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みんなの「CD作品(シングル)」ブログ


7-4 Castle in the Clouds

2018/05/10 20:02
5/5、「ぼくらの七日間戦争」が来年アニメ化されることが発表されました
え?今頃?と思いましたが、
意外と今の小学生にも人気あるそうですね


「City Hunter」劇場版もそうですが、リバイバルのタイミングから見て、
TM NETWORK35周年を絡めることも前提に動いていたんじゃないかなあ、とも感じさせます
ちなみに3/2からNHKで開催されていた「全ガンダム大投票」の投票結果は5/5に発表されましたが
ガンダムソングス部門では「Beyond The Time」が4位でした


木根さんのソロツアーが発表されました
6/23〜9/16開催で、タイトルは「2525ツアー」とのことです
良く分からないですけど、ソロ25年目のツアーということでしょうか
FC予約はもう始まっているようです


小室さんの近況について、
5/9に「超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE & SHOW 2018」のBlu-rayがリリースされました
現状で唯一のPANDORAライブ映像の商品化となります
2月のbillboardのライブ、商品化しないんでしょうかねえ


4/25には「Guardians」主題歌のショートバージョンMVが公開されました
曲名は「Guardian」です
PANDORAでも組んだBeverlyさんがゲストボーカルを務めています
MVには小室さんも出演し、フルオーケストラでの演奏風景が収録されています


曲はとてもいいですね
こういう聞かせる曲て、久しぶりな気がします
それにMVでは小室さんが目立ちまくりです
avex、小室さんの状態次第では、
復帰の舞台を整えようとしているんでしょうか


同じ4/25には、
小室さんが8/31公開の映画「SUNNY」の音楽を担当することが発表されました
90年代に女子高生だった6人が20数年ぶりに再会する物語で、
6人の女子高生時代のシーンでは、
90年代の音楽やファッションをちりばめて当時を再現するようです
小室さんは90年代を席巻したヒットメーカーとして、このたび登用されました


映画中では当時のヒット曲が用いられますが、
小室さんの曲としては安室奈美恵「Don't wanna cry」「Sweet 19 Blues」
hitomi「Candy Girl」、trf「survival dAnce」「EZ Do Dance」の5曲が使われます
その他に小室さん制作の劇伴24曲が用いられます


この映画、主演は篠原涼子さんとのことです
今回は篠原さんが歌うと言う情報は出ていませんが、
ともかく小室さんの引退完了の直前に、
映画を通じて再び絡むことになりました


この仕事は「Guardians」と同じく、1年前に引き受けた話だったそうです
そろそろ年代的に90年代リバイバルが来るころでしょうし、
引退がなければ、今後もこういう話が来ることになったかもしれないですよね
小室さんは今回のお仕事について、以下のようにコメントしています
「最後」をやたらと強調していますね…

僕は音楽全般を担当させて頂きましたが、最後の僕の映画音楽になります。一本の映画で自分の音をこれほどまで多く耳にする事は中々無いだろうなと思うと同時に、締め切り間近になればなるほど最後の仕事で「映画音楽とは」を教えてもらった気がします。


ただ監督の大根仁さんは小室さんの音楽について、
以下のように言ってくれています

90年代の大ヒット曲はもちろん、2018年の現在でも進化し続けるTKサウンドをご期待ください!この映画を観たら、誰しもが「引退してる場合じゃないでしょ!!」と思うはずです。マジでヤバいですよ。



4/27〜5/3の一週間、ニコニコ動画では、
「小室哲哉GOLDEN WEEK SP〜TK GREATEST WORKS〜」のプログラムが組まれました
特に新しいものはなかったようですが、
この期に及んで小室さんを売り出そうとするのはなぜ?と思っていました


すると5/1に理由が分かりました
小室さんのベスト盤「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」が6/27にリリースされるそうです
リリースはavexですが、収録曲にはavex以外のものもあるようです
(現時点で発表されているものではSONY作品あり)
T盤4枚組50曲、K盤4枚組50曲、
T盤+K盤+ボーナスディスク合計9枚の3パターンでのリリースとなります
値段は4枚組で3500円、9枚組で8500円です


ボーナスディスク…なんでしょうねえ
いや、どうせもうTMの新音源なんて出ないでしょう
ただ9枚組の方は、ソニーミュージックダイレクトでの販売なんですよね
ボーナスディスクにはSONY時代の音源が入るのか…?


以上のように小室さん、意外といろんな情報が出ています
そしてそのような中で、
5/7にインスタグラムが更新されました
引退会見直後以来3ヶ月半ぶりのSNS更新となります


非公開なので私は見られないのですが、
報道によれば、近況の報告があったようで、

「まずはストレスからの精神安定、難聴など。介護の解決策など山積ですが、おかげさまで静かに生活させていただいています」
「皆さまが少しでも笑顔になれる僕の役目は何か、日々考えています」
「また、また、何かしらからから近況が、報告されるかもしれませんが、メディアの皆さんも暖かいです。では、また」


などと書かれていたようです


これを見る限り、堅実に生活を立て直しているようで安心しました
そのような中で、「皆さま」(ファン?)のためにどうすれば良いかも考えているようです
今後も近況が発表される可能性があるとのことで、
まだ何か発表すべき活動や商品リリースがあるということでしょうか


以上、今回は予想外に小室さんの話が多くなりました
では本題に入ります
今回からはようやくTM NETWORKの話です
本ブログ、しばらくはTMモードで行きますね

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2001年1月以来1年以上休止状態だったTM NETWORKに、
ある話が舞い込んだ
日本テレビ開局50周年・吉本興業創業90周年企画キャンペーン「Laugh & Peace 笑いはニッポンを救う。」のキャンペーンソング担当の件である


2002/8/27にはTMが日本テレビで記者会見を行い、
キャンペーンソングの担当と再始動を発表した
同日にはR&Cで、TM NETWORKのサイトが開設され、
「本格的再始動」が宣言された
またキャンペーンソングのCDリリースは10/30とされた


記者会見、1年半ぶりの3人集結。プロジェクトリーダーを中心に。



「Laugh & Peace」のキャンペーンは9/1〜10/5だったが、
その中でも10/1〜5には日本テレビでキャンペーン番組が組まれ、
特に10/5には特番「生ラフピー笑いはニッポンを救う」「Laugh & Peace!! 笑いは日本を救うスペシャル」が放送された
TMの新曲はこれらの番組で公開され、
特番ではTM3人もコメント出演をしている


また10/4〜12には日本テレビ「HAMASHO」という深夜番組のエンディングテーマにも使われたらしい
だがそれ以後はリリースまで18日間、タイアップがなかった
キャンペーンソングとはいっても、ありがたみがあまりないタイアップという印象を受ける


なお2001年4〜6月放送の日本テレビ系列の人気ドラマに「明日があるさ」があった
その出演者は、主演の浜田雅功をはじめ、吉本芸人を中心としていたが、
このドラマの放送終了直後、翌年の映画版「明日があるさ THE MOVIE」の上映計画が発表された
特番「Laugh & Peace」は、この映画の全国公開の日に放送されており、
映画プロモーション企画の発展形という側面もあったようである


キャンペーンソングの話がいつTMに来たのかははっきりしないが、
2002/7/29には小室と木根がこの件で会合を行なっており、
7月中には決定していたらしい
ただ話はこれ以前からあったという
1月のTMのミーティングの時点でも、
可能性の一つとして挙がっていたのかもしれない


7/29の会合には、日本テレビプロデューサーの土屋敏男も加わり、
キャンペーンのコンセプトなどが説明された
土屋は日本テレビの「Laugh & Peace」企画にも関与していた
また人気番組「進ぬ!電波少年」に関わっていたため、
その番組内でもTMの新曲を使うことになっていた
ただし後述の通り、実際には同番組ではほとんど使われなかった


土屋から要求されたのは聴く人に元気を与える明るい曲調であり、
80年代風のテイストだった
また、必ずしも「Laugh & Peace」のコンセプトにきっちりと適合しなくてもよいので、
分かりやすいものを作ってほしいという注文もあった
おそらくTMの前作「Major Turn-Round」や、
globeやGaballなど小室の近作を参照した上で、
「このようにはしてほしくない」と感じたのだろう


こうした話し合いを経て制作されたのが、
2年ぶりのニューシングル「Castle in the Clouds」である
キャンペーンソングと言うこともあり、
耳なじみの良い音で、分かりやすい構成で作られている
作曲は小室哲哉、作詞は小室みつ子が担当した


小室は本作をJ-POPと呼んでいる
明るいポップな曲調で、Aメロ・Bメロ・サビという典型的な構成となっており、
前作「Major Turn-Round」とは大きく異なる作風である
TMに限らず、20世紀に入ってから小室が作ってきたすべての楽曲と異質である
土屋のオファーを全面的に受け入れたということでもあろう


小室はおそらく8月の記者会見の前後に、
本作のプリプロダクションを行なっていた
9/2からは渋谷の文化村スタジオで、
本格的なレコーディングが始まる


ウツはソロツアー「Tour Ten to Ten」の最中であり、
レコーディング参加は9/2・9・20の3日のみだった
9/1は札幌、9/8には大阪でライブがあったが、
その翌日に東京のスタジオでレコーディングに参加した
かなり無理な日程だったことになる


本来のスケジュールは、9/2にウツの仮歌を入れ、
9/9に最終的な歌入れを行なうというものだったと考えられる
9/11にはレコーディングがひと段落したというが、
楽器パートのレコーディングはこの頃までに完了したのだろう
9/13には「Castle in the Clouds」の曲名が発表されている


しかしレコーディングは実際にはもう少しかかった
9/9には小室みつ子もスタジオに来たが、
この時土屋プロデューサ−が歌詞の書き直しを求める一幕があった
音源を何度も聞いたが、釈然としないものを感じたのだと言う
お笑い番組で使うには照れくさいというのが率直な感想だったらしい
土屋が聞いたのは9/2の仮歌入りデモ音源だろうか


みつ子がこの要求に応じて一週間ほど悩んで歌詞を書き直した後、
9/20には新旧両バージョンでボーカルの録り直しが行なわれ、
同日吉田建・小室哲哉がミックスダウンを行なった
土屋はこのためにスケジュールの調整も行なったという
10/1のイベントで楽曲とPVを公開することが決定していたので、
本当にギリギリのスケジュールだった
(この後でPV作成作業となる)


修正前のバージョンは、11/9「電波少年」の番組内で一度だけ流された
お笑い芸人の矢部太郎がアフガニスタンに行って、
会話を学びつつ現地人を笑わせると言う企画があり、
そこで使われたものである
これは後に「キヲクトキロク」に、
「Yabe Version」として1番だけ収録された


「Yabe Version」とシングル版を聞き比べると、
歌詞がまったく変わっていることに気が付く
土屋はみつ子に、ワンフレーズだけ直してほしいと頼んだが、
みつ子は全部書き直したいといってこのようになった
たとえばサビは以下のようになっている

(Yabe Version)
Endless dream 見知らぬ街角で 君はただ一人きりでも大丈夫だろうか
Endless road 大地走る道は いつか探した場所に
たどりつくはず 時間を越えて過ちを越えて
めぐり逢おうもう一度

(シングル版)
Endless night ふたりきりの夜は 君をほんの一秒でも幸せにしたくて
Endless day やりきれない朝は 憂鬱な自分の顔笑い飛ばして
We can bring back Laugh & Peace, We can bring back Laugh & Peace
今日のドアを開けよう


見れば分かるように「Yabe Version」は、
「電波少年」の矢部応援歌というべき内容になっている
これに対してシングル版は、
「笑いはニッポンを救う」のキャンペーンタイトルに沿い、
笑いと幸せをテーマとした、より普遍的な内容である


キャンペーンのキャッチフレーズ「Laugh & Peace」は、
「Yabe Version」には入っていない
実はみつ子は当初依頼を受けた時点で、
このキャッチフレーズに抵抗感があったのだという
だが土屋との話し合いの後、歌詞を考える中で、
自分の言葉として消化できるようになったとのことである


タイトルの「Castle in the Clouds」は、
実はサビの歌詞にもAメロ・Bメロの歌詞にも登場せず、
最後のサビ繰り返しの直前にワンフレーズ登場するだけである
「Yabe Version」段階でも同じ場所に入っていた)
意味は「架空の城」である
この曲名について、小室みつ子の説明を以下に引用しておこう

人が求めるもののほとんどは形のないもので、なかなか手に入らなかったり、届かなかったり…。愛情も、笑いも、平和を望む気持ちも、個人的な夢も、架空の城を求めるようなもの。架空の城のようにすぐに消えてしまうかもしれないけれど、誰かを一瞬だけでも幸せな気持ちにできるかもしれない。できなくても、そういう架空の城を持っていたい――そういう気持ちでタイトルにしました。


これによれば「Castle in the Clouds」とは、
はかないけれども人を幸せな気持ちにできるかもしれないものを表現したものであり、
それは愛情・笑い・平和を望む気持ち・夢などということもできる
人を幸せにできる存在としてのお笑いという点で、
「Laugh & Peace」のコンセプトにも適合する発想だった


ただ正直に言って、上記のみつ子の解説を読まなければ、
歌詞だけ見て「Castle in the Clouds」の意味を理解することは無理だろう
その点ではあまり良いタイトルとは言いがたいと思う


個人的評価を書くと、
本作は歌詞も曲も企画の趣旨によく適合している
企画者の意向に応えた楽曲と言えるだろう


しかしこの曲が好きかと言われれば、NOである
私としては、歴代シングル中でもっとも興味がない曲である
前作「Major Turn-Round」の重厚な音を聞いた後だけに、
ひどくつまらない、「こなした仕事」という印象が強い
業界側で求めるTMの音がこれなのだとすれば、
それに応えることは彼らの魅力を表現する上で何の役にも立たないということだろう


ただ本シングルに収録される「Castle in the Clouds (TK Piano Version)」は結構好きだ
これは小室のピアノを中心とした、穏やかなインストである
最初にピアノ演奏をProToolsで録音した後で、
上からシンセなどを加えたものだという
このバージョンではメロディラインを中心として、
曲のエッセンスをじっくりと味わうことができる


結局のところ、私がこの曲のオリジナルが苦手なのは、
曲のためというよりは、
似非80年代風の平均的なアレンジのためなのだと思う
ただ小室は本作で工夫した箇所として、
ドラムを途中でシンセから生に変えたと言っている
イントロはシンセドラムで、
歌に入ってからは生になっているようである


他にあえて挙げると、
1番の後でオケが一度アコギメインになり、
2番Aメロを通じてだんだん勢いを増していく当たりは、
まあまあ好きなところである
(取り立てて面白いアレンジでもないが)


だが全体としては、
ポップスの定石的なアレンジを組み合わせただけに聞こえ、
私としては聴いていて楽しくなるところがほとんどない


本シングルについては、私はカップリングにむしろ注目したい
「君がいる朝」で、木根作曲、みつ子作詞である
みつ子はコーラスにも参加している
木根が2000年に作ってドラマ主題歌のコンペに提出したが、
最終選考で落とされたことは以前述べた


その後2001年、木根がCO-PRODUCERとして、
この曲をウツのソロ楽曲用に提供する案があった
だがこの時は他にも木根の候補曲があり、
ウツは「Hundred Nights, Hundred Stories」を選んだという
これはROJAMでのウツソロ第一弾シングルとなった「Running To Horizon」のカップリングで、
選曲とレコーディングは5月に行なわれている


こうして「君がいる朝」はお蔵入りしたが、
2002年にTM楽曲として、ようやく陽の目を見ることになった
ウツは曲を知っていたので歌いやすかったと言う
私としては曲の出来としては、
「Castle in the Clouds」よりもこちらの方に軍配を上げたい


作曲はピアノで弾き語りする形で行なわれた
CD音源でもおだやかなピアノが印象に残る
木根はアンプラグドの雰囲気にしたかったといい、
小室もそれを意識してミックスを行なった


実年齢にかかわらず若い印象の曲が多いTM楽曲の中で、
「君がいる朝」は例外的に大人の雰囲気を強く出している曲である
80年代ポップスを意識した「Castle in the Clouds」と続けて聞くと、
なおさらそう感じる
木根はこの頃、40代の大人のTMの歌とはどのようなものかと考えていたという


タイトルの「君がいる朝」からして、
80年代TMではありえないシチュエーションである
みつ子の歌詞は以下のように、
朝に目覚めた男女の模様を描写するところから始まる

朝が来て一筋の光の中にたたずんで
ゆっくりと服をまとっていく君を見ていた
「眠ろうよもう少し」 シーツから手を伸ばしても
たしなめるような微笑みで振り返るだけ


歌詞の内容は、今後も添い遂げるであろう男女の日常の様子を描いたものである
みつ子にとっても等身大の自分が表現できるのは、
実はこういう曲なのかもしれない
曲のテーマは「目の前にある永遠」で、
サビのフレーズにも「ささやかに永遠は目の前にある」とある


本シングルには以上の3テイクの他に、
「Castle in the Clouds」「君がいる朝」「TV Mix」が収録されている
メインボーカルを抜いてオケやコーラスのみを収録した音源で、
取り立てて特筆すべきところもない


さて、本シングルについて触れておかないといけないことがある
私が苦手な「Castle in the Clouds」のアレンジとも関わるが、
編曲に吉田建が加わっていることである
しかも吉田はサポート役ではなく、メインのアレンジャーの立場にあった


小室と吉田の関係は2001/4/15放送の「堂本兄弟」での共演に遡り、
2002年春にはglobeの「category trance」以下のツアーでベースを担当している
2003年にはウツのアルバム「wantok」をプロデュースし、
2007年には「TM NETWORK -REMASTER-」でベースを担当した
吉田は小室逮捕前まで、小室やTMとは意外と深い関係にあった


「Castle in the Clouds」はポップな曲調ということで、
シンセ中心で制作することもできただろうが、
意外にも生演奏を中心に制作されており、
ベース吉田建、ドラム村石雅行、パーカッション大儀見元、ギター土方隆行、キーボード富樫春生が演奏している
後に「Easy Listening」に収録された「Album Version」は、
メインの音がほぼシンセで作られているため、
聞いた時の印象はかなり異なる


ただしこれら生パートのレコーディングは吉田が担当したものと見え、
ライナーには「BAND ARRANGEMENT BY KEN YOSHIDA」とある
小室はADDITIONAL SYNTHESIZERSとして参加しているが、
木根のギターは入っていない
小室は吉田の指揮下でレコーディングされたバンド音源を元に、
最終的に手を加えて、ミックスダウンを行なった


「Castle in the Clouds」の編曲が小室・吉田名義であるのに対し、
「君がいる朝」の編曲は木根・吉田名義で、
小室の名前は入っていない
実際には小室も最後の仕上げとミックスダウンには関わっており、
間奏のシンセパッドはこの時に小室が加えたものだというが、
基本的には木根と吉田によって制作されたのだろう


それまでTMのオリジナル楽曲は、原則として小室が編曲者となった
もっとも例外はあった可能性がある
たとえば「Major Turn-Round」中の木根曲「We Are Starting Over」「Pale Shelter」「Cube」は、
CDのライナーに編曲者が明記されない(小室曲については小室編曲と明記)
特に「We Are Starting Over」はシングルでもあった
(本記事ジラルココさんコメント)
これらは小室以外のアレンジャーが関わっていたようにも思われる


だがそうだとしても、これまで小室以外の編曲者の参加は、
おおっぴらに言われることはなかった
これに対して「Castle in the Clouds」では、
外注した編曲者名が初めて表に出る
この後、2004年シングル「NETWORK TM」収録の「風のない十字路」も、
「君がいる朝」と同様の態勢が取られている


小室はglobeについては2001年「outernet」で一部の作曲・編曲を外注しており、
「global trance」でもリミックスを外注している
この流れの中で、TM作品の制作・アレンジを外注することは、
小室の中でそれほど違和感がなかったのかもしれないが、
TMの歴史を考える場合、かなり特異な状況だった


小室は当時トランスに注力していたが、
日本テレビ側の要求である80年代風テイストの中に、
トランスの要素を入れることは難しい
小室はその落としどころを模索するのではなく、
完全に仕事として割り切ってこの仕事を引き受けたのだろうが、
そうならば小室自身が全面的に関与する必要は必ずしもない
むしろ仕事を職人的にこなすには、
自分よりも吉田の方が適任と考えたものかもしれない


一方globeでは「Lights」以後、全曲小室自ら編曲を行なっており、
温度差を感じるところである
この点については、また別の章で触れることにしたい


なお本作制作においては、
木根が小室によって「プロジェクトリーダー」にされた
1999年にも木根が「マネージャー」と言われたが、それを髣髴させる
「プロジェクトリーダー」木根は、関係者のスケジュール調整や、
R&C・日本テレビ関係者との連絡などを行なっていたようだ
これも小室の無茶ぶり話として木根が冗談ぽく話しているものだが、
やはり小室の積極性が薄いことは否めないと思う


このような問題を抱えたシングル「Castle in the Clouds」は、
2002/10/30にリリースされた
シングルとしては「We Are Starting Over」から2年ぶり、
メジャーシングルとしては「Happiness×3 Loneliness×3」から3年ぶりとなる


ジャケットは黄色い車のドアを横から撮影したものである
「LAUGH & PEACE」のロゴも入っているが、
このロゴは「TM NETWORK」「CASTLE IN THE CLOUDS」のタイトルよりも目立っている
その点でTMのCDという側面よりも、
キャンペーンソングのCDという側面を強調したデザインと言えるかもしれない


なおジャケットには3人の写真は見えないが、
ライナーにはソファーに座った3人の写真が入っている
この写真は、8/27の記者会見の後で撮影したものである


本作はチャートでは初登場9位で、総合3.6万枚の売上である
1999年リリースの前メジャーシングル「Happiness×3 Loneliness×3」は、
当時問題にされるほど低い売上となったが、
それでも9位、8万枚の成績を出していた
そこから見ても半減したことになる


ちなみに再始動後のTMのメジャーシングルの売上は、
だいたい以下のようになる
リリースのたびごとにかなり減少していることが分かるだろう

・1999年「Get Wild Decade Run」23万
・1999年「10 Years After」17万(前作の2/3)
・1999年「Happiness×3 Loneliness×3」8万(前作の約1/2)
・2002年「Castle in the Clouds」4万(前作の約1/2)


TMが2000年に世間の目に触れない形で活動していた間に離れたファンも多かったのだろうが、
それにしてもこの時のキャンペーンソング起用は、
その時に離れたファンを取り戻す効果はほとんどなかったと言って良い


ただしglobeも2001年にはシングルで10万枚程度の売り上げを出していたが、
最新作「dreams from above」(2002/7/31、globe vs push名義)は、
12位、2.5万枚の成績に終わっている
そのような中での「Castle in the Clouds」の成績は、
小室関係の作品としてはそこそこだったともいえる


だが状況は、小室にとって楽観視できるものではなかった
小室作品の売上減少があらゆる部分で顕著になってきており、
その大勢はキャンペーンソングのタイアップを得ても変わることはなかったということである
小室のやる気も引き出されることはなかった
この点については、次章以降で触れることにしよう


CASTLE IN THE CLOUDS
R and C Ltd.
2002-10-30
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 24 / トラックバック 0 / コメント 14


6-25 We Are Starting Over

2015/06/30 02:08
6/19DVD/BD「Quit30 Huge Data」収録内容が発表されました
「Quit30」「Quit30 Huge Data」を丸ごと収録し、
小室さんのコメンタリは付かないようです
それにしても「Huge Data」の小室ソロ、「HUGE DATA」という曲名なんですね
あれって毎日変わったんですけども、他の日も「HUGE DATA」なのかな


6/20には電子書籍限定で、
「TM NETWORK 30th FINALアフターパンフレット」発売されました
アフターパンフレットなる部類が存在するんですね
私、初めて聞きました
iPad・iBooks対応のプレミア版は、「各メンバー目線の360°パノラマ画像」が付いているようですが、
私はiPadもiBooksも持っていないので、通常版をDLしました


内容は基本的に「TM NETWORK 30th Final」の写真集ですが、
真ん中では「TM NETWORK 30th Final ANOTHER MEETING」と題して、
合計7頁を使ってウツ・木根さん・小室さんへのインタビュー記事が掲載されています
(3人同時ではなく各人個別のインタビュー)


インタビューは4/17「TM NETWORKのオールナイトニッポン」の前に各人20分ずつ行なったそうです
もしも「30th Final」のDVD/BDにメンバーのコメンタリなどが入らなかったら、
このパンフが30周年最後に提供される情報ということになりそうです
インタビュアーは不明ですが、大したことは聞いていません


気になる発言としては、CAROL2は2013年「START investigation」でやって、
そこで一応終了する可能性があったということです
2013年はウツの体調もあって、
外人ボーカルの「CAROL」組曲が披露されましたが、
これが中途半端だったため、2014年にちゃんと完結させることになったのでしょうか
「START investigation」ではTMの後任潜伏者がメインでCAROLの物語はおまけでしたが、
当初は違う物語になる可能性もあったようです


「30th Final」関係では、小室さんの長すぎるキーボードソロについて、
ウツが「僕からみると、ありがとうって感じなんですよ、僕が休めて」と言っています
やはりウツの休憩時間を稼ぐ演出だったんだろうなと思います


一方で木根さんは、濃いFANKSから3人でやってくれとか言われるため、
ソロがやりづらくなるとか、ソロも応援してほしいとか言っていました
まあこれからはソロ活動をするわけだから、そういいたくはなりますよね


6/24には小室さんの「パンチライン」サウンドトラックが発売になりました
私は聞いていませんが、どんな感じだったのでしょうか
アニメ自体は見ていませんが、主題歌はたまに町でもかかっていますね
(主題歌は小室さんじゃないけど)
公式サイトでは一部試聴もできます


6/10・14には小室さんの2度のニコ生特番が組まれました
私は見ていませんが、基本的にはglobe20周年の企画で、
リミックスアルバム収録曲の発表やレコーディング風景の生中継などを行なったとのことです


6/14には途中で立岡さんが来て、TMのDVD/BDの打ちあわせも行なったそうです
もちろん、あえてこの時間に打ち合わせを入れたのでしょう
また前回のかっとさんのコメントによれば、
番組中に小室さんが即興で演奏をしたそうですが、
その中には「Girl」「Time To Count Down」「Human System」もあったそうです
「Girl」とは良いですねえ


ウツは6/20・21に「それゆけ歌謡曲!」公演がありました
また6/18には、急遽6/23の赤坂BLITZ追加公演が発表されました
C-C-Bの公演が渡辺英樹さんの急病で中止になって会場が空いてしまい、
これを埋めるために開催を決めたそうです


9/26からのU_WAVEツアーも決定しました
土橋さん、レベッカと同時並行でやるんですね
6/27にはウツと土橋さんがbayfmの「Touch! THE DREAM」に出演しました
放送された番組は7/6午前までbayfmのサイトで公開されています
番組ではTM30周年についても質問がありましたが、
ウツはU_WAVEのこと以外は関心がないようで、ほとんど何も回答してくれませんでした(泣)


木根さんは6/14にJFN系列の「あ、安部礼司」に出演しました
安部さん、TMファンだったようです
木根さんも出演するラジオドラマ風な内容でしたが、
オープニングが「Give You A Beat」だったり、
「Happiness×3 Loneliness×3 (Club Mix)」「Get Wild Decade Run」「MESSaGE (KIOKU REMIX)」「Love Train (Extended Mix)」
がBGMで使われたり、いちいちマニアックでした
木根さんの弾き語りによる「Seven Days War」も流れました


7/5からは木根さんがBSフジで毎週26:30〜27:00、
音楽通販バラエティー「木根テレ!」という番組を始めるそうです
(初回はサッカー放送のため26:40開始)

MCを務めるのはTM NETWORKの木根尚登。青春の音楽を中心に、映画や演劇などエンタテインメント全般を扱う「テレビレコード店」だ。しかし、販売する商品の解説よりも、アコースティックギターの弾き語りや、70's&80'sなどの懐かしい話をする、世界一ユルイ通販番組とも言える。

サブMCは藤井徹貫。30年以上のキャリアがあるベテラン・ライター。TMの全国ツアーに完全密着してドキュメンタリーを書くなど、TMの裏も表も熟知している。


音楽通販バラエティー…? なんですかそれは
お勧めのCDについて木根さんが語って、それを番組でも販売するみたいなことでしょうか
それにしても徹貫もまたついて来るんですね
もういい加減TMからは独立して欲しいものです
なお番組のTwitterアカウントも開設されております


以上、近況でした
では本題に入ります
ROJAMシングル三部作の最後です

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ROJAM第三弾シングル「We Are Starting Over」は、
おそらくTM NETWORKの歴代シングルでもっとも影の薄い曲の一つだろう
だがこの曲はTM史上異例なシングルでもあり、注目すべきものである


それは作曲を木根尚登が担当しているという点である
TMはデビュー以来、シングル表題曲は、
すべてリーダー小室哲哉が作曲にたずさわった
小室・木根共作の「Your Song」の例はあるが、
木根単独で作曲した例はそれまで存在しないし、この後もない
厳密には木根作曲の「80's」「Happiness×3 Loneliness×3」と両A面扱いだったが、
実質的にはカップリングに過ぎなかった


そのような中での「We Are Starting Over」リリースは、
インディーズレーベルゆえ可能になったことだろう
TMがavexに移籍した今、
木根曲のTMシングルがリリースされる可能性は低く、
その意味でROJAM期に本シングルがリリースされた意義は大きい


そもそも再始動後のTMは、「80's」を除いて木根の曲を発表してこなかった
「終了」以前でも木根曲は、
アルバム後半の隠れた名曲として収録されることが多く、
アルバムリリースまで木根曲が出なかったのは仕方ないところもあったが、
再始動後1年半を経て、そろそろ木根曲を、
しかもキネバラを聞きたいと思うファンも少なくなかっただろう
「We Are Starting Over」はそのような中で、
実に1991年「EXPO」収録の「大地の物語」以来、
9年ぶりに発表されたキネバラだった


本シングルはROJAM POPSHOPで、
3枚のTMシングル中もっとも早く売り切れた
アルバムリリースの1ヶ月前リリースの本シングルが一番売れたとも思えず、
プレス枚数が少なかったのだろう
「グータラ日記。」によれば、2009年1月の時点ですでに品切れだったらしい


収録音源が「Straight Run」「TV Mix」「Instrumental」の3トラックなのは、
前作「Ignition, Sequence, Start」と同じである
PVも前作同様に作られなかった


ジャケットは白い円形の中に赤青オレンジ3色の球体が浮かんでいるというものである
この球体は「Ignition, Sequence, Start」のジャケットにも登場するが、
そこではガラスのコップの中に球体が浮かんでいる様子が描かれていた
「We Are Starting Over」で球体の外にある白い円は、
おそらくこのコップを真上から見たものだろう
オレンジの球体が一つコップの外に飛び出しており、赤も一つ飛び出そうとしているようであるが、
逆に球体がコップに吸い寄せられている場面なのかもしれない



「Ignition, Sequence, Start」ではコップの上がガラス版のようなもので抑えられ、
球体はコップ内に封じ込められている
「We Are Starting Over」のジャケットは、
この封印が解かれた後なのか、もしくは封印が施される前なのか
また球体は「Ignition, Sequence, Start」では各色3個ずつだったが、
「We Are Starting Over」では4個ずつであり、各1個増えている
これもなぜなのか
これらの点は、いかようにも解釈ができるだろう


また「We Are Starting Over」ジャケットの視点は、
コップを外から眺めている「Ignition, Sequence, Start」よりも球体に接近している
次の「Major Turn-Round」ではさらに球体に接近しており、
マクロからミクロへ、CDごとに次第に視点をシフトしていっていることになる
もっともここにメンバーの意向があるのか否かは不明で、
デザイナーのアイデアに一任されていた可能性も否定はできない


タイアップとしては、非常に微妙なところだが、
2000/12/26〜31の6日間限定で、
サークルK洋風弁当のCFソングに使われた
(自分は全然記憶にない)
サークルKがスポンサーだったTMレギュラーラジオ番組「Beat Club」が関わっているのだろう


本作は、実は「Major Turn-Round」収録曲の内、
もっとも早く作られた曲である
1999/10/8〜31木根の「Talk & Live vol.5」は、
小説「ずっと好きだった」発売に合わせて行なわれたソロツアーだが、
この時に未発表の新曲として、
「We Are Starting Over〜ずっと好きだった〜」が披露された


同ライブのパンフレットには、
この曲のインスト音源を収録したCDが付録されていた
後に「キヲクトキロク」に収録された「Naoto Kine Piano Instrumental Version」に当たるもので、
ライナーによれば、レコーディングは1999/9/9である


この1ヶ月後、ツアー開始までに、
「We Are Starting Over」には小室みつ子の歌詞が付けられた
木根はこの時点でみつ子に、
TM NETWORKの歌詞としてお願いしていたという
つまり将来TMの曲としてリリースされることが想定された曲だった
2000年3月リリース予定だったアルバムに収録するつもりだったのだろう


再始動後最初に発表されたみつ子詞のTM曲は「Happiness×3 Loneliness×3」だが、
小室は歌入れ予定日の1999/10/4までにこの曲のオケを仕上げることができず、
日を改めて10/6に歌入れが行なわれた
「Happiness×3 Loneliness×3」の作詞は10/5・6の間ということになる


これは「talk & live vol.5」初日の2・3日前に当たる
「We Are Starting Over」の作詞はすでに終わっていただろう
ならば再始動期TMのためにみつ子が初めて歌詞を付けた曲は、
「We Are Starting Over」だったことになる
ただ私は木根の1999年バージョンを聞いたことがないので、
TMバージョンと歌詞がまったく同一だったかどうかは分からない


なお2010年発売の「木根本」にある木根コメントによれば、
この曲は観月ありさ主演ドラマの主題歌のコンペに提出し最後の2曲まで残ったが、
アップテンポの曲が良いということで落選したという


しかし木根は2006年のライブMCで、まったく同じ話を、
「君がいる朝」(2002年11月シングル「Castle in the Clouds」カップリング)のエピソードとして語っている
(観月ありさのドラマやアップテンポの曲の件まで一致)
「新・電気じかけの予言者たち」にも、
「君がいる朝」が2000年に作られ、
その後ドラマ主題歌のコンペに提出されたが、
アップテンポの曲に敗れたことが記されている
話の具体性や発言の時期を考えても、
ドラマ主題歌に落選したのは「君がいる朝」が正しいのだろう


「We Are Starting Over」に話を戻そう
小室がロスで作った「Ignition, Sequence, Start」のオケを受け取ったウツ・木根らは、
2000/9/12・13東京で歌入れを行ない、
木根がその音源を持って9/14ハワイの小室スタジオに向かったことは前回触れた
この時木根はTM用に作り直して仮歌も入れた「We Are Starting Over」のデモも持ってきた
「Ignition, Sequence, Start」レコーディングの合間に作成したものだろうか
9/15小室はこれを聞き、次のシングルにすることを決めたと言う


9/26には「Ignition, Sequence, Start」の配信開始と同時に、
第3弾シングル「We Are Starting Over」の10/25配信がROJAM.COMのサイトで告知された
9/15に木根曲のシングルリリースが決定しなかった場合、
10日以内に別の候補曲を決定する必要があったことになるが、
実際には「We Are Starting Over」をシングルとすることは木根渡米前にほぼ決まっていたのだろう
少なくとも木根がシングル候補曲を用意することは既定路線だった可能性が高い


ともかく小室は木根からデモテープを受け取り、編曲の作業に入った
9/18には葛城哲哉がハワイのスタジオに来て、
この曲と「Cube」のギターの仮パートを入れている
だが小室のオケ作りは予定よりもかなり遅れ気味になっており、
10/2・3の歌入れ予定日に間に合わなかった
そこで仮オケの上に、
東京で木根のコーラス・エレキピアノと葛城のギター(10/2)とウツの歌(10/2・3)を入れ、
アメリカの小室がこれを受け取ってオケを完成させるという、
TMとしては珍しい形によって楽曲制作が行なわれた


ウツはこの曲をTMの曲として歌うのがしっくりこなかったという
木根の中で熟成され、
デモテープの仮歌でも木根ソロの雰囲気が色濃く出てしまったのかもしれない
しかしこの点は、ウツと木根の努力によってなんとか克服したようである


その後10/20にバリ島のスタジオでトラックダウンが行なわれ、
11/1に東京でマスタリングが行なわれたという
10/25に配信が開始され、CDシングルは11/27にリリースされた
この日程を見る限り、配信音源とCD音源はマスタリングが異なっていることになる


本曲はトラックダウン済みの音源が数パターンあり、
小室はその中からシングル用に1つの音源を選びマスタリングを指示したという
おそらくこの時にCD化されなかったトラックダウン音源の一つが、
ラジオ局などに配布されたプロモーション版音源である
本曲は配信音源やCD音源ではフェイドアウトで終わるのに対し、
プロモーション版音源ではカットアウトで終わっている


「We Are Starting Over」は本来「Major Turn-Round」のコンセプトとは関係なく作られた曲で、
アルバム中ではコンセプトが決まる前に作られた「MESSaGE」とともにプログレ色が薄い
そのため前作「Ignition, Sequence, Start」と比べると、
典型的な歌モノとして作られていることもあり、聞きやすく覚えやすい
曲の構成も、2番が終わった後にサビの繰り返しを入れずあっさりと終わる
そのためTM曲としては珍しく4分しかない


シングル版の基本的なメロディは1999年のアコースティック版と変わらない
ただ1999年版では非常にシンプルだったイントロが、
シングルではかなり追加されている


1番Aメロ・Bメロはアコギ中心で展開し、
サビに入るとエレキギターとドラムが入る
意外とサビで盛り上がる構成である
サビ最後のウツのボーカルも、結構熱い
2番はAメロにドラムが入る以外は同様の展開である
複雑な構成だった前作「Ignition, Sequence, Start」と比べると、
一般的で聴きやすい作りとなっている


イントロと間奏ではキラキラしたシンセ音が目立つ
これはBメロを除くすべての部分で使われている
この音は「Major Turn-Round」収録の「Album Version」では、
イントロを除いてあまり目立たなくなっている
逆に言えば、シングル版を特徴付ける音と言って良いだろう


長大なプログレ組曲や、3/4拍子・6/8拍子の曲などが詰め込まれた「Major Turn-Round」の特異な空気の中で、
この曲は特に地味な印象を受ける
「MESSaGE」「Ignition, Sequence, Start」の存在感と比べると、
「We Are Starting Over」は事前に情報がないとシングル曲とは気付かないだろう
むしろ同じ木根バラでも「Cube」の方が存在感を感じるほどである
キラキラしたシンセ音も、この点を勘案して、あえて色を付けようとしたものかもしれない


ただ自然に盛り上がるメロディラインはさすが木根と言うべきで、
アコギやピアノで弾き語りで歌う分には、とても適した曲である
「Major Turn-Round」で歌メロが一番魅力的な曲はこれだと思う
鼻歌でも、とても気持ちよく歌うことができる1曲である
メロディメーカー木根の面目躍如ともいえるだろう
小室は初めてこの曲を聴いた時、John Lennonをイメージしたという
また、「Major Turn-Round」で一番TMらしい曲だとも言っている


小室みつ子の歌詞についても触れておこう
歌詞の内容は、町を出た主人公が2年ぶりに女性に再会し、
「それぞれ選んだあしたを試して君の場所に戻ってきた」
「さあもう一度出合いなおそうはじめから…」と告げるものである
「Confession」「Get Wild」「Resistance」などで用いられた、
町を出る男性(または女性)と見送る女性(または男性)という構図である


もっともこのストーリーは、TMとファンの関係の投影でもあるらしい
曲名は日本語で「僕らはやり直す」と言う意味だが、
これはTMの再始動宣言でもある
木根はみつ子に「3人が再スタートするような歌詞」を依頼したという
つまりこの歌詞の主人公はTMの3人であり、
TMが「出合いなお」す「君」とは、TMのファンにほかならない
3人は古巣であるTMファンの元に帰ってきて、
再びTMとして活動を始めるというわけである


ならば主人公が町を出た「2年前」という数字も、
具体的に何を意味するのか気になるところである
作詞された1999年の2年前なら1997年、
TMの楽曲として発表された2000年の2年前なら1998年となる
前者ならばTM再始動宣言の年、後者ならば再始動予定の年となる
ただ1999年に発表された時点では「5年前」だったという情報もある
(本記事通りすがりさん・kuri566さんコメント参照)
その場合は「終了」時に3人が言っていた、いつか3人でまた音楽をやると言う約束を意識していることになろう


ともかくもこの曲のテーマは、TMとしての再スタートである
これは「MESSaGE」「Ignition, Sequence, Start」と同じであり、
ROJAM期3枚のシングルはすべて再始動表明がテーマとなった
実は「We Are Starting Over」が最初に作られていたのだが、
発表順が最後だったため、
ファンにとっては「またか」という感想もあったかもしれない


なお本作に登場する女性は、みつ子のイメージでは主人公の幼馴染で、
「Girlfriend」「Time Passed Me By」の歌詞の女の子が成長した姿らしい
歌詞について言えば、この時期のシングルには、
「Fool On The Planet」→「Nights of the Knife」→「MESSaGE」
という流れと、
「Time Passed Me By」→「Girlfriend」→「We Are Starting Over」
という流れがあったことになる


最後にライブでの演奏例について触れておくと、
実は「We Are Starting Over」は、
ROJAM期シングルの中で唯一、
「Tour Major Turn-Round」以後に歌付きで演奏されたことがある
2004年、20周年記念ライブ「Double Decade “NETWORK” in YOKOHAMA Arena」である
「MESSaGE」は2000年「Log-on to 21st Century」
「Ignition, Sequence, Start」は2001年「Rendez-vous in Space」での演奏例があり、
3枚のシングルはそれぞれツアー以外に一回ずつ演奏されたことになる


また木根唯一のTMシングル曲ということで、
木根のソロライブでも比較的頻繁に演奏されているようである
2009/5/5「talk & live 番外編 vol.9」吉祥寺公演の木根ソロライブ音源は、
2009年にiTunesで配信されている


ウツも2000/12/23〜24開催のファンイベント「Magnetica Millennium Live in Nemu」で、
葛城哲哉・山田亘をサポートとして、
TM曲から本曲と「Dreams of Christmas」を演奏している

(2015/6/30執筆、2016/6/16加筆)

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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 13 / トラックバック 0 / コメント 19


6-24 Ignition, Sequence, Start

2015/06/12 03:50
BD/DVD「Quit30 Huge Data」のmumo予約特典が発表されました
A4クリアポスターで、BD2枚組・BD通常版・DVDの3種類で共通とのこと
予約する方は参考にして下さい
なおamazonなどで買えば2枚組版だと4000円の割引になります


また電子書籍限定のTM30周年第5弾パンフの発売が6/20に決まったそうです
(前回記事haruさんコメント)
ずいぶんと直前に告知するんですね
発売日はウツソロライブ「それゆけ歌酔曲!」の日ですが、意図的に重ねたんでしょうか
ウツライブのチケットは6/13からローチケで一般発売ですが
こちらもすごい直前ですね
多分ほとんどがFCで販売済みなんでしょう


今月発売した「Keyboard Magazine」2015年夏号では、
「機材で振り返るTM NETWORK30周年ライブ」の特集が組まれています
また「小室哲哉が語るJD-XA」の記事もあります
しかしメンバーが語るTMの記事は特に無いようです


この半月ほど、小室さんはテレビやネット生放送などに積極的に出演しています
6/24には「パンチライン」のサウンドトラック、
8/5にはglobeリミックスアルバム「Remode」がリリースされます
また7/11には渋谷VISIONに出演するそうです
6/14には木根さんがTOKYO FM系列「あ、安部礼司」出演します
10/31木根さんソロライブ、夜の部以外に昼の部も追加公演が決まりました


今回近況として取り上げる話題は以上です
20日近くあってこの程度、
しかも多くはソロの話題ということで、
30周年も終わったんだなあと思います
小室さんも755などで、5/24のTM NETWORK DAYにまったく言及しておらず、
頭はglobeに行っているようです


そこでこの機会にふと考えてみたのですが、
2012〜15年にはかなり多くの楽曲が演奏されてきました
その中には意外な曲も少なくありませんでした
ということで演奏された曲数を、
インスト・SE・リミックスを除いて以下にアルバムごとに一覧にしてみました

「Rainbow Rainbow」:3/9
「Childhood's End」:2/10
「Twinkle Night」:1/3
「Gorilla」:3/9
「Self Control」:3/9
「humansystem」:5/10
「CAROL」:9/13
「Rhythm Red」:4/10
「EXPO」:4/9
「Major Turn-Round」:1/6
「Easy Listening」:1/5
「SPEEDWAY」:1/8
「Quit30」:13/17
その他:7/16(「Time Machine」「Get Wild」「Dive Into Your Body」「Wild Heaven」「一途な恋」「Nights of the Knife」「Green Days」


こうして見ると、「終了」以前の作品jに関しては、
「CAROL」を例外として、あとは意外と同じような感じです
「humansystem」が多目というくらいでしょうか
「Rhythm Red」「EXPO」は木根ボーカル曲が各1曲ずつあったという特殊事情があり、
これを除けば「Self Control」以前の作品と同じです


一方再始動後の作品は、どれも1曲ずつです
たしかに少ないとも言えますが、演奏はしたということは、それなりに重要でしょう
この時代の曲も黙殺せず、TMの歴史に組み込んでいるということだと思います
以上を踏まえると、だいたい「終了」以前のアルバムは3曲前後、
再始動後のアルバムは1曲ずつ演奏するという感じだったようです


しかしこの平均値を見ると、
「Childhood's End」はもう一曲くらいやっても良かったんじゃないかな…
「START investigation」で当初の案の通り「八月の長い夜」をやっていれば、
これも平均値に達したんですけどね


30周年はもう終わってしまいましたが、
次の活動が始まる時には、今回やらなかった曲もいくつかやって欲しいです
参考のためにやってほしい曲トップテンをここに書いておきますので、
どうぞよろしくお願いします!(何を?)
「Electric Prophet」「Dive Into Your Body」「一途な恋」みたいに、
一部しか演奏しなかった曲も、フルコーラス演奏をお願いしたいのですが、
きりがないのでそこらへんは外してあります


1. 「Dragon The Festival」
2. 「Maria Club」
3. 「Faire La Vise」
4. 「World's End」
5. 「MESSaGE」
6. 「TIME」
7. 「パノラマジック」
8. 「Iginition, Sequence, Start」
9. 「This Night」
10. 「Fighting」
次点 「Tomorrow Made New」「Winter Comes Around」
番外「17 to 19」



それでは本題に入ります
演奏して欲しい曲第8位の「Ignition, Sequence, Start」です

--------------------------------
ROJAM第1弾シングル「MESSaGE」が、
ROJAM移籍とTM interNETWORK構想を背景としていたのに対し、
第2弾シングル「Ignition, Sequence, Start」は、
TMの9thアルバム「Major Tunr-Round」を意識し、
そこへ向かう方向性を明確に示した作品であり、
実質的な意味で「Major Turn-Round」のリードシングルと言える


ジャケットのデザインは、
コップの中に赤青オレンジの3色の球体が3つずつ浮かんでいるというものである
自分は赤青黄と思っていたが、
メンバーは赤・青と「オレンジ」であると発言しているらしい
(本記事cupolaさんコメント)


この球体は「We Are Starting Over」「Major Turn-Round」ジャケットにもあり、
さらに「Tour Major Turn-Round」のパンフレットでは、
3色の球体が溶解し崩れていく様子が描かれている




「Major Turn-Round」ライナーの写真では、
小室が青、ウツがオレンジ、木根が赤の球を持っており、
各球体はそれぞれTMのメンバーを表現しているらしい
色の組み合わせは違うが、「終了」時の黒赤青3色と同様の発想だろう


本作が示した方向性は、プログレッシブ・ロックである
2000年7月下旬、「Log-on to 21st Century」のリハーサルの時、
3人で「次はどういうことやろうか」という話になり、
3人が好きだったプログレをまだやっていないことに気づいた
そこで小室はライブ後、
本作「Ignition, Sequence, Start」の制作に着手し、
これが完成したことによって、プログレで行くことの確信を得たという
それほど会心の出来だったのだろう
それまでTMはなかなか動かなかったが、
プログレという方針が決まってからは早かったと、後に小室は言っている


「Ignition, Sequence, Start」の曲名は、
NASAのロケット打ち上げカウントの後、打ち上げ直前に言うフレーズに由来し、
再始動期TMもいよいよ点火され発進するという意味を込めたものである
この曲名はデビュー当初に「パノラマジック」で使う案もあったが、
没になって以後温存されてきたものだったという


作詞は前作に続いて小室みつ子となった
本作を皮切りにレコーディングされた一連の「Major Turn-Round」楽曲は、
すべて小室みつ子の作詞となっている
みつ子は小室から曲と曲名だけ与えられ、それを元に作詞したが、
「めちゃめちゃ難しかった」「実は泣きそうだった」とのことである


この曲は後述の通り複雑な構成となっており、
みつ子はまず曲の構造を解読するところから始めたという
「壮大なパズルみたいで、言葉を載せてやっと構成がわかる感じ」
との感想だった
たしかに大変だっただろうと思う
歌詞の内容はタイトル通り、TMの再始動を告知するものとなっている

予告なしで始めよう 無謀なほど楽しいさ
君がいるから We are ready to fight.
明日があるから We are ready, tonight.
ぎりぎりリミットまで Now we’re ready to fight.
疲れ果てるまで Now we’re ready tonight.


それにしてもここまできてやっと点火かい…という思いも拭えないが、
曲自体は何かに目覚めたかのように、
それまでにない攻撃的なロックナンバーとなっている
確かにTM NETWORKはこの曲で、
真の意味で再始動したように思う
(ただし本作リリース後3ヶ月で活動を休止するが)


小室は「Log-on to 21st Century」終了後数日置いて、
2000/8/2から「新曲」の制作に入った
この「新曲」には「Ignition, Sequence, Start」も入っていたと見られ、
8/17にはバリ島で、木根・葛城哲哉・久保こーじも交え、
デモトラックのレコーディングが行なわれている
葛城のTM参加は「終了」以来のことである


小室は「Log-on to 21st Century」の頃からスイッチが入ったようで、
以後年末まで数ヶ月間、本気のTMモードに突入する
本作の音源を制作していた8月終わりには、
小室と木根は長時間話し込む毎日で、
木根も「小室とこんな長電話した記憶はない」というほどだった
9月頃にレコーディングされたglobe「Don’t Look Back」も、
globeでは珍しくプログレ色の強い作品となっているが、
「Iginition, Sequence, Start」の影響下に作ったと小室が言っている
小室の中でTMがメインになっていたことがうかがえる


小室はバリでのレコーディングを終えた後、ロスへ飛び、
9/5にバックトラックを完成させ、翌日にかけてガイドボーカルを入れた上で、
ウツ・木根および小室みつ子にこれを送った
みつ子には9/6に作詞依頼をしたという
この後の制作過程は資料によって日付が一定しないが、
小室側の情報によれば、
9/8〜10にウツ・木根・葛城の3人でボーカルやギターをレコーディングし、
9/11に木根がハワイに飛んで小室に合流、
翌日にかけて最終的な仕上げが行なわれたとされている


一方木根側の情報によれば、
9/10木根とみつ子が都内のスタジオで打ち合わせを行ない、
9/12・13にウツ・木根・葛城がレコーディングを行ない、
木根の渡米は9/14となっている
ウツ側の情報ではウツの歌入れが9/12・13とされ、
木根の情報に一致する
少なくとも日本でのレコーディング日程については、
実際に関わったウツ・木根の説によるべきと思う
木根の情報ではさらに9/15〜17に「Pale Shelter」「Cube」が制作されたことも知られるが、
9/11渡米説では9/12・13が空いてしまうので、
この点からも木根の渡米は9/14の可能性が高い


木根がハワイで小室に再開した頃、
小室はすでに大作「Major Turn-Round」組曲の制作に着手していた
木根はスタジオで小室とアルバムの方針を打ち合わせたが、
「Ignition, Sequence, Start」は手直しの必要がないという結論になり、
まもなく9/17にEddie Delenaのミックスを経て、
9/23に東京でマスタリングを終えた


特に男らしいコーラスは小室にも好評だったらしい
「it’s gonna be alright」から「MESSaGE」まで、
再始動後のTMは小室のコーラスが目立つ曲が多い
これ自体はよい悪いの問題ではないが、
あまり力強い印象を受けるものではなかった
それに対してこの曲は木根・葛城のコーラスによって、
珍しく暑く力強い雰囲気の曲に出来上がった


「Ignition, Sequence, Start」の音が初めて公開されたのは、
2000/9/15日本テレビの「コムロ式 その後…」である
番組は「Log-on to 21st Century」のライブ映像を中心とした内容で、
CMも小室関係のもので占められていた
その一つは小室の音楽通信講座「TK Music Online」、
一つはROJAM新曲のリリース情報だった


このうち後者では、BGMに「Ignition, Sequence, Start」のイントロが使われ、
「Iginition, Sequence, Start」とKiss Destination「口笛に咲く花」の楽曲タイトルが表示された
ウツのボーカルは流れなかったので、
おそらく9/5に完成したバックトラックの音源を用いたものだろう
つまりこのCMの音源は商品版以前のラフミックスだったはずで、
15秒とはいえ貴重な音源ということになる


通常は曲のトラックダウンが済むと、
1ヶ月程度でCDのプレス・梱包が終わり、流通に乗せられる
だが「Ignition, Sequence, Start」は、
これと異なる試みが行なわれた
楽曲をCDとしてファンに届ける前に、
音源が完成してすぐ、ROJAMのウェブサイト上で、
フリーダウンロードできるようにしたのである
これこそがROJAM.COMの目玉企画の一つだった


ブロードバンド環境が一般家庭に十分に広まっていなかった当時、
音声ファイルのダウンロードは必ずしも快適なものではなかったし、
サイト自体の回線の太さも問題になったが、
(アクセスが集中する時に十分な回線を提供できていなかった)
試みとしては現在につながる発想である


この実験は9/26、「Iginition, Sequence, Start」「口笛に咲く花」の2曲から始まった
日付は木根の誕生日である
「Ignition, Sequence, Start」の完成は9/23だから、
実に完成から3日で音源がリスナーに届けられたことになる


そして10/25、つまりウツの誕生日には、この2曲がCDリリースされ、
代わって新たな配信曲として、
TM「We Are Starting Over」とKiss Destination「Sweet Memories」がアップされた
これらは11/27小室の誕生日にCDでリリースされ、
代わってTMアルバムから「Major Turn-Round T First Impression」が先行配信された
アルバム「Major Turn-Round」は12/25にリリースされたから、
この間ネット配信開始とCDリリースの間には、
約1ヶ月の間隔が設けられていたことになる


音楽無料ダウンロードサービスは、
TM inter-NETWORKでまともに機能した唯一の事業といえる
これ以前、「MESSaGE」はTM inter-NETWORK宣言をしただけであり、
実質的にインターネットを利用したサービスは、
「Ignition, Sequence, Start」から始まったのである
ただこれも2000年の9月・10月・11月の3回だけで、
以後行なわれることはなかった


ともかく「Ignition, Sequence, Start」は、
2000/9/26に無料配信され、10/25にCDリリースされた
ネット販売限定だったため、
「MESSaGE」と同様に売上枚数の情報はない
なお私は2012年にROJAM POPSHOPで本シングルを購入したが、
その後2014年にアクセスしたところ、売り切れていた
30周年の間に売り切れたらしい


「Ignition, Sequence, Start」は、
イントロが印象的なリフで始まり、
神秘的でメロディアスなシンセとともにウツのボーカルが加わる
このリフとシンセが、ボーカル以上に主張が強く、
「Iginition, Sequence, Start」の顔はこの二つだと思う


抑え目のAメロが終わり間奏に入るとリフが消え、
代わってドラムやギターが入ってくる
続いて短いAメロと、Bメロ・Cメロ、
そして短くあっさりとしたサビ(導入2フレーズ+4フレーズ)と展開する


こうしてやっと1番が終わると、
間奏無しで直接Bメロ・Cメロに移り、
タメを入れてからサビに入る
サビは導入2フレーズ+20フレーズと長く、
聴き終えた後はサビが印象に残る構成となっている


以上、Aメロ・Bメロ・Cメロ・サビとは書いたが、
正直この曲は、どこをサビと思って作っているのかも定かではない
1番ではむしろCメロ(「just breaking through the wall〜」の部分)の方が目立っている
イントロのシンセリフがCメロで復活して曲を盛り上げ、
サビに入るところでまたクールダウンするので、なおさらである
さらに1番と2番では同じパートでも音や歌い方を変えており、
まったく同じパートの繰り返しはほとんどないと言ってよい


曲全体の構成を見るに、
間奏を1番Aメロ途中とCメロ前に設けてリスナーを焦らす一方で、
1番Cメロ以後は2番との接続部分にすらまとまった間奏がなく、
後半は一気に最後まで盛り上げる作りである
(間奏が1番の中で2回ある一方、1番と2番の間にはない)


また2番でAメロを省いたのも面白い
前例としては「Time To Count Down」があるが、
ハードロックをコンセプトにした同曲は、
冒頭から最後まで一気に突き抜けると言う印象だった
「Ignitiion, Sequence, Start」はこれと比べてひねりの効いた展開であり、
6分半の中にプログレ的展開を詰め込んだ意欲作といえると思う
次に作られる「Major Turn-Round」組曲のプレリュードでもあった


以上はオリジナルに当たる「Straight Run」だが、
本シングルには「MESSaGE」と同様、
カップリングとして「TV Mix」「Instrumental」が収録されている
後者はインスト、
前者はオリジナルとインストの中間で、ところどころ歌が入っている


なおアルバム収録の「Album Version」は、
シングルとは音がかなり異なっている(2年前にシングルを購入して知った)
シングル未入手のファンは、
見つけたら買っておいた方がよいかもしれない


とりあえずドラム・ベースはシングルではシンセ音源のようだが、
アルバム版はドラムをSimon Phillippsが、
ベースをCarmine Rojasが手がけている
印象が違う最大の要因はこのリズム隊の迫力だろう
ミックスも全般的にアルバムの方が重厚で、勢いがある


他にアルバム版を一聴して気づく相違点としては、
アクセル音を意識したと思しきイントロが追加されていることである
またシングル版の最後はドラムと控えめなシンセだけになるが、
アルバムではこの変化は一瞬だけで、
まもなくギターやベースも入った派手なオケに戻る
他にも冒頭Aメロ後の間奏にウツボーカルのエコーがかかっていること、
サビの入り方がかなり違うことなど、
アルバム版はシングル版から相当変わっている


「Ignition, Sequence, Start」は、制作・発表の経緯を見ても、
「Major Turn-Round」の代表曲としての位置にあったが、
「MESSaGE」と同様、PVは作成されなかった
ただしどの程度意味があったか謎だが、
2001年1月から「どっちの料理ショー」のエンディングに使われた
(よほど注意しないとTMの曲とも分からないレベル)
「MESSaGE」を使う案もあったが、
ウツの主張もあって「Ignition, Sequence, Start」になったらしい


ROJAM期には楽曲発表の「新しい形」にこだわったためか、
プロモーション活動自体がきわめて乏しく、
ネットでアクセスする以前に活動がほとんど認知されていなかった
再始動当初、この曲を発表してプロモーションもしていれば、
その後ももう少し変わっていたと思うのだが…


ただ年末年始頃になるとようやくテレビ出演が実現している
これについては別章で触れるが、
演奏されたのはともに「Ignition, Sequence, Start」だった


しかし「Tour Major Turn-Round」の後、
「Ignition, Sequence, Start」は演奏されなくなる
2001年ウツがソロアルバム「LOVE-iCE」でカバーしたにもかかわらず、
「Tour LOVE-iCE」ではセットリストで除かれており、
ライブでは不遇な曲という印象を受ける


ただしライブオープニングのインストとしては、
2013年「START investigation」で演奏されている
再始動後ではかなりの存在感がある曲なので、
是非もう一度、歌付きで演奏してもらいたい1曲である

(2015/6/12執筆、2016/6/16加筆)

Major Turn-Round
ROJAM
2001-06-15
TM NETWORK
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6-23 MESSaGE

2015/05/26 23:25
トップページの閲覧数が60万を越えました
去年30thの途中で50万を超えましたが、
1年足らずで10万もの閲覧、ありがとうございます


それにもかかわらず更新が遅れてしまい、申しわけありません
5/24WOWOWのTM NETWORK DAYが終わってからにしようと思っていまして…


WOWOWではこの日3年間のライブ映像が、8時間半に渡って放映されました
30周年最後のTM祭というところでしょうか
8時間半とはいえ、初めて放映されるのは「30th Final」だけで、
あとは過去放映されたものでしたが、
困ったことに各ライブの前後に小室さんのライブ解説が入りました
(全部録画するハメに…)


トークの中心は各ライブの演出で、
音や楽曲についてはほとんど言及がありませんでした
音楽以外の部分にも力を注いできた3年間だったと言っていたように、
小室さんとしては特に舞台演出への関心が高かったのだと思います


この3年間のライブについて、「次に続く」形で毎回終わっていたのは、
「24」などアメリカドラマに触発されたものだったそうです
また「incubation Period」「START investigation」「未知との遭遇」のオマージュだとのこと
「the beginning of the end」も多分そうなんでしょうね


「30th Final」で最後に出るバトンは、
「Star Wars」のライトセーバーのようにしたかったそうです
小室さん、将来ライトセーバーができたら、
またTM NETWORKをやるとか言っていました(笑


個人的に興味深かったのは、「the beginning of the end」の没アイデア
最後にTMが地球に下りた後、木根さんだけ置いて母船が帰ってしまい、
その次のライブでもなかなか木根さんが現れないという案もあったのだそうです
え、それ面白いじゃん やってよそれ!


最後には「Message to the FANKS!」として、小室さんからのメッセージもありました

3年間準備してファイナルまで来たんですけれども、最近話していて、3年間新人でデビューしてから頑張ってここまで来たら、次がいよいよブレイクする準備ができたな、というところだと思いますね。なので、この後新曲を出して、さあ売るぞ、みたいな、ていうところに今いるんじゃないかなと思いますけども、そこでお休みという、面白いグループだなと、もうつくづく思いますね。これだけ濃縮というか凝縮された3年間はなかったんでね。これは新人の3年間に匹敵すると思いますので。そこで休むところがTM NETWORKですね。


えー、これで終わり?
30周年の締めにしてはなんとも微妙なコメントですが…
まあ、次は何も考えていないということなんでしょう
やりきった感じのいい笑顔ではありましたので、次を期待したいと思います
少なくとも失敗という意識は、小室さんにはないと思いますので


肝心の「30th Final」の放送は、
「Birth」「CAROL」組曲、「Get Wild」イントロ前半がカットされました
「Children of the New Century」「あの夏を忘れない」など、
多くの方が見たかったと思われる曲はほぼ放映されました
「あの夏を忘れない」のTMライブ映像はこれが史上初です


個人的には、先入観もあってか、
特に前半はウツのパフォーマンスが抑え目に見えました
まあ「Be Together」など後半はかなり盛り上がっていましたね


この後に来るのは、ライブBD/DVDのリリースです
これについては、「Huge Data」のDVD/BDが7/22リリースとの発表がありました
BD2枚組豪華版には「Quit30」ホールツアー収録とのことです
ホールツアーお蔵入りの危惧は回避できそうで、よかったです
(DVDしか見られない人は困りますが)
今回は小室さんのコメンタリは付かないのでしょうか?
あるいは「30th Final」のBD/DVDにつくのでしょうか


ソロ活動では、小室さんが5/14〜17に4カ所でDJを行ないましたが、
これは「globe 20th」と名づけられた通り、globe曲を中心としたものでした
現在制作中のglobe過去曲のリミックス(小室さんはRETRACSと呼んでいます)音源も流れたようです


そういや、5月にリミックスとソロ新曲の配信をすると言う話、
すっかり立ち消えになりましたね
当初は3月とか言っていたのに…
今はglobeのRETRACSに集中しているようです
ちなみにglobeのRETRACSは8月にリリース予定だそうです
「TK Dance Camp 20th」に合わせるんですかね


5/21には熊本県山鹿で坂本美雨さんとのコラボライブもありました
サポートはギターの松尾和博さんです
鉄曜日のライオンさんによれば、
ピアノソロで「Time To Count Down」「Depatures」の後、
美雨さんの歌が入って「Can't stop fallin' in Love」「悲しいね」「My Kick Heart」「Love Brace」「永遠と名づけてデイドリーム」「in aquascape」「Human System」「Seven Days War」「Precious Memories」を演奏、
アンコールは「My Revolution」だったそうです
妊娠中の美雨さんの体調も考えてか、
これまでのコラボライブで演奏してきた曲で構成されたセットリストでした


ウツは5/25に「黒沢ともよのFive Stars」に出演しました
私全然知りませんでしたが、
ウツと黒沢さんはSound Horizonで共演していたんですね
ウツのテンションは普段通りでしたが、
年下の女の子になつかれているウツを見る機会はなかなかないし、
貴重だったかもしれません


また番組内では来月のウツのソロライブ「それゆけ!歌酔曲」の情報も出ました
フォークパビリオンの一人バージョンのライブで、
昭和の臭いのする曲をやるそうです
サポートは野村義男さん・松尾和博さん・nishi-kenさんとのことでした
トークが長くなりそうと、ウツの予言もありました


以上、近況でした
では本題に入ります
10月以来半年以上ぶりの通常記事(過去の歴史)です
今回からは、基本毎回通常記事を書くことにします

--------------------------------------------------
「Log-on to 21st Century」から少し遡り、
話を2000年初頭に戻そう
2000年前半のTM NETWORKの活動は、
ほとんど表面に出ることがなかった
この時期は、TM年表の上で空白期間となっている
背後には、年明けから小室とSONYの間で意見の衝突が起こり、
TMのアルバム制作中止に至ったという事情があった


TMは小室周囲のいざこざのために後回しにされてしまったように見える
それはたぶん事実ではあるのだろうが、
実は小室は時間を見つけてTMの新曲も作っていた
TMはこの頃も、まったく放置されていたわけではなかった


たとえば小室は、「Touch The globe Live!!」の合間の2000/1/19、
鈴木あみと安室奈美恵のアルバム制作が終わったことを受け、
「いよいよ、TMのアルバムをやってる!!」と、
tk56のBBSに書き込んでいる


以前述べた通り、翌々日の2000/1/21に行なわれたTMの会合で、
3月のアルバムリリースを目指してTM新曲を制作することになったと、
木根の「続・伝記じかけの予言者たち」にある
3月のアルバムリリースは1999年にもファンの前で宣言していたが、
この時点で3月末のベスト盤リリースが決まっていたらしいことを考えれば、
ニューアルバムの「3月」リリース計画の継続は真実味が薄い
おそらくこの話は、アルバム延期に批判的だったファンへの言い訳に過ぎないだろう


とはいえ新曲制作の方針は話し合われただろうし、
小室が会合に先駆けて作業を始めていたのも事実だと思う
ただちにリリースはされなくても、
将来のアルバム収録を見越していたのならば、
BBSの「アルバムをやってる」発言も、必ずしもウソではない


その後木根は2月半ばに小室から、
「TMのための最高の新曲ができた」と報告を受けた
ウツも2/17に「なんかTMの新曲としても最高な曲ができそう」とのメールを受け取っている
2/19にはTMのミーティングが行なわれており、
小室はその前にTMの楽曲制作を進めていたのだろう


これは1/19から制作していたTMの新曲にほかなるまい
小室は1ヶ月を経て、やっと1曲分のオケを作ったわけである
木根によれば、この時点ではまだメロディはなかったらしく、
制作ペースから考えて、
仮に3月のアルバムリリース計画が1月の時点で有効だったとしても、
この時点ではすでに放棄されていたと考えるべきである
(おそらく年始の時点で放棄されていただろうが)


メロディは3月半ばに出来上がった
3/18小室と木根は香港で会い、これを次のシングルとすることで決定した
この時点では曲名は未定だっただろうが、
これがROJAM期シングル第一弾となる「MESS@GE」である


ただウツはもちろん木根も、
メロディ入りの音源を初めて聞いたのは数日後、東京でのことだった
つまり二人は新曲の内容を知らないまま、
小室の意見でシングルリリースを追認したわけである
1997年の再始動宣言以後のTMは、
動くかどうかは小室の状況次第という状態が続いており、
小室からTMの話が来た時点で乗らないと話が動かないことを、
二人とも身にしみて感じていたのだろう


この頃ウツはソロアルバム「White Room」制作中だったが、
その合間にTM新曲のデモに仮ボーカルを入れた
歌詞は未定だったから本当の仮歌だろうが、
木根によればかなり良い出来だったらしい


その後小室みつ子の歌詞が完成すると、
木根は自分のプライベートスタジオで、みつ子と一緒にガイドボーカルを入れた
「続・電気じかけの予言者たち」は、仮歌入れを4/25としており、
実際に木根は4/27に「最近歌詞も出来ました」「僕が作詞家さんと仮唄を入れました」とBBSに書き込んでいる


ただみつ子は5月に小室から曲をもらい、
その後木根と一緒に仮歌入れを行なったと言っている

小室も5/3付けの木根宛メールに、
「14日からハワイでレコーディングする曲の歌詞は、小室みつ子さんにおねがいしました」と書いており、
この直前に作詞依頼をした(まだ歌詞はできていない)ようにも見える
小室は5/2にギターとベースのレコーディングを行なっているから、
(ギター松尾和博、ベース美久月千晴)
この時に完成したオケをみつ子に送ったとも考えられる


この点は整合的な理解が難しいが、
小室が4月に仮オケを送った時に仮の詞が付けられ、
4/25にガイドボーカルのレコーディングが行なわれた後、
5月になって完成版のオケが出来上がり、
改めて正式に作詞依頼が行なわれたものだろうか


上記小室の発言にあるように、
5/14、3人はレコーディングのためにハワイに集合した
ウツは前日東京で「White Room」の歌入れを終えたばかりで、
本当にギリギリのスケジュールだった
ところが小室はこの日昼まで行なっていたレコーディングで体調を崩していたため、
初日は小室無しでレコーディングを始めることとなった
翌日からは小室もレコーディングに参加した


ウツは5/16早朝に歌入れを終え、午前便で帰国し、
東京のスタジオに直行して「White Room」のミックスダウンに立ち会った
なお「Major Turn-Round」楽曲で3人そろってレコーディングを行なったのは、
この5/15・16のみである


この後の小室は、ROJAM新人作品や安室「Never End」の制作、
および沖縄サミットの準備などを行ないつつ、
「MESS@GE」も手直しを続けていたようで、
最終ミックスは7/4頃に行なわれた


こうして1月から7月まで、
実に半年かけて制作された新曲が「MESS@GE」である
ROJAM初のCD作品でもあった
ただこのシングルは、一般の流通に乗らない形でリリースされた
CD店での販売がSONYから認められなかったためである
したがってこれ以後のROJAM期のCDは、売り上げ枚数が不明である


TM interNETWORKを標榜していた当時、タイトル中の「@」は、
インターネットとの関連も意識したものだろう
ただしリリースに当たっては、「MESSaGE」と表記を改めた
インターネット上に表示する文字制限の都合があったためという
機種依存文字だったことが影響しているのだろうか
以後本記事では、製品版のタイトルを「MESSaGE」と表記することにする


「MESSaGE」はマキシシングルとして2000/7/27、
横浜アリーナ「Log-on to 21st Century」の会場で限定販売された
この時は物販が大変混雑し、
ライブ開始の時間になっても購入できず涙をのんだファンが多くいた
なおライブ会場では香港ライブに応募していたファン限定で、
同曲のMIDIデータ「Limited Editon」が入ったCDも配布されている


8/10からはROJAM POPSHOPでのネット通販が始まった
当時は送料500円込みで1500円と、シングルとしては高額だった
ROJAM POPSHOPでは2014年まで本シングルが販売されていたが、
2015年初めには売り切れている
30周年の活動の中で購入希望者が出たのだろう


なお後続シングルの「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」は、
「MESSaGE」よりも先に売り切れた
「MESSaGE」が当初想定していたほど売れず、
次作からプレス枚数を減らすことになったのだろうか


販売店については、あまり知られていないが、
2001/8/30からTSUTAYAでROJAM期シングル3枚が店舗販売されたらしい
(現在は品切れ)
新星堂など他の店舗でも販売されたかもしれないが、よく分からない


本シングルのジャケットは、
青地に赤の文字で「TM」「TM NETWORK/message」と書かれただけのシンプルなものである
歴代のジャケットでもっとも味気のないものである
なお青を基調にしたCDジャケットのデザインは、
以後「Major Turn-Round」までROJAM期TM作品に踏襲される


本シングルはファンの失望を増幅させているさなかでリリースされた
ところが困ったことにこのシングル、曲はとてもよいのである
再始動後でも屈指の名曲だろうと思う
迷走気味だった様々な事業も、
小室のやる気を引き出させるという意味においては、
少なからぬ意味を持っていたのかもしれない


曲はTM再始動後初のバラードである
これ以前のシングルはテクノ、ヒップホップ、ラテンなど、
明確に洋楽の流行を意識した作りであり、
アメリカの有名エンジニアの名前も利用していたが、
このシングルはそれらの作品と比べ普遍的な作りとなっている


この曲は小室によれば、
「Nights of the Knife」からの流れを意識したものだという
つまり小室の意識の中では本シングルは、
TRUE KISS DiSC時代の3枚のシングルを飛ばして、
それ以前のTMNからつながる曲として作られたことになる


TMは1999年の再始動にあたって、
1994年以前には試さなかった実験的な音を試みていたのだが、
ROJAM移籍を契機にその時代の音をリセットし、
1994年との接続を意識したことになる
「MESSaGE」はたしかに名曲だと思うのだが、
“安全”な曲を出してきたという側面も、おそらく否定できまい


曲はイントロからせつなげでシンプルなフレーズが続くが、
Bメロからドラムやシンセのフレーズが加わり盛り上がりを見せ、
サビでは小室・木根のコーラスをバックに、ウツが熱く歌い上げる
特に2番の後、サビ繰り返しでは、
メインボーカルの後ろにウツの「I Carry On」のボーカルが重ねられ、
ラストに向けて盛り上がりを増す
聞き終わった後、バラードだったことを忘れているほどの熱さである
歌は先行の3枚のシングルと比べると素直な進行で覚えやすく、
Aメロ・Bメロ・サビの接続もとても自然である


「Log-on to 21st Century」の時も結構熱い



この曲で目立つものに、小室のコーラスがある
間奏などでは単独で出てくるので、
コーラスというよりは二人目のボーカルという感じである
この小室コーラスがなかなか良い味を出していて、
個人的にはかなりツボである
ただこの点は、むしろ否定的な意見もあるだろう


この曲は前作と同様、作曲小室哲哉、作詞小室みつ子だが、
詞のテーマはファンに対する「メッセージ」である
みつ子が小室もしくはTMの現状を見て感じていたことも反映されているに違いない


1番の歌詞では、「君」の仕草や表情を見て、
「あらゆることに意味がありそうでどれにも意味を見出せない」
「道に迷いそうさ今夜はそばにいて」と告白している
この歌詞の作りは、ラブソングの形をとりつつ、
内実は「君」=ファンに向けたメッセージという、
「終了」以前のTM曲によく見られたものである
具体的には、何をすべきか分からないTMの困惑を吐露している
TM NETWORK再始動の失敗を踏まえたものだろう


このことをもっとも端的に表現しているのが、
「文字と声とイメージこの世界溢れ続けてるHow could I choose it?」
「真実の言葉だけ聞きわける力が欲しいのさYou can free me」
というサビのフレーズだろう
情報が多すぎて為すべきことが分からないから導いて欲しいというのである


これを踏まえ、2番では「確かな君のメッセージ」に励まされてきたことを述べている
そして最後には「みつめてて君だけはもう一度走り出す僕を」と述べ、
次のTMの活動をもう一度だけ見てくれとお願いする
要するにTMはメディアの発する大量の情報の中で真実が分からなくなっており、
だからファンの発するメッセージを受けて正しい方向に進みたいと言っている


つまり「Nights of the Knife」では、
TMNをやめて新しい活動に移ることをファンに宣言した3人が、
TM NETWORKを復活させてから、
ファンに対して今から進むべき道に導くことを求めているということになる
ここでファンの導きの場として想定されているのは、
具体的にはtk56 BBSなど、インターネット上の掲示板だろう


もっともインターネットは情報過多の代名詞でもあり、
顔の見えないファンとの文字だけでの接触が、
必ずしも「確かな君のメッセージ」とはいえないだろう
実際に小室は「MESSaGE」リリースの後に、
BBS上でファンから攻撃を受け意気消沈する事態にも陥っている
その意味ではこの「メッセージ」は思う通りにはファンに伝わらなかった


以上はCD1曲目の「Original Mix」についてだが、
他にもCDには2テイクが収録されていた
一つは「TV-Mix」で、オケとコーラスが収録されている
なぜこれを「TV-Mix」というのか、いまだに分からない
もう一つは「Instrumental」で、オケのみの音源である


またアルバム「Major Turn-Round」には、
「Album Version」が収録されている
シングル版とのオケの違いは、
「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」ほどは感じないが、
2番Aメロでは歌にボコーダー処理が行なわれている


この曲に限らないが、ROJAM期のシングルにはPVが存在しない
ネット限定という不利な売り方だった以上、
PVなどはむしろ積極的に作るべきだと思うのだが…
ROJAM期のTMはプロモーション活動がほとんどなく、
熱心なファン以外にはまったく届かない存在となった
TMが一般人の目に触れない存在となったのは、この時からと言えるだろう


「MESSaGE」はライブでは、
「Log-on to 21st Century」で初めて演奏された
その後「Tour Major Turn-Round」でも演奏されており、
こちらはライブDVDで見ることができる


その後本曲は一度も演奏されていない
個人的には是非一度生で聞きたい曲の一つである
ただウツは2009/12/26のディナーショーの冒頭でこれを歌っている

(2015/5/26執筆、2016/6/15加筆)

キヲクトキロク~Major Turn-Round
R and C Ltd.
2003-02-05
TM NETWORK
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6-15 Happiness×3 Loneliness×3

2014/03/19 21:35
4/22リリースのTMのシングルとアルバムのタイトル、
アルバムは「Dress 2」変更されるようです
シングルは「Loud」決まりのようですね


アルバムタイトルは、リプロダクトというコンセプトから来たものでしょうが、
最近は過去の作品に「2」を付けるのが多いですね
昔のファンが喜ぶという判断かもしれませんが、
いかにも焼き直しっぽく見えるので、
こういうのはたまーにやる程度が良いと思うんですけど…
「Information Discovery Report」のままでも良かったと思います


ただタイトルはともかくとして、内容はかなり期待できるかもです
3人は3/11頃から本格的なレコーディングに入ったようですが、
その内容は22曲入り3枚組みで、ボーカルも新録のようです
amazonなどでの告知は「全10曲」で、おそらく仮予定はそうだったのでしょうが、
メンバーもずいぶんとやる気が出てきた模様です
22曲が2枚で収まらないということは、1曲がかなり長くなりそうです


レコーディングは1stアルバムの曲から順番にやるようで、
3/12には「Rainbow Rainbow」をリミックスしています
これはアルバム「Rainbow Rainbow」の楽曲なのか、
その中のタイトルチューン「Rainbow Rainbow」なのかはっきりしませんが、
いずれにしろかなり嬉しいです!
22曲なら、マイナーなアルバムでも1曲ずつくらいは選んでくれそうですね
急にすごい楽しみになってきました


でもリリース日を考えると、もうそろそろレコーディング締切ですね
曲数を考えるとかなり急なスケジュールですが…
まあきっと、オケは事前にだいたいできていて、
あとはボーカル入れとミックス、トラックダウンという状態なんだと思います


「Loud」については、歌詞は3年前に作ったもので、
東北大震災と関係するようです
作詞は小室さんみたいですね
現状に対して大声で何かを伝えたい、というニュアンスの曲名でしょうか
PVも3/13に撮影が終わったとのこと
公開は3/19の約20日後、つまり4/8前後のようです


3/10には3人の新しい写真が公開されました
おそらくシングルかアルバム(または両方)のジャケットに使われるのでしょう
小室さんも、アルバムのジャケットは3人の写真を使うと言っています
化粧とかフォトショでいろいろごまかしている気もするんですが、
目指す方向性としては間違っていないように思います
なかなか良いのではないでしょうか


「the beginning of the end」の先行予約は、
3/9小室メルマガ、3/17ローソン先行が終わりました
現在は以下のプレイガイドで先行予約受付中です(数字は締切日。3/20増補)
会場ごとに扱っているプレイガイドが違うのでご注意下さい
ただ今後新しい先行発売が発表されるかもしれないので、
申し込む方は一応ご自身でもご確認下さい
なお一般発売は4/5(名古屋・大分は4/6)です

・e+:東京(3/23)・大阪(3/25)
・Disk Garage:東京(3/23)
・CNプレイガイド:大阪(3/25)
・ローソンチケット:府中・名古屋・仙台・東京(すべて3/25)
・チケットぴあ:大阪(3/25)・名古屋(3/26)・東京(3/25)


小室さんについては、4/2の「EDM TOKYO」リリースと4/5の坂本美雨さんとのコラボライブがあります
ライブは私も行ってきますので、次回簡単なレポもできると思います
チケットは再販売があると思ったんですが、どうもないようですね
当日券はあるようなので、お時間と関心がある方はご来場下さい


「EDM TOKYO」は、3/18にタイトルチューン「EDM TOKYO feat. KOJI TAMAKI」PVが公開されました
以前から小室さんが言っていた驚きのコラボとは、玉置浩二さんだったんですね
たしかにこいつは異色コラボです
しかしYOSHIKIといい玉置さんといい、
小室さんはクセの強い人と組みますねえ
曲は小室さんらしい良曲と思います


アルバム収録曲とジャケットも発表されました
5曲リミックス、5曲新曲の全10曲のようです

01.Time Is Now
02.EDM TOKYO 2014 feat. KOJI TAMAKI
03.Passion 2014(Nick Wood)
04.Let You Know My Number
05.Judgement 2014(globe)
06.Just Let Go
07.You're my sunshine 2014(安室奈美恵)
08.Missing 808 feat. MIHO
09.Get Into You Suddenly 2014
10.Jerusalem


「Jerusalem」は、
「Digitalian is eating breakfast 3」のiTunes盤限定で付いていた音源のリミックスでしょうか
当初収録予定だった「DEBF EDM 2013 SUMMER」音源や「Get Wild 2014」はありません
なおmumoでは特典CDが付きます


「EDM TOKYO」のリリースに合わせ、TMツアー後のクラブイベントの計画もあるようです
せっかくのソロアルバムがこのまま埋もれてしまうのも惜しいので、
ツアーに支障を来たさない範囲でがんばってもらいたいです


3/22にはJFN系列の「McDonald's SOUND IN MY LIFE」小室さんが出演します
「EDM TOKYO」はもちろん、たぶんTMの話も…あるかな?
一方1年半続いてきた小室さんのレギュラー番組「Radio Digitalian」は、
3月で終了とのことが、番組内で告知されました
TMに専念したいからとのことです
今まで体調が悪い間も含めてがんばってきましたし、お疲れ様でした
でもできれば4月からはTM3人のラジオレギュラーが始まらないかなあ…


最後に、前回お知らせした「小室哲哉ぴあ TM編」の刊行に当たって、
現在web上でアンケートが行なわれています
アンケートの一部は本に掲載されるそうです
締切は3/31です
30周年の記念ということで、興味のある方はどうぞご記入下さい


では本題に入ります

---------------------------------------
TM NETWORKのシングル「Happiness×3 Loneliness×3」は、
1999/12/22にリリースされた
セールスなどについてはまた章を改めて触れることにして、
本章では楽曲を中心に触れることにしたい


本当にどうでもよい記録だが、
本シングルの表題曲はサブタイトル・バージョン名などを入れなければ、
TM史上で発音がもっとも長い曲名である
(カナで「はぴねすはぴねすはぴねすろんりねすろんりねすろんりねす」の27字)
当時メンバーも長すぎるので、「ハピロンと呼んで下さい」と言っていた


実際に「Happiness×3 Loneliness×3」というタイトルは、
長い曲名でインパクトを与えるという狙いもあったものと思う
90年代前半にビーイング系がよく使った手だが、
この頃になるとそうした手法が使われなくなっていたため、
逆に狙い目と判断されたのだろうか


ジャケットでは「Get Wild Decade Run」「10 Years After」に続き、
「tm NETWORK」のロゴが使われている
注目すべきはジャケットのデザインで、
3人の写真だけで構成されているが、
これがTM歴代のジャケットでも上位にくるかっこよさである
なお3人のリアルタイムの写真がCDジャケットに使われるのは、
これ以後2014年まで15年間なくなる


3人のいでたちは黒スーツという80年代TM的な姿だが、
珍しいのは3人ともメガネをかけている点だろう
まさかの小室・ウツの木根化である


小室のサングラスは正直かなり失敗した感が漂い、
西部警察に出てきそうな雰囲気である
あるいは3流映画に出るチンピラにも見えてしまう
一方ウツはサングラスではなく、目が見えるメガネだが、
これは他に例がないだけでなく、かなりイケている
木根はまあ、いつも通りだ


この曲は麻薬・覚せい剤乱用防止キャンペーンのテーマソングである
チャリティソングとして、売り上げは国連に寄付された
この話は厚生省から小室への打診で始まったもので、かなり急に決まったらしい


小室は9/25「夜もヒッパレ」出演後の某日にハワイへ戻り、スタジオに入った
10/4にはオケのデモを日本に送っている
以後TMの3人は11月初めまでレコーディングとイベントの日々となるが、
悲惨だったのは、9/17から11月まで連日の「RENT」公演が年始から決まっていたウツである
つまり「RENT」のど真ん中にTMの話が急遽舞い込んできたのである


当初のスケジュールでは秋の新曲レコーディング計画は無く、
「RENT」終了後にTM本格始動という予定だったと思われる
小室には厚生省の依頼を断ると言う選択肢もあったはずだが、
国家という看板を重視して、無理を押して受諾したものと思われる
(ただし音楽の成功に「国」の後押しがほとんど無意味であることはこの後判明する)
安室やKiss DestinationではなくあえてTMで引き受けたのは、
小室がTMに期待していたことを示すものでもあろう


さて、ウツ・木根は10/4東京のスタジオで、ハワイから届いた音源を聞いた
だがこの時点でオケの中心部分はだいたいできあがっていたが、
まだ曲名も歌詞もなく、メロディもついていなかった
この日は仮歌でも歌入れは無理だと判断され、見送られた
小室は約束の時間までに作業が終わらず、途中段階のものを送ったのかもしれない


「Happiness×3 Loneliness×3」の制作日程は、
もともとかなり無理があったようである
というのも、結果としてこの曲のリリースは年末になったが、
10月初めには11/17の予定とされていたのである
このリリース日に間に合わせるためには、約1ヶ月前には音源が完成している必要がある
後述する通り、10/20にはこの曲の音源が小渕恵三総理に謹呈されるが、
当初はこの音源がそのまま商品化する予定だったのだろう


ところが10/4には歌入れがまったくできなかった
小室は10/6、改めてメロディと歌詞を付けて、音源を日本に送った
この時小室によって、「Happiness×3 Loneliness×3」という仮題も付けられていた
歌詞は小室みつ子だが、かなり緊急に作ったものだろう


ウツは10/7〜17大阪シアタードラマシティで「RENT」公演があったため、
10/6には大阪に移動していた
一方木根は10/8〜10にソロツアー「talk & live vol.5」新宿シアターアプル公演を控えて東京にいたから、、
この日は3人がすべて別の場所で作業をしていたことになる


この日もっとも苦労したのはウツである
昼に仮詞を受け取ったところ、スペイン語が入っていることに気がついた
これは本作がラテンを意識した楽曲だったためだが、ウツはスペイン語が分からない
一応カタカナで振り仮名が振ってあるが、これだけでは対応できない
そこで「RENT」で共演しスペイン語も使えたLa Pearlに、
夜のレコーディングへの立会いをお願いし、
なんとか必要な歌入れを終えることができた
しかしこれでは満足な歌にはならなかっただろう


それにしても小室は、スペイン語の問題を何も考えていなかったのだろうか
また事前にメンバーに伝えてもいなかったのだろうか
ここらへん、3人の間で意思疎通面での齟齬が垣間見えるように思う


このシングルにはもう一曲収録されることが決まっており、
曲名は後に「80's」となった
本作はTOYOTAのNOAHのCMのタイアップがあり、
そのため本シングルは両A面とされている
「80's」はTM再始動後初の木根曲であり、
「EXPO」収録曲以来8年ぶりの木根作TM曲である
実質的にはカップリングとはいえ、
木根の曲がシングルの表題曲に使われるのはこれが初である


木根はTM用の候補曲を3曲作り、小室に送っていた
小室はその中から1曲を選んでアレンジを加え、
10/6ハワイから日本へ送った
木根はスタジオでこれを受け取り仮ボーカルを入れ、
小室みつ子から詞をもらった上で、
10/12大阪でウツとともにCM用トラックのレコーディングを行なった
この日はちょうど「RENT」公演の中休みだった
大阪公演の前日と中休み両方をレコーディングに取られたウツの多忙さには同情する


ウツの「RENT」大阪公演は10/17を以って終わり、
ようやく10/21東京公演まで3日間の時間が空いたのだが、
スケジュールは極めて切迫していた
ここで「Happiness×3 Loneliness×3」レコーディングに関わる日程を整理してみよう


小室から日本に最初の音源が届いたのは10/4である
ウツは10/7〜17に「RENT」大阪公演があり、
10/12の中休み以外は毎日1〜2公演を上演した
10/18〜20には3日間の空きがあったが、
10/20には官邸訪問と小渕恵三総理へのCD謹呈式が決まっていた
「RENT」東京公演中休み日の10/25には、
イベント「Yes To Life Festival」の開催があり、
これ以前にリハーサルの必要もあった


つまり小室の音源が届いてから歌入れが可能だった日は、
10/4〜6、10/12、10/18、10/19の6日間しかなかった
しかもその間に「80's」のレコーディングまで予定されていた
ウツは当初6日で2曲の歌入れを行なうことになっていたことになる


ところが小室の作業の遅れによって、
歌入れが可能になったのは10/6になってからのこととなった
この時点で残りは4日のみであり、しかもその内2日は謹呈式の直前である
事実上この時点で歌入れの時間は2曲2日しかなかったことになる
おそらくこの時点で「80's」の完成は諦め、
CM用のサビだけレコーディングを行なう方針に切り替えたものと思われる


10/18・19は「Yes To Life Festival」のリハーサルに当てられていたが、
「Happiness×3 Loneliness×3」の歌入れは一日行なわれただけで、
まだ仮歌の状態に過ぎなかっただろう
ウツはこの間、ボーカルの撮り直しを行なったが、
一方で小室は日本に帰国もしていなかった
スタジオでの音源制作が終わらなかったのか、あるいは別の仕事も抱えていたのか


小室がロスから東京に着いたのは10/19夜であり、
この時点でも「Happiness×3 Loneliness×3」はレコーディングが終わっていなかった
翌日13時の官邸訪問まで24時間を切っている状態で、である
小室はおそらくほぼ徹夜状態でレコーディングを行ない、
朝10時にトラックダウンを終わらせ、CDのパッケージができたのは12時前のことだった
この音源は満足な状態だったとは考えられない


「10 Years After」レコーディングの時もそうだが、
この頃の小室は組んだスケジュールが間に合わないことが多い
もちろん本シングルのリリースは急遽舞い込んできた話であり、
小室にとってもスケジュールの合間を縫う厳しい日程だっただろう
だがこの時は、小室がもともと無理な日程を組んで自滅した観が強い
あるいはかつてのペースでの作曲が難しくなっていたのかもしれないし、
それにも関わらずTKブーム終焉への焦りから、
仕事を過密に入れていたのかもしれない


さて、TMの3人は10/20、スーツの正装姿で官邸を訪れた
この様子はテレビでも放送された
3人は挨拶の後で完成直後のCDを小渕に手渡した
中身は「Happiness×3 Loneliness×3」間に合わせバージョンの1トラックのみだろう


1時間前にできたCD


この時小渕はニッポン放送の中高生アンケートを読み上げ、
総理大臣になってほしい有名人の1位が小室哲哉であることに触れ、
「今日は一番人気のある総理大臣においでいただいて、ありがとうございます」と述べた
ただし1999年の時点でこの結果が出ることは考えがたく、
おそらく数年前のアンケートだろう
麻薬・覚せい剤の危険性について青少年にアピールできる人材として小室が選ばれたとのことだが、
正直、この頃の小室を選んだ時点で認識が数年遅れている
(小渕が選んだわけではないだろうが)
所詮役人の仕事はこのようなものなのだろうと思わされる


ただ小室は小渕との関係について思い出深いようで、
後に「Cream of J-POP」「Happiness×3 Loneliness×3」のリミックスを、
「DJTK Summit Mix」として収録している
「Summit Mix」というのは、
翌年小渕の依頼で沖縄サミットテーマソングの安室奈美恵「Never End」を作ったことに基づくものだろう
小室にとってこの曲は、過去の栄華の象徴でもあった


その後11/10、木根はマリブの小室邸に赴いた
11/11からは小室みつ子も交えて、
商品用の「Happiness×3 Loneliness×3」「80’s」のレコーディングが行なわれた
11/12にはウツも合流しており、
ここにTM3人+小室みつ子のレコーディング体制が再現された
なお木根は10/31までソロツアー「talk & live vol.5」
ウツは11/7まで「RENT」再演があり、
それぞれ数日の休養を挟んでの合流となった


ウツの歌入れは11/13・14に行なわれ、ウツ木根は11/16に帰国した
ミックスは「10 Years After」と同じくBob Brockmanが担当した
本作にはカップリングとして、
「Happiness× Loneliness×3(Instrumental)」も収録され、
合計3曲入りのマキシシングルとなった
音源は11/25からラジオなどでオンエアされた


本作で注目すべきは、作詞家小室みつ子の再登用だろう
FANKS時代にはTMの作詞の中心的存在だったみつ子だが、
TMN期には存在感が薄くなり、
特に1991年の「EXPO」期には「Wild Heaven」以外採用されなかった
(むしろその後のウツ・木根ソロで採用された)
「終了」シングルの「Nights of the Knife」はみつ子が作詞を担当したが、
その後はTK時代に作詞を依頼されることはなく、
ウツ・木根作品も、1995年木根の「liquid sun」を除いて関わっていない


だが小室は1999年から、みつ子への作詞依頼を再開する
最初のみつ子への依頼は、鈴木あみの「Our Days」だが、
これは9/29リリースなので、7〜8月頃の依頼と考えられる
おそらくこの起用は、
みつ子作詞の「Be Together」の鈴木あみバージョンのヒットが影響しているのだろう
Marc Pantherも前田たかひろも10代女性向けの作詞に向いている作詞家ではなく、
その点でみつ子の詞に改めて注目が向けられたのではないか


以後のTK期鈴木あみのシングルは、
2000/4/12リリース「Thank You 4 Every Day Every Body」を除き、
みつ子が表題曲かカップリングの作詞を手がけた
2000/2/9リリースのアルバム「infinity eighteen vol.1」では、
全体の約半分がみつ子作詞となっている
他にも2000年には中野さゆり・坂口実央・小林幸恵・BALANCeなど、
TKプロデュース作品で多くの作詞をした
2001年にはウツ・木根ソロにも詞の提供を再開する


そのような中でTMの作詞も「Happiness×3 Loneliness×3」から再開し、
以後2002年までTM作品の詞はもっぱらみつ子が担当することになる
みつ子もTM NETWORKとの共同作業復活は楽しかったようで、
刺激にもなったようだ
2001年には7年ぶりのソロアルバム「As Always」をリリースし、
自身の音楽活動を再開させている


「Happiness×3 Loneliness×3」の歌詞は、
孤独で退屈な日々の中で悩む人々に対して、
「君の弱さを抱きしめたい 君をここから連れ出したい」
と告げるものであり、
その点は麻薬・覚せい剤乱用防止キャンペーンを意識したものだろう


ただその歌詞の内容と「Happiness×3 Loneliness×3」という曲名はどうにもそぐわないし、
何を言いたいのかさっぱり分からない
だが曲の中で何度も出てくるフレーズなので、非常に頭に残る
そのフレーズが秀逸ならよかったのだが、正直失敗ではないかと思う


「Just can't live, Just can't die」というサビの締めのフレーズも、
「ただ生きるだけなんてできない、ただ死ぬだけなんてできない」というニュアンスなのだろうが、
文字通りならば「まったく生きられない、まったく死ねない」という意味で、
人を救うべきキャンペーンソングの締めにふさわしいとは思えない
もっともこのフレーズやタイトルは、小室が考えたものだろう


本曲の歌詞で特徴的なのは、スペイン語が一部で用いられていることである
そのため作詞にはスーパーバイザーとしてShunzo Abeなる人物が入っている
おそらくスペイン語の監修役だろう
ただそのスペイン語も、
「Happiness×3」の後に「felicidad(幸せ)」と入れる程度で、
大した意味はない


スペイン語を入れたのは、この時小室がやりたかったこととも関わる
すなわち小室は本作制作直前の9月、
次に来る音楽としてラテンに関心を示していた
実際に本作は全体としてラテン的な雰囲気が強く、
フラメンコギターを大々的に用い、
特に間奏で哀愁あふれる音色を前面に出している
当時流行していたRicky Martinなどが念頭にあったに違いない
郷ひろみも同年7/23、
Ricky Martin「Livin’ la Vida Loca」の日本語カバーとして「Goldfinger '99」をリリースし、
ロングセラーを記録している


この曲は小室にとっての新境地といえるものだった
この頃の小室はTrue Kiss DestinationでR&Bを試み、
TMでも「Get Wild Decade Run」ではテクノ、
「10 Years After」ではHip Hop風の曲風を試みた
だが日本ではすでにR&BではMISIAや宇多田ヒカル、
Hip HopではDragon Ashなどが大ヒットを飛ばしており、
「先を越された」状況となっていた
このような状況下で、
小室はラテンポップの先駆者的立場を狙っていたのかもしれない


結果としてこのシングルは期待したほどのセールスは得られなかったし、
現在のファンの間でも評価は高くない
だが実は私は、曲自体はそれほど悪くないと思う
「Happiness×3 Loneliness×3」という意味不明のフレーズが何度も繰り返されるところは一考すべきと思うが、
新しいTMがここから生まれてくる可能性もあったのではないか


Aメロでは歌いこなすのが困難なほどの早口で歌われる一方、
サビはほとんどコーラスが担当するというカラオケ無視の作りは、
むしろ気持ちよく聞こえる
ただ口ずさむことが非常に困難なことは、
ヒット曲となる条件を欠いていたともいえるだろう


このように「Happiness×3 Loneliness×3」においては、
古典的なヒット曲的作りを意図的に排したのに対し、
「80’s」では小室が木根にあえて80年代風の曲を作らせた
「Happiness×3 Loneliness×3」で新しいTM、
「80’s」で昔ながらのTMを示すと言う構想だったのだろう


昔ながらのTMを期待していたファンからは、
「80’s」の評価がむしろ高かったようで、
木根もよくファンから褒められると言っている
ただ私としては、こういう擬古的な作風はどうもダメである


実際に80年代を再現できているならば良いのだが、
あくまでも90年代末に作った80年代風の楽曲であり、
私としては単に安っぽい曲という印象しか持てない
「80’s」は木根曲だが、
小室曲で言えば、これ以前なら「Wild Heaven」
以後なら「Castle in the Clouds」などが類例として挙げられよう


歌詞も意図的に古臭くしているのだろうが、
それも「意図的」なことを感じさせてしまい、
どうしても受け付けられない
正直私の中では、歴代TM曲中でも最下位、少なくともワースト3には入る
これは結局好き嫌いの問題だろうが、
当時私はCMでこの曲が流れるたびに、世に知られてほしくないと思ったものである


なおこの曲は当初CM用にサビの部分のみを作り、
その後ロスでAメロ・Bメロを作成したが、
CM用テイクのサビは歌詞やバックトラックも大きく異なっている
1999/11/2「コムロ式」で放送された最後のサビ繰り返し部分を聴くと、
CD版は曲もそれなりに改善されたことが分かるが、
歌詞も相当マシになっていたことに気づく
特に「恋を見つけたらDon’t be shy」などという直接的でダサい歌詞は、
80年代TMも歌っていないと思う

(CM版)
恋を見つけたら Don’t be shy 明日がほしいなら
考えすぎちゃダメさ 何かが飛び出す
君のその胸にJumpin’ high ためらう余裕もなく Just goin’ on
君のその胸にJumpin’ high ためらう余裕もなく
Just goin’ on, Just

(商品版)
今を抜け出して Jumpin’ high 明日をつかまえて
打ち破るものは Don’t be shy 君の胸の中
君のその胸に Jumpin’ high ためらう余裕もなく Just goin’ on
駆け巡りだすよ Don’t be shy たったひとつの出会いで
Just goin’ on, Just


以上、TM NETWORK版「Happiness×3 Loneliness×3」「80’s」に触れてきたが、
実は本作は他に二種の関連CDがリリースされている
一つはコンピレーション版で、
TM NETWORK版「Happiness×3 Loneliness×3」(オリジナル・Radio Edit)以外に、
Julio Iglesias Jr.・Sheila E・Wang Lee-Homのバージョンが収録される
歌詞はそれぞれ英語・スペイン語・中国語である
こちらは日本のアルバムチャート35位、1.5万枚を売った
海外でも発売されるという触れ込みだったが、どの程度売れたのかは分からない


収録曲は同じオケを使っているわけではなく、
アレンジがかなり変えられている
たとえばJulioバージョンでは間奏にセクシーな弦楽器が入っているし、
オケにはオリジナルにないホーンセクションが入っている


Sheila Eバージョンでは、
フラメンコギターやパーカッションが強調され、
(Sheila自身パーカッショニスト)
ラテン風の雰囲気を出している


Wangバージョンは意図的なものだろうが、メインボーカルが抑えられ、
むしろコーラスの方がよく聞こえる仕様である
バイオリンも入っており、特に間奏では目立っている
(後述のPVではWang自身がバイオリンを弾いている)


TM NETWORKの「Radio Edit」は、
現在までコンピレーション版でしか聞くことができない
これはイントロを30秒ほど短くしたもので、
オリジナルが小室のコーラスで始まるのに対し、
「Radio Edit」では女性コーラスで始まる
オリジナルを知っていると中途半端に聞こえるアレンジである


「Happiness×3 Loneliness×3」のもう一つの派生作品は、
566なるユニットによる「ハッピーです×3 ロンリーです×3」で、
2000/2/2にリリースされた
オケは基本的にTM NETWORKバージョンに準じている


566は小室レギュラーの「コムロ式」のサポーター5人である
作詞は小室みつ子+566名義だが、
サビの部分以外は566が新たに作ったもので、
566の作詞シーンは当時番組で放送された
基本的にパロディだが、面白くもないので聞く必要もないだろう
チャートでは100位にも入らなかった


「コムロ式」では番組に公募のサポーターを参加させ、
小室に親しみやすさを感じさせようとしたが、
可愛げのある女子高生などならともかく、
お笑いタレント志望のむさい男性たちを毎週見てところで、
喜ぶ者がどの程度いたのか理解に苦しむ
実際に番組で見ると寒々しいだけで、プラス効果はまったくなかった


なお566は2000/8/9、566 feat. 中野さゆり名義で、
「Never Say Why, Never Say No」をリリースしている
(歌が中野さゆり、ラップが566で、どう聞いても中野がメイン)
テレビアニメ「金田一少年の事件簿」の主題歌で、56位、8千枚を売った


PVについても触れておこう
これは2004年「All the Clips」に収録されているので、
現在では容易に見ることができる
本PVは特殊な撮影方法を用いて、
TM3人とJulio・Sheila・Wangが別々の場所で撮影した映像を一つにまとめ、
一箇所で共演した映像として編集したものである
ちなみに小室とウツ木根も、撮影は別の時に行なわれた


興味深いのは、音源も日英西中4バージョンを合成して作っており、
4者共演のバージョンとなっていることである
PV中の担当は、小室がピアノ、木根がギター、ウツ・Julioがボーカル(Julioはたまにパルマも)、Wangがボーカル(間奏にバイオリン)、Sheilaがボーカル・パーカッションである


この音源は当時「Hybrid Mix」として、
ラジオ局などにプロモーション版が配布されたが、
現在までCD化はされていない
PVの大まかな進行は以下の通りである

イントロ(TM版)
→Aメロ1パート目(TM→Wang→TM)
→2パート目(Julio→Wang→Julio→TM)
→サビ(Wang→Sheila→Julio→TM)
→間奏(Wang版)
→Aメロ1パート目(Sheila→Wang→Sheila)
→2パート目(TM→Julio→Wang)
→サビ(TM→Julio&Shiela→Wang&Sheila→TM→合唱)
→アウトロ(Julio版)


最後にライブでの演奏例について触れておくと、
「Happiness×3 Loneliness×3」は1999年のミニライブを除くと、
フルライブでは2000年の「Log-on to 21st Century」が唯一の演奏例である
だがこのライブのアレンジを聞く限り、
ラテン調ということもあってかなり盛り上がりやすい曲だと感じる


一方「80’s」は現在までTMのライブで演奏されたことがない
ただし2005年のtribute LIVE「SPIN Off from TM」で、
「it's gonna be alright」と日替わりで演奏されている(DVDには未収録)
木根曲なので、ソロライブで木根が演奏したこともあるかもしれない

Happiness×3 Loneliness×3/80's
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
1999-12-22
TM NETWORK
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Amazonアソシエイト by
記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 17 / トラックバック 0 / コメント 22


6-14 10 Years After

2014/03/06 02:43
ウツ・木根FCの方々は、
3/5に「the beginning of the end」の優先予約の結果通知が来たことと思います
いかがだったでしょうか?
私は府中初日・大阪・東京は参加できそうです(こっそりFC入りました)
府中はやはりすごい倍率のようで、先行販売以外ではほぼ購入は不可能でしょう


次はローソンチケットで一般先行予約が行なわれます
3/8受付開始で、締切は3/17の23:00です
どうかお忘れにならないように
おそらくこの後、チケットぴあとe+でも先行予約受付があると思います
それで先行発売は終わりでしょうか
一般発売は名古屋・大分は4/6、その他は4/5となっております


TMとしての活動はほとんど見えてきませんが、
そんな中で2/24、小室さんがTwitterで珍しく3人で撮った写真を公開しました
まあ撮影した小室さんは顔が半分切れているんですが、
ともかく3人で何かをしていることは分かります


そしてこの写真、注目すべきは4人目です
「もとEPICのTM NETWORKの産みの親、丸山さんど♪( ´▽`) 」
と小室さんが書いているように、
この写真は丸山茂雄さんを囲んで4人で映っているのです
これは非常に珍しいですね
丸山さん、お元気そうでし、3人も嬉しそうですね


実はこの写真、4人の対談の時のものらしいです
前回の記事のChebさんコメントで知ったのですが、
「TM NETWORK 30th Anniversary Special Issue 小室哲哉ぴあ TM編」4/21にぴあから出版されます

@TM NETWORK LIVE&CD HISTORY
アーティスト、小室哲哉のホームであり、原点であり、2014年4月21日、30周年を迎えるTMのデビュー以来の歴史を、デビュー当時の所属レコード会社であるEPICソニーの総帥、丸山茂雄氏とのBIG対談をはじめ、関係者のコメント、当時の写真、ポスター等のアーカイブ資料を交えて検証。先駆的なアイデア満載だったライブ・アーティストとしての側面、音楽的な実験精神に満ちたレコーディングの様子などを紹介。

A小室哲哉によるTM NETWORK全曲解説
TM NETWORKの代表曲、隠れた名曲まですべての曲を小室哲哉がみずから解説。歌詞、楽曲、アレンジ等への実作者ならではのこだわり、込めた想い、当時の技術やトレンドの取り入れ方から、いままで語られてこなかった名曲成立のエピソードなども加え、当時のファンには懐かしさと再発見を与え、若い音楽ファンには新鮮な驚きと共感を生む特集。

BTM30周年スペシャルトーク
1)TM NETWORK座談会
宇都宮隆、木根尚登とともに30年のキャリアとこれからをじっくり語りつくす
2)バンドメンバー、歌姫が語るTK
TM NETWORK、小室哲哉と音楽活動を共にしてきた”あの人”が見たTM、TKの素顔とは?

C祝・30周年!エールコメント集
縁のあの人この人からの”We Love TM NETWORK”コメントを一挙掲載。

DTMビジネス検証
ビジネス的な側面からTM NETWORKの功績と戦略を振り返る   ほか


この中の@でTMと丸山さんの対談が収録されるとあり、
おそらくTwitterの写真はこの時のものでしょう
@は過去のTMのライブやCDの歴史を検証するというもので、
書いていることだけ見れば、かなり面白そうです


つうか、もうこのブログ、いらない?(汗)


Aの小室さんのTM全曲解説とか、まだ全部語れるのかな?
「Earth」とか「EXPO」の頃の雑誌記事とかでもこういう企画がありましたが…
CDはそんなに興味ないけど、まあそれでも色々楽しみです


TMにすぐに関わる話ではないですが、
小室さん、2/26に東京ドームで行なわれたThe Rolling Stones来日公演を見に行ったようです
しかし観客の年齢層を考えてでしょうけど、チケット高いですね
花道周りの席は8万円です
これヤフオクの値段じゃなくて、正規料金ですよ!
まあでも、ローリングストーンズなら8万円払う人もいるだろうなあ


さて小室さん、これを見て色々と思うところがあったようで、
長くやるのも悪くないと思い、ステージから降りる時期について考えたと言っています
去年くらいもステージから引退する日のことを考えている旨のTweetがありましたが、
ローリングストーンズを見て、まだまだやりたいと思ったんでしょうか
なら嬉しいですね


さらに小室さん、ローリングストーンズに感化されて、
来年の春くらいに東京ドームライブをやりたいとか言っています
具体的な計画があるわけではないでしょうが、
おそらくTM 30周年のSeason 3を念頭に置いているのでしょう


東京ドームというと、TMファンには「TMN 4001 Days Groove」が思い出されますが、
小室さん個人では、2003年にglobeでライブを計画してぽしゃった痛い思い出の場所でもあります
30周年の締めくくりで失敗するのはあまりにも残念なので無理はしないで欲しいですが、
小室さんを発奮させる契機としては、
ローリングストーンズ来日公演は良いタイミングだったかもしれません


さて、ここ2週間、TM作品に関する新情報は出ておりませんが、
ソロではそれぞれリリース情報があります

小室哲哉「EDM TOKYO」リリースが3/19から4/2に延期
宇都宮隆→4/23BD「U_WAVE Tour 2013 フォースアタック」一般発売決定
木根尚登→4/10DVD「Naoto Kine Concert 2013 Talk&Live "RESET"」リリース


まず小室さんについて
「EDM TOKYO」のタイトルはまだ公式発表されていませんが、
Twitterで3/4に小室さんが発表しました
ソロのタイトル、3年続いた「DEBF」「Digitalian」シリーズから変わりました
「EDM TOKYO」アルバム収録曲のタイトルでもあるようです


レコーディングは3/4に終わったようです
リリースが4/2ですから、本当にギリギリまでレコーディングしていたんですね
まあ、交通事故による1週間の安静もありましたからねえ
しかしTMリミックスアルバムのレコーディングはこの後ですよね
大丈夫でしょうか?
まあ、たぶん同時並行でやっているんだろうけど…


あと小室さん、5/5に神戸国際展示場で「Music Circus '14」出演するそうです
「EDM TOKYO」の曲も演奏するんでしょうね


って、小室さん、この日名古屋でTMのライブじゃないですか!
まあ「Music Circus」は11:00開演、名古屋は18:00開演だから、
小室さんはお昼過ぎくらいに神戸のアクトを終えて名古屋に移動するんでしょうけど、
すごいスケジュールですね…


木根さんについては、FC版(受付締切)は、
一般販売版でカットされた「Girl Friend」とトークを収録しているそうです
こういうせこい商売にはつっこみたくなりますね
たぶんTMチケット目当てに新たにFCに入会した人を念頭に、
TM曲を限定版のみに入れたんでしょうけど、なんかなあ…
ちなみにDVDのダイジェストはyoutubeにアップされています
ウツについては…特にないです


最後に一つ気になる話題を
前々回の記事でEXPOさんからコメントがあって知ったのですが、
千葉の株式会社アドブレーンという会社が2/18EXPOピアノをオークションに出しました
そう、あのEXPOピアノです


このピアノ、製作者のYAMAHAと小室さんしか所有者はいなかったはずで、
YAMAHAが売ったことは考えづらいので、
(少なくとも2007年11月の楽器フェアには陳列していました)
小室さんが2009年の裁判の時、財産処分の一貫で売却したのでしょう
正直これだけは残しておいて欲しかったけど、
あの時は財産となるものを持っていない状態にしないといけなかったし、
仕方ないですね…


このピアノ、出品時に3000万円でスタートしましたが、
締切の2/25まで入札はなく、
一日延長しましたが、やはり入札されませんでした
そこで今度は500万円スタート、即決価格3000万円と、
大幅に値下げして出品されました
この時は同一アカウントが続けて入札して650万円まで値上げしましたが、
最低落札価格には達していなかったので、
オークションは成立しなかったものと思われます


3/3には、アドブレーンから4度目の出品がありました
(3/10オークション終了予定)
やはり500万円スタートですが、
3度目出品時と同じアカウントがその日の間に4回続けて入札し、
現在ではもう一人の入札者も含め7回の入札で12002000円まで上がってます


しかしまだ最低落札価格には達していません
おそらく500万円スタートは人の目を引くためで、
実際には3000万近くまで上がらないと売らないのだと思います
まあ正直、ヤフオクの新規アカウントにそんな金を出す人はいないと思いますが…


おそらくアドブレーンは、長らくこのピアノを高く売るタイミングを探していて、
TM30周年のこのタイミングを好機と見たのでしょう
まあ商売の話はおくとしても、
このピアノ、売れない間は会社でちゃんと保管してほしいし、
もしも将来買う人が現れたら、大事にして欲しいものです
小室さんが買い戻せたら、それが一番いいんですけど…


では本題に入りますね

------------------------------
「10 Years After」は、
「Get Wild Decade Run」リリース翌週の7/28、
TM NETWORK再始動第二段シングルとしてリリースされた
「Get Wild Decade Run」はTM初のマキシシングルだったが、
本作はTM最後の8cmCDとしてリリースである


CDは2曲入りで、
表題曲は「10 Years After –Bob Blockman Mix-」
カップリングは「10 Years After –Instrumental-」である
本作は現状で「〜Mix」などと付かないバージョンがなく、
その点でオリジナルが「”D” Mix」と名づけられた「Your Song」と同じである


「10 Years After」「Get Wild Decade Run」と同じく、
リニューアル以前のTM NETWORKの10年後であることを意識した曲名だが、
60〜70年代イギリスのロックバンドTen Years Afterも意識したものらしい


なお本ブログのタイトル「20 Years After―TMN通史―」は、
言うまでもなく本作を意識したものである
ただ私がこの曲にそこまで思い入れがあるというわけではなく、
ブログを始めた2006年がTMデビューの約20年後ということで、
もじるのにちょうどよいと思っただけということは、ここで白状しておく


ジャケットはビル街を上空から撮影したものだが、
その中の中心のビルが「tm」の文字に並んでいる(もちろん実景ではない)
この光景は、世界を俯瞰するTM NETWORKの視点を意識したものだろう
3人の写真はないが、このジャケットはなかなかセンスがあると思う



なお本作のTVCMでは、地球から宇宙にテレビが飛んできて、
そのテレビの中に過去のTMの映像が映し出されるというものである
最後はテレビが地上の街に落ちて終わるが、
その街はジャケット写真と同じものである


さて「Get Wild Decade Run」のカップリング「it’s gonna be alright」は、
ヴェルディ川崎1999年1st stageのサポートソングだったが、
「10 Years After」は2nd stageのサポートソングだった
すでに触れた通りヴェルディサポートソングの話は木根に来たものだったが、
木根の案でTMが担当することになった


2ndステージは8/6開催であり、
「10 Years After」リリース日はこれを意識して設定されたものである
レコーディングはその1ヶ月前に終わっている必要があり、
TMは6月終わり頃までに本作のレコーディングを行なうことが、契約上の条件となった


本作は当初、「Get Wild Decade Run」とともに、
6/14〜21にハワイのスタジオでレコーディングされる予定だった
ところが「Get Wild Decade Run」「it’s gonna be alright」完成後、
「10 Years After」は曲名も曲も歌詞も完成しなかった


そこでウツ・木根が6/22に帰国した後も、小
室はハワイで楽曲制作を続けることになった
タイトル・歌詞とオケが日本に送られたのは6/25のことで、
6/26にはウツの歌、6/2には7木根のコーラスがレコーディングされ、
ロスへと送られた
この音源はニューヨークのBob Brockmanにミックスが依頼され、完成を見た
(なお楽曲タイトルに「Bob Blockman Mix」とあるのは実は誤植らしい)


Bobは小室のロス移住以後の人脈で、
Prince、TLC、BABYFACEなどのミックスも手がけてきた人物である
小室関係では鈴木あみ「Be Together」やTrue Kiss Destination「Over & Over」「Girls, be ambitious!」も担当している


本作は前作「Get Wild Decade Run」を上回る4位を獲得した
この週のチャートは、
3位鈴木あみ「Be Together」、4位「10 Years After」、7位「Get Wild Decade Run」で、
10位内の3曲がTM関連楽曲となった


4位というのは、2013年現在、再結成後TMで最高のランクである
ただし翌週には11位に落ち、10位内ランクインは1週で終わった
(同週の12位は「Get Wild Decade Run」)


セールスは17万枚で、
23.2万枚を売った「Get Wild Decade Run」には及ばなかった
とはいえ以後の作品では10万枚越えしたものはなく、
本作は「Get Wild Decade Run」と並んで、
再結成後TMの作品中では圧倒的なセールスとなっている


本作は「Get Wild Decade Run」「it’s gonna be alriht」の中では、
後者の系譜を引く曲である
攻撃的なテクノサウンドではなく、
曲も歌も穏やかな雰囲気を出している


ピアノとギターで始まるイントロなどは、
安心して聞くことのできるやさしい音だ
ヴェルディサポートソングとして、
「it’s gonna be alright」と共通する空気を意識的に出したものだろう
ウツは「discovery」の頃(1996年)、
「10 Years After」のような曲を歌いたいと思っていたと言う


ミックスに当たって、シンセの音はあえて控えめにしたという
ただ音はアメリカのHip Hopも意識しており、
特にドラムはその雰囲気が強い
激しいものではないが、本作ではこのドラムがとても目立っている


なおカップリングのインストは、
歌入りの「Bob Blockman Mix」(6分16秒)よりも1分半短い
これは最後に延々と繰り返されるコーラス・サビに相当する部分がカットされたためである


歌詞の内容はTM NETWORKにしては内省的である
「あいつ」「おれたち」など、
それまでのTMではまず使われなかった言葉も使われている
(「終了」前なら「おれたち」は「ぼくら」だろう)


歌詞はTM NETWORKとしての10年ぶりの活動を意識したものだが、
主人公として小室がイメージしたのはヴェルディの三浦和良で、
三浦は10年後もまだ夢を追って突き進んでいるだろうと思って書いたものだった
「あいつはいつまで体を痛めて走りつづけるのだろう」
「明日どうしても勝たなきゃならない どうしても生きてたいのさ」
などの部分がこれに当たるものだろう


ただこの曲の歌詞には、別のメッセージもこめられている
特別なことがなくても幸せがすぐ身の回りにあるということである
この点を特に集約しているのが、Bメロ中の、
「過激も刺激じゃなくても生まれてここまできたこと喜べる」
というフレーズだろうし、またサビの、
「金と銀と鉄のアクセサリー飾りもすべては何だったのか?」
「ぬくもりはこのごろ何だか近くにころがっていた」
というフレーズも、身近な幸せを求めたい心情を述べたものである


小室の歌詞は締め切りの問題もあって、
両テーマが混在して未消化な印象が強いが、曲自体は悪くない
「it’s gonna be alright」と合わせて、
こういう曲はそれまでのTM NETWORKでは試みられておらず、
一つの新たな可能性を示す曲だったといえる
新しいTMのスタンダードを提示しようとしたものかもしれない


ただ旧来のファンからすれば、
再結成後一向にアッパーチューンがリリースされないことは、
やはり残念なところではあっただろう
(これはTMというか、この頃の小室楽曲全体の傾向だろうが)
期待していたものと違うと言う声が、当時ファンの間ではしばしば聞かれた
ここらへんは確かに、小室のバランス感覚に問題もあった
アメリカで活動する中で、日本のヒットチャートと遠ざかっていたことが、
悪い形で影響を与えてしまったともいえる


本作では「Get Wild Decade Run」に続いてPVが作成された
ウツ・木根は7/27頃にハワイのオアフ島に渡り、
7/31ウツのみハワイ島で撮影を行ない、
8/1には3人でオアフ島で撮影を行なった


3人の服は「Get Wild Decade Run」と同じく、真っ白の服である
雨の降るビルの中で傘を差しつつ歩くシーンや
草原で歩くシーンがある
また各一人のシーンもあり、
街の中で小室がコーラスを歌っているシーン、
岩場でウツが歌うシーン、
スタジオで木根がギターを弾くシーンがある


「Get Wild Decade Run」「Happiness×3 Loneliness×3」と同様、
本作のPVも音源はCDとは異なっている
ただ両曲のようにミックスが大幅に変わっているというのではなく、
2番や間奏がカットされて短くなっているだけで、
早い話ショートバージョンである(3分20秒程度)
2004年に「All The Clips」に収録された


「10 Years After」は、再結成記念ライブ「Log-on to 21st Century」や、
再結成後初のツアー「Tour Major Turn-Round」でも演奏されなかった
ただ1999年、復活後初のミニライブ「Yes to Life Festival」で演奏しており、
また2004年も、「Double Decade “NETWORK”」「Double Decade Tour」で演奏された
2012年「incubation Period」でも演奏する案があった


TRUE KiSS DiSC時代の楽曲は現在までほとんど省みられていないが、
その中で「10 Years After」は唯一全国ツアーで演奏された楽曲であり、
またライブ映像が商品化している楽曲でもある(「Double Decade “NETWORK”」
その点で、この時期のTM楽曲では一番存在感があるように思う


なお2004年の演奏も一因かと思われるが、
翌年ファン投票によるベスト版「Welcome to the Fanks!」には、
再結成後の曲として唯一この曲が選ばれている
(ただしSONY時代楽曲限定なので、2000年以後の曲は対象外)


最後にカバーについてもふれておくと、
小室のスタジオを使ったハワイのミュージシャンKalapanaは、
2002年の「Blue Album」「10 Years After」のカバーを収録している
Kalapanaのベースは日本人の佐野健二が務めているが、
佐野はかつてglobe・安室・華原・鈴木あみなど、
90年代末のTKプロデュース作品のレコーディングにも参加していた
おそらくこの縁で「10 Years After」がカバーされたのだろうが、
小室作品が外国人にカバーされたのは、日本向け企画版を除けば珍しい

(2014/3/6執筆、2016/5/14加筆)
10 YEARS AFTER
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
1999-07-28
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 33 / トラックバック 0 / コメント 30


6-13 Get Wild Decade Run

2014/02/23 06:48
2014/2/21、TM NETWORKの新作情報が開示されました
シングル「Loud」と、
リミックスアルバム「Information Discovery Report」で、
タイトルは現時点では「仮」ですが、リリース日はともに4/22です
早く聞きたいですね


「Loud」はCDのみとDVD付属版の2パターンがあり、
それぞれ1260円と1890円です
って、CDのみで1260円て高くないですか?
別に財政的に厳しいわけではないんですが、シングルってこんなにしたっけ
「I am」は1000円でしたよね
なんだか釈然としないなあ


CDは4曲入りで、1曲は「Loud」、1曲は曲名未定、あと2曲は両曲のインストです
またDVDは「Loud」のPVが入るようですが、
約10分とあるので、メイキングなども付くかもしれません
小室さん、2/21に「撮影」があったようですが、あるいはPV?


小室さんによれば「Informantion Discovery Report」は、
「情報開示録」の意味だそうです
アルバムは10曲入りで、現時点の収録予定曲は、
「Get Wild」「Self Control」「Seven Days War」「Be Together」「Just One Victory」「Accident」です
「Just One Victory」は、BD「START investigation」の解説中でも、
応援歌としてもっと知られてほしいみたいなことを言っていましたが、
そういう思いもあっての選曲でしょうね


今回注目すべきは「Accident(アクシデント)」でしょう
少し前に小室さんがラジオで「新曲と関係する」と発言していた曲です
新曲というか、リミックスするということだったんですね
この曲、リリース以来まったくリミックスとかと無縁だったし、
後の典型的TM楽曲とは異なる作風ということもあり、どんな形になるのか楽しみです
20周年では1stアルバムのリードシングル「金曜日のライオン」がリミックスされたから、
今回は2ndアルバムのリードシングルを…ってことでしょうか
ライブでもやるかな? ていうかやってくれ!


しかしその他の4曲のラインナップが、この上なくつまらない選曲ですね
小室さんが自分で選んでいるのかな?
あと4曲収録不明曲がありますが、
「Beyond The Time」「Love Train」「Still Love Her」「Human System」
とかになりそうで怖いです
もう定番曲はいいから、
「アクシデント」のような隠れた名曲を取り上げてほしいものです
あと前回の記事のコメントでもご意見が出ていますが、
なんでリリース日が4/21じゃなくて4/22なんでしょうね
オリコン集計日を考えるなら4/23(水)にするはずですし…


そして前回の記事のコメント欄ですでに書きましたが、
2/14にツアー「the beginning of the end」の日程が発表されました
4/26〜5/20、6会場10公演で、料金は全公演7800円です

・4/26(土)・27(日) 東京・府中の森芸術劇場どりーむホール
・5/2(金)・3(土) 大阪・オリックス劇場
・5/5(祝)・6(祝) 名古屋・国際会議場センチュリーホール
・5/10(土) 宮城・イズミティ21大ホール
・5/14(水) 大分・ホルトホール大分
・5/19(月)・20(火) 東京・国際フォーラムホールA


今回はTM由縁の地、府中からスタートです
小室さん逮捕直後、ウツと木根さんがフォークパビリオンをやった会場ですね…
初日で土日で小会場
これはすごい倍率になるぜ…!!(どうしよう)
一方ファイナルは、倍の集客力がある国際フォーラムで平日開催です
これは逆にした方がよかったような…
いや、国際フォーラムレベルなら間違いなく埋まるでしょうから、
問題は府中ですねえ


その他の会場について、物議をかもしているのは大分です
私ちゃんと把握していませんが、たぶんTMが大分に行くのは、
「終了」前にもなかったはずです
いや、2008年の「SPEEDWAY and TK Hits!!」では、
大分をスケジュールに入れていたのが中止になりましたね


これは当然KEIKOさんのご実家を考えてのことでしょうが、
大分平日開催で果たして埋まるのでしょうか?
まあ前回のiichikoグランシアタは2000人規模だったのに対し、
今回は1000人程度の上、福岡・広島公演がありませんから、
なんとか埋まるのかな?
というか、西日本の方々にはなんとも酷な日程になりました
まあ、Season2ではきっと福岡や広島もあるでしょう


なお前回このブログで、Season 1というからには、2か3まであるはずと書きましたが、
その直後に小室さんが、今回はSeason 3までとTweetしています
おそらくまだ決定ではないでしょうが、
Season 2ではCAROLの全貌が明かされ、
Season 3ではファン投票で演奏曲を決めるかもということです
ということは、Season 1はCAROL続編の前半になるのかな?


いずれにしろ、やはりSeasonは3まであり、
それぞれについてライブが予定されているようです
これは! かなり理想に近い形になってきましたぞ!
あとはオリジナルアルバムのリリースだけです…!


ツアーのチケット一般発売は4/5ですが、
当然その前にプレオーダーがあるでしょう
ウツ木根FCの先行予約が3/2締め切りなので、
3月中に各プレイガイドでプレオーダーを行なうと思われます
皆さん、うっかりエントリし忘れないようにお気をつけ下さい!


また交通事故で延期になっていた小室さんと坂本美雨さんのコラボライブが、
4/5開催になりました
TMツアーチケットの発売日ですから、TM話も聞けるかもしれません
チケット購入済みで参加できない方は、2/26までぴあで払い戻し手続きもしています


3/19には小室さんの「DEBF EDM 2」(仮)もリリースされます
小室さん、最近TMの話題ばかりが盛り上がっているため、
ソロアルバムの宣伝も積極的に始めました(笑)
まだ出せない情報があって、うずうずしているようです
しかし4月のTM新譜の情報は出ているのに、
小室さんのソロアルバムはタイトルすらまだ公表されていないんですよね
発売まで一ヶ月切ったのに、なんで?


今回は「DEBF EDM 2013 Summer」収録音源(の一部?)に加え、
新曲とリミックス音源が入るそうですが、
具体的にはglobe「Judgement」「Get Wild 2014」も入るとのこと
「Get Wild 2014」ということは、「DEBF EDM 2013 Summer」とは別音源ですよね
「Information Discovery Report」にも「Get Wild」のリミックスは入るのに?
いろいろ謎です


あと小室さん、「オドロキのコラボ」で、海外の人には作れないようなEDMを作ったそうです
「彼とコラボが出来て、素晴らしい曲ができた。一昨年の夏からの構想でした。」
Tweetしていて、相手は2年前から希望していた日本の某有名人(男性)らしいです
たぶんこれが、「出せない情報」なんでしょうね
誰だ? ナカタヤスタカとか?


以上、長くなりましたが近況でした
では本題に入ります
「Nights of the Knife」以来2年ぶりのTMシングル記事です

-------------------------
「Get Wild Decade Run」は1999/7/22にリリースされた
TM NETWORK再始動第一弾作品で、
言うまでもなく「Get Wild」のリミックスである
カップリングは新曲「it's gonna be alright」となった
本作はマキシシングルとしてリリースされたが、
これはTM NETWORK/TMNでは初めてのことである


1997年の再始動宣言からすでに1年半以上を経過していたが、
TM NETWORKの正式再始動はこの時となる
TMNラストシングル「Nights of the Knife」からは5年3ヶ月となるが、
TM NETWORK名義では1990/7/7リリースの「The Point of Lovers' Night」以来、
実に9年ぶりの作品である
「Decade(10年) Run」というのは、
「Get Wild '89」から10年であることによるという


なお5/31の記者会見では、
シングルは2枚同時リリースすることになっていた
その計画の全貌はよく分からないが、
当初1枚は「Get Wild '99(c/w Seven Days War '99)」と告知され、
もう1枚はヴェルディサポートソングということになっていた
リメイク2曲入りシングルと、
サポートソング「it's gonna be alright」「10 Years After」両曲入りシングルを、
同時にリリースするという構想だったのだろう


この中で気になるのは「Seven Days War '99」である
この年の元旦に特番「TK Present Nice Dream」で、
「終了」後初めてTMN3人で披露したのも「Seven Days War」であり、
この頃小室の中で、TMを代表する楽曲として念頭にあった可能性がある
ただ「Seven Days War」リメイクの話が具体的にメンバーの口から出たことはなく、
どの程度具体的な構想があったのかは不明である


「Get Wild Decade Run」のジャケットは、
白い衣装の3人が実験室風の場所で、
ブロックを並べているところの写真で、
そのブロックが「tm」の形になっている
(その下にはNETWORKとも書かれている)
これはタイトルロゴにも反映されており、

tm
NETWORK GET WILD DECADE RUN

と書かれている(tmはやはりブロックを並べて作った字)
1999年のTM NETWORKは以後も「tm NETWORK」と表記された


本作はチャートで5位、23.2万枚を記録し、
オリジナル「Get Wild」(23.1万枚)をわずかながら越えるセールスを実現した
TM版「Get Wild」5バージョンとカバー2バージョン(玉置成美・超新星)の中で、
一番売れたのはこのシングルである


なおこれは再始動後のTM NETWORKで最大の成績でもある
(最初が最大ということは、以後低落するということだが)
TM NETWORK名義(TMNではなく)のシングルの中でも、
「The Point of Lovers' Night」「Dive Into Your Body」に次ぐ3番目のセールスとなった


本シングルの制作過程を、時間を少し遡ってみてみよう
「it's gonna be alright」が3/12〜13、
ヴェルディ川崎のサポートソングとしてレコーディングされ、
3/27に発表されたことは、すでに述べたところである
実はCDの形に限らなければ、
TM NETWORK再始動の1曲目として発表されたのは、
「it's gonna be alright」の方だった


globe「Tour Relation」大阪城ホール全公演終了後、
小室は東京に帰って夜7時半からスタジオに入り、
翌日朝まで「it's gonna be alright」のミックス作業を行なった
大阪城公演は4/21〜28だから、スタジオ作業は4/29〜30だろう


「キヲクトキロク」収録の「it's gonna be alright (TK Vocoder Version)」は、
4/30にレコーディングされたとライナーに書いてあり、
この時にミックスされたものらしい
つまりこれはシングルCD版よりも早く作られたもので、
現状で聞くことのできる再始動後最初の音源ということになる


木根の「続・電気じかけの予言者たち」によれば、
この時小室は木根に、
「Get Wild」リメイク版をシングルにしようと提案したという
「Seven Days Way」リメイク計画には言及されていないが、
木根の本は2年近く後に発表されたものなので、
前後関係が合うようにつじつまを合わせて書かれている可能性もある
だがリメイクの対象として「Get Wild」を挙げたことは疑う必要はないだろう
そして以前述べた通り、5/8には福岡でウツも交えた3人で、
「Get Wild」リメイク版制作計画が決定した


小室は当面の方向性として、
過激といわれるサウンドを目指すことと、
長くやっているグループといわれることの、
二つの方針でやっていくつもりだと言っていた
ミュージシャンとして新しい音を開拓していくことはもちろんのこと、
昔からのファンも喜ぶような活動をしていくということだろう


まことに理想的な発言だが、
言うは易しとやらで、実際にはなかなかうまくいかなかったことは、
今後の歴史から知ることができる
ただ再始動当初はこのような理想に沿うべく動いていたはずであり、
リメイク+新曲という組み合わせは、
この両面作戦を反映したものといえるだろう


小室は「Get Wild Decade Run」について「進化した音」、
次の「10 Years After」について「スタンダードな音」と言っている
また「it's gonna be alright」は同じヴェルディサポートソングとして、
「10 Years After」に近い雰囲気の曲である
言い換えれば、「Get Wild Decade Run」が攻めで、
「it's gonna be alright」が守りの音として作られた


メンバーは6/4からのミーティングで、ハワイでのレコーディングを決定した
6/6には「Get Wild Decade Run」のPVおよびジャケット撮影を行なったが、
この時点では曲はまだできていない
映像の方が先に出来ていたことになる


ウツは6/12、小室は6/13ハワイに入り、レコーディングが始まった
6/14には木根も到着する
スタジオはハワイのオアフ島にある小室のTKDスタジオである
このスタジオが最初に利用されたのは、この時のレコーディングである
なおウツはハワイ集合前にニューヨークに行き、
TRUE KiSS DiSCのスタジオを見に行くなど、案外積極的である
実はTM再始動を一番楽しみにしていたのはウツなのかもしれない
ウツは6/17(日本時間)の「RENT」会見のため6/15に一時帰国し、
会見終了後に即日ハワイ行きの便に乗って再渡米するという慌ただしさだった


こうしてついに始まった3人でのレコーディングだが、
小室は深夜から朝に作業を行ない、
ウツ木根のレコーディングは夕方に行なったため、
3人が顔を合わせた時間はあまりなかった
音源制作と歌入れの時間を分けるのは効率的ではあるだろうが、
3人の共同作業と言う印象はあまり受けないのも事実である


この間、6/18段階の音源が、
「キヲクトキロク」収録の「Get Wild Decade Run ('99 Version)」である
完成版と比べるとまだ音は少ないが、基本的な構成は同様である
なお「'99 Version」は最後に完成版にはないフレーズが加わっており、
そのため完成版よりも数秒長くなっている


6/21には「Get Wild Decade Run」「it's gonna be alright」が完成し、
ウツ・木根は6/22帰国した
曲名はこの過程で決定した
だがヴェルディの1999年2ndシーズンサポートソングとして制作が決定していた「10 Years After」についてはレコーディングが終わらなかった
「Seven Days War」リメイク版リリースがなくなったのは、
レコーディングが予想よりも時間がかかったためかもしれない


たとえばmagnetica会報によれば、
6/19には小室がホテルで「it's gonna be alright」作詞を行ない、
ウツは時間が空いたので釣りをしていたという
だが後で述べる通り、「it's gonna be alright」の歌詞は、
4月の時点で大部分ができていた
さらにウツは6/21にも時間が空いて釣りをしている
おそらく音源制作作業が順調に進んでいなかったため、
歌入れの予定がずれ込んでいたのではないだろうか


ともかくも6/21にはTM NEWORK再始動シングル収録曲が完成した
(正確には、完成した曲を再始動シングルとした)
ここではまずカップリングではあるが、
先に作られた「it's gonna be alright」を見てみよう


本作は作詞・作曲ともに小室哲哉である
次の「10 Years After」にも通じる緩やかな雰囲気の曲だが、
「Get Wild Decade Run」がテクノだとすれば、
こちらの印象はヒップホップに近い
この点は、当時小室が力を注いでいたTrue Kiss Destinationと近い流れといえる


曲はヴェルディ川崎サポートソングということで、
応援を意識した歌詞となっている
聞きやすいミディアムテンポであるのも、
応援歌ということを意識しているのだろう


曲名「それで問題ないだろう」(邦訳)というのも、選手へ向けてのメッセージだろう
特に始まりの部分の、
いつでもどこでも このまま立ち止まれないいきざま
広い広いこの場所で たった一つの光が見えたかい?

というところは、サッカーのフィールドを意識しているに違いない


この曲で目立つのは、まず第一に小室のコーラスで、
サビではウツのボーカルが抑えられ、
むしろそれよりも大きな声で小室のコーラスが入っている
印象としては、Aメロ・Bメロをウツが歌い、
サビは小室が歌っているという感じである
ウツファンには不評だろうが、
TMとしては新しいパターンで、それなりに面白い試みと思う


再結成後のTMでは、2000年の「MESSaGE」や、
2007年「SPEEDWAY」収録の楽曲などでも小室の声が目立つ
その嚆矢といえるだろうか
なお4月にレコーディングされた「TK Vocoder Version」では、
1番Aメロは小室の仮歌で、2番Aメロは歌がない
また1番Bメロの歌詞はシングル版では、

このまま体が だんだん冷たくなって
スリルもないまま 君と感性まで離れてゆく
聞かせておくれよ 誰か救いの言葉を歌を夢を
いつもは見えない 命を見つけて自分を見つけて


となっているが、「TK Vocoder Version」では、

このまま体が だんだん冷たくなって
涙も出せずに 君と感性まで離れてゆく
聞かせておくれよ 何か救いの言葉を歌を夢を
いつもは見えない 命を見つけた分かった


となっており、特に最後のところでは歌い方も変わっている
2番Bメロも同様に「誰か」→「何か」、
「優しさ見つけて自分を知りたい」→「優しさ見つけた分かった」となっている
ただこれも微調整という程度で、
基本的な歌詞は4月の時点でできていたと言って良いだろう


ついで「Get Wild Decade Run」を見てみよう
これ以前の「Get Wild」スタジオ版ミックスとしては、
デモバージョンを除けば、オリジナルのほか、
「Get Wild '89」「Get Wild (techno overdub mix)」がある
「Get Wild '89」は原曲のボーカルを残して、
バックトラック作成をPWLに依頼したもので、
「techno overdub mix」はこれに新しい音を重ねたものだった
ともに派手で長いイントロで始まり、
基本的には原曲をより豪華にする方向のアレンジである


ところが「Get Wild Decade Run」は、
トラックの変化がより劇的である
渋いギターを中心に始まるゆったりとしたイントロは、
「Get Wild '89」の方向性とは真逆であり、
いわば「Get Wild '89」が「動」の方向のアレンジだとすれば、
「Decade Run」は「静」方向へのアレンジとも感じられる


歌の出だしのAメロは1オクターブ下げられており、
このオケを聞いた時、ウツはかなり不安だったらしい
後にも、生では歌いづらいと言っている
(実際に生で歌ったことはない)
まさかこう来るとは思っていなかったのだろう
原曲はAメロから勢いよく始まるが、
「Decade Run」では淡々と歌われる


さらに1番のAメロは1フレーズ増えており、

リスペクトいつもきみをたたえてた ここまで走りぬけた
心はいつしかふりだしの場所 もどりたくなっていた


という原曲にない歌詞が充てられている
(このため作詞者に、原曲の小室みつ子に加えて小室哲哉も加わっている)
ここは、今までの3人の音楽活動を振り返り、
TM NETWORK時代の活動に戻ろうという意志が表明されている


Bメロ「it's your pain〜」の部分では木根コーラスの他、
シンセ音も加わってきて、テクノ的な雰囲気が濃厚になる
原曲ではこの後勢いよくサビに入るのだが、
「Decade Run」では「Get Wild and Tough」のサンプリングボイスが繰り返され、
その後20秒近くのタメを挟んでbpmが変化する
シンセ・ドラムの音も派手になり、やっと原曲を思わせる勢いのあるオケになる


ところがウツのボーカルはここでもまだ抑えたままで、
しかもサビは前半しか歌われない
そして2番に入るとオケはまた元に戻る
ウツの歌が力強く変わるのはようやく2番サビ、3分を越えたところで、
それまで焦らされたリスナーは、ここで初めて盛り上がることができる


曲は2番サビが終わった時点で3:39で、
7:03の長さを誇るこの曲の中ではまだ中盤である
以後はオリジナルのフレーズを用いつつ、
盛り上がりのあるサビを繰り返しながら曲が展開する
原曲最後の「ひとりでも傷ついた夢をとりもどすよ」の部分が、
「ひとりでも傷ついた夢を取り戻せる」に変わっているなど、
随所に工夫の見られる作りともなっている


全般的に本作は「Get Wild '89」よりも工夫に富んでおり、
音も当時の邦楽ではかなりハイセンスな作りだと思う
小室も原曲をそのまま使うのではなく、
再構成して組み替えているあたり、
制作に当たって全力を尽くしている印象である


ただ本作は復活第一弾シングルとして期待されたこともあり、
いわゆるTM風のノリの良いポップスを期待していたファンには、
かなり不満を与えることになったようである
この不満はカップリングの「it's gonna be alright」や、
次のシングル「10 Years After」が、
いずれもミディアムテンポで、
アッパーチューンでなかったことからも増幅されてしまった


小室もこの点は認識しており、
「画期的すぎた」「実験してみすぎたかもしれない」
などと後に言っている
実際にこの曲を再始動1曲目にしたのは、
あまり冷静な判断ではなかったかもしれない
ただ一面ではファンも付いていけないほど本気で取り組んだ曲ということでもあろう


Get Wild Decade Run」はマキシということで、
カップリングは「it's gonna be alright」以外に2曲あり、
合計4曲が収録されていた


1曲は「Get Wild Decade Run -112 Club Mix-」で、
「Get Wild Decade Run」のリミックスである
このバージョンでは1番に入っても歌無しの部分が続き、、
Bメロの「何も怖くはない」の「い」のところから歌が入る


「Get Wild Decade Run」も後半ではオケに原曲の痕跡がそれなりにあるのだが、
「112 Club Mix」ではオリジナルのフレーズがほとんど用いられず、
リズムトラックを中心に曲が組み立てられている
これを聞くと、「Get Wild Decade Run」は、
まだそれなりに実験性を抑制しているともいえる


カップリングのもう一曲は、
「it's gonna be alright -Instrumental-」である
ただし「Get Wild Decade Run」には、
1999/9/8リリースのクラブ向けアナログ版もあり、
そちらではこの曲の代わりに、
「Get Wild Decade Run -Instrumental-」が収録されている


なお本シングルを含め、TRUE KiSS DiSC時代のシングルは、
オリジナルアルバムに収録されていない(アルバムが出なかった)
「Get Wild Decade Run」「it's gonna be alright」およびそのインストは、
「Original Singles」「Original Single Back Tracks」で聞くことができるが、
「Get Wild Decade Run -112 Club Mix-」は、
アルバムでは限定ボックス「World Heritage」所収の「All The Get Wild」でしか聞くことができない
なお「it's gonna be alright」は2005年の「Welcome to the Fanks!」にも収録されている


「Get Wild Decade Run」にはPVもある
CDジャケットと同時に撮影されたため、
3人の衣装はジャケット写真と同じである
PVの撮影は、近くは1996年の「Detour」の例もあるが、
これは厳密には小室・ウツ・木根連名名義の曲であり、
またTMN最後のシングル「Nights of the Knife」のPVは、
過去の映像を編集してつなげたものである
「Get Wild Decade Run」は実に1991年の「Love Train」以来、
8年ぶりに撮影されたTMのPVということになる


ストーリーは、氷山の中にある実験施設の中で、
研究者が男女2体の生命体を製造するというものである
最終的に生み出された彼らは野に放たれ、そこでPVが終わる
彼らは耳から手が生えたり、人間とは異なる動きをするなど、
人間とは別の生命体らしい(おそらく進化した人類)


実験施設の中にはTM NETWORKの3人もいる
3人はCDジャケットの「tm」ブロックの並べられた机の前から、
遺伝情報を投与して、生命体を完成に導く
3人はまた、研究者たちにも指示を与えているようである


なにかできた



SF的空気のPVはTM NETWORK史上で、
「終了」前の作品を含めてもかなり良い線を行っていると思う
見ていて不快感・不安感を感じさせる映像ではあるが、
同時に未来的な曲の雰囲気にもよく合っている
おそらくこのPVのテーマは「人類の進歩」であり、
それを導く存在としてTM NETWORKが描かれている
進歩的存在の象徴としてのTMは「終了」以前からのコンセプトだが、
それがよく表現されていると思う


また注目すべきは、このPVの音源がCD未収録のバージョンであることである
長さが原曲の半分以下(3分)しかないため、
曲が大幅にカットされているためだが、
それ以外にも手を加えた部分がある


「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」
も含め、TRUE KiSS DiSC時代のPVはいずれも曲が短く編集され、
特に「Get Wild Decade Run」「Happiness×3 Loneliness×3」は、
アレンジ自体も変わっているため、音としても貴重である
これらのPVは、2004年リリースの「All the Clips」で初めて商品化された


「Get Wild Decade Run」の場合、
1番Aメロはなく、「112 Club Mix」のBメロから始まり、
しかもサビは歌がない
(Bメロ〜間奏の歌詞も「い」と「Get Wild and Tough」だけ)
続く2番Bメロは歌がないだけでなく、
サビに入るところのトラック自体にアレンジが加えられている


2番サビ(全部で3分の中の2:18から)になるとやっとウツの歌が入る
ここはCDではサビ繰り返しの部分に当たる
ウツの歌がまともに入るのはこの部分だけである
その後は10秒ほどサンプリングボイスが入ってPVは終わるが、
この音はCDには入っていない
バックトラックは「112 Club Mix」と思う


「Get Wild Decade Run」「it's gonna be alright」は、
TM NETWORK再始動の記念曲だが、ライブでの扱いは非常に不遇である
「Get Wild Decade Run」は、
イントロと同じ音源が「Log-on to 21st Century」で使われたが、
それ以外では現在までまったく省みられていない
歌が低音で、ウツが歌いずらいこともあろうし、
ライブの盛り上げ曲である「Get Wild」を、
ノリを抑えた本アレンジで演奏するのは、
ライブの構成を考えれば難しいところもあるのだろう


「絶対に演奏できない曲」と言われてきた「一途な恋」が、
2013年「START investigation」で1番のみとはいえ演奏された今、
「Get Wild Decade Run」は、
ライブで演奏されたことのない唯一のシングル曲となっている


「it's gonna be alright」に至っては、
現在までTM NETWORKのライブで片鱗も演奏されたことがない
オリジナルアルバム未収録で、シングルカップリングという、
いかにも微妙な位置にあるため、
今後も演奏される可能性はほとんどないだろう


ただし2005年のtribute LIVE「SPIN OFF from TM」では、
日替わり曲として演奏された
しかしDVD収録日の2005/4/28には演奏されなかったため、
この曲の映像は商品化されなかった

(2014/2/23執筆、2016/5/14加筆)
GET WILD DECADE RUN
ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
1999-07-22
TM NETWORK
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6-6 TK Presents "You Are The One"

2013/10/09 00:41
先日WOWOWで放送された「START investigation」ですが、
BD/DVDのリリースが決まりました
12/11リリースです
今回はBD限定版(10500円)BD通常版(7875円)DVD通常版(6825円)の3パターンが用意されています


DVDには限定版がないって、
BDが見られない人はもう切り捨てモードなんですねえ
それくらい作ってあげても…という気がしますが
それと、今回は明らかに前回よりも収録曲が少ないはずですが、
(日替わり曲がほとんどないので)
通常版の値段は前回と同じです
まあ前回がサービス価格だったのかなぁ…


限定版はBOX仕様で、
「小室哲哉によるオーディオコメンタリー(ライブ解説)」
「フォトブックレット+小室哲哉未公開スケッチ集」
が封入されているとのことです
ライブ解説は気になりますね
果たして読んで意味が分かるものか、はなはだ不安ですが…
それとスケッチ集ってあれですよね、
ライブ会場でパンフと称して売っていたラクガキ設定資料集
(もちろんライブ会場のとは中身は違うでしょうけど)


しかしこれで3000円近い値段差があるんだ…
いや、ライブ解説は読みたいんだけど、3000円かぁ…
さらに毎度のことですが、mumoで購入するとオリジナル特典が付きます
ただたぶん毎度の通り、りリリース目前まで内容は公表されないと思います


なおmumoは送料を取りますので、送料無料のamazonよりも損です
さらに現時点ではamazonでは値引きが設定されていませんが(少し待てば付くかも)、
楽天は25%オフで、通常版BDの値段で限定版が買えます
楽天だと2625円値引き、mumoだと定価+送料数百円で、
mumoの「特典」は事実上3000円の商品と考えた方がよいでしょう


以上をまとめれば、「START investigation」は、
3パターン×2(mumoかそうじゃないか)で6パターンの買い方がありますので、
ご自身の懐具合などとご相談の上でどれが良いかお選び下さい
まあ通常版と限定版で別の特典をつけるようなことまでにはしないだけ、
良心的だとは思います
(特典商法はavexの常套手段ですから…)


収録映像は、曲目を見る限り初日7/20で、WOWOWと同じ日ということになります
7/21はミスが多かったんでしょうか?
個人的には7/21の方が良かった気がしたんですけども…
まあ初日は見ている方も緊張したから、そう感じただけかもしれません


あと収録曲に「他収録予定」とありますが、
とりあえず7/21の「I am」は入るようです
最低限のところは押さえているようで安心しました


ともかくBD/DVDが予想より早くリリースされることになったのはうれしい限りです
WOWOWでも11/21に再放送がありますが
たぶんBDとはカメラワークとかが違いますので、
マニアな方でまだ録画していない方は、ぜひ録画して下さい


さらに話半分に聞いておくべきでしょうが、
小室さん、TM NETWORKのEDM版を年内に作ろうとか言っています
20曲くらいを考えているようです
やるとしたらiTunes限定配信でしょうか
実現したら、「CLASSIX 3」ですね
タイミング的に、一部は30周年ライブで披露されるかもしれません


あれ、そういえばiTunes配信っていえば、
「Green Days」はいったいどうなったんでしょうか…?
それと肝炎治療終了直後の記念スタジオライブをyoutubeにアップするとか言っていた件も、
もう半年近く前になるんですが…
まあ後者については、大人の権利問題があるんでしょうかね


小室さんは10/8、「ハモネプリーグ」に出演しました
チーム名はTKハーモナイザーです
今回はなぜかオープニングとかでやたらと小室さん推しでした
もっともTKハーモナイザーは予選落ちでしたが、
同ブロックのつのだひろのチームに勝つのはどう考えても無理でした
これぞ本物のシンガーですねえ


TKハーモナイザーは「Never End」「Get Wild」を歌いました
しかも後者では、小室さん自らマイクを取りました
小室さん、オープニングから、自分が歌うことを宣言していましたし、
「マジで!?」とすごい不安でしたが、
実際はほとんど声が聞こえなかったので問題はなかったです
ちなみに歌が終わった後のネプチューンの、
「小室さんが歌うとこっちも心配する」というコメントは、
よく本人を前に言いました(笑


しかし他のチームはメンバー関係の曲を外して選曲していたのに、
小室さんだけ自分の曲というのはいかがなものかとも思いましたが、
まあ小室さんは楽しそうだったからいいかな!


あと番組オープニングでは、Rag Fairとかがアカペラの歌で登場し、
その後各チームの入場に合わせてチームと関わる歌を紹介代わりに歌っていました
この部分、TKハーモナイザーの時は意外なことに「Love Train」でした
なんか聞き覚えがあるなあ…と思いながら、最後になるまで気付きませんでした
テレビを見ている人で何の曲か分かる人、どれくらいいたんでしょうか


U_WAVEの「Tour フォースアタック」は、そろそろ10/11から始まります
ツアーパンフには、新曲も含むCDが付属しているとのことです
ツアー特設サイトもできました
リハーサル会場からのコメント動画も出ています
しかしウツはまだ良いとして、他の男性メンバーの外見は完全に爺さんですねぇ…


木根さんは、11/23にシングル「RESET」をリリースします
PVも公開されていますが監督・撮影・編集は阿部薫さんらしいです
木根さん、年内にソロ活動をリセットするということは、
たぶんこれがラストシングルになるんでしょう


もっともシングルリリースとはいえ、ネットとライブ会場の限定販売で、
一般の流通には乗らないようです
個人的にこういうのは流通に乗せるのが難しいなら、
iTunesとかで配信した方が良いと思うのですが…


シングルリリースに合わせて「”RESET" Tour」も始まりますが、
その後は12/23に恵比寿ザ・ガーデンルームでクリスマスライブがあります(サポート西村麻聡・葛城哲哉)
たぶんその後は年越しライブがあるでしょう
木根さんがソロの音楽活動を本当にやめるのか、
2年くらいでまた復活するのかはまだ分かりませんけど、
一つの区切りにはなるんだと思います


以上、近況でした
では本題に入ります

------------------------------
小室哲哉プロデュース作品群がヒットチャートを席巻するいわゆるTKブームは、
1995年秋頃から第二期に入った
それまでの第一期の中心を担っていたのはtrfであり、
篠原涼子とH jungle with tもビッグセールスを記録したが、
trf以外は必ずしも永続的なプロデュース・活動を前提としたものではなかった


これに対して第二期になると、
globe・安室奈美恵・華原朋美の3組がTKプロデュースの核となった
それぞれのデビューの契機についてはすでに触れたが
これらは概して篠原やH jungleと比べ継続的なプロデュースが行なわれた


この中で小室の活動の核になったのは、自ら所属するglobeである
ダンスミュージックでヒットを飛ばしていた2 Unlimitedを意識して、
KEIKOとMarc Pantherの男女ユニットとする予定だったが、
小室自身もこれに加わって3人のユニットとなった
ここに1995年8月、TMN「終了」から1年を経て、
小室は再び3人組ユニットのリーダーとして活動を開始することになった


1995/8/9リリースのglobeデビュー曲「Feel Like Dance」は、
小室が音楽を担当したフジテレビ系列のドラマ「ひとりにしないで」の主題歌となった
チャートは当初6位だったが、9月になって順位を上げ、
10/2付けチャートでは3位まで上がった


さらに翌週のチャートでは2ndシングル「Joy to the love」がリリースされ、
初動で「Feel Like Dance」(10万)の倍以上、
24万枚以上を売って1位を獲得した
11月には3rdシングル「Sweet Pain」も初動24万枚超で2位を獲得している


そして1996/1/1、4thシングル「Departures」がリリースされた
小室自身が売れることを確信していたと言っていたが、
実際に初動で62.8万枚、最終的に228.8万枚を売り、
1996年度の年間2位を獲得した
このセールスを小室作品中で見ると、
最大の成績を誇る安室奈美恵「Can You Celebrate?」とほぼ同じで、
小室の二大代表曲の一つと言える


この勢いを受けてリリースされた1stアルバム「globe」は414万枚を売り、
当時の日本最高記録を樹立した
これは現在まで小室作品の最高記録でもあり、日本史上でも7位となっている
数字の面で言えば、TKブーム最大の偉業と言って良い


globeはさらに1996年から翌年にかけて、
シングル「Is this love」「Can’t stop falllin’ in love」「FACE」「Faces Places」をリリースし、
1997/3/12にはこれらを収録した2ndアルバム「Faces Places」をリリースする


「Can’t stop fallin’ in love」「FACE」はともに130万枚を越すセールスを達成し、
アルバム「Faces Places」は324万枚を売って(1997年度は320万枚)、
年間3位を記録した
「globe」ほどの成績には達しなかったが、
それでもなお巨大なセールスを実現している


「Faces Places」は、個人的にglobeでもっとも好きなアルバムである
ポップ・ダンスよりはロックを志向した内容で、
KEIKOの歌も声を絞り出すような歌い方が目立つ
少し後にリリースされた華原朋美「Hate tell a lie」もこの流れにあり、
この頃の小室の志向だったのだろう


アルバムリリース前後の1997/3/1〜24には、
4都市7公演のドームツアー「globe@4_domes」を開催している
これがglobe初の全国ツアーである
(1996年「house of globe」は招待客による単発ライブ)
最初のツアーで東京ドーム4公演という壮大なスケールのライブが実現できたのは、
この頃のglobeだからこそだろう


globeは小室所属のユニットとしてミュージシャンとしての性格が強かったが、
安室・華原はアイドル的存在として売り出された側面が強かった
安室はもともとアイドルユニットスーパーモンキーズの一人だったが、
ソロデビュー後、特にTKプロデュース期以後は、
結婚による休業に至るまで、
“女性の憧れるかっこいい女性”的な位置を確保した


華原のキャラクターはこれとは逆で、
かわいい女の子路線で売り出されたが、
「時の人」小室との関係もあり、
女性の憧れるシンデレラストーリーを体現した存在として、
安室とは別の意味で女性の憧れの存在となった
それぞれに憧れる女性たちは、
当時「アムラー」「カハラー」と呼ばれた


安室は小室プロデュース時代以前からの下積みもあり、
(すでに松浦勝人プロデュース「TRY ME」で73.3万枚)
1995/10/25リリースのTK作品第一弾「Body Feels EXIT」で、
3位、88万枚の成績を上げていたが、
その1ヶ月後12/4リリースの「Chase the Chance」や、
翌年3/13リリースの「Don’t wanna cry」では、
130万枚を越える成績を修めている


これらを収めたアルバム「Sweet 19 Blues」は7/22にリリースされ、
336万枚という自身最大の成績を上げている
なお1996年の年間アルバムチャートは、
1位「globe」、2位「Sweet 19 Blues」である
小室作品のチャート情報ではシングルがよく取り上げられるが、
実は1996年度アルバム1・2位独占の方がすごいと思う


安室の最大のヒット作は、1997/2/19リリースの「Can You Celebrate?」である
フジテレビ系ドラマ「バージンロード」の主題歌で、
ドラマオープンニングでは自ら小室とともに出演した
この曲は229.6万枚を売り、小室唯一のシングル年間1位作品となった


本作の売上は小室作曲のシングルで最大で、
おそらく「My Revolution」と並んで、
世間での知名度がもっとも高い曲でもある
本作を含むアルバム「Concentration20」は1997/7/24にリリースされ、
193万枚(1997年度188万枚)を売って年間7位を獲得している


華原朋美はQUEENの楽曲名をもじった「keep yourself alive」で、
1995/9/8にデビューし、8位37万枚を売ったが、
やはり一般への注目度を上げたのは、
1ヶ月後10/11にリリースされた2ndシングル「I Believe」だろう
初動は7位6.2万枚だったが、その後もロングセールスを続け、
翌年1月には4位まで上昇した
最終的には103万枚を売っており、
同時期にリリースされたglobeのシングルを上回っていた


1996/3/6には「I’m proud」がリリースされ、139万枚の成績を上げた
(ただし順位はB’z「ミエナイチカラ」に阻まれ2位)
本作は華原最大のセールスを記録し、代表作とされるものだが、
実際に「I Believe」と並んでよく出来ている作品と言える


6/3リリースの1stアルバム「Love Brace」は257万枚を売り、
1996年度の年間9位となった
これが華原の最高記録である
その後もglobe・安室には及ばないものの、
「save your dream」「Hate tell a lie」など、
1997年にかけてミリオンクラスのシングルを出し続けている


このように見ると、globe・安室・華原の3組にとって、
1995年後半から1997年初めは絶好調の年だった
この時期にTKブームは、その最盛期を迎えたといってよい


ただしもっぱら1996年前後に最高記録が生まれているということは、
その後人気の停滞・凋落が始まるということでもあるのだが、
それについてはまた章を改めて述べることにしよう


なおglobe・安室・華原以外にも、
trfはTRFと表記を改めて(テコ入れをして)活動を続けていたし、
hitomiやdosなどもこれらほどの人気は出なかったものの、
一定の成績は上げていた
内田有紀・観月ありさ・中森明菜への楽曲提供も続いている
さらにウツ・木根や大賀埜々などへの楽曲提供・プロデュースについても、
前章までに触れたところである


このように1996年に小室が関わったミュージシャンは極めて多く、
しかも常時テレビの音楽番組に出演した
これは当時TKブームと対の言葉として「小室ファミリー」と呼ばれた
(ウツ・木根は別と思うが)
リリース作品が極めて多かったこともあり、
チャートは小室作品が数作ランクインしているのが常態となる


著しい例として、1996年2〜3月のシングルを見ると、
2/28hitomi「Sexy」(10位、後に9位)、3/6華原「I'm proud」(2位)、3/13安室「Don't wanna cry」(1位)、3/21TRF「Love & Peace Forever」(2位)、3/21dos「baby baby baby」(6位、後に4位)、3/27globe「FREEDOM」(3位)と、
なんと5週で6作をリリースし、すべて10位内に入れている
そして3/31にはglobeの1stアルバム「globe」がリリースされたのである
年度内リリースの予定が詰まってしまったためもあろうが、
どれもそれなりに売れていることは驚異的である


参考までにこの頃のTKプロデュースのアルバムも列挙してみよう
「TK Dance Camp」以後1996年まで)

1995/8 篠原涼子「Lady Generation」
1995/8 EUROGROOVE「EUROGROOVE #4」(コンピレーション版)
1995/9 hitomi「Go To The Top」
1995/12 trf「Brand New Tomorrow」
1995/12 EUROGROOVE「The Best of EUROGROOVE」(ベスト版)
1996/2 H.A.N.D「Don’t tell yea MAMA」
1996/2 trf「The Live」(ライブ版)
1996/3 globe「globe」
1996/5 tk-trap「tk-trap」(ライブ版)
1996/6 華原朋美「Love Brace」
1996/7 安室奈美恵「Sweet 19 Blues」
1996/9 hitomi「by myself」
1996/9 dos「chartered」
1996/11 木根尚登「Remember Me?」
1996/12 TMN「Time Capsule」(ベスト版)


さらにこれ以外にシングル曲リリースやテレビ出演もあったのであり、
全曲の作詞・作曲・編曲を行なっていたわけではないにしろ、
この仕事量では近いうちに燃え尽きてしまうだろうという危惧は、
おそらく当時多くの人が持っていたに違いない
しかし小室は止まることが許されなかったと、後に述懐している


1993年以後の小室哲哉個人のマネージメントは、
SONYグループ内のAntinos Managementが行なっていたが、
こうしたブーム的状況下で、
小室関連の仕事を管理しきれなくなっていたらしい
特に問題になったのは、小室の恋人華原朋美をめぐるマスコミ対策だった


Antinos代表の丸山茂雄はEPIC/SONYでTM NETWORKの担当をしてきた小室の恩人であり、
1993年にこじれたタイムマシンと小室の間を取り持って、
一時期TMN活動再開への道筋をつけた人物でもある


だが上記の状況を受けて丸山はavexの松浦勝人と相談し、
松浦はavex系列のプライムディレクションに、
小室専門チーム「TKルーム」を作ることになった
1996年4月以後は、もっぱらここが小室のマネージメントを担当する
小室哲哉個人の成功の背後で、それを維持しようとする業界側の努力と、
それが必ずしも容易ではなかったことを知らせる話である


さて、このようなバブル的様相を示していたTKブーム中期の象徴となる楽曲が、
TK Presents「You Are The One」である
TKブーム第一期の象徴が「TK Dance Camp」だとすれば、
第二期のそれはこの曲と言って良い


この曲は小中学校へのパソコン普及のためのチャリティソングとしてリリースされた
文部省の援助も受けたNTTとの連携企画としてこねっとプラン事務局が設けられ、
全国1000の小中高校にインターネットを普及させるプロジェクトが立ち上げられたが、
「You Are The One」はこれとの関係で作成されたものだった


小室は日本のミュージシャンの中でも、
かなり早くインターネットに注目していた
もともとEUROGROOVEなどで海外への進出も考えていただけに、
海外の音楽関係者との迅速な連絡を取る手段として注目していたようだ
1996年12月、小室はおそらくこの延長上に、
アメリカのメディア王Rupert Murdochと共同で香港にTK Newsを設立する


1995年終わり(おそらく12月)には個人サイトplanet TKを立ち上げ、
翌年にはこれを発展させる形でTK Gatewayを開設している
(ちなみに驚くことに、planet TKのサイトは2013年現在でまだ存在する
この頃小室は、TKファミリー全員にパソコンを配布したという


planet TKの立ち上げにはNTTのバックアップがあったようで、
当時の新仕様だったShockwaveに対応しており、
NTTが開発した音源圧縮技術TwinVQのテストページも公開していた
他にもYAMAHAのソフトシンセの新製品TK’s karaoke engineをネット限定販売したり、
小室楽曲のMIDIデータを配信するなど、
当時としてはかなり新しい試みを行なっている


なおネット上での新曲発表も1995年の時点で構想されていた
これを実現したのが2000年のROJAM(TK Newsの後身)での楽曲配信およびネット通販である
ROJAMの事業は、小室としては構想以来5年を経てようやく実現したものだった
この事業自体は小室の財政破綻の原因となってしまうものの、
後のiTunesやyoutubeの大成功を考えるに、
方向性としてはおそらく間違っていなかったのだろう
小室は2012年の時点でも、この試みの先見性に自信を持っていた


さて、「You Are The One」に戻ると、タイトルから見ても明らかなように、
アフリカの子供たちへの援助を目的としたチャリティソング「We Are The World」をモデルにしたものである
「We Are The World」は欧米のミュージシャン45人が参加したが、
「You Are The One」では小室ファミリーを中心に、
小室と親交のあったミュージシャンが参加して、
計19組でリレー形式で歌を歌った


作曲・編曲は小室だが、
作詞には小室の他、Marc Panther・DJ KOO・hitomiも加わっている
MarcとDJ KOOはラップを担当したので、
それぞれ自分のパートを作詞したのだろう
hitomiは自分のアルバムでも作詞していたことを考えれば、
実質的なところに作詞に関わっていてもおかしくはない


このシングルは1997/1/1にリリースされ、
初動31万枚、総合122.5万枚、年間7位を記録した
先ほどまで見てきたglobeなどの売上を見てしまうと驚きは感じないが、
客観的に見れば立派な成績と言えるだろう


さて、本ブログでこの曲をことさらに取り上げるのは、
決してTKブームの歴史そのものを見たいからではない
この曲で歌うメンバーにウツ・木根も加わっているからであり、
つまりこの曲ではTMNの3人が共演しているからである


小室と木根、小室とウツのタッグはすでに行なわれており、
1ヶ月前の「Detour」では3人の共演も実現していたのだが、
「Detour」はTMNのベスト版のボーナストラックという、
なんとも微妙な位置にある曲であり、
旧TMNファン以外の耳に入る機会はほとんどなかったと思われる
これに対してシングルでの3人の共演は実に3年ぶりだった


「You Are The One」というミリオンヒットシングルにウツ・木根が参加したことは、
3人の再接近の事実を世間に広く知らせる上で大きな意味を持っただろう
「You Are The One」にウツの声が入っていることに気付いて驚いた旧ファンは、
それなりに多かったのではなかろうか


そのことは当然3人も意識していたはずであり、
つまりこのシングルは一面では、
旧TMNファンに1997年の3人の活動を期待させることを意図したものと考えられる


以上のような事情もあり、
以下では「You Are The One」の歌い手を具体的に挙げてみよう
なお小室はサビ繰り返し部分のコーラスのみである

1番Aメロ
・内田有紀「明日もし君がいなくて(以下略)」
・hitomi「明日もし信じることが(以下略)」

1番Bメロ
・甲斐よしひろ「とっておきのいかした勇気と愛情(以下略)」
宇都宮隆「これから未来に向かって走っていきたいんだろう?人を傷つけずがんばって生きてるんだろう?」

1番サビ
・dos「君が好きだった やっぱり好きだった」
・浜田雅功「ときにはわがままだったり道を外して恐いけど結局すごくやさしくて」

2番Aメロ
・大賀埜々「何年も君を見てきた」
・SAM・ETSU・CHIHARU(TRF)「どれほどの奇跡を見てきた」

2番Bメロ
木根尚登「ラストスパートはとても計り知れないパワーがどこからか生まれてくるんだね」
・m.c.A・T「世紀末の10年いろいろあるよね(以下略)」

2番サビ
・天方直実・久保こーじ「君が好きだからやっぱり好きだから」
・dos「ときには満たされずあたりちらして迷惑かけたね(以下略)」

ラップ
・Marc Panther「眠りにつくとき瞳閉じるたび(以下略)」
・DJ KOO「All Right! Hey Ladies and gentlemen(以下略)」

サビ繰り返し
・安室奈美恵「You Are The One You Are The One(以下略)」
・華原朋美「You Are The One You Are The One(以下略)」
・KEIKO「君が好きだったやっぱり好きだった(以下略)」

Aメロ繰り返し
・YUKI「夜明けころ未来のことを少しでも君と話せたら」
・観月ありさ「明日からもっと自由に愛や夢描いてくれるね」


パワーが、どこからか生まれてくるんだねっぇー♪



TKプロデュースが女性中心だったため、
全体は女性パートが中心となっている
その中で男性はラップを除くと、Bメロを2人が分担し、
1番・2番で計4人分用意されている
(その他、1番サビの浜田の分もある)
Bメロはそれなりに目立つ部分で、おいしいといえるかもしれない
ウツと木根が入るのはこの部分である


ウツ木根以外の男性ボーカルについては、
m.c.A・Tは1996/7/17、内田有紀&m.c.A・T名義で、
TKプロデュースの「Ever&Ever」をリリースしている縁があり、
同じ頃には富樫明生名義で、
安室奈美恵「Sweet 19 Blues」やdos「chartered」に楽曲提供している
甲斐よしひろは1998年にTKプロデュースのシングルをリリースしている
これは「TK MUSIC CLAMP」で甲斐がゲスト出演したことが縁になっているらしく、
「You Are The One」への参加もこの流れだろう
(本記事Mさんコメントによる)


この曲が一番盛り上がるのは最後のサビ繰り返しの箇所であり、
一人当たりの担当時間も長い
ここに安室・華原・KEIKOが当てられているのは、
いかにも当時の力関係を示している
(しかも華原の箇所は小室のコーラス付き)


この曲は1996/12/25「夜のヒットスタジオスペシャル」で、
小室ファミリーがステージ上に並んで演奏されたが、
この時は1番のみの演奏だったため、木根の出番はなかった
また甲斐とウツは出演せず、その担当箇所はCD音源が流され、
スクリーンにレコーディングスタジオで歌っている姿が映された
1番サビはSAM・ETSU・CHIHARUとdosが担当するように変更されたため、
浜田の担当箇所もなかった


1996年年末にテレビ中継されたカウントダウンライブ「TK Gateway Count Down」では、
この曲がフルコーラスで演奏され、木根も自らのパートを歌った
(このイベントでは木根の「Remember Me?」も演奏されている)
しかし甲斐・ウツ・浜田はやはりスクリーンにVTRが流され、
自ら出演することはなかった


甲斐と浜田は小室ファミリーとしてテレビに出演する気が初めからなく、
そのため事前にVTRを作っておいたのかもしれない
甲斐はこの時点では小室ファミリーではなく、
浜田もH jungle with tを再開させる予定はなかったのだろう


ウツのスタンスも気になるところで、
一見すると、小室ファミリーとは距離を置こうとしていたようにも見える
ただウツはこの日会場に来ており、歌唱の様子も見ていたらしい
番組では風邪による熱とノドの不調を理由に欠席として紹介されている
(本記事かしこ。さんコメント)


個人的にこの曲はあまり好きではないのだが、
関係者には思い出深い曲のようで、
globeは1999年の「紅白歌合戦」に出演した時、この曲を演奏している
ただしこれは1998年のアルバム「Love again」所収のglobeバージョンである
globeは1999年にベスト版「Cruise Record」にもこの曲を収録していたため、
自らの歴史を総括する曲として選んだのだろう


一方1999/9/19の安室のシングル「Something ‘bout The Kiss」のカップリングには、
安室バージョンが収録されている
(翌年のアルバム「Genius 2000」にも収録)
自分のライブで歌いたいのでソロバージョンを作って欲しいと、
安室から小室にお願いしたという
黒人ミュージシャンIMAJINとのデュエットで、
正式タイトルは「You Are The One Featuring IMAJIN」となっている


YOU ARE THE ONE
エイベックス・トラックス
1997-01-01
TK PRESENTS こねっと
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6-3 木根尚登&宇都宮隆 produced by TK

2013/07/07 00:38
「START investigation」の先行予約分チケット、
発送が始まったようです
皆さん、席はどうだったでしょうか


さて、今回は告知があります
当ブログ読者の方から提案があり、ライブ当日、
夜に有志で集まろうということになりました
日時・場所は初日7/20(土)公演の後、さいたま新都心駅近くです
ライブは18:00スタートですから、集合は20:30前後で、
2時間くらいの軽い飲み会になると思います


ライブ直前で今更の上、かなり急ではありますが、
関心のある方は7/14(日)までに以下のアドレスまで、
お名前(本名でなくても可)・携帯番号・携帯メールをお知らせ下さい
こちらから折り返し連絡いたします

大規模なファンイベントなどではなく、
少人数で語り合うような感じになると思います

tm_on_the_planet%yahoo.co.jp(%を@に変える)


「START investigation」のチケットはローソン・ぴあ・e+でまだ残っていますが、
(参戦可能で未購入の方、是非!)
7/4にライブシネマのお知らせも来ました
去年は香港・台湾を含む118館で上映されましたが、
今回は半減して51館です
まあ、去年の館数が多すぎたんでしょうね


ただし前回と違って今回は2日とも上映しますから、
ライブに参加できない方には嬉しいことと思います
チケットの一般発売は7/19からですが、
ローソンチケット(7/5〜7)・チケットぴあ(7/8〜14)・楽天チケット(7/15〜17)で先行予約があります


magneticaのSTAFF DIARYが最近頻繁に更新されています
6/28の日記によれば、
6月前半にはウツが事務所に来てミーティングなどしていたようです
もうかなり大丈夫な感じですね
7/3にはリハーサル用の仮セットリストが作られ、
7/4にはリハーサル用機材が積み込まれました


小室さんも6/23に演出のリハーサルを行なっていましたが
7/5にリハ本番に入ったようです
7/5のTweetを転載します

一般のみなさん、奇跡だとおもいませんか?
日々、TMの3人が、揃って
リハーサルをやっている事実。
僕は手術とかはしたこと無いから、ビックリなんだよね。4月だよf^_^;手術!
凄いね、人のチカラって。


小室さん、嬉しそうですね
ウツは驚くくらい元気なようです
ただ木根さんは7/5〜6に名古屋・京都で神谷えりさんとコラボライブのはずで、
「TMの3人が、揃ってリハーサル」というのはどういうことか理解に苦しみますが、
リハ前のミーティングなどではすでに顔を合わせているんでしょう
ともかく小室さんとウツはリハーサルに入ったんでしょうね
(magneticaのSTAFF DIARYの7/5にもリハ用の軽食の写真が掲載)


あと小室さん、6/19にスタジオにソフトシンセを導入しました
小室さんはこれまでハードシンセにこだわり続けてきましたが、
あえてソフトシンセを取り入れたのは、
手弾きだと頚椎ヘルニアに響くためのようです
ヘルニアはさいアリのライブパフォーマンスに影響するんでしょうか
健康上の問題ですし、仕方ないことですけど


小室さんは7/2頃にはスタジオで音源のミックスを行ないました
これはさいアリで販売するとのことで、「貴重品」と言っていますから、
会場限定販売の音源かもしれません
3月にレコーディングしていたTM新曲の音源でしょうか?
これは気になりますね
当日は早めに会場に来た方が良いかもしれないです


新作といえば、別に新作ではないんですが、
7/17に再発される小室さんのソロDVD「Digitalian is eating breakfast」
特典が入る代わりに値段が初発版の2倍になりますが、
特典の内容がいまだに分かりません
このままだとHMVサイトにある通り
昔TVで放映した「20th Century Boy」一曲が入るだけで終わりでしょうか


7曲入りDVDを8曲入りにするだけで値段を倍にするというのは、
私のような凡人にはまったく理解できない商法ですが、
SONYは本当にそこまでやるでしょうか
本当にやったら、
バカじゃないの?
とこき下ろそうと思います


小室さんソロでは、
8/10「SUMMERSONIC 2013」東京会場の8/10深夜のステージ出演が決まりました
おおー「SUMMERSONIC」ですか
小室さんもこういうところから声がかかるようになって嬉しいです
ここ2年の「DOMMUNE」関連ライブの影響でしょうね


小室さんも嬉しがっており、
このライブが来年に向けての活動になると言っています
「Digitalian is eating breakfast」の曲を1曲は演奏する予定で、
しかもそのEDM版になるそうです
私は行けないのですが、これは見たいなあ
WOWOWとかで放送して欲しいですね


また何をするかは明らかにしていませんが、
globeデビュー日の8/9、globeで何かをやるそうです
6月のYahoo!ニュースでなぜか小室さんがKEIKOさんと一緒に買物していたという記事が出ていましたが、
こんなことはかなり前からやっていたことですし、
今あえて取り上げたのは、globeの活動を盛り上げる準備のための宣伝かもしれません


あと小室さん、6月中旬に続いて、
下旬にも過去のレア写真を次々とアップしました
TMデビュー当時の写真とか1988年ロンドンの写真とかがあります
ロンドンのTMの写真などは喜ぶ方も多いでしょう
1988/9/1「ザ・ベストテン」にロンドンから中継で出演した時のものですね


特にレアなのは1979年頃(ギズモ・銀星団時代?)の写真です(その1その2
これらは小室さんの昔の友人が送ってくれたとのことで、
具体的に誰かは不明ですが、デビュー以前からの音楽仲間でしょうね
いやーすごいなあ


以上、ライブ直前ということで長くなりましたが、
そろそろ本題に入ります
なお次回の更新はライブレポになると思います

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1996年の木根の活動を見てみるに、
1〜2月の「Tour liquid sun」の頃までは、
1995年の活動の延長と見て良いだろう
だが1996年度(1996年4月〜)になると、
小室との関係を深めるようになる


その始まりとなったのが、
4月以後の「ASAYAN」レギュラー出演である
この番組では歌手などのオーディションが行なわれ、
メイン審査員として小室哲哉がレギュラー出演していたが、
この頃から木根も出演するようになった
当時は人気番組だったこともあり、
木根の知名度を上げるための絶好の場となった


この番組からデビューしたので有名なのは、
やはりモーニング娘。とChemistryだろうが、
dos・鈴木あみ・MIYUKI・小林幸恵など、
小室がプロデュースすることになった歌手も含まれる
この中でもっとも成功したのは鈴木あみで、
末期TKブームを支える旗頭的存在となった


他は商業的にはあまり成功しなかったが、
dosのasami(吉田麻美)は、
dos解散後に小室とTrue Kiss Destinationを結成した
さらに小室の娘を妊娠して結婚したが後に離婚し、
その後小室破滅の一因を作ったことは記憶に新しい
ダンサーのkabaは、
後にオネエキャラとしてバラエティ番組の人気者になる


この中では目立たないが、
木根も城戸亜利抄というアイドルに楽曲を提供したことがある
少々ややこしいのだが、
「ASAYAN」からデビューし久保こーじがプロデュースしたL☆ISが、
1996/8/28にシングル「Running On」をリリースしている
そのカップリングに城戸の「赤い花」という曲が入り、
これが木根の作曲である(作詞は藤井徹貫)
このシングルが13位、11万枚のセールスを記録し
木根のソロ作品や木根プロデュースの日置明子の作品を遥かに凌駕する成績となった


またかなり後のことになるが、
「ASAYAN」から1999年にデビューした佐々木ゆう子に、
木根はシングル「Pure Snow」「Graduation」を提供し(29位・92位)、
アルバム「Pure」にも関わっている(56位)
佐々木作品には木根と親しい山本英美も作詞に関わった


さらに2000年には、
TKプロデュースのMIYUKIデビューシングル「Feel the Revolution」で、
小室とともに共同で作曲を行ない(30位)、
2ndシングル「If Only We Could Fly」では、
共同作曲のみならずプロデュースも行なっている(88位)


1996年では、「ASAYAN」からみではないが、
9/18に大賀埜々にデビュー曲「Close to the night」を提供している
大賀は小室のプロデュースで、作詞・編曲も小室が担当したが、
木根は作曲という形で関わることになった


本作は東京ビューティセンターのTVCMのタイアップが付いた
小室としてもおいしい話を木根に提供したと言って良いと思う
実際に木根の曲もまあまあ良かったのだが、
結果は19位、7.6万枚だった
これは他の木根作品と比べれば遥かに良い結果だが、
TKプロデュースという条件からすれば、
もう少し売れることも期待されていただろう


なお大賀は12/18、
やはり東京ビューティセンターのタイアップ付きで、
2ndシングル「Tomorrow Heart」をリリースするが、
この曲は作曲が小室・木根の共作となっている
1998/2/18リリースの4thシングル「orange」でも、
カップリングの「little bit of love」の作曲が木根である


このように、木根は1996年春以後、
小室との密接な関係をアピールしてその知名度を高めようとした
この頃ウツと小室の共同作業はまだ始まっておらず、
先に動き出したのは木根だった


そして木根はこの流れで
9/23リリースのシングル、11/25リリースのアルバムでも小室の協力を仰いだ
アルバムのリリース日は後で触れるウツの「discovery」と一緒で、
旧TMファンによる相乗効果を期待したものだった


タイトルはシングル・アルバムともに「Remember Me?」である
「僕を覚えているかい?」というタイトルは、
TMN「終了」後の世間に向けたメッセージにも見え、
いささか卑屈といわざるを得ないが、
いかにも木根がつけそうなタイトルだとも思う
なお2002年発売の小説「僕を忘れないで」は、内容はまったく関係ないが、
タイトルはおそらく本作を踏まえたものだろう


木根はこれらの作品で小室の名前を前面に出したが、
シングルでも作詞・作曲はあくまでも木根であり、
小室は編曲およびコーラスでの参加である
ただコーラスには華原朋美も参加しているが、
二人のコーラスは不必要なほどボリュームが大きい


アルバムも一般にはTKプロデュースとして扱われたが、
正式な名義は「NAOTO KINE supported by TETSUYA KOMURO」であり、
「produce」ではなく「support」とされている
この辺りは、木根がソロの音楽活動では小室と一定の距離を取っていることを示そうとしたものだろう
(もっとも微妙すぎて、一般にはほとんど伝わらなかっただろうが)


シングルは週間9位、総売り上げ10.3万枚の成績で、
木根のソロ作品で最大の成果となった
シングル・アルバム合わせて木根ソロ作品唯一のベスト10入りであり、
以後現在まで、木根ソロの代表曲となる
また10万枚越えというのは、木根が表題曲を担当したシングルの中でも、
1988年の浅香唯「Melody」(21.6万枚)に次ぐ成績である


アルバムは14位、4.9万枚の成績となった
アルバムがシングルよりもはるかに売上が低いのは、
シングル購入者の大部分がアルバム購入にまで至らなかったということで、
つまりTKプロデュースの単発楽曲を買った者も、
多くは木根ファンになるには至らなかったということを示している
シングルの売上は多分に小室哲哉の名前に依存するものだったと見られる


ただしそれでもアルバムは約2万枚の前作「liquid sun」を大きく上回り、
デビューミニアルバム「Roots of the Tree」(18位、5.0万枚)と同レベルまで回復した
本作は大成功とまでは言えないが、木根の中では成功の部類に入っている


本作にはTMカバーの「Sad Emotion」「Time Passed Me By」も収められている
これはTMN再結成に向けて動く中で、TMファンを意識したものだろう
この内「Sad Emotion」は、
アコースティックギターによる勢いのある弾き語りバージョンで、
原曲とはかなり異なる雰囲気となっている
また大賀埜々への提供曲「Close to the night」の木根ボーカル版も収録されている


なお本作は10曲入りだが、
シングル「Remember Me?」はバージョン違いで2テイク収録され、
2曲はTMカバー、1曲は大賀への提供楽曲カバーなので、
完全な新曲といえるのは5曲である
その内「Wish on the hill」「Saturday Morning 6 A.M.」の2曲は小室作曲で、
残り3曲の木根曲も、
「Still feel loneliness」「Bless this love」は当時TK作品に関わっていた前田たかひろの作詞である
収録曲の大部分が、小室と微妙に関わる内容となっていることになる


一方ウツとの接点については、
木根は「終了」以後もたまにライブで共演していたが、
1996年には木根の「Talk & Live」5/31池袋アムラックスホール公演にウツがゲスト出演している


木根とTMの接点に関して言えば、おまけ的なものだが、
ドラマCD「CAROL-k」との関与も挙げられる
これは「CAROL」の主人公キャロルの孫を主人公とした高河ゆんの漫画のタイトルで、
1995年から「きみとぼく」で連載されていたが、
そのドラマCD版が1996/9/21にリリースされたのである


そこには声優によるドラマの他、
オリジナル曲の椎名へきる「Graduater」
高山みなみによる「CAROL (Carol’s Theme U)」のカバーと、
木根によるインスト曲「Theme of CAROL-k」が収録されている
リリース時期が近いこともあり、
「Theme of CAROL-k」には「Close to the night」のフレーズが用いられている


もう一方、ウツについても見てみよう
ウツは1992年のソロデビュー以来、
1992〜94年はT.UTU with The Band、
1995年はBOYO-BOZO名義で活動した


だがBOYO-BOZOの活動は軌道に乗らず、
1996年からは第3の名義として「宇都宮隆」を用いるようになる
以後のウツは基本的に個人名のソロ名義で活動する
(2005年以後はバンドU_WAVEとしての活動も行なっている)


ウツはBOYO-BOZOの失敗を踏まえたテコ入れを全力で行なった
それはネームバリューのある知人への作曲依頼であり、
具体的にはB’zの松本孝弘と、旧accessの浅倉大介だった
ウツは1995年9月からアルバム用の楽曲選定を始め、
年末の時点で松本の「少年」も含む4・5曲ができていたという


1996/4/22には、宇都宮隆名義の初の作品として、
シングル「少年」がリリースされる
「少年」は松本、カップリングの「Kiss will Kill me」は浅倉の作曲である
同シングルは10位、14.0万枚の売上を達成した
これは1993年に17.8万枚を売った「Dance Dance Dance」に次ぐ売上であり、
BOYO-BOZOの「Jump」の倍以上の成績だった


この成功を受けて6/17には、
両曲を含むアルバム「easy attraction」がリリースされた
T.UTU with the Band以来の石井妥師の楽曲提供はなくなり、
BOYO-BOZO臭は一掃された
ウツは「Butterfly」の頃から石井の曲がお気に入りと言っていたのだが、
自らの生き残りのために大きな決断を下したということだろうか


代わってアルバムには、松本・浅倉の他、
木根尚登・葛城哲哉などの提供楽曲が並んだ
明らかに旧TMNファンを意識した制作陣である
特に浅倉曲は多く、11曲中5曲を占めている
楽曲も「Acrobat」のように実験的・特徴的な楽曲を集めるのではなく、
中庸の楽曲を(悪く言えば当たり障りの無い楽曲を)集めたものとなっている


浅倉(5曲)・松本・木根・葛城(各1曲)以外の3曲は朝井泰生が担当している
朝井はかつて山羊智詞率いる赤羽楽団に参加し、葛城哲哉とも親しかったから、
おそらくその縁だろうと思う
なお朝井・山羊らは1993年、
小室とともにダイナマイトマシーンというバンドでデビューすることになっていたが、
この話は直前になってなぜか立ち消えになった


この結果本作は4位、14.0万枚を売った
これも1993年「Butterfly」(15.5万枚)に次ぐ売上である
水準としてはT.UTU with The Band時代まで回復したと言ってよい


そして本作を引っさげたツアー「Tour easy attraction」(6/21〜8/18)は、
前ツアー「BOYO-BOZO Alive」(10公演、武道館1公演含む)の規模を超え、
17公演(武道館2公演含む)まで増えた
T.UTU with The Band時代には及ばないが、
それでも全体としては、テコ入れはかなり成功を収めた印象で、
宇都宮隆名義では最大の成績を上げていた頃である


「BOYO-BOZO Alive」ではドラムがいなかったが、
「Tour easy attraction」ではT.UTU with The BandのメンバーだったFence of Defenseの山田亘が担当した
ベースの平野健多は1995年にデビューしたMODEのメンバーだが、
MODEは前身バンドTerre Pierce時代からFence of Defenseと同じ音楽事務所所属だったから、
平野はその縁で参加したものだろう


バンドの中心になったのはキーボードの菊池圭介で、
かつてTOM★CATのメンバーだったが、
その後チューリップやTHE ALFEEのサポートメンバーとして活躍していた
ギターの白田一秀はPRESENCE・グランドスラムなどのロックバンドで長く活動してきた実績を持つ
葛城・山羊などとの縁があり、
朝井と同じく葛城の縁で紹介されたものだろうか
(本記事GAUZEさんコメント参照)
その他コーラス2人・パフォーマー3人も含むなど、豪華なバックバンドだった


「Tour easy attraction」で注目すべきは、
アンコールなどを除いて、原則としてMCを行なわなかったことで、
TM時代を思わせるステージ演出となったことである
この点はラフな雰囲気を意図的に出したBOYO-BOZOと対照的である


またアンコールでは、
TMの「Come on Let's Dance」「Be Together」「Dive Into Your Body」が演奏された
「Come on Let's Dance」「Be Together」は日替わり)
さらにSPEEDWAYの「Close Your Eyes」も演奏されている
これ以前、1994年の「Live Water Dance」と1995年の「BOYO-BOZO Alive」では、
TMの曲はセットリストに入れられていなかったのだが、
この時にTM曲が復活した


また8/18の日本武道館公演では、
TRFのDJ KOOがアンコールでゲスト出演し、
「Self Control」のレコード盤でスクラッチプレイを行ない、
「Dive Into Your Body」の演奏にも参加した


あざやかなダーイビング♪


この人脈は、ウツが小室に接近したところで生まれたものだろう
2010年にはウツが山田亘・DJ KOOのユニットWillとコラボして、
シングル「パンクロ」をリリースし、
ツアー「Jumping Jack Show」でもWillをサポートに加えており、
一過性の関係ではなかったようである


なおツアー後の9/2に開催されたファンイベント「HAWAII ATTRACTION」では、
TMデビュー当初レコーディングされ「終了」後に発表された「Open Your Heart」が演奏されている
1年前のクリスマスイベントでは「Dreams of Christmas」が演奏されるなど、
BOYO-BOZO以後のウツはファンイベントでしばしばTM曲を披露している


BOYO-BOZO時代のウツは、
あえてTMN時代とは異なるラフなスタイルを取ることで、
TMN時代との差別化を図っていた
TMN時代のファンのみに依存せず、
ソロミュージシャンとしてさらなるステップアップを期待したものだろう


だが実際にはBOYO-BOZOは成果を出すことができなかった
これを踏まえれば、宇都宮隆名義での成功は、
TMN時代の過去に依存することによって実現したとも言える
音楽のスタイルもTMN時代に近付いたし、
TMN時代の関係者から楽曲提供を受け、
ライブではTM時代の曲も演奏してTMNファンを喜ばせたし
さらには小室の関係者とも関わるようになったのである


これを踏まえた上で「Tour easy attraction」の後には、
ついに小室自身がウツにかかわるようになる
1996/11/25リリースの宇都宮隆2ndシングル「discovery」である
これは小室がトータルプロデュースを行なったゲーム「Gaball screen」のテーマソングとしてリリースされた
ゲームのリリースは12/6だったので、それに合わせたものだろう


ただしこの曲は、夏には出来上がっていた
1996/8/18武道館公演では、ライブの最後に「discovery」を演奏している
ウツによれば、ゲームの発売時期の問題でリリースが遅れたとのことで、
もっと早くリリースする予定もあったのかもしれない
そうならばツアーが終わって盛り上がってから、
待望のTKプロデュースシングルのリリースまで3ヶ月以上空いてしまったのは、
タイアップに合わせたことによる誤算だったのかもしれない


「discovery」10位を獲得し、11.9万枚を売った
順位は「少年」と同じだが、セールスは「少年」の水準に達していない
TKプロデュースの威力も期待したほどではなかったといえるが、
個人的には当時の小室楽曲の中でもかなり好きな曲である


ミディアムテンポで控えめなオケは、
必ずしも売れ線の作りだったとは思われない
だがCMなどのタイアップを前提にしていないこともあり、
サビの印象的なフレーズとその他の継ぎ接ぎという形になっておらず、
一つの楽曲としてきれいにまとまっている


ウツの歌をじっくり聞かせることを意識したためか、
1996年の小室楽曲でもメロディを重視した良作だと思う
この点では他にも同時期の華原朋美「I'm proud」、globe「Is this love」、TRF「Brave Story」などが挙げられ、
小室は一般の印象ほどハイbpmにキンキン声を乗せた曲ばかり作っていたわけでもない
ただ「I'm proud」は歌手の歌唱力が大変残念に思う


「discovery」は詞も良い
小室と前田たかひろの共作詞だが、ミスプリントで小室作詞となってしまったらしい
詞の内容は、ある女性に恋焦がれ、
どう伝えれば良いか思い悩む男性の気持ちを歌ったものである
よく読むと具体的に何があってどうしたいのかよく分からないのだが、
雰囲気はよく出ていると思う

さみしくて夜がながすぎて
見えるはずのない地平線をたどってる
出来ることならばそばにいて
やめたくなるほどいつもそばにいたいよ


「discovery」については「Gaball screen」とも関わるため、別章でも触れることにしたい
また小室は翌年にはさらにウツに「if you wish....」を提供するが、
これについてもその後の動向と絡めた方が話しやすいので、章を改めて見ることにしよう
ここではともかく、楽曲提供という形で、
ウツと小室のタッグが再び実現したという点のみ確認しておくに留める


なお「discovery」「if you wish...」はいずれもオリジナルアルバムには収録されなかった
このためこの2曲を聞くことが出来るのはシングルを除くと、
ベストアルバム「The Best "Files"」「Original Singles」しかないことを最後に触れておく

(2013/7/7執筆、2016/4/28加筆)

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5-17 Nights of the Knife

2011/12/26 06:16
12/23、小室さんがラフォーレ原宿で「HARAJUKU PERFORMANCE+ DOMMUNE」に出演しました
8月に富田勲さんと共演するはずだった「FREEDOMMUNE ZERO」が、
台風で中止されてしまったことのリベンジだったのでしょうか


ライブ前には富田さんと小室さんのトークがありましたが、
小室さんの憧れの方ということもあり、
小室さん、本当に嬉しそうでした
Keikoさんが退院したこともあって、良いクリスマスになったのかな…?


一時間以上に及ぶトークの後、
富田さんの「Planet Zero」が会場に流され、
その後「Dedicated to Isao Tomita」と題する小室さんのライブが行なわれました
だいたい50分くらいでした
きっと小室さんの中では、
憧れのミュージシャンに自分の音を聴いてもらえる晴れ舞台だったんだと思います


ライブの始まりは、iPhoneをマイクに近付け、
アプリで「Hallelujah」を流してスタートです
クリスマスを意識した粋な演出ですね
その後はglobe「please don't give up」とdigi2の「Years Later」
「Years Later」、上から派手に音を重ねて、ライブ感満点でした


そして富田さんのシンセアレンジで有名な「Jupiter」を演奏しました
「Planet Zero」にも入っていましたし、
「Jupiter」は間違いなく、富田さんに向けられたものですね
「Jupiter」は初めシンプルに始まったのですが、
どんどん派手に勢い良く荒っぽいアレンジに変わって行きました
ここで小室さん、シンセ音源でエレキギター演奏です
この曲で使うかー!! かっけー
ロック版「Jupiter」って感じでした


この後、TMの「Passenger」風のハンドクラップ音が流れ、
ドラム音など他のリズム隊も加わり、疾走感溢れるトラックが演奏されます
マジでまさかの「Passenger」じゃ?と疑いましたが、
やがて「Self Control」のサンプリングボイスが出て、曲名が分かりました
まあ、もはや原曲とはまったく別の曲になっていました


そこからglobe「Love Again」
そして最近のライブの名物、ドラムソロコーナーです
ついでdigi2から「奇跡」! 初めてライブ版を聞きました
これ、かっこいいなあ


ライブのクライマックスは、
大幅にアレンジされたH jungle with t「Wow War Tonight」と、
定番のglobe「Many Classic Moments」でした


この後もリズムトラックは鳴り続けます
小室さん、シンセを一台持ち上げてステージ前に出て、
シンセを床に立てかけたり置いたりしながら荒っぽく弾きまくります
これは? もしや、また壊すのか? いや、客席に投げるのか?


…という期待は叶いませんでしたけど、
何をするのか分からない危うさを漂わせながら、演奏が終わりました
これも計算なのかもしれないですね


最後はシンセ手弾きのみで、
globe「blow」、The Beatles「Let it be」、そして「Silent Night」で締めました
最後の曲はクリスマス選曲ですね
それにしても今回、「please don't give up」とか「blow」とか、
globeの曲はやたらとマニアックですね


これでライブは終わり、小室さんはいったん退場しましたが、
また富田さんと一緒に現れ、軽いトークをしました
小室さんの、何かやりとげたという笑顔がが忘れられません
小室さんは富田さんから、
「すごいスピード感と生命力、それに哀愁もある」というコメントをもらっていました


ある意味で今年の小室さん、
すごい意味のある日々を過ごしたんじゃないでしょうか…
(Keikoさんとの大変な日々も含めて)
富田さん、Keikoさんには苦労をかけたんじゃないかと言いながら、
でもまだ若いから…という励ましの声をかけていました


今年の小室さんはDOMMUNEでの活動が目を引きましたし、
少なくとも小室さんの中では意味のある巡り会わせだったと思います
そして前回の記事でMさんがコメント欄に書いてくださった通り、
来年2/22、6月のDOMMUNEのライブDVDが商品化されます
ageHaライブとピアノコンサートのライブCDが各一枚(計2枚)付いているものもあります


DVDのみは3150円、CD付きは6300円ですが、
amazonで予約すると、後者は4620円で買えます
コストパフォーマンス的にはかなりお勧めと思います


また2/29、発売が中止になっていた「Digitalian is eating breakfast: Remixes」がリリースされるようです

そして上記ライブDVD・ライブCD・digi remix全部パックの豪華版(9359円!)をmu-moで予約すると、
内容は未定ですが特典が付くようです
なんともアコギな商売ですが、どうせ買うならばこれを買った方が良いかもしれません
まあ、コスパ的にはamazonで買う方が良いのですが…


なお私は見てないから詳しくは分かりませんが、
小室さんのDOMMUNEライブと同日のウツのディナーショー、
一曲目は「Resistance」だったそうです
木根さんのクリスマスライブはよく分からないですが、
ひとまずこれで3人とも、年内のお仕事は終わりでしょうか


そういやウツと木根さん、来年はソロ20周年なんですよね
TMはないかな…?
まあ、20年続けてこられたのは立派と思います
良い記念の年になると良いと思います


なお年内の更新は、今回が最後になります
(まあ日付けから見て、そりゃそうですが)
来年は、もう少し時間を見つけて、早く5章を終わらせたいと思います
もう5章初めて1年近く経つんですよね実は…


まあ、それはともかく…
前置きが長くなりすぎました
本題に入ります

-----------------------------------
TMNの28thシングル「Nights of the Knife」は1994/4/21にリリースされた
この日はTM NETWORKがデビューした1984/4/21のちょうど10年後であり、
このシングルリリースが予告された時点では、
多くの者がいよいよTMN10周年が始まると考えただろう


もちろん本作は、10周年記念シングルではあった
ただそのリリースは、あまりおめでたいものとはならなかった
10周年記念日のこの日、全国の新聞でTMNの「終了」が発表されたからである
この件は、前章で詳しくふれたところである
つまりこのシングルは、TMN最後のシングルとしてリリースされたのである


シングルのジャケットには3人の写真はなく、
黒地に赤の字で「Night of The Knife」「TMN」の字が大きくプリントされただけのものだった
ジャケットの裏には赤地に黒で同じ字がプリントされ、
その下には「終了」トレードマークの3つの円の重なった図形がプリントされていた
このマークはCD本体にもプリントされている


ジャケットは三つ折りになっており、開くとかなり大きくなる
中には黒地に赤の字で歌詞が書かれ、
過去のTM NETWORK/TMNの全シングルの写真も掲載されている
(ただし12インチの3枚は除く)
最後のTMN作品として、過去を振り返るべく掲載したものだろう



本作には、カップリングとして「Nights of the Knife (Instrumental)」が収録されている
「Nights of the Knife」のインストである
ただ本来入るはずだった曲はこれではなく、
木根作詞、ウツ作曲の「Another Meeting」だった


「Nights of the Knife」は別れの歌、「Another Meeting」は未来の出会いの歌で、
テーマから見ても両曲は対で作られたものだったことが分かる
「Nights of the Knife」は作詞小室みつ子、作曲小室哲哉だから、
両曲揃えばTM NETWORK時代以来のTM+みつ子の4人全員の手に成るシングルとなるはずだった


「Another Meeting」については別の機会に触れるが、
本曲が収録されなかったのは、
ウツがソロツアー中のためにノドの調子が悪かったためだったという
これは言うまでも無く「Live Water Dance」のことで、
1994/1/27〜4/20の日程で行なわれた
レコーディングはある程度ツアーが進んだ時点で行なわれたはずで、
しかも後日の撮り直しの日程を組むのも困難な頃だったと推測される
木根も「シングル発売としてギリギリの日」と言っている


この点を「Live Water Dance」の日程から、もう少し詰めてみよう
本ツアーは数日まとめて公演を行ない、
数日休暇を入れるというスケジュールを取っている
ツアー日程を見るに、1/27・29の公演の後は、
2/8〜17(中部・関東、10日で6公演)に公演があり、
その後まとまった日程としては、
3/9〜16(名古屋・四国・中国、8日で6公演)、
3/24〜4/2(大阪・九州、9日で7公演)、
4/7〜13(東北・北海道・静岡、7日で4公演)があった
この間にレコーディングを行なう余裕はなかっただろう


2公演しか済んでいない1/30〜2/7にノドの調子が悪かったとは思えないし、
4月に入ってからのレコーディングは、リリースのタイミングから見て考えがたい
3/26「TMN United」最終回には、新曲リリースの予定が告知されており、
「Nights of the Knife」の曲名も明言されているので、
この頃までにはレコーディングのメインの部分は終わっていたと思う
(最終的なトラックダウンなど済んでいたかはともかく)
以上を考えると、ウツの歌入れが行なわれた可能性があるのは、
2/18〜3/8か3/17〜23の間に限られよう


ただもしも2/18〜3/8に歌入れが行なわれたのならば、
3/17〜23に「Another Meeting」を撮り直すことも可能だろう
3月下旬に別のスケジュールが詰まっていたために、
この日は使えなかったということも考えられなくはないが、
リリースにギリギリの日程だったという木根の証言を踏まえれば、
可能性が高いのは3/17〜23と思う


これ以前の例では、1991年4月下旬に歌入れされた「Love Train」が、
5/16からテレビCMで放送され、5/22にリリースされている
1ヶ月前の歌入れという日程は不自然ではない
もちろん作詞やオケ作りはこれに先行して行なわれたはずで、
遅くても3月中旬、おそらく3月上旬には始まっていただろう


ただしこの曲は、実は1993年には存在しており、
5月にはウツが仮歌を入れたことが知られる
その後の「終了」決定を受け、
ウツのソロツアー中に迅速に新曲のレコーディングをする必要が出来たため、
手持ちの曲から「終了」シングルを選ぶことになったのだろう


この曲は最後のシングルということで、
じっくり聞かせるバラードとなっている
TMのバラードシングルは「Girl」「Seven Days War」に次いで3作目で、
実に6年ぶりのこととなる
ただ「Christmas Chorus」「天と地と」「永遠と名付けてデイドリーム」など、
小室ソロのバラードシングルの存在を考えれば、
それほど突飛でもないかもしれない


イントロは印象的なシーケンサとシンセソロで始まる
楽器は基本的にシンセが中心で、シンプルな音である
ドラムもシンセで、生音は間奏の葛城のギターだけらしい


TMN休止後の小室は、
どちらかというと押し付けがましい「行き過ぎ」の曲を作る傾向が強かったが、
この曲のシンセは派手過ぎず主張し過ぎず、
歌モノとしての適度なバランスを保っている
ミックスもバランスがよい


このシングルを初めて聞いた時は、
なぜこんな曲を作れるのに…と思ったものである
おそらくTM歴代シングルの中で、
もっとも安心できる出来の曲の一つではないか
(リリースの事情もあるので、熱心なファンは安心して聞けないだろうが)


最後のシングルということで、
ビーイング的な戦略など余計な計算がないことも大きいのだろう
邦題の曲名を唱えるサビで曲を始めるという、
ヒットの方程式などはこの曲では意識されていないし、
タイアップも付けられていない
50秒近い間奏もあり、バラードシングルで6分22秒という長さなのも、
TMNの最後を飾る曲にするために、
余計な商業的縛りを取り払った結果なのだろう


なお1994年初め、
「太陽の季節」というシングルのリリースがレコード店で発表されていたが、
いつのまにかなかったことにされた
「一途な恋」に続く邦題のシングルリリースが予定されていたのだろう


作詞はすでに述べた通り小室みつ子である
みつ子はデモテープを渡された時、
「終了」を前提に「別れ」をテーマにした詞を作った
だがそれを見たメンバーは3人とも、
「終わりじゃなくて、始まりを書いてほしい。感慨の涙を流すよりも、新しい何かへの前向きな気持ちがあったほうがいい」
と伝え、みつ子は歌詞を作り直したという


この方向性は、歌詞に見事に表れており、たとえば冒頭の、
「新しい始まりが今ドアの向こうまで近付いてきてる」
という箇所や、2番の
「話しておきたいよ明日からのことを新しい何かが始まると」
という箇所などからは、
新たな始まりとしての別れというコンセプトが見える


早い話、この曲はTMNの3人が、
TMN「終了」後も別の形で音楽活動を続けて行くことを、
ファンに伝えた曲なのである
2番のサビの英語詞の、
「We are going to make a brand-new day」
などは、まさしくこれを表現している


この曲でもう一つキーワードになるのは「夜」である
歌詞の舞台は寝付けない夜であり、
その夜にTMNがこれからのことを告げるという内容になっている
「Nights of the Knife」という曲名にも「Nights(夜)」が入っている
みつ子によれば、「ナイフのような夜」という意味らしい


「Nights of the knife 切り開きたい 目の前の暗闇を」
というフレーズが歌詞にあるが、
暗闇(≒夜=Night)を切り開く(≒Knife)という関係を見るに、
曲名としては「Knife of the Night」とでもした方がむしろしっくり来る
おそらくみつ子が依頼された時点で曲名は決定しており、
みつ子はその意図を忖度して歌詞に反映させたのだろう


みつ子に拠れば本作は、
かつて作詞した「Fool on the Planet」の10年後を描いた続編だという
おそらく「Nights of the Knife」に出る、
「ささやかな夢をかかえて昔君とただ街を見下ろしたあの丘に行きたい」の「あの丘」と、
「Fool on the Planet」に出る、
「星の降る小高い丘まで今すぐに君を連れて行く」の「小高い丘」は、
同じ場所を指しているのだろう


「Fool on the Planet」はかつて述べたように、
叶いそうもない夢を追い求める若者を歌ったものである
この若者が「君」を連れて夢を語った場所が「丘」だが、
この若者はTM、「君」はファンを象徴しているに違いない
つまり「Fool on the Planet」の「丘」は、
TMがファンに向けて未来への夢を語った場の象徴である


一方で「Nights of the Knife」に登場する「丘」は、
かつてTMNが夢を抱きつつ「君」と共にいた場所として登場する
この点からも、両者は連続しているものと見るべきであろう


「Fool on the Planet」が発表された1987年初め、
TM NETWORKはコンピュータを駆使した未来志向の音楽ユニットとして、
世間から注目されつつあった
未来志向の夢を語れるミュージシャンだった


それから7年、TMNとユニット名を変えた彼らは、
いよいよその活動を終わらせようとしていた
だがそれは消極的な意味での解散ではなく、
3人はなお未来志向の夢を持って、先に進んで行こうとしていた
少なくとも彼らは、そのような積極的な形で、
TMN「終了」を演出しようとし、みつ子もそれに答えたのである


この曲はチャートでは一週で12.6万枚を売り、
「Love Train」以来4作連続、通算6作目のシングル1位を獲得した
最後のシングルで、見事に有終の美を飾ったのである


初動は「一途な恋」の13.4万枚を下回ったが、
これは事前のプロモーションがほぼ皆無だったためである
発売後は1―6―4―15位と推移し、
2週しか10位内になかった「一途な恋」よりはチャートに長く入った
「終了」がメディアに大々的に取り上げられたことも大きいのだろう


最終的には43万枚を売り、1994年度の年間56位となった
「一途な恋」はもちろん、
「EXPO」期の「Wild Heaven」(39.9万枚)をも上回る売上で、
TMN歴代シングル中、「Love Train」に次いで史上2位の売上となった


本作にはPVがある
「Decade」などにも収録されず、
実に2004年の「All the Clips」リリースまで商品化されることはなかった


本PVでは、新たに撮影を行なったところはまったくない
最初に3つの円を並べた「終了」のロゴが出て、
最後に3人の写真を並べた映像(当時のポスターで使われたもの)が出る以外は、
過去のライブ映像やPVを編集し並べただけである


各映像の合間には「Gift for Fanks Video」曲間の地球の映像の他、
ビデオ「TMN」のコンピュータをいじる小室の映像が挟まり、
小室が過去のTMの活動を振り返っているように見える演出になっている
また過去の映像が流れる間、その映像と関わる曲名やアルバム名も表示される


このビデオはほとんど予算がかかっていないと思われるが、
にもかかわらずファンからすると目が離せない作りである
映像は最新の「EXPO」期から始まり、
少しずつ過去に遡りつつデビュー期に至る
最後はデビュー期から「EXPO」期へ向け、
各期のツアーにおけるメンバー退場シーンが順番に映し出され、
最後は誰もいないコンピュータが出て終わると言う構成になっている


TMNの歴史を時間軸に沿って見せられてしまうことで、
TMNの「終了」を実感させられてしまうという、実に巧みな作りである
以下、用いられている映像を順番に挙げていこう
後ろの年代は、ビデオ商品化の年代ではなく、収録映像の撮影年代に拠っている
なお本PVでは2番のAメロなどが削られ、原曲よりも1分近く短くなっている

1番Aメロ(約45秒)=「EXPO」
「Love Train」PV(1991)
「EXPO Arena “Crazy 4 You”」(1992)

1番Bメロ〜サビ(約50秒)=「Rhthm Red」
「Rhythm Red Tour」(1991)

間奏〜2番Bメロ(約45秒)=「CAROL」
「Just One Victory」PV(1989)
「Camp Fanks!! ‘89」(1989)

2番サビ(約35秒)=「humansystem」
「Get Wild」PV(1987)
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」(1988)
「Kiss You」PV(1987)
「Come on Let’s Dance」PV(1986)

間奏〜サビ繰り返し1回目(約50秒)=「Self Control」期以前
「Fanks Cry-Max」(1987)
「Self Control and the Scenes from the “Shooting”」(1987)
「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」(1986)
「Dragon The Festival」PV(1985)
「1974」PV(1984)
「Electric Prophet」(1984)

サビ繰り返し2回目(約40秒)=ライブのエンディングシーン
「Electric Prophet」(1984)
 *実際はエンディングではなく「1/2の助走」の映像
「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」(1986)
「Fanks Cry-Max」(1987)
「Kiss Japan Tour」(1988)
「Camp Fanks!! ‘89」(1989)
「Rhythm Red Tour」(1991)
「EXPO Arena “Crazy 4 You”」(1992)


後期(1989〜)の「EXPO」「Rhythm Red」「CAROL」の扱いが大きく、
初期(1984〜85)の「Childhood’s End」「Rainbow Rainbow」の扱いが極度に小さいのは(15秒程度)、
古いものほど時代を感じさせてしまうためだろうが、少々残念である
また各ツアーの退場シーンには、
「Dragon The Festival Tour」(1985年)も入れて欲しかった
古いが、絵になる退場シーンだったはずである


本PVで使われた映像の中で注目すべきは、実は「EXPO Arena」である
かつてTV放映され、後に商品化されたのは1992/4/12横浜アリーナ公演だが、
本PVでは1992/4/18沖縄コンベンションセンター公演の映像が用いられている
これはTM楽曲を演奏しなかった「Metal/Folk Pavilion」を除くと、
「4001 Days Groove」以前の、
つまり通常の活動形態を取っていた時期のTMN名義の最後のライブとなる


本PVには実はフルバージョンもあり、
「4001 Days Groove」のエンディングでスクリーンに映された
「CAROL」期までと「Childhood's End」期以後の映像は同じだが、
その間のFANKS期の映像は倍近い長さとなっている
(商品版=70秒、フルPV=140秒)


「Get Wild」PVの収録位置は、
「CAROL」期の後、「humansystem」期の前で、時間軸に沿っていないが、
本来このビデオは1番でTMN期、間奏で「CAROL」期、
2番でFANKS期という構成で作られており、、
2番冒頭にFANKS期の代表曲「Get Wild」を置くという構想だったと考えられる
ところが商品版では間奏の一部と2番Aメロがカットされたため、
「CAROL」期が2番Bメロまで食い込んだ後、
「Get Wild」は2番サビ冒頭に置かれることになり、
中途半端な位置になってしまった


2番サビには「Get Wild」「humansystem」期を詰め込んだため、
映像が大幅にカットされている
フルPVでが30秒近く収録されていた「Get Wild」PVは7秒になり、
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」「Telephone Line」はまるごとなくなっている


本PVで収録位置が時間軸に沿っていないものとしてはもう一つ、
「Come on Let's Dance」PVもあるが、
これは商品版とフルPVで収録順序が異なっているという問題もある
すなわち商品版では、「Come on Let's Dance」PVの次が「Fanks Cry-Max」だが、
フルPVではこの順番が逆である


いずれにしろ時間軸には沿っていないのだが、
一方で「Nights of the Knife」楽曲中での収録位置に注目すると
「Come on Let's Dance」PVは商品版・フルPVとも2番最後で一致し、
いずれもウツが女性を抱いて道で倒れているシーンで終わっている
これはこのシーンで2番を締めるのが映像的にはまっていると考えられたからで、
そのため「Come on Let's Dance」の位置を固定し、
その前後の映像の順番をずらして収録することにしたのだろう


この後、フルPVでは2番後の間奏前半が「Self Control」の映像になるが、
商品版では「Fanks Cry-Max」「Self Control」となっており、
双方時間を半分に減らされた上で収録されている
間奏後半(葛城ギターが入ってから)からは、商品版・フルPVとも映像は同じである
「Fanks "Fantasy" Dyna-Mix」以後の部分)


話が細かいところに行ってしまったが、
ともかくもこの曲はTMN「終了」の象徴の曲である
「終了」ライブ「TMN 4001 Days Groove」でも、
二日目の本編ラストで演奏されている
だが特別な曲すぎるため、再結成後も演奏される機会が極めて限られている


この曲が演奏された例としては、
2004年の20周年記念ライブ「Doubel Decade “NETWORK」「Double Decade Tour」と、
その前振りとしての意味を持った2003年のファンイベント「Live in Naeba」が挙げられる
前者ではアンコール、後者では冒頭に演奏され、やはり特別な扱いのようである
10周年=「終了」で演奏された曲ということで、20周年で演奏されたのだろう


次いで30周年記念ツアー「Quit30」では、
初日の2014/10/29横須賀公演でのみ演奏された
翌日からセットリストから外されたのは、
前年に大病を患い満足なコンディションではなかったウツが、
体力的な消耗を理由に曲を減らそうと考えたためと言うが、
その結果この曲が削られたのは、
会場の空気がこの曲の時に変わったのを感じたためという
この曲はTM当人たち以上に、ファンにとって特別な曲だということだろう


この時の演奏は、Blu-ray BOX「TM NETWORK 2012-2015」収録のドキュメンタリ映像「beyond the fact」に、カットはあるものの半分以上収録されているらしい
ただし商品化前提で収録されたものではなかったためか、
ステージ映像はほとんどなく、客席の映像が中心になっているとのことである


TMNは「Nights of the Knife」のリリースを最後に「終了」したため、
本作を収めたオリジナルアルバムはリリースされなかった
そのため「Nights of the Knife」はベストアルバムでしか聞くことができない
具体的には2ヶ月後にリリースされたベスト版「TMN Black」の他、
シングルコレクションの「Time Capsule」「Singles 2」「Original Singles」などで聞くことができる
他には「Groove Gear 3」に、
ラフミックスの音源「Nights of the Knife (ver.0)」が収録されている


最後に本シングルの歌詞を、1番だけ掲載して本章を終えたい
この曲から伝わる前向きな別れというコンセプトを感じていただければと思う
なお「見えない力に〜」の箇所、今まで私自身思い違いをしていたが、
「闘い続けた君に」と読むべきではなく(歌詞カードではそう見えるのだが)、
「見えない力に流されそうな日々と闘い続けた。君に励まされて」
と読むべきで、つまり、
「僕は君に励まされながら、見えない力に流されそうな日々と闘い続けた」
という意味なのだろう

新しい始まりが今 ドアの向こうまで 近付いてきてる
じっとしてられない 今夜はこのままじゃ 眠りにつけそうもない 君と
ささやかな夢をかかえて 昔君とただ 街を見下ろした
あの丘に行きたい あの頃の気持ちを ふと思い出したくなったのさ
Nights of the knife 君を抱きよせ この街に踏み出そう
Dream on
ハイウェイがビルの 谷間を突き抜けてく
贅沢な夢を かなえている街
見えない力に 流されそうな日々と
闘い続けた 君に励まされて
We are going to, We are going to step into the night


(2011/12/26執筆、2016/4/15加筆)

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2007/01/18 18:25
1-18 Your Song
1-18 Your Song 今日の夜、tributeライブのメンバーがテレビに出るらしいですね 12月23日(土) TBS『エンタメキャッチ』 26:10-26:40 SPIN OFF from TM 2007 -tribute LIVE V-メンバー全員参加でのインタビューをO.A。 チケット番組先行受付もあり。お見逃しなく! それにしてもツアータイトルは、 「SPIN OFF from TM 2007 -tribute LIVE V-」で決まりなんでしょうか…? なんか、あまりにも安易で、もう少し考えろ... ...続きを見る

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2006/12/23 01:46
1-11 Dragon The Festival
1-11 Dragon The Festival 「Childhood’s End」発売一ヶ月後の1985/7/21、 「Dragon The Festival (Zoo Mix)」が、 12inchシングルとしてカットされた ...続きを見る

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2006/12/08 22:14
1-8 アクシデント
1-8 アクシデント TM NETWORKは1984年の終わりから、2ndアルバムのレコーディングに入った 小室はレコーディングに先立つ9月には、 次のアルバムではアコースティックな部分を増やすと宣言していた アコースティックという表現は必ずしも当たらないが、 2ndアルバム「Childhood's End」におけるエレクトロポップの雰囲気は、 確かに薄れている ...続きを見る

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2006/12/07 22:13
1-6 1974 & メディア出演(1984年)
1-6 1974 & メディア出演(1984年) 「金曜日のライオン」の失敗で、 急遽「1974」のシングルカットが決定したことは、すでに述べた リリースは1984/7/21である 7/17には大阪で、7/31には東京でライブが予定されていたから、 これと合わせたリリースだったのかもしれない ...続きを見る

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2006/12/02 21:40
1-3 Rainbow Rainbow & 金曜日のライオン
1-3 Rainbow Rainbow & 金曜日のライオン TMの3人は、1983年10月からアルバムのレコーディングに入った TM NETWORKとしての記念すべきデビューアルバム、 「Rainbow Rainbow」である 「虹の7色では収まりきらないバラエティー豊かなアルバム」 という意味を込めた命名である ヒッピームーブメントのサイケデリックカルチャーのイメージで考えたタイトルだともいう ...続きを見る

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2006/11/30 04:47
0-4 Rockin' on the 月光仮面
0-4 Rockin' on the 月光仮面 フリースペースのメンバーと小室は、地元も近かったから、 音楽活動を続ける中で以後もお互いを意識し続けただろう そんな中でウツ・木根と小室が一緒に音楽を始めることになるのは、 1980年のことだった それは1年前にデビューしたSPEEDWAYのデビュー作「The Esther」が、 失敗に終わったためである 売り上げは数百枚という水準だった ...続きを見る

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2006/11/24 01:04

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