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7-6 キヲクトキロク

2018/06/19 19:37
6/27リリースの「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」の収録内容について、
既発表のT盤・K盤に加えて、
6/19に9枚組BOXのボーナスディスクの内容も公開されました


T盤4枚・K盤4枚・ボーナスディスク1枚の9枚の内、
選曲は1990年代が中心で、全体の過半を占めています
ただ注目すべきはむしろ2010年代、
逮捕後の音楽活動再開期で、
いろんなところに提供していて入手が難しかった楽曲が集められています


私はこんなのあったの?て思ったのもありました
小室曲1曲のためだけにアルバムを買うのはためらわれた方には、
2010年代分を入手するだけでも価値があるかもしれません
もしかしたらこの選曲、
発売中止になった「JOBS#2」の残骸なのかもしれないです


未発表曲としては、K盤に梅田彩佳 「MY HISTORY」と、
Tetsuya Komuro feat. Beverly「Guardian」
ボーナスディスクの甲斐よしひろ「against the wind」が収録されます


「Guardian」は今後ゲーム関係の商品に収録される可能性もありますが、
他の2曲は多分この商品以外では聞けないものになるでしょう
なお 「MY HISTORY」は新曲、
「against the wind」は1999年頃にレコーディングされながら、
これまでお蔵入りしていた曲です


他に1980年、Missオレンジ・ショックの「愛しのリナ」あたりも、
一部のコアファンには嬉しいところでしょうか
郷ひろみとかtaecoとか、
単発TK作品を集めたい方にも重宝するかと思います


もっともTKファンには一定の意義はあっても、
TMファンには特に意味がある作品にはならなそうです
TM収録曲は「Self Control」「Get Wild」「Beyond The Time」「Seven Days War」「Get Wild '89」「Love Train」「I am」の7曲ですが、
ファンならだいたい持っているものでしょう
私としては、出費する必要がなくなったので安心しているところです


「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」と同日には、
リットーミュージックよりTower Record限定で、
「Tetsuya Komuro Interviews Complete Edition 2018」発売されます
4860円です


これまでリットーミュージックからは、
2013年までの「Keyboard Magazine」「Keyboard Land」の小室さん記事を集めた電子書籍「Tetsuya Komuro Interviews」vol.0〜4、
2014年分の記事を加えて白黒印刷された「Tetsuya Komuro Interviews Complete」が発売されていましたが、
今回のはこれに2015年以後の記事を加えてカラー印刷にしたものです
これで3回目ですが、さすがにこれで完全版でしょうか
他の雑誌でもこういうの出ませんかね


ウツはソロ25周年のファイナルツアー開催が発表されました
9/21〜11/23の2ヶ月で11公演です
て、あれ、最終日にはすでに26年目に入っているんですが…


今回はT.UTU with the BAND名義でもU_WAVE名義でもない、
久しぶりのウツソロのバンドツアーです(2012年以来)
特徴的なのはバンド編成で、
ギターの西山毅さんの他は、
キーボードが土橋安騎夫さん、浅倉大介さん、nishi-kenさんの3人となっています
キーボード3人編成、何か特別な狙いはあるんでしょうか


木根さんはDVDと「2525ツアー」の宣伝か、
6/16にFM西東京の「WEEKLY MUSIC TOP20」に出演しました
また8/24にはかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで、
渡辺美里さんのツアーにゲスト出演するとのことです
木根さん作曲の曲をやるんでしょうか
美里さん、少し前に「ribbon」の豪華版アルバムを出したので、
「さくらの花の咲くころに」あたりをやるかもしれません


それでは本題に入ります

---------------------
2002/10/31、シングル「Castle in the Clouds」がリリースされた直後、
TMのアルバムのリリースが11月初頭に発表された
「Castle in the Clouds」リリース前に決定していた企画だろう
アルバムのリリースは、翌年2/5とされた
当時のHMVのサイトの解説文は以下の通りである


80年代から90年代の音楽シーンを常にリードし、
現在活躍している多くのアーティストに影響を与えてきたTM NETWORK。
これまで決して裏側を見せることのなかった彼らが、
数々のヒットを世に出す中で、結局未発表を決心した楽曲や、
CDに収録されなかったリミックス、そしてああのヒット曲のデモまでを
当時のストーリーとともに世に送り出すことが決定!!
同時に彼らがより自由な音楽活動の場を求めて
インディーズレーベルよりリリースした楽曲も収録。
TMファンにとっては涙ものであり、それ以外にもかなり興味深い作品に
仕上がっています!詳細は分かり次第告知します!


上記にあるように、翌年発売予定のアルバムは、
未発表楽曲・未発表テイク・デモ音源に加え、
ROJAM時代の楽曲を収録するというものだった


この企画版は「キヲクトキロク〜Major Turn-Round」と題してリリースされた
DISK1の蔵出し音源集1枚と、
DISK2の「Major Turn-Round」を合わせた2枚組で、
3240円で販売された


TMのアルバムタイトルが日本語なのは、
2018年時点で史上これだけである
小室は後まで自らの栄光を振りかえる際に、
この「記憶と記録」という言葉を使い続けた
「Tour Major Turn-Round」のスクリーンに映し出された3人のメッセージ中の「記録と記憶」に由来するタイトルと考えられる


ジャケットは何を撮影したものかよく分からないが、
スタジオのカセットデッキだろうか
ライナーの中にも3人の写真は使われていない


結論から言っておくと、
本作はベスト盤を除く歴代のTMアルバムの中で、最低の作品である
新作に当たるDISK1には、実際ほとんど商品価値が存しないため、
インディーズ盤「Major Turn-Round」を抱き合わせ販売したものと考えられる


それまで「Major Turn-Round」は一部店舗を除いて一般流通に乗らず、
ROJAM POPSHOPから送料500円込みで通販購入するしかなかった
だが「キヲクトキロク」の発売により、
本品を店舗購入することで、
通販よりも安く「Major Turn-Round」を入手することが可能になった
つまり「Major Turn-Round」の購入に便宜を与えたと言う点において、
本作は後発ファンにとって、多少の意味はある商品となった


なお2002年9月にはROJAMとR&Cが、
お互いに株式を持ち合うことにして、連携関係を強めている
このことも「Major Turn-Round」がR&Cから再販される前提になっただろう
ただROJAMはこれによって、ほとんど唯一の売れ筋商品を失うことになった


一応新作となるDISK1の内容は、
デモや未発表テイクを集めた1994年の「Groove Gear」に類する内容となっている
「終了」以前のEPIC/SONY関係の音源が収録されていないのは、
おそらくSONYとの権利関係があるのだろう
ただSONY系列のTRUE KiSS DiSC時代の音源は収録されている


唯一の「終了」以前の音源としては、
1991年の「月とピアノ」が収録されている
(アルバムには「EPILOGUE 1991〜月とピアノ〜」として収録)
これはヤマハから出版された「K's Magazine vol.3」付録CDに収録されたもので、
SONYは関係していないものである
うまい具合に穴を見つけたというところだろう


ただしこれはTM曲というよりは小室ソロ曲というべきものである
これが「キヲクトキロク」に収録されたことによって、
初めてTM曲としてロンダリングされたとも言える


小室によるピアノ音源である「CAROL」「In The Moment」も、
TM用の音源として作られたものかどうかは疑わしい
音源の出どころも明らかではない


木根のピアノ音源である「We Are Starting Over」に至っては、
1999年の木根ソロライブ「talk & live vol.5」のパンフレットの付属CDであり、
後にTM曲になったとはいえ、本来は木根ソロの音源である


以上4テイクと「Get Wild」ライブ音源を除く7テイクの内訳を見ると、
TRUE KiSS DiSC時代の楽曲は4テイク、
ROJAM時代の楽曲は2テイク、
R&C時代の楽曲は1テイクとなっている


この中でデモ音源もしくはプロトタイプ音源に当たるものは、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「Castle in the Clouds」の3テイクである
既述の「We Are Starting Over」もプロトタイプ音源に数えても良いだろう
またリリース後にリミックスされた未発表音源としては、
「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」の2テイクがある


この他に、新たに制作されたリミックス音源が2つある
「Worldproof」「MESSaGE」である
ただしこの2テイクはいずれもリミックスの担当は小室ではない


以上のようにDISK1は、
未発表音源およびアシスタントのリミックス音源をまとめたものであり、
メンバーが関与した形跡は存在しない
ライブで本商品のアレンジを意識した演奏が行なわれたことがあるのも、
せいぜい2003〜08年の「CAROL」のピアノソロくらいだろう


なお木根がこの頃の動向を記した「新・電気じかけの予言者たち」には、
「キヲクトキロク」は一切登場しない
本作の構成は、とりとめもなく当時の出来事を時系列上で記すだけのもので、
到底文筆家の作品とは言えない出来となっているが、
一方で木根の目に入った情報をそのまま知ることのできる素材ともなっている
(もちろん都合の悪い事実は隠蔽・美化されているだろう)
そこに「キヲクトキロク」が登場しないのは、
ウツ・木根がまったくタッチせずリリースされたことを意味しているのだと思う


チラシでもわざわざ「TMを愛するスタッフがファンへ贈る」とされている(TMが贈るのではない)



プロモーションもほとんど行なわれなかった
ライブはもちろん、雑誌のインタビューなども確認できない
ただそうした中で、2002/12/24NHK-FM では、
FANKS出自の中村貴子をパーソナリティとして特番「TM NETWORK special 」が組まれ、
TMを招いて2時間のトークが行なわれた
12/31にも再放送されている


この時に未発表音源として「CAROL (Unreleased Piano Version)」が放送され、
小室は「倉庫から出てきた」と言っている
同番組ではさらに、「キヲクトキロク」のリリースについても告知され、
小室は「買ってもらえなかったものを集めた」「コレクション」などと、ささやかに述べている
さすがに誇らしく宣伝する気にはなれなかったのだろう


収録音源には、どうしても聴く必要のあるものは存在しない
熱心なファンでも金を払う価値があるのは、
「月とピアノ」「Happiness×3 Loneliness×3」「10 Years After」「Castle in the Clouds」くらいだと思う
「It's gonna be alright」には記念音源としての意味もないことはないが、
それこそROJAM.COMで無料配信すれば十分な代物である


なお必ずしも商品の価値と直結するものではないが、
DISK1収録の12テイクの内、
「CAROL」「10 Years After」「In The Moment」「Worldproof」「We Are Starting Over」「月とピアノ」の6テイク(全体の半分)には、ウツの歌は入っていない
これらはDISK1収録を前提に作られた「Worldproof」を除けば、
そもそもTM用音源として作られたものかどうかも怪しいものである
(少なくとも「We Are Starting Over」「月とピアノ」は明らかに違う)


2年ぶりの再始動シングルの直後に、
なぜこんなもののリリースを発表したのだろうか
一つ想像できるのは、
おそらく年内にアルバム1枚リリースと言う一般的な契約条件が、
TMとR&Cの間にも交わされていただろうということである


その場合に思い出されるのが、
秋のリリースが計画されていたTMのリミックスアルバムである
これは2002年初めにTMメンバー間で合意された後、
春にはメンバーによって公言もされていた
ところが夏に「Castle in the Clouds」の件が具体化する頃から、
この件は語られなくなっていた


その事情は、正直に言ってよくわからないのだが、
おそらくTMはR&Cに移籍した際に、
年度内にアルバム・シングル1枚ずつのリリースを契約しており、
その履行のための新作が(オリジナルであれリミックスであれ)制作困難と判断された時点で、
代替措置として音源集のリリースが決定したものと考えられる
なお2003年度にも、やはりシングル・アルバムを各1枚リリースしている


ただそれにしても、再始動直後の大事な時期に、
このような商品しかリリースできなかったのはどういうことか
リミックスアルバムの中止も「キヲクトキロク」リリースも、
「Castle in the Clouds」リリース以前には決定していたと考えられる
ならばこれらの事態は、
「Castle in the Clouds」のセールス不振を背景としたものではないと考えられる
私はこの事情について、ある可能性を考えているのだが、
これについては別の章で触れることにしたい


ただ事情は何であれ、
個人的にはここまで無残な商品を出すくらいなら、
再始動後の全シングル集を出してくれた方がよほど意味があったと思う
TRUE KiSS DiSC時代のシングルはまだアルバムにまとめられていなかったし、
ROJAM時代のシングルも「Major Turn-Round」ではアルバムミックスになっているから、
シングルバージョンを聴くことができるアルバムはいまだに存在しない


既発売シングルだけでも、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」「80's」「MESSaGE」「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」
の8曲が存在しているから、
これに最新シングル「Castle in the Clouds」「君がいる朝」を収録するだけで、
アルバム1枚には十分な分量である


既発表音源の寄せ集めよりは、
未発表テイクを出した方がまだ売れるだろうと言う判断だったのかもしれないが、
結局その結果作られた「キヲクトキロク」は、
単独では商品になりえないカステイクの寄せ集めになってしまったという印象である


本商品はチャートでは、初動25位・1.4万枚の成績を出し、
最終的には2.1万枚を売った
2000年にSONYが出した間に合わせベスト盤「Best Tracks」(26位、3.5万枚)と比べると、
ランクはほぼ同じだが、売り上げは半分以下である
ファンのほぼすべてが持っているであろう過去音源を集めたベスト盤よりも売れなかったのである
本作に対するファンの失望がうかがえよう


なお2004年にもSONYからベスト盤「Welcome to the Fanks!」がリリースされているが、
これは18位・2.9万枚の成績であり、
やはり「キヲクトキロク」よりも売れている


以下ではDISK1収録の音源について簡単に見ていこう
ただ既発表音源である11・12曲目の「月とピアノ」「We Are Starting Over〜ずっと好きだった(Naoto Kine Piano Instrumental Version)」については、
すでに触れたこともあるので(12)、ここでは改めて触れない
また唯一のR&C時代の楽曲として9曲目の「Castle in the Clouds (Yabe Version)」があるが、
このテイクについても以前触れたので、内容は割愛する


まず1曲目は、「CAROL (Unreleased Piano Version)」
これは「CAROL」組曲中の「A Day in the Girl's Life」のピアノ演奏である
2003/9/6・7開催の「Fan Event in Naeba」での演奏は、
おそらくこれを意識しているのだろう
後にも、2007〜08年のTMライブでは必ず演奏した


少し飛ばして6曲目の「In The Moment」に触れよう
新曲ではあるが、曲名はアルバム収録に当たって決められたもので、
元のテープには「PIANO #1」とだけ記されていたという
要するにデモテープの最初にあったものを収録したのである
実際のところ、TMの曲として作られたものかどうかも不明である


両テイクはともに某年1月25日に、
東京ベイブリッジスタジオで録音されたという
おそらく同じ年にレコーディングされたものだろう
日付まで分かって年が分からないのは不自然で、
古いものである可能性を匂わせるために年を伏せたものと考えられる


1998年、小室はピアノアルバムをリリースする計画があったが、
秋に無期延期となったことがある(後に2003年3月にリリース)
あるいはこれと関わるもので、
1998年以後に録りためていた音源の一部だろうか


ならば候補として1999・2000・2001・2002年がありえるが、
2000/1/25は「Touch the globe LIVE!」名古屋公演の日であり、
2001/1/25の小室は上海にいるので、ともに東京のレコーディングはない
だとすると1999年か2002年ということになる
もう少し絞り込む材料があれば確定できそうだが…


8曲目は「Get Wild (Live from 2001 RENDEZVOUS IN SPACE)」
これは2001/1/1に開催された沖縄ライブの音源で、
すでにテレビでは放送されていたが、商品化はされていなかった


ただしライブアレンジも演奏メンバーも「Tour Major Turn-Round」と同じでなので、
DVD「Live Tour Major Turn-Round 02」を持っていれば、
さほど意味があるものではない
未商品化の「Log-on to 21st Century」の音源を入れていれば、
それなりに価値の高いものになったはずだが、権利関係で難しかったのかもしれない


沖縄ライブでは1番Aメロの「チープなスリルに身を任せても」のところで、
ウツが歌詞を噛むというミスをしたが、
この音源ではその部分が上からかぶせた別音源で修正されている
しかしその音質が明らかに前後と異なり、大変気持ち悪い
このあたりは極めて雑な仕事といわざるを得ず、
この商品のやっつけ具合が端的に現れている
むしろこれくらいなら、修正しない方が良かったと思う


これと「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
2017年の「Get Wild」歴代トラック集成アルバムである「Get Wild Song Mafia」「Get Wild 30th Anniversary Collection」にも収録されていない
R&CのライブDVD「Double Decade "NETWORK"」に入っている「Get Wild」の音源は収録されているので、
レーベルの問題でもないようである
関係者からも存在を忘れられた商品だったのだろう


2〜5曲目は、TRUE KiSS DiSC時代の楽曲である
制作が古い順に挙げていこう
まず4曲目「It's gonna be alright (TK Vocoder Version)」は、
1999年6月のハワイレコーディング以前、
1999/4/30に日本で作ったラフミックスである
再始動期TMの音源の中では、
現時点で商品化されているもので最古のものである


2曲目「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
シングル盤「Get Wild Decade Run」完成の3日前、
1999/6/18にできたラフミックスである
以上2テイクについては、以前触れたことがある


あとの2曲は海外のアレンジャーによるリミックスである
いずれも原曲と大幅に異なるアレンジであり、
本音源集中でも多少の価値は認められるテイクである
まず3曲目「Happiness×3 Loneliness×3 (Club Mix)」は、
レコーディングは1999年で月日・場所は不明である


リミックスを行なったのはBobby D'Ambrosioという人物で
早くからメジャーアーティストのリミックスを手がけていた人物である
当時はニューヨークで活動するDef Mix Productionsに属していた
ハウスなどクラブ系の音に通じた人物だったらしい


本テイクではボーカルは同じながら、
原曲からは大幅にアレンジが変えられている
原曲はフラメンコギターなどを入れ、ラテン風の雰囲気が強いが、
こちらはラテン的な要素を薄め、
クラブ風のパーカッションを強調したオケになっている
曲の長さも8分以上で、原曲の約2倍である


このアレンジを聞くとこの曲の歌メロが極めて平坦で、
半ばラップ状態だったことが、原曲よりもよく分かる
ウツも歌うのは大変だっただろう
逆にこれほど平坦な歌メロであるにもかかわらず、
原曲がそれなりにメロディアスに感じられるアレンジだったことは面白い


問題はこのテイクは何のために作ったのかということである
ROJAM.COMのMailing ListであるTM NEXTで配信された解説には、
「この制作時に、小室哲哉が世界各地のアーティストにリミックス及びリプロダクションを依頼。 そのときの音源集から見つけ出した未発表テイク」
とあるが、結局よく分からない
ただ「Happiness×3 Loneliness×3」のシングル盤のレコーディングは、
1999年11月に完了したことが知られる
その後1999年中に「Club Mix」が完成したのならば、
アレンジの依頼はシングル盤完成から間もない頃に違いない


私は一つの可能性として、
2000年3月リリース予定だったTMのアルバムに収録するはずの音源だったことを考えている
2000年1・2月にTMのアルバムレコーディングが予定されていたと考えられることは、
以前述べたことがある
小室がこのアルバムに入れることを念頭に置いてアレンジを依頼していた可能性は高いと思う


5曲目は「10 Years After (Featuring COMMON)」である
サビの「10 Years After Where Will We Go?」の部分ではコーラスを聞けるものの、
メインボーカルはウツではなく、COMMONのラップである
ラップを前面に出すように、オケは控えめなアレンジである
もともとヒップホップを意識して作った曲だけに、
ラッパーをフィーチャーしたかったのだろう


COMMONはアメリカで活躍していたラッパーで、
当時はSoulquariansのメンバーとして人気を博していた
後に2015年には「Glory」で、
ゴールデングローブ賞とアカデミー賞を獲得している


「10 Years After」のシングル盤レコーディングは1999年6月だが、
「featuring COMMON」のレコーディングはこれよりかなり遅く、2001/4/23である
レコーディングの場所は分からない
2001/9/27ラジオ「それゆけ!TM NETWORK」最終回で、
このテイクが放送されていたという情報がある


この音源は制作日から見て、
2000年のアルバム収録のための音源ではないことは明らかだが、
何のために作られたのかは成案がない
ただウツのボーカルがないことを考えると、
そもそもTM曲として作られたものではないのかもしれない


なおTM NEXTのメールには、
「10 YEARS AFTER('99.7.28 release)制作時、この楽曲にUSで活躍するラッ パーをフューチャーしたい小室哲哉の意向により、その実力・人気ともに高 い評価を得ているCOMMONに白羽の矢を立て、制作したバージョン」とある
この文章は藤井徹貫だろうか
だが本テイクが「10 YEARS AFTER制作時」に作られたとするのは、
ライナーに書いてある日付と矛盾している
要するにこの文章は当てにならないらしい


本作は2001年の制作だが、
当時の小室がglobe・Gaballなどで手掛けたトランスミックスとは異なる流れである
むしろ流れとして近いのは、Kiss Destinationだろう
2001/4/25には2ndアルバム「AMARETTO」がリリースされており、
小室もこの頃までは、R&BやHip Hopへの関心が残っていた
どのような形でこれを発表する予定だったのかは明らかでないが、
実は2001年初めの段階では、
必ずしもトランス一辺倒で行くつもりではなかったのかもしれない


ROJAM期音源2曲は、村上章久がリミックスを担当した
(木根版「We Are Starting Over」は除く)
レコーディングは2002年12月某日、ROJAMスタジオで行なわれた


村上はTK時代以来小室のアシスタントを務めてきた人物である
2000年には「Log-on to 21st Century」でマニピュレータを務め、
「Major Turn-Round」でも岩佐俊秀とともにプログラミングを担当しており、
TMとも関係ないわけではない人物である
だがアシスタントにリミックスを投げると言うのは、
「Castle in the Clouds」でアレンジを吉田健に外注したこととともに、
当時はいささかがっかりさせられた


収録されたのは「Worldproof」「MESSaGE」で、
アルバム代表曲の「Ignition, Sequence, Start」はない
本作についてはすでに2001年ウツのソロアルバムに、
小室も関わった「tatsumaki remix」が収録されたからだろう


それにしても「Worldproof」がリミックスされるとは驚きだ
なにしろ、原曲は単なる水の泡の音であり、
実質的には次に収録される「Ignition, Sequence, Start」につながるSEである
ただこのアレンジでは「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭の音も用いている
というよりも、実質的には「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭部分のリミックスというべき内容であり、
なぜ「Worldpfoof」の曲名を用いているのかがむしろ不審である


「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭の音はシングルにはなく、
アルバムで始めて追加されたものである
これが「Worldproof」のリミックスとして扱われているのは、
あるいは制作過程では、この部分が「Worldproof」の一部とされていたこともあったことを反映しているのかもしれない


このリミックスは小室の仕事ではないが、嫌いではない
曲を通じて無機質な電子音が流れ続け、
後半では原曲にはないオリジナルフレーズが展開するなど、
なかなか努力した印象である
(そもそもTMの要素がどこにあるのかと言われると微妙だが)
なお正式タイトルは「Worldproof (A Deep Remix)〜Interlude〜」で、
7曲目に収録される


10曲目「MESSaGE (KIOKU Remix)」は、
ミディアムテンポの原曲を、トランス風のアップテンポの曲に仕上げなおしたものである
思い切ったアレンジだとは思うが、良いアレンジかというと疑問である
むしろ、本商品で一番がっかりしたテイクである


キヲクトキロク
R and C Ltd.
2003-02-05
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 22 / トラックバック 0 / コメント 13


7-5 Laugh & Peace Premium Night

2018/06/01 17:41
気付いたらトップページのアクセスカウンター、
75万を越えていました
どうもありがとうございます!


ウツは5/29、2ヶ月弱続いた「「それゆけ歌酔曲!!」ξIdiosξ」を終えました
私は参加していないのでよく分からないのですが、
今回は一部演奏曲のイントロをいじる企画があり、
一部会場では小室さんの曲っぽいのを付けていたそうです
ウツの次の活動は、現時点では告知されていませんが、
例年通りならば秋にバンド形式のソロツアーが用意されているのでしょうか


木根さんは5/30にライブDVD/Blu-ray「キネバラ」をリリースしました
去年12/2のソロ25周年ライブを収録したものです
選曲はTMを含む木根さんの代表曲のヒットメドレー的内容です


TM曲としては「大地の物語」「Fool on the Planet」「Time Passed Me By」「Winter Comes Around」の他、
ゲストの小室さんと一緒に演奏した「Dreams of Christmas」「Christmas Chorus」が収録されています
長時間に及んだ2人のトークはカットされています(残念)


「Dreams of Christmas」は、小室さんがTM曲を演奏した最後の映像となります
また「Christmas Chorus」は、小室さんが歌、木根さんがギターを担当していますが、
これは実はこの曲の初めてのライブ映像です
「THINK of EARTH」などTV放映された未商品化映像も含めれば、
これで小室さんの歌入りソロシングル曲は全部ライブ映像が出そろったことになります


本DVDについては、5/29mu-moステーションに、
木根さんのインタビュー記事が掲載されました
演奏された曲について、結構いっぱいコメントしてくれています


小室さんのゲスト出演は、木根さんがお願いしたのではなく、
小室さんが自分から言い出したことだったそうです
ゲスト出演の告知が9/26だったので、
この話が出たのは8〜9月頃でしょうか
まだ引退とか考えていなかった時期ですよね


ステージ上だからということもあるのでしょうけど、
このライブでの小室さんの表情を見る限り、
素で楽しそうにしていたように見えます
この1ヶ月半後の悲痛な会見と比べると…


あと私が買ったBlu-ray(限定盤)には、
サイン入りフォトカードとテイクアウトライブカードなるものが入っていたのですが、
テイクアウトライブカードには「木根テレ!」の写真が付いています
(ライブカードでダウンロードできる「木根テレ!」特別版の様子)
これは木根さんと徹貫が並んでいる記念写真なんですが、徹貫いらねえ…
しかも私の持っている端末には対応していないという始末です
ブツブツ…


木根さんは6/2、HMV&BOOKS SHIBUYA 6Fで、
ミニライブ&サイン会を開催します
HMV&BOOKS SHIBUYAでは「キネバラ」を購入した先着50名に整理券を配るので、
それを持っているとイベントに参加できるそうです
同日には「2525ツアー」の一般発売が始まるので、
その宣伝も兼ねたイベントでしょう


小室さんの話題では、
ベスト盤「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」は収録曲が小出しに発表されています
新曲としては、梅田彩佳 「MY HISTORY」と、
Tetsuya Komuro feat. Beverly 「Guardian」も収録されるとのことです
9枚組盤のみの特典ディスクの情報はまだ出ていません


「Guardian」を主題歌とするスマホゲーム「ガーディアンズ」の配信日が、
6/5に決まりました
これをプレイすれば、小室さんの曲が聞けることになります
「SUNNY」もそうですが、サントラ盤は出るんでしょうか


小室さんの近況について、5/22に「女性自身」のインタビュー記事が出ました(12
小室さん、5月上旬から2週間入院していたそうです
退院の時に記者が待ち構えて質問したところ、
小室さんは「これが本当に最後です」と言って回答してくれました
引退撤回の可能性については、きっぱりと否定しています


重要な情報として、
引退会見前に引き受けていた作曲の仕事がすべて終わったと言うものがあります
本当にもう終わりですね…
今後発表される楽曲はあるそうですが、
「ガーディアンズ」「SUNNY」以外にもあるのでしょうか


5月上旬の入院は、おそらくすべての仕事が終わり、
自由の身になった上で行なったことなのでしょう
5/7のインスタグラム更新は、
仕事を終えたタイミングでのことだったのかもしれません
「体調を改善すべく静養」しているとのことも書かれていましたから、
入院後に病室から更新したものでしょうか
小室さんほどの人の仕事収めとしては、寂しさがぬぐえません


入院の理由は、引退の一因になった突発性難聴とのことで、
会見当時よりも悪化しているそうです
会見までは女性看護師による精神ケアがありましたが、
それすら許されなくなった環境下で、
精神状態が悪化していたことは容易に見当がつきます


KEIKOさんとは電話で何度かやり取りをしているとのことですが、
つまりまだKEIKOさんは大分の実家にいるということでしょう
今の状態で2人で暮らし出したらどうなるか怖いですし、
そこらへんは良かったです


小室さん、今後の生活について聞かれると、
「どういうふうに2人でやっていけるものなのか。そして、どういう道があるのか。まだまだちゃんと決められてないんです」
と答えており、悩んでいるようです
仕事が続いている間と入院中は別居するとしても、
その後はどうするか、そろそろ考えないといけないのでしょうけど、
それもまたストレスになりそうですよね


というか、小室さんが仕事という責任から解放された今、
スタッフのケアもないままで2人だけで暮らし始めたら、
生命的な意味での破局すらあり得るのではないかと、
割と真剣に思っています
継続可能な老後の生活設計、じっくり考えてほしいです
マスコミから何か言われるかもしれませんが、
施設など利用しても良いと思います


最後に音楽面での小室さんの発言もありました
自分では最新鋭のことをやっているつもりなのに、
小室ぽいと言われるのが苦痛だったとのことです


PANDORAでは、90年代の小室サウンドを意図的に盛り込んだと言っていましたが、
これは新しい試みが受け入れられないという諦めの発言だったのでしょうか
2017年、音楽史を振り返ることが役目として求められている言っていたのも、
やはり同じ背景から来た発言だったのかもしれません
2017年から今年までは、
自信を失いながらだましだまし曲を作ってきた1年間だったんでしょうか


以上、暗い話題で近況が終わってしまいましたが、
本題はお笑いイベントの話題です

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「Castle in the Clouds」をキャンペーンソングとした「Laugh & Peace 笑いはニッポンを救う。」は、
日本テレビと吉本興業の共同企画であり、
メディアでの露出も期待されたものと思われる


そのような中で開催された「Laugh & Peace Premium Night」では、
約2年ぶりにTM NETWORKの演奏が披露された
このイベントは2002/10/1に開催されたもので、
会場は当初SHIBUYA-AXの予定だったが、
後により規模の大きい東京厚生年金会館に変更された


もっとも「Premium Night」はTMを中心としたものではなく、
メイン企画は「明日があるさ The Movie」の上映だった
この映画は10/5に全国ロードショーとなったが、
それに先立つ試写会がこの時に行なわれた
試写会の前には吉本芸人らのトークショーも行なわれ、
後にはTMのミニライブも催された


それにしても吉本芸人とTMという組み合わせ、
なんとも食い合わせが悪そうである
両方を期待していた来場者はあまり多くなかっただろう


試写会後のイベントの様子を見てみよう
映画上映が終わってしばらくすると、
スクリーンに映画とは別の映像が流れ出した
これが初公開の「Castle in the Clouds」PVである
そもそも曲自体が、この時初公開だった


ROJAM期の3枚のシングルはPVが作成されなかったため、
このPVは1999年のTRUE KiSS DiSC期以来3年ぶりのものとなった
ただTRUE KiSS DiSC期のPVと同様に、
本PVも曲はショートバージョンで、2番がカットされている


本PVは現状で「Your Song」のドラマ版PVとともに、
商品化されていない数少ないPVの一つである
吉本時代の作品ということもあり、今後も商品化される可能性は低い


ただこのPVを欲しがるファンはそれほど多くはないだろう
それは歴代のPV中でも特異な内容であることによる
すなわち本PVにはTMが出演しないのである
(一応最後にCDライナーで使われたメンバーの写真は出るが)


PVに出演したのは、森三中の3人だった
森三中がTM3人の役で出演し、
演奏する演技をしているというものである
TMの吉本移籍を印象付ける意味もあったのかもしれない


撮影は9/25で、レコーディングが終わった9/20の5日後のことである
この撮影日程は、スタッフとしては大変だったと思う
レコーディング完了以前、デモテープの段階で、
映像の制作作業に入っていたのだろう


以下、PVのおおまかな内容を見ていこう
イントロで、椅子に腰かける人物の後ろ姿が映り、
「小室哲哉 ロス在住」と表示される
その人物が携帯電話で「TM NETWORK RESTART」と発信する
TM再始動の指令をメンバーに伝えているのだろう


発信が終わると、その人物の横顔が映る
満面の笑みの大島美幸である
以後、大島が小室役を演じる
ついで森三中3人がTMに扮して演奏しているシーンが映り、
本PVが森三中によるTMのパロディであることが示される


1番の歌が始まると、PVのストーリーが再開する
なぜか暗いテレビの前で踊っている村上知子
「宇都宮隆 ロンドン在住」と表示
村上がウツ役である
村上は大島と同じ形態の携帯電話を取り出し、
「TM NETWORK RESTART」のメッセージを受け取り、
笑みを浮かべ、また踊り出す


ついで黒沢かずこが登場
「木根尚登 祖師谷大蔵在住」の表記
木根だけ渋い住所なのは、オチに使われているのだろう
黒沢も大島のメッセージを受信
本棚の前でなぜかヘッドマイクを付けている


メッセージ発信を終えた大島が黄色い上着を脱ぎ、
黒のジャケット姿になる
大島は背中から金属製の翼を生やし、
国道を高速飛行で移動する
飛べるならわざわざ車が多い道路を使わなくても良いと思うのだが…


村上は相変わらず無駄な体の動きを続けながら走り出す
黒沢は大量のサングラスからどれを使うか選んだ上で、悠然と歩いて移動
多分黒沢がいる東京で集合するから、黒沢だけ徒歩なのだろう
黒沢だけ頭上に雨雲が浮かび、雨を浴び続けているのだが、
この演出の意味がいまだに分からない


こうして3人がどこかのビル街で合流する
夜になると、3人のために用意された車が現れる
3人は報道陣をかき分けて、
黒人ガードマンに守られながら車に乗り込む
ここは「Rhythtm Red Live Wolds's End U」のオープニングや、
「Decade」エンディングを意識しているのだろうか


その後は演奏シーンが続き、
歌が終わると3人はソファーに座りこむ
すると同じソファーに同じ衣装で座るTM3人の写真が映されて、
PVは終わりとなる


このPVについて、3人がコメントをしている
どうでもいいことばかりだが、
メンバーの発言も少ない曲なので、以下に引用しておこう

小室「ぼくもやっと…(昔は)すごい細かったんですけど、少し最近ちょっと体重が増えてきて、ぽっちゃりしてきたんですけど、そのレベルではなかったんでね、うれしかったです」

木根「なぜかぼくのところにずっと雨が降ってたんで、きっとこれ、おそらくもしかして、いつかライブでやる時って、この曲でぼくは雨が降ってくるのかなって、ちょっと心配しています」

ウツ「ボーカルの人のリズムの取り方が、とってもなんか、リズムを取ってんのか、体を揺らしてんのか、よくわからない感じが楽しかったです」

小室「十何年活動して、この曲でやっと脚光を浴びたバンドみたいなイメージでがんばっていますので、よろしくお願いします」



DJ DragonはこのPV撮影現場に居合わせたらしく、
自らのBBSにそのことを以下のように記載している
今見ると、「三人がまるで別人」「 TKはいつもよりたくましい」はその通りである

きょう偶然、TKスタジオでTMのプロモ撮影に遭遇!
かなり力が入った感じ!すごい!三人がまるで別人!
とにかくすごかった、TKはいつもよりたくましいし
驚きのひとこと!往年のTMファンにはたまらない感じ
まさしく新生TMでした。はやく完成がみたい!



このPV、見たいと思うファンもあまりいないだろう
正直私もこの記事を書くために見ながらうんざりしている
PVの演出についてはもっと詳しく書くこともできるが、
それをしようという意欲も起こらない


だが森三中が代役を務めることを抜きにすれば、
TM再始動と言うコンセプトはよく分かる
また半透明のバーチャルな携帯電話や、
背中から生える金属製の翼など、近未来的な演出は、
典型的な80年代TMのイメージを惹起させようとしたものといえる


そして実はこのPVの大まかな流れは、
比較的評価の高い「I am」(2012年)のPVとほとんど同じである
片やR&C、片やavexへの移籍直後の作品だったという環境も同じである
「Castle in the Clouds」PVを真面目に再現したのが「I am」PVとも言えるし、
ある意味では「I am」PVは「Castle in the Clouds」PVのパクリとも言える


さて、「Premium Night」の話に戻ろう
このPVが流された後に司会が、
「わざわざ今日駆けつけてくれました、こちらの3人を紹介したいと思います。TM NETWORKの皆さんです!」
と言って、会場を盛り上げようとした
会場に流れる「Castle in the Clouds」


だがそこに登場したのは、PVでTM役を務めた森三中だった
3人はPVにまつわる話など、どうでもいいトークを行なった
TM目当てのファンからすればあんまりな流れだが、
もとより吉本の企画なのだから、仕方ないことでもあった


ただステージには楽器がセットされており、
TMが登場することは観客も分かっていただろう
スタンバイが完了すると、司会から、
「正真正銘のTM NETWORKの皆さんです!」


ステージにはサポートメンバーに加えTM3人が登場する
小室はパッチワークの下地に数字の柄の入ったシャツ、
ウツは黒地に模様の入ったYシャツの上に黒の革ジャン、
木根は黄色地・模様入りのYシャツの上に黒のジャケットを着ている


サポートはギター北島健二、ベース吉田建、ドラム村石雅行である
吉田・村石はレコーディングメンバーとして参加したものだろうが、
TMのライブで二人のサポートは初めてのことである
特に村石のサポートは、史上この時だけと思う
ステージでは観客から見て左に小室、中央にウツ、右に木根で、
小室の後ろに北島、ウツの後ろに吉田、木根の後ろに村石がいた


TMはまず「Castle in the Clouds」を演奏した
10日前に完成したばかりの曲である
「Castle in the Clouds」はシングルであるにもかかわらず、
現在までフルライブで演奏されたことがない
これはリミックスではないシングル表題曲では唯一の例であり、
(リミックスシングルでは「Get Wild Decade Run」もある)
その意味では歴代シングル中でもっとも扱いの悪い曲となった


「Castle in the Clouds」のこれまでの演奏例は、
この「Premium Night」を除くと、
2003/9/6・7に苗場プリンスホテルで行なわれた「Fan Event in Naeba」くらいである
そう考えると「Premium Night」の演奏は意外と貴重なものとなった


「Premium Night」ではこの後数分、
3人のトークが行なわれた
とはいっても、PVの感想とメンバー紹介程度で、
あまり深い話はなかった


深くない話中の木根



メンバー紹介が終わると、ウツが最後のMC

せっかくなんで、10月30日(のシングルには)、もう一曲、木根の曲が入ります。とても良い曲で。聞いてください。「君がいる朝」


ということで、本イベントは「君がいる朝」も披露して終幕となった
実は本イベントで最重要事項は「君がいる朝」の演奏で、
TM史上この曲が演奏されたのはこの1回のみである
(TM以外では2007年「Spin Off from TM 2007」やウツソロ「20 miles」「Phoenix Tour」「Fan Party & Live Through 2017」などで演奏例あり)
リリース前の初披露と言うことで、特徴的なアレンジはなかったが、
ウツは安定した歌を披露した


この一か月後、10/30「Castle in the Clouds」のリリースに合わせ、
メンバーは各地で販促活動を行なった
再始動直後の1999年〜2000年にはそうした活動はほぼ皆無だったが、
「Major Turn-Round」リリース前後のラジオ出演くらい)
この時はそれなりの意気込みがあったということだろうか
あるいは吉本側の要求によるものかもしれない


詳しくは書かないが、
10/30には3人が渋谷TSUTAYAで、
11/1にはウツ・木根・徹貫が銀座山野楽器本店で、
11/3にはウツが荻窪の新星堂で、トークイベントを行なっている
またこの前後にはメンバーのラジオ出演も数件確認される


11/22には日本テレビの「FUN」に出演して、
「Castle in the Clouds」を演奏している
サポートもいるが、CD音源+口パクと思われる
PVと同じく2番カットのショートバージョンである
曲の最後、「今日のドアを開けよう」の部分では、
ステージセットの後ろに設けられたドアが開いて、光りが差し込んでくる演出があった
収録は11/7だったらしい


小室は白のTシャツの上に迷彩柄のシャツ、
ウツは黒のTシャツの上に革ジャン、
木根は白のYシャツの上に紫地に白線の入ったジャケットである
ウツの革ジャンは「Premium Night」の時と同じものか


番組では数分のトークがあったのだが、
肝心の曲についてのコメントはまったくなかった
同日放映された小室・KEIKOの披露宴とあわせて企画されたものだったため、
話題が結婚に集中してしまったためである


またこの番組の恒例企画らしいが、
ファンを集めてトークなどをする「ふぁんBOX」というコーナーがあり、
演奏+メンバートークよりも長い時間が取られた
「Love Train」を歌う67歳老女、
小室・ウツコスプレをするファン、
TM歴代シングルを暗唱するファンなどが登場したが、
本当にどうでも良い時間だった


以上のように、久々の新曲リリースだったにもかかわらず、
これを受けてTMが行なったのは、
数回のトークイベントとラジオ出演、
1回のイベント出演、1回のテレビ出演のみだった
キャンペーンソングのタイアップも、リリースの半月以上前にほぼ終わっており、
リリースされた頃には巷でまったく聞かれない曲になっていた
いまいち盛り上がりを欠いた新曲リリースだったと言わざるを得ない


キャンペーン特番「Laugh & Peace!! 笑いは日本を救うスペシャル」翌日の10/6に、
小室とKEIKOの結婚が発表されたのは、
おそらく「Castle in the Clouds」の宣伝効果も意図していたのだろう
結婚披露宴と「FUN」の放映を同日にしたのも、
同様の意図によるものと考えられる


しかしこうしたメディア発での話題提供によるプロモーションによって、
少なくともTMの活動が話題になった印象は、当時まったく感じず、
むしろ小室結婚の話題にTMが埋没してしまった印象である
結論として「Castle in the Clouds」による再始動は、
極めて印象の薄いものにならざるを得なかった


CASTLE IN THE CLOUDS
R and C Ltd.
2002-10-30
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 27 / トラックバック 0 / コメント 10


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