7-17 NETWORK -Easy Listening-

7/2、Biglobeがブログの仕様を変更したようで、
見た目も少し変わりました
正直このままで良いのか判断が付きかねているので、
しばらく様子を見て、違和感がぬぐえないようだったら、
また微調整いたします


サイドバーが強制的に直されてしまい、
また手直ししたいのですが、
どうやればいいのかよくわからず…
その他不具合があっても、
しばらく放置せざるを得ないかもしれません
ちなみにテーマ別記事一覧や最近のコメントは、
サイドバーの一番下に移されました


今回の仕様変更でアクセスカウンターがなくなりました
少し前まで使っていた他業者のカウンターも止まってしまいましたが、
今はカウンターははやらないんでしょうか
別に私もそんなこだわっていたわけではないので、
これにてカウンターは終わりにしようと思います


また気持ち玉がしばらくなくなるそうです
(そのうち復活するとのことですが)
いつも気持ち玉をくださっていた方々、
しばしご迷惑をおかけします


ウェブリブログ自体、
いつまで続くのか心配にもなってきましたが、
今しばらくは継続していこうと思います
字数制限の緩和とか、悪いことばかりでもないようですし


最近新たにまとまった情報提供を受けたので、
時間を見つけて初期記事の一部を手直ししています
まだ一部しかできていませんが、進み次第進捗状況を報告します


以下近況について
Blu-ray BOX「TM NETWORK THE VIDEOS」について、
前回取り上げ忘れたのですが、
「Dragon The Festival Tour」のディスクに、
チャプター設定のミスがあったそうで、
SONYが郵送によるディスク交換を受け付けています
期限は今年12月までです


BOXのリリースを受けて、
ナタリーでウツのインタビューが掲載されました
前回のGYAO!のインタビューに続いて2回目です
ウツは当時、FANKSがどれくらいいるか実感できなかったけれど、
後になって影響力の大きさを感じるようになったと言っています
たしかに90~00年代て、
TMの影響が過小評価されていた印象があります


さて、これまで今年上半期は、
「劇場版シティハンター」「final live LAST GROOVE」上映会、「TM NETWORK THE VIDEOS」と、
2019年は過去のTMにちなんだ企画が次々と発表されてきました


それももう終わりかなと思っていたんですが、
ここに来てまた一つの話題が投下されました
今年は「機動戦士ガンダム」の40周年に当たりますが、
去年から関連企画を行なうことが発表されていました
そしてそのプロジェクトコンセプトは「BEYOND」でした


ガンダムで「BEYOND」といえば、
「逆襲のシャア」のエンディングテーマ「Beyond The Time」が、
ただちに想起されます
私も「ふーん、TMが動いてたら「Beyond The Time」も絡んだんだろうなあ」とは思っていましたが、
どうにもなるはずもないので、
この話題については特に触れることもなく放置していました
ところがここに来て、微妙にTMが絡む話題が出てきました


40周年企画の目玉は、
オリジナルのガンダムのプロローグに当たる「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のアニメ化でした
こちらは全13話で、4月末から7月まで放送の予定です
オープニング・エンディングテーマの担当はLuna SeaのSUGIZOさんで、
オープニングはこれまで第1弾(1~4話)・第2弾(5~8話)ともLuna Seaの新曲でした


6/24放送の第9話からのオープニングテーマもLuna Seaですが、
その曲は意外にもTM「Beyond The Time」カバーでした
「劇場版シティハンター」と同じサンライズの制作であることも関係しているのかもしれません
それにしてもTMとLuna Seaが絡むなんて、昔なら想像もできませんでした
たぶん「THE ORIGIN」楽曲は、今後まとめられてCDでリリースされると思います


また8/7には、森口博子さんのガンダムカバーアルバム「GUNDAM SONG COVERS」リリースされます
もちろん「Beyond The Time」も収録されます
森口さん、昔ライブでウツ・木根さんと一緒にこの曲を歌ったこともあるんですよね


TM35周年に向けて、周到な準備がされていたんだなと思うと、
嬉しさの反面、残念さもぬぐえません
こんな良いタイミング、もうあり得ませんよね…


ちなみに「ぼくらの七日間戦争」のアニメ版も、今年12月に公開予定とのことです
まあこちらはTMの「Seven Days War」が使われるとの情報は出ていませんが、
TMが活動していたら、何らかの絡みはあっただろうと思います


ウツは「それゆけ!!歌謡曲~ギア4 one~」が6/25赤坂BLITZ公演を以て千秋楽を迎えました
この日のライブは、当日ニコニコ生放送で配信されています
(その前には去年の「Tour Thanatos」の編集版も配信されました)


これに先立つ6/14には、9/22~11/10の全国ツアーも発表されました
サポートは去年の「Tour Thanatos」と同じくギター1人+キーボード3人の編成で、
ギターは北島健二さん、キーボードは去年と同じ土橋安騎夫さん・浅倉大介さん・nishi-kenさんです
去年と同様の小室曲を多く含むセットリストになるのでしょうか


そしてツアータイトルは「Dragon The Carnival」です
これは「TM NETWORK THE VIDEOS」に収録された「Dragon The Festival Tour」を意識しているのでしょうか
だとすると「Dragon The Festival」なども演奏するかもしれません
あとはソロ曲から「カーニバルの騎士たち」でもやるのかな?


木根さんは「2626ツアー」が始まりました
ツアーでは会場限定CD「R1」を販売しているそうです
劇団こどもみかんで一緒に活動している吉田ゐさおさんの企画・プロデュースで、
「木根尚登 遊ビートシリーズ」の第1弾とのことです
新曲「傘がさせない」「君が生まれた日」の他、
TMの「Get Wild」「8月の長い夜」のカバーも収録されているそうです


BOXリリースが終わり、近況整理は落ち着くかと思ったのですが、
意外と話題が途切れませんね(結構負担)
では本題に入ります

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アルバム「NETWORK~Easy Listening~」は、
2004/3/24にリリースされた
当時は「待望のオリジナル・フルレングス・アルバム完成!!」と宣伝された
「フルレングス」がアピールポイントになっていたことは、
この頃のTMの活動の低調さを物語っている
ただTM NETWORKはR&C移籍後2年にして、
ようやく初の新作アルバムリリースを実現したことになる


本作は初回限定版に限り、
見る方向で絵が変わるチェンジングジャケットが導入された
私は初回限定版以外に見たことがないが、そうでない版もあるようで、
そこではチェンジングジャケットが使われていないらしい
(GAUZE氏提供情報)


ジャケットには横3枚・縦2枚、合計6枚の写真があるが、
これを傾けると、それぞれ別の写真になる
またジャケットの裏側にも、同じ形で6枚の写真が載せられているが、
そのうちの4枚は表面の変化後の写真と同じものである

7-17.jpg
右が表面(通常)、左が裏面


表左上の老夫婦の写真は、傾けると夫が白くなって見えなくなる仕様で、
さらにこれに対応する裏の写真は結婚式の写真となっている
これは結婚から死別に至る夫婦の一生を表現したものと考えられる
このようにジャケットの写真には、それぞれ意味が与えられているようだ


右上は象の写真だが、傾けるとTM3人の写真になる
(なおこれは2004/2/5小室自宅で撮影したもの)
これはあるいは歌詞に象が登場する「Take it to the lucky」に対応するものか
上段真ん中の写真はスクラップの車が積み上がっている写真で、
傾けるとハエの写真になる
これはスクラップにされる恐れがある中で努力を続けることを歌った「Screen of Life」を表現したものか
ならば老夫婦は、男女の日常と別れを扱った木根の「君がいる朝」「風のない十字路」に対応しているのかもしれない


本作はチャートでは初動12位・2.4万枚で、
最終的には3.6万枚を売った
2003年リリースの音源集「キヲクトキロク」は、
初動25位・1.4万、総合2.1万枚だったから、
さすがにこれよりは売れたことになる
TMがSONYから移籍した2000年以来、
現在までもっとも高い売り上げとなった作品である


TMの新作アルバムが10位内に入れなかったのは、
1987年の「Self Control」以後では初めての事態である
とはいえ再始動以後のアルバムはこれまで「Major Turn-Round」しかなく、
それはインディーズ盤で売り上げが不明である(チャート集計の対象外)
要するに再始動後の作品はそもそも10位以内に入っていなかった
(2012年再々始動後は入っている)


本作の収録曲は合計10曲である
その中の3曲は、「終了」以前のシングル曲のトランスミックスだった
また木根曲2曲と1年前のシングル曲「Castle in the Clouds」の合計3曲は、
Dave FordとIan Curnowによるリミックスとして収録されている
小室が本アルバムのために作ったのは、残り4曲ということになる


その内の「nuworld」はインスト、
「come closer」は準インスト曲であり、
歌モノの新曲は2曲に過ぎなかった
その中の1曲「Screen of Life」は先行シングルで発表されており、
アルバムで初めて披露されたのは「Presence」のみである
20周年の新譜に期待するファンの中には、
この内容に不満を抱く者も少なくなかった


本作に収録された楽曲は2004/1/6からレコーディングが始まり、
2月まで1カ月半程度で制作された
この期間の短さが、本来リミックスアルバムの制作のために設定されたことに起因する点は、
以前推測したところである


その推測の是非はともかくとして、
この期間では満足なオリジナルアルバムを作ることは難しかっただろう
本作は時間的制約の中で、
可能な限りの力を注いで作り上げた作品といえる


本作が会心の出来であるとは、
スタッフもメンバーも、小室自身も思っていなかっただろう
小室によれば本作のタイトル「Easy Listening」について、
イージーリスニングという音楽ジャンルは、
音楽的にはしっかりしているがあまり失敗はなく、
流しておいても恥ずかしくないし、
邪魔にもならないものであるといい、
本作もどこで流しても気持ちいいと言われることを狙ったものだと述べている


小室は一応ポジティブな言い方をしているが、
むしろここからは、自信の無さが漏れ出している
2003年初めまでの小室は、
先進的・画期的な試みによって評価を得ようという意欲を常に発していたが、
上記の説明に見る本作の方針は、
失敗を避けたいという消極的・妥協的姿勢が強く出ているように感じられる


また小室は本作で、トランスのような音をポップスに入れていく作業を行なったとし、
トランスの気持ちよさのさじ加減を考えたと言っている
小室はこれをトランシーまたはJトランスと呼んでいるが、
つまり全面的なトランスの実践ではなく、
トランスを適度にポップスに取り入れることを試みたと言うことである
具体的には「Screen of Life」を念頭に置いた発言だろうが、
この頃の小室の、トランスを前面に出すことを強調しない姿勢は見て取ることができる


これ以前、2001~02年の小室は、
トランスを日本のミュージックシーンに送り込みたいと語っていたが、
それと比べるとこの頃の小室の態度は相当妥協的である
2003年のglobe「Level 4」での失敗が尾を引いているのかもしれない


小室は「Level 4」以後の作品では、
トランスから離れる方向も見せていたが、
かと言って新しい方向性を見出していたわけでもなかった
小室はそうした迷いの中で、
TM20周年作品になかなか取り掛かることができなかったが、
最終的にはトランスの方向で行くことを選択した
しかしその選択に十分な自信はなかったため、
上記のような妥協的な発言となったのだろう


その意味で本作は、
小室が自らの迷いを払拭できないまま着手を余儀なくされた作品でもある
ともかくも形になったことを喜ぶべきか、
中途半端な作品となってしまったことを嘆くべきか、
なかなか判断は難しいものがある


ただともかく、小室が長期にわたって傾倒したトランスは、
ここでついにTM NETWORKにも導入されることになった
これは小室の音楽史の中では、トランス作品の最末期のものとなる
あえてポジティブな評価をすれば、
2001年以来の小室トランスの最終的な達成が本作だったといえよう


以下では各収録曲について言及していきたい
ただし「Take it to the lucky(金曜日のライオン)-Album Mix-」「Screen of Life -Extended Mix-」については前章で触れたので、
ここでは他の8曲について触れることにする


すでに述べたように、本作で歌モノの新作といえるのは、
先行シングル「Screen of Life」を除けば、
3曲目「Presence」のみである
曲名はLed Zeppelinのアルバムタイトルから取ったものである


この曲はイントロ無しで歌が始まる
「Seven Days War」「Winter Comes Around」「大地の物語」などの例はあるが、
TMでは珍しい作りである
少なくとも再始動後だと、
これ以外には「if you can」くらいしかない


「Presence」は本アルバムの小室曲の中で、
唯一のミディアムテンポ曲である
音はシンセが前面に出ているが、
どちらかといえば歌をじっくり聞かせる作りである


トランスのように耳に突き刺さるインパクトはないものの、
シンセの穏やかな空気は良い雰囲気だ
葛城のギターとの絡ませ方もとてもよい
この曲と「Screen of Life」を出すことができたことは、
この頃の小室の状況を考えれば、よくやったといえる


作詞は「Screen of Life」に続いて小室哲哉が行なった
アルバムに収録された小室の新曲は、
すべて小室自身が作詞している
小室は木根曲の「風のない十字路」も作詞する案があり、
後にインスト曲「nuworld」にも歌詞を付ける案があった
この頃の小室は、作曲以上に作詞に意欲的だった


「Presence」では「Screen of Life」と同様に、
歌詞に「ですます」調の文体が使われている
内容も「Screen of Life」と同様に、
社会から使い捨てにされそうな絶望感の中で、
奮い上がる気持ちを歌ったものである


この絶望感は「Screen of Life」以上に直接的で、
冒頭から「悲しかったね自分の影をだんだん…誰もがまわりが必要としなくなってた」と言っている
さらにかつて自分に向けられていたのは「たてまえの笑顔だった」とも語る
この頃の小室の下からは、知人が次々と離れていっていたのだろうか


小室はこうしたつらい現状の中で、
「私たちの国はこれからいつから何処へ進むのか走り込むのか」と言って、
日本という国への不満を語る
これは政治的な発言というよりは、
自分を取り巻く不如意な環境への絶望感を吐露している部分で、
国の戦士として戦いを強いられてきた者をスクラップとして捨て去る日本社会への不満を語る「Screen of Life」と同様の趣旨である


ここまで「Presence」「Screen of Life」とほとんど同じことを言っている
ただ形式としては、「Screen of Life」はファンの状況を語ったものであるのに対し、
「Presence」は明らかに小室が自らの状況を吐露するモノローグである
両者が同じ内容であるのは、前章で推測した通り「Screen of Life」も実質的には小室自身のことを歌ったものだからであろう


ここまでは小室がスランプに陥っていた2003年の絶望的な心情を表現したものだが、
「Screen of Life」はそれでも愛する人のために再起を図ろうとする決意を外に向けて表明する内容となっている
一方の「Presence」もこの結論は同じだが、
描かれるのは自らの決意を「愛する人」に伝えるという、より個人的な場面である
同じ決意表明でも、片やオフィシャル、片やプライベートな場面でのそれと言える


「Presence」の決意表明に当たるのは、具体的にはサビの部分である

We know the truth 独り言です
We know the pride 君と出会えて
We know the crime 素顔見せずに済んでいる
何よりも感じられる存在、PRESENCE


「君と出会えて素顔見せずに済んでいる」とあるのは、
「君」がいるおかげで外に対して本心を隠して頑張れるということだろう
その本心はAメロ・Bメロで語られた絶望感に他ならない


小室はサビに入るところで、
この絶望感を「独り言です」と言ってひっこめるのだが、
こうした愚痴を何も言わずただ聞いてくれている「君」のおかげで、
小室はようやく精神の平衡を保つことができていたのだろう


その「君」は「PRESENCE」、つまり目の前にいる存在である
この頃の小室の生活を考えれば、
ここで念頭に置かれていたのは妻のKEIKOとするべきである
(小室は冗談で木根がいればいいんだという意味だと言っているが)
ならば「We know the truth」などのフレーズで主語が「We」になっているのは、
小室だけでなくKEIKOも同じ思いを抱えていることを示していることになる


ただこれを聞いているファンにとっては、
「君」は自分たちを指していることにもなるだろう
小室がファンに対して自らの絶望感を告白するとともに、
曲を聞いてくれるファンのおかげで活動ができていることを感謝している歌詞と読むこともできる
この曲はこの頃のライブで本編の最後やアンコールで演奏されたが、
それはライブに来てくれたファンに対する感謝のメッセージでもあったと考えられる


歌詞の内容はかなり病的だし、優れているとも思わない
だが歌詞に現れた心情がシンセの音色で表現されている点は、
やはり「Screen of Life」と同様である
穏やかなシンセの音色は、
「君」のおかげで救われている小室の心情を表現したものに違いない
このアルバムにおいて、「Screen of Life」とあわせて聞くべき曲である


ついでリミックス曲に触れよう
まずは2曲目の「Love Train -Extended Mix-」である
なお1993年の「Classix 2」には、
「Love Train (extended euro mix)」が収録されているが、
これとはまったく関係ない
しかしそれにしてもまぎらわしいタイトルである


この曲は「Take it to the lucky」と同様に、
2003年9月の「Fan Event in Naeba」で使われたライブ用トラックを手直ししたものである
ただライブからレコーディングまでの時間差があったためか、
手直しの度合いはより大きい


たとえば「Fan Event in Naeba」では、
アクセル音をイメージしたシンセなど、オリジナル音源で使われた音が各処に残っていた
だが「Extended Mix」では、これらが大々的にカットされており、
原曲の雰囲気が著しく減退している
「Fan Event in Naeba」では残っていた冒頭のサビもなくなっている
一方で「Extended Mix」では、
イントロの特徴的なシンセや葛城哲哉の冒頭のコーラスなど、
「Fan Event in Naeba」にはなかった要素を付け加えている


言うなれば原曲にトランス的な要素を加えたのが「Fan Event in Naeba」バージョンだったとすれば、
「Extended Mix」は原曲の部分を取り除きトランス要素のみに仕立て直したと言う印象である
その結果「Extended Mix」は、
原曲よりも落ち着いてクールな雰囲気を作り出すことに成功している


私は「Love Train」自体があまり好きではないので、
このアレンジへの関心はそれほど強くない
だが3曲の過去曲リミックスの中では、
これが一番よくできていると思う


リミックス曲としては、
6曲目の「Take it to the lucky-Album Mix-」の他、
8曲目の「Time To Count Down -Labo Mix-」もある
「Time To Count Down」は3曲のリミックス曲中では、
もっとも極端なアレンジが施されたものである


このアレンジはライブ用テイクの転用「Take it to the lucky」「Love Train」と異なり、
レコーディング時に作ったものである
小室は半日で作ったと言っている


冒頭で「Time To Count Down」の掛け声が入り(ウツ声ではない)、
「Ah」「LaLa LaLaLa LaLaLaLa」の声が続くが、
その後はパーカッションが続き、なかなか歌が始まらない
原曲の雰囲気の希薄さでいえば、
「Take it to the lucky」「Love Train」以上である


だが2分を過ぎた頃から、
原曲イントロのピアノソロのフレーズがシンセで奏でられる
ここが本曲でもっとも「Time To Count Down」的な部分だろう
さらにドラムやギターも加わるが、
ピアノのフレーズは2分以上、曲の終盤まで続く


そして最後の20秒になってようやく、
「Time To Count Down 風の中 Wow Wow Wow 裸で」の歌が入るのだが、
曲はここでフェードアウトして終わる
「Time To Count Down」と言いながら、
歌メロはほとんど使われておらず、
歌詞カードにも歌詞は掲載されていない
私も初めてこれを聞いた時、予想外のアレンジにかなり驚いた


以上3曲およびシングル曲「Screen of Life」「Take it to the lucky」は、
20周年ライブでも演奏された
その意味ではこの5曲が「Easy Listening」の主役と言える


最後の9・10曲目は新曲である
8曲目の「Time To Count Down」からここまでは、
本作でもっともトランスの雰囲気が濃い部分である
3曲ともほとんど歌詞がなく、
小室ソロのインスト作品としての性格が強い


9曲目「nuworld」は「new world」の意味である
8分半近くに及び、アルバムの中ではもっとも長い曲である
5:39のところからは、基本的に2分過ぎの部分からの繰り返しであり、
無駄に引き延ばした感が強い
冒頭の部分は悪くないと思うのだが…


ただ同じ構成が続くのは、意味があるのかもしれない
というのも小室はレコーディング終了から間もない2/24のインタビューで、
ライブでは「nuworld」に歌詞を付けたいと語っている
(現在まで実現していない)
かつて2001年、globe「genesis of next」が、
まずインストで発表された後に歌詞が付けられたことなども念頭にあったのかもしれない


小室がインタビューで歌詞を付けたいと言っているのは、
実はもともと歌を入れるつもりで作っていたためとも考えられる
同じフレーズが繰り返されているのも、
歌モノのバックトラックの予定だったと考えれば理解しやすい
おそらく時間が足りず、歌詞と歌メロを作ることができなかったのだと思う


その場合、「Time To Count Down」も改めて気になるところである
この曲ではボーカルトラックをオリジナル音源から取っているが、
(ライナーにもこの部分だけ、「This track contains samples from “TIME TO COUNT DOWN” under licence from Epic Records Japan Inc.」と書かれている)
実は当初は「Take it to the lucky」「Love Train」と同様、
歌を録り直すことが予定されていた
半日で作ったと言うことから考えるに、
歌が録られなかったのは時間の不足によるものである可能性がある


さらに疑えば、最後の「come closer」もタイムアップだった可能性がある
この曲の歌詞は、
「Come closer Don't go away…」
「Stay Around Stick Around…」
「Get a hold of yourself…」
の3つだけであり、
インストの中にウツのボーカルが時折流れるという構成だが、
歌をちゃんと入れる時間がなかったのかもしれない


ただこの曲については、
ささやくようなウツの声をSE的に使用している部分は、
それなりにかっこよく聞こえる
これでアルバムを終えると言う構成は、悪くないと思う


この曲は最初のワンフレーズから広がった曲だと言う
ワンフレーズとは、歌詞冒頭の「Come closer」だろうか
「Easy Listening」は、最初は「Screen of Life」で再起を目指すことを宣言し、
最後はファンに対して、「もっと近くに来て、去って行かないで」と、
お願いして終わるのである


しかしそれにしても、
最後にインスト・準インストを3曲並べるというのは、
バランスとしてどうかと思う
(これは次回作「SPEEDWAY」もそうなのだが)
音も似ているため、いかにも捨て曲という印象を受けてしまう


以上5曲が小室によって作られたトラックである
他の3曲は既発表曲のリミックスで、
クレジット上では小室が編曲したことになっているが、
小室がこれらについて具体的な発言をしたことはない
実際の関与はなかったか、ごく限定的だったと考えられる


4曲目「Castle in the Clouds」はDave Fordが、
5曲目「君がいる朝」と7曲目「風のない十字路」はDaveとIan Curnowが、
Additional Productionを行なったとされているが、
事実上リミックスを全面的に委託したものだろう
これらはすべて「Album Mix」の副題が対いている


この3曲のアレンジは、アルバム用に音を調整したというレベルではなく、
曲自体が大きく変更されている
そのアレンジはトランス風というわけではないが、
特に「君がいる朝」「風のない十字路」は原曲の雰囲気を大幅に変え、
長く重苦しいイントロが加わっている


「Castle in the Clouds」は、
生ドラムがすべてシンセに差し替えられており、
リズム感が原曲とは大きく変わって、勢いが感じられる
小室も2002年のアレンジ時に、同様のことをしようとしたのだが、
その時は80年代というコンセプトを意識してやめたという
それがこの時に実現したというところだろうか


「君がいる朝」は、
オケのメインだった生ピアノがシンセに置き換わったことで、
大きく趣が変わっている
またイントロや間奏が大幅に長くなっており、
原曲の長さは4分半もなかったにもかかわらず、
「Album Mix」は8分となっている


「Castle in the Clouds」のドラムにしろ、
「君がいる朝」のピアノにしろ、
生楽器がほぼなくなっているのは、
トランスを中心にしたいと考えていた小室が、
そのように依頼したものかもしれない


「風のない十字路」も、原曲ではピアノ音色のシンセが目立っていたが、
これが控え目になり、ドラムが目立つ形で加えられている
やはりかなり印象が変わった曲である


個人的にこれらの曲については、
音はオリジナルよりもアルバム版の方が好きだ
ただ発表当時の楽曲のコンセプトや歌詞を考えると、
違和感を感じなくもない
特に「君がいる朝」については、その印象が強い
DaveもIanも日本語は分からないだろうから、
歌詞の内容を考慮せずリミックスを行なったものと思われる


NETWORK -Easy Listening-
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