7-42 25周年の関連商品群

7/2、小室さんが新しいサービスを始めました。
TETSUYA KOMURO STUDIOというそうです。
faniconというサイトで運用されている有料コミュニティで、STANDARDコースが3ヶ月1500円、GOLDコースが3ヶ月9000円です。
1年コースもあり、こちらを選ぶと1割引きになります。


サービス内容は、毎週金曜日21時からのプライベートスタジオからの定期配信、不定期の会員限定ライブ配信、オフショットなコンテンツ(プライベートの写真?)や本人からのメッセージの掲載、会員限定のグループチャットなどです。
金曜日の定期配信と不定期ライブ配信が、実質的な活動内容というところでしょう。
すでに皆さんが忘れ去っていたであろう有料配信番組GroundTKは、本サービスの開始とともに、事実上の終了と見て良いと思います。


なおGOLD会員のみ、配信のアーカイブ動画を見ることができます。
またGOLD会員は、デジタルファンレターを送ることができるそうですが、小室さんの返信は特にないとのことです。


小室さん、一時期Clubhouseに積極的に出入りしていましたが、ファンのみに囲まれた閉じた仮想空間が気に入ったのでしょうか。
おそらく世間に向けて大々的な活動をする自信はまだないのかなと思います。
私は興味ないのでスルーしますが、ファンの方は小室さんを応援する意味で入会しても良いかと思います。
(ただし1年コースに入っても、サービスが1年続くかは未知数ですが)


なおサービスが発足した7/2、小室さんの新曲「TK PROGRESSIVE JAZZ 0702」の音源ファイルが、客寄せのためにコミュニティ内に置かれていることが、公式twitterによって宣伝されています。
先の「Running To Horizon (206 Mix)」みたいなジャズぽいピアノが入っているんでしょうか。


第1回の配信は、7/9に行なわれました。
話の聞き役として、藤井徹貫もいたようです。
私は視聴していないのですが、twitterで流れている情報などを見るに、今後毎週1曲は生演奏をするそうで、第1回は「Faces Places」だったようです。
また次回はゲストとして木根さんも来るとのことです。


7/21の19:00からは、YOSHIKIのYOSHIKI CHANNEL(youtube・ニコ生)に小室さんが出演して、対談を行なうそうです。
紹介記事にも書いていますが、小室さんが同チャンネルに出演するのは2回目、5年7ヶ月ぶりとなります。


7/5には、ウツの「それゆけ歌酔曲!!」の最終公演が終わりました。
次は9月からソロツアーとなりますが、今回は間隔が短いですね。
まだツアータイトルも出ていないけど。


7/11には、木根さんが配信ライブ「3 Songs Of My Favorites #18」行ないます。
「3 Songs Of My Favories」は、丸山圭子さんという方の企画で、去年から隔週くらいでやっているようです。


ライブの内容は、今一番歌いたい曲・リクエストの多い曲・影響を受けた曲をそれぞれ1曲ずつ歌うというものだそうです。
木根さんのサイトでは、「TM NETWORKのあの曲や、フォークソング、そして木根ソロ曲も久しぶりに演奏」とあるので、多分歌いたい曲=木根ソロ、リクエストの多い曲=TM、影響を受けた曲=フォーク(吉田拓郎?)を演奏するのでしょう。


値段は1500円で、安いと思いましたが、3曲しかやらないならそんなもんですよね。
時間は30分です。
本番を見逃しても、2週間アーカイブが見られるそうです。


それでは本題に入ります。

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2008年末から始まるはずだったTM25周年の企画は、小室哲哉の逮捕によって結局実現しなかった。
しかし25周年と関わる企画は、これ以前からSONYも考えていたらしい。
その大部分は日の目を見ずに封印されたと考えられるが、まったくゼロになったわけでもなかった。


2007年年始、SONYは「RESTORATION OF ORIGINAL ALBUM」と題する特設サイトを開き、過去のオリジナルアルバムの紙ジャケット盤リリースの告知を行なった。
2004年には20周年企画と絡むDOUBLE-DECADE.COMのサイトがSONYによって開設されたが、これとは別のサイトが立ち上げられたのである。


注目したいのは、この特設サイトで、「来年2008年はTM NETWORKの25th Anniversary Yearが始まります」 「この商品を起点とし、随時Anniversary Yearに相応しい企画を提案していく予定です」と告知されたことである。
SONYは早くもこの段階で、TM25周年が2009年ではなく2008年から始まると明言したが、これは前章で見た2008年前半のTMメンバーの発言と軌を一にしている。
仮にSONY側の単独の企画ならば、あえて2008年からを25周年とする可能性は低く、TMサイドから25周年の活動予定が伝えられていたと見るべきだろう。


この後SONYがリリースした商品を見るに、「Spin Off from TM 2007」開催中の2007/3/21に紙ジャケアルバム、「SPEEDWAY and TK Hits!!」終演直後の5/28に「TM NETWORK The Singles 1」がリリースされ、「TM NETWORK The Singles 2」は当初2008年10月リリースの予定だったが、globeによる「Get Wild」カバーが11/26に決まると、それと同日のリリースとなった。
こうした現象が起こるのは、両者間の情報共有が前提にあったためと見るべきである。


紙ジャケットアルバムリリースの企画の立案や特設サイト作成の時間を考えれば、TMサイドからSONYへの情報伝達は、2006年11月頃には遡るだろう。
つまり2006年11月頃には、2008年からTM25周年企画を開催するプランが存在したことになる。
2007年11月の「楽器フェア」でのTM復活を前提に企画されたと思しき「Spin Off from TM 2007」の開催告知は2006年11月に行なわれたが、その頃にはTM25周年企画までのスケジュールの大枠は、だいたい決まっていたことになる。


なおウツ・木根がTM25周年を意識した発言を「楽器フェア」出演告知以前(2007年前半)からしていたことは、以前触れたことがある。
これは一見すると早すぎるようにも感じられるが、上記SONYの対応を見ても、やはり25周年企画はかなり早い段階から構想されていたと見るべきである。
25周年企画は、かなり入念かつ慎重に進められていたのである。


25周年に向けて企画されたSONYの便乗商品群を見てみよう。
まず開設当初に発表されたのは、「DRESS」までのオリジナルアルバム・リミックスアルバム8枚の紙ジャケットリマスター盤のリリースだった。
紙ジャケ・リマスター盤という形態は、2004年の紙ジャケアルバムBOX「World Heritage」と同じである(ただしリマスリングは新たに施された)。
これらは2007/3/21にリリースされた。


紙ジャケ盤アルバムのコンセプトは、LPレコードの復刻だった。
そのため「DRESS」以前にCDのみでリリースされたベスト盤「Gift for Fanks」のリリースはなかった。
ただし「Gift for Fanks」については、「TM NETWORK -REMASTER-」開催中の2007/11/21に、DVDとの同梱盤CDがリリースされている。
(DVDは「Get Wild」「Self Control」のPVを収録)


TMN期の「Rhythm Red」「EXPO」も、当時LPのリリースがなかったため、紙ジャケ盤企画に入らなかった。
ただこの企画は、所詮「World Heritage」収録ディスクのバラ売企画に過ぎない。
そこでオリジナルアルバムの「Rhythm Red」「EXPO」を外したのは、問題だったと思う。
「DRESS」「Gift for Fanks」等よりもはるかに重要な作品である)
2014年にSONYがTM楽曲のハイレゾ音源配信を行なった時も、この2枚はなぜか外された。
TMN期だけ売れないということはないと思うのだが…


2007年紙ジャケ盤では、「World Heritage」では復刻されなかったLP盤のインナーと帯・ステッカーが封入され、またCDのレーベル面にはオリジナルLPのデザインが印刷された。
さらに8枚全部を購入すると、「FANKS!」ロゴ入りの特製Tシャツがもらえた。
だがこれら特典はどれもこれも枝葉末節に過ぎない。
わずかに注目されるのは、CDとLPで曲順が違ったの「CAROL」が、LPに準じた曲順にされたことくらいである。
いかにも25周年特設サイトを始めるに当たり、間に合わせで作った企画というべきものだろう。


その後企画されたのが、2008年の「TM NETWORK The Singles 1・2」である。
EPIC/SONY時代のシングル曲を2枚に分けてリリースしたものである。
本来は5/28に「The Singles 1」がリリースされた後、11/26には「The Singles 2」がリリースされる予定だったが、後者は11/4の小室逮捕によって即日中止となった。
だが2009年に裁判が終わり、5月に執行猶予付き有罪判決が確定すると、後者も9/30に発売された。


ジャケットは同様のデザインで、手袋がそれぞれ1本、2本の指を立てている。
色違いで、「1」は黄色地に赤手袋、「2」は黒地に青手袋だった。
背景には「ONE」「TWO」と書かれている。
ライナーには各楽曲に関するメンバーの簡単なコメントも付いていた。

7-42.jpg
ライナー裏表紙の謎のキモキャラ。
ファンの間ですら話題にならなかった。


収録曲は、「The Singles 1」「金曜日のライオン」から「Seven Days War」まで、「The Singles 2」「Come On Everybody」から「Nights of the Knife」となっている。
同様の企画としては、すでに1996年の「Time Capsule」があり、この時にシングルを改めてまとめる意味はほとんどなかった。
シングル音源が全曲リマスタリングされたのは初めてなので、こだわりのあるファンにはそこに価値を見出す者もいるだろうが、大したアピールポイントでもない。


「The Singles 1」については、「Beyond The Time」がカットアウトするCDバージョンではなく、途中でフェードアウトするシングルレコードのバージョンが収録された。
また1999年の鈴木あみのカヴァーでヒットした「Be Together」も収録されているが、「The Singles」というタイトルからすると、違和感もぬぐえない。
(一応1999年版の12インチシングル「Get Wild」のカップリングにはなったが)


「Rhythm Red Beat Black version 2.0」は、「Time Capsule」には短縮バージョンで収録されたが、「The Singles 2」ではオリジナル音源で聞くことができるので、その点は数少ない注目点である(後述の「Original Singles」では収録すらされていない)。
ただし「Rhythm Red Beat Black version 2.0」のリマスター音源自体は、「World Heritage」収録の「TMN Red」で聴くことができるので、これを持っている者にはさほど価値があるものではない。


以上のシングル音源については、相当の音源マニアを除き、購入する価値はないと断言できる。
2012年にTrue Kiss Disc時代(1999年)の作品やカップリング音源を含む「TM NETWORK Original Singles」がリリースされた今となってはなおさらである。


ところが「The Singles」は通常盤と別に、ボーナスディスクを付した2枚組の限定版があり、そこには初商品化の初期ライブ音源や未商品化テイクが収録された。
通常盤は税抜き2400円、限定版は税抜き3000円だった。
もしも購入する意味があるとすれば、後者の限定版である。


特に注目されるのは「The Singles 1」である。
収録曲中、シングルのカップリングである「1974 (Children’s Live Mix)」「Your Song (Special Instrumental Disco Mix)」「Self Control(Version The “Budohkan”)」「Welcome to the Fanks!」「Come on Let’s Dance (The Saint Mix)」「TMN Red」にすでに収録されていたもので、ほとんど価値はない。


だが本ディスクには、その他に1984/12/5Parco Part Ⅲの「Electric Prophet」から3テイク、1985/10/30日本青年館の「Dragon The Festival Tour」から3テイクのライブ音源が収録された。
その多くは当時の初公開音源であり、貴重なものだった。


まず「Electric Prophet」「永遠のパスポート」は、スタジオ音源制作以前のアレンジであり、歌詞も「Childhood’s End」収録のものとはまったく異なる貴重なテイクである。
これは2021年現在で、このCDでしか聞くことのできない貴重な音源である。


同ライブからは他に「金曜日のライオン」「Electric Prophet」も収録されるが、これはライブ映像が「Vision Festival」に収録済であり、マスタリングの違いを確認する以外に価値はない。
なぜこれを収録したのか、当時の担当者に問い詰めたい思いである。
私が担当ならば、絶対に「17 to 19」「Time Machine」を選んだところである。


「Dragon The Festival Tour」からは、「Dragon The Festival」「カリビアーナ・ハイ」「Rainbow Rainbow」が選ばれた。
これはライブ冒頭の3曲でもあり、当時の勢いを感じることができる。
ただ「カリビアーナ・ハイ」のトラックに「Rainbow Rainbow」のイントロが入っているのは、製作者に猛省を促したいところである。


「Dragon The Festival Tour」の完全版映像が2019年の「TM NETWORK THE VIDEOS」で得られた今となっては、これらの音源はすでに価値がない。
だが「The Singles 1」リリース当時、本ツアーの映像で商品化されたものは断片的なものしかなく、音源も「Groove Gear」収録の「パノラマジック」1曲しか存在しなかったので、本ツアーからは何が出ても貴重な状態だった。
当時の私は、契約の問題でSONY時代の未商品化音源・映像の発表が不可能である可能性すら疑っていたので、上記のライブ音源を聴けたこと以上に、今後新たなライブ音源が出る可能性があるという事実に歓喜したものである。


「The Singles 2」の特典ディスクについては、私はこの流れでアルバム未収録カップリング曲と未発表ライブ音源が来るものと疑っていなかった。
その場合は1986年の「Fanks Dyna-Mix」が来る可能性を考え、楽しみにしていた。
しかし実際にはその期待は実現しなかった。


具体的な収録内容を見るに、「Time (Passes So Slowly)」「Fool On The Planet (Where Are You Now)」「We love the EARTH」「Dreams of Christmas(’91 NY Mix)」「一途な恋(Another Material)」の5テイクはすべて「Welcome to the Fanks!」に収録済のものであり、他の3テイクが新規音源となる。


一つは「Dive Into Your Body (Dub Instrumental Mix)」で、シングル「Dive Into Your Body」購入者向けプレゼント用12inchレコードのB面に収録されていたものである。
この12inchのA面に収録されていた「Dive Into Your Body (12’’ Club Mix)」「Welcome to the Fanks!」でCD化されていたが、「Dub Instrumental Mix」はこれが唯一のCD音源となる。
既発表音源ではあったが、意味のあるものだろう。


「Crazy For You (Instrumental)」は、ウツと女性のセリフを除いたバックトラックである(伊集院光の笑い声や男性・女性のボーカルは残っている)。
これはまったくの新出音源であり、欲しかったファンも多かったと思う。
ただ上記のいずれも、3000円2枚組アルバムの特典としてそこまで魅力的かと言われると、いかにもファンを舐めたレコード会社の撒いたエサという印象がぬぐえない。


最後は「Just One Victory (Long No Breakdown)」である。
この謎のミックス名は、2番の後に入る「Chase in Labyrinth」のフレーズにボーカルが入っていないことと、アルバムバージョンに準じてカットアウトで終わっていることによる(シングルは途中でフェードアウト)。
要するに「フェイドアウトしないので長くて、他曲による中断がない」ということだが、なんとも投げやりな命名である。


「Chase in Labyrinth」のボーカルが入っていないのは、ミックス過程で作られた試作音源の一つだからであろうが、商品化音源で除かれた音が入っているのならばともかく、商品化音源に入っている音が除かれている音源に何の意味があるのかまったく分からない。
それならば「Chase in Labyrinth」のインストを入れた方が、よほどましだっただろう。
シングルのミックスでカットアウトしている音源も、「Classsix 2」「Just One Victory (Single 7’ Version)」としてすでにリリースされている。
こんなものを入れるくらいならば、「EXPO」用に作られていた「Wild Heaven」の音源などを収録できなかったのだろうか。


上記2商品は、それぞれ30位・9932枚、39位・4233枚の成績を出した。
TMが稼働していてそれなりに盛り上がっていた時期と、小室逮捕後でTMの先が見えていなかった時期の差が、如実に表れた数字だが、特典音源の魅力の差もいくらか反映されているのかもしれない。
なおTM再始動直後の2012年にリリースされた「Original Singles」は、26位・7158枚だったから、「The Singles 1」はそれよりも売れたことになる。
だが2004年の「Welcome to the Fanks!」の18位・2.9万枚と比べると、雲泥の差である。


ちなみにファン向けではなくライトユーザー向けの商品だったためか、25周年企画サイトでも取り上げられなかったが、2008/7/2には「TM NETWORK BEST OF BEST」、2008/7/20には「TM NETWORK SUPER BEST」が、SONYからリリースされた。
ジャケットはTMN「終了」の時の3人の写真である。
内容は「金曜日のライオン」から「Wild Heaven」までのシングル曲からTMの代表的な曲を選んだもので、前者は12曲入りで1600円(税抜き)、後者はこれに4曲を加えて1905円(税抜き)である。
特筆すべきことは何もない。


TM中心の企画ではないが、「POP meet JAZZ」にも触れておく。
これはFence of Defenseの西村麻聡が中心になって制作したオムニバスアルバムで、日本のポップス楽曲をJAZZ風にアレンジしたものを集めたものである。
西村は2006/2/5から同名のライブイベントを定期的に開催しており、その実績を踏まえて2007/11/24にリリースされた。
木根はライブイベント初回のゲストだったが、ウツも出演したことがあるのか否かは未確認である。


本作には2曲のTM楽曲が含まれ、「Self Control」ではウツが、「Time Passed Me By」では木根がボーカルを担当した。
西村自身もFenceの「時の河」でボーカルを務めた他、田村直美・織田哲郎・ROLLYなど様々なミュージシャンが参加している。
一つのグループから複数が参加したのはTMのみである。


最後にTM名義の作品ではないが、この頃に集中的にリリースされたトリビュートアルバムについて触れよう。
「The Singles 1」リリースの翌週、2008/6/4に、AsianDynasty Recordというクラブ系の音楽を扱うレーベルから、「I LOVE TM NETWORK」というトリビュートアルバムがリリースされた。
これを制作したKei KoharaとLifeはDJで、RECOという女性ボーカルを迎えてTM曲をハウスアレンジした。
ウツと木根は2003~07年にtribute LIVEという形で自らTMをトリビュートという微妙な企画を行なってきたが、TMが25周年に向けて動き出したこの頃になって、ようやく真の意味でのトリビュート企画が行なわれたことになる。


7/30にはウェブ上で、「YOU LOVE TM NETWORK」という企画が立ち上げられた。
ヤマハの音楽配信サイトMySoundにTM楽曲のリミックス音源をアップロードすると、審査員が審査を行ない、優秀作品に賞を与えるというものである。
2017年の「Get Wild Song Mafia」リリースと連動して企画された「あなたの「Get Wild」リミックスコンテスト」と同様の企画である。


締切は8/27、審査結果発表は9/17とされ、最終的には341件の応募があった。
当時は盛り上がっていなかった印象だったが、「あなたの「Get Wild」リミックスコンテスト」も応募件数は621件だから、その半分以上に及んでいることになり、参加者はそれなりにいたと見られる。


審査員はKei Kohara、Life、Toshihiro Komine(AsianDynasty主催者)などである。
さらに「TM NETWORKコンサート事務局」も審査に加わったが、これはM-tresの関係者だろう。
Kei Kohara側が主導した企画だったと思われるが、この段階ではTM側も協力に応じていたようである。
25周年を盛り上げる一企画になれば良いとの思いからだろう。
なおKei Koharaは、自らのサイトにTM NETWORKトリビュート特設ページも開設している。


TM25周年記念日の翌日2009/4/22には、「WE LOVE TM NETWORK」がリリースされた。
小室の逮捕にもかかわらず企画を遂行できたのは、大手レーベルではなかったことの強みもあったのだろう。
アレンジャーにはKei Koharaの他にportableという人物も参加した。


portableは、2008年にニコニコ動画上に、TM NETWORKの楽曲と吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」をマッシュアップさせた動画を公開した人物である。
2008/4/28から6/21にかけて「俺らゲットワイルだ’89」「IKUZO THE FESTIVAL」「19zo74」「Just One Vecotory」「Telephone Lineもねぇ」「テレビもNightsラジオもKnife」などが公開されている。


この少し前、ニコニコ動画でPerfume「ポリリズム」「俺ら東京さ行ぐだ」をマッシュアップした「ポリ幾三」の動画が流行り、同様の試みを行なう者が続出した。
その中でも特に多くの視聴者を集めたのが「Get Wild '89」を用いた「俺らゲットワイルだ’89」で、本家「ポリ幾三」以上の再生回数を記録した。
パロディとはいえ、過去の作品がウェブで改めて注目を集めたことは、いかにも新しい時代の出来事だった。


「WE LOVE TM NETWORK」のライナーには、TMのコメントも寄せられた
その全文は確認していないが、特設ページ掲載する抜粋文には、「まるでサプライズなプレゼントをもらったみたいです。嬉しい。このアルバムは、J-POPにも継承や連鎖が生まれた証言者です。We want to call new yesterday tomorrow.」とある。
変な英文を最後に付ける当たり徹貫の作文だろうが、TMサイドも公式に認めていたものということになるだろう。


2010/4/21にはトリビュート第3段企画として、「TM NETWORK Tribute "CLUB COLOSSEUM"」がリリースされた。
架空のライブ空間というコンセプトで制作された「TMN Colosseum」を踏まえ、架空のクラブイベント「クラブコロシアム」というコンセプトで制作されたものだった。
本作でもKei Koharaとportableが関与したが、他のアレンジャーも参加している。


他に特殊な世界ではあるが、8-Bitサウンドとボーカロイドによるトリビュートアルバム「8-bit Prophet -TM Network Tribute Generated by Chiptune + Vocaloid-」が、2009/6/3にリリースされた。
確かに8-bitサウンドは、TMとは相性が良いかもしれない。
2011/12/21には、TM楽曲をエレクトロ風にアレンジした「TM NETWORK IN THE HOUSE」という作品も発売されている。
小室の「Mademoiselle Mozart」収録のインスト曲「Mozart in the House」を踏まえたタイトルだろうか。


以上、TM25周年との絡みでリリースされた作品群を取り上げてみた。
おそらく当初の予定通りに25周年企画が遂行されていれば、これよりも多くのリリースがあったのだろう。
未公開ライブ映像の公開もあり得たのかもしれないと思うと残念な限りである。
だが30周年の時でも「Camp Fanks!! '89」の再編集映像(「CAROL Deluxe Edition」)くらいしか出なかったので、今思うと多分関係なかったのだろうとも思う。

TM NETWORK THE SINGLES 1(初回生産限定盤) - TM NETWORK
TM NETWORK THE SINGLES 1(初回生産限定盤) - TM NETWORK

7-41 25周年への道

5/25からウツの「それゆけ歌酔曲!!」が始まりました。
すでにツアーは後半に入っています。


6/14にはFC会報が発送され、秋のツアーが発表されました
9/25~11/21の2ヶ月で13公演です。
多分後日東京の追加公演も発表されると思います。


ツアータイトル等は未発表ですが、最近「宇都宮隆のソロ名義での25周年」(T.UTUとかBOYO-BOZOはノーカウント)とか言っているので、そういうコンセプトで行くんでしょうか。
TM〇〇周年、T.UTU〇〇周年、宇都宮隆名義〇〇周年、U_WAVE〇〇周年…
毎年なんかの記念日にできそうな感じですね。
ウツ自身は〇〇周年とかは気にしていない風ではあるんですが。


小室さんは6/11に愛知の遊園地ラグナシアで開催されたイベント「森、道、市場 2021」の「遊園地編」に、坂本美雨+小室哲哉名義で出演しました。
こちら、今まで完全に見落としており、事前にブログでは言及しておりませんでした。


今回の出演のきっかけは美雨さんからの声掛けだったようで、美雨さんのInstagramに、以下のようにあります。

一緒に出ませんか、と小室さんに連絡をして、すぐに「いいよ」と返事をくださった時から、忘れがたい夜になる、という確信と、わー!責任重大だー!というきもち、両方がぐるぐるしていました。


ラジオの件でも、玉置浩二さんの番組の件でも、最近の小室さんは美雨さんに引っ張ってもらっている感があります。
美雨さん、音楽活動の本格的再開のきっかけを作ろうとして下さっているんでしょう。
大変ありがたいことです。本当によろしくお願いします(誰に言っている?)。
演奏曲は、「Never Ending Story」「Still Love Her」「Canʼt Stop Fallin' In Love」「NEVER END」「Iʼm Proud」「Get Wild」6曲だったそうです。


今回はギターに西田修太さん、ベースにクラムボンのミトさんも参加しました。
mitoさんは2月のニコ生特番「Tetsuya Komuro Music Festival」で小室さんに熱いファンアピールを繰り広げたことも記憶に新しいです。
当日のMCによれば、美雨さんとFANKS仲間とのことで、その縁で誘われたそうです。(しーまねさんの情報による)
西田さんの縁はよく分からないですが、ミトさんは西田さんと初共演だったらしいので、やはり美雨さんの縁でしょう。


以上が近況の整理でした。
では本題に入ります。

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TM NETWORKの全国ツアー「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」は、2008/5/25に最終公演を迎えた。
TMはこの時点では、その後の活動予定の告知を行なっていなかった。


だがウツと木根は、「楽器フェア」(2007年11月)の出演告知を行なった2007年6月よりも前から、すでに25周年の活動を意識した発言をしていた。
2007年後半以後の一連のTMの活動も、25周年を見据えたものだったと考えられる。


「楽器フェア」開催以前のウツ・木根の発言については以前見たところなので、以下では「TM NETWORK -REMASTER-」を終えた2007年12月以後の発言を確認してみよう。


まず「SPEEDWAY」リリース日の2007/12/5、木根はラジオ番組「My Home Town」で、「REMASTER」が首都圏のみで行なわれたので地方でもライブを行なって欲しいというファンのメッセージを読み上げた。
この時木根は、「REMASTER」はTM25周年に向けたリハビリとした上で、全国ツアーは25周年まで待ってほしいという発言している。
ラジオ収録はおそらく「REMASTER」最終公演が行なわれた12/3の後だろう。


実際にはこの翌月に全国ツアー「SPEEDWAY and TK Hits!!」の開催告知が行なわれており、この時点でもその計画は存在したはずである。
木根がこの時に地方公演を求める声を紹介したのは、むしろファンの地方公演への期待を高めることで、まだ実現未定だった「SPEEDWAY and TK Hits!!」の後押しとしようとしたものだったと考えられる。


その上でここで確認したいのは、「REMASTER」までの活動は25周年に向けてのリハビリである、という位置づけである。
木根から見ても2004年以後のTMは、満足に動くことすら危うい状態であり、それこそリハビリが必要な状態と感じられていた。
一方で25周年の活動は必ず遂行すべきプランとして意識されており、そのための準備期間として「REMASTER」前後の活動は位置付けられていた。


2008年3~5月には「SPEEDWAY and TK Hits!!」が開催されたが、その後に見据えられていたのがTM25周年であることは明らかだった。
たとえば3/27・28のツアー会場(YOKOHAMA Blitz)の楽屋で収録されたと思しきTMのコメントでは、木根が「私たちも実は来年、25周年ていうことで」「TM NETWORKも25周年に向けて、4月5月とね、全国を回ったりします」などと発言している。
「What’s in?」創刊20周年記念コメント動画)


この頃TMがテレビ番組で演奏したものとして、2008/4/21「SMAP×SMAP」があった。
この番組ではこの時に「名曲歌謡祭」なる特集企画が組まれたが、その1曲目でTMが登場し、「Get Wild」を演奏した。
特に言及はなかったが、TMデビュー記念日の放送だった(ただし番組の収録は4/3)。


この時は一瞬TMに宣伝の時間が与えられたが、その時にPRされたのは、開催中の「SPEEDWAY and TK Hits!!」でも発売直後の「REMASTER」のDVDでもなく、「来年は25周年なんで、それに向けて」という木根の発言に見るように、25周年の活動だった(ツアー情報は一応字幕で出たが)。
当時は何故ツアーをアピールしないのか不可解だったが、3人としては目下のツアーよりは、その後に予定している25周年の活動こそが本丸と考えられていたのだろう。

7-41.jpg
「来年は25周年なんで」


なおこの時の「Get Wild」のイントロでは、サンプリングボイス連打からオリジナルのイントロにつなげる、「SPEEDWAY and TK Hits!!」と同様のアレンジが見られた。
イントロは大幅に短縮され、ドラムはシンセ、アウトロはこの時の独自のものになっており、ツアーアレンジそのものではないものの、この時期の「Get Wild」の音源・映像は商品化されていないので貴重である。
2番では木村拓也がウツと合唱をした。
TMファンとしては余計な演出だが、この頃になるとTMはこうした特集以外でTV出演の機会がなくなってしまう。


話が横道に逸れたが、TM25周年企画は2008年前半にも言及されていた。
だが実際には25周年企画は、具体的な告知が行なわれる前に中止されてしまった。
言うまでもなく、2008/11/4の小室哲哉の逮捕によるものである。
ただ本格的に動き出してから逮捕された方がダメージは大きかっただろうから、これはこれで最悪の事態が回避できたと言えるかもしれない。


ともかく「SPEEDWAY and TK Hits!!」が終演した5月末の時点で、TMにはもう時間が半年しか残されていなかったわけだが、TMはその頃、25周年についてどのような活動を予定していたのだろうか。
そもそもどの程度具体的に企画が進行していたのかも分からないのだが、少なくとも新曲を出すことは意識していたようである。
先に触れた「What’s in?」のコメントでも、木根が小室にシングルを作るかどうか尋ね、小室があいまいながら出す意志があるようなそぶりを示している。


ウツも4月上旬のインタビューで、TMの新曲について「候補曲は上がっていて、進行中なんだけどね」と発言している。
ウツはこれを、25周年に向けた第一歩と考えていた。
具体的な作業がどの程度行なわれていたかは疑問だが、少なくとも新曲を出したいとウツが思っていたことは間違いないだろう。


もっともウツも4月時点で、TMの新曲候補曲が形になるかは明言を避けている。
TMの新曲は確定した計画というほどのものではなく、可能性として想定されていたに過ぎないだろう。
木根が「企画」と言っているのも気になるところで、シングルのリリースを指す表現としてはいささか不自然である。
もしかしたら、TM新曲で何らかのタイアップを狙っていたが実現しなかった、というようなことがあったのかもしれない。


なお「SPEEDWAY and TK Hits!!」のライブパンフレット(2008年2~3月執筆か)には、藤井徹貫が「早くもニューアルバムの予定も取りざたされているが…」と書いている。
いかにもファンの期待を煽るための文章であり、信憑性は相当疑問だが、もしも当時の実際の計画が反映されているのならば、「SPEEDWAY and TK Hits!!」完了後、半年程度の間にTMのアルバムを作る案が出されていたことになる。


だがそうだとしても、ウツの発言ではシングルが出せれば良いという雰囲気であり、ウツ・木根もアルバムの実現性はほとんど考えていなかっただろう。
ウツは「SPEEDWAY and TK Hits!!」中から、秋に向けてのU_WAVEの活動の準備に入り、木根も同じ頃からソロツアーを始め、秋リリースのアルバムの制作も始めていた。
TMに長期の時間を割くことが想定されていたようには見えない。
徹貫文のアルバム計画は、少なくとも現実的なものではなかったと考えておきたい。


以上のような短期的な計画以外に、25周年のプラン全体について、2007年終わり頃に興味深い発言がある。
1つは2007年11月の「マンスリーよしもと」の木根のインタビューで、「Welcome Back 2」のジャケットのイラストを「CAROL」と同じ人(佐々木洋)が描いていることに触れ、「それも含めて、今後に『CAROL2』的な作品が出来るかもしれない」と述べている。


この時点で木根は「CAROL」の続編を意識していたらしい。
こうしたプランを木根が独自に考えて話すとは考えられず、小室が考えていたものを踏まえているに違いない。
2007年に小室が佐々木洋に「SPEEDWAY」のジャケット絵を依頼したこと自体、「CAROL」を意識したものだったのだろう。


もう1つのメンバーの発言に、2007年12月の「女性自身」に掲載されたウツのインタビューがある。
これによれば、来年(2008年)TMで何かしようと考えており、そのヒントは「SPEEDWAY」のジャケットだという。


この真意は現在まで不明のままだが、「SPEEDWAY」のジャケットで3人の背後に時計版があり、3人の間に制御装置らしきものが描かれていることを考えると、タイムスリップや宇宙からの地球訪問などの物語が想定されていたのではないか。
ここに木根の「CAROL2」発言も併せて考えれば、物語中の3人の目的地は、「CAROL」の物語の設定舞台であるロンドンだったのかもしれない。


もしもこのような想定ができるならば、この構想は2012~15年のTM30周年の活動のコンセプトに非常に近いものとなる。
30周年のTMの活動において、3人は2014年から2012年に一度タイムスリップし(「Incubation Period」)、1950年代アメリカにワープし(「START investigation」)、宇宙船でアンドロイドのキャロルを作って1974年のロンドンに送り込み(「the beginning of the end」)、大人になったキャロルの様子を描く(「Quit30」)、などのストーリーが展開した。
これは未遂に終わった25周年の構想を元にして拡張したものだった可能性も考えられよう。
もしもそうだとすれば、30周年の活動は実に2007年から8年越しで実行されたものだったことになる。


実は木根は2014年の「震・電気じかけの予言者たち」で、TM30周年の構想を「CAROL2構想」と呼んでおり、それが「約7,8年前」から存在したことを記している(本記事みーこさんコメント)
この年数を文字通りに取れば、30周年の企画は2006~07年から考えていたことになる。
2006年ならばTM再始動企画が始まった頃となるし、2007年ならばレコーディングやライブなど具体的な活動が始まった頃となる。
いずれにしろ2007年の「CAROL2」構想がTM30周年に受け継がれたという見通しは、大きく誤ってはいないものと思われる。


25周年の活動の構想については、小室も先述の2008年3月末頃の「What’s in?」のインタビューで語っている。
短いものだが具体的であり、貴重な情報なので、以下に引用する。

今年の末から、25th Anniversary Yearが始まる予定です。そこでは80’sの時代感を出す方向に、今のところは傾いています、あの時代からやってこないと出せない空気感があると思うから。今の10代が70’sのロックをコピーしても、当時のリアルな空気までは出せないわけで。だから、TMも無理に21世紀型にしなくてもいいのかなと。ただ、TM独特のレトロ・フューチャーな質感はなくさないでしょうね。


ここでは「今のところは」という限定付きではあるが、25周年の活動では80年代の時代感を出そうと考えていたらしい。
この方針は、トランスを前面に出して新しいTMを提示した20周年の活動とは対照的で、80年代のヒット曲を中心に演奏した「TM NETWORK -REMASTER-」と親和性が高い方針と言える。


小室は70年代ロックの空気を出すことは当時を知る者しかできないという自負を述べている。
同様の自負から、80年代の空気を出すことも80年代から活動してきた自分たちだからこそできると言いたいのだろう。
この頃目指していたのは、リニューアル以前の80年代TM NETWORK時代の雰囲気を再現したライブだったと見られる。


「TM独特のレトロ・フューチャーな質感」というのも、やはりTMN期や再始動後ではなく、80年代TMを意識したものである。
「CAROL2」で予定していたSF設定を念頭に置いた発言かもしれない。
なお小室は「CAROL」には言及していないが、種明かしとなるこの作品はあえて取り上げなかったとも考えられる。


25周年については、一つ気になることがある。
1984年4月21日にデビューしたTM NETWORKの25周年は、当然2009年4月21日である。
10周年企画の始まりとされていた「Nights of the Knife」のリリースは1994年4月21日だったし、20周年記念ライブ「Double Decade “NETWORK”」の開催は2004年4月21日だった。


ところがTM25周年企画が2009年ではなく、2008年から始まると述べた例がある。
早い例では先に見たウツの2007年12月のインタビューがあり、「来年(2008年)」にTMの活動を考えていると発言している。
この時は「SPEEDWAY」のジャケットがヒントと語られたが、これはコンセプトらしきものがなかった「SPEEDWAY and TK Hits!!」とは別の話と考えられ、その後に予定されていた25周年の活動と思われる。


もう少し具体的なものだと、「SPEEDWAY and TK Hits!」のパンフレットの徹貫文(2008年2~3月)に「そのアニバーサリーイヤーは今年の暮れから開幕」とある。
小室も「What’s in?」20周年記念号のインタビューで、「今年の末から、25th Anniversary Yearが始まる予定です」と述べている(後掲)。
先に触れたコメント動画と同じ日のものだとすれば、2008/3/27か3/28の発言となる。
「25th Anniversary Year」は2009年のはずだが、ここでは2008年年末から25周年の活動が始まるということになっている。


この少し後、2008年6月発行の木根FC会報に、「噂では、今年末から25thアニバーサリーイヤー企画に突入とか」と書かれている。
このように見ると、TMの25周年企画は2008年末から始まり2009年まで行なわれる計画だったと考えられる。
記念日である2009年4月前後に完結させるつもりだったのかもしれない。


小室が逮捕された2008/11/4の時点で、25周年に関しては何の告知もされていなかったが、2008年中に25周年企画が始まるはずだったのならば、それは11月から12月の間に告知される予定だったことになる。
当時の「週刊文春」の報道によれば、小室の逮捕4日前(10月31日)に、年内に行なわれるTMの「再結成」(報道の表記のママ)のコンサートの打ち合わせがあるはずだったが、小室は「それどころじゃない」と言って来なかったという。
TM3人は10月中旬にも会っていたことが確認できるので、この頃に25周年企画が練られていたと見られる。


この頃小室はglobeで、TM楽曲のカヴァーシングルを3枚リリースする計画があった。
詳細は後述するが、そのリリースは11/26・12/17と2009年1月某日に、それぞれ予定されていた。
TM25周年を盛り上げるべく企画されたものと考えられる。
そのリリースは小室の逮捕によって中止になったが、25周年企画発表もこれらシングルのリリースの前後に予定されていたのだろう。


TM25周年の告知が2008年11~12月頃に予定されており、それを盛り上げるべくglobeのカヴァーシングルのリリースも計画されていたとすれば、それは具体的に何日の予定だったのだろうか。
11/5~9にはウツの「U_WAVE “evolutio”」が予定されており、11/19には木根のソロアルバム「New Town Street」がリリースされた。
TM再開の告知は、おそらくこれらソロ活動よりも後に予定されていただろう。
ならばそれは11/20~12/31の42日の間ということになる。


私は25周年企画の告知予定日は、かなりの確率で12月9日だったと考えている。
この日は「CAROL」リリースからちょうど20周年の日である。
「CAROL2」の構想がまだ生きていたとすれば、これほどふさわしい日はない。
もしもそうならば、TMは「CAROL」20周年の記念日を意識した上で、2008年末から25周年企画を始める構想を立てていたことになる。
12月10日にはウツと木根による特別ライブ「EXPO Folk Pavilion -Revival-」が開催されたが、これも25周年企画発表と絡めた日程だったのかもしれない。


もう一つの候補日としては、11/26がある。
この日には後述のglobe版「Get Wild」と、ベスト盤「TM NETWORK The Singles 2」がリリースされる予定だった。
これらTM関連企画が同日に重複しているのは、この日に25周年企画の告知というイベントが予定されていたためと考えることもできる。


TMはおそらく11/26か12/9に25周年の活動を告知し、ライブの開催を発表するつもりだっただろう。
20周年と同様に、少なくとも大型の特別ライブと全国ツアーは開催されるはずだったと思われる。


なお上記「週刊文春」の報道では、2008年年内のコンサートなるものの計画に言及されている。
だが本格的なライブを11月以後に告知して年内に開催するというのは現実的ではなく、たとえば20周年の時には、2004/4/21の「Double-Decade "NETWORK in YOKOHAMA ARENA」の開催が、5ヶ月前に当たる前年クリスマス前に告知されている。
よってこの報道は誤りであろうと、本記事を書いた当初は述べた。
しかし私はその後、また別の可能性を考えるようになった。
これについては別章で改めて触れることにしたい(2021/6/19加筆)。


以上、TM25周年企画に関わる微細な情報をまとめてきた。
これらの企画は実際には実現しなかったが、TM25周年に付随した企画のいくつかはすでに逮捕前から動き出し、表面にも出ていた。
具体的に挙げられるのが、先に触れたglobeのTM楽曲カヴァーである。
そこで以下では、この頃のglobeの動向を見ていこう。


小室は「REMASTER」「SPEEDWAY and TK Hitds!!」に挟まれる2007年12月から2008年3月の間、KCO(KEIKO)のソロの新曲を制作した。
KCOのレコーディングはこれ以前にも断続的に行なわれていたようだが、本格的に始まったのは12月以後と見られる。
その成果として、シングル「春の雪」が2008/3/12、アルバム「O-Crazy Luv」が4/30にリリースされた。


その後は5月にTM Jr.との触れ込みでデビュー予定だったPurple Daysのシングル、6月にアルバムをリリースする計画だったが、実現しなかった。
彼らの場合、作詞・作曲・演奏は自分たちで行なうため、小室が制作全般に関わるわけではなかっただろうが、それでも3~5月にTMの全国ツアーが開催されていたことを考えれば、日程的に難しかったのかもしれない。


「SPEEDWAY and TK Hits!!」が終わった後、小室は次の活動に移る。
2008/7/4にはMySpaceで、2年ぶりのglobe再開を宣言するとともに、TMの「Get Wild」をカヴァーすることを明らかにした(ただしこれはフライングだったようで、書き込みはすぐに削除された)。
この企画はTM25周年を盛り上げることを意図したものだろうが、あるいはTM25周年が終わった後には、2010年のglobe15周年企画につなげていくことも考えていたのかもしれない。


これ以前のglobeは、2006年8月にミニアルバム「new deal」をリリースしてから、1年以上音沙汰がなくなっていた。
2007年9月にはMarc Pantherの妻酒井薫子が麻薬所持で逮捕され、翌月も麻薬の所持・使用で再逮捕されるなど(後に執行猶予付き有罪判決)、きな臭いニュースも流れている。


2007年10月にはKCOのソロ作品リリースの予定が告知された(この頃は2008/1/23リリースとされていた)。
しかもそれはglobeの契約先のavexではなく、ユニバーサルミュージックからリリースされるとされていた。
12/25にはglobeのFCイベントが開催されており、globeの活動も続くと言われてはいたが、1月になるとFCは運営休止となった。
globe解体の空気は、この時点では濃厚に思われた。


小室がユニバーサルと契約したのは、一つにはavexに対してプロデュース契約前払い金の未償還分があったため、avexからリリースしてもプロデューサーとしての報酬が支払われないことを勘案したものかもしれない。
さらに小室は本作制作に当たり、イーミュージックと原盤権契約を交わして制作費を得ていた。
(なお小室がイーミュージックと原盤権契約を交わしてリリースしたのはKCO作品のみ)
この頃の小室は、当座の収入を得るために糊塗的な手段を尽くしていたように見え、そうした中でglobeの新作制作には消極的になったのかもしれない。


しかしavexという有力な宣伝媒体から離れたKCO作品の成績は、シングルが30位・5000枚、アルバムが36位・6339枚と、散々なものだった。
2006年のglobeのミニアルバム「new deal」は、1.4万枚というオリジナル作品最低の成績だったが、これと比べても半分以下の成績だった。
KCOのアルバムリリース2ヶ月後のglobe再開宣言は、KCOソロの失敗を受けたものとも考えられる。


TMの「SPEEDWAY and TK Hits!!」が終わって間もない6/15、小室はMarc Pantherと打ち合わせをしている。
Marcは小室の家に来たようなので、KCOも含めた3人での話し合いがあったと考えられる。
さらに小室はその数日前に、avexの昔のマネージャーや木根とも会ったという。
小室は彼らとの相談を経てスケジュールの調整をした上で、globeの話し合いを行なったのだろう。


この約3週間後の7/4、globeの次の作品が「Get Wild」のカヴァーになるという情報が出たことは前述した。
もしもこれが実現していたら、2005年の玉置成美版からわずか3年で再度の「Get Wild」カヴァーシングルがリリースされていたことになる。


これはリリースに先駆けて、8/31に味の素スタジアムで開催された「a-nation ‘08」のステージ上で披露された。
この時、「Get Wild」が11/26にリリースされることも告知された。
さらにglobeはテレビでも、2008/9/24の「CDTVスペシャル」および9/27「オールスター感謝祭」に出演した時に、この曲を披露している。


globeのカヴァーシングルとしては、2枚目として「Self Control」が12/17にリリースされることも告知されていた。
3ヶ月連続で3枚のシングルを出すという企画だったので、2009年1月にも第3弾シングルが予定されていたはずである。
各シングルにはglobeの新曲もカップリングされる予定であり、「Get Wild」のカップリングは「Spicy Girl」という曲だった。
「Self Control」のカップリング曲も、小室逮捕時には未完成ではあっても準備はされていただろう。


globeのカヴァーシングルは小室の逮捕によってすべてリリース中止になったが、「Get Wild」は9/24から11/4まで、着うたの形で入手することが可能だった。
CD音源としては、2010/9/29リリースのglobeベスト盤「15 Years -Best Hit Selection-」「Get Wild」「Spicy Girl」が収録され、2011/5/4リリースのDVD BOX「15YEARS CHRONICLE ~ON-AIR & OFF-AIR~ + UNRELEASED TRACKS」の付録CDに「Self Control」が収録された。
「Get Wild」は2017/4/5リリースの「Get Wild Song Mafia」にも収録されている。
また2016/8/3リリースのglobeのリミックスアルバム「Remode 2」にも、「Get Wild」「Self Control」が収録されている。


カヴァー音源の制作に当って、オケは全面的に新録された。
ボーカルについては、Marc Pantherが「Get Wild」の「it’s your pain~」の部分、「Self Control」の「今までのぼくは」「本当の悲しみ」等の部分を担当し、他は基本的にKCOが担当した。
個人的な感想としては、「Self Control」の最後でMarcがサビの歌詞を朗読して終わるところの寒々しさには、失望というよりも失笑してしまった。


TMと絡むものではないが、2008年の小室哲哉のソロ作品についても、他に触れる機会がないので、ここであわせてまとめておきたい。
とはいえここで取り上げるべきものは、実質的にはiTunesで配信されたインストアルバム「Far Eastern Wind」シリーズだけである。


曲名はほとんどが漢字語で、たとえば第1作の「Far Eastern Wind -Winter-」の収録曲は、「春秋」「礼」「楽」「仁」「学」「志」「立」「昇」「惑」「無為自然」の10曲である。
他のアルバムには和語タイトルの曲もあるが、アルファベットは皆無で、東洋が強く意識された作品群といえる。
「極東の風」(和訳)というアルバムタイトルも、それを意識したものであろう。


小室は2007年からBrian Enoを意識するようになり、アンビエントに傾倒するようになっていたと言っている。
その延長上に作られたのが本作だった。
小室はすでに2001年にもソロシングル「Blue Fantasy」でアンビエントに着手しており、GaballやDJ TKでもアンビエント楽曲を発表していた。
2003年にリリースした3枚のピアノアルバムの内の1枚も、タイトルは「Piano Wind -TK Ambient Selection-」だった。


なお「Piano Wind」には「Far Eastern Wind」という楽曲が収録されている。
これは2002年にKCOとの結婚披露宴のために作った曲である。
アルバム「Far Eastern Wind」シリーズのタイトルは、直接にはこの曲名から取られたものだろう。


その後は2006年にDJTK名義で配信した楽曲の一つに「Arashiyama」があり、さらに2007年には47分に及ぶ大作「うみね」を発表している。
「うみね」の正確な制作・発売時期は未確認だが、大分別府温泉のホテルうみねのために作ったもので、ホテルのBGMとして使われ、CDの発売も行なわれた(多分ホテル売店で売られたもので、流通には乗っていないと思う)。
うみねはKCO実家の山田家の関係で紹介されたものと思うが、よりによってTMが動いている時に余計なことをやらせるなと思う。


「Far Eastern Wind」シリーズの制作に直接つながったのは、小室がKCOの臼杵の実家近くの多福寺で、2007年から2008年にかけて年越しライブを開催した体験だった。
この時はKCOの歌もあったようだが、小室のシンセ演奏も披露された。


小室はこの時の演奏がとても気持ちよく、すぐに発表したいと思ったのだという。
小室は後に、「空から垂直におりてきた光の糸が、頭のてっぺんのツボ、いわゆる百会あたりにスーッと入ってくる感覚から生まれた作品」と言っている。
こうして制作されたのが、2/13に配信された「Far Eastern Wind -Winter-」である。


本作の音は多福寺ライブの音源をそのまま収録したものではなく、スタジオで改めてレコーディングしたものである。
レコーディングでは、スタジオで即興演奏したものを録音し、後でエディットを加えたという。


アルバムのサブタイトルに「Winter」と付けられていたことから分かるように、このシリーズでは四季が意識された。
「Winter」リリース3週間後の3/5には、早くもシリーズ第2作「Far Eastern Wind -Spring-」が配信されている。
さらに4/30には「Arashiyama」のロングバージョンが配信された。
TMでの楽曲制作の滞りがウソのようなペースだが、ポップスのメロディが浮かばなくなってきたこととトランスに代わる新しい音が見つからない中で、新しい可能性を探っていたのかもしれない。


7/23には「Far Eastern Wind -Summer-」がリリースされた。
本作収録の「清水」では、KCOの声が効果音として用いられている。
実はこの曲は、「Get Wild」の前にglobeのシングルとしてリリースする計画があった。
先に触れたように、小室は6/15にMarcと打ち合わせをしたが、そのことを記したブログの記事では、次のglobeのシングルが「清水」というタイトルであることも述べられている。


おそらく「清水」はglobeの新曲として制作を始めたものの、ある時点でその案が変更になり、「Summer」に回されることになったのだろう。
となると、実はglobeがTMのカヴァー曲で再始動するというプランは、当初からのものだったわけではないことになる。
アンビエントに新たな可能性を見出した小室は、もともとglobeでこれを行なおうと考えていたのかもしれない。


当初の案が変更になった事情は不明だが、あるいはアンビエントでは売れないと判断したavex側からの意見があったのかもしれない。
たしかに再始動1曲目のシングルとしては、印象が薄いことは否めない。
ただ小室がglobeに取り入れることを考えるほどアンビエントに傾倒していたのならば、TM25周年ライブが実現した場合、TMでも同様の試みが行なわれた可能性も考えられよう。


なお「Summer」にはKCOの声を入れた曲として、もう1曲「夏の終わり」も収録されている(「SPEEDWAY」収録の同名曲とは無関係)
もしかしたらこれもglobe名義で、「清水」のカップリングにするつもりだったのかもしれない。
さらに9/10リリースの「Far Eastern Wind -Autumn-」でも、「秋音」にKCOのボーカルが使われている。


「Far Eastern Wind」シリーズは「Autumn」で完結した。
これが逮捕前の小室が発表した最後の作品となる。
小室はこの2ヶ月後の11/4に逮捕されたが、配信停止の可能性を考えたファンが一斉にDLしたものか、日本のiTunesチャートではこの日一時「Far Eastern Wind」シリーズがアルバムの2~5位に入り(1位はASKAのライブアルバム)、エレクトロニックアルバム部門では1~4位を独占した。


もともと小室は「Autumn」までリリースしたら、「Far Eastern Wind」シリーズをCD化することを想定していたが、それが実現したのは4年後の2012/3/28のことだった。
この時は「Far Eastern Wind -Spring/Summer-」「Far Eastern Wind -Autumn/Winter-」「Far Eastern Wind -Complete-」の3形態でリリースされている。


前の2作は2枚組の商品だが、最後の「Far Eastern Wind -Complete-」は全4作に新曲「五常」を収めるDisk5を加えた5枚組である。
「五常」はなんと1曲73分(CD収録限界)で、2021年現在では小室史上最長の曲である。


「Far Eastern Wind」シリーズはたいした宣伝もなくひっそりとリリースされたため、影の薄い作品ではあるが、2010年に音楽活動を再開した後の小室がEDMに傾倒した後、2016~17年に可能性を見出したのも、「Sound of Scalar Fields」などアンビエント系楽曲だった。
引退中の2019年には、建築に音を付ける試みを行なっていたというが、これもおそらくアンビエント的な発想で行なっていたものだろう。
「Far Eastern Wind」は、長期的に見ると意外と重要な作品かもしれない。


以上が小室が音楽作品として残したものだが、他の小室の仕事もまとめておこう。
小室が2008年後半に人前に出た機会としては、9/7に尚美学園で特任教授として行なった入学希望者向けの特別公開講座がある。
この時は最後にピアノで「天と地と」を演奏した(歌はない)。
「Far Eastern Wind」シリーズを手掛けていたことで、「和」を意識したこの曲のことを思い出したのだろうか。
なおこの時の講義で、「次はトランスが来ると思っていた」と自虐的に発言したのは、印象的である。


9/16にはApple銀座で、「Keyboard Magazine Presents Special Talk Show & Live: Secrets of Tetsuya Komuro’s Music」が開催された。
「Keyboard Magazine」2008年秋号(9/10発売)の小室哲哉特集とも絡む企画である。
(なおこの特集号には「Far Eastern Wind -Autumn-」所収「城跡の風」のデモ音源のCDが付録していた)
この時は完結直後の「Far Eastern Wind」シリーズに関するトークや、曲作りの実演、ライブ演奏が披露された。
この時に浮かんだイメージをもとに、小室は帰宅後にスタジオで形にし、後に発表したのが、2011年の「Digitalian is eating breakfast 2」収録の「Every」である。


小室はまた、元CarpentersのRichard Carpenterの活動にも関わる計画があった。
2009年はCarpentersデビュー40周年であり、Richardはこれを機に音楽活動再開を計画していた。
具体的には、2009年秋にアジア各国のミュージシャンによるトリビュートアルバム「Carpenters Around The World」をリリースし、翌年には上海万博でライブを開催するというものだった。


そして小室はそのライブのプロジェクトに加わることになっていた。
小室は2008年の春頃に、本件のプロデューサーを自宅に呼んで話を付け、Richard側も小室の参加に同意したという。


この件は2008/10/15に報道された。小室久々の華やかな話題だった。
だが当然のことながら、翌月の小室逮捕によって、小室の参加はなくなった。
もしも実現していたら、小室も上海のステージに上がったのだろうか。


なおRichardの計画がその後どうなったのかはよく分からないが、少なくとも「Carpenters Around The World」に当たる作品のリリースは確認できない。
日本では2009年にCarpenters40周年を記念して、日本人ミュージシャンによる「イエスタデイ・ワンス・モア〜TRIBUTE TO THE CARPENTERS〜」が、ユニバーサル・インターナショナルからリリースされているが、これが本件の関連企画なのかも未確認である。

(2021/6/22・10/18加筆)
Far Eastern Wind -Complete - TETSUYA KOMURO
Far Eastern Wind -Complete - TETSUYA KOMURO

7-40 TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!②

5/9・23、木根さんレギュラーのかつしかFM「夜ドン!」にウツが出演しました。
「LIVE UTSU BAR 「それゆけ歌酔曲!!」ギア-レイワ3」やBlu-ray「SPIN OFF T-Mue-needs」のプロモーションがメインの目的でしたが、昔の話も少し話してくれました。
(目新しい話はなかったですけど)


他に私は聞いていませんが、ウツは5/18にTOKYO FMの「住吉美紀 Blue Ocean」にも出演しました。
2週間遅れくらいでポッドキャストが公開されるようなので、関心ある方はお待ち下さい。
また小室さんは5/23にニッポン放送の「冨田明宏 music trend」に出演しました。


ウツの「LIVE UTSU BAR 「それゆけ歌酔曲!!」ギア-レイワ3」は、緊急事態宣言もあり、どうなるかと思いましたが、どうやらこのまま観客を入れる形で開催するようです。
恒例のニコ生配信も行なわれます(東京6公演のみ)。
なお2020年に発売されたライブ写真集3種(「Dragon The Carnival」「それゆけ歌酔曲!!」「SPIN OFF T-Mue-needs」)の電子版が、「それゆけ歌酔曲!!」開始の5/25に配信されるとのことです。


3人の活動と直接関わる話ではないですが、宝塚歌劇で「シティハンター」の舞台版「『CITY HUNTER』-盗まれたXYZ- 」上演されます。
日程は宝塚大劇場で8/7〜9/13、東京劇場で10/2〜11/14です。
「Get Wild」「Still Love Her」「Running To Horizon」などは使われるのでしょうか。


また「マドモアゼル・モーツァルト」が、2009年から12年ぶりに上演されるそうです。
ただし今回は音楽座ではなく、TOHOが主催のようです。
音楽は小室哲哉・高田浩となっており、おそらく昔小室さんが作った曲を高田浩さんがアレンジするんでしょう。
10/10~31に東京建物Brillia Hallで上演されるとのことです。


小室さんは特に目立った活動はしていませんが、最近気になることがあります。
去年11/30から長らく更新されていなかった小室さんの公式twitterが、「Running To Horizon (206 Mix)」を配信した4/28頃から、盛んにtweetするようになったのです。
しかも去年はほぼMusicDesign絡みのお仕事のみ発信していましたが、今年は小室さん自身のことに限らず、昔のTM曲に関する話題やウツ・木根さん関係の話題も盛んにリツイートしています。


このtwitterは小室さん本人が書いているのではなくスタッフの方が担当しているようですが、いずれにしろ最近アピールする対象が変化していることは間違いないと思います。
以前指摘したように、小室さんは去年11月頃から活動の拠点をMusicDesignと別のところに置くようになってきたようですが、その傾向がより明らかになってきたように見えます。
誤解を恐れずに言えば、11月まではMusicDesignを拠点に実業家たちと組んだ活動を目指していたのが、それ以後はTMを強く意識した活動にシフトしているのではないかと感じられます。
その背景には、MusicDesignの「GroundTK」「TK/MusicDesign/父母ヶ浜」があまり採算がよくなかったこと、そもそもここにコミットしていた実業家たちが音楽では素人に過ぎず、音楽活動のパートナーとしての能力はなかったこと、などがあったのではないかとも憶測します。


もしもそうだとすると、現在小室さんは復帰プランの変更を模索している最中なのかもしれませんが、その結果としてTM寄りの方向に向かっているのならば、むしろ喜ばしいことです。
実は水面下ですでに色々と計画が進んでいるとかならいいなあと思います。
まあ、すべて確かな根拠はない推測の上での話なんですけど。


では本題に入ります。
今回で第7部で扱うべきTMのオリジナル作品およびライブは、全部書き終えたことになります。
第7部自体はまだ続きますが、残りはいわば消化試合みたいなものです。
実はその消化試合がけっこうきつかったりするんですけど、それはともかく始めます。

--------------
会場にSEとしてインスト曲のCD音源が流れる。
このパターンはtribute LIVEや「TM NETWORK -REMASTER-」で一貫して見られたものだったが、この時は「War Teachers」という意外な選曲だった。


これはTM名義の曲ではなく、小室哲哉制作の「ぼくらの七日間戦争」のサウンドトラック中の1曲である。
観客も、すぐに曲名が浮かんだ者は少なかっただろう。
2003年の「tribute LIVE」以来、「Give You A Beat」「Bang The Gong」「Childhood's End」「nuworld」「EXPO」「Malibu」と来て、もうSEに使う曲がなくなってしまったと考えられる。


なお2008/5/25 Zepp Tokyoの最終公演のみ、「War Teachers」は使われず、無音の中でウツ以外のメンバーが何も言わず現れて、音合わせをしてから演奏を始めるという演出に変わった。
この変更の趣旨はよく分からないが、この日にDVDの収録があったことと関わるのだろうか。
(なぜDVDに「War Teachers」を入れられないのかはよく分からないが)


ウツ以外のメンバーが舞台袖から登場し、持ち場に付くと、SEが終わって演奏が始まる。
ツアー本番の1曲目は、1980年リリースのSPEEDWAYの2ndアルバム「Base Area」から、「Close Your Eyes」である。
「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」のツアータイトルに沿いながら、観客に意外感を与える選曲である。
ウツは1曲目のイントロで登場し、歌に入った。


この曲はかつて1996年のウツのソロライブ「Tour easy attraction」で演奏されたが、その時はバラード調のアレンジで演奏されていた。
それに対してこの時は、オリジナルに近いロックアレンジである。
なお歌詞の「俺を見つめないで」の部分は、TM風に「僕を見つめないで」に変更された(「Tour easy attraction」では「俺」のまま)。


ただし意表を突かれたファンの反応はイマイチで、その後のMCでも「ハプニング」と言われる始末だった。
そのためこのパターンは初日3/27横浜Blitz公演のみとなり、3/28以後「Close Your Eyes」は中盤の「Girl Friend」の前に演奏されるようになった。


代わって3/28以後1曲目とされたのが「Come On Everybody」である。
セットリスト組み換えに当たり、「TM NETWORK -REMASTER-」で演奏した曲から選んで追加したのだろう。
以後本ツアーは、演奏曲が1曲増えた。


「Action」
これも「REMASTER」で演奏した曲からの選曲だった。
「All-Right All-Night」
2021年現在では、本ツアーがこの曲の最後の演奏となる。
「Double-Decade Tour」の時とは異なり、オリジナルに準じたアレンジで、イントロも原曲の通りである。


1度目のMC。
ここではたいてい、大したことのない雑談が3人で行なわれた。
ウツは冒頭でツアータイトルを言うのが恒例だったが、今回はツアータイトルが長いため、初期は「TM NETWORKのツアーへようこそ」などごまかしていた。
最終的には「SPEEDWAY and TK Hits!!へようこそ」で固まった。


MCの後は「SPEEDWAY」の新曲から、日替わりで2曲が演奏された。
各会場1日目が「Diving」「Red Carpet」、2日目が「Teenage」「Pride in the Wind」である。


「Diving」では、原曲通りウツと木根がアコギを演奏するが、さらにドラム・エレキギターが加わったことで、ライブバージョンというべきものに変わっている。
サビで色の名前を言うところでは、ステージがその色の照明で照らされる演出があった。


「Red Carpet」では、曲名にちなんで赤の照明がステージを照らした。
木根は電子ピアノを担当した。
アウトロの電子ピアノは、ライブ独自のパートである。
なお次の「Teenage」もだが、小室のコーラスはすべて録音で、生歌はなかった。


「Teenage」は木根のハーモニカで始まる。
この曲、ツアーファイナルの5/25には、木根がハーモニカを持つのを忘れるというハプニングがあった。
木根は慌てて途中からフェイドインしながらハーモニカを入れたが、ウツはこの時右を向いてぎょっとした顔をしていた。
だがDVDでは編集の妙か、なんとなくちゃんとやっているように見える。
当然この日は、MCで木根がウツから散々突っ込まれた。


「Pride in the Wind」でも「Red Carpet」と同様、木根は電子ピアノを担当した。
間奏の鍵盤は小室と木根の共演で、かつてツインキーボードだったSPEEDWAY時代の演奏を髣髴とさせるものとなった。


2曲の演奏を終え、またMC。
ここは長時間で、10分を超えることもあった。
メンバー紹介もここで行なわれたが、大部分は昔の話や近況などが語られた。


初期の数公演では、ここで木根がTMの不遇な曲を擬人化して愚痴を言わせるコーナーを行なった。
登場人物としては、「一途な恋」「愛をそのままに」「さよならの準備」「アクシデント」「I Want TV」などがあった。


MCの後、3/28横浜Blitz公演以後は「Close Your Eyes」が演奏され、ついで「Girl Friend」が演奏された。
「Girl Friend」は本ライブ屈指のレア曲である。
小室はイントロや間奏で、オリジナルのフレーズの上に独特なピアノ音色のシンセを重ねた。
アウトロでは木根のハーモニカで締めた。


続いて「Seven Days War」が演奏されたのは、かつて「Girl Friend」とシングルのA面・B面の関係にあったことが関わるのだろう。
アレンジは「REMASTER」と同様だった。


次いで「TK Hits!!」コーナー。
TM名義ではない小室楽曲のインスト演奏である。
ツアー終盤になると、ウツが冒頭に「TK Hits!!」と一言言い置いて退場するようになった。


ここは日替わりで、1日目は「SPEED TK-Remix」、2日目は「Together Now」が演奏された。
前者はハリウッド映画「SPEED 2」で使われた曲、後者はFIFAワールドカップテーマ曲としてJean Michel Jarreと共作した曲で、いずれも全盛期の小室が欧米進出の夢に近づいた時代を象徴するものである。
この頃の小室が、何を一番アピールしたかったのかうかがうことができる選曲である。


この後は「humansystem」の曲が続く。
まずは「Kiss You」
北島のエレキギターが強調されたロック色の強い音である。
赤と青の照明の中での演奏シーンは、同曲の前後の演奏例と比べてもセクシーに映る。


次の「Resistance」はこのライブでも、「Girl Friend」と並ぶレア曲である。
取り立てて書くべきところもないが、これを聴けて嬉しかったファンは多かっただろう。


「Be Together」は通常のアレンジ・演出で、サビ前のクルッも行なわれた(ただし小室は回らない)。
間奏ではウツがマイクを上に放り投げてキャッチするパフォーマンスがあったが(これ以前から行なわれていた)、5/11Zepp Nagoya公演では受け取り損ねてマイクがコロコロ転がってしまうという失態を冒している。


次からは(個人的に)本ライブ最大の見せ場、インストコーナーである。
この部分は日々内容が変わったが、以下、当方で把握している限りで演奏内容を見てみよう。
なおウツ・木根のFC会報では、この部分は「TK Hits!! 2」と呼ばれている。
TMの曲しか演奏してないのだが、小室を中心に演奏されたからだろうか。


初日の3/27には、「REMASTER」と同様に「CAROL」が演奏された。
小室のシンセ単音の演奏の後、北島・そうる・木根が加わり、セッションによる荘厳な演奏に移るという流れも「REMASTER」と同じだったが、小室の弾き方がジャズ風にアレンジされた。


3/28からは冒頭に「Time To Count Down」のイントロが加えられ、その後で「CAROL」が演奏されるようになった。
5月になると「Time To Count Down」の前に「Pictures at an Exibition」のフレーズが演奏されるようになった。
5/1 SHIBUYA AX公演では演奏されなかったが、5/17のZepp Osaka公演では演奏されていたことが確認できるので、その間にセットリストに加わったらしい。


4/27 Zepp Fukuoka公演からは、「CAROL」の後に「Malibu」が追加された。
前半は「Malibu」を原曲に沿ったアレンジで演奏するが、後半は掛け合いによる即興の演奏になり、毎回異なるプレイを楽しむことができた。
「Smoke On The Water」など、洋楽の著名なナンバーのフレーズが挟まれることもあった。


木根は「CAROL」ではアコースティックギター、「Malibu」ではベースを担当した。
「Spin Off from TM」「Spin Off from TM 2007」で披露したベースを、この時にも見せたことになる。
TMでは2000年の「Log-on to 21st Century」以来、久々のことだった(本記事haruさんコメント)。


「CAROL」のアレンジも、後期公演では全く変わる。
遅くても5/1 SHIBUYA AX公演では変更されていた。
その前の4/27 Zepp Fukuoka公演で、「Malibu」の追加と同時に「CAROL」のアレンジも変更したのかもしれない。


5月の大阪公演の頃になると、「CAROL」の演奏時間は初期公演の倍近くに拡大された。
「Pictures At An Exhibition」「Time To Count Down」「Malibu」が追加されたこともあり、インストコーナー全体の時間は初期公演よりも10分以上増えていた。


この頃の「CAROL」では、賛美歌風のコーラスのサンプリングボイスが加えられた。
序盤はピアノ音色のシンセのみのゆったりした演奏で始まるが、中盤からは演奏の緩急が大きく変わり、一時は大変なアップテンポになって会場を盛り上げた。
小室の演奏はよりジャズ風の雰囲気を強め、リズミカルに鍵盤を叩くようになる。


他のメンバーとの掛け合いも即興の要素が顕著になった。
小室と木根の掛け合いも見ものだった。
木根のギターソロの時間も設けられ、アコギのボディを打楽器風に指で叩く奏法を披露している。
これは「REMASTER」武道館公演のギターソロでも少し用いられたもので、押尾コータローのライブで見て関心を持ち、試みたものという。


ファイナルの5/24・25 Zepp Tokyo公演も、インストコーナーは大阪公演とほぼ同じ展開だったが、冒頭の「Pictures at an Exhibiton」はオルガン音色からピアノ音色に変わった。
また、なぜか最終日の5/25には「CAROL」の時間が短縮されてしまった。
DVD収録を考慮して、あまり長くならないようにしたのだろうか。
映像が収録されたのは5/25だけだったので、長時間演奏の「CAROL」の映像記録は現存していないことになる。


舞台効果としては、天井から20以上の小さな照明が降りてきて、色を変えながら上下に動く演出があり、Zepp Tokyo公演でのみ用いられた。
これはドット・イメージと言う照明装置らしい。
その様子はDVDの「Malibu」「Love Train」の映像で見ることができる。
なお2009年、堂本光一が世界で初めてこれをライブで用
いたと言われたが
、実はTMの方が早い(もっともTMも最初というわけではなかっただろうが)。

7-40.jpg


以上一連のジャムセッションが終わると、「REMASTER」でも恒例だったそうる透のドラムプレイが始まる。
ただしこの時は、小室のシンセおよび北島のギターも加わっており、「REMASTER」のようにそうるのソロではなかった。


この時小室が加えたシンセは、「Love Train」イントロのサイレン風の音である。
このドラムが「Love Train」のイントロであることが、ここで観客に伝わった。
「REMASTER」武道館公演でドラムソロから「Love Train」につなげられたのに準じる演出だが、この時はドラムソロと「Love Train」が融合した形になった。


なお「REMASTER」の渋谷C.C.Lemonホール公演では、オープニングSEの「EXPO」にサイレン音を重ね、1曲目「Love Train」につなげた。
その時と同様に、本ツアーでもサイレン音を次の「Love Train」のサインとして用いたというわけである。
個人的に「Love Train」は好きな曲ではないのだが、この時のアレンジは大好きで、歴代で一番好きな「Love Train」である。


本編ラストの「Welcome Back 2」
「REMASTER」では盛り上がりがいまいちだったこの曲だが、観客がライブハウスにまで来る精鋭揃いであることもあり、この頃にはちゃんと盛り上がるようになった。
ウツは「REMASTER」武道館公演では封印していた「2」サインを復活させている。


曲が終わると、ウツが「どうもありがとう!」と言って、他のメンバーともども退場する。
観客からはアンコールの声。
メンバーが再登場し、ウツがまた「どうもありがとう」と言って適当な雑談をした後、アンコール曲を演奏した。
曲は「Beyond The Time」である。


3/27はその後またメンバーが退場し、三度目の登場の後でダブルアンコールとして「Self Control」を演奏した。
だが3/28以後はアンコールで2曲を続けて演奏するようになり、ダブルアンコールの形式はなくなった。
「Beyond The Time」「Self Control」「REMASTER」と大差ないアレンジだった。


「Self Control」は日替わり曲で、各会場2日目はこれが「Get Wild」に変わった。
「Get Wild」ではイントロでそうる透のドラムが入り、小室が連打する「GeGeGeGe」のサンプリングボイスと絡まりあって、大変攻撃的なイントロとなった。


この「Get Wild」は現在まで音源・映像とも商品化されていない。
2017年には歴代の「Get Wild」を集めた「Get Wild Song Mafia」なる謎アルバムがリリースされたが、このツアーの「Get Wild」も入れてくれればよかったのにと思う。
多分この時の「Get Wild」は、永遠に日の目を見ることはないだろう。


以上の演奏がすべて終わると、ウツは何度目かの「どうもありがとう!」を告げ、他のメンバーとともに退場する。
会場には「REMASTER」の時と同様に、退場曲「You Can Find」が流れて、ライブの終わりを告げた。


この時点ではメンバーもスタッフも、本ツアーは次のTM25周年ライブの前哨戦という位置づけだったはずだ。
しかし結果としては、TMの活動はこのツアーの終わりを以て、4年近い中断期に入ることになる。

SPEEDWAY - TM NETWORK
SPEEDWAY - TM NETWORK

7-39 TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!①

4/21、TM NETWORKが37周年を迎えました。
TMで何かイベントがあったわけではないですが、木根さんはFacebookでTM37周年のコメントを出してくれています。
「いつかまた3人でみんなと会える日を楽しみにしてます」とのことです。


木根さんは4/10・11に、「K-Folk 2021」を開催しました。
予想されたことでしたが、直前になってニコ生配信の告知もありました。
今後のウツや木根さんのライブは、ニコ生配信を前提で行なうのがモデルになりそうです。


ウツの出演はアンコールのみで、年末のようなウツ歌酔曲VS木根フォークの採点コーナーなどはありませんでした。
今回はあくまでも「K-Folk」ですしね。
アンコールはオフコースの「眠れぬ夜」と、TMNの「Another Meeting」でした。
なお4/11のライブ中に告知されたそうですが、ウツが木根さんのラジオ番組「夜ドン!」に、5/9・23にゲスト出演します。


ウツは5/25から東名阪で「「それゆけ歌酔曲!!」ギア-レイワ3」を開催します。
ただ東京・大阪など4府県では、4/25から緊急事態宣言が発出され、公演も無観客で行なうことが要請されました。
現時点で緊急事態宣言は5/11までということになっていますが、どうなるでしょうか。


TM37周年記念日から数日遅れて、ウツFC版のライブBlu-ray「SPIN OFF T-Mue-needs」が会員に向けて発送されました(M-tresへの納品日は4/21だった模様です)。
私はFCには入っていないんですが、会員の方に買っていただき、入手できました(感謝!)。
やはりニコ生より落ち着いて見れますね。音も映像も良いです。
なお前回書きましたが、こちらのBlu-rayの通常版は、6/2リリースとなります。


メインディスクでは、休憩時間とメタルパビリオンの映像はカットされています。
そんなものいらないという方は多いと思いますが、調弦の時間に一瞬だけ演奏してくれた「さよならの準備」も聞けないのは、少しだけ残念です。
なおメタルパビリオンの映像は、エンドロールで少しだけ見ることができます。


FC版の特典ディスクは、メインディスクに収録された2020/12/2中野サンプラザ公演以外の15公演から、1曲ずつ(12/1中野公演のみ2曲)を収録したものです。
ただ大変残念なことに、全部3分程度のダイジェスト収録で、途中で切れるか途中から始まるかしています。


私としては、日替わり曲の「Rainbow Rainbow」「Looking At You」「You Can Dance」「Nervous」「We love the EARTH」くらいは完全収録してほしかったです。
全曲中途半端な収録になるくらいなら、この5曲だけを完全収録してくれた方が数倍良かったです。
特に「Dress」のアレンジが混ざった「Rainbow Rainbow」は全部入れてほしかったですし、生でも配信でも見られなかった「We love the EARTH」も悔しいです。
ちなみにこの機会に数えてみたら、「SPIN OFF T-Mue-needs」の日替わり曲の演奏回数は以下の通りでした。

「パノラマジック」:9回
「Rainbow Rainbow」:7回
「月はピアノに誘われて」:9回
「Looking At You」:7回
「You Can Dance」:8回
「Nervous」:3回
「We love the EARTH」:3回
「Get Wild」:2回


ただし特典ディスクの最後に収録された「年忘れ!!歌酔曲vsフォーク」の、TM NETWORK3人での「Time Machine」の映像は、ちゃんと全部収録されていました。
ここはさすがにカットしちゃいけないとわかっていただけたのですね…
一般流通はしない特典映像とは言え、公式の商品として残してくれて本当に良かったと思います。
次のTMにつながる前史として語るべき映像になると思います。


最後、小室さんですが、TM37周年記念日の眠れない午前2時の少し前、ふくりゅうさんがDJを務めるラジオ番組「Voice Media Talk」で、小室さんのリミックス音源「Running To Horizon (206 Mix)」が流れました。
こちら、先日小室さんがニコ生に出演した時に流したものの完成版で、ミックス名はニコ生の出演日2月6日に因んでいるそうです


さらに番組内では、この音源が4/28にSONYから配信リリースされることも告知されました。
GW直前の小室さんからの贈り物というところでしょうか。
Spotifyなどサブスクリプションサービスでの配信の他、iTunes・mora・amazonなどでもダウンロードできます。


私は4/28に、早速聞いてみました。
上から即興でピアノをかぶせ、リズムセクションを強調したアレンジです。
私としては、ピアノを中心としたイントロ前半部分の演奏が好きです。


SONYのotonanoのサイトでは、配信に合わせて小室さんのメッセージが公開されました。
「原曲はテープではなく、ハードディスクレコーディング時代の最初期の音として誇れるサウンドだったと、今は思っています。その音を30数年たった今、2020年代に届ける機会を頂き、大変感謝しています」とのことです。
小室さん、今は歌詞の方向性で悩んでいるとのことでしたが、まずはこういう過去曲のリミックスから始めてみるのも良いかもしれません。


なお前回も書いたことですが、小室さんが出演した「玉置浩二ショー」が、5/1にBSプレミアムで放送されます。
BS 4K・BS 8Kで放送された前回は見られなかった方も多いと思うので(私も含め)、関心のある方は御覧ください。


以上がここ1ヶ月のまとめです。
では本題に入ります。

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TM NETWORKのツアー「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」は、2008/3/27~5/25の2ヶ月間で、9会場18公演が開催された(その内の3/27・28横浜Blitz公演はFC限定)。
全会場2公演ずつ開催され、日替わり曲を設けて2パターンのセットリストが用意された。
当初発表されたのは5/18までの14公演だったが、後に5/1・2のSHIBUYA-AX公演と5/24・25のZepp Tokyo公演が追加発表された。


それまでのTMの活動歴において、オリジナルアルバムリリースの後は全国ツアーが組まれるのが常だったので、2007/12/5の「SPEEDWAY」リリース後には、ツアーを期待するファンも多かったはずである。
たとえば木根は12/5放送のレギュラーラジオ番組「木根尚登のMy Home Town」で、「TM NETWORK -REMASTER-」を終えた後、地方にも来てほしいというファンのメールを読み上げている。


だが木根はこの時点では、「REMASTER」は25周年(2009年)に向けてのリハビリなので、全国ツアーは25周年まで待ってほしいと述べていた。
「SPEEDWAY」がリリースされても、TMの全国ツアーは告知どころか計画も言及されなかった。


小室は12/16にMySpaceで、翌年の大雑把な予告として「KCOのソロ、globeのRe-Start、TMのさらなるプログレス」を述べ、「TM、globe、新人のPurple daysをひきつれて ASIA TOURの予定もあるので」としてアジアツアー計画に言及しているが、TMの全国ツアーへの言及はない。
なおアジアツアー計画は2001年・2002年に表明された後うやむやになっていたものである。
妄想に類するものとしても、まだ考えていたとは驚きである。


ところが年が明けて2008/1/17、ウツと木根のオフィシャルサイトで、「TM NETWORK TOUR 2008 SPEEDWAY」の開催が告知された。
2008年の年明け早々に小室が同意したことにより、開催が実現したという。
逆に言えば、2007年中には小室が同意していなかったと考えられる。


小室は2008/1/2のMySpaceに、「来週」(1/6~12)にTMのDVD(4月リリースの「TM NETWORK -REMASTER-」か)について打ち合わせがあることを記している。
おそらくこの時に3人で話し合い、ツアー開催を決定したのだろう。


ツアースケジュールはツアー開催告知の半月後、2/1に発表された。
開催決定が年明けだった以上、会場は1月中に確保されたことになるが、1月の時点で3~5月の会場を押さえることができるのかは疑問もある。
しかもツアー日程は、会場が確保しづらい土日が中心となっている。


本ツアーに関しては情報が少ないので推測しかできないが、2007年の間に開催を想定して会場を仮押さえしていた可能性もある。
たとえば2003年にはTM20周年に先んじたTMの全国ツアーが計画されていたが、これが開催できなくなったため、ウツ・木根による「tribute LIVE」の会場に転用することになったと考えられる。
2007年にもTMのツアーを開催する可能性を想定して、ツアー会場を仮押さえだけしていたのかもしれない。


またツアー会場には、本来は別企画で確保していた会場が転用されることもあったらしい。
たとえば小室は1/18のMySpaceで、KCOのソロ活動について以下のように告知している。

single will be 3/12 album will be 4/30
solo event will be 4/5 & 4/6 2days @blitz akasaka.


ここに見えるシングルは「春の雪」、アルバムは「O-Crazy luv」のタイトルでリリースされたが、これと前後して4/5・6には、赤坂BlitzでKCOのイベントが企画されていたことが知られる。
だがこの赤坂イベントは結局実現しなかった。


実は4/5・6には、KCOのイベントが予定されていた赤坂Blitzで、TMのツアーが開催されている.
1月下旬に何らかの事情でKCOのイベントが中止され、会場がTMのツアーに転用されたことになる。
他にも同様に転用された会場があったかもしれない。


TMのツアータイトルは、1月には「TM NETWORK TOUR 2008 SPEEDWAY」とされていた。
アルバム「SPEEDWAY」リリースに伴うツアーという趣旨である。
ところが2/1のツアースケジュール発表時に、このタイトルは「TM NETWORK play SPEEDWAY and TK Hits!!」に変更された。


ツアータイトルの趣旨は、文字通りに取れば「TM NETWORKがSPEEDWAYとTKのヒット曲を演奏する」ということである。
この場合の「SPEEDWAY」は、TM NETWORKの11枚目のアルバム「SPEEDWAY」の楽曲と、1979~81年に活動したバンドSPEEDWAYの楽曲の双方を含意するもので、実際にツアーでは1980年のSPEEDWAYの楽曲も演奏された。


むしろここで注意を引くのは「TK Hits」であろう。
これは小室のソロ曲もしくはプロデュース曲・提供曲などを演奏するという意味に見える。
さらに当時の木根のオフィシャルサイトでは、ツアーの趣旨として以下のような文章が掲載され、ウツ・木根のソロ曲も演奏する可能性を匂わせた(「メンバーが歩んできたそれぞれの軌跡」の文言など)。

彼らがこれまでに作り上げてきた世界を
TM NETWORKからソロワーク、 そしてプロデュースまで、さまざまな形で魅せていきます。
TM NETWORKとして、最新アルバム「SPEEDWAY」を届けに・・・。
そしてメンバーが歩んできたそれぞれの軌跡を届けに・・・。
どんなステージが繰り広げられるかは会場で体感してください!


tribute LIVEでは2005年・2007年の「Spin Off from TM」「Spin Off from TM 2007」で、ソロ曲の演奏が定例化していたが、それと同様の試みが想定されていたものかもしれない。
もしもそうなれば、TMのライブとしては珍しい企画である。
(先例としては1992年の「EXPO Arena」で小室ソロの「永遠と名づけてデイドリーム」を演奏した例がある)
もっとも実際にはウツ・木根のソロ曲は演奏されず、「TK Hits」に当たるのは小室のソロ曲のインスト演奏1曲(日替わり)のみだった。
この程度ならば、ツアータイトルにあえて「TK Hits」を入れる必要もなかったように思うが、当初の計画では「TK Hits」をより前面に出す案もあったのかもしれない。


本ツアーの特徴として、TM史上唯一のライブハウスツアーだったことが挙げられる。
ウツや木根のソロツアーやtribute LIVEでは、すでにライブハウスが中心になっていたが、TMのフルライブはこれまでホールやアリーナで行なわれており、ライブハウスで行なわれたのは、1992年に日清パワーステーションで開催された特別企画「TMN Folk/Metal Pavilion」くらいしかない。
ツアーの会場の大部分はZeppなので、一般のライブハウスと比べれば大規模だが、従来と比べれば観客とTMの距離が近いライブだったということができる。


ツアーの動員規模としては、tribute LIVEの「Spin Off from TM 2007」と同程度であり、TMの動員力への期待値が下がっていたように見える。
日替わり曲を設けて各会場2公演行なうという形式も「Spin Off from TM 2007」と同じである。


観客にとっての大きな変化としては、客席の多くが立見になったことが挙げられよう。
ただし客席前方にはパイプ椅子が置かれ、指定席も設定された(ライブハウスなら前方にスタンディングエリアが設けられることが多いが)。
指定席と立見の比率次第だが、各会場の動員数は1000~2000人程度と見られる。


ただし本ツアーでは1本だけ、ホール会場での公演も予定されていた。
4/29のiichiko大分グランシアタ公演で、渋谷・東京各2公演とともに、3月に追加公演として発表された。
4/26・27にはZepp Fukuoka公演があったが、この会場は1Fを全席立見にしても1526人の規模で、実際には指定席を入れて1000人前後の動員だったと見られる。
これに対してグランシアタは全席指定席で2000人規模の会場だから、1日で福岡2日分を動員しようとしていたことになる。
また全ツアー日程中で、大分のみ1日だけの開催という点も特異である。


大分がKCOの実家であることを考えると、これは赤坂Blitzと同様に、本来はKCOのソロライブ会場として確保していたものだったのかもしれない。
グランシアタ公演翌日がKCOのアルバム「O-Crazy luv」のリリース日だったから、これと連動するライブが予定されていたのではないか。


TMの大分公演は、結局中止された。
TMの単独ライブが公式発表後に中止されたのは、後にも先にもこの時しかない(延期の例はある)。
中止告知は3/31に行なわれ、その理由は「スケジュールの確認ミスにより、急遽公演を中止せざるをえない状況となりました」というものだった。


だが「スケジュールの確認ミス」という説明が事実かは、大いに疑問である。
福岡公演の直後で、しかも大分という地の利の悪さもあり、申し込みが少なく、客席が埋まる見込みが立たなかったのだろう。
グランシアタの規約(当時)では、会場使用30日前を過ぎると利用料金全額をキャンセル料として取られることになっていたため、30日前の3/31に中止の決定を下したと考えられる。


他の地方公演は、仙台・札幌・福岡・名古屋・大阪の5会場だった。
広島を入れず大分を入れたのはさすがに無理があったと思うが、関西以西の公演をあえて減らし、ファンを大分公演に集中させようとしたのかもしれない。


サポートメンバーとしては、ギター北島健二とドラムそうる透が参加した。
ベースの吉田建が参加しなかったことを除けば、「TM NETWORK -REMASTER-」と同じ面子である。
このツアーではサポートメンバーを加えての「CAROL」のインスト演奏など、「REMASTER」と同様の演出も見られた。


「SPEEDWAY and TK Hits!!」「SPEEDWAY」のアルバムツアーとして企画されたものだが、実際に演奏された「SPEEDWAY」楽曲は18曲中で4~5曲に留まった。
「REMASTER」武道館公演でも、SEの「Malibu」を入れれば4曲演奏されたから、アルバム「SPEEDWAY」の比率はほとんど変わらない。


しかも「SPEEDWAY」楽曲は多くライブ序盤に演奏されており、終盤を盛り上げる楽曲の大部分は過去のヒット曲だった。
このライブを通して見た時、その看板とは裏腹に、アルバム「SPEEDWAY」のツアーという印象は非常に薄かったと言わざるを得ない。
それだけ新曲を前面に出すことに自信がなかったということだろうか。
この点で、私は当時大変がっかりしたことを覚えている。


結局このツアーはアルバムツアーの体を装いながら、実質的にはヒット曲を中心に組み立てた「REMASTER」と大差ない内容だった。
ウツもこのツアーについて、基本となる核は「REMASTER」から続く流れで、自分たちとしてもまったく新しいツアーがスタートしたという感じではない、と発言している。


演奏曲は「REMASTER」とかぶっているものもあった。
具体的には、当時定番曲化していた「Self Control」「Get Wild」「Be Together」や、「REMASTER」で目玉とされた「Beyond The Time」の他、「Seven Days War」「Come On Everybody」「Love Train」「Welcome Back2」「Action」は重複する。
またアレンジは異なるものの、インスト曲として「CAROL」が演奏されたのも同じだった。


ただ以上を合わせても、全公演で演奏された22曲(日替わり曲を含む)の中の10曲であり、半分以上は変更されたことになる。
この点は意識的に選曲を変えてきたのだろう。


特に「Girl Friend」をこれ以前にTMのライブでバンド演奏したのは、1988年の「STARCAMP TOKYO」の1公演のみであり、知名度の割には非常なレア曲だった。
「Resistance」も、シングルで人気曲だったにもかかわらず、「TMN 4001 Days Groove」「Log-on to 21st Century」など記念ライブではことごとくセットリストから外されており、1988年の「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」以来の演奏となった。
この2曲の演奏は、極めて貴重だったといえる。


「SPEEDWAY」収録の「Diving」「Priide in the Wind」「Red Carpet」「Teenage」「Malibu」は、このツアーでしか演奏されたことがない。
SPEEDWAYの「Close Your Eyes」も、TMのライブで演奏されたのはこの時しかないが、ウツのソロツアーでは演奏されたことがあり、ウツが気に入っている曲なのだろう。
だがSPEEDWAY楽曲が聞ける珍しい機会だったことを考えれば、他の曲を選んでほしかったようにも思う(「Captain America」「Smile Again」など)。


ライブの時間は2時間超で、初日公演の曲数はSEを除き16曲だった。
ただしセットリストの見直しにより、2日目に「Come On Everybody」が追加され、さらに4/27からは「Malibu」が追加されたため、最終的には18曲になった。
これは2000年代のライブでは、19曲演奏された2004/6/25「Double-Decade Tour Final」に次いで多い曲数である。
2010年代では「START investigation」「Quit30」の演奏曲数はこれよりも多いが、それは短時間の楽曲で構成される「CAROL」組曲や「Quit30」組曲を演奏したためである。
1999年の再始動以後で実質的にもっとも多くの曲を複数会場で演奏したのは、「SPEEDWAY and TK Hits!!」だったことになる。


リハーサルはツアー初日半月前の3/13から始まり、3/24に終わったことが知られる。
5日で終わった「REMASTER」のリハーサルと比べると長期間だが、おそらく連日リハーサルしたわけではないだろう。
小室も「REMASTER」の時よりはリハーサルに来ていたようだが、当時はKCOのアルバムの仕上げ段階だったはずで、万全な状態だったかは一考の余地がある。
ライブ音源も「REMASTER」と同様に、小室自身の関与は限定的だったかもしれない。


ライブアレンジがあまり派手に加えられなかったことは「REMASTER」と共通する。
演奏曲数が多くなったのも、オリジナルアレンジのまま1曲5分程度でこなしていったことが関わるだろう。
また「Seven Days War」のように、「REMASTER」と同様のアレンジが行なわれた曲もあった。


ただ「Love Train」「Get Wild」のイントロは、そうる透と小室のセッションによる化学変化を見せており、注目される。
サポートメンバーの音が強く主張し、ロックバンドのライブとなっているのも、「REMASTER」との共通点と言える。


ツアーのコンセプトは「Double-Decade “NETWORK”」「REMASTER」のように明言されなかったが、小室はMCで70年代ロックを意識したことを述べている。
「SPEEDWAY」自体が自らの音楽的ルーツに戻る作品だったことを考えれば、彼ら自身が若い頃に影響を受けた70年代風のライブを試みたものだったのだろう。
おそらくこれは先行する「REMASTER」においても意識されていたことと思われる。


本ツアーの見せ場であるジャムセッションも、70年代ロックを意識したものだった。
これは小室の提案によるものだったが、木根は「震・電気じかけの予言者たち」で、「70年代、ライブビデオもライブDVDもなかった時代、ライブ盤を聴いても、ライブ会場に足を運んでも、ジャムセッションがお約束だった。小室もそのイメージだったのではないだろうか」と述べている。


個人的にジャムセッションのコーナーは、このツアーの目玉である。
「Time To Count Down」イントロから「CAROL」「Malibu」につながるという大枠は決まっていたが、その演奏内容は即興の要素が大きく、毎回異なるものになった。
十数分間の各演者の競演は緊張感もあり、毎回楽しみな時間だった。
私がTMライブのインスト演奏で全体を商品化して欲しいものの筆頭に挙げたいのは、この時のものである。


ステージの背後には、「SPEEDWAY」のジャケットを意識した大きな時計のオブジェが置かれた。
これは「REMASTER」で用いられたものの再利用である。
ステージでは観客から見てウツが中央、小室が右、木根が左に立ち、その後方には左にそうる、右に北島がいた。
吉田建がいない以外は、「REMASTER」と同様の配置である。


衣装は、ウツは赤のYシャツの上に柄のある黒のロングジャケットを羽織り、小室は着崩した白のTシャツにベージュのジャケット、木根は黒のTシャツに赤のジャケットという出で立ちである。
小室はライブ終盤ではジャケットを脱いでTシャツ姿になった。
ただ各会場2公演あったため、別の衣装もあったと思われる。
ウツはジャケットの下に「REMASTER」武道館公演の黒シャツを着た日もあったらしい。
またアンコールでは、ツアーグッズのTシャツを着る日もあった。

7-39.jpg


本ツアーに関する情報は少ない。
小規模な会場で行なわれたこともあり、テレビや雑誌・webニュースなどでもほとんど取り上げられなかった。


ライブDVDも販売されていない。
最終日に撮影はされたから、DVDリリース自体は計画されていたはずだが(次のTMの活動時にリリース予定か)、その前に小室が詐欺罪容疑で逮捕され、TM25周年企画が流れたため、機会を逸してしまった。
ツアーのドキュメント本なども発売されず、後に出版された書籍でもこの時期への言及はない。
後追いのファンなどは、ツアーの存在自体に気が付かないかもしれない。


ただし2012年にTMが復活した時、4/24・25開催の「Incubation Period」で特典付きチケットを買うと、ニューシングル「I am」やライブパンフレットとともに、ライブDVD「TM NETWORK PLAY SPEEDWAY and TK HITS!! MEMBERS SELECTION!」を入手することができた。
これはツアーファイナルの2008/5/25のZepp Tokyo公演から11曲を抜粋したものである。
収録曲は「SPEEDWAY」楽曲を中心としている。
具体的な内容は以下の通りである(なおMC等は全部カット)。

「Action」「Teenage」「Pride in the Wind」「Close Your Eyes」「Girlfriend」「Seven Days War」「Kiss You」「Be Together」「Malibu」「Love Train」「Welcome Back 2」


特典DVDとしてはまずまずの収録内容と思うが、ここまで出したのならば残りの7曲も出してほしいと感じる。
特に私は「CAROL」「Malibu」「Love Train」の流れが大好きだったので、「CAROL」も含めて全体を通して見たいと強く願っている。


「Girl Friend」と並ぶレア曲だった「Resistance」や、そうるのドラムが加わった大迫力のイントロで始まる「Get Wild」も収録してほしかったところである。
また5/25以外には収録カメラが入っていなかったようなので商品化は不可能だが、日替わり曲の「Diving」「Red Carpet」もぜひ見たかった。


しかしこのツアーへの関心はファンの間で高くないこともあり、今後も完全版の商品化は絶望的だろう。
むしろこのツアーの映像を埋もれさせず一部でも商品化してくれたことに感謝すべきかもしれない。


以上が本ツアーの概略である。
具体的なライブの内容については、次章で扱うことにしたい。

SPEEDWAY - TM NETWORK
SPEEDWAY - TM NETWORK

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