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20 Years After -TMN通史-

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20 Years After -TMN通史-
ブログ紹介
TM NETWORK(TMN)の歴史を通史的に振り返ってみたいと思います(予定)。方針についてはこちら(ブログ開設記事)

【注記】本ブログの文字の色は以下を意味しています
 ・青字=曲名・シングル
 ・緑字=アルバム
 ・赤字=ライブ・イベント
 ・黄マーカー=ビデオ・DVD
 ・赤マーカー=テレビ・ラジオ番組
 ・緑マーカー=書籍


※twitter始めました! https://twitter.com/planet_tm
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7-6 キヲクトキロク

2018/06/19 19:37
6/27リリースの「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」の収録内容について、
既発表のT盤・K盤に加えて、
6/19に9枚組BOXのボーナスディスクの内容も公開されました


T盤4枚・K盤4枚・ボーナスディスク1枚の9枚の内、
選曲は1990年代が中心で、全体の過半を占めています
ただ注目すべきはむしろ2010年代、
逮捕後の音楽活動再開期で、
いろんなところに提供していて入手が難しかった楽曲が集められています


私はこんなのあったの?て思ったのもありました
小室曲1曲のためだけにアルバムを買うのはためらわれた方には、
2010年代分を入手するだけでも価値があるかもしれません
もしかしたらこの選曲、
発売中止になった「JOBS#2」の残骸なのかもしれないです


未発表曲としては、K盤に梅田彩佳 「MY HISTORY」と、
Tetsuya Komuro feat. Beverly「Guardian」
ボーナスディスクの甲斐よしひろ「against the wind」が収録されます


「Guardian」は今後ゲーム関係の商品に収録される可能性もありますが、
他の2曲は多分この商品以外では聞けないものになるでしょう
なお 「MY HISTORY」は新曲、
「against the wind」は1999年頃にレコーディングされながら、
これまでお蔵入りしていた曲です


他に1980年、Missオレンジ・ショックの「愛しのリナ」あたりも、
一部のコアファンには嬉しいところでしょうか
郷ひろみとかtaecoとか、
単発TK作品を集めたい方にも重宝するかと思います


もっともTKファンには一定の意義はあっても、
TMファンには特に意味がある作品にはならなそうです
TM収録曲は「Self Control」「Get Wild」「Beyond The Time」「Seven Days War」「Get Wild '89」「Love Train」「I am」の7曲ですが、
ファンならだいたい持っているものでしょう
私としては、出費する必要がなくなったので安心しているところです


「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」と同日には、
リットーミュージックよりTower Record限定で、
「Tetsuya Komuro Interviews Complete Edition 2018」発売されます
4860円です


これまでリットーミュージックからは、
2013年までの「Keyboard Magazine」「Keyboard Land」の小室さん記事を集めた電子書籍「Tetsuya Komuro Interviews」vol.0〜4、
2014年分の記事を加えて白黒印刷された「Tetsuya Komuro Interviews Complete」が発売されていましたが、
今回のはこれに2015年以後の記事を加えてカラー印刷にしたものです
これで3回目ですが、さすがにこれで完全版でしょうか
他の雑誌でもこういうの出ませんかね


ウツはソロ25周年のファイナルツアー開催が発表されました
9/21〜11/23の2ヶ月で11公演です
て、あれ、最終日にはすでに26年目に入っているんですが…


今回はT.UTU with the BAND名義でもU_WAVE名義でもない、
久しぶりのウツソロのバンドツアーです(2012年以来)
特徴的なのはバンド編成で、
ギターの西山毅さんの他は、
キーボードが土橋安騎夫さん、浅倉大介さん、nishi-kenさんの3人となっています
キーボード3人編成、何か特別な狙いはあるんでしょうか


木根さんはDVDと「2525ツアー」の宣伝か、
6/16にFM西東京の「WEEKLY MUSIC TOP20」に出演しました
また8/24にはかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで、
渡辺美里さんのツアーにゲスト出演するとのことです
木根さん作曲の曲をやるんでしょうか
美里さん、少し前に「ribbon」の豪華版アルバムを出したので、
「さくらの花の咲くころに」あたりをやるかもしれません


それでは本題に入ります

---------------------
2002/10/31、シングル「Castle in the Clouds」がリリースされた直後、
TMのアルバムのリリースが11月初頭に発表された
「Castle in the Clouds」リリース前に決定していた企画だろう
アルバムのリリースは、翌年2/5とされた
当時のHMVのサイトの解説文は以下の通りである


80年代から90年代の音楽シーンを常にリードし、
現在活躍している多くのアーティストに影響を与えてきたTM NETWORK。
これまで決して裏側を見せることのなかった彼らが、
数々のヒットを世に出す中で、結局未発表を決心した楽曲や、
CDに収録されなかったリミックス、そしてああのヒット曲のデモまでを
当時のストーリーとともに世に送り出すことが決定!!
同時に彼らがより自由な音楽活動の場を求めて
インディーズレーベルよりリリースした楽曲も収録。
TMファンにとっては涙ものであり、それ以外にもかなり興味深い作品に
仕上がっています!詳細は分かり次第告知します!


上記にあるように、翌年発売予定のアルバムは、
未発表楽曲・未発表テイク・デモ音源に加え、
ROJAM時代の楽曲を収録するというものだった


この企画版は「キヲクトキロク〜Major Turn-Round」と題してリリースされた
DISK1の蔵出し音源集1枚と、
DISK2の「Major Turn-Round」を合わせた2枚組で、
3240円で販売された


TMのアルバムタイトルが日本語なのは、
2018年時点で史上これだけである
小室は後まで自らの栄光を振りかえる際に、
この「記憶と記録」という言葉を使い続けた
「Tour Major Turn-Round」のスクリーンに映し出された3人のメッセージ中の「記録と記憶」に由来するタイトルと考えられる


ジャケットは何を撮影したものかよく分からないが、
スタジオのカセットデッキだろうか
ライナーの中にも3人の写真は使われていない


結論から言っておくと、
本作はベスト盤を除く歴代のTMアルバムの中で、最低の作品である
新作に当たるDISK1には、実際ほとんど商品価値が存しないため、
インディーズ盤「Major Turn-Round」を抱き合わせ販売したものと考えられる


それまで「Major Turn-Round」は一部店舗を除いて一般流通に乗らず、
ROJAM POPSHOPから送料500円込みで通販購入するしかなかった
だが「キヲクトキロク」の発売により、
本品を店舗購入することで、
通販よりも安く「Major Turn-Round」を入手することが可能になった
つまり「Major Turn-Round」の購入に便宜を与えたと言う点において、
本作は後発ファンにとって、多少の意味はある商品となった


なお2002年9月にはROJAMとR&Cが、
お互いに株式を持ち合うことにして、連携関係を強めている
このことも「Major Turn-Round」がR&Cから再販される前提になっただろう
ただROJAMはこれによって、ほとんど唯一の売れ筋商品を失うことになった


一応新作となるDISK1の内容は、
デモや未発表テイクを集めた1994年の「Groove Gear」に類する内容となっている
「終了」以前のEPIC/SONY関係の音源が収録されていないのは、
おそらくSONYとの権利関係があるのだろう
ただSONY系列のTRUE KiSS DiSC時代の音源は収録されている


唯一の「終了」以前の音源としては、
1991年の「月とピアノ」が収録されている
(アルバムには「EPILOGUE 1991〜月とピアノ〜」として収録)
これはヤマハから出版された「K's Magazine vol.3」付録CDに収録されたもので、
SONYは関係していないものである
うまい具合に穴を見つけたというところだろう


ただしこれはTM曲というよりは小室ソロ曲というべきものである
これが「キヲクトキロク」に収録されたことによって、
初めてTM曲としてロンダリングされたとも言える


小室によるピアノ音源である「CAROL」「In The Moment」も、
TM用の音源として作られたものかどうかは疑わしい
音源の出どころも明らかではない


木根のピアノ音源である「We Are Starting Over」に至っては、
1999年の木根ソロライブ「talk & live vol.5」のパンフレットの付属CDであり、
後にTM曲になったとはいえ、本来は木根ソロの音源である


以上4テイクと「Get Wild」ライブ音源を除く7テイクの内訳を見ると、
TRUE KiSS DiSC時代の楽曲は4テイク、
ROJAM時代の楽曲は2テイク、
R&C時代の楽曲は1テイクとなっている


この中でデモ音源もしくはプロトタイプ音源に当たるものは、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「Castle in the Clouds」の3テイクである
既述の「We Are Starting Over」もプロトタイプ音源に数えても良いだろう
またリリース後にリミックスされた未発表音源としては、
「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」の2テイクがある


この他に、新たに制作されたリミックス音源が2つある
「Worldproof」「MESSaGE」である
ただしこの2テイクはいずれもリミックスの担当は小室ではない


以上のようにDISK1は、
未発表音源およびアシスタントのリミックス音源をまとめたものであり、
メンバーが関与した形跡は存在しない
ライブで本商品のアレンジを意識した演奏が行なわれたことがあるのも、
せいぜい2003〜08年の「CAROL」のピアノソロくらいだろう


なお木根がこの頃の動向を記した「新・電気じかけの予言者たち」には、
「キヲクトキロク」は一切登場しない
本作の構成は、とりとめもなく当時の出来事を時系列上で記すだけのもので、
到底文筆家の作品とは言えない出来となっているが、
一方で木根の目に入った情報をそのまま知ることのできる素材ともなっている
(もちろん都合の悪い事実は隠蔽・美化されているだろう)
そこに「キヲクトキロク」が登場しないのは、
ウツ・木根がまったくタッチせずリリースされたことを意味しているのだと思う


チラシでもわざわざ「TMを愛するスタッフがファンへ贈る」とされている(TMが贈るのではない)



プロモーションもほとんど行なわれなかった
ライブはもちろん、雑誌のインタビューなども確認できない
ただそうした中で、2002/12/24NHK-FM では、
FANKS出自の中村貴子をパーソナリティとして特番「TM NETWORK special 」が組まれ、
TMを招いて2時間のトークが行なわれた
12/31にも再放送されている


この時に未発表音源として「CAROL (Unreleased Piano Version)」が放送され、
小室は「倉庫から出てきた」と言っている
同番組ではさらに、「キヲクトキロク」のリリースについても告知され、
小室は「買ってもらえなかったものを集めた」「コレクション」などと、ささやかに述べている
さすがに誇らしく宣伝する気にはなれなかったのだろう


収録音源には、どうしても聴く必要のあるものは存在しない
熱心なファンでも金を払う価値があるのは、
「月とピアノ」「Happiness×3 Loneliness×3」「10 Years After」「Castle in the Clouds」くらいだと思う
「It's gonna be alright」には記念音源としての意味もないことはないが、
それこそROJAM.COMで無料配信すれば十分な代物である


なお必ずしも商品の価値と直結するものではないが、
DISK1収録の12テイクの内、
「CAROL」「10 Years After」「In The Moment」「Worldproof」「We Are Starting Over」「月とピアノ」の6テイク(全体の半分)には、ウツの歌は入っていない
これらはDISK1収録を前提に作られた「Worldproof」を除けば、
そもそもTM用音源として作られたものかどうかも怪しいものである
(少なくとも「We Are Starting Over」「月とピアノ」は明らかに違う)


2年ぶりの再始動シングルの直後に、
なぜこんなもののリリースを発表したのだろうか
一つ想像できるのは、
おそらく年内にアルバム1枚リリースと言う一般的な契約条件が、
TMとR&Cの間にも交わされていただろうということである
その場合に思い出されるのが、
秋に計画されていたTMのリミックスアルバムである


このリリースについては2002年初めにTMメンバー間で合意された後、
春にはメンバーによって公言もされていた
ところが夏に「Castle in the Clouds」の件が具体化する頃から、
この件は語られなくなっていた


その事情は、正直に言ってよくわからないのだが、
おそらくTMはR&Cに移籍した際に、
年度内にアルバム・シングル1枚ずつのリリースを契約していたのだろう
なお2003年度にも、やはりシングル・アルバムを各1枚リリースしている


ただそれにしても、再始動直後の大事な時期に、
このような商品しかリリースできなかったのはどういうことか
リミックスアルバムの中止も「キヲクトキロク」リリースも、
「Castle in the Clouds」リリース以前には決定していたと考えられる
ならばこれらの事態は、
「Castle in the Clouds」のセールス不振を背景としたものではないと考えられる
私はこの事情について、ある可能性を考えているのだが、
これについては別の章で触れることにしたい


ただ事情は何であれ、
個人的にはここまで無残な商品を出すくらいなら、
再始動後の全シングル集を出してくれた方がよほど意味があったと思う
TRUE KiSS DiSC時代のシングルはまだアルバムにまとめられていなかったし、
ROJAM時代のシングルも「Major Turn-Round」ではアルバムミックスになっているから、
シングルバージョンを聴くことができるアルバムはいまだに存在しない


既発売シングルだけでも、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」「80's」「MESSaGE」「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」
の8曲が存在しているから、
これに最新シングル「Castle in the Clouds」「君がいる朝」を収録するだけで、
アルバム1枚には十分な分量である


既発表音源の寄せ集めよりは、
未発表テイクを出した方がまだ売れるだろうと言う判断だったのかもしれないが、
結局その結果作られた「キヲクトキロク」は、
単独では商品になりえないカステイクの寄せ集めになってしまったという印象である


本商品はチャートでは、初動25位・1.4万枚の成績を出し、
最終的には2.1万枚を売った
2000年にSONYが出した間に合わせベスト盤「Best Tracks」(26位、3.5万枚)と比べると、
ランクはほぼ同じだが、売り上げは半分以下である
ファンのほぼすべてが持っているであろう過去音源を集めたベスト盤よりも売れなかったのである
本作に対するファンの失望がうかがえよう


なお2004年にもSONYからベスト盤「Welcome to the Fanks!」がリリースされているが、
これは18位・2.9万枚の成績であり、
やはり「キヲクトキロク」よりも売れている


以下ではDISK1収録の音源について簡単に見ていこう
ただ既発表音源である11・12曲目の「月とピアノ」「We Are Starting Over〜ずっと好きだった(Naoto Kine Piano Instrumental Version)」については、
すでに触れたこともあるので(12)、ここでは改めて触れない
また唯一のR&C時代の楽曲として9曲目の「Castle in the Clouds (Yabe Version)」があるが、
このテイクについても以前触れたので、内容は割愛する


まず1曲目は、「CAROL (Unreleased Piano Version)」
これは「CAROL」組曲中の「A Day in the Girl's Life」のピアノ演奏である
2003/9/6・7開催の「Fan Event in Naeba」での演奏は、
おそらくこれを意識しているのだろう
後にも、2007〜08年のTMライブでは必ず演奏した


少し飛ばして6曲目の「In The Moment」に触れよう
新曲ではあるが、曲名はアルバム収録に当たって決められたもので、
元のテープには「PIANO #1」とだけ記されていたという
要するにデモテープの最初にあったものを収録したのである
実際のところ、TMの曲として作られたものかどうかも不明である


両テイクはともに某年1月25日に、
東京ベイブリッジスタジオで録音されたという
おそらく同じ年にレコーディングされたものだろう
日付まで分かって年が分からないのは不自然で、
古いものである可能性を匂わせるために年を伏せたものと考えられる


1998年、小室はピアノアルバムをリリースする計画があったが、
秋に無期延期となったことがある(後に2003年3月にリリース)
あるいはこれと関わるもので、
1998年以後に録りためていた音源の一部だろうか


ならば候補として1999・2000・2001・2002年がありえるが、
2000/1/25は「Touch the globe LIVE!」名古屋公演の日であり、
2001/1/25の小室は上海にいるので、ともに東京のレコーディングはない
だとすると1999年か2002年ということになる
もう少し絞り込む材料があれば確定できそうだが…


8曲目は「Get Wild (Live from 2001 RENDEZVOUS IN SPACE)」
これは2001/1/1に開催された沖縄ライブの音源で、
すでにテレビでは放送されていたが、商品化はされていなかった


ただしライブアレンジも演奏メンバーも「Tour Major Turn-Round」と同じでなので、
DVD「Live Tour Major Turn-Round 02」を持っていれば、
さほど意味があるものではない
未商品化の「Log-on to 21st Century」の音源を入れていれば、
それなりに価値の高いものになったはずだが、権利関係で難しかったのかもしれない


沖縄ライブでは1番Aメロの「チープなスリルに身を任せても」のところで、
ウツが歌詞を噛むというミスをしたが、
この音源ではその部分が上からかぶせた別音源で修正されている
しかしその音質が明らかに前後と異なり、大変気持ち悪い
このあたりは極めて雑な仕事といわざるを得ず、
この商品のやっつけ具合が端的に現れている
むしろこれくらいなら、修正しない方が良かったと思う


これと「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
2017年の「Get Wild」歴代トラック集成アルバムである「Get Wild Song Mafia」「Get Wild 30th Anniversary Collection」にも収録されていない
R&CのライブDVD「Double Decade "NETWORK"」に入っている「Get Wild」の音源は収録されているので、
レーベルの問題でもないようである
関係者からも存在を忘れられた商品だったのだろう


2〜5曲目は、TRUE KiSS DiSC時代の楽曲である
制作が古い順に挙げていこう
まず4曲目「It's gonna be alright (TK Vocoder Version)」は、
1999年6月のハワイレコーディング以前、
1999/4/30に日本で作ったラフミックスである
再始動期TMの音源の中では、
現時点で商品化されているもので最古のものである


2曲目「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
シングル盤「Get Wild Decade Run」完成の3日前、
1999/6/18にできたラフミックスである
以上2テイクについては、以前触れたことがある


あとの2曲は海外のアレンジャーによるリミックスである
いずれも原曲と大幅に異なるアレンジであり、
本音源集中でも多少の価値は認められるテイクである
まず3曲目「Happiness×3 Loneliness×3 (Club Mix)」は、
レコーディングは1999年で月日・場所は不明である


リミックスを行なったのはBobby D'Ambrosioという人物で
早くからメジャーアーティストのリミックスを手がけていた人物である
当時はニューヨークで活動するDef Mix Productionsに属していた
ハウスなどクラブ系の音に通じた人物だったらしい


本テイクではボーカルは同じながら、
原曲からは大幅にアレンジが変えられている
原曲はフラメンコギターなどを入れ、ラテン風の雰囲気が強いが、
こちらはラテン的な要素を薄め、
クラブ風のパーカッションを強調したオケになっている
曲の長さも8分以上で、原曲の約2倍である


このアレンジを聞くとこの曲の歌メロが極めて平坦で、
半ばラップ状態だったことが、原曲よりもよく分かる
ウツも歌うのは大変だっただろう
逆にこれほど平坦な歌メロであるにもかかわらず、
原曲がそれなりにメロディアスに感じられるアレンジだったことは面白い


問題はこのテイクは何のために作ったのかということである
ROJAM.COMのMailing ListであるTM NEXTで配信された解説には、
「この制作時に、小室哲哉が世界各地のアーティストにリミックス及びリプロダクションを依頼。 そのときの音源集から見つけ出した未発表テイク」
とあるが、結局よく分からない
ただ「Happiness×3 Loneliness×3」のシングル盤のレコーディングは、
1999年11月に完了したことが知られる
その後1999年中に「Club Mix」が完成したのならば、
アレンジの依頼はシングル盤完成から間もない頃に違いない


私は一つの可能性として、
2000年3月リリース予定だったTMのアルバムに収録するはずの音源だったことを考えている
2000年1・2月にTMのアルバムレコーディングが予定されていたと考えられることは、
以前述べたことがある
小室がこのアルバムに入れることを念頭に置いてアレンジを依頼していた可能性は高いと思う


5曲目は「10 Years After (Featuring COMMON)」である
サビの「10 Years After Where Will We Go?」の部分ではコーラスを聞けるものの、
メインボーカルはウツではなく、COMMONのラップである
ラップを前面に出すように、オケは控えめなアレンジである
もともとヒップホップを意識して作った曲だけに、
ラッパーをフィーチャーしたかったのだろう


COMMONはアメリカで活躍していたラッパーで、
当時はSoulquariansのメンバーとして人気を博していた
後に2015年には「Glory」で、
ゴールデングローブ賞とアカデミー賞を獲得している


「10 Years After」のシングル盤レコーディングは1999年6月だが、
「featuring COMMON」のレコーディングはこれよりかなり遅く、2001/4/23である
レコーディングの場所は分からない
2001/9/27ラジオ「それゆけ!TM NETWORK」最終回で、
このテイクが放送されていたという情報がある


この音源は制作日から見て、
2000年のアルバム収録のための音源ではないことは明らかだが、
何のために作られたのかは成案がない
ただウツのボーカルがないことを考えると、
そもそもTM曲として作られたものではないのかもしれない


なおTM NEXTのメールには、
「10 YEARS AFTER('99.7.28 release)制作時、この楽曲にUSで活躍するラッ パーをフューチャーしたい小室哲哉の意向により、その実力・人気ともに高 い評価を得ているCOMMONに白羽の矢を立て、制作したバージョン」とある
この文章は藤井徹貫だろうか
だが本テイクが「10 YEARS AFTER制作時」に作られたとするのは、
ライナーに書いてある日付と矛盾している
要するにこの文章は当てにならないらしい


本作は2001年の制作だが、
当時の小室がglobe・Gaballなどで手掛けたトランスミックスとは異なる流れである
むしろ流れとして近いのは、Kiss Destinationだろう
2001/4/25には2ndアルバム「AMARETTO」がリリースされており、
小室もこの頃までは、R&BやHip Hopへの関心が残っていた
どのような形でこれを発表する予定だったのかは明らかでないが、
実は2001年初めの段階では、
必ずしもトランス一辺倒で行くつもりではなかったのかもしれない


ROJAM期音源2曲は、村上章久がリミックスを担当した
(木根版「We Are Starting Over」は除く)
レコーディングは2002年12月某日、ROJAMスタジオで行なわれた


村上はTK時代以来小室のアシスタントを務めてきた人物である
2000年には「Log-on to 21st Century」でマニピュレータを務め、
「Major Turn-Round」でも岩佐俊秀とともにプログラミングを担当しており、
TMとも関係ないわけではない人物である
だがアシスタントにリミックスを投げると言うのは、
「Castle in the Clouds」でアレンジを吉田健に外注したこととともに、
当時はいささかがっかりさせられた


収録されたのは「Worldproof」「MESSaGE」で、
アルバム代表曲の「Ignition, Sequence, Start」はない
これは本作についてはすでに2001年ウツのソロアルバムに、
小室も関わった「tatsumaki remix」が収録されたからだろう


それにしても「Worldproof」がリミックスされるとは驚きだ
なにしろ、原曲は単なる水の泡の音であり、
曲というよりはSEである
ただこのアレンジでは「Major Turn-Round」で続けて収録される「Ignition, Sequence, Start」のイントロ冒頭の音も用いている
というよりも、実質的には「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭部分のリミックスというべき内容であり、
なぜ「Worldpfoof」の曲名を用いているのかがむしろ不審である


「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭の音はシングルにはなく、
アルバムで始めて追加されたものである
これが「Worldproof」のリミックスとして扱われているのは、
あるいは制作過程では、この部分が「Worldproof」の一部とされていたこともあったことを反映しているのかもしれない


このリミックスは小室の仕事ではないが、嫌いではない
曲を通じて無機質な電子音が流れ続け、
後半では原曲にはないオリジナルフレーズが展開するなど、
なかなか努力した印象である
(そもそもTMの要素がどこにあるのかと言われると微妙だが)
なお正式タイトルは「Worldproof (A Deep Remix)〜Interlude〜」で、
7曲目に収録される


10曲目「MESSaGE (KIOKU Remix)」は、
ミディアムテンポの原曲を、トランス風のアップテンポの曲に仕上げなおしたものである
思い切ったアレンジだとは思うが、良いアレンジかというと疑問である
むしろ、本商品で一番がっかりしたテイクである


キヲクトキロク
R and C Ltd.
2003-02-05
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 13 / トラックバック 0 / コメント 5


7-5 Laugh & Peace Premium Night

2018/06/01 17:41
気付いたらトップページのアクセスカウンター、
75万を越えていました
どうもありがとうございます!


ウツは5/29、2ヶ月弱続いた「「それゆけ歌酔曲!!」ξIdiosξ」を終えました
私は参加していないのでよく分からないのですが、
今回は一部演奏曲のイントロをいじる企画があり、
一部会場では小室さんの曲っぽいのを付けていたそうです
ウツの次の活動は、現時点では告知されていませんが、
例年通りならば秋にバンド形式のソロツアーが用意されているのでしょうか


木根さんは5/30にライブDVD/Blu-ray「キネバラ」をリリースしました
去年12/2のソロ25周年ライブを収録したものです
選曲はTMを含む木根さんの代表曲のヒットメドレー的内容です


TM曲としては「大地の物語」「Fool on the Planet」「Time Passed Me By」「Winter Comes Around」の他、
ゲストの小室さんと一緒に演奏した「Dreams of Christmas」「Christmas Chorus」が収録されています
長時間に及んだ2人のトークはカットされています(残念)


「Dreams of Christmas」は、小室さんがTM曲を演奏した最後の映像となります
また「Christmas Chorus」は、小室さんが歌、木根さんがギターを担当していますが、
これは実はこの曲の初めてのライブ映像です
「THINK of EARTH」などTV放映された未商品化映像も含めれば、
これで小室さんの歌入りソロシングル曲は全部ライブ映像が出そろったことになります


本DVDについては、5/29mu-moステーションに、
木根さんのインタビュー記事が掲載されました
演奏された曲について、結構いっぱいコメントしてくれています


小室さんのゲスト出演は、木根さんがお願いしたのではなく、
小室さんが自分から言い出したことだったそうです
ゲスト出演の告知が9/26だったので、
この話が出たのは8〜9月頃でしょうか
まだ引退とか考えていなかった時期ですよね


ステージ上だからということもあるのでしょうけど、
このライブでの小室さんの表情を見る限り、
素で楽しそうにしていたように見えます
この1ヶ月半後の悲痛な会見と比べると…


あと私が買ったBlu-ray(限定盤)には、
サイン入りフォトカードとテイクアウトライブカードなるものが入っていたのですが、
テイクアウトライブカードには「木根テレ!」の写真が付いています
(ライブカードでダウンロードできる「木根テレ!」特別版の様子)
これは木根さんと徹貫が並んでいる記念写真なんですが、徹貫いらねえ…
しかも私の持っている端末には対応していないという始末です
ブツブツ…


木根さんは6/2、HMV&BOOKS SHIBUYA 6Fで、
ミニライブ&サイン会を開催します
HMV&BOOKS SHIBUYAでは「キネバラ」を購入した先着50名に整理券を配るので、
それを持っているとイベントに参加できるそうです
同日には「2525ツアー」の一般発売が始まるので、
その宣伝も兼ねたイベントでしょう


小室さんの話題では、
ベスト盤「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」は収録曲が小出しに発表されています
新曲としては、梅田彩佳 「MY HISTORY」と、
Tetsuya Komuro feat. Beverly 「Guardian」も収録されるとのことです
9枚組盤のみの特典ディスクの情報はまだ出ていません


「Guardian」を主題歌とするスマホゲーム「ガーディアンズ」の配信日が、
6/5に決まりました
これをプレイすれば、小室さんの曲が聞けることになります
「SUNNY」もそうですが、サントラ盤は出るんでしょうか


小室さんの近況について、5/22に「女性自身」のインタビュー記事が出ました(12
小室さん、5月上旬から2週間入院していたそうです
退院の時に記者が待ち構えて質問したところ、
小室さんは「これが本当に最後です」と言って回答してくれました
引退撤回の可能性については、きっぱりと否定しています


重要な情報として、
引退会見前に引き受けていた作曲の仕事がすべて終わったと言うものがあります
本当にもう終わりですね…
今後発表される楽曲はあるそうですが、
「ガーディアンズ」「SUNNY」以外にもあるのでしょうか


5月上旬の入院は、おそらくすべての仕事が終わり、
自由の身になった上で行なったことなのでしょう
5/7のインスタグラム更新は、
仕事を終えたタイミングでのことだったのかもしれません
「体調を改善すべく静養」しているとのことも書かれていましたから、
入院後に病室から更新したものでしょうか
小室さんほどの人の仕事収めとしては、寂しさがぬぐえません


入院の理由は、引退の一因になった突発性難聴とのことで、
会見当時よりも悪化しているそうです
会見までは女性看護師による精神ケアがありましたが、
それすら許されなくなった環境下で、
精神状態が悪化していたことは容易に見当がつきます


KEIKOさんとは電話で何度かやり取りをしているとのことですが、
つまりまだKEIKOさんは大分の実家にいるということでしょう
今の状態で2人で暮らし出したらどうなるか怖いですし、
そこらへんは良かったです


小室さん、今後の生活について聞かれると、
「どういうふうに2人でやっていけるものなのか。そして、どういう道があるのか。まだまだちゃんと決められてないんです」
と答えており、悩んでいるようです
仕事が続いている間と入院中は別居するとしても、
その後はどうするか、そろそろ考えないといけないのでしょうけど、
それもまたストレスになりそうですよね


というか、小室さんが仕事という責任から解放された今、
スタッフのケアもないままで2人だけで暮らし始めたら、
生命的な意味での破局すらあり得るのではないかと、
割と真剣に思っています
継続可能な老後の生活設計、じっくり考えてほしいです
マスコミから何か言われるかもしれませんが、
施設など利用しても良いと思います


最後に音楽面での小室さんの発言もありました
自分では最新鋭のことをやっているつもりなのに、
小室ぽいと言われるのが苦痛だったとのことです


PANDORAでは、90年代の小室サウンドを意図的に盛り込んだと言っていましたが、
これは新しい試みが受け入れられないという諦めの発言だったのでしょうか
2017年、音楽史を振り返ることが役目として求められている言っていたのも、
やはり同じ背景から来た発言だったのかもしれません
2017年から今年までは、
自信を失いながらだましだまし曲を作ってきた1年間だったんでしょうか


以上、暗い話題で近況が終わってしまいましたが、
本題はお笑いイベントの話題です

------------------------------
「Castle in the Clouds」をキャンペーンソングとした「Laugh & Peace 笑いはニッポンを救う。」は、
日本テレビと吉本興業の共同企画であり、
メディアでの露出も期待されたものと思われる


そのような中で開催された「Laugh & Peace Premium Night」では、
約2年ぶりにTM NETWORKの演奏が披露された
このイベントは2002/10/1に開催されたもので、
会場は当初SHIBUYA-AXの予定だったが、
後により規模の大きい東京厚生年金会館に変更された


もっとも「Premium Night」はTMを中心としたものではなく、
メイン企画は「明日があるさ The Movie」の上映だった
この映画は10/5に全国ロードショーとなったが、
それに先立つ試写会がこの時に行なわれた
試写会の前には吉本芸人らのトークショーも行なわれ、
後にはTMのミニライブも催された


それにしても吉本芸人とTMという組み合わせ、
なんとも食い合わせが悪そうである
両方を期待していた来場者はあまり多くなかっただろう


試写会後のイベントの様子を見てみよう
映画上映が終わってしばらくすると、
スクリーンに映画とは別の映像が流れ出した
これが初公開の「Castle in the Clouds」PVである
そもそも曲自体が、この時初公開だった


ROJAM期の3枚のシングルはPVが作成されなかったため、
このPVは1999年のTRUE KiSS DiSC期以来3年ぶりのものとなった
ただTRUE KiSS DiSC期のPVと同様に、
本PVも曲はショートバージョンで、2番がカットされている


本PVは現状で「Your Song」のドラマ版PVとともに、
商品化されていない数少ないPVの一つである
吉本時代の作品ということもあり、今後も商品化される可能性は低い


ただこのPVを欲しがるファンはそれほど多くはないだろう
それは歴代のPV中でも特異な内容であることによる
すなわち本PVにはTMが出演しないのである
(一応最後にCDライナーで使われたメンバーの写真は出るが)


PVに出演したのは、森三中の3人だった
森三中がTM3人の役で出演し、
演奏する演技をしているというものである
TMの吉本移籍を印象付ける意味もあったのかもしれない


撮影は9/25で、レコーディングが終わった9/20の5日後のことである
この撮影日程は、スタッフとしては大変だったと思う
レコーディング完了以前、デモテープの段階で、
映像の制作作業に入っていたのだろう


以下、PVのおおまかな内容を見ていこう
イントロで、椅子に腰かける人物の後ろ姿が映り、
「小室哲哉 ロス在住」と表示される
その人物が携帯電話で「TM NETWORK RESTART」と発信する
TM再始動の指令をメンバーに伝えているのだろう


発信が終わると、その人物の横顔が映る
満面の笑みの大島美幸である
以後、大島が小室役を演じる
ついで森三中3人がTMに扮して演奏しているシーンが映り、
本PVが森三中によるTMのパロディであることが示される


1番の歌が始まると、PVのストーリーが再開する
なぜか暗いテレビの前で踊っている村上知子
「宇都宮隆 ロンドン在住」と表示
村上がウツ役である
村上は大島と同じ形態の携帯電話を取り出し、
「TM NETWORK RESTART」のメッセージを受け取り、
笑みを浮かべ、また踊り出す


ついで黒沢かずこが登場
「木根尚登 祖師谷大蔵在住」の表記
木根だけ渋い住所なのは、オチに使われているのだろう
黒沢も大島のメッセージを受信
本棚の前でなぜかヘッドマイクを付けている


メッセージ発信を終えた大島が黄色い上着を脱ぎ、
黒のジャケット姿になる
大島は背中から金属製の翼を生やし、
国道を高速飛行で移動する
飛べるならわざわざ車が多い道路を使わなくても良いと思うのだが…


村上は相変わらず無駄な体の動きを続けながら走り出す
黒沢は大量のサングラスからどれを使うか選んだ上で、悠然と歩いて移動
多分黒沢がいる東京で集合するから、黒沢だけ徒歩なのだろう
黒沢だけ頭上に雨雲が浮かび、雨を浴び続けているのだが、
この演出の意味がいまだに分からない


こうして3人がどこかのビル街で合流する
夜になると、3人のために用意された車が現れる
3人は報道陣をかき分けて、
黒人ガードマンに守られながら車に乗り込む
ここは「Rhythtm Red Live Wolds's End U」のオープニングや、
「Decade」エンディングを意識しているのだろうか


その後は演奏シーンが続き、
歌が終わると3人はソファーに座りこむ
すると同じソファーに同じ衣装で座るTM3人の写真が映されて、
PVは終わりとなる


このPVについて、3人がコメントをしている
どうでもいいことばかりだが、
メンバーの発言も少ない曲なので、以下に引用しておこう

小室「ぼくもやっと…(昔は)すごい細かったんですけど、少し最近ちょっと体重が増えてきて、ぽっちゃりしてきたんですけど、そのレベルではなかったんでね、うれしかったです」

木根「なぜかぼくのところにずっと雨が降ってたんで、きっとこれ、おそらくもしかして、いつかライブでやる時って、この曲でぼくは雨が降ってくるのかなって、ちょっと心配しています」

ウツ「ボーカルの人のリズムの取り方が、とってもなんか、リズムを取ってんのか、体を揺らしてんのか、よくわからない感じが楽しかったです」

小室「十何年活動して、この曲でやっと脚光を浴びたバンドみたいなイメージでがんばっていますので、よろしくお願いします」



DJ DragonはこのPV撮影現場に居合わせたらしく、
自らのBBSにそのことを以下のように記載している
今見ると、「三人がまるで別人」「 TKはいつもよりたくましい」はその通りである

きょう偶然、TKスタジオでTMのプロモ撮影に遭遇!
かなり力が入った感じ!すごい!三人がまるで別人!
とにかくすごかった、TKはいつもよりたくましいし
驚きのひとこと!往年のTMファンにはたまらない感じ
まさしく新生TMでした。はやく完成がみたい!



このPV、見たいと思うファンもあまりいないだろう
正直私もこの記事を書くために見ながらうんざりしている
PVの演出についてはもっと詳しく書くこともできるが、
それをしようという意欲も起こらない


だが森三中が代役を務めることを抜きにすれば、
TM再始動と言うコンセプトはよく分かる
また半透明のバーチャルな携帯電話や、
背中から生える金属製の翼など、近未来的な演出は、
典型的な80年代TMのイメージを惹起させようとしたものといえる


そして実はこのPVの大まかな流れは、
比較的評価の高い「I am」(2012年)のPVとほとんど同じである
片やR&C、片やavexへの移籍直後の作品だったという環境も同じである
「Castle in the Clouds」PVを真面目に再現したのが「I am」PVとも言えるし、
ある意味では「I am」PVは「Castle in the Clouds」PVのパクリとも言える


さて、「Premium Night」の話に戻ろう
このPVが流された後に司会が、
「わざわざ今日駆けつけてくれました、こちらの3人を紹介したいと思います。TM NETWORKの皆さんです!」
と言って、会場を盛り上げようとした
会場に流れる「Castle in the Clouds」


だがそこに登場したのは、PVでTM役を務めた森三中だった
3人はPVにまつわる話など、どうでもいいトークを行なった
TM目当てのファンからすればあんまりな流れだが、
もとより吉本の企画なのだから、仕方ないことでもあった


ただステージには楽器がセットされており、
TMが登場することは観客も分かっていただろう
スタンバイが完了すると、司会から、
「正真正銘のTM NETWORKの皆さんです!」


ステージにはサポートメンバーに加えTM3人が登場する
小室はパッチワークの下地に数字の柄の入ったシャツ、
ウツは黒地に模様の入ったYシャツの上に黒の革ジャン、
木根は黄色地・模様入りのYシャツの上に黒のジャケットを着ている


サポートはギター北島健二、ベース吉田建、ドラム村石雅行である
吉田・村石はレコーディングメンバーとして参加したものだろうが、
TMのライブで二人のサポートは初めてのことである
特に村石のサポートは、史上この時だけと思う
ステージでは観客から見て左に小室、中央にウツ、右に木根で、
小室の後ろに北島、ウツの後ろに吉田、木根の後ろに村石がいた


TMはまず「Castle in the Clouds」を演奏した
10日前に完成したばかりの曲である
「Castle in the Clouds」はシングルであるにもかかわらず、
現在までフルライブで演奏されたことがない
これはリミックスではないシングル表題曲では唯一の例であり、
(リミックスシングルでは「Get Wild Decade Run」もある)
その意味では歴代シングル中でもっとも扱いの悪い曲となった


「Castle in the Clouds」のこれまでの演奏例は、
この「Premium Night」を除くと、
2003/9/6・7に苗場プリンスホテルで行なわれた「Fan Event in Naeba」くらいである
そう考えると「Premium Night」の演奏は意外と貴重なものとなった


「Premium Night」ではこの後数分、
3人のトークが行なわれた
とはいっても、PVの感想とメンバー紹介程度で、
あまり深い話はなかった


深くない話中の木根



メンバー紹介が終わると、ウツが最後のMC

せっかくなんで、10月30日(のシングルには)、もう一曲、木根の曲が入ります。とても良い曲で。聞いてください。「君がいる朝」


ということで、本イベントは「君がいる朝」も披露して終幕となった
実は本イベントで最重要事項は「君がいる朝」の演奏で、
TM史上この曲が演奏されたのはこの1回のみである
(TM以外では2007年「Spin Off from TM 2007」やウツソロ「20 miles」「Phoenix Tour」「Fan Party & Live Through 2017」などで演奏例あり)
リリース前の初披露と言うことで、特徴的なアレンジはなかったが、
ウツは安定した歌を披露した


この一か月後、10/30「Castle in the Clouds」のリリースに合わせ、
メンバーは各地で販促活動を行なった
再始動直後の1999年〜2000年にはそうした活動はほぼ皆無だったが、
「Major Turn-Round」リリース前後のラジオ出演くらい)
この時はそれなりの意気込みがあったということだろうか
あるいは吉本側の要求によるものかもしれない


詳しくは書かないが、
10/30には3人が渋谷TSUTAYAで、
11/1にはウツ・木根・徹貫が銀座山野楽器本店で、
11/3にはウツが荻窪の新星堂で、トークイベントを行なっている
またこの前後にはメンバーのラジオ出演も数件確認される


11/22には日本テレビの「FUN」に出演して、
「Castle in the Clouds」を演奏している
サポートもいるが、CD音源+口パクと思われる
PVと同じく2番カットのショートバージョンである
曲の最後、「今日のドアを開けよう」の部分では、
ステージセットの後ろに設けられたドアが開いて、光りが差し込んでくる演出があった
収録は11/7だったらしい


小室は白のTシャツの上に迷彩柄のシャツ、
ウツは黒のTシャツの上に革ジャン、
木根は白のYシャツの上に紫地に白線の入ったジャケットである
ウツの革ジャンは「Premium Night」の時と同じものか


番組では数分のトークがあったのだが、
肝心の曲についてのコメントはまったくなかった
同日放映された小室・KEIKOの披露宴とあわせて企画されたものだったため、
話題が結婚に集中してしまったためである


またこの番組の恒例企画らしいが、
ファンを集めてトークなどをする「ふぁんBOX」というコーナーがあり、
演奏+メンバートークよりも長い時間が取られた
「Love Train」を歌う67歳老女、
小室・ウツコスプレをするファン、
TM歴代シングルを暗唱するファンなどが登場したが、
本当にどうでも良い時間だった


以上のように、久々の新曲リリースだったにもかかわらず、
これを受けてTMが行なったのは、
数回のトークイベントとラジオ出演、
1回のイベント出演、1回のテレビ出演のみだった
キャンペーンソングのタイアップも、リリースの半月以上前にほぼ終わっており、
リリースされた頃には巷でまったく聞かれない曲になっていた
いまいち盛り上がりを欠いた新曲リリースだったと言わざるを得ない


キャンペーン特番「Laugh & Peace!! 笑いは日本を救うスペシャル」翌日の10/6に、
小室とKEIKOの結婚が発表されたのは、
おそらく「Castle in the Clouds」の宣伝効果も意図していたのだろう
結婚披露宴と「FUN」の放映を同日にしたのも、
同様の意図によるものと考えられる


しかしこうしたメディア発での話題提供によるプロモーションによって、
少なくともTMの活動が話題になった印象は、当時まったく感じず、
むしろ小室結婚の話題にTMが埋没してしまった印象である
結論として「Castle in the Clouds」による再始動は、
極めて印象の薄いものにならざるを得なかった


CASTLE IN THE CLOUDS
R and C Ltd.
2002-10-30
TM NETWORK
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7-4 Castle in the Clouds

2018/05/10 20:02
5/5、「ぼくらの七日間戦争」が来年アニメ化されることが発表されました
え?今頃?と思いましたが、
意外と今の小学生にも人気あるそうですね


「City Hunter」劇場版もそうですが、リバイバルのタイミングから見て、
TM NETWORK35周年を絡めることも前提に動いていたんじゃないかなあ、とも感じさせます
ちなみに3/2からNHKで開催されていた「全ガンダム大投票」の投票結果は5/5に発表されましたが
ガンダムソングス部門では「Beyond The Time」が4位でした


木根さんのソロツアーが発表されました
6/23〜9/16開催で、タイトルは「2525ツアー」とのことです
良く分からないですけど、ソロ25年目のツアーということでしょうか
FC予約はもう始まっているようです


小室さんの近況について、
5/9に「超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE & SHOW 2018」のBlu-rayがリリースされました
現状で唯一のPANDORAライブ映像の商品化となります
2月のbillboardのライブ、商品化しないんでしょうかねえ


4/25には「Guardians」主題歌のショートバージョンMVが公開されました
曲名は「Guardian」です
PANDORAでも組んだBeverlyさんがゲストボーカルを務めています
MVには小室さんも出演し、フルオーケストラでの演奏風景が収録されています


曲はとてもいいですね
こういう聞かせる曲て、久しぶりな気がします
それにMVでは小室さんが目立ちまくりです
avex、小室さんの状態次第では、
復帰の舞台を整えようとしているんでしょうか


同じ4/25には、
小室さんが8/31公開の映画「SUNNY」の音楽を担当することが発表されました
90年代に女子高生だった6人が20数年ぶりに再会する物語で、
6人の女子高生時代のシーンでは、
90年代の音楽やファッションをちりばめて当時を再現するようです
小室さんは90年代を席巻したヒットメーカーとして、このたび登用されました


映画中では当時のヒット曲が用いられますが、
小室さんの曲としては安室奈美恵「Don't wanna cry」「Sweet 19 Blues」
hitomi「Candy Girl」、trf「survival dAnce」「EZ Do Dance」の5曲が使われます
その他に小室さん制作の劇伴24曲が用いられます


この映画、主演は篠原涼子さんとのことです
今回は篠原さんが歌うと言う情報は出ていませんが、
ともかく小室さんの引退完了の直前に、
映画を通じて再び絡むことになりました


この仕事は「Guardians」と同じく、1年前に引き受けた話だったそうです
そろそろ年代的に90年代リバイバルが来るころでしょうし、
引退がなければ、今後もこういう話が来ることになったかもしれないですよね
小室さんは今回のお仕事について、以下のようにコメントしています
「最後」をやたらと強調していますね…

僕は音楽全般を担当させて頂きましたが、最後の僕の映画音楽になります。一本の映画で自分の音をこれほどまで多く耳にする事は中々無いだろうなと思うと同時に、締め切り間近になればなるほど最後の仕事で「映画音楽とは」を教えてもらった気がします。


ただ監督の大根仁さんは小室さんの音楽について、
以下のように言ってくれています

90年代の大ヒット曲はもちろん、2018年の現在でも進化し続けるTKサウンドをご期待ください!この映画を観たら、誰しもが「引退してる場合じゃないでしょ!!」と思うはずです。マジでヤバいですよ。



4/27〜5/3の一週間、ニコニコ動画では、
「小室哲哉GOLDEN WEEK SP〜TK GREATEST WORKS〜」のプログラムが組まれました
特に新しいものはなかったようですが、
この期に及んで小室さんを売り出そうとするのはなぜ?と思っていました


すると5/1に理由が分かりました
小室さんのベスト盤「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」が6/27にリリースされるそうです
リリースはavexですが、収録曲にはavex以外のものもあるようです
(現時点で発表されているものではSONY作品あり)
T盤4枚組50曲、K盤4枚組50曲、
T盤+K盤+ボーナスディスク合計9枚の3パターンでのリリースとなります
値段は4枚組で3500円、9枚組で8500円です


ボーナスディスク…なんでしょうねえ
いや、どうせもうTMの新音源なんて出ないでしょう
ただ9枚組の方は、ソニーミュージックダイレクトでの販売なんですよね
ボーナスディスクにはSONY時代の音源が入るのか…?


以上のように小室さん、意外といろんな情報が出ています
そしてそのような中で、
5/7にインスタグラムが更新されました
引退会見直後以来3ヶ月半ぶりのSNS更新となります


非公開なので私は見られないのですが、
報道によれば、近況の報告があったようで、

「まずはストレスからの精神安定、難聴など。介護の解決策など山積ですが、おかげさまで静かに生活させていただいています」
「皆さまが少しでも笑顔になれる僕の役目は何か、日々考えています」
「また、また、何かしらからから近況が、報告されるかもしれませんが、メディアの皆さんも暖かいです。では、また」


などと書かれていたようです


これを見る限り、堅実に生活を立て直しているようで安心しました
そのような中で、「皆さま」(ファン?)のためにどうすれば良いかも考えているようです
今後も近況が発表される可能性があるとのことで、
まだ何か発表すべき活動や商品リリースがあるということでしょうか


以上、今回は予想外に小室さんの話が多くなりました
では本題に入ります
今回からはようやくTM NETWORKの話です
本ブログ、しばらくはTMモードで行きますね

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2001年1月以来1年以上休止状態だったTM NETWORKに、
ある話が舞い込んだ
日本テレビ開局50周年・吉本興業創業90周年企画キャンペーン「Laugh & Peace 笑いはニッポンを救う。」のキャンペーンソング担当の件である


2002/8/27にはTMが日本テレビで記者会見を行い、
キャンペーンソングの担当と再始動を発表した
同日にはR&Cで、TM NETWORKのサイトが開設され、
「本格的再始動」が宣言された
またキャンペーンソングのCDリリースは10/30とされた


記者会見、1年半ぶりの3人集結。プロジェクトリーダーを中心に。



「Laugh & Peace」のキャンペーンは9/1〜10/5だったが、
その中でも10/1〜5には日本テレビでキャンペーン番組が組まれ、
特に10/5には特番「生ラフピー笑いはニッポンを救う」「Laugh & Peace!! 笑いは日本を救うスペシャル」が放送された
TMの新曲はこれらの番組で公開され、
特番ではTM3人もコメント出演をしている


また10/4〜12には日本テレビ「HAMASHO」という深夜番組のエンディングテーマにも使われたらしい
だがそれ以後はリリースまで18日間、タイアップがなかった
キャンペーンソングとはいっても、ありがたみがあまりないタイアップという印象を受ける


なお2001年4〜6月放送の日本テレビ系列の人気ドラマに「明日があるさ」があった
その出演者は、主演の浜田雅功をはじめ、吉本芸人を中心としていたが、
このドラマの放送終了直後、翌年の映画版「明日があるさ THE MOVIE」の上映計画が発表された
特番「Laugh & Peace」は、この映画の全国公開の日に放送されており、
映画プロモーション企画の発展形という側面もあったようである


キャンペーンソングの話がいつTMに来たのかははっきりしないが、
2002/7/29には小室と木根がこの件で会合を行なっており、
7月中には決定していたらしい
ただ話はこれ以前からあったという
1月のTMのミーティングの時点でも、
可能性の一つとして挙がっていたのかもしれない


7/29の会合には、日本テレビプロデューサーの土屋敏男も加わり、
キャンペーンのコンセプトなどが説明された
土屋は日本テレビの「Laugh & Peace」企画にも関与していた
また人気番組「進ぬ!電波少年」に関わっていたため、
その番組内でもTMの新曲を使うことになっていた
ただし後述の通り、実際には同番組ではほとんど使われなかった


土屋から要求されたのは聴く人に元気を与える明るい曲調であり、
80年代風のテイストだった
また、必ずしも「Laugh & Peace」のコンセプトにきっちりと適合しなくてもよいので、
分かりやすいものを作ってほしいという注文もあった
おそらくTMの前作「Major Turn-Round」や、
globeやGaballなど小室の近作を参照した上で、
「このようにはしてほしくない」と感じたのだろう


こうした話し合いを経て制作されたのが、
2年ぶりのニューシングル「Castle in the Clouds」である
キャンペーンソングと言うこともあり、
耳なじみの良い音で、分かりやすい構成で作られている
作曲は小室哲哉、作詞は小室みつ子が担当した


小室は本作をJ-POPと呼んでいる
明るいポップな曲調で、Aメロ・Bメロ・サビという典型的な構成となっており、
前作「Major Turn-Round」とは大きく異なる作風である
TMに限らず、20世紀に入ってから小室が作ってきたすべての楽曲と異質である
土屋のオファーを全面的に受け入れたということでもあろう


小室はおそらく8月の記者会見の前後に、
本作のプリプロダクションを行なっていた
9/2からは渋谷の文化村スタジオで、
本格的なレコーディングが始まる


ウツはソロツアー「Tour Ten to Ten」の最中であり、
レコーディング参加は9/2・9・20の3日のみだった
9/1は札幌、9/8には大阪でライブがあったが、
その翌日に東京のスタジオでレコーディングに参加した
かなり無理な日程だったことになる


本来のスケジュールは、9/2にウツの仮歌を入れ、
9/9に最終的な歌入れを行なうというものだったと考えられる
9/11にはレコーディングがひと段落したというが、
楽器パートのレコーディングはこの頃までに完了したのだろう
9/13には「Castle in the Clouds」の曲名が発表されている


しかしレコーディングは実際にはもう少しかかった
9/9には小室みつ子もスタジオに来たが、
この時土屋プロデューサ−が歌詞の書き直しを求める一幕があった
音源を何度も聞いたが、釈然としないものを感じたのだと言う
お笑い番組で使うには照れくさいというのが率直な感想だったらしい
土屋が聞いたのは9/2の仮歌入りデモ音源だろうか


みつ子がこの要求に応じて一週間ほど悩んで歌詞を書き直した後、
9/20には新旧両バージョンでボーカルの録り直しが行なわれ、
同日吉田建・小室哲哉がミックスダウンを行なった
土屋はこのためにスケジュールの調整も行なったという
10/1のイベントで楽曲とPVを公開することが決定していたので、
本当にギリギリのスケジュールだった
(この後でPV作成作業となる)


修正前のバージョンは、11/9「電波少年」の番組内で一度だけ流された
お笑い芸人の矢部太郎がアフガニスタンに行って、
会話を学びつつ現地人を笑わせると言う企画があり、
そこで使われたものである
これは後に「キヲクトキロク」に、
「Yabe Version」として1番だけ収録された


「Yabe Version」とシングル版を聞き比べると、
歌詞がまったく変わっていることに気が付く
土屋はみつ子に、ワンフレーズだけ直してほしいと頼んだが、
みつ子は全部書き直したいといってこのようになった
たとえばサビは以下のようになっている

(Yabe Version)
Endless dream 見知らぬ街角で 君はただ一人きりでも大丈夫だろうか
Endless road 大地走る道は いつか探した場所に
たどりつくはず 時間を越えて過ちを越えて
めぐり逢おうもう一度

(シングル版)
Endless night ふたりきりの夜は 君をほんの一秒でも幸せにしたくて
Endless day やりきれない朝は 憂鬱な自分の顔笑い飛ばして
We can bring back Laugh & Peace, We can bring back Laugh & Peace
今日のドアを開けよう


見れば分かるように「Yabe Version」は、
「電波少年」の矢部応援歌というべき内容になっている
これに対してシングル版は、
「笑いはニッポンを救う」のキャンペーンタイトルに沿い、
笑いと幸せをテーマとした、より普遍的な内容である


キャンペーンのキャッチフレーズ「Laugh & Peace」は、
「Yabe Version」には入っていない
実はみつ子は当初依頼を受けた時点で、
このキャッチフレーズに抵抗感があったのだという
だが土屋との話し合いの後、歌詞を考える中で、
自分の言葉として消化できるようになったとのことである


タイトルの「Castle in the Clouds」は、
実はサビの歌詞にもAメロ・Bメロの歌詞にも登場せず、
最後のサビ繰り返しの直前にワンフレーズ登場するだけである
「Yabe Version」段階でも同じ場所に入っていた)
意味は「架空の城」である
この曲名について、小室みつ子の説明を以下に引用しておこう

人が求めるもののほとんどは形のないもので、なかなか手に入らなかったり、届かなかったり…。愛情も、笑いも、平和を望む気持ちも、個人的な夢も、架空の城を求めるようなもの。架空の城のようにすぐに消えてしまうかもしれないけれど、誰かを一瞬だけでも幸せな気持ちにできるかもしれない。できなくても、そういう架空の城を持っていたい――そういう気持ちでタイトルにしました。


これによれば「Castle in the Clouds」とは、
はかないけれども人を幸せな気持ちにできるかもしれないものを表現したものであり、
それは愛情・笑い・平和を望む気持ち・夢などということもできる
人を幸せにできる存在としてのお笑いという点で、
「Laugh & Peace」のコンセプトにも適合する発想だった


ただ正直に言って、上記のみつ子の解説を読まなければ、
歌詞だけ見て「Castle in the Clouds」の意味を理解することは無理だろう
その点ではあまり良いタイトルとは言いがたいと思う


個人的評価を書くと、
本作は歌詞も曲も企画の趣旨によく適合している
企画者の意向に応えた楽曲と言えるだろう


しかしこの曲が好きかと言われれば、NOである
私としては、歴代シングル中でもっとも興味がない曲である
前作「Major Turn-Round」の重厚な音を聞いた後だけに、
ひどくつまらない、「こなした仕事」という印象が強い
業界側で求めるTMの音がこれなのだとすれば、
それに応えることは彼らの魅力を表現する上で何の役にも立たないということだろう


ただ本シングルに収録される「Castle in the Clouds (TK Piano Version)」は結構好きだ
これは小室のピアノを中心とした、穏やかなインストである
最初にピアノ演奏をProToolsで録音した後で、
上からシンセなどを加えたものだという
このバージョンではメロディラインを中心として、
曲のエッセンスをじっくりと味わうことができる


結局のところ、私がこの曲のオリジナルが苦手なのは、
曲のためというよりは、
似非80年代風の平均的なアレンジのためなのだと思う
ただ小室は本作で工夫した箇所として、
ドラムを途中でシンセから生に変えたと言っている
イントロはシンセドラムで、
歌に入ってからは生になっているようである


他にあえて挙げると、
1番の後でオケが一度アコギメインになり、
2番Aメロを通じてだんだん勢いを増していく当たりは、
まあまあ好きなところである
(取り立てて面白いアレンジでもないが)


だが全体としては、
ポップスの定石的なアレンジを組み合わせただけに聞こえ、
私としては聴いていて楽しくなるところがほとんどない


本シングルについては、私はカップリングにむしろ注目したい
「君がいる朝」で、木根作曲、みつ子作詞である
みつ子はコーラスにも参加している
木根が2000年に作ってドラマ主題歌のコンペに提出したが、
最終選考で落とされたことは以前述べた


その後2001年、木根がCO-PRODUCERとして、
この曲をウツのソロ楽曲用に提供する案があった
だがこの時は他にも木根の候補曲があり、
ウツは「Hundred Nights, Hundred Stories」を選んだという
これはROJAMでのウツソロ第一弾シングルとなった「Running To Horizon」のカップリングで、
選曲とレコーディングは5月に行なわれている


こうして「君がいる朝」はお蔵入りしたが、
2002年にTM楽曲として、ようやく陽の目を見ることになった
ウツは曲を知っていたので歌いやすかったと言う
私としては曲の出来としては、
「Castle in the Clouds」よりもこちらの方に軍配を上げたい


作曲はピアノで弾き語りする形で行なわれた
CD音源でもおだやかなピアノが印象に残る
木根はアンプラグドの雰囲気にしたかったといい、
小室もそれを意識してミックスを行なった


実年齢にかかわらず若い印象の曲が多いTM楽曲の中で、
「君がいる朝」は例外的に大人の雰囲気を強く出している曲である
80年代ポップスを意識した「Castle in the Clouds」と続けて聞くと、
なおさらそう感じる
木根はこの頃、40代の大人のTMの歌とはどのようなものかと考えていたという


タイトルの「君がいる朝」からして、
80年代TMではありえないシチュエーションである
みつ子の歌詞は以下のように、
朝に目覚めた男女の模様を描写するところから始まる

朝が来て一筋の光の中にたたずんで
ゆっくりと服をまとっていく君を見ていた
「眠ろうよもう少し」 シーツから手を伸ばしても
たしなめるような微笑みで振り返るだけ


歌詞の内容は、今後も添い遂げるであろう男女の日常の様子を描いたものである
みつ子にとっても等身大の自分が表現できるのは、
実はこういう曲なのかもしれない
曲のテーマは「目の前にある永遠」で、
サビのフレーズにも「ささやかに永遠は目の前にある」とある


本シングルには以上の3テイクの他に、
「Castle in the Clouds」「君がいる朝」「TV Mix」が収録されている
メインボーカルを抜いてオケやコーラスのみを収録した音源で、
取り立てて特筆すべきところもない


さて、本シングルについて触れておかないといけないことがある
私が苦手な「Castle in the Clouds」のアレンジとも関わるが、
編曲に吉田建が加わっていることである
しかも吉田はサポート役ではなく、メインのアレンジャーの立場にあった


小室と吉田の関係は2001/4/15放送の「堂本兄弟」での共演に遡り、
2002年春にはglobeの「category trance」以下のツアーでベースを担当している
2003年にはウツのアルバム「wantok」をプロデュースし、
2007年には「TM NETWORK -REMASTER-」でベースを担当した
吉田は小室逮捕前まで、小室やTMとは意外と深い関係にあった


「Castle in the Clouds」はポップな曲調ということで、
シンセ中心で制作することもできただろうが、
意外にも生演奏を中心に制作されており、
ベース吉田建、ドラム村石雅行、パーカッション大儀見元、ギター土方隆行、キーボード富樫春生が演奏している
後に「Easy Listening」に収録された「Album Version」は、
メインの音がほぼシンセで作られているため、
聞いた時の印象はかなり異なる


ただしこれら生パートのレコーディングは吉田が担当したものと見え、
ライナーには「BAND ARRANGEMENT BY KEN YOSHIDA」とある
小室はADDITIONAL SYNTHESIZERSとして参加しているが、
木根のギターは入っていない
小室は吉田の指揮下でレコーディングされたバンド音源を元に、
最終的に手を加えて、ミックスダウンを行なった


「Castle in the Clouds」の編曲が小室・吉田名義であるのに対し、
「君がいる朝」の編曲は木根・吉田名義で、
小室の名前は入っていない
実際には小室も最後の仕上げとミックスダウンには関わっており、
間奏のシンセパッドはこの時に小室が加えたものだというが、
基本的には木根と吉田によって制作されたのだろう


それまでTMのオリジナル楽曲は、原則として小室が編曲者となった
もっとも例外はあった可能性がある
たとえば「Major Turn-Round」中の木根曲「We Are Starting Over」「Pale Shelter」「Cube」は、
CDのライナーに編曲者が明記されない(小室曲については小室編曲と明記)
特に「We Are Starting Over」はシングルでもあった
(本記事ジラルココさんコメント)
これらは小室以外のアレンジャーが関わっていたようにも思われる


だがそうだとしても、これまで小室以外の編曲者の参加は、
おおっぴらに言われることはなかった
これに対して「Castle in the Clouds」では、
外注した編曲者名が初めて表に出る
この後、2004年シングル「NETWORK TM」収録の「風のない十字路」も、
「君がいる朝」と同様の態勢が取られている


小室はglobeについては2001年「outernet」で一部の作曲・編曲を外注しており、
「global trance」でもリミックスを外注している
この流れの中で、TM作品の制作・アレンジを外注することは、
小室の中でそれほど違和感がなかったのかもしれないが、
TMの歴史を考える場合、かなり特異な状況だった


小室は当時トランスに注力していたが、
日本テレビ側の要求である80年代風テイストの中に、
トランスの要素を入れることは難しい
小室はその落としどころを模索するのではなく、
完全に仕事として割り切ってこの仕事を引き受けたのだろうが、
そうならば小室自身が全面的に関与する必要は必ずしもない
むしろ仕事を職人的にこなすには、
自分よりも吉田の方が適任と考えたものかもしれない


一方globeでは「Lights」以後、全曲小室自ら編曲を行なっており、
温度差を感じるところである
この点については、また別の章で触れることにしたい


なお本作制作においては、
木根が小室によって「プロジェクトリーダー」にされた
1999年にも木根が「マネージャー」と言われたが、それを髣髴させる
「プロジェクトリーダー」木根は、関係者のスケジュール調整や、
R&C・日本テレビ関係者との連絡などを行なっていたようだ
これも小室の無茶ぶり話として木根が冗談ぽく話しているものだが、
やはり小室の積極性が薄いことは否めないと思う


このような問題を抱えたシングル「Castle in the Clouds」は、
2002/10/30にリリースされた
シングルとしては「We Are Starting Over」から2年ぶり、
メジャーシングルとしては「Happiness×3 Loneliness×3」から3年ぶりとなる


ジャケットは黄色い車のドアを横から撮影したものである
「LAUGH & PEACE」のロゴも入っているが、
このロゴは「TM NETWORK」「CASTLE IN THE CLOUDS」のタイトルよりも目立っている
その点でTMのCDという側面よりも、
キャンペーンソングのCDという側面を強調したデザインと言えるかもしれない


なおジャケットには3人の写真は見えないが、
ライナーにはソファーに座った3人の写真が入っている
この写真は、8/27の記者会見の後で撮影したものである


本作はチャートでは初登場9位で、総合3.6万枚の売上である
1999年リリースの前メジャーシングル「Happiness×3 Loneliness×3」は、
当時問題にされるほど低い売上となったが、
それでも9位、8万枚の成績を出していた
そこから見ても半減したことになる


ちなみに再始動後のTMのメジャーシングルの売上は、
だいたい以下のようになる
リリースのたびごとにかなり減少していることが分かるだろう

・1999年「Get Wild Decade Run」23万
・1999年「10 Years After」17万(前作の2/3)
・1999年「Happiness×3 Loneliness×3」8万(前作の約1/2)
・2002年「Castle in the Clouds」4万(前作の約1/2)


TMが2000年に世間の目に触れない形で活動していた間に離れたファンも多かったのだろうが、
それにしてもこの時のキャンペーンソング起用は、
その時に離れたファンを取り戻す効果はほとんどなかったと言って良い


ただしglobeも2001年にはシングルで10万枚程度の売り上げを出していたが、
最新作「dreams from above」(2002/7/31、globe vs push名義)は、
12位、2.5万枚の成績に終わっている
そのような中での「Castle in the Clouds」の成績は、
小室関係の作品としてはそこそこだったともいえる


だが状況は、小室にとって楽観視できるものではなかった
小室作品の売上減少があらゆる部分で顕著になってきており、
その大勢はキャンペーンソングのタイアップを得ても変わることはなかったということである
小室のやる気も引き出されることはなかった
この点については、次章以降で触れることにしよう


CASTLE IN THE CLOUDS
R and C Ltd.
2002-10-30
TM NETWORK
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by CASTLE IN THE CLOUDS の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル

記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 23 / トラックバック 0 / コメント 12


7-3 ウツ・木根の吉本移籍

2018/04/19 02:37
「Rainbow Rainbow」「Childhood's End」「カリビアーナ・ハイ」「クリストファー」「パノラマジック」「永遠のパスポート」の作詞を手掛けた麻生香太郎さんが、
3月6日にがんで亡くなっていたそうです
TM関係者が次々と亡くなったり引退したりしますね
まあ、もうそういう年なんですよね


ウツは、「「それゆけ歌酔曲!!」ξIdiosξ」が4/5に始まりました
また4/18には「T.UTU Phoenix Tour 2017」のBlu-rayが一般発売されました
ライブ会場で購入すると、特典としてダウンロードカードがもらえますが、
ダウンロードできるのは「T.UTU with The BAND」「それゆけ歌酔曲!!」のロゴ5種とのこと
うっわ、しょっぼ!
既成の業務用画像ファイルにアクセスできるだけ!?


木根さんは2017/12/2のソロ25周年記念ライブ「キネバラ」のライブDVD・Blu-rayの発売が決まりました
すでにFC予約は受付を締め切りました
5月上旬発送の予定とのことです
21曲110分とのことなので、MCはほとんど入っていないでしょう


こちら商品化することは去年から宣言されていましたが、
3月末にようやく告知されました
このライブ、小室さんがゲスト出演して、
2曲の演奏とトークで1時間近くを費やしたこともあり、
私も少し気にしていました
実に小室さん引退宣言の1ヶ月半前の貴重な映像となります
ただ曲は収録されますが、トークは入らないようですね


一般向けの商品はwardrecords.comの特設サイトで販売します
5/30発売で、通常版は7500円、限定盤は9000円です
限定盤は木根さんのサインとシリアルナンバーが入ったフォトカードと、
テイクアウトライブカードがついているとのことです
テイクアウトライブカードを使うと、
専用アプリで特典用に撮影された「木根テレ!」が見られるそうです


限定盤は200セットが用意されていましたが、
好評なのか100セット追加されました
TMメンバーといる最後の小室映像になる可能性から、
普段木根ソロは買わないTMファンも予約しているのかもしれません


そういやあ、今思い出しましたが、
去年「Get Wild Song Mafia」が出た頃に配信された木根さん・浅倉さんの特番ネットラジオ「ゲワイハンター」
続編もやると言ってそのまま放置されていますが、これってどうなるんでしょうか


2019年春には「City Hunter」劇場版が公開されるそうで
おそらくこれと合わせてTMも何かやるつもりだったんじゃないかと思います
2019年春って、TM35周年ですし
まあ今では関係ない話になってしまいましたが、
もしかしたら「Get Wild Song Mafia」のリリースはそこまで見据えていたのかもしれません


小室さんについては、twitter閉鎖に続いて、
インスタグラムのアカウントも4/10頃に非公開になりました
どんどんフェイドアウトモードになっている印象です
これで残っているのは、5年間更新されていないGoogle+を除けば、
755とFacebookになりました


4/2代々木アニメーション学園の入学式では、
去年プロデューサーに就任した小室さんもメッセージを寄せたようですが、
ビデオが流れたわけではなく、メッセージが読み上げられただけのようです
プロデューサーの立場は名目的には継続しているようですが、
秋元さん、指原さん、つんく♂さんなど他のプロデューサーは出席したのを見れば、
やはり実質的には引退状態ということでしょう


ただ別の見方をすれば、
秋元さんが小室さんを名目的にせよ表舞台につなぎとめているともいえます
それは「ラストアイドル2ndシーズン」についてもいえるかもしれません


さて、本番組で小室さんがラストアイドルに提供した「風よ吹け!」は、
2ndシングルの表題曲になることはできませんでした
番組では総当たり戦の上位3組で勝負して1位を決めるという、
プロ野球で言えばクライマックスシリーズ方式が採用されました
しかし総当たり戦の結果、
3勝のつんく♂さんと織田哲郎さんの最終戦進出と、
全敗の指原莉乃さんの敗退は決定していましたが
小室さんと秋元康さんはともに2勝2敗で、勝率が同じになりました


そこで視聴者投票の結果が参照されることになったのですが、
結果は、1位指原、2位秋元、3位織田、4位つんく、5位小室でした
全敗だった指原さんが投票では1位、
一方勝率3位の小室さんは投票では最下位です
秋元さんと小室さんの中では、
投票数が上だった秋元さんが最終戦に進出し、最終的に優勝しました


審査員ではなく視聴者の評価が最低だったという結果は、
小室さん的にはきついものがあります
視聴者の多くはAKBグループのファンなのですから、
もともと秋元さんと指原さんが有利な条件ではあったのでしょうが、
つんく・織田・小室3人の中でも最下位でした


「風よ吹け!」は曲名からして、
なんとかこれで良い流れが起こって欲しいという、
小室さん最後の願いを掛けた曲だったようにも思いますが、
この結果には本人もまた落ち込んだかもしれません
まあ正直に言って、私でも最下位に投票する出来でしたが…


この結果を踏まえて4/18には、
秋元さんプロデュースのシュークリームロケッツ「君のAchoo!」を表題曲としたラストアイドル2ndシングルがリリースされました
CDは6パターンリリースされ(すごいですね)、
TypeA〜Dにはシュークリームロケッツ以外の4ユニットのどれかが入っています
「風よ吹け!」はTypeB収録です


小室さんがプロデュースしたラストアイドルは、
企画名としてのラストアイドルと区別するためか、LaLuceと改名しました
小室さん、前回の優勝ユニットであるラストアイドルをあてがわれていた時点で、
かなりの優遇だったと思うんですが、
結果的には全然特別感がなくなってしまいました
メンバーも2人脱退するそうです


ということで私も、
興味がないアイドル番組の録画を見る仕事から開放されました
(ホントつらかったです)
これで小室さんの仕事は終わりなのかなあ…とも思いましたが、
入れ替わりで新情報が入ってきました
今年公開予定のLINEゲーム「Guardians」のゲーム音楽監督の仕事です
4/13公式サイトの文章より引用します

「ガーディアンズ」は音楽監督として音楽プロデューサー小室哲哉氏を迎え、昨年の春から約1年をかけ、ゲームの世界を彩る音楽全29曲(主題歌+BGM28曲)を制作。主題歌「Guardian」は、小室哲哉本人が登場するMVと共に「ガーディアンズ」公式YouTubeチャンネルにて、近日公開いたしますので、ご期待ください!


小室さん、去年の春からこの仕事やっていたようです
「すでに引き受けている仕事」として、今まで継続していたんですね
曲も一部公開されていますが、悪くないと思います
近いうちに公開されるという主題歌のMV、気になりますね
音楽監督というので、29曲全部を小室さんが作ったのかどうかは分かりませんが、
主題歌は多分小室さんなんでしょう


情報源はあやふやですが、「女性自身」によれば
小室さんは今後avexの社員として編曲などの仕事をするそうです
avexとしては、実質的な立場はともかくとして籍は自社に置かせながら、
小室さんの状態が回復するのを見守るということかもしれません
avexはこの機会に小室さんの仕事風景を公開しています


それでは本題に入ります
今回はウツ木根話です
全然TMの話にならなくてすみませんが、
一応前回までよりはTM要素が入っています
次回からはTMのお話になりますので、
それまでしばしお待ちください

-------------------------------
TM NETWORKは2000年後半、ようやく待望の本格的活動に突入した
しかし翌年1月の「Tour Major Turn-Round」が終わると、
TMはまた沈黙してしまう


以後小室哲哉はglobeとGaballを核に活動し、
ウツ・木根はROJAMに移籍してソロ活動を進めることとなった
TM NETWORKについては、
「Major Turn-Round」関連の書籍や映像作品の発売が見られたのみで、
新たな活動は何もなかった


だが2001/12/5のVHS/DVD「Live Tour Major Turn-Round 02」リリースにより、
TM関係のコンテンツがすべて消化された
さすがにこの段階では、次の活動が問題になっただろう


2002/1/19ウツ出演の「RENT Gala Concert」赤坂ACTシアター公演の後、
3人は久々の話し合いを持った
この時は小室から、
2002年秋頃にリミックスアルバムを出したいとの発言があったらしい
木根はこれを受け、4〜5月のライブMCで、
秋にTMのリミックスアルバムを予定していると語り、ファンの期待を煽った


小室は2001年初めから折に触れて、
「Major Turn-Round」のリミックスアルバムの構想を表明しており、
確認できる限りでは2001年10〜11月頃にも発言している
しかし2002年の会合で話に出たリミックスアルバムは、
「Major Turn-Round」楽曲にこだわるものではなく、
「終了」前の楽曲を今のTMでやるという側面が強調された
小室はこの後5・6月頃にもTMの活動について、
「以前の曲で、仕上がりに納得のいっていないものをリプロダクトしたい」と語っている


あるいは小室は、globeのリミックスアルバム「global trance」のようなものを意識していたのかもしれない
本作は2001/9/12にリリースされており、全曲トランスアレンジが施されている
9曲中1曲は新曲、2曲は小室+DJ Dragonのtatsumaki名義だが、
6曲は他のアレンジャーの手によるものである


自分は少し前まで、TMのリミックス盤とは、
「CLASSIX」のように小室自身が手掛けるものと思い込んでいたが、
冷静に考えれば外注の可能性も想定すべきだろう
この後TMの「Castle in the Clouds」「Easy Listening」でも編曲が外注されたのを考えればなおさらである
この計画は結局実現はしなかったから、実際の構想は不明だが、
あまりうれしくない作品になっていた可能性が高い


ともかく1月の会合では、3人の間でTMの活動再開に合意ができたらしい
2002年2月のmagnetica会報には、
「2002 TM NETWORK takes off soon. “Please fasten your seatbelt!” arranged by TK Airline」
という広告が出ている
同じ頃、木根の会報でも、
TMは継続性のある活動を行なうことが語られている
ただし具体的にはどうなるか分からないとも話している
TMはなおしばらく実際の活動を行なわなかった


実はこの時の会合のメイントピックはTMの話ではなく、
ウツ・木根の移籍の件だった
小室はすでに2001年5月に吉本と専属契約を結んでいたが、
この時ウツ・木根もよしもとR&Cに移るという話になったのである


2人は会合半月後の2002/2/1にR&Cに移籍した
このタイミングを見るに、移籍の話は会合で初めて出たものではなく、
これ以前から進んでいた話の最終的な確認と見るべきだろう
2人のROJAM移籍は2001年4月だったから、
結局ROJAM在籍は1年に満たないものとなった


2001年にROJAMで活動していたのはウツと木根だけだったが、
これはいずれTMが活動を再開させる時に、
その作品を引き続きROJAMからリリースすることを考えてのことだろう
だがその2人がR&Cに再移籍した
この後TM作品もR&Cからリリースされることになるが、
それは2人の移籍の時点で想定されたものだったと考えられる


つまりTMの拠点を吉本に移すことを前提として、
2002年のウツ・木根移籍は行なわれた
だからこそ1月の3人の会合では、
TMの話とウツ・木根の移籍の話が関連する話として進められたのである


2人の移籍に伴い、ROJAMの新作リリースはなくなった
小室はROJAMを自らの音楽事業の拠点とする2000年当時の構想を、
ここで事実上放棄するか、少なくとも大幅に後退させることになった
結局ROJAMが小室にもたらしたものは、
「Major Turn-Round」のリリースと約70億円の損失だけとなった


この頃株式上場の失敗で苦境に陥っていたROJAMは、
吉本と関係を緊密化させる
2002年9月に約10億円でR&Cの株式80%を取得して子会社化するとともに、
その代価として株式4.5億株を発行してR&Cに支払った


要はROJAMとR&Cが株式の交換を行なったわけだが、
これが何を意味しているのか、正直自分にはよく分からない
ただ小室と吉本の提携関係が、
ROJAMを介して経営面で強化されたことは間違いない


しかしこの時ROJAMは記者会見で、
R&Cとの提携により、吉本の番組でのアーティスト紹介が期待できるとしているが、
ROJAMにミュージシャンが一人も残っていなかったことを考えれば、
失笑せざるを得ない説明である


そもそもR&Cは小室の吉本移籍に伴って設立されたレコード会社で、
吉本はここを拠点に音楽事業への積極的進出をもくろんだ
吉本はそれほど小室の専属契約に期待していた


ところが吉本は、R&C立ち上げの1年半後の2002年11月には、
早くも原点であるお笑い部門の強化方針を表明している
これは直接には、
10月公開の吉本映画「明日があるさTHE MOVIE」の興行成績が伸び悩んだことを受けたものと見られる
この頃吉本では音楽部門への進出も含め、
多角経営戦略の見直しが迫られたのだろう


もちろん一本の映画の失敗のみで企業の大方針の転換が行なわれるはずはない
吉本の多角経営方針について、これ以前から反対する意見はあったのだろう
立ち上げたばかりの音楽事業も、到底うまくいっていたようには見えない
当時のR&Cには目玉となるコンテンツがなかったし、
小室も2001〜02年にはglobeに全力を注いでいた
R&CではGaball・ULTRAS・R9・Female non Fictionの作品をリリースしているが、
どれも商業的成果は皆無に近い
2001年には、芸能界を去っていた鈴木あみと吉本が交渉を行なっていたが、
これも結局うまくいかず、2002年に話は流れた


小室関係以外のものを見ても、R&Cには売れる作品がなかった
R&C立ち上げ直前に吉本芸人がRe:Japan名義でavexからリリースした「明日があるさ」のようなヒット作が出るのが期待されていたのだろうが、
そもそも10位内にランクインする作品が一つも出ていなかった


そのような中でようやく一定の売り上げを出したのが、
吉本芸人宮迫博之・山口智充によるゆずのパロディユニットくずで、
2002/10/30に2ndシングル「生きてることってすばらしい」をリリースし、
チャート7位を獲得している
(なお2004年の3rdシングル「全てが僕の力になる!」は1位)


ただくずのデビューシングル「ムーンライト」は、
2001/11/7ポニーキャニオンよりリリースされている
そのくずがR&Cに移ったのは、おそらくR&Cの不振を補うための措置だろう
吉本芸人関係の企画ということで、話を付けやすかったものと思われる


このような状況の下、
小室もR&Cへの貢献を求められたはずである
たとえば2002/7/3には、
吉本新喜劇で歌われていた「ECSTACY」のリミックスシングルを出しているが、
こうした失笑物のネタ作品を作ったのは、
あるいは吉本への貢献をアピールしたものだろうか


先に述べたROJAMとR&Cの提携も、
吉本への貢献の一つという側面もあるのかもしれない
そしてウツ・木根の移籍およびTM作品のリリースも、
やはり低迷するR&Cで成果を出す必要に迫られてのものだろう


こうして実現したウツ・木根の移籍だったが、
そのことは2人のソロ作品の内容にも多少の変化をもたらした
まずウツ作品におけるProduceウツ、Co-Produce木根、Exictive Produce小室という体制は、
ROJAMから離れたことにより名目的にも消滅する
以後ウツ作品に小室・木根の楽曲が継続的に入ることはなくなった


木根作品についても、
小室関係者の前田たかひろなど、他人の作詞がなくなる
これ以後の木根は、原則として全曲作詞作曲を自分が担当するという、
徹底した自作方針を取るようになる
(インタールードの作曲や田中花乃の作詞など例外はある)


ウツと木根は移籍後、ソロアルバムの制作を行なった
この年は2人のソロ活動10周年に当たる大事な年でもあった
木根は5/29にミニアルバム「Running On」
ウツは7/31にフルアルバム「Ten To Ten」をリリースしている


特に「Ten to Ten」は、10周年を意識したタイトルとなっている
(「点と点」という日本語も掛けていた)
それまでの作品と異なり、
全曲がミディアムとバラードの構成となっており、
ウツは「癒し」がテーマだと言っている


「Ten to Ten」の先行シングルとなった「blue reincarnation」「Remedy」は、
吉本のバックアップを得て、テレビ番組のタイアップが付いた
ただ売上不明のROJAM期を挟んで、
SONY時代の作品とこれらシングルの売り上げを比較すると、
2000年のシングル「Flush」が1.5万枚を売ったのに対し、
R&C期のシングルは0.3万枚程度の売上となっている


アルバムについては、
2000年「White Room」は33位・1.5万枚を売ったが、
「Ten to Ten」は47位・0.6万枚である
シングル・アルバムとも、
ウツのセールスが2年で半分以下に落ち込んだことが分かる
以後ウツのソロ作品の売上が1万枚を超えることはない
この頃にはウツの楽曲のセールスは、
一般の耳に触れることはない水準になっていたといえる


一方木根作品はすでにチャート100位以内に入っておらず、
R&C期になっても数字は不明である
ただ1998年「The Beginning Place」が4000枚、2005年「Life」が2000枚だから、
その間の時期の売上は2000〜4000枚くらいだろうか
なおアルバム表題曲「Running On」は、
「2002 Fifa World Cupp Korea/Japan」の個人的な応援歌として作った曲だと言う
この年のワールドカップは、3人とも楽しみにしていたようだ


また本作にはTMN「月の河」のカバーが入っている
これはTMN「EXPO」では「I Hate Folk」と混ざって一曲とされている
これに対してソロバージョンは、待望の(?)完全版である


なおウツのソロ10周年ツアー「Tour Ten to Ten」は、
記念的なライブということで、「Ten to Ten」からは数曲しか演奏せず、
過去の作品から万遍なく演奏する方針を取った
実際、バラード中心の「Ten to Ten」を中心にした場合、
ライブの盛り上がりも微妙だろう


この時に演奏されたのは、ウツソロのみではなく、
「RENT」「Your Eyes」の他、TMの楽曲も含まれていた
なんと「Innocent Boy」「Resistance」のジャズバージョンである
特に「Innocent Boy」は、TMのライブで演奏されたことがないレア曲である
(ただ作曲者木根のソロでは演奏されたことがあるかもしれない)


「Innocent Boy」演奏中の図



前年の「Tour LOVE-iCE」では「Open Your Heart」のロックバージョンを披露するなど、
ウツはファンも驚く選曲をやってくる
ウツはこの件について、ライブDVDで以下のように語っている

今回のソロ活動の10年間をおさらいするようなコンサートなんだけど、ソロとTMていうのは表裏一体なんで、特にこの10年間でもTMていうものは現に動いていたし、なんでTMの曲を今回選ばないというのも、なんか不自然な気がしてですね、ある意味、今回のコンサートにちょっとだけ花を添えてくれるような感覚で選びました。
で、この曲(「Innocent Boy」)を選んだ理由ていうのは、今までこの曲ができてから、実はTMのコンサートで一回も歌われていない曲なんですね。なんでせめて僕が選べば、特にソロで選べばそれは可能なんで、今回この「Innocent Boy」を選んでみました。


なお「Tour Ten to Ten」について地味に重要なのが、
ライブDVDのリリースである
実は1998年「Tour fragile」を最後に、
ウツのライブDVDは長く商品化されていなかった
すでにDVDの採算が採れるかどうか、
微妙なラインに突入していたのだろう


たとえば2000年「Tour White Room」の映像は、
2007年に「15th Anniversary Memorial DVD-BOX」に収録されたが、
それはスタッフ用の固定映像だった
そもそも商品化を前提としたライブ映像の収録を行なっていなかったと見られる


だが2001年の「Tour LOVE-iCE」は、
「Tour Ten to Ten」と同時にDVD化され、
FCで2枚組として先行販売された上、
2003/4/23には一般販売もされた
実に5年ぶりのDVDリリースだった


これ以後ウツの全国ツアーは、
アコースティックライブを除いてすべてDVD化されている
今のファンは当然視しているが、
木根のライブがほとんど商品化されていない状況を見れば、
ウツの今世紀のライブも商品化されない可能性はあったはずで、
ウツの現状はファンにとってかなり幸運なことである


ただし2003年「Tour wantok」のDVD(2004年リリース)以後は、
R&Cからではなくウツの事務所M-tresの名義でリリースされるようになる
FC先行販売(実質的な売上はこれが大部分か)以外は、
Magneticaのwebshopか新星堂のみの限定販売となり、
皮肉にもROJAMのネット販売構想が遅れて採用された形になった
やはり「Tour LOVE-iCE」「Tour Ten to Ten」は、
一般の流通に乗せて採算が採れる水準の売上はなかったのだろう


現在は通販が中心となっているため全国流通網に乗せる必要がなく、
ウツのライブDVDは新星堂以外のサイトでも通販できるようになっている
ただ実はamazonでも昔は、
流通に乗っていないこの時期のDVDは購入できなかった


ここで脱線しておくと、ウツの担当になったR&Cのディレクターは、
斉藤光浩という人物である
これはかなり驚きの出会いだった
というのも、斉藤はBOW WOWの元メンバーで、
1970年代には小室が斉藤と一緒に活動していたからである


小室は1977年にはギズモとして、BOW WOWのバックバンドを務め、
1978年には斉藤がギズモと一緒にステージに立ったこともある
1979年には斉藤を含むBOW WOWメンバーの別名義バンド銀星団に、
小室も参加して活動していた
この関係は、小室が1980年にSPEEDWAYに加入するまで続いたとみられる
なお斉藤は1983年にBOW WOWを脱退していたが、
1998年にBOW WOWが再結成されるとこれに参加しており、
この時点でもミュージシャンとしての活動を継続していた


小室とBOW WOWの関係については、
以前「0-3 小室哲哉と音楽の出会い」で触れたところである
実際にはウツよりも小室の方が斉藤との再会に驚いたはずだが、
小室の発言は見たことがない


斉藤はR&Cのディレクターとしては、くずの作品も担当している
R&Cでも売れそうな見込みのある作品を担当していたのだろう
ただ2003年以後、ウツと絡んだ形跡は見えず、
長期的な関係にはならなかったようだ


さて、この頃のTM3人の活動を見てみると、
2〜3月に木根のアルバムレコーディング、
4〜5月に木根のツアー「talk & live 番外編 2002」
5〜6月にウツのアルバムレコーディング、
8〜9月にウツのツアー「Tour Ten to Ten」となっていた


これに小室のスケジュールを合わせて見ると、
3月まではglobeやa-nationのレコーディングを行なっていたと見られ、
3/30から6/6まではglobeのツアーで全国を回っていた
7月を除くと、3人が実質的に動けるのは、
ウツの「Tour Ten to Ten」ファイナルの9/23以後ということになる


厳密にはウツ・木根のソロ10周年は、
それぞれ2002/11/21と2002/12/2になるはずだが、
なぜか2人のスケジュールはその頃が空けられている


実は木根のツアーは本来秋に予定されていたのを変更したといい、
秋は意識的に開けておいたらしい
これは秋のTMリミックスアルバム計画とも関わると見られ、
TMの活動は秋から開始と予定されていたのだろう


ただし実際にはまともな活動は行なわれなかったため、
2人が空けていたスケジュールはまったく無駄になった
木根は代わりに年末の12/21、
ミニアルバム「ciè la musica〜約束された物語」をリリースし、
12/22・23原宿クエストホールで10周年記念ライブとして、
「talk & live special」を開催している


次章で触れるように、R&C期TMの活動は、
2002年10月前後の吉本興業90周年企画の一環として始まった
その企画は前年度終わりにはだいたいの時期が決まっていただろうから、
その時期を見込んでスケジュールを合わせたのだろう
ウツや小室のスケジュールも、これを勘案したものと見られる


TMの吉本移籍後最初の作品が吉本の企画で発表されるというのは、
タイミングとしては悪くない
ただ逆に言えば、夏まではTMに着手しないことが、
1月の会合で確認されたということでもあるのだろう
ファンはなおしばらく、TMの活動を見ることができなかった


そのような中で、TMファンにとって多少とも興味深いイベントがある
2002/4/27〜29合歓の郷で開催された「UTSU・KINE Solo 10th Anniversary Event」である
ウツと木根のソロFC結成10周年を記念したファンイベントで、
1泊2日・2組の日程で開催された(4/27〜28と4/28〜29)
トーク、ゲーム大会、コンサートなどが行なわれ、
演奏の場面では山本英美もサポートについた


この時は懐メロ、ウツ・木根ソロ、TM曲(「Here, There & Everywhere」)も演奏されたが、
メインになったのは1970年代のおん・ざ・ろっくとフリースペースの楽曲で、
それぞれの曲にまつわるエピソードとともにアマチュア時代の楽曲が演奏された
木根の家の屋根裏で見つかったカセットテープを参考資料に、
2人で演奏曲を決めたという
過去にどのような曲が存在したのか判明する、極めて貴重な機会だった


演奏曲は具体的には、
「ライブツアー」「キューティーレディ」「ムーンライト・シンデレラ」「愛ちゃんの星」「サヨナラ5月」「花火の夜」「トマトジュース」「Please Say You Love Me」の8曲だった
これらの曲名の情報は、本ブログの「0 前史」でも活用しているが、
私自身はこのイベントには参加していないので、
どのような曲だったのか一度聞いてみたいものである


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7-2 トランス期の小室哲哉

2018/03/20 01:32
3/8の報道によれば、
TM NETWORK「Get Wild Song Mafia」ギネス記録に認定されました
記録は「トップ100にチャートインしたCDアルバムに収録された同じ曲のバージョン/リミックスの最多数」とのことです
原文は、以下の通り

The most versions/remixes of one track on a top 100 CD album is 36, achieved by Tetsuya Komuro (Japan) with all versions/remixes of the song Get Wild appearing on the album Get Wild Song Mafia, released on 5 April 2017 in Japan.


正直「achieved by Tetsuya Komuro」となっているのは腑に落ちません
「Get Wild Song Mafia」はTM NETWORK3人の名義の作品なのに…
ただメディアもすべて「小室哲哉の業績」として本件を紹介しています
これはおそらくavexの小室さんのスタッフが、
話題を作ろうと考えて申請したものだからであり、
その受賞情報もavexスタッフが広報したためでしょう
まあ正直、音楽的な価値は何もない記録なので、
別にどうでも良いことではありますし、
実際にここに目をつけたスタッフは、
スタッフとしては有能なのだろうと思います


あえて言えば、TMが(小室さんが)こうなってしまったしまった今、
最後のはなむけとはなるでしょうか
またはこれで小室さんの意欲も湧いて、
活動再開への糸口となる可能性もあるかもしれません
なお「Get Wild Song Mafia」は、
同日3/8にCDショップ店員が選出する「第10回CDショップ大賞2018」リビジテッド賞にも選ばれています


また小室さんは1/23(引退会見4日後)に、
第18回ビートたけしのエンタテインメント大賞で功労賞を受賞しました
小室さんは2/25の表彰式を欠席しましたが、たけしさんは、
あれだけ日本中の音楽が変わった時代も珍しいよな。日本中どこにいっても小室哲哉という名前は必ずどっかに出てくるよね。日本中の音楽の流れが一極に集中しちゃった時代だからね。一時代を築いたことは間違いない。

コメントしたそうです
全体的に最後のご祝儀的な印象はぬぐえませんが、
最後まで惜しまれつつ引退したのだとは思います


小室さん最後の仕事となっている「ラストアイドル 2nd season」では、
3/10放送分で小室さんがラストアイドルへの提供曲のアレンジを変えてきました
これが小室さん最後の音ということになるのでしょうか
このニューアレンジ、最初のよりも改善されていた印象は受けましたが、
秋元康さんプロデュースのシュークリームロケッツに負けてしまいました


翌週3/17放送分では5組の総当たり戦が終わりました
3/24には上位3組で勝負して、1位を決める段取りになっていると思われます
これで1位となったユニットの曲が4/18リリースのCDの表題曲となります


現時点ではつんく♂さん・織田哲郎さんが3勝1敗で上位3組入りが決定しており、
また指原莉乃さんは全敗で落選が決定しています
決勝進出の残り1枠は、2勝2敗の小室さんか秋元さんかまだ発表されていませんが、
以前番組で行なったweb人気投票の結果を参照して決められると見られます
これで小室さんが勝てば、もう1回だけ小室さんが番組に登場する可能性があります
ただ勝っても出ない気もしますし、もうどうでもいいかな…とも感じています


ウツは2/28にソロ25周年記念アルバム「mile stone」をリリースしました
通常版は28位・2556枚、限定盤は81位・787枚で、合計3000枚を越えました
前作「T.UTU with the Band All Songs Collection」の29位・2258枚は上回った感じです


また去年10月からFM NORTH WAVEで放送されてきた「ξUTSU BARξ 440」は、
アルバムのプロモーションも終わったということで、今月で終了とのことです
このスケジュールは当初の予定通りでしょう
4月からは「「それゆけ歌酔曲!!」ξIdiosξ」が始まります


木根さんについては特に新情報はありません
では本題に入ります

-----------------------
2001年当初の小室が想定していた音は、
おそらくトランスとR&Bだっただろう
2001年3月にリリースされたglobe「outernet」はトランス、
4月にリリースされたKiss Destination「AMARETTO」はR&Bを主軸としていた
なおおまけながら「AMARETTO」には、
「永遠と名づけてデイドリーム」のインストとして「デイドリーム」が収録されている


しかしKiss Destinationは、
麻美の妊娠と離婚によって実質的に活動を終えた
出産は2001年9月、離婚は2002年3月である
2001年の時点では、妊娠に伴う活動「休止」に過ぎなかったが、
これを以て小室はR&B路線から離れることになった


Kiss Destinationは、先行シングルをROJAMでリリースしながら、
なぜか「AMARETTO」をポニーキャニオン系列からリリースしている
この移籍は一般の流通に乗せてセールスを上げることを目論んだものだろうが、
この挙はインディーズレーベルROJAMの通販戦略の失敗を認めたも同然である


しかも本作の成績は24位、2.1万枚に終わった
前作「Gravity」の7位、6万枚も成功とは言えないが、
これと比べても大きく売り上げを落としている
globe「outernet」も9位、14.9万枚と、
この時点ではglobe史上最低の売上に終わっているが、
(前作のオリジナルアルバムである1998年の「Relation」は1位・173万枚)
それでもKiss Destinationと比べれば、まだ可能性は残っていたといえる


Kiss Destination休止の中で、
小室はglobeと新ユニットGaballを活動の中心とするようになる
globeは従来通りavexから、Gaballは吉本R&Cから作品をリリースした


さらに小室は10/24アンビエント系のインスト曲を、
ソロシングル「Blue Fantasy 〜Love & Chill Out〜」としてリリースしている
オリジナル曲としては、
1992年「Pure」以来9年ぶりのソロシングルである
(1997年「Speed TK-Remix」は小室によるリアレンジ曲)
翌年には本作のリミックス9バージョンを収録したアルバム「Blue Fantasy 〜Love & Chill Out with Trance Remixes〜」がリリースされている


「Blue Fantasy」はFoa Recordsからリリースされた
またTM NETWORKのVHS/DVD「Live Tour Major Turn-Round」はポニーキャニオンからリリースされ、
小室が名目的にエグゼクティブプロデューサーを務めたウツ・木根作品はROJAMからリリースされた
つまりこの時期の小室関係作品は、以下のレーベルからリリースされたことになる

・globe =avex
・Kiss Destination・TM NEWORK =ポニーキャニオン
・Gaball =R&C
・ウツ・木根ソロ =ROJAM
・小室ソロ =Foa Records


以上の中で小室の活動の中心となったのはglobeとGaballであり、
両ユニットではともにトランスが試みられた
これ以後2004年まで小室哲哉が音楽的に追及したのは、
一貫してトランスだった
小室哲哉にとっての2000年代前半とは、
一言で言えばトランス期である
90年代における音楽的嗜好のめまぐるしい変化と比べると、
この長期的な継続には驚かざるを得ない


小室がトランスにはまるきっかけは、
2000年頃にロスアンゼルスで偶然聞いたChicaneの曲だったという
2000/3/27リリースの「Behind The Sun」がヒットした頃の話だろう
小室がアンビエントに手を出したのも、
Chicaneの作品からトランス・アンビエントの双方へと関心が向いたものかもしれない


トランス期小室はDJ Dragonと特に親密だった
小室が彼とVJ原田大三郎と組んだのがトランスユニットGaballである
GaballはTM NETWORK「CAROL」の物語で登場したユニットGaball Screenに由来する名称で、
レーベル名もR&C内のGaball screenとなっている
このレーベルには、後にTM NETWORKも所属することになる


Gaballの構想は原田が「Tour Major Tunr-Round」に関わった頃からあったと見られ、
ツアー終了から間もない2001年3月頃には、
小室・Dragon・原田の3人で活動する計画が公言されている
Gaballのデビューは2001/9/12アルバム「Represent_01」である
「01」とある以上は「02」以後も(さらに言えば「10」以上まで)作成する意気込みだったのだろうが、
結果としては現在までこれが唯一のオリジナルアルバムとなっている
ただ歌が入っていない分、当時の小室が追及したかった音は、
本作でもっとも先鋭的に表現されているとも言える


本作収録の「Represent_01」「Kuta Moon」は、
逮捕直前までMySpaceでリミックス音源が公開され(現在まで未商品化)、
2011/8/19「FREEDOMMUNE 0」でも演奏予定だったことを考えるに、
(イベントは中止になったが、その日の夜に小室がスタジオライブを配信)
小室としては意外と愛着があるようである


2002/6/26リリースの「Ungraded」は、
既発表曲1曲+リミックス1曲のCDに、
「Represent_01」収録曲の映像入りDVDを同梱したものだった
こちらは実質的には、原田の映像がメインの作品である


GaballにVJ原田が参加したのは、ライブ活動の重視を示している
9/19にはSOTECの「WORLD PC EXPO 2001」でライブを行なっており、
ストリーミング配信も行なわれた
11/16にはZepp Tokyo、11/24には名古屋OZONでライブが行なわれている
詳しくは分からないが、zentoのイベントでも、
DJ Dragonや原田が参加することがあったらしい


Gaballのワンマンライブは2002年以後行なわれなくなるが、
DJ Dragon・原田と小室の関係はトランス期を通じて継続した
小室が2002年に渋谷WOMBで開催したトランスイベント「TK Presents Synthesized Trance」にも、
二人は参加している
なお「Synthesized Trance」は、
私が確認している限りでは2002/7/24〜12/25にvol.5まで開催が確認される
(確認できていないものもあるかもしれない)
vol.1とvol.2のライブアルバムもTSUTAYA限定で販売されている


小室とDJ Dragonの共作では多くtatsumakiの名義が用いられた
具体的な作品としては、2000年にBALANCeがあったが、
2001年にはウツソロや後述の「global trance」の他、小室ソロ「Speed TK-REMIX〜炎のコマ」にも関わっており、
2002年ではR9、Female Non Fictionの楽曲もある


他にワールドカップ2002日本代表サポーターチームULTRASのシングル「AIDA決めてくれー!」やアルバム「ULTRAS 2002」も、
DJ Dragonが中心となって制作された作品である
後者にはTM「Seven Days War」リミックスの「Eleven Hearts War」や、
「My Revolution 2002」も収録されている
正直、当時は勘弁してくれと強く思ったものである


また原田は2000〜01年TM NETWORK「Tour Major Turn-Round」のライブ用映像の制作を行なったが、
その後「Double Decade "NETWORK"」以下の2004年TMライブの映像制作にも関わった
さらに2008年には原田が制作した映像の上に小室が音をつける形で、
「Arashiyama」(2006年DJ TK名義で発表)のロングバージョンが制作され、
4/30にデジタル配信されている
同年11月の逮捕直前まで小室と関係を保った人物と言えよう


この時期の小室の活動のもう一つの核だったglobeを見てみよう
globeは2001/3/28「outernet」でトランスを試みると、
その後の楽曲は2003年まで、ほぼすべてがトランスとなる
過去楽曲についても2001〜02年に、
「global trance」「global trance 2」としてトランス版が発表され、
(ただし小室がリミックスしたトラックはごく一部)
ライブでも過去楽曲はトランスアレンジで演奏された


トランス期globeの本格的始動となったのは、
2001/8/1リリースのシングル「try this shoot」である
個人的には好きな楽曲である
9/12には「global trance」をリリースする


さらに11/14にはドラマ「スタアの恋」主題歌として、
カバー曲「Stop! In The Name of Love」をリリースし、
12/8にはアニメ「サイボーグ009」主題歌として、
「genesis of next」をリリースするなど、
2001年後半はトランスユニットglobeをアピールし続けた
なお小室は「サイボーグ009」のアニメ音楽も担当し、
サウンドトラックもリリースされている


「try this shoot」は10位、7.6万枚、
「Stop! In The Name of Love」は7位、14.4万枚
「genesis of next」は4位、9.6万枚の成績だった
特に「Stop! In The Name of Love」は、
2000年のシングル(10〜13万枚)を越える売上で、
2000年代のglobeシングル作品で最大の成績である
また「genesis of next」はその実験性も含め、
トランス期globeの代表曲となっている


そして以上のシングルを収録した「Lights」は、
2002/2/6にリリースされ、2位、27.7枚の成績を出した
これは「outernet」の9位、14.9万枚の倍近くの売上である
これまでglobeのアルバムはベスト盤を除けば、
ほぼリリースごとに売り上げを低落させ続ける傾向にあったが、
(例外として「Love again」166万→「Relation」173万)
この時だけは売り上げが持ち直している
しかもトランスと言う音楽的実験を前面に出した上での成果である


小室はここに大きな手応えをつかんだことだろう
以後も長くトランスを続けるのは、
この手応えがあってこそと思われる
小室は逮捕後の音楽活動再開期、
本作収録の「Many Classic Moments」を自分の代表作に挙げているが、
これは本作への思い入れの強さを物語るものだと思う


そして小室はなんと2ヶ月後の2002/4/17には、
次のアルバム「Lights2」をリリースする
「Lights」ラストの「fade in」を受け、
「Lights2」「fade in2 (part2)」でアルバムが始まる構成である
先行シングルは「Over the Rainbow /Inspired from Red&Blue」しかなかったが、
「Lights2」はチャートで2位、16.4万枚を記録した


この間、globeは約2年ぶりのワンマンライブも再開させ、
特に2002年前半には3/30から6/6まで2ヶ月以上、
ほぼ継続的にステージに立っている
この頃の小室の活動は完全にglobe中心になっており、
Gaballも実質的な活動は行なっていない


この時期のライブはトランスをメインに据えており、
特に2001/12/8の特別ライブ「genesis of next」と、
3/30〜4/7のアリーナツアー「tour category trance」ではそれが顕著だった
小室はこの時、ミキシングコンソールの操作による音源のリアルタイムミックスをライブに導入し、
それはキーボードの演奏よりも中心的な役割を果たしていた
ドラムやベースもハードディスク中のシンセ音源が用いられており、
小室はその音量のバランスを調整し、公演ごとに異なるミックスの音を聞かせた
そのため両ライブではドラム・ベースがおらず、
サポートはギターの木村健のみとなる


この時期の小室はglobeをトランスに特化させたことで、
たしかにパフォーマンスの面で一定の成果を出していた
それがすべてのファンを納得させるものだったかはともかくとして、
新しい音楽活動の可能性は示していたし、
しかもそれは商業的にもそこそこの成績を上げていたのである
ただそこに固執し過ぎたことで、
2002年後半からは迷走を強めるようになるのだが、
それについては別章で述べることにしたい


この頃のglobeのライブでギター以外にサポートを付けず、
小室がミキシングコンソールの操作が中心のパフォーマンスを行なった点は、
2004年にTM NETWORKのライブにも導入される
その意味でこの時期のglobeの活動は、
2004年のTMの活動の前提となったということもできる


たとえば2001〜02年のglobeは以下のようなライブを遂行した

・ギター1人を加えたトランスの特別ライブ(「genesis of next」
・ギター1人を加えたトランスのツアー(「tour category trance」
・バンドを引き連れたトランスを含む全ジャンルツアー(「tour category all genre」
・3人のみでの全ジャンル特別ライブ(「category trance & all genre」


これに対してTM NETWORKの2004年ライブは、

・ギター1人を加えたトランス中心の単発ライブ(「Double Decade "NETWORK"」
・ギター1人を加えたトランス中心のツアー(「Double Decade Tour」
・バンドを引き連れたトランスを含む特別ライブ(「Double Decade Tour Final」

となっており、まったく対応するわけではないものの、
globeのライブを下敷きにしているように見える
逆に言えば、小室は2002年から2004年まで、
新しい活動形態を思いつかなかったといえるかもしれない


「Double Decade "NETWORK"」より、ツマミイジイジ小室



小室自身の活動ではないが、この頃軟式globeというのがあった
バラエティ番組「学校へ行こう」の1コーナー「B-RAPハイスクール」で、
2002/6/18から2003/3/25に常連として出演していたグループである


パークマンサーとコイケの二人組で(もちろんMarcとKEIKOのパロディ)、
コイケがglobe「Love again」の替え歌「I'm fallin' DNA」を歌い、
パークが毎回ラップでネタを披露するというものである
当時は中高生に結構流行ったらしく、
小室関係のものが一般にブームになった最後の現象といえる
2002/10/1には小室本人が番組に出演し、
11/22にはパーク・コイケが小室・KEIKOの結婚式二次会に出ている


さて、この頃の小室がGaballとglobeを軸として、
トランスを追求する中で、
例外的に企画モノに関与したことがある
avexのsong+nationである


きっかけは2001/9/11のアメリカ同時多発テロ事件である
少し前までアメリカに住んでいた小室としては、
衝撃は大きかっただろう


この事件を機に、小室哲哉と松浦勝人は、
チャリティ企画としてsong+nationを立ち上げた
小室書き下ろしの曲を二人のavex所属歌手に歌わせるというものである
この企画の一環として、
12/12浜崎あゆみ&KEIKO「a song is born」
12/19倖田來未&BoA「the meaning of peace」
12/27安室奈美恵&VERBAL「lovin' it」がリリースされた


特に「a song is born」は1位、44.1万枚の売り上げを出した
以後2010年のAAA「逢えない理由」まで、
小室作品の1位獲得は長く途絶えることになる
ただし浜崎単独名義ではないためか、
浜崎作品としては、この前後の他の作品よりも売上が低い


2002/1/23にはアルバム「song+nation」がリリースされた
1位、15.5万枚の成績である
小室が全曲作曲・プロデュースしたアルバムとしては、
これが最後の1位作品だと思う


アルバムでは3曲のシングル曲以外に、
avex歌手が歌う7曲が収録される
歌手は持田香織(Every Litte Thing)・伴都美子(Do As Infinity)・hitomi・HΛLNA(HΛL)・TRF・BALANCe・KEIKOとなっている


TRF収録曲は「One Nation」で、
zentoの非売品楽曲「extacy of nature」の日本語版である
BALANCeは既発表シングル「Get Into You Suddenly」が収録された


KEIKO「Lights brought the future」は、
同時多発テロの被害者の命を光に見立てて歌ったバラードである
2001/12/1府中の森芸術劇場での早稲田大学Gree Clubとのジョイントライブや、
2001/12/8「genesis of next」で披露されていたもので、
2002年2月発売のglobe「Lights」にも収録された
「Lights」のタイトルはこの曲から来ている


song+nation楽曲はいずれも売れ線のJ-POP楽曲であり、
チャリティ用に一般向けの楽曲を手掛けたものといえる
これに対して3/6にリリースされた「song+nation 2」は、
song+nation楽曲のトランスミックスであり、
いかにも当時の小室の関心が現れているが、
この企画でなぜトランス?とも思う
成績も40位、1.4万枚で、前作とは比べ物にならない
一般にはほとんど存在も認知されていない作品だろう


しかしそれにしてもこの頃の小室は、
1月に「song+nation」、2月に「Lights」
3月に「song+nation 2」、4月に「Lights2」と、
なんと4ヶ月連続でアルバムをリリースしており、
1枚はリミックスだとしても、その精力は驚くべきである
さらに1/30には「サイボーグ009」のサウンドトラックもリリースされている
小室息切れ直前の最後のラッシュだったと言えるだろうか


以上、avexの企画モノとしてsong+nationに触れたが、
もう一つ、吉本の企画もあった
これについてはTM NETWORKが絡むため、
別章で触れることにしたい


Lights
エイベックス・トラックス
2002-02-06
globe
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 33 / トラックバック 0 / コメント 12


7-1 あがく小室哲哉

2018/03/04 01:15
PANDORAのシングル「Be The One」
チャートで2位―16位―26位―38位―60位と推移し、
売り上げは4.8万枚になりました
ミニアルバム「Blueprint」は9位―102位―205位で、
現在の売上は7046枚です
アルバム10位内は「Quit30」以来ですね
ただシングルの方が圧倒的に成績が良いのは、
タイアップ効果の強さを示してもいます


現在公表されている小室さんの唯一の仕事であるラストアイドルのプロデュース企画につき、
「ラストアイドル」では2/25に3戦目が放送され、
つんく♂さんに敗れて2勝1敗となりました
この時は小室さんがスタジオでメンバーと話すシーンが放送されましたが、
おそらく収録は2/6「うたコン」の生放送よりは後でしょうから、
現時点では最新の小室映像ということになります
しかし今まだスタジオで何かやることってあるんでしょうか
いや、むしろあるならばうれしいんですけどね…


2/20、小室さんがtwitterを消去しました
小室さんは2010年の音楽活動再開以後、
自らの声を発信する場、またはファンの声を聴く場として、
twitterを継続的に活用し続けてきました
その閉鎖は引退の意思を感じさせるものとして、
ファンの間に少なからぬショックを与えたようです
コメントなどは何も出ていませんが、
なおネガティブな状態が続いているものと思います


木根さんは舞台「新☆雪のプリンセス」出演しましたが
公演初日の2/21、出演者たちが記者会見を行ないました
この時木根さんには記者から、
twitterの件も含めて小室さんについて質問がありましたが、
木根さんはこれに対して、以下のように答えたようです

そうですね。(コメント)できない点もあるんです。そっとしてあげてください。今はゆっくりとその先のことを考えているんです。
今ある仕事をしてる。テレビで見た(会見)通りに受け取って、しっかり見守ってあげてください。


余計なことはいわず、
小室さんを追い詰めないようにマスコミにお願いした感じです
ただこのコメントを見るに、
木根さんは今はコメントできないことを含む今後のことを、
小室さんと話をしているようにも見えます
TMについて、方針のようなものは立てられたのでしょうか
また木根さんは先月末のTREE of TIMEの会報でも、
小室さんにはゆっくり休んでほしいという趣旨のコメントをしたそうです


木根さんは、3/1〜11築地本願寺で上演される舞台「こと〜築地寿司物語〜」続編の主題歌・挿入歌を担当し、
3/5にはゲスト出演するそうです
前作も主題歌・挿入歌を担当したそうですが、
私全然覚えていないので、多分当時見逃していたんでしょうね


他に3/17には上野御徒町のフォーク居酒屋「旅のつづき…」で、
堀江淳さんとのジョイントライブ「Folk Songの夕べ」開催します
4/8には福岡県の飯塚市オートレース場で「遠賀川フェス飯塚」に出演します


ウツは2/28に「mile stone」が発売になりました
これに合わせて「Get Wild Pandemic」のMVが公開されています
またBlu-ray「Phoenix Tour 2017 ξIdiosξ」は、
一般発売日が4/18に決まりました


以上、近況でした
さて、今回からいよいよ2年ぶりに、通常記事の更新を始めます
あらかじめ言っておきますが、これまででも最悪の内容です
しかも小室さん関係の記事です


実はこの記事、1月には用意していたんですが、
ちょうど小室さんの報道がかぶってしまい、公開を見送っていたものです
不倫やら音楽活動の不振やら、
不思議なほど先日の報道・会見とかぶる内容でしたし、
興味本位で見に来られてネット記事のネタに使われるのもイヤでした


ただオリンピックを挟んで報道もひと段落し、
小室さんの件は世間ではほぼ取り上げられなくなりました
今後見に来るのは、だいたい小室さんの音楽に興味がある方々と思います
そこでそろそろ、通常記事のアップを始めることにしました


現役ファンの中には、今こんなの出すなと思う方は必ずいるでしょう
心情的に今思い出すのはつらいというお気持ちはよく分かります
私も書いていて楽しくはありませんでした


ただ小室さんが引退した今だからこそ、
かつての歴史をちゃんと残しておきたいとも思います
これまでTMが何をしてきたのか確認しようと思う方が現れた時、
現状では2002〜08年の活動が一番調べづらくなっているので、
この頃何があったのかはちゃんと整理しておくべきではないかとも思うのです


もちろん今回の内容はアレですが、
あくまでも21世紀のTMの歴史を書くための序章としてご理解ください
私も小室さんを落としたくて書いているわけではありません
ただ事実は事実として、隠さないで書くべきだと思います


音楽に限らずいろんな分野のファンサイトに、
しばしば信用がおけないことがあるのは、
誇るべきところをことさらに強調する一方で、
隠したいところを語らないことがあるというのもあります
そういうところに気づいてしまうと、
「ここに書いてあること信じて大丈夫かな?」と、私などは思ってしまいます


ファンサイトはアーティストを顕彰して広めるべき場だというご意見もあるかもしれません
ただ私は別にファンサイトのつもりでやっているつもりはなく、
それよりは過去のTM NETWORKの歴史をまとめたいという意識でやっています
ですので、私は歴史としての精度を上げたいので、
今回は最悪の過去があったから、最悪の過去を書きます


内容的には、熱心なファンの方には読むに堪えないかもしれませんので、
そのような方はここで引き返していただいた方が良いかもしれません
半年くらいすれば、
まあまあ楽しかった20周年の頃にたどり着くはずなので、
その頃にまたお越しいただければと思います


以上、予告でした
では最悪記事の本題に入ります

-------------------------
小室哲哉の人生の転換点は何度かあったが、
特に大きな転機は、1983年、1992年、2001年、2008年だったと思う
1983年はTM NETWORK結成、
1992年はTMNから離れた活動の開始で、
小室のプロデューサー人生の始まりとなる年だった
2008年は言うまでもなく、小室哲哉の逮捕である


2001年は以上と比べると地味ではあるが、
やはり間違いなく転機となる年だった
その一つとして、この頃にアメリカ永住権を放棄したことがある
小室は永住権の保持のため、
長期的な日本滞在を行なうことができず、
これが1999〜2000年のTMの活動の障害にもなっていた
だが2001年からは日本を拠点を戻すようになる
1998〜2000年の小室は所得税や住民税をアメリカに収めていたが、
これ以後は日本に納税するようになった


そしてもう一つは、小室が事実上この年に、
音楽プロデューサーとしての生命を終えたことである
それはすでに失速していたTKブームの最終的な終焉も意味した
もちろん以後も小室はプロデューサーを名乗り続ける
しかしその仕事の多くは、
Gaballやglobeなど自身が属するユニットの仕事だった
活動を休止していたTM NETWORKやKiss Destinationもその点では同様である


プロデュースを行なったものとして、
小林幸恵、R9、Female Non Fictionなどの事例もあるが、
いずれもシングルのリリースのみであり、
セールスは振るわなかった上、長続きもしなかった


「ASAYAN」企画絡みの小林以外は、
楽曲的にもGaballやglobeの延長に過ぎなかった上、
世間的にもほとんど認知されなかった
avexや吉本の企画版の制作にたずさわった例もあるが、
これはすでに小室主導の企画とは言い難い


ROJAM関係では、2000年に引き続き2001年にも、
中国人歌手のオーディションとプロデュースを行なう計画だったが、
結局立ち消えになり、実現しなかった
2001年のKENや2004年の葉明子など、
台湾・香港人の単発プロデュースは依然としてあったが、
あまり目立つものではない
ただその中でも2002年香港映画「恋愛中的宝貝」や、
2004年日中国交正常化30周年記念ドラマ「世紀末的晩鐘」の音楽監督などの仕事は、
ROJAMの活動がようやく実を結んだものといえるかもしれない


数少ない小室主導企画と思われるものに、
TRFとBALANCeのメンバーで結成されたzentoがあり、
クラブ向けプロモーション版シングルとして「zento ep.1」が制作されている
だがさしたる反響もなかったようで、単独商品化には至らなかった
(一部楽曲が2002年「Song+Nation」に収録)
BALANCeは自然消滅し、TRFもしばらく活動を休止する


以上のように小室の新たなプロデュースワークは、いずれも短期的なものとなった
もちろん以前から続いていたものもある
安室奈美恵と鈴木あみの2人であり、
2000年の小室は事実上この二人の存在によって、
プロデューサーとしての実質を保っていた
しかしこの二人も2001年には、ついに小室から離脱する


2001年年始の「Rendez-vous in Space」での厚遇を見ても分かるように、
小室が安室に期待するところは依然として大きかった
2001年に計画されていたアジアツアー(TM等も参加することになっていた)でも、
安室を前面に出すことが強調されていた


しかし安室は2000年には「Never End」が64万枚というスマッシュヒットを出したにも関わらず、
本作を収めた2000/12/20リリースのアルバム「break the rule」は33.5万枚のセールスに留まった
前作「Genius 2000」が80.3万枚だから、
1年で半減してしまったことになる
チャートでも「Sweet 19 Blues」以来の安室の指定席だった1位を取ることができず、
TKの神通力が尽きたことを感じさせた


安室はもともと小室によってデビューしたものではなく、
一定の成果を上げていたところに小室が絡んだという経緯もある
事務所側では落ち目の小室から離れることは選択肢に入っていただろう
おそらくその様子見として2001/8/8には、
デンマークのJeanett Debbのカバー曲「Say the Word」をシングルでリリースしている
本作には小室も、小室の知人として共同プロデュースをしてきたDallas Austinも関わっていない
本作は実質的に最後のTKプロデュースシングル「Please Smile Again」(21.7万枚)を下回る18.4万枚の成績だったが、
以後も小室のプロデュースは復活しなかった


2001/12/27には安室&Verbal名義で小室作曲の「lovin' it」がリリースされたが、
これはavex traxの企画盤としての位置づけである
本作以後2017年のラストアルバム「Finally」「How do you feel now?」まで、
小室から安室への楽曲提供は長く途絶えることになった
2002/2/14には元D-LOOPの葉山拓亮が作曲、安室自身が作詞を手掛けた「I Will」がリリースされている
その後はベストアルバムをリリースしながら、
新ユニットSuite Chicでの活動も行なうなど、新たな活動を模索し続ける


安室は21世紀になって低迷した人気を2004年頃から回復させ、
以後2018年の引退まで、旧TKファミリー唯一の“現役”歌手として、
邦楽界のトップアーティストとしての地位を保持し続けた
2009年のアルバムタイトル「PAST < FUTURE」は、
脱小室の成功を高らかに誇ったものとも言えよう


活動の中心もテレビからライブに移る
たとえば上記アルバムを引っさげた2010年の「PAST < FUTURE tour」では、
1年で全国80カ所を回っている
この頃にはライブでも小室の曲はまったく歌われなくなっていた


なお安室の事務所ライジングプロダクションは、
2001年に入り東京国税局から脱税の疑いが指摘された
社長の平哲夫は8月に辞任(10月逮捕)、
2002年には懲役2年4ヶ月の実刑判決を受けている


これを受けてライジングプロダクションは、
9月に社名をフリーゲートプロモーションと改めた
(現在はライジングプロダクションに戻っている)
平は安室のデビュー以来そのバックにい続けた人物であり、
その逮捕は安室の小室プロデュース離脱にも影響しているのかもしれない


一方の鈴木あみの事務所も、ライジングプロダクションと同様の状況にあった
あみははじめ山田衛志(永司)のエージーコミニュケーション所属だった
1999年にはその系列会社に事務所を移すものの、
実質的には依然として山田の影響下にあった


山田は1999年から脱税疑惑で東京国税局から査察を受けており、
2000年3月に告発され、7月に逮捕された
2001年4月には、執行猶予付きではあるが有罪判決を受けている
小室の凋落と並行して関係者が相次いで脱税で逮捕されるのは、
何か関連があるのだろうか


エ―ジーコミュニケーションは他にも、
Marc Panther、dos(asami含む)、tohkoなど、
小室関連ミュージシャンの多くを抱えていた
1998年から小室がセールスを激減させたことは、
エ―ジーコミュニケーションの資金繰りにも影響を与えていたのだろう


鈴木あみは1998年7月から2000年4月までの1年10か月で、
11枚のシングルと3枚のアルバムをリリースしており、
TKプロデュース群の中でも特にハイペースだった
だがその後は2000年9月のシングル「Reality」以外にリリースがない
これは山田の逮捕が影響していたのかもしれない


これ以前から鈴木あみと事務所の間では、
待遇をめぐって問題が起こっていたらしい
10月にはあみの親が翌年3月以後の専属契約更新拒否を通告し、
12月には東京地裁に事務所を提訴した
(あみは未成年だったため、両親が提訴)
さらに2001年6月には、SONYをも提訴している
あみはクリスマス頃にアルバムを出す計画があったが、
この一連の騒動でそれも立ち消えになる


両親によれば、あみへの報酬支払いが不当に低かったらしい
裁判ではほぼあみ側の主張が認められたものの、
あみと新たに契約する事務所はなく、
芸能界で「干される」こととなったことは周知の事実である
小室が吉本に移籍した後、あみを吉本が受け入れる話もあり、
その場合は小室のプロデュースが続くはずだったのだろうが、
これも実現しなかった
結局あみは2005年にavexと契約して芸能界に復帰する


こうしてプロデューサーとしての小室の活動は、
実質的に2000年を以て終わりを告げた
小室の音楽歴を大まかに分類すれば、
80年代がTM NETOWORKの時代、
90年代がプロデューサーの時代、
00年代がTMを含む自己ユニットの時代と言える


さて、鈴木あみの退場は、
小室の進退に大きな問題を引き起こしたと思われる
小室は2000年に拠点をSONYからROJAMに移し、
TM NETWORKとKiss Destinationは、
SONY傘下のTRUE Kiss DiSCからここに移籍させた


ただしROJAM立ち上げ後も、
小室はSONYと絶縁したわけではなく、
依然として専属契約を続けていた
ROJAMはネット通販でCDを販売したが、
これはSONYとの協議の上で認められたものであった
(店舗販売の禁止もSONYとの協議の結論)


小室がSONYとただちに手を切ることができなかったのは、
おそらく前払いで受け取っていたプロデュース印税があったためだろう
これは後述する通り、2001年初めの時点で18億円が未消化(前払い分の成果を出していない)の状態だった


TMとKiss Destinationの移籍後も、
小室は鈴木あみのみはTRUE KiSS DiSCに在籍させた
小室は前払いで受け取った印税分の成果を出す必要があり、
そのため旧TRUE KISS DiSC所属ミュージシャンの中で、
もっとも多くのセールスが期待できるあみを残したのだろう


ところがそのあみが、芸能界から離れざるをえなくなった
ここに小室はSONYから前払いされた18億円分のセールスを出す見込みを失った
すでに落ち目だった小室が、
18億を稼ぐ歌手を新たにプロデュースする見込みがあると考える者は、
おそらく多くなかっただろう


ここにSONYは2001年1月、小室哲哉に専属契約の解約を通告し、
18億円の返却を要求してきた
この直前の2000年12月には、
TM時代以来小室をバックアップしてきた丸山茂雄が、
SONYの音楽部門であるSONY Music Entertainmentの代表取締役社長を退いているが、
この新体制下のSONYで、小室の切り捨てが決められたのだろう


小室は2000年のROJAMによるIT事業参入でかなりの資産を消費していた
すでにSONYからの前借金もつぎ込んでいたようで、
18億円の返却要求はかなり過重なものだったと考えられる
同年に吉本に移籍した5月頃、
小室の預金は1億円余りしかなかったという報道があり、
その真偽のほどはともかくとして、
少なくとも18億円を一括返却するほどの資産は残っていなかったと見られる


小室は2000年12月avexから、
10億円のプロデュース印税を前払いで受け取っている
SONYの契約解除を見越して、18億円返済の原資に充てようとしたものか
これを受けて小室は「Tour Major Turn-Round」を終えた1月、
globe「outernet」のレコーディングに入る
これは3/28にリリースされた


2001年以後の小室はglobeを活動の核とするようになるが、
これは印税の前借も一つの理由だろう
そうした中でTMの活動が見られなくなったことを考えれば、
SONYをめぐるいざこざは、
めぐりめぐってTMにも影響していたともいえる


なおavexの前払い分10億円は、
2004年末までの4年間で3億1000万円しか消化されず、
小室はavexからその履行を厳しく要求されている
この結末を見る限り、SONYが逸早く18億円を取り返したのは、
経営者の立場としては正解だったことになるだろう


「outernet」リリース1ヶ月の2001/4/25には、
Kiss Destination「AMARETTO」がリリースされた
TMツアー終了後、小室は2枚のアルバム制作を立て続けに行なったのである
本作はROJAMではなく、ポニーキャニオンからのリリースとなった


「AMARETTO」のリリースをめぐっては様々な動きがあった
アルバムのプロモーションも兼ねてだろうが、
リリース日の4/25にKiss Destination相方のasami(吉田麻美)の妊娠と、
小室との結婚を発表したのである
2人は1998年から付き合ってきたから、実に3年越しのゴールだった


「AMARETTO」リリースに先立つ4/20には、
もう一つの重大な出来事があった
小室哲哉の吉本興業との専属契約である
5/1には小室が麻美との婚姻届けを区役所に提出した上で、
新宿のルミネtheよしもとで吉本興業入りの記者会見を行なっている
この移籍は、もちろん1月のSONYの専属契約解除を受けてのものである
実際に小室と吉本の交渉は、1月頃から始まっていたと言う


おそらくこれと絡むものだろうが、
小室は4月頃から、バラエティ番組に続けて出演している
4/08「笑う犬の冒険」、4/15「堂本兄弟」、4/24「さんまのまんま」などである


それにしても「なぜ吉本!?」と、多くの者は思っただろう
私も大阪で笑顔の小室の横に「みんなヨシモトへおいでヨ」と書いてあるなんばグランド花月の巨大な看板を見た時は、
「ここまで迷走するとは…」と眩暈がしたものである
(なおこの写真、今では逆に手に入らなくなっているので、お持ちの方がいらっしゃったら、コピーしていただけると幸いです)


ただこの時はむしろ吉本側が、
小室周辺にきな臭い人物が多いことを危惧していたとも言う
ROJAMのIT事業参入から1年を経たこの頃、
カタギとは言いがたい吉本からすらこのように思われるほど、
この頃の小室にはうさんくさい人脈が形成されていたらしい


5/31には、吉本がレコード会社R&C JAPANを設立した
吉本は小室移籍を契機に、
音楽事業にも手を伸ばし出したのである
小室の新ユニットGaballの作品はここからリリースされている


同じ5/31には、ROJAMが香港のベンチャー市場GEMに上場し、
1株1香港ドルで9000万株の株式を発行した
だがその株価は、上場から半月で半額に下がるほどの急落を見せた
年末には上場時の1/10の0.1香港ドル、
翌年7月26日には0.075香港ドルとなっている
小室が経営から撤退する2004年には0.09香港ドルまで持ち直しているが、
最後まで大きな改善はなかったと見られる


ROJAMは上場以前に11億株の株式を発行していたが、
その43.36%(約4.77億株)は小室が持っていた
当時の週刊誌ではROJAM株の暴落により、
小室は74.5億円の含み資産を5.4億円まで減らしたとしている
よく言われるROJAMによる小室の70億円の損失とは、
この試算に基づくものだろう
しばしばこの話は拡大解釈されて語られることが多いので、
一応ここで確認しておきたい


なお試みに上記の情報から、
2001年5月と2002年7月の小室保有株式の資産価値を概算すれば、
以下のようになる

2001/5:
11億株×0.4336×1HKドル×15.244(5/31換金レート)
≒72.7億円

2002/7:
11億株×0.4336×0.075HKドル×15.228(7/26換金レート)
≒5.4億円


ただしばしば小室がROJAMで借金を負ったとされるのは、
多少留保が必要だと思う
たしかに小室は株価暴落によって資産を大幅に減らしたが、
株式による資産がゼロに近づくことはあっても、
マイナスにはならないはずである


小室の場合、現金資産のほとんどをROJAMへの投資に回してしまったため、
SONYの18億円返済の要求に対応できなくなったのが問題だった
小室の借金は直接には、この返済のために生じたものである
2009年の公判で借金の経緯でROJAMの件が登場しないのもそのためである


しかしこの18億円の件は、5月末の上場と関係しているのかもしれない
2009年の公判によれば、SONYへの返却期限は5月頃だったというので、
タイミングとしては関係がありそうにも見える
経営者が数億単位で自社株の売却を行なうのは立場上困難だが、
上場時には8億もしくは10億の資金調達を目指すとされており、
これを小室の返済につなげる何らかのからくりが想定されていたのかもしれない
もちろんその皮算用は、株価暴落により、
まったく絵に描いた餅となったはずである


なお一部サイトで小室が上場後も増資を繰り返していてたという推測がされているが、
これは上場前にすでに4.77億株を保有していたことを見落としたことによる誤解である
実際には2002年にも小室の保有株式数は変わっていない
2004年の取締役辞任まで現金化もほとんど行なわず(1割ほどは譲渡したらしいが)、
4億株以上を保有し続けたと見られる


さて、小室はROJAM上場の失敗により、
SONYへの返済金18億円を別途確保する必要に迫られた
avexからの前借金10億円はあったが、
その他に8億円を用意する必要があった
返済期限は5月だったが、SONYに待ってもらったものだろうか


この返済は、別のところから借金をすることで果たされた
小室は8月に自らの著作権を担保にして、
富士銀行から10億円の融資を受けたのである
ここに小室はSONYとの負債関係はなくなったが、
代わってavexと富士銀行への借金を追うことになり、
その返済は後々まで小室を苦しめた


小室の不幸の種はまだ蒔かれ続ける
2001年5月に麻美と結婚した小室だったが、
それから一年もしない2002年3月に離婚したのである
2001/9/22麻美との間に娘が生まれたが、
小室はこの頃からKEIKOとも関係を持つようになり、
それが麻美に知られたことで離婚となった


その際に小室は、莫大な慰謝料と娘の養育費の支払いに同意した
(前年の結婚以後の資産増加はなく、財産分与は問題にならなかったか)
2009年の公判によると、
小室は慰謝料3億7000万円を3回に分割して支払い、
加えて娘が成人する2021年まで、
月200万円から390万円の養育費も支払うことになっていた


仮に養育費を19年半の支払いとすると、
総額は4億6800万円〜9億1260万円、平均6億9030万円となり、
これに慰謝料3億7000万円が加わる
離婚後の報道で総額10億円以上と試算されたのは、
麻美は否定していたが、実際には妥当なところと見られる


さらに報道によれば、2004年の小室は、
麻美のマンション家賃として月150万円も別に支払っていた
すでに小室の財政が火の車となっていたにもかかわらず、
巨額の慰謝料・養育費・家賃の支払いが発生したことは、
ボディブローのように小室を苦しめただろう


さらに2001年「Rendez-vous in Space」開催に当たり小室が自腹で3億円を支出するなど、
この頃からは数億円規模の不可解な金銭の流れが続出する
毎年数億円の印税を得ていた小室だったが、
それにもかかわらずこうした悪条件の中で、借金は増大していった


大規模出費の例としては、
2001年の早稲田大学の小室哲哉記念ホール建設がある
これは早稲田大学創立百周年記念に因んだものである
9/18にはオープニングセレモニーとして、
小室のピアノコンサートが行なわれている
(キーボード久保こーじとギター松尾和博も参加)


その寄付金は数億円規模で、一説には10億円ともいう
これによって早稲田中退の身だった小室は、
卒業生として校友の称を名乗ることが認められた
ただこのホールの建設は4月にはかなり進んでいたようで、
かなり早い段階で動いていた話だろう
よって2000年以後の動向として見るべきではないかもしれないが、
他に機会もないので、ここで触れておくことにする


なお小室は2001/4/14の早稲田大学創立百周年式典に出席した時、
記念歌として小室作曲の「ワセダ輝く」を披露している
一般流通には乗らなかったが、
当時このCDは早稲田大学で売られたらしい


さて、このような中で小室が心酔した人物がいた
自称霊能力者の細木数子である
小室は日本にいる時に頻繁に細木に会いに行き、
アドバイスを受けていた
小室は細木を「数ちゃん」と呼んでいたと言う


その依存度を高めたのは2000年頃らしく、
2000年12月から2001年1月の「Tour Major Turn-Round」の頃には、
小室の左手首にTKの入れ墨とともに六芒星の入れ墨が入っている
(現在も入っている)
これは細木の六星占術に基づくものである


小室の入れ墨を確認する細木数子という最悪の図



この入れ墨は2000年7月末の「Log-on to 21st Century」のパンフレットの写真では入っていないので、
2000年後半に入れたものと考えられる
10月には小室がBBSで六芒星を話題にしており、
この頃に入れ墨を入れるまでに至ったものか


この頃はネット通販の件でファンから批判されたことや、
軌道に乗らないROJAMの経営の件などで、
小室も精神的に摩耗していたのかもしれない
小室はそこに付け込まれてしまったのだろう
2000年代に見られる不可解な判断の一部には、
細木にそそのかされて下されたものもあるに違いない


この頃の小室にとっての細木の存在の大きさを示すのは、
結婚に関するアドバイスだろう
小室は2002年、KEIKOを連れて細木に結婚の相談に行き、
細木の後押しを受けて結婚を決意したというのである
麻美との離婚発表日やKEIKOとの結婚式の日取りも、
細木のアドバイスで決めたと言う


実は小室はこれ以前、麻美との結婚の決断に当たっても、
細木から言われていた婚期が一つの判断材料になっていた
結局この結婚は1年もせずに破綻するが、
それにもかかわらず小室は細木を疑うことがなかった
むしろ結婚相手の相談を細木にしていなかったことが問題だったと考え、
KEIKOを連れて行くようになったのだという


個人的にぞっとしたのは、
木根の「新・電気じかけの予言者たち」に見える以下のエピソードである
2002年初め、globe「Lights2」レコーディングのためにフランスに渡っていた時のこととして、以下のように書かれている

そこでKEIKOとMARCは不思議な体験をしたそうだ。小室が“気”で鉛筆やコップを動かすのを見たと言う(残念ながら、僕には、いまだに見せてくれないが。)
「風邪ひいちゃって、喉の調子が最悪で、声が出なかった日があったけど、TKが喉に手を当ててくれたら、歌えるようになったんですよ。本当に」
KEIKOによると、小室の気は、物を動かすだけではないらしい。
「僕は、その手のものをあまり信じないけど、見ちゃったから…」
MARCもレコーディング中に目撃している。
小室いわく、「調子のいい日でも1日1回くらいだけどね。できるんだよ」とのことだ。


こうした小室の霊能力パフォーマンスは細木の影響だろう
当時のglobeのメンバーやスタッフの間では、
小室の茶番に乗って盛り上げないといけない空気が形成されていたのだろう
KEIKO・Marcが音楽面で小室に意見できる位置になかった以上、
小室を盛り上げることだけが彼らのできることだったともいえる
(一方で独自の信仰を持つ木根のいるTMではそれができなかったのだろう)
また仮にKEIKO・Marcが本心からこれを信じていたのだとしても、
それはそれで気持ち悪いことこの上ない


当時小室は、globeは風水が良いなどと発言しており、
細木への傾倒は音楽活動の内容にも影響していたように見える
すでにROJAMの失敗は取り返しのつかないところまで来ていたし、
妻の麻美とは別居して離婚協議を進めていた頃でもあった
小室は公私ともに精神的に追い詰められていた可能性がある


細木との関係はたまたま表に出ているものだが、
おそらく他にも同様のうさんくさい関係は、
この頃たくさん形成されていたに違いない
そして精神的に弱っていた小室は、
細木の如き輩に操られて判断を狂わせ続けたものと思われる


こうして見ると2001年前後は、
プロデュース歌手の消滅、麻美との結婚と離婚、
SONYへの18億円返却、avexからの10億円前払い、
ROJAMの上場、富士銀行からの10億円融資、
細木数子への傾倒など、
後の小室没落の種が一挙に揃った時期でもあったことが分かる
この点でも2001年は一つの転機だったと言えるだろう


そうした中で霊能力話にも対応し続けたKEIKOは、
小室にとって心を許せる存在でもあったのだろう
KEIKOも小室と一緒に細木の下に通うようになった
そして2002/10/6、小室とKEIKOは結婚を発表する
3/15の離婚発表以来、半年余のことだった
法的には問題ないとしても、
世間的にはあまり評判のよくない話題だった


しかし小室はだからこそ、
KEIKOにみじめな思いをさせないように、
麻美以上の晴れやかな場を与えたかったのだろう
小室は細木の決めた11/22「いい夫婦の日」に婚姻届を提出し、
靖国神社で結婚式を行なった上で、
新高輪プリンスホテルで結婚披露宴を行なった
この披露宴はTBSの特番で、
「超豪華! 世紀の結婚披露宴」と題して生中継された


招待客は800人程度で、森喜朗元首相や音楽関係者の他、
旧TKファミリーや(義理参加と思われる)吉本芸人も多く参加した
異彩を放っていたのは内田裕也ファミリーだが、
これは言うまでもなくTMデビュー前の小室の縁である


受け付けは、友人代表としてウツと木根が行なった
余興としては、YOSHIKIの「seize the light」ピアノ演奏や、
南こうせつ&木根尚登の「妹」弾き語りが行なわれ、
最後には小室&KEIKOによる「Departures」が披露された


この時の費用は、5億円とも言われている
実際には放映権料の収入やご祝儀で多少は取り返しているのだろうが、
それでもすでに火の車だった小室の財政にさらなる圧迫となったことは想像にかたくない
そしてこれが、小室のイベントがマスコミで「豪華」と呼ばれる最後となる


なお小室の納税額より見るに(2002年2.4億円)、
この頃の小室の年収は5億円ほどと見られ、
一度の結婚式で年収すべてをつぎ込んだことになる
納税後の手取り収入は2〜3億円だったはずで、
さらに慰謝料・養育費の支払いと銀行への返済もあったのだから、
この年は数億円規模の赤字計上だったと見込まれる


以上、小室哲哉周辺の動向を見てきた
次回はこの時期の小室の音楽活動を簡単に追って行こう
正直、多くの人には(自分も)ほとんど興味がないと思うので、
一回で終わらせたいと思う


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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 38 / トラックバック 0 / コメント 13


PANDORA作品のリリース

2018/02/10 00:31
衝撃の小室会見から、はや3週間経ちました
あれから引退に関する追加情報は、
公式には何も発表されていません


突然の発表だったため、関係各所と調整中なのかもしれません
1/26のPANDORAライブ後の深夜(日付は1/27)、
都内のマンションでTM NETWORK3人が落ち合って3時間近く話し合ったと言う報道が出ています
書かれていることにどれくらい信憑性があるのかは未知数ですが、
写真も出ているため、まったく根も葉もないことではなさそうです


あるいはavexの判断としては、
PANDORAのCDの成績が確定するまでは、
ネガティブな情報を出したくないと言うことかもしれません
ただこのまま放置というわけにもいかないでしょう
PANDORAに関する一連の活動も終わりましたし、
そろそろ何か発表があるかもしれません


さてPANDORAですが、
1/24にシングル「Be The One」
2/7にミニアルバム「Blueprint」がリリースされました
小室さんは契約済みの仕事はまだ続けるとのことですが、
引退発表前に制作した作品としては、これが最後になります
アルバム限定盤にはBlu-rayが付いていて、ドキュメンタリも見られます


CD付録のブックレットによれば、
PANDORAはインタビュー(年末頃でしょう)の1年くらい前、
小室さんが浅倉さんに声をかけたところから始まったそうです
2016年の冬頃でしょうか
ならば「JOBS#1」のレコーディングの頃となります


そう思って「JOBS#1」のブックレットを見てみると、
2017/1/14のインタビューの中で、
秋以降はそれまでとは違う大きな動きがあると言っています
当時はこれをTMと思い込んでいましたが、
おそらく9月放送開始の「仮面ライダービルド」主題歌をPANDORAが担当することを言っているのでしょう
この時点でPANDORAの活動は決まっていた可能性が高いように思います


その上で「JOBS#1」のインタビューに、
時間がないからやれることは限られているとの発言があることは、
前回も触れたところですが、改めて気になるところです
「Blueprint」ブックレットのインタビューでの浅倉さんの発言によれば、
小室さんはユニット結成の話をした時に、
人生で最後のユニット結成になるかもしれないと言ったとあり、
両者の発言は符合するところがあります


おそらく同じ頃、2016/11/22には小室さんがDef Willのイベントについて、
「僕が関わるプロジェクトの成長過程を最初から観る機会はもうそう多くはないでしょう」と発言しており、
この頃から自らの引き際を強く意識するようになっていたように見えます
還暦での引退を具体的に念頭に置くようになったのは聴覚障害と入院がきっかけでしょうが、
それ以前からそろそろ退こうという考えはあったのでしょう


すでにglobe20thの頃から、小室さんの思考はネガティブになっており、
その延長上に引退があったことは前回推測したところですが、
TM30thとglobe20thの両方が終わった2016年8月、
小室さんはやるべきことには一応のけりをつけた(そしてこれ以上は展開しそうにない)という気持ちになっていたのかもしれません
ならばglobe20thの後は、
いずれにしても収束モードになることは避けられなかったともいえます


話が逸れてしまったので、PANDORAに話題を戻しましょう
今回の「Be The One」「仮面ライダービルド」主題歌と言うタイアップがついていました
仮面ライダーシリーズ主題歌は最近割とおいしい枠になっており、
2015年は氣志團、2016年は三浦大知さんがまあまあのセールスを出しています
逮捕後の小室さんの中では、一番強力なタイアップといえます


おそらく小室さんも期待していた仕事だったはずで、
だからこそ浅倉さんの力も借りて鉄壁の布陣で臨んだのでしょう
なおこのタイアップ話、当初は浅倉さんから小室さんに来たのかなと思っていたのですが、
考えてみれば仮面ライダーシリーズの主題歌枠は代々avexですから、
小室さん→浅倉さんと見るのが自然です
インタビューを見てもそのようですね


去年の「仮面ライダーエグゼイド」主題歌の三浦大知「EXCITE」は、
2017/1/18リリースで初動1位で3万枚、総合4.6万枚の成績でした
これは三浦さんのソロシングル最大のセールスです
これに対して「Be The One」は、初動2位で3.7万枚、
2週目までで4.3万枚のセールスを記録しています
少なくとも初動では、三浦さんの成績を越えたことになります


この成績は、これまで小室さんが手がけてきた作品の中でも、かなり良いものです
2010年以後でこれを越えたシングル作品は、
「逢いたい理由」(2010年、初動は1位・4.6万枚)以下の2010〜11年のAAA作品、
(最大の成果は2011年「Charge & Go!」、初動は5位・4.9万枚)
2010年浜崎あゆみさんの「crossroad」(初動は1位・7.4万枚)・「L」(初動は1位・7.1万枚)くらいですが、
これらはAAAや浜崎さん自身の人気の要素も大きいものでした
Def Willなどの新人歌手については、ほとんどランキングにも登場していません
それに対して今回は、小室さんと浅倉さんの新結成ユニットで初動3.7万枚を売ったわけで、
まずまずの成果だったと言って良いと思います


またアルバムについては、
デイリーチャートでは2/6・7に6位、2/8に10位となっており、
多分週間10位には入ると思います
これもやはり2010年以後の小室さんの作品の中ではかなりの好成績です
参考までにオリジナルアルバムに限り、
小室さんのソロ作品の成績を以下に挙げておきます

・2011年「Digitalian is eating breakfast 2」:初動9位・8千枚、総合1万枚
・2013年「Digitalian is eating breakfast 3」:初動32位・4千枚、総合5千枚
・2014年「EDM TOKYO」:初動40位・3千枚、総合3千枚
・2017年「JOBS#1」:初動15位・4千枚、総合4千枚


この他に小室さんが全体を手掛けた作品は以下になります(オリジナル盤)
この中でAAAを別にすれば、
PANDORAのミニアルバムは、やはり復帰後の作品の中では、
なかなかの成績を残すことになりそうです

・2011年AAA「Buzz Communication」:初動2位・5.1万枚、総合7.2万枚
・2013年TRF「Watch The Music」:初動42位・4千枚、総合4千枚
・2014年TM NETWORK「Quit30」:初動8位・1.9万枚、総合2.8万枚


もっともこのセールスは、小室引退報道で急遽買うことにした層がいたためとも考えられます
実際に私もその一人です
(とはいえそれによる水増しはそう多くを占めることはないと思いますが)


さて、PANDORAはシングル・アルバムリリースに前後して、
1/24「超英雄祭 KAMEN RIDER × SUPER SENTAI LIVE & SHOW 2018」に出演し、
1/26にはbillboard Tokyo(2公演)、
2/3にはbillboard Osaka(2公演)でライブを行ないました


「超英雄祭」は仮面ライダー関係のイベントで、
PANDORAはトリに「proud of you」「Be The One」を演奏したそうです
最後に小室さんは「これからもよろしく」と発言したそうで、
今後もあるのか?と期待したファンの方々もいらっしゃったようです
なおこのイベントのBlu-rayは、5/9に発売されるそうです


billboard東京・大阪の4公演は、ネット上にもレポートが出ています
東京・大阪ともセットリストはほぼ同じだったようです
(小室さんのピアノソロで大阪のみ「Get Wild」があった模様)
PANDORAの4曲はすべて演奏したようです


注目すべきは最後の曲で、
浅倉さんのリクエストで「永遠と名づけてデイドリーム」
しかも小室さんの(いやいやの)生歌付きだったとのこと
げえぇぇぇーー!
このライブ、DVD化しないの?
カメラ入ってないの?


しかしこの曲、今では歌詞があまりにも意味深すぎて、直視がキツイです
音楽家を主人公とした歌詞で、
「いつか僕が泳ぎ疲れて この海に沈む時は どうか僕の刻んだ調べを 永遠と名づけて」ですからね
いや、もしかしたらそこまで考えてあえてこれを最後に持ってきたのでしょうか
小室さんの音楽を伝えてくれとファンに託したとか…


このライブ、参加した方々は一様に素晴らしかったと言っています
引退を控えた小室さんの(現時点で)最後のライブということで、
色々な補正が入っている可能性は否定できませんが、
小室さんが限界を公言していても、
十分に魅力的なライブをファンに見せてくれたことは確かでしょう


小室さんのパフォーマンスを見る最後の機会となったのは、
「Blueprint」リリースの前日に当たる2/6にNHKで生放送された「うたコン」でした
この番組の趣旨は、過去の「紅白歌合戦」の映像を見ながら平成を振り返るというもので、
90年代のTK作品の映像も多く放送されました


ちなみにTMが「Come On Everybody」で出演した時は昭和63年だったので、
残念ながら映像は流れませんでした
(あと数日で平成になっていたのですが)


小室さん、トークコーナーでは、どうしてよいか分からない感じで、
すごくいづらそうにしていた印象です
表情も硬かったです
笑顔でも、無理して笑っている感じで
まあ、そうですよね…


不眠のせいか顔もかなり老けて見え、メイクでも隠しきれていない感じでした
「Blueprint」付属Blu-rayのドキュメンタリでも同じ感じです
2013年にも肝炎治療のせいで老け込みましたが、
また一段階老けたという印象です


ただ演奏を見て、少し安心しました
PANDORAは番組のトリで「Be The One」を演奏したのですが、
1番が終わった後の間奏で、すごい楽しそうに演奏している様子が映されました
それこそ私の感情による補正も入っているのかもしれませんが、
演奏している間はやっぱり楽しいのかな?それなら嬉しいな、と思いました
billboardに行ったファンの方々も同じような表情を見れたのでしょうか


ちなみにボーカルのBeverly、昔youtubeでMVを見た時は何とも思わなかったんですが、
テレビで歌っているところを見ると、歌うまいですね
ただテレビ用のショートバージョンを十分に覚えていなかったためか、
終盤でとちってしまいましたが…


ともかくこうして一連のPANDORAの活動は終わりました
今後まったくないとも言いきれませんが、
あまり期待はできないでしょう


ネット上ではPANDORAの作品や演奏を絶賛するファンが多く、
だから引退はやめてほしいという意見もちらほら見ます
「Digitalian is eating breakfast 3」「JOBS#1」の時の寂しい様子とは打って変わってと言う感じです
(私は「Digitalian is eating breakfast 3」が好きだったんですが)


しかしこのブログを見に来る方の多くが小室さんのファンであることを自覚した上であえて書けば、
やはり小室さんがスランプだったことは否定できないと思います
熱心な方ほど気付いているはずですが、
実はPANDORAは当初4曲入りミニアルバムではなく、
10曲入りフルアルバムをリリースするはずでした(11月告知)
しかし12月になると6曲入りミニアルバムと変更され、
さらに最終的には4曲入りとなりました


PANDORAの曲は小室さんがベーシックな部分を作って浅倉さんに渡し、
浅倉さんがそれを完成させるという形で作っていたそうです
この形が原則だとすると、収録曲が減少したのは、
小室さんが原曲を作ることができなかったためだと考えられます
論理的には浅倉さんがアレンジできなかったという説明も可能ですが、
実際にはあまり考えられないでしょう
(accessの曲はちゃんと作ってますから)


今回の4曲の内、「Be The One」は、
「仮面ライダービルド」の主題歌として9月から放送されており、
「proud of you」は、9/11にPS4のゲーム「仮面ライダークライマックスファイターズ」のテーマソングに決定しています
番組制作や企画の都合を考えれば、両曲は7月には作られていたと考えるべきでしょう
つまり小室さんの8月の入院以前には出来上がっていたと見られます


以上2曲と「Shining Star」はバージョン違いながら、
9/16「ULTRA JAPAN」で披露されました
(なおライブ前半部分の曲は商品化されなかった模様)
さらに17分の大作「Aerodynamics」は、
11/5「MUTEK.JP」で演奏されたそうです


ということは、今回収録された4曲は、
少なくとも核の部分(小室さん担当)は10月までには出来上がっていたもので、
11月以後には1曲もできていなかったことになります
11月の時点ではあと6曲作って10曲とする見積もりだったのが、
実際には1曲もできなかったわけです
小室さん、9・10月よりも11・12月は状態が悪化していたのではないでしょうか
あるいは小室さんが引退を決意するほど自信を喪失したのは、
PANDORAの楽曲制作の不調も大きかったのかもしれません


もしもそうだとすると、浅倉さんも本当につらかったと思います
小室さんを30年も敬愛し続けてきただけに…
おそらく浅倉さんにとって小室さんとのユニット結成は、
プレッシャーながら、光栄でもあったはずです
しかし実際には小室さんのスランプの場に立ち会い続け、
小室さんの最後のライブ(現時点では)を共演者として見届けなければいけなかったのです
access25周年の真っ最中なのに、心も乱されたのではないでしょうか


現時点で明らかにされている残りの小室さんの活動は、
テレビ番組「ラストアイドル season2」でのアイドルプロデュース企画です
5つのアイドルユニットが、
それぞれ秋元康・指原莉乃・小室哲哉・つんく♂・織田哲郎のプロデュースを受け、
毎週2組ずつ出演して勝負するというものです


番組内では5ユニットの総当たり戦が行なわれますから、
全部で10試合(10週)行なわれることになります
試合は1月末開始なので、多分3月まで放送されるのでしょう
最終的には5ユニットの曲を入れたCDをリリースし、
優勝曲がCD表題曲になるそうです


小室さんはseason1で「究極のアイドルユニット」に選ばれたラストアイドルを担当しており、
優遇されている印象です
小室さんは「風よ吹け!」という曲を作りましたが、
ラストアイドルはすでにこの曲で2戦2勝しています
個人的には、曲にはいろいろとひねりを入れてあるけれど、
メンバーの声質や歌唱力を考慮しないせいで、
とても気持ち悪くなってしまった気がします
まあ出来はともかく、結末はすでにシナリオがあるんでしょうけどね


小室さんの話題としてはもう一つ、
ソロアルバムのリリースの情報があります
一時期3/28「JOBS#2」なるアルバムがリリースされるという情報が、
一部の通販サイトに出ていました
通常盤は3000円、初回限定盤はBlu-ray付きで5800円とのことでした


仮にこれが本当に出るとすれば、
「JOBS#1」の続編ということで、
これまで作ってきた曲の寄せ集め音源集となるのでしょう
「Internet for Everyone」「Good Click Creates Good Music!」「One Love」や、
ソロライブ音源を収録したものという感じでしょうか


あ、そういえばもうこれが最後のチャンスだから、
2013年に埼玉に来れなかったファンのために、
「Green Days 2013」「I am (TK EDM Mix)」をいい加減に一般発売してあげて下さい…


あと小室さんのお仕事ではないのですが、
音楽座が3/24、東京の芹ケ沢スタジオで、
「マドモアゼル・モーツァルト」「21C:マドモアゼル モーツァルト」コンサート形式で再演するとのことです
(小室さんの曲を使うのは「マドモアゼル・モーツァルト」だけ)
よく分かりませんが、ミュージカル中の曲の部分だけを切り取って上演するのでしょうか


これは小室さん引退直後のタイミングですが、
さすがに小室会見からすぐに企画したものではなく、
以前から企画していたところに会見が来てしまったのでしょう
しかし2008年も、「マドモアゼル・モーツァルト」を再演しようとした矢先に詐欺事件での逮捕があり、
公演のスポンサーが下りてしまったということもありましたが、
このミュージカルは何か呪いでもかかっているのでしょうか


あとおまけ
KEIKOさんの病気、小室さんの引退により、
globeで一人だけ残ることになったMarc Pantherさんは、
「GLOBE-GENERATION〜灯火を消さない〜」と題するwebsiteを立ち上げ
全国47都道府県でDJ&トークライブツアーを行なう計画を立てています


さて、ここまでひたすら小室さんおよびその周りの話でしたが、
最後にウツの今年に入ってからの動向も書きましょう
(木根さんは特に無し)


もうずいぶん前になりますが、
ウツのディナーショーがあった12/29、新情報が出ました
まず「T.UTU Phoenix Tour 2017 ξIdiosξ」のBlu-rayが出るそうです
今はFC盤のみの情報ですが、そのうち一般販売分の情報も出る予定です


さらに4/4〜5/29、「「それゆけ歌酔曲」ξIdiosξ」の開催が決まりました
「ξIdiosξ」、スタッフお気に入りなんですね
私はあまり良いと思わないんですが…
なんだかξで表される還暦記念の行事は、
今年10月のウツ誕生日まで続くらしいです


あと「歌酔曲」シリーズ、毎回バンド形式のツアーよりも本数多いんですよね
バンド形式の方がメインかと思い込んでいましたが、
実はすでにこっちの方がメインになっている感があります
近いうちにツアーはこっちだけになるかもしれません


2/28リリースのソロ25周年記念アルバムの詳細も出ました
タイトルは「mile stone」で、
ミニアルバム+ベストアルバム+Blu-ray+ブックレット(10800円)の他、
ミニアルバム+ベストアルバム、またはミニアルバム+DVD(各3000円)となっています


Blu-rayもしくはDVDは「Get Wild Pandemic」MVとウツインタビューが収録予定です
ミニアルバムは「Get Wild Pandemic」の他の曲については、
「未来へ」がつんく♂の曲、
「境界線を引いたのは僕だ」は尾崎亜美、
「Thanks for...」は土橋安騎夫から提供されたもので、
他に岩崎宏美「思秋期」と山本リンダ「どうにもとまらない」のカバーも収録されるとのことです


以上、すでにかなり長くなったので、今回も通常更新は見送ります
もうどうでもいいと思われていそうな感じですが、
情勢が落ち着き次第、第七部に入ります


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