバー3人中でもっとも先が見えない状態だった


おそらくこうした両者の志向が「TMN Black」「TMN Blue」の選曲に現れ、
小室は「現在」に近い時期の曲、
木根は遠い過去の曲を中心に選ぶことになったのだと推測する


なおこの点で「TMN Red」の選曲を見ると、
初期に当たる1984~85年の曲はないが、
FANKS期以後の作品は偏りなく選ばれている印象である
(1986年3曲、1987年2曲、1989年2曲、1991年4曲)
このバランス感覚は、後のウツソロでの選曲にも通底するものがある


収録曲について今一度、アルバムごとに見てみよう
「TMN Black」は3枚中でもっとも売れたが、
その最大の要因は、やはりオリジナルアルバム未収録の
「Get Wild」「Dive Into Your Body」「Wild Heaven」「一途な恋」「Nights of the Knife」
が収められていたことだろう
(ただし「Get Wild」は、すでにベスト版「Gifr for Fanks」に収録されている)


他では「Kiss You」シングルバージョンは、
「humansystem」収録の「More Rock」や、
「Dress」収録の「Kiss Japan」と大きく異なるアレンジなので、
シングルを持っていなかったファンには意味がある音源である
「1974」「Come On Everybody」「The Point of Lovers’ Night」
も、オケはアルバム版と異なる
(ただし「1974」シングル版は「Gift for Fanks」に既収)


「金曜日のライオン」「Self Control」「Time To Count Down」は、
シングル版がアルバム版と比べてショートバージョンとなっている
この点は特にお得な感じはしないが、
熱心なファンでかつシングルを持っていなかった者には、
嬉しく思う者もいたかもしれない


一般にTMは先行シングルをアルバムに収める際に、
アレンジを変えることが多かったので、
ヘビーファンにとっては、
シングルをまとめること自体に意味があったともいえる
本作収録の14曲中、オリジナルアルバムとまったく同じ音源なのは、
実は「Rhythm Red Beat Black」「Love Train」の2曲のみである


選曲について、商業的見地からいえば、
TMの人気が盛り上がっていた時期、タイアップもあって有名だった、
「Resistance」「Beyond The Time」「Seven Days War」
の3曲が入っていないのは、失敗だろう
もっともこれは、小室にとってこの3曲が、
それほど重要な位置を占めていなかったということかもしれない
「TMN 4001 Days Groove」でも、
「Resistance」「Beyond The Time」は演奏されなかった


逆に「TMN Black」に収録された「Kiss You」は、
ライブの定番曲だったが一般の知名度は低い
小室にとっては一般に有名な3曲よりも、
「Kiss You」の方が重要な存在だったということだろうか


曲順を見ると、TMブレイク期の曲と最新のシングルが、
最初と最後にまとめられていることが分かる
一曲目には「Self Control」が置かれ、
ついで「一途な恋」「Wild Heaven」が続く
そしてアルバムの最後はTMの代表曲「Get Wild」と、
ラストシングル「Nights of the Knife」で終わると言う構成である
最初と最後に目玉曲が入るという構成は、意図的なものだろう


「TMN Red」に移ろう
他の2枚が14曲を収めるのに対し、
本アルバムは12曲しか収めていない
しかも一曲は、準インタールードの「Give You A Beat」であり、
実質的には11曲ともいえる
「Get Wild '89」「Rhythm Red Beat Black version .2.0」
という長大な曲を入れたために、
短い曲を入れたり曲数を減らしたりして調整したのだろう


「Give You A Beat」はオリジナルアルバム「Gorilla」では、
2曲目の「Nervous」の導入として曲間を設けずに収録されたが、
「TMN Red」ではこれを「Kiss You (More Rock)」とつなげて収録している
ただやはりこのつなげ方は、工夫は認めるにせよ、
本来の「Nervous」への接続と比べて違和感がある


「TMN Red」の特徴の一つとして、
シングル曲の別バージョンを多く収めていることが挙げられる
具体的には、
「Come on Let’s Dance (the saint mix)」「Kiss You (More Rock)」「Get Wild '89」「Rhythm Red Beat Black version .2.0」
の4曲がこれに当たる


おそらくこれら4曲は、
オリジナルが「TMN Black」に収められることを予想しての選曲だろう
(実際には「Come on Let’s Dance」は収められなかったが)
TMの魅力の一つに多様なリミックスバージョンの存在があったが、
それを伝えようと意識した選曲と言える
なお「Spanish Blue」も、「Self Control」所収のオリジナルではなく、
「Dress」収録のリプロダクションバージョンである


「Rhythm Red Beat Black version 2.0」「Come on Let’s Dance (the saint mix)」
は、当時アルバム未収録だったので、
これが収められたことは価値がある
この点では「We love the EARTH」も貴重である
「EXPO」「Classix 1」にはリミックス版が収められるが、
「TMN Red」所収音源はシングルバージョンで、アルバム初収録である


「TMN Red」についてもっとも重要なのは、
未発表曲「Open Your Heart」である
この曲については以前触れたことがあるが
1984年にデビューアルバム「Rainbow Rainbow」に収録される予定で、
結局使われずにお蔵入りしていたもので、
1989年発表の小室ソロ曲「Opera Night」の原曲になった
ファンの中にはこの1曲を目当てに「TMN Red」を購入した者も少なくなっただろう


他に「TMN Red」には、
「Passenger」「Don’t Let Me Cry」「あの夏を忘れない」「Love Train」
の4曲が収められている
個人的には、「Gorilla」から「Nervous」「You Can Dance」ではなく、
「Passenger」を選曲したのは意外で、面白いと思う


「TMN Red」の序盤から中盤にかけては、
単にアップテンポの曲を集めるというだけでなく、
ファンク・ユーロビート・ハウスなど、
ダンスミュージック色の強い楽曲を意図的に集めている
一方ロック色の強い曲は「Kiss You (More Rock)」くらいで、
「Rhythm Red」からの選曲はない
一方終盤の選曲はポップス色が強い
その境目に当たるのが9曲目の「Open Your Heart」で、
その後は「あの夏を忘れない」「We love the EARTH」「Love Train」と続く
最後の3曲はラストアルバム「EXPO」からの選曲である


最後に「TMN Blue」を見よう
本作はすでに述べたように、
TM NETWORK期のバラード・準バラードの大半を収録している
特に「Gorilla」(1986年)と「Self Control」(1987年)については、
対象楽曲7曲がすべて収録されており、これだけでアルバムの半分に及ぶ
それだけこの時期に思い入れがあるということだろうか


さらに1987年の「humansystem」からも2曲が収録されており、
実に全14曲中9曲(ボーナストラックを除けば13曲中9曲)が、
1986~87年の曲となる


収録曲に特筆すべき方針は見出せない
「1/2の助走」「Fighting」「Here, There & Everywhere」「This Night」
など、影の薄い曲も多く採用されていることは特筆すべきかもしれないが、
もともと収録されていない曲の方が少ないのだから、
ここでは非収録曲を分析した方が意味があるだろう


意外な落選曲は、やはり「Electric Prophet」だろう
これは1984年以来TM NETWORKのテーマ曲的位置付けの曲で、
ある意味で「1974」「Get Wild」「Love Train」以上の存在感のある曲である
曲が長く2曲分を占めてしまうため外されたのかもしれないが、
TM史上最重要のバラードと言っても過言ではなく、
他の曲を削ってでも入れるべきだったと思う
ただ「Electric Prophet」は一聴してもはまりづらい曲ではある
限定BOX「Groove Gear」にこの曲が収録されたこともあり、
より広い層に向けた本作ではあえて外したのかもしれない


シングル「Seven Days War」は、
アルバムの「Four Pieces Band Mix」とは別バージョンなので、
収録してもよかったと思うが、
「TMN Black」に収録されることを見込んであえて外したのかもしれない
ただし「Seven Days War」カップリングの「Girl Friend」は収録されている


個人的には「Seven Days War」よりは、
「Human System」が収録されていないことの方が腑に落ちない
本作はリリース時の存在感からも、ライブでの演奏頻度の面でも、
バラードベストには必須の作品だろう
むしろ一枚のベスト版でも収録されて良い作品である


シングルカップリングでアルバム未収録の「Dreams of Christmas」を外したことは、
後発ファンが同曲の音源を長く入手できなくなる原因ともなった
クリスマスという期間限定の曲ということもあったのかもしれないが、
アルバム未収録の唯一のバラードだったこともあり、
商業的観点からも、必ず収録すべきだったと思う


また「大地の物語」もTVCMで使われた唯一の木根バラで、
収録してもよかったと思う
この2曲が入っていないのは、
やはり意図的に新しい曲を除いているように思える


商業的観点から言えば、「Still Love Her」がないことは、
本作のセールスを下げる一因になったかもしれない
「City Hunter 2」のエンディングテーマであり、
潜在的知名度や人気ではTMでも屈指の曲だった


以上のように非収録曲を見ると、
入れるべき曲をあえて外して、
日の当たらない曲を入れているように感じられる
だからこそありきたりのベストとは異なる選曲になったとも言えるが、
個人的には違和感を感じるところが多い


「TMN Blue」は概してレアテイクはほとんどなく、
シングルカップリングの「Girl Friend」を除き、
ほぼすべてオリジナルアルバム収録の音源である
ただその中で、一曲重要な曲が入っている
TMN最後の新曲、「Another Meeting」である


この曲については以前触れたが、
本来「Nights of the Knife」のカップリングになる予定だったものが、
レコーディング日にウツのノドの調子が悪かったため、
後に1994/5/3にレコーディングされ、発表が遅れてしまったものである


「TMN 4001 Days Groove」が予定通り3日間開催されていれば、
おそらくこの曲もアンコールなどで演奏されたのだろう
だが実際にはこの機会には演奏されず、
再結成後もTMのライブでは現在まで演奏されていない
もっとも作曲ウツ・作詞木根という珍しい組み合わせということもあり、
tribute LiveやFolk Pavilionなど二人の(小室がいない)ライブの時は、
たびたび演奏されている


それまでTM曲では、木根単独の作詞は「月の河」しかなく、
ウツ作曲は「I Hate Folk」しかなかった
特に「I Hate Folk」は冗談で作った曲なので、
「Another Meeting」は実質的にTM唯一のウツ曲となっている


ウツはすでにT.UTU with The Bandで、
1992年の「Strange Guitar」以来作曲にたずさわってきたが、
その成果が最後のTMN作品として世に出されたわけである
もしもTM10周年のオリジナルアルバムが実現していれば、
ウツのソロ活動の成果を踏まえたウツ曲も聞くことができたのかもしれない


曲は余計な飾り気のない、シンプルなアコギの演奏である
音を重ねた派手な小室的楽曲とは対極にある曲だが、
ウツの声を堪能できる点で、これはこれで魅力的な曲だと思う


木根の作詞も、やはりソロ活動期の成果と言えるだろう
曲名の通り、詞のテーマは出会いである
同年12月に発表された小説「いつか逢える日に」は、
この曲の歌詞のイメージを元にしたものだという
歌詞では四季(春・夏・秋・冬)を以って時の移り変わりを象徴的に示している
TMNが「神話」になった未来が歌詞の舞台のようである

春の風に戯れて 砂の大地を歩き
夏のトライアングルに 思いをめぐらした
秋の風に歌をのせ 君の夢かなえよう
冬の星座の下 ぼくらは神話になる


この未来を暗示する歌詞のメインは、
「めぐり合いは二人だけの遠い過去の約束だと 瞳を閉じて君が言った」
「蘇る思い出は永遠の星の姿 生まれ変わり再び出合う」
の部分である(なお「合う」は歌詞カードのママ)


いつか再会することを「君」と約束したことを歌い、
そしていつか違う形で再会できることをほのめかしている
つまりTMNはまたファンの前に現れるが、
それはTMNと同じ形ではないということでもある


小室も「TMNのオールナイトニッポン」「TMN 4001 Days Groove」で、
また3人で新しいプロジェクトをやると言っていた
その発言とウツ・木根の曲の歌詞が一致することは、
これが3人の合意事項であったことを意味する


確かな見通しがあったわけではないのだろうが、
小室・ウツ・木根は「終了」決定に当たり、
いずれ機が熟したら3人でまた音楽をやろうという口約束もしくは夢を、
お互いに確認していたのだろうと思う


おそらく1994年初め頃の3人は、
TMNとしての活動が困難もしくは妥当ではない状況下にあった
一つには、今のTMNでは世間の注目度に限界があるという小室の判断があり、
(そしてtrfの方が可能性があるという判断)
また一つには、事務所の分裂と関係者の利害関係の錯綜があった
その他にも複数の事情が絡み合っていたのだろうが、
ともかくTMNの継続的な活動はすでに困難になっていた


だが3人は、それでも一緒に音楽活動をしたいと思っており、
その見通しが付く日を望んでもいたのだろう
1997年のTMN再結成宣言、そして1999年の再結成実現も、
そのことの合意が前提にあったのだろうと思う


こうした観測は、ファンとしての願望に影響されているところもあるかもしれない
だが「終了」後も3人の付き合いは続いており、
「終了」がメンバー間の関係の問題でなかったことは確かだと思う
「Another Meeting」はそうした合意を、
最後にファンにこっそり教えようと残していった置き土産だったのではなかろうか



Naoto Kine Presents TMN blue
エピックレコードジャパン
1994-06-22
TMN
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この記事へのコメント

茶々
2012年05月17日 21:51
いつも更新ほんとに楽しみにしています!
今回のANOTHER MEETING 、歌をじっくり読んだことがなかったので
初めてハッとしました!
確かに…またこっそりメッセージが込められていたんですね。
ずっと色んな問題の渦中にいた三人なのに、よくぞ人間関係が壊れなかったなと思いますね。
トライアングルに感謝です!
もう一度ANOTHER ~を聞いてみようと思います。ありがとうございました!
kuri566
2012年05月19日 00:16
このエピックによるタナボタCD3枚を素材に、これほどまでに深く熱く詳細に分析してしまうおチカラ、脱帽です。読みふけってしまいました。

終了後によく聞いていたのは、「OPEN YOUR~」で、あとは数回聞いただけ。当時はMDが出回り始めた頃でしたから、まだ自分でCDレベルの音質で曲を集めることはできなかったですから、BLACKは重宝してましたよね。カラオケとベスト盤がわんさか出始めた頃でしたから、TMファンならずとも持っている友人いましたからね。

世界遺産ボックスにも収録されていますが、この3枚はいまだに新品同様ノータッチです。今回久しぶりに94年のものを引っ張り出してみました。当時のCD帯があったので裏面を見ると、この時はT賞がアルバムジャケデザインのテレカ12枚セットが100名、M賞が特製キャップ500名(意外と太っ腹でびっくり!!)と表記されていました。N賞そのものがありません。アコギなのは、このあとのラスグル関連のキャンペーン。ビデオの5.18と5.19の2つならまだしもさらにライブアルバム5.18と5.19にもついてる応募券を4枚すべて集めろって、チョコボールの銀のクチバシなみにひどい!!

6/17のWOWOWのライブ放送1時間半ですか!!ひどい。ちょっとWOWOWにかつがれた気分。まあ、裏を返せば完全版DVDが直後にアナウンスされるとみた!(期待をこめて)ということでしょうか。
塩辛
2012年05月20日 20:42
Kuri566さんと同じく、単なるレコ社都合のベスト(と言っていいのか…)にここまで言及した記事に脱帽です。
しかし3枚とも会社が違うなど、ここまでするくらい会社同志の関係はこじれていたのですねぇ…。当時は終了が悲しくて「何がベストだバカ野郎」ってな感じでしたが、ここの記事を読んで買い揃えて頭から聞いてみたくなりました。
アルバム曲の順番も昔は考えられていましたよね。今はついつい好きな曲ばっかり聞いたり、すぐシャッフルしちゃったりしますが、製作者の意図を組み込んで順番通りに聞くと見えてくるものもありますよね。まぁそれでも乱発ベストには懐疑的になってしまいますが。
fe
2012年05月21日 20:15
こんばんは。

私は終了以後のファンであるからして、TMにハマりかけていた時、最初に見つけたベストアルバムが「TMN Red」でした。

本作ではじめて「Spanish Blue」を聞いて後に「Self Control」「DRESS」を聞いた後、前者のバージョンがオリジナルなのかと驚いたのはいい思い出です。蒼い惑星様は「DRESS」の記事で「古臭く感じるかも知れない」と仰られていましたが「Spanish Blue」はDRESS Ver.の方が太さ・妖しさ・鼓動の力強さが感じられて好きです。

今度のインストベスト盤、不安です。できるならコーラス無しで音そのものを楽しみたいです。しかし「カラオケ」と名付けても中身はインスト、「インスト」と銘打っても中身はカラオケのケースもあるから困った者です。
B500
2012年05月22日 01:03
初めて書き込みます。
Black/Red/Blueはソニー系アーティストの発売予定CDカタログには10周年記念ベストと書かれていたのをはっきりと憶えています。
企画当初は10周年記念の予定だったのかなあと。
kuri566
2012年05月23日 18:20
TMのインスト版だけを集めて自作CDつくっていた身としては、今回のインストベストは心待ちにしていました。ふつうボーカルで聞こえなくなっているバッキングのギターとかシンセのリフまで鮮明に聴き取れていいですよ。ドライブシーンで重宝します。
なぜシングル発売順なのにセカンドの1974はじまりなのかは、謎ですけど。
カラオケ版はコーラス入りです。feさんは不安だと言っておられましたが、TMはコーラスワークもウリですから、当時の雰囲気がコーラスから感じられて感激です。

BEYONDはシングルにはインスト版だったのですが、今回はカラオケということで、サビだけですけどコーラスが入っているのが初ですね。勝手にショートバージョンにされている曲があったり、YOU CAN DANCEは削られていたりと不満もあります。「現存する素材で収録しています」という記述があることから、「YOU CAN~」は、マルチのマスターテープが現存しないということなんでしょうか。
あと、結局インスト版買いに行ったはずなのに、勢いでとなりに並んでいた歌入りベストも買ってしまいましたという、あいかわらず「消しゴムFANKS」なワタクシ。
アザラシ
2012年06月08日 18:05
本当に3人揃ってTMやりたいと望んでいたにも係わらず、事務所問題や様々な利害関係などが原因で94年に一度プロジェクト終了宣言をせざる得ないところに陥ったんですね。

でも、皮肉なことにてっちゃんのことがあって、本当に今後もてっちゃんと一緒に仕事をしていき、応援支持して行きたい人たちが残りましたよね。その中にはウツや木根ちゃんもいたんですからね。

そういう意味では多少の問題はあっても、今が一番TMの活動をするのに適しているなって思います。
青い惑星の愚か者
2012年06月11日 23:41
このところ更新が遅れていて、申し訳ございません

>茶々さん
私も当時、また3人で~の小室さんの発言は聞き流していたんですが、結構経ってからこの曲の歌詞とつながっていることに気がついたんです
この曲はTMで演奏されたことがないこともあり、あまり注目されることがないんですが、実は結構大切な曲なのかもと思います

>kuri566さん
黒赤青は、世界遺産で一番開封率が低いアルバムの一つでしょうね
私も黒は、ブログ右の商品リンクに掲載していません(Time Capsuleがあれば不要なので)
N賞は初めからなかったんですね
どうもありがとうございました
ラスグルCD・DVD特典は見たことないですが、ブックレットだったみたいですね
インスト集は、当時のスタッフがいなくてよく分からなくなっているんだろうなという感じがむんむんとしましたが、モノによっては面白いものもありましたね
青い惑星の愚か者
2012年06月11日 23:41
>塩辛さん
私も濫造ベストシリーズはうんざりしています
今後まともに言及する可能性のあるベスト版はTime Capsuleくらいかもしれません
しかしopen your heartとanother meetingをバラしてベストに入れるあたり、あくどいですよね
もしもこの2曲がなければ、私は3枚とも買っていなかったと思います(結局全部買ったけど)

>feさん
REDから入ったんですね
spanish blueに限らず、リミックスものは最初に聴いたバージョンが何かによって、印象が変わるかもしれません
インスト集は、多分ちゃんと音源が管理できていなくて、当時を知らないスタッフが音源の所在を把握できていないケースが結構あったんだろうなと思います

>B500さん
その10周年記念ベスト情報って、いつ頃のものでしょうか
4月20日まで「終了」は秘密でしたから、実際のところはともかくとして、カタログには10周年記念と書くしかなかったと思います(それに、実際に10周年ではありますし)

>アザラシさん
99年の再結成時はいろんな利権も絡んでたんでしょうし、本当の意味で3人で集まれたのは今回だったのかもしれないですよね
94年は、メンバーも残念な思いがあったんだと思います
kuri566
2012年06月12日 20:01
キーマガ夏号に興味深いコメントがありますね。キースエマーソンの表紙は、「8月」に意味があるそうで。期待していいんでしょうか。カラオケベストは、クロコダイルとか歌ありの時と印象がかわるような発見もありました。初期のTMのコーラスワークは神ですね。でも、後期もラブトレあたりはコーラスがよくできていたんだなあ、と歌ぬきになって発見することも。90年TMNリニューアル期当初はちゃんとカップリングがあって、インストなしシングルだったので、歌なしでもロックしていてかっこいいです。
青い惑星の愚か者
2012年06月21日 00:56
8月、何があるんでしょうね
もう2ヶ月前だから、単独ライブがあるんならもう告知が出てもいいはずですけど…やっぱフェスに参加とかそういう感じですかね

インスト集は、コーラスをじっくり聴けるのは一つの魅力かもしれないですね
コーラスだけ聴くって、あんまりないですからね
ラブトレとウィラブは、木根さんのコーラスがよく聞けますね!
クララ
2015年06月07日 23:08
こんばんは。こちらのサイト、まだ現在に追いつかずさかのぼり中です^^
最近になって「宇都宮隆の20miles 」というラジオを聴いたのですが、5回目の放送で(12.5.3)、「(終了は)2年前にわかってた」と本人が言っていて、「ええ;;」となりました。どんな思いで2年を過ごしたか、胸が痛みます。
エキスポを2枚組みにして、ジャンル別にそれぞれをしっかりアピールしたらどうだったんでしょう。TMNでロックに絞るのではなく、いろんな音楽が出来ることを盾に、目先の売り上げに左右されなかったら、自分達のペースでやりたい音楽をずっと続けていけた気がします。でもそんなの、てっちゃんには無理な話ですね;;
青い惑星の愚か者
2015年06月12日 04:51
2年前に分かっていたというところ、今聞いてみましたが、ウツもちょっと口ごもっていますね
ちゃんと話すと面倒くさくなるから適当に流したんじゃないでしょうか
92年には終了の可能性は念頭にあったでしょうけど、できればしたくはなかったんだと思いますよ

小室さんの場合、92年の時点ではやりたい音楽=クラブ発音楽になっていて、TMNでやることは難しかったと言うところもあると思います
たぶん妥協点が一途な恋だったんでしょうけどね
とびえもん
2016年08月29日 13:28
オイラの記憶が確かなら

赤黒青を買った時にその場でスピードくじを引いて

その時にキャップが当たりました

そのキャップは紛失してしまいました(T_T)

新星堂で買ったのですが他のお店もやってたのかな……スピードくじ
青い惑星の愚か者
2016年09月04日 04:53
キャップの件、すでに記事の中に書いていますが、実は私は全然記憶にありません。
シングルは全部持っていたということでBlackは購入せず、後日コレクションとして改めて買ったから、当時くじを引くチャンスを逸したんでしょうね。

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