3-2 Seven Days War (Single)

3月の紙ジャケットCDに続き、今年のSONY商法第二段です

TM NETWORK | GIFT FOR FANKS
価格: \3,000[税込]
発売日:2007/11/21 1枚[組]
商品番号:MHCL-1218/9
レーベル:Sony Music Direct

1987年リリースの初期ベストセれクションアルバム「GIFT FORFANKS」を、リマスタリング・ボーナスDVD付で待望の復刻!CDは全曲リマスタリング、DVDには「Get Wild」「Self Control」のビデオクリップを収録。

http://www.shinseido.co.jp/cgi-bin/WebObjects/Catalog.woa/wa/detail?r=MHCL-1218%2F9


LPで発売されなかった「Gift for Fanks」は紙ジャケシリーズに入れられなかったから、
DVDと抱き合わせ販売で付加価値をつけようということですね
レア映像でもなんでもないので、ファンにはまったくうまみのない商品ですが、
どれくらい売れることやら
まあアルバム自体は悪くないので、
これからの入門編として一枚持っておきたい方にはお勧めします
さて、今日の本題に入ります


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小室のロンドン移住後、最初のTM NETWORKの作品は、
1988/7/21発売のシングル「Seven Days War」となる
ジャケットは真っ黒の背景に一つ目の太陽の絵が中央にあるだけで、
メンバーの写真はない
かなり異色のデザインである
またこのシングルから、
「Kiss You」以来使われた「TM NETWÖRK」のロゴは用いられなくなる





このシングルは知名度も高く、
この点では「Get Wild」「Beyond The Time」に次ぐと思われる
だがTMの定期的な活動の一環で発表されたものではなく、
角川映画「ぼくらの七日間戦争」の主題歌として作られたもので、
TMの中ではかなり特殊な位置にある楽曲である
カップリング曲は新曲「Girlfriend」だったが、
これも「ぼくらの七日間戦争」の挿入歌である


映画主題歌という点では、前作「Beyond The Time」も同じだが、
「Beyond The Time」は明らかに「humansystem」の延長の音だった
それに対して「Seven Days War」は、
「humansystem」の延長ではないが、
さりとて新コンセプトT-Mue-Needsの実践というわけでもない
実際にその点はまったく主張されなかった


つまり「Seven Days War」は、
「Beyond The Time」「CAROL」の間で、
明らかに浮いている存在である
小室は「CAROL」の前段階としてミュージカル的要素があると語っているが、
サウンド的には「CAROL」とあまり共通性はない


そのように考えるとこのシングルの性格は、
やはり「映画主題歌」としかいえないだろう
この時期をあえて位置づければ、
映画サントラと合わせて「Seven Days War」期と言うしかない


シングルのレコーディングは1988/5/6~18に行なわれた
小室渡英の直後のことであり、
新たな人脈や海外での経験などはほとんどないに等しい
小室のロンドン生活はこのシングルから始まり、
さらに「ぼくらの七日間戦争」サントラ作成と、
当初から仕事三昧の日々だった
ただ曲は渡英前に日本で作ってあったという


曲はシングルとしては「Girl」以来二作目のバラードである
しかもTMらしい特殊な音作りをしているわけではない
TM名物の長いイントロも自己主張するシーケンサもなく、
冒頭からボーカルが始まるシンプルな構造である
TMのシングルにこうした曲はあまりなく、逆に新鮮とも言える


サビはSPEEDWAY時代の未発表曲「Long Many Time Ago」を元にしている
ただし原曲はバラードではなく、むしろ盛り上げ曲であり、
それをこの時にバラードに作り直したものである
小室は当時、SPEEDWAY時代からという意味で、
「長い時間かかってやっと完成した曲」と言っている
なおボーカル始まりにしたのはThe Beatles「Hey Jude」をイメージしたもので、
せっかくイギリスに来たから、ということである


チャートでは初登場5位で
「Kiss You」「Beyond The Time」の4位には及ばなかったが、
映画自体のヒットもあり次第に順位を上げ、初の3位を記録した
「Beyond The Time」以上のロングヒットとなり、
9月までベスト5に6週、ベスト10に7週、
ベスト20に11週ランクインした


もっともこれは、新曲の少ない夏に発売したという事情もあった
売上では「Beyond The Time」にわずかに及ばない
(22万にわずかに届かず)
1988年の年間36位


この曲を主題歌とした映画「ぼくらの七日間戦争」の内容は、
校則の厳しい学校に反発した中学生たちが廃工場に立てこもり、
一週間(seven days)教師・親など大人たちに反抗するというものである
宗田理の同名小説(1985年)を原作としている
宮沢りえ(当時15歳)主演第一作としても知られる
小室と宮沢りえの縁もここからである


この作品が作られた背景には、
校則がしばしば社会問題化した当時の状況を反映している
そして校則で管理する学校に抵抗する子供たちという、
いかにも10代の若者受けするストーリーだった
(当時はあざとすぎるようにも思ったが)


また角川映画の常として、TVで大量のCMを流したために、
CMで「Seven Days War」が耳に入るという効果を生んだ
なお1991年には続編の映画として、
「ぼくらの七日間戦争2」も公開されたが、
あまり良い評価は聞かない(主題歌はBBクイーンズ)


「Seven Days War」の歌詞はいつも通り小室みつ子だが、
「Get Wild」「Beyond The Time」以上に、
主題歌として映画の内容に沿った内容になっている
上記の映画のストーリーと以下の歌詞を照らし合わせてほしい

“Revolution” ノートに書きとめた言葉
明日をさえぎる壁 乗り越えてゆくこと
割れたガラスの破片 机の上のナイフの傷
理由を話せないまま 閉ざされたドア叩いていた
すべてを壊すのではなく 何かを捜したいだけ
すべてに背くのではなく 自分で選びたいだけ
Seven days war闘うよ 僕たちの場所この手でつかむまで
Seven days war Get place to live ただ素直に生きるために


一方的に理屈を押し付ける大人たちに反逆する子供が主人公であり、
まさしく「ぼくらの七日間戦争」のテーマソングである
FANKS期のTMの歌詞も世界観は共通しており、
その点で小室みつ子も歌詞を作りやすかっただろうが、
当時の中高生にとっても受け入れやすかったものと思われる


これまでTMが主題歌などを担当した例としては、
「吸血鬼ハンターD」「Your Song」
「City Hunter」「Get Wild」
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」「Beyond The Time」があるが、
「Resistance」は曲が出来てからタイアップが決まったから除外)
これらはファンタジー、ハードボイルド、SFと、
どれも非現実的な世界を舞台としたものだった
そしてその世界観が、
特に「humansystem」期のTMのイメージでもあった


それに対して「ぼくらの七日間戦争」は、
普通の中学生を主人公とした物語であり、その点で少し事情が違った
「Seven Days War」はシンプルなバラードであり、
その点でTMのシングル曲としては珍しいが、
それは普通の中学生が主人公というコンセプトが大きかったのだろう


正直に言って「Seven Days War」は、
TMではなくても歌える曲だとは思う
だがTMでこういう曲を歌うチャンスは、この機会しかなかったともいえる
分かりやすい歌詞・曲であることもあり、
「Seven Days War」は現在まで、
TMの代表曲として高い知名度を誇っている


ただし逆にこの曲や「Self Control」のイメージのため、
TM=10代向けの音楽という評価が定着してしまい、
ファン層の固定化に結びついてしまったという側面もあった
1990年のリニューアル以降、
小室がTMを意識的に小室みつ子から自立させようとするのも、
おそらく新たな活動をするためには、
このイメージを払拭する必要があったからであろう


個人的にこの曲は、昔はあまり好きではなかったが、
後にこれもありだと思うようになった
Aメロ→Bメロと少しずつ音が増えていくが、
サビではまたボーカルを聞かせる控えめな音になる
気持ちよい間奏とコーラスを挟み、
サビの繰り返しで盛り上がった後で、
最後にまた音数を減らして、
ウツの「ただ素直に生きるために」で終わらせる
全体の統一性という点で、よく計算された作りである
現在まで一般の人の間でも人気が高いのはうなづける


この曲でよく挙げられるのは、
ラストの「ラーラー」のコーラスである
ロンドン在住の日本人中学生20人によるものである(3回重ねて60声)
記念ライブでこの曲がしばしば歌われるのは、
この部分をファンと一緒に歌うことができることも大きい
「TMN 4001 Days Groove」「Double Decade Tour Final」など)
ただしこのコーラスは、
「CAROL」収録の「Four Pieces Band Mix」では削られている


カップリングの「Girlfriend」にも触れておこう
作曲は木根尚登である
アウトロのピアノも木根だが、ここは自分としては結構好きだ
木根はこの曲を8時間ピアノの前に座り、苦しみながら作ったという
ただしこのエピソードはロンドンのこととして語られることがあるが、
実は日本のJAK STUDIOでのことである
木根は東京で曲を作ってから渡英し、
ロンドンでのレコーディングに臨んだのである


木根単独で作曲した曲がシングルに収録されるのは、
1984年の「パノラマジック」と1988年の「Come Back To Asia」以来3度目である
(それぞれ「1974」「Resistance」のカップリング)
なお本作はカップリングに新曲が入ったシングルという点でも珍しい
同様の例は1986年の「Come on Let's Dance」以来となる
(カップリングに「You Can Dance」


曲調は「Seven Days War」と並んでバラードである
木根バラの中でも人気が高い曲である
小室は当時これを名曲と評し(木根曲で一番好きとのこと)、
「僕からでは出ないメロディ」と言っている
宮沢りえも当時、「Seven Days War」よりこちらが好きと言っていた
ただウツは、テンポが遅く雰囲気出すのが難しかったため、
レコーディングでは歌いづらかったと言っている


この曲は1993年の「Classix 2」まで、TMのアルバムには収録されず、
「Seven Days War」シングルの商品的価値を高めていた
ただしTMに限らなければ、
小室のサントラ「Seven Days War」にも収録される
このサントラには、「Girlfriend」のインストも収録されている


歌詞はやはり小室みつ子である
女友達のことを見守る男性の気持ちを歌ったものである
宮沢りえの長い髪と芯のあるイメージから作詞したという
個人的には、サビの声が少しエコー処理されているのが良い

You're my girlfriend  くじけない君を僕は自慢にしているよ
Don't cry my friend  誰にもそまらず君は君だから


「Seven Days War」「Girlfriend」は、
当時はライブであまり演奏されなかった
「Seven Days War」が演奏されたのは、
1992年以前では「STARCAMP TOKYO」「CAROL Tour」だけである
「Tour TMN EXPO」のフォークパビリオン除く)


ただ終了直前(1993年)からたびたび演奏されるようになった
特に2014年「Quit30」ではライブのオープニングSEとして使われ、
2015年「Quit30 Huge Data」では同様の演出を伴いつつ演奏されるなど、
存在感を増すようになった曲である


一方「Girlfriend」は、
「STARCAMP TOKYO」で一度演奏されて以来、
長くセットリストから外され続けた
「Tour TMN EXPO」のフォークパビリオンを除けば、
この曲が二回目に演奏されたのは、
実に2008年の「SPEEDWAY and TK Hits!」のことである
(それ以後は2015年まで演奏例なし)
ただし木根はソロライブで頻繁に演奏しており、
tribute LIVEでも、2005年の「Spin Off from TM」で演奏された


なお「Seven Days War」は、
2002年World Cup Korea/Japanの日本代表サポーターチームULTRAS名義で、
「ULTRAS 2002」というアルバムがリリースされた時、
「Eleven Hearts War」というタイトルでリミックスされて収録された
(トホホ…)
小室が関わっているわけでもないし、実際に聞くほどの価値もないが、
(メインで関わっていたのは、当時小室と組んでいたDJ dragon)
一応豆知識として挙げておく


また小室哲哉が作曲した2010/9/22リリースの浜崎あゆみのシングル「crossroad」には、
「Seven Days War」がカップリングに入っている(インストも含め2トラック)
さらに浜崎の次のシングル「L」(2010/9/29リリース)は、
カップリングが異なる多くの盤が存在するが、
その中には「Seven Days War (Orchestra version)」や、
「Seven Days War (TK Accoustic Piano version)」を収めたものがある


本曲カバー後の浜崎は曲名にちなんで、
7日間のアリーナツアー「Rock'n' Roll Circus Tour FINAL -7days Special-」を開催し、
ラストに「Seven Days War」を歌った
ライブ音源はボーナストラックとして、アルバム「Love songs」限定版に収録されている

(2007/10/12執筆 2008/12/2・2011/1/28・2017/6/26加筆)

SEVEN DAYS WAR
エピックレコードジャパン
1988-07-21
TM NETWORK
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この記事へのコメント

haru
2021年01月06日 15:41
 本格的にTMファンとなり、初めてリリースと同時に購入した「SEVEN DAYS WAR」。さらに小室さんがロンドンに移住してから初めて届けられた楽曲、ということもありホントにワクワクしていました。

 まず通して聴いてみて、”ザ・TM”という曲調ではなかったけれど2曲ともいい歌だなと感じました。ただ私の周りの男子はTMにより興味を持った人、離れていった人が半々でした。(子供の声がイヤ、という人も…。)

 「SEVEN DAYS WAR」は個人的には中2の”8月”を思い出します。当時吹奏楽部に所属していた私は夏休みに入ってからも県大会に向けて朝から夕方まで部活漬けの日々。結局中国大会には進めず部活は終わりホッと一息できた頃、東京ドーム公演のために一時帰国していたTMが連日歌番組に出演していたので、ここでじっくり「SEVEN DAYS WAR」の演奏を堪能することが出来ました。

 ちなみに映画「ぼくらの七日間戦争」は翌年TVで放送されたのを見ました。が、十代向けのストーリーのはずなのに私には刺さらなかったなぁ…。

 ただ「GIRLFRIEND」が使われた場面だけは覚えています。もちろん分かり易い場面だし、それだけに楽曲を作るのが難しかったと察しますが、期待に充分応えたTM屈指の名曲だと思います。(劇中で使われた小室曲も良かったんだけど、その映像が思い出せない…。)

 ここで一つ指摘を。木根曲がシングルに収録されたのはこの年の元旦にリリースした、「Resistance」のカップリングに選ばれた「Come Back to Asia」があるので通算3曲目、ということになりますね。

 TMが再びロンドンに向かった後の私は、早くニューアルバムの情報が出ないかなとソワソワしながら二学期を過ごす日々でした。中学校生活自体はホントに嫌だったので、それだけが唯一の楽しみだったなぁ…。
青い惑星の愚か者
2021年01月17日 00:11
実は私は、当時あんまりうれしくなかった派でした。
Beyondの次はノリノリなのが来ると思っていたので。
でも良い曲ですよね。
TMがとても盛り上がっていた時期という印象もあります。

木根曲のシングル収録に関するご指摘、まったくその通りでした。うっかりしていました。
実はこれ書いた当時、Come Back~を小室曲と思い込んでいたんですよ。
human~の記事も後で書き換えたと思います。
こちらも直しておきます。ありがとうございました。

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