2-23 メディア出演(1987年)

1986年12月下旬および1月下旬から2月上旬、ウツは一人で地方局を回っていた
前者はツアー「Fanks! Bang The Gong」のチケット発売の宣伝、
後者は新曲「Self Control」のプロモーションである


小室は2月上旬までレコーディングとソロイベント「Super DX Formation」があったため、
同行できなかったと考えられる
本来レコーディングは12/10で終えて3人でプロモーションを行なう予定だったのだろうが、
アルバムのレコーディングが長引いたのと「Get Wild」の制作が決まったため、
小室が動けなくなってしまったのだろう
しかしトークが苦手なウツだけにするよりは、木根も連れていけばいいのに…と思う


その後TM NETWORKは1987年2月中旬、
「Fanks! Bang The Gong」のリハーサルを行ない、
2/21頃からはアルバム「Self Control」とツアーのプロモーションのため、集中的にTVに出演した
地方局出演に積極的だった最後の時期であり、
また人気も出てきたため扱いも大きいものが多い
ただし地方局ではあまり歌っていない


この頃のメンバーの風貌は黒のスーツが多い
ウツはまた髪が伸びてきた
小室も髪が長くなっており、ストレートに整えている
小室はこの頃から「humansystem」の頃まで、
多少の変動はありつつも、ストレートにしていることが多い
「Resistance」のジャケットがもっともイメージしやすいだろうか
個人的には、正直言ってオタクくさくてあまり好きな風貌ではない


この頃TVでよく話題にされたのは、コンピュータである
使用していないシンセも含め、
スタジオにシンセタワーを作り演奏した
レコンポーザを動かしているPC-98のモニタを目立つところに起き、
コンピュータを強調することも、1986年と同様に行なっていた
その場でサンプリングボイスを披露することもあった


テレビの露出が増え始めていた時期、
初めて見た者にはインパクトが強かっただろう
これがTM NETWORKのイメージを以後大きく規定することになるが、
少なくとも多くの人々にその存在を印象付けるという点では成功していたと思う


この頃のTV出演で、
演奏を行なったものに関して、以下に列挙する

・1987/2/21「5時SATマガジン」(名古屋)
 「Self Control」
・1987/2/25「夜のヒットスタジオDX」(フジテレビ)
 「Self Control」
・1987/2/27「オールナイトフジ」(フジテレビ)
 「Maria Club」「Come on Let's Dance」「Self Control」
・1987/3/19「POPS探偵団」(テレビ東京)
 「Come on Let's Dance」「Self Control」


この中で特にメンバーがよく触れるのは、
「夜のヒットスタジオDX」に出演したことである
全国枠のメジャー音楽番組出演は初めてであるが、
5月・6月には「Get Wild」「Music Station」「ザ・ベストテン」に初出演しており、
この頃を境にTMは、TV出演の面でもメジャーになってくる


小室によれば、この頃BOOWYが「夜のヒットスタジオDX」に出演したため(1986年3~12月に3回出演)、
対抗して出演したものだという
TMは1986年頃までメジャー番組を避けるという了解があったようだが、
この頃からメジャー志向が強まっていく
「Self Control」でFUNKからPOPSに路線を変えたのも、
同じ流れと言えるだろう


同番組への出演は影響が大きく、
翌日には1万枚以上の注文が入ったと言う
翌日とはアルバム「Self Control」のリリース日であり、
実際には店頭での売り切れによるものかもしれないが、
(実際に多くの店舗で売切が相次いだと言う)
それにしてもTM3人がデビュー3年目にして、
ようやくブレイクを迎えたことの実感を感じさせるTV出演だったのだろう


この頃はライブとは違うTV用アレンジで演奏されることが多い
「Come on Let's Dance」では、
「你好(ニーハオ)」「我愛你(ウォアイニー)」「你要什麼?(ニーヤオシェンマ)」など、
中国語サンプリングボイスを使っている
これは「Fanks! Bang The Gong」では同曲には使われなかったが、
「Bang The Gong」で使われている
派手なイントロ・アウトロはライブバージョンであり、
貴重な映像である


「Self Cotrol」は、
ディレイ処理をした「Self Control」のサンプリングボイスが入るが、
これはライブでは用いられていないものである
一方でライブで入る女性の「Self Control」のサンプリングボイスは用いられない


「オールナイトフジ」「Maria Club」の映像も貴重である
この曲は一般には「Fanks Cry-Max」のライブ映像が知られているが、
それはロングバージョンとなっている
それに対して「オールナイトフジ」のバージョンは、
「Fanks! Bang The Gong」に近いアレンジである
(この点では後述の「LIVE TOMATO」の映像も同様)


サンプリングボイスやステージを左右に動くフリ、アウトロなども、
ライブと同様である
ただしサポートメンバーが前後に並んでウネウネ動く、
ライブの名物パフォーマンスはない
ウツは最初立ち尽くしたまま真上を向き、
イントロが進むと前を向き動き出すというパフォーマンスを取る


以上が2~3月のTV出演だが、
4~6月にもTV出演している
「Get Wild」のプロモーションのためだが、
大ヒットを受けてメジャーな番組をほぼ制覇しており、
一般にはこの頃のイメージがかなり強いと思われる
演奏したもののみ以下に挙げる


・1987/4/15「夜のヒットスタジオDX」(フジテレビ)
 「Get Wild」
・1987/5/8「Music Station」(テレビ朝日)
 「Get Wild」
・1987/6/4「ザ・ベストテン」(TBS)
 「Get Wild」(スポットライト、15位)
・1987/6/17「夜のヒットスタジオDX」(フジテレビ)
 「Get Wild」


衣装は場合によって変わるが、
ウツは黒系の服が、小室は白のスーツが多い
木根は黒の時が多いが、白のチョッキを羽織る場合もあった
いずれにしろ白・黒系の色を基調にしていた
小室の髪型は少しラフなものに変わっている
この頃、ウツはクールなキャラ作りを目指したようで、
サングラスを下にずらして掛け、
トークでも無表情で無口な雰囲気を作っていた
「ポップチャンネル」「白島北町音楽倶楽部」など)


アピールポイントは、この時点でもコンピュータだった
特に「ザ・ベストテン」司会の黒柳徹子は、
TMの機材の印象がよほど強かったようで、
今でもTMと言うと「大荷物」と言う
6/17の「夜のヒットスタジオDX」では、
サンプラーを駆使して村田英雄の曲のリミックスバージョンを作り、
村田本人が微妙な顔をして聞くという場面もあった





アレンジについては、
ライブでも「Get Wild」があまりいじられていなかった時期ということもあり、
それほど目立つところはない
いずれも時間制限の厳しいメジャー番組のため、
凝ったアレンジも入れづらかったためと考えられる


あえて挙げるとすれば、最後にウツが「Get Wild and Tough」と言って、
シンセソロで終わるところくらいだろう
「ザ・ベストテン」では、
曲が電子ピアノの自動演奏で始まるという演出もあった
イントロの最初ではウツ・木根が横を向いて直立し、
ギター・ドラムが入るとウツが「Maria Club」のウネウネのフリを入れた
あるいは「Get Wild」PVで、
イントロの部分に「Maria Club」のウネウネダンスの様子を収めていることが意識されているのだろうか


なおこの頃から、TV演奏ではカラオケの当てフリが多くなる
失敗が許されない生放送番組が多くなるためだろう
アレンジの面白みがなくなるのは、このことも影響している


「ザ・ベストテン」「Get Wild」で歌詞がボロボロだったのは、
1988年の「紅白歌合戦」「Come On Everybody」と並んでよく取り上げられる
ただ小室としては、MIDI接続でシンセを動かしたことが印象に残っているらしい
これはおそらくイントロとアウトロで、
MIDIコントロールされた機材でグランドピアノを自動演奏したことを言っているのだろうが、
(これ以外のシーンで流れたオケはおそらくテープ)
失敗の可能性が高かったが奇跡的にトラブル無くできたという
(貴重な舞台でそんな実験をするのはどうかとも思うが)


ちなみに「Get Wild」「ザ・ベストテン」では6/4にスポットライトで登場し、
6/25に10位でベストテン入りした
(この時は6/24の「Fanks Cry-Max」の映像を放映した)
最終的には6位まで上がり、7/23までベストテン入りしていた
実に4/8発売の3ヶ月半後のことである


以上の他、取り上げるべきものがもう一つある
1987/3/12にTV神奈川「LIVE TOMATO」で放送されたミニライブである
「LIVE TOMATO」は毎週45分枠でライブを放送する番組である
TMは他に1988/3/10にも同番組に出演している
この番組で放送された映像を編集したDVDは、
「ライブ帝国」というシリーズで発売が始まったが、
何本か発売してストップしてしまい、TMライブは商品化されなかった


私は当時これを大変残念に思っていたが、その後TM30周年に当たり、
2015/3/31発売の「TIMEMACHINE BOX」にDVDが収録された
これは完全受注販売だったので、現在は入手が困難だが、
30周年に当たり発売された過去の映像・音源関係で、圧倒的に価値の高い商品だった


ただし1988年に放送された5曲はすべて収録されているが、
1987年放送の「Come on Let's Dance」「You Can Dance」はカットされた
またトークもカットされている
ただし一部をカットする方針は「ライブ帝国」シリーズでも同様であり、
おそらく「TIMEMACHINE BOX」の編集の問題ではないのだろう


ライブは3/10開始の「Fanks! Bang The Gong」よりも早く、3/1に収録された
その意味でも貴重な映像である
2月のツアーリハーサルを経た上でのライブであり、
だいたい「Fanks! Bang The Gong」に近いアレンジで演奏されている
情報の少ないこの頃のライブパフォーマンスを知るためにも、最適の映像と言えるだろう


欲を言えば、ツアーのシンセタワー中心の配置を再現して欲しかったが、
これは仕方ないだろう
(中心にドラム、左に小室のシンセタワー、右に木根)
衣装はこの頃のTV出演時に使用した黒のスーツである


一曲目「Maria Club」は、
「Fanks! Bang The Gong」のアレンジである
ウネウネダンスこそないが、
ウツのハイテンションな動きは見モノである
「Rainbow Rainbow」も、当時のFANKSアレンジである
会場の盛り上がりがよく伝わってくる
日詰や松本も楽しそうだ


次! 次! 次がすごい!
これもう、絶対に他では見らんないよ
「Spanish Blue」
この曲でウツが直立で歌っていたことが分かる
歌の間はバラードの時と同様、手をポケットに入れている
もちろん最後にはポケットから手を出し、あの手拍子をやる
最初は両手を上に上げ会場にもやるように煽る


番組ではここで平山雄一のインタビューが入る
小室の機材ウンチクと、Fence of Defenseの宣伝が聞ける
また3/15の「Fanks Cry-Max」のチケット発売の宣伝もされている
3/12に放送されたのもこのためだろう


ライブ後半戦は、定番曲が続く
「Come on Let's Dance」はFANKSアレンジである
長いアウトロでは木根・松本・日詰が前面に出る
アウトロに「Harlie Good-Bye」のフレーズが入っているアレンジだが、
「Fanks! Bang The Gong」以前の収録であることを考えると、
実はこのアレンジで演奏された最初の演奏ということになる
(ただしこの曲は残念ながらDVDではカットされている)
また間奏では、TVで使われた中国語サンプリングボイスが入る
(ツアーでは使われていない)


次いで「You Can Dance」
イントロではウツが花道に走りこみ、会場を盛り上げる
最後の「Self Cotrol」では、
TV用のサンプリングボイスが使われている
とにかく楽しそうなライブである
「Fanks! Bang The Gong」の雰囲気もこのような感じだったのだろう

(2007/6/10執筆 2008/10/31・2010/9/22・2017/2/24・2019/8/16加筆)

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この記事へのコメント

蒼い惑星の愚か者
2009年05月23日 21:39
アップロード、いつもありがとうございます
画質良いですねー
POPS探偵団、トークとかも結構充実していましたね
LIVE TOMATO 1987はなぜかネットに上がりませんね

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