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みんなの「CD作品(アルバム)」ブログ


7-7 Live Epic25

2018/07/10 19:38
6/27「Tetsuya Komuro Archives」がリリースされました
T盤は3位→9位、K盤は4位→10位で、
これまでそれぞれ4.2万枚・4.1万枚を売っています
最後ということで、ソロとしてはこれまでにない売り上げになりました


リリースの前後には、各処のラジオ番組で小室哲哉特集が組まれました
小室さん自身が出演できないから、ラジオに集中したのでしょう
テレビでは、7/7に日本テレビ「The Music Day 伝えたい歌」で、
華原朋美・鈴木亜美・TRF・hitomiによる小室ソングメドレーが披露されました
ニコ生でも6/27にアルバムの特番が組まれ、
木根さん、浅倉さん、DJ KOOさん、Marc Pantherさん、Def Willなど、
小室さんと縁の深い方々もゲスト出演したそうです


東京では、6/26から小室さんの機材が展示されました
タワーレコード新宿店ではDJ LIVE仕様、
タワーレコード渋谷店ではショルダーキーボード、
SHIBUYA TSUTAYAではTM NETWORK仕様で展示されたそうです
好評だったためか、当初7/2までとされていたのが、7/9までに延長されました
さらに7/2からは渋谷駅でアルバムの壁面広告も掲示されています
小室さんがこんな扱いをしてもらえるなんて、もう最後でしょうねえ…


これまですっかりスルーしてきましたが、
「Tetsuya Komuro Archives」リリースと同日の6/26には、
小室さんプロデュースのDef Willが、
1stアルバム「Def Will」をリリースするとともに、解散を発表しました


実は本作には小室さんの新曲が2曲入っており、
「Tetsuya Komuro Archives」収録曲とともに、
歌モノでは最後の新規音源となります
アルバムを出してから解散しようということだったんでしょう
今までは全部デジタルシングルで、
CDは1枚もありませんでしたしね


Def Willは本当に鳴かず飛ばずでしたが、
1stシングル「Lovely Day」なんか聞く限り、
今の若い人に届く音を作ろうとしていたんだろうなあとは感じます
(私は好きじゃないですけど)
病状悪化のタイミングを見るに、小室さんが自信を失う前提として、
globe20周年とともに、Def Willの失敗もあったんだと思います


さらに正式なアナウンスはまだ出ていませんが、
8/31公開の映画「SUNNY 強い気持ち・強い愛」のサウンドトラックが、
8/29にリリースされるようです
劇中で使われる90年代TK楽曲と劇伴のインストが入るのでしょうか
小室さんの新作は、これで最後となるかもしれません
あとあるとすれば、「ガーディアンズ」の音源集でしょうか
多分11/27の誕生日のあたりで、
また記念商品など出すんじゃないかと推測はしていますけど


リットーミュージックからは、
「Tetsuya Komuro Archives」リリース日に合わせて、
「Tetsuya Komuro Interviews Complete Edition 2018」が発売されましたが、
さらに今月からは、ウツFC会報「Magnetica」のvol.73〜88(2012〜17年分)の電子書籍版が、
「MAGNETICA archives」19〜22として配信されます
vol.72まではTM30周年の時に配信されていたのですが、その続きですね
「Tetsuya Komuro Interviews」のついでというところでしょうか
この際、昔の小室FC会報とか木根FC会報も電子書籍化してしまえば良いと思います


木根さんは7/18、日本テレビ「1周回って知らない話」出演します
またいつものエアギターネタと、TMは多摩ネタを披露するのでしょうか
Marc Pantherも共演するようなので、TKネタは入れてくると見て良いと思います
しかしTMの木根さんとglobeのMarcてよく対比されていましたが、
本当に同じ立ち位置になりましたね…


最後に、7/5発売の「文芸春秋」に、
小室さんの引退会見のほとんどが虚偽であるという記事が掲載されました
1月の小室さん不倫報道が叩かれたため、仕返しのタイミングを待っていたのでしょう
ベスト盤リリースが話題になる時を狙ったのもあるでしょうが、
この号を最後に編集長が変わるそうなので、
編集部の怨恨を晴らすべく(完全に言いがかりですが)、
ギリギリまでネタ集めをしていたのだと思います


本誌に便乗したネット記事やそれらへのネットの反応については、
魚類の脊髄反射並みのリテラシーの低さにいささか驚いていますが、
冷静に見ればやっかみにしかならない「週刊文春」の低劣な小室批判は、
多分そのミスリードを誘う書きぶりも含め、
世論を刺激すること自体を目的として自覚的にやっているのでしょうから、
ここで逐一変なところを指摘しても意味はないでしょう


ただ一つだけ誤解が広まっている感があるので指摘しておくと、
無料の文春オンラインの予告記事には、
「知人から提供されたKEIKOの近影と共に、本人の「ファンへのメッセージ」が寄せられた」
とあり、あたかもKEIKO本人がこの件の告発に関わっているかのように書かれています
また本記事には、怒りのコメントを寄せたKEIKOの「親族」2人も情報源として登場します
どうもここらへんから、
KEIKOさんの関係者が小室さんと対立しているように思っている人が少なくないようです


そこで記事本文を読んでみると、
文春記者はこの「親族」「知人」のコメントを取った上で、
KEIKO実家に行って親に会いましたが
「申し訳ありませんが、取材にはお応えできません」と言われただけでした
結局KEIKOから「ご心配いただき、ありがとうございます。私は元気です」という、
当たり障りのないコメントのみを得て、記事を締めています
記事にKEIKOとその家族が登場するのは、この部分だけです


要するに今回の情報を提供した「親族」は、
KEIKOと同居している家族とは別人であり、
KEIKOやその家族とは別に動いている人たちです
KEIKO実家との連絡はあるでしょうが、
事の全容を知っていたり、利害を同じくする人である確証はありません


記事にはKEIKOの生写真を記者に提供した「知人」も登場しますが、
提供を了承したのは「親族」とされています
より実態に即して言えば、「親族」が「知人」に提供をお願いしたのでしょう
KEIKO本人の了承を取っていないのは、
KEIKOに法的責任能力がないことも関わるのでしょうが、
いずれにしろやはりこの告発は、KEIKOの意志とは無縁と考えられます


これら素性の怪しげな人々の情報は、
いずれも信頼に値するものではありません
少なくともKEIKOやその家族がどう考えているのかは、
現状の情報ではまったく分からないとしか言えないでしょう


家族ではないのに口を出してくる「親族」の狙いは、
ネットニュースレベルの想像なら色々できますが、
(離婚時に後見人としてKEIKOに慰謝料を多く取らせてたかろうとしているとか)
所詮無責任な想像しかできませんし、
他人が下世話に首を突っ込むことでもないだろうと思います


もっとも報道直後には、
オウム関係者死刑執行とか西日本の記録的豪雨とかいろんなことがあり、
この報道はあまり話題にもなりませんでした
私怨のある文春は食いつき続けるかもしれませんが、
多分すぐに風化すると思っていますし、実際にもうしている感じです


小室さんを叩いている人もいますが、
これらはもともと小室さんが嫌いな人か、騒ぎたいだけの人でしょうから、
放置しておけばよいことでしょう
ただこれが原因で小室さんのストレスがまた悪化したりしないかなあ…
と心配にはなります
実際に一部ゴシップ誌は取材に押しかけたりしているようです


では本題に入ります

-----------------------
2002〜03年のTM NETWORKは、80年代回顧の傾向が強かった
もっともこれは必ずしもメンバー自身が目指したものというわけではなく、
たとえば2002年活動再開時の新曲「Castle in the Clouds」が80年代風になったのは、
タイアップ元の吉本および日本テレビ側の意向によるものだった
世間的にTMに求められているのが80年代風のものだという、
業界側の読みもあったのだろう


この流れが最終的にたどり着いた先が、
2003年の「tribute LIVE」だったとも言えるが、
その間にもう一つ、80年代回顧の流れを作ったものに、
今回取り上げる「Live Epic25」がある


TM NETWORKは1983年にEPIC/SONYと契約して以来、
長くSONY所属のミュージシャンとして活動しており、
1999年の再始動においても、
その作品はSONY傘下のTRUE KiSS DiSCからリリースされていた
しかし2001年SONYによる小室専属契約の解除、
およびウツ・木根のROJAM移籍により、TMはSONYとの関係を清算した


TM NETWORKに限らず、
80年代の邦楽界を沸かせたEPIC/SONY所属ミュージシャンは、
21世紀に入る頃には多くが活動を停止したり、移籍したりしていた
すでにEPIC/SONYのレーベル名も無く、
1998年にEPIC Recordsと改称されていた


しかしそうした現実のレーベル所属関係とは別に、
かつてEPIC/SONY時代の黄金期を築いたスタッフたちによって、
イベントを開催しようという動きも立ち上がった
2003年は、1978年のEPIC/SONY立ち上げから25周年の節目だったため、
これを記念するライブイベントを行なおうというのだ


これが「SUNTORY presents EPIC RECORDS JAPAN 25th ANNIVERSARY “Live Epic25”」である
2003/2/16に大阪城ホール、2/22に代々木体育館で開催とされたが、
反響が大きかったためか、
後に2/23代々木体育館公演も追加発表された
動員数は合計3万人というところだろうか


この企画が立ち上がった背景には、
EPIC/SONY設立者丸山茂雄の去就があった
丸山は1998年2月から、
SMEJ (SONY Music Entertainment (JAPAN) Inc.)の社長を務めたが、
2000年12月にこれを退いた
2001年4月からはSCE (SONY Computer Entertainment Inc.)の会長を務めたが、
翌年7月に70歳でこれも退任したことで、
SONYでは一線から退くことになった


関係者はこれに合わせて、
丸山に感謝の意を表するイベントを開催しようと考え、
かつてのEPIC所属ミュージシャンに声をかけた
この企画は早くから計画されていただろうが、
丸山のSCE会長退任頃から本格的に動き出したと見られる
2002年8月末には開催が発表されたが、
この時点では大江千里・大沢誉志幸・佐野元春・TM NETWORKの出演が予告されていた


TMは言うまでもなく、デビュー当時から丸山にお世話になった身である
またイベントの幹事は、かつてのTMの映像監督坂西伊作だった
2002年時点で現役で活動している旧EPICミュージシャンを代表する一組として、
TMは当初からノミネートされていたに違いない
なお音源集「キヲクトキロク」のリリース日が2003/2/5に設定されたのは、
2週間後の本イベントでの宣伝効果も考えてのことだろう


本イベントはサントリーが協賛についた
そのためサントリーはこのイベントに関連して、
「サントリードリームキャンペーン」を行なった
モルツビールなどサントリーのビール・発泡酒についている応募券6枚を集めて応募すると、
抽選で3000名を「Live Epic25」に招待し、
5000名に企画版アルバム「EPIC25 1980〜85」「EPIC25 1986〜1990」をプレゼントするというものである
応募期間は2002/9/20〜11/30とされた(消印有効)


ここで企画版「EPIC25」も含むEPIC 25周年企画についても触れておきたい
まず有料音楽チャンネルviewsicでは、
2002年11月から2003年3月にかけて「Live Epic25」と前後して、
かつてEPIC/SONYが制作した音楽番組「eZ」が再放送された
TMや小室哲哉の出演回も放送されている


同番組のTM・小室出演分については、
2010年代に様々な商品に分散して収録されたが、
この頃はまだほとんど商品化されていなかった
当時ビデオ録画できなかったファンには貴重な機会だったはずだ


SONYの企画版アルバムとして、
上記「EPIC25 1980〜85」「EPIC25 1986〜1990」もリリースされた
80年代EPICの代表作を各15曲、計30曲集めたものである
2002/11/20に同時リリースされ、
それぞれ50位・18508枚、47位・20171枚を売っている
なお両作には「Live Epic25」優先予約ハガキが封入されていた


TM作品からは、前者に「金曜日のライオン」、後者に「Get Wild」が収録された
「Get Wild」はともかく「金曜日のライオン」が80年代EPICを代表する30曲に選ばれたのは、
かなり意外である


もちろんこれは1980〜85年という縛りがあるからだが、
そもそもこの縛りの中でTMが入れてもらえたのは、
当時における一定のTMの存在感を示してもいよう
なお2枚とも曲が収録されているミュージシャンは、
佐野元春・ラッツ&スター・大江千里・渡辺美里・バービーボーイズ・TMの6組である


さらに2003/1/1には「The Legend」と題して、
旧EPIC/SONY所属ミュージシャンのベストアルバム11枚が、
完全限定生産でリリースされた
またこれと同日には、
「EPIC25」「The Legend」に収録されなかった曲を集めたコンピレーション版として、
「EPIC25 Special Edition」もリリースされた


「The Legend」をリリースしたのは、
大江千里・大沢誉志幸・小比類巻かほる・佐野元春・The Street Sliders・TM NETWORK・バービーボーイズ・松岡英明・The Mods・ラッツ&スター・渡辺美里の11組で、
シークレットゲストを含む「Live Epic25」出演者と同じ顔触れである


この中でTMとバービーボーイズは、
3年前にもSONYの企画ベスト「STAR BOX」をリリースしており、
(特にTMはTM NETWORK名義とTMN名義の2枚)
他のミュージシャンもたいていは複数のベスト盤がすでに存在したから、
多くは記念品以上の意味は持たなかっただろう
ただThe Street Slidersは、おそらくこれが唯一のベスト盤である


TMについては珍しい音源が入っているわけでもないので、
今から入手する必要はまったくない
なおTM盤には、なぜか1987年までの楽曲しか収録されていない
後述のファン投票でも対象曲は1987年以前である
1987年以前という縛りでもあったのだろうか


当時のチャートでベスト300圏内に入ったのは6組で、
初動は美里89位・TM96位・バービー100位・佐野118位・千里230位・Mods300位だった
TMは美里に次ぐ好成績だったことになる
ただ2週目、バービーは82位、美里は87位、佐野は98位に上がったのに対し、
TMは110位に落ちており、
総売上もこれら3組に次ぐ4番目(1.1万枚)となった
「STAR BOX TM NETWORK」の8位・8.9万枚と比べると、
企画としてもかなり小規模なものだったことが分かる
なお「The Legend」中で一番売れたバービーボーイズは1.5万枚である


本題の「Live Epic25」に話を戻そう
最終的に本ライブ開催前の告知で出演するとされたのは、
鈴木雅之・大沢誉志幸・小比類巻かほる・大江千里・The Mods・バービーボーイズ・TM NETWORK・渡辺美里・佐野元春の9組だった


これらのミュージシャンたちは、各3〜4曲を演奏した
当初は出演ミュージシャン1組当たり4〜5曲を演奏するとされていたが、
曲数の減少は出演者が増えたことによるのだろうか
演奏曲は合計34曲に及び、公演時間は4時間近くとなった


SONYは本ライブ開催に先立ち、
公式サイトで各ミュージシャンの演奏希望曲の投票を行なった
1位の曲は必ず演奏するとの触れ込みだった
TMの最終的な1位は把握していないが、
中間発表1位は「Self Control」で、
ライブ本番でもラストはこの曲で締めている


バービーボーイズはこのイベントのために再結成した
参加者中で唯一日替わり曲を用意したほどの気合いの入り様だった
ただライブ映像の商品化は拒否したため、
後日発売されたDVDにはバービーの出演部分は収録されていない


鈴木雅之は桑野信義・鈴木聖美との共演もあった
鈴木はEPICでの経歴を考えれば、
ラッツ&スター(またはシャネルズ)での出演が望ましかっただろう
「The Legend」もラッツ&スター名義でリリースされている


だがメンバーの一人である田代まさしは、
覗きと覚醒剤所持で2001年に逮捕されたことで、
この頃は芸能活動を中止していた
おそらくこのため、ラッツ&スターでの出演は叶わなかったのだろう
ただし鈴木はシャネルズ「ランナウェイ」や、
ラッツ&スター「め組の人」「ロンリー・チャップリン」を歌っており、
自己紹介でも「こんばんは、ラッツ&スターです」と挨拶している


同様の問題があったのが岡村靖幸である
当初は岡村も本ライブへの出演が告知されていたのだが、
その後出演がキャンセルされた
その理由は公式には発表されていなかったが、
この頃岡村が覚醒剤所持で逮捕されていたためだった


ライブ当日はその代役として、
松岡英明が出演して1曲だけ演奏した
「The Legend」には岡村がなく松岡が入っているが
このラインナップも、急遽差替えられたものだろう


当日のサプライズゲストとして出演したのが、
元The Street SlidersのボーカルHARRY(村越弘明)で、
The Street Slidersの「風が強い日」を歌った


「The Legend」にThe Street Sliersがあることを見るに、
HARRYの出演は早くから決まっていたものだろう
The Street Slidersでの出演を希望する者は多かったはずだが、
彼らはすでに2000年を以って解散しており、
HARRYのみの出演となったと考えられる


この他も旧EPIC/SONY所属ミュージシャンは少なくない
たとえばDreams Come True、エレファントカシマシ、Chara、東京スカパラダイスオーケストラなどは、
出演すればそれなりに盛り上がったと思われる


だがおそらくこの時は、
レーベル初期に当たる80年代半ばまでのデビュー組に限定し、
特定のファン層にアピールする布陣にしたのだろう
それは企画版「EPIC25」が、
1980〜90年を対象としていることからもうかがえる


なおスムーズな進行を心掛けたためか、
サポートミュージシャンは複数の出演者で共通とされた
(The Modsやバービーボーイズなどバンド編成の出演者は別)
TMの時には、ギターに佐橋佳幸・葛城哲哉、
ドラムに江口信夫がついた


2/10には全出演者が集まってリハーサルが行なわれた
しかし小室はglobeのレコーディングでハワイにおり、
リハーサルはウツと木根のみとなった
TM揃ってのリハーサルは、2/16大阪公演の直前のみである
仕方ないことではあるが、
「小室のみ欠席」状態はこの頃から常態化していく


出演順を見ると、ライブでトリを務めたのは、
EPIC/SONYを隆盛に導いた立役者佐野元春だった
その前を担当したのが渡辺美里である
これは80年代EPIC/SONY最大の売上を誇った点からも妥当だろう


そしてその前が、TM NETWORKである
松岡・HARRYを含む11組中で最後から3組目という位置は、
やはりTMの存在感を示しているのだと思う
さらにいえばこの時点でSONYに在籍していないミュージシャンの中では、
一番の扱いだったとも言える


TMの前の出演者は本イベントの目玉バービーボーイズであり、
その前はサプライズゲストのHARRYである
この辺りからが終盤の盛り上げ所というところだろう
なお会場スクリーンでは、バービーボーイズ演奏前に1980〜87年の映像が流れ、
演奏後に「eZ」から1988〜92年の映像が流れた
これはバービーの時だけステージのセットを変えたためらしい


「eZ」の映像が終わると、TMの出番である
オリジナル版「Be Together」のイントロが流れ、
スモークの中でステージ中央の奥からTM3人が登場
小室と木根は走って持ち場まで移動し、
ウツはイントロに合わせてゆっくり歩きながらマイクスタンドまで移動する


木根はベージュのジャケットをTシャツの上に羽織っている
ウツはシャツの上にスカーフを巻き、
黒地に青の模様の入ったジャンパーを羽織る
ウツの衣装は、正直なんだこりゃ?と思う
小室はTシャツの上に上着姿だが、
日によって着ている服が違ったらしい



「Be Together」間奏の小室シンセは、
特殊なエフェクトが掛けられているが、
基本的にオリジナルバージョンでの演奏である
この曲では木根と葛城が並んでギターを演奏するなど、
TMファンには嬉しい演出もあった


なお小室はこのライブでヘッドフォンを付け、
ミキシングコンソールの操作も行なった
これはglobeのトランスライブのスタイルを受け継いだものか
これをTMに持ち込んだのは、おそらくこの時が初めてだが、
このスタイルは翌年の「Double Decade “NETWORK”」でも採用される


2曲目は「Get Wild」
イントロでは小室に照明が当てられ、
シンセでジャジャジャと「GeGeGeGeGeGeGeGet Chance」のサンプリングボイス連打
曲の最後は、キュイキュイというシンセ音が継続的に入っている
この音は「Double Decade “NETWORK”」でも使われた
また会場によっては「ゲワーイゲワーイ」のサンプリングボイスも入った
このサンプリングボイスは、多分この時だけと思う


曲が終わるとともに火薬特効
そしてウツMC(以下2/23)

どうもこんばんは。TM NETWORKです!(ぺこり)
びっくりしていないですか?(火薬の件)
このツアー(?)にかなり心臓が弱い人がいるんで、かなりきついみたいなんですが。


木根胸を抑えながら、「ちょっと痛いです」
ウツ、笑いながら話を続ける

EPIC25周年、おめでとうございます! Yeah!
EPICは25周年、そしてですね、TMもほとんど近いですね、来年20周年!


これを受けて木根

20周年を迎えることになりました。
それに向けてね、一つ一つまたぼくらも頑張って行こうと思っていますけども。


ウツ「ですね」
この間、ウツと木根の2人だけでMCが進む
小室はヘッドフォンをしながら、次の曲のイントロの準備


木根のMCは続く
「でも、関係ないけどいいですか?」
ウツ「どうぞ!」
木根「今一つ、戦争をしようとしている指導者たちに言っておきたい一言、「Self Control」ですね」
会場ウォー!


シンセソロで「Self Control」イントロスタート
間奏のフレーズを荘厳な音で手弾きする
アレンジは「Log-on to 21st Century」の時と同様、
「Fanks Cry-Max」の始まり方である
なお2/22には、ウツが冒頭から歌詞を大幅に間違えた


以上の3曲がTM演奏曲となる
おそらくこの組み合わせは、
当時一般客にもっともアピールしそうな曲を、
80年代楽曲から選んだものだろう
この時点ではさほど特別な意味はなかったと思う
実際に直後に行なわれた「tribute LIVE」では、
「Be Together」はセットリストから外されている


だがこの組み合わせは2004年「Double Decade “NETWORK”」以後、
TMのライブ定番曲として固定化し、
2008年に至るまで、すべてのTMライブおよびtribute LIVEで、
この3曲は必ずセットリストに入るようになった
(ただし日替わり曲の場合もあり)
2012年「All That Love」「incubation Period」でも同様である


このように3曲の存在感が高まる契機は、
「Live Epic25」の選曲にあったように思う
私は当時「Self Control」「Get Wild」「Be Together」の3曲を、
TMライブマンネリ化の象徴として、
ライブ定番3点セットと心の中で呼んでいた
もちろんそれは「Live Epic25」の問題ではなく、
後にそれを固定化させたメンバー・スタッフの問題だったのだが


話を「Live Epic25」に戻そう
「Self Control」の演奏が終わると、
ウツは「どうもありがとう!」と述べ、3人は退場した


その後は渡辺美里である
最初は「きみに会えて」だが、
この時作曲者の小室も登場し、グランドピアノを演奏した
続く「My Revolution」でも小室はピアノを演奏した
以上2曲が終わると、
美里は「哲ちゃんサンキュー!」と言って小室と握手
小室はここで退場した


美里はこの後さらに、
「恋したっていいじゃない」「10 Years」を演奏して退場した
続いてトリの佐野元春は3曲を演奏し、
その後にTMを含む全出演ミュージシャンをステージに呼んだ
そして丸山茂雄に感謝の意を述べた後、
参加者全員で佐野の代表曲「SOMEDAY」を演奏した


楽器担当者はその楽器を演奏し(木根はギター)、
ボーカリストはコーラスや手拍子・タンバリンを担当した
ウツはタンバリン、小室はギターを弾いた


以上でライブは終わった
最後には出演者の紹介が行なわれ、ステージに幕が下りた
エンドロールでは当日のライブのダイジェスト映像が流された


なお本ライブは2/23公演の一部は、
5/7NHK BSの「スーパーライブ GOLDEN 80's 〜あの頃音楽は輝いていた〜」や、
5/21NHK BS2「スーパーライブ 「あの日、僕らの青春時代」 〜時を越えた80年代サウンド〜」で放映された


さらに8/20には、2枚組のライブDVDもリリースされている
ただすでに述べた通り、
DVDリリース告知当初はバービーボーイズも収録予定とされていたが、
その後当人たちの意見により収録は見送られることになった


実はTMについて見る場合、このライブについては、
会場で配布されたチラシも大きな「事件」だった
それは第七部のTMの一つの動向を導くものでもあったのだが、
これについては次章で触れることにしたい


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7-6 キヲクトキロク

2018/06/19 19:37
6/27リリースの「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」の収録内容について、
既発表のT盤・K盤に加えて、
6/19に9枚組BOXのボーナスディスクの内容も公開されました


T盤4枚・K盤4枚・ボーナスディスク1枚の9枚の内、
選曲は1990年代が中心で、全体の過半を占めています
ただ注目すべきはむしろ2010年代、
逮捕後の音楽活動再開期で、
いろんなところに提供していて入手が難しかった楽曲が集められています


私はこんなのあったの?て思ったのもありました
小室曲1曲のためだけにアルバムを買うのはためらわれた方には、
2010年代分を入手するだけでも価値があるかもしれません
もしかしたらこの選曲、
発売中止になった「JOBS#2」の残骸なのかもしれないです


未発表曲としては、K盤に梅田彩佳 「MY HISTORY」と、
Tetsuya Komuro feat. Beverly「Guardian」
ボーナスディスクの甲斐よしひろ「against the wind」が収録されます


「Guardian」は今後ゲーム関係の商品に収録される可能性もありますが、
他の2曲は多分この商品以外では聞けないものになるでしょう
なお 「MY HISTORY」は新曲、
「against the wind」は1999年頃にレコーディングされながら、
これまでお蔵入りしていた曲です


他に1980年、Missオレンジ・ショックの「愛しのリナ」あたりも、
一部のコアファンには嬉しいところでしょうか
郷ひろみとかtaecoとか、
単発TK作品を集めたい方にも重宝するかと思います


もっともTKファンには一定の意義はあっても、
TMファンには特に意味がある作品にはならなそうです
TM収録曲は「Self Control」「Get Wild」「Beyond The Time」「Seven Days War」「Get Wild '89」「Love Train」「I am」の7曲ですが、
ファンならだいたい持っているものでしょう
私としては、出費する必要がなくなったので安心しているところです


「TETSUYA KOMURO ARCHIVES」と同日には、
リットーミュージックよりTower Record限定で、
「Tetsuya Komuro Interviews Complete Edition 2018」発売されます
4860円です


これまでリットーミュージックからは、
2013年までの「Keyboard Magazine」「Keyboard Land」の小室さん記事を集めた電子書籍「Tetsuya Komuro Interviews」vol.0〜4、
2014年分の記事を加えて白黒印刷された「Tetsuya Komuro Interviews Complete」が発売されていましたが、
今回のはこれに2015年以後の記事を加えてカラー印刷にしたものです
これで3回目ですが、さすがにこれで完全版でしょうか
他の雑誌でもこういうの出ませんかね


ウツはソロ25周年のファイナルツアー開催が発表されました
9/21〜11/23の2ヶ月で11公演です
て、あれ、最終日にはすでに26年目に入っているんですが…


今回はT.UTU with the BAND名義でもU_WAVE名義でもない、
久しぶりのウツソロのバンドツアーです(2012年以来)
特徴的なのはバンド編成で、
ギターの西山毅さんの他は、
キーボードが土橋安騎夫さん、浅倉大介さん、nishi-kenさんの3人となっています
キーボード3人編成、何か特別な狙いはあるんでしょうか


木根さんはDVDと「2525ツアー」の宣伝か、
6/16にFM西東京の「WEEKLY MUSIC TOP20」に出演しました
また8/24にはかつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールで、
渡辺美里さんのツアーにゲスト出演するとのことです
木根さん作曲の曲をやるんでしょうか
美里さん、少し前に「ribbon」の豪華版アルバムを出したので、
「さくらの花の咲くころに」あたりをやるかもしれません


それでは本題に入ります

---------------------
2002/10/31、シングル「Castle in the Clouds」がリリースされた直後、
TMのアルバムのリリースが11月初頭に発表された
「Castle in the Clouds」リリース前に決定していた企画だろう
アルバムのリリースは、翌年2/5とされた
当時のHMVのサイトの解説文は以下の通りである


80年代から90年代の音楽シーンを常にリードし、
現在活躍している多くのアーティストに影響を与えてきたTM NETWORK。
これまで決して裏側を見せることのなかった彼らが、
数々のヒットを世に出す中で、結局未発表を決心した楽曲や、
CDに収録されなかったリミックス、そしてああのヒット曲のデモまでを
当時のストーリーとともに世に送り出すことが決定!!
同時に彼らがより自由な音楽活動の場を求めて
インディーズレーベルよりリリースした楽曲も収録。
TMファンにとっては涙ものであり、それ以外にもかなり興味深い作品に
仕上がっています!詳細は分かり次第告知します!


上記にあるように、翌年発売予定のアルバムは、
未発表楽曲・未発表テイク・デモ音源に加え、
ROJAM時代の楽曲を収録するというものだった


この企画版は「キヲクトキロク〜Major Turn-Round」と題してリリースされた
DISK1の蔵出し音源集1枚と、
DISK2の「Major Turn-Round」を合わせた2枚組で、
3240円で販売された


TMのアルバムタイトルが日本語なのは、
2018年時点で史上これだけである
小室は後まで自らの栄光を振りかえる際に、
この「記憶と記録」という言葉を使い続けた
「Tour Major Turn-Round」のスクリーンに映し出された3人のメッセージ中の「記録と記憶」に由来するタイトルと考えられる


ジャケットは何を撮影したものかよく分からないが、
スタジオのカセットデッキだろうか
ライナーの中にも3人の写真は使われていない


結論から言っておくと、
本作はベスト盤を除く歴代のTMアルバムの中で、最低の作品である
新作に当たるDISK1には、実際ほとんど商品価値が存しないため、
インディーズ盤「Major Turn-Round」を抱き合わせ販売したものと考えられる


それまで「Major Turn-Round」は一部店舗を除いて一般流通に乗らず、
ROJAM POPSHOPから送料500円込みで通販購入するしかなかった
だが「キヲクトキロク」の発売により、
本品を店舗購入することで、
通販よりも安く「Major Turn-Round」を入手することが可能になった
つまり「Major Turn-Round」の購入に便宜を与えたと言う点において、
本作は後発ファンにとって、多少の意味はある商品となった


なお2002年9月にはROJAMとR&Cが、
お互いに株式を持ち合うことにして、連携関係を強めている
このことも「Major Turn-Round」がR&Cから再販される前提になっただろう
ただROJAMはこれによって、ほとんど唯一の売れ筋商品を失うことになった


一応新作となるDISK1の内容は、
デモや未発表テイクを集めた1994年の「Groove Gear」に類する内容となっている
「終了」以前のEPIC/SONY関係の音源が収録されていないのは、
おそらくSONYとの権利関係があるのだろう
ただSONY系列のTRUE KiSS DiSC時代の音源は収録されている


唯一の「終了」以前の音源としては、
1991年の「月とピアノ」が収録されている
(アルバムには「EPILOGUE 1991〜月とピアノ〜」として収録)
これはヤマハから出版された「K's Magazine vol.3」付録CDに収録されたもので、
SONYは関係していないものである
うまい具合に穴を見つけたというところだろう


ただしこれはTM曲というよりは小室ソロ曲というべきものである
これが「キヲクトキロク」に収録されたことによって、
初めてTM曲としてロンダリングされたとも言える


小室によるピアノ音源である「CAROL」「In The Moment」も、
TM用の音源として作られたものかどうかは疑わしい
音源の出どころも明らかではない


木根のピアノ音源である「We Are Starting Over」に至っては、
1999年の木根ソロライブ「talk & live vol.5」のパンフレットの付属CDであり、
後にTM曲になったとはいえ、本来は木根ソロの音源である


以上4テイクと「Get Wild」ライブ音源を除く7テイクの内訳を見ると、
TRUE KiSS DiSC時代の楽曲は4テイク、
ROJAM時代の楽曲は2テイク、
R&C時代の楽曲は1テイクとなっている


この中でデモ音源もしくはプロトタイプ音源に当たるものは、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「Castle in the Clouds」の3テイクである
既述の「We Are Starting Over」もプロトタイプ音源に数えても良いだろう
またリリース後にリミックスされた未発表音源としては、
「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」の2テイクがある


この他に、新たに制作されたリミックス音源が2つある
「Worldproof」「MESSaGE」である
ただしこの2テイクはいずれもリミックスの担当は小室ではない


以上のようにDISK1は、
未発表音源およびアシスタントのリミックス音源をまとめたものであり、
メンバーが関与した形跡は存在しない
ライブで本商品のアレンジを意識した演奏が行なわれたことがあるのも、
せいぜい2003〜08年の「CAROL」のピアノソロくらいだろう


なお木根がこの頃の動向を記した「新・電気じかけの予言者たち」には、
「キヲクトキロク」は一切登場しない
本作の構成は、とりとめもなく当時の出来事を時系列上で記すだけのもので、
到底文筆家の作品とは言えない出来となっているが、
一方で木根の目に入った情報をそのまま知ることのできる素材ともなっている
(もちろん都合の悪い事実は隠蔽・美化されているだろう)
そこに「キヲクトキロク」が登場しないのは、
ウツ・木根がまったくタッチせずリリースされたことを意味しているのだと思う


チラシでもわざわざ「TMを愛するスタッフがファンへ贈る」とされている(TMが贈るのではない)



プロモーションもほとんど行なわれなかった
ライブはもちろん、雑誌のインタビューなども確認できない
ただそうした中で、2002/12/24NHK-FM では、
FANKS出自の中村貴子をパーソナリティとして特番「TM NETWORK special 」が組まれ、
TMを招いて2時間のトークが行なわれた
12/31にも再放送されている


この時に未発表音源として「CAROL (Unreleased Piano Version)」が放送され、
小室は「倉庫から出てきた」と言っている
同番組ではさらに、「キヲクトキロク」のリリースについても告知され、
小室は「買ってもらえなかったものを集めた」「コレクション」などと、ささやかに述べている
さすがに誇らしく宣伝する気にはなれなかったのだろう


収録音源には、どうしても聴く必要のあるものは存在しない
熱心なファンでも金を払う価値があるのは、
「月とピアノ」「Happiness×3 Loneliness×3」「10 Years After」「Castle in the Clouds」くらいだと思う
「It's gonna be alright」には記念音源としての意味もないことはないが、
それこそROJAM.COMで無料配信すれば十分な代物である


なお必ずしも商品の価値と直結するものではないが、
DISK1収録の12テイクの内、
「CAROL」「10 Years After」「In The Moment」「Worldproof」「We Are Starting Over」「月とピアノ」の6テイク(全体の半分)には、ウツの歌は入っていない
これらはDISK1収録を前提に作られた「Worldproof」を除けば、
そもそもTM用音源として作られたものかどうかも怪しいものである
(少なくとも「We Are Starting Over」「月とピアノ」は明らかに違う)


2年ぶりの再始動シングルの直後に、
なぜこんなもののリリースを発表したのだろうか
一つ想像できるのは、
おそらく年内にアルバム1枚リリースと言う一般的な契約条件が、
TMとR&Cの間にも交わされていただろうということである


その場合に思い出されるのが、
秋のリリースが計画されていたTMのリミックスアルバムである
これは2002年初めにTMメンバー間で合意された後、
春にはメンバーによって公言もされていた
ところが夏に「Castle in the Clouds」の件が具体化する頃から、
この件は語られなくなっていた


その事情は、正直に言ってよくわからないのだが、
おそらくTMはR&Cに移籍した際に、
年度内にアルバム・シングル1枚ずつのリリースを契約しており、
その履行のための新作が(オリジナルであれリミックスであれ)制作困難と判断された時点で、
代替措置として音源集のリリースが決定したものと考えられる
なお2003年度にも、やはりシングル・アルバムを各1枚リリースしている


ただそれにしても、再始動直後の大事な時期に、
このような商品しかリリースできなかったのはどういうことか
リミックスアルバムの中止も「キヲクトキロク」リリースも、
「Castle in the Clouds」リリース以前には決定していたと考えられる
ならばこれらの事態は、
「Castle in the Clouds」のセールス不振を背景としたものではないと考えられる
私はこの事情について、ある可能性を考えているのだが、
これについては別の章で触れることにしたい


ただ事情は何であれ、
個人的にはここまで無残な商品を出すくらいなら、
再始動後の全シングル集を出してくれた方がよほど意味があったと思う
TRUE KiSS DiSC時代のシングルはまだアルバムにまとめられていなかったし、
ROJAM時代のシングルも「Major Turn-Round」ではアルバムミックスになっているから、
シングルバージョンを聴くことができるアルバムはいまだに存在しない


既発売シングルだけでも、
「Get Wild Decade Run」「It's gonna be alright」「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」「80's」「MESSaGE」「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」
の8曲が存在しているから、
これに最新シングル「Castle in the Clouds」「君がいる朝」を収録するだけで、
アルバム1枚には十分な分量である


既発表音源の寄せ集めよりは、
未発表テイクを出した方がまだ売れるだろうと言う判断だったのかもしれないが、
結局その結果作られた「キヲクトキロク」は、
単独では商品になりえないカステイクの寄せ集めになってしまったという印象である


本商品はチャートでは、初動25位・1.4万枚の成績を出し、
最終的には2.1万枚を売った
2000年にSONYが出した間に合わせベスト盤「Best Tracks」(26位、3.5万枚)と比べると、
ランクはほぼ同じだが、売り上げは半分以下である
ファンのほぼすべてが持っているであろう過去音源を集めたベスト盤よりも売れなかったのである
本作に対するファンの失望がうかがえよう


なお2004年にもSONYからベスト盤「Welcome to the Fanks!」がリリースされているが、
これは18位・2.9万枚の成績であり、
やはり「キヲクトキロク」よりも売れている


以下ではDISK1収録の音源について簡単に見ていこう
ただ既発表音源である11・12曲目の「月とピアノ」「We Are Starting Over〜ずっと好きだった(Naoto Kine Piano Instrumental Version)」については、
すでに触れたこともあるので(12)、ここでは改めて触れない
また唯一のR&C時代の楽曲として9曲目の「Castle in the Clouds (Yabe Version)」があるが、
このテイクについても以前触れたので、内容は割愛する


まず1曲目は、「CAROL (Unreleased Piano Version)」
これは「CAROL」組曲中の「A Day in the Girl's Life」のピアノ演奏である
2003/9/6・7開催の「Fan Event in Naeba」での演奏は、
おそらくこれを意識しているのだろう
後にも、2007〜08年のTMライブでは必ず演奏した


少し飛ばして6曲目の「In The Moment」に触れよう
新曲ではあるが、曲名はアルバム収録に当たって決められたもので、
元のテープには「PIANO #1」とだけ記されていたという
要するにデモテープの最初にあったものを収録したのである
実際のところ、TMの曲として作られたものかどうかも不明である


両テイクはともに某年1月25日に、
東京ベイブリッジスタジオで録音されたという
おそらく同じ年にレコーディングされたものだろう
日付まで分かって年が分からないのは不自然で、
古いものである可能性を匂わせるために年を伏せたものと考えられる


1998年、小室はピアノアルバムをリリースする計画があったが、
秋に無期延期となったことがある(後に2003年3月にリリース)
あるいはこれと関わるもので、
1998年以後に録りためていた音源の一部だろうか


ならば候補として1999・2000・2001・2002年がありえるが、
2000/1/25は「Touch the globe LIVE!」名古屋公演の日であり、
2001/1/25の小室は上海にいるので、ともに東京のレコーディングはない
だとすると1999年か2002年ということになる
もう少し絞り込む材料があれば確定できそうだが…


8曲目は「Get Wild (Live from 2001 RENDEZVOUS IN SPACE)」
これは2001/1/1に開催された沖縄ライブの音源で、
すでにテレビでは放送されていたが、商品化はされていなかった


ただしライブアレンジも演奏メンバーも「Tour Major Turn-Round」と同じでなので、
DVD「Live Tour Major Turn-Round 02」を持っていれば、
さほど意味があるものではない
未商品化の「Log-on to 21st Century」の音源を入れていれば、
それなりに価値の高いものになったはずだが、権利関係で難しかったのかもしれない


沖縄ライブでは1番Aメロの「チープなスリルに身を任せても」のところで、
ウツが歌詞を噛むというミスをしたが、
この音源ではその部分が上からかぶせた別音源で修正されている
しかしその音質が明らかに前後と異なり、大変気持ち悪い
このあたりは極めて雑な仕事といわざるを得ず、
この商品のやっつけ具合が端的に現れている
むしろこれくらいなら、修正しない方が良かったと思う


これと「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
2017年の「Get Wild」歴代トラック集成アルバムである「Get Wild Song Mafia」「Get Wild 30th Anniversary Collection」にも収録されていない
R&CのライブDVD「Double Decade "NETWORK"」に入っている「Get Wild」の音源は収録されているので、
レーベルの問題でもないようである
関係者からも存在を忘れられた商品だったのだろう


2〜5曲目は、TRUE KiSS DiSC時代の楽曲である
制作が古い順に挙げていこう
まず4曲目「It's gonna be alright (TK Vocoder Version)」は、
1999年6月のハワイレコーディング以前、
1999/4/30に日本で作ったラフミックスである
再始動期TMの音源の中では、
現時点で商品化されているもので最古のものである


2曲目「Get Wild Decade Run ('99 Version)」は、
シングル盤「Get Wild Decade Run」完成の3日前、
1999/6/18にできたラフミックスである
以上2テイクについては、以前触れたことがある


あとの2曲は海外のアレンジャーによるリミックスである
いずれも原曲と大幅に異なるアレンジであり、
本音源集中でも多少の価値は認められるテイクである
まず3曲目「Happiness×3 Loneliness×3 (Club Mix)」は、
レコーディングは1999年で月日・場所は不明である


リミックスを行なったのはBobby D'Ambrosioという人物で
早くからメジャーアーティストのリミックスを手がけていた人物である
当時はニューヨークで活動するDef Mix Productionsに属していた
ハウスなどクラブ系の音に通じた人物だったらしい


本テイクではボーカルは同じながら、
原曲からは大幅にアレンジが変えられている
原曲はフラメンコギターなどを入れ、ラテン風の雰囲気が強いが、
こちらはラテン的な要素を薄め、
クラブ風のパーカッションを強調したオケになっている
曲の長さも8分以上で、原曲の約2倍である


このアレンジを聞くとこの曲の歌メロが極めて平坦で、
半ばラップ状態だったことが、原曲よりもよく分かる
ウツも歌うのは大変だっただろう
逆にこれほど平坦な歌メロであるにもかかわらず、
原曲がそれなりにメロディアスに感じられるアレンジだったことは面白い


問題はこのテイクは何のために作ったのかということである
ROJAM.COMのMailing ListであるTM NEXTで配信された解説には、
「この制作時に、小室哲哉が世界各地のアーティストにリミックス及びリプロダクションを依頼。 そのときの音源集から見つけ出した未発表テイク」
とあるが、結局よく分からない
ただ「Happiness×3 Loneliness×3」のシングル盤のレコーディングは、
1999年11月に完了したことが知られる
その後1999年中に「Club Mix」が完成したのならば、
アレンジの依頼はシングル盤完成から間もない頃に違いない


私は一つの可能性として、
2000年3月リリース予定だったTMのアルバムに収録するはずの音源だったことを考えている
2000年1・2月にTMのアルバムレコーディングが予定されていたと考えられることは、
以前述べたことがある
小室がこのアルバムに入れることを念頭に置いてアレンジを依頼していた可能性は高いと思う


5曲目は「10 Years After (Featuring COMMON)」である
サビの「10 Years After Where Will We Go?」の部分ではコーラスを聞けるものの、
メインボーカルはウツではなく、COMMONのラップである
ラップを前面に出すように、オケは控えめなアレンジである
もともとヒップホップを意識して作った曲だけに、
ラッパーをフィーチャーしたかったのだろう


COMMONはアメリカで活躍していたラッパーで、
当時はSoulquariansのメンバーとして人気を博していた
後に2015年には「Glory」で、
ゴールデングローブ賞とアカデミー賞を獲得している


「10 Years After」のシングル盤レコーディングは1999年6月だが、
「featuring COMMON」のレコーディングはこれよりかなり遅く、2001/4/23である
レコーディングの場所は分からない
2001/9/27ラジオ「それゆけ!TM NETWORK」最終回で、
このテイクが放送されていたという情報がある


この音源は制作日から見て、
2000年のアルバム収録のための音源ではないことは明らかだが、
何のために作られたのかは成案がない
ただウツのボーカルがないことを考えると、
そもそもTM曲として作られたものではないのかもしれない


なおTM NEXTのメールには、
「10 YEARS AFTER('99.7.28 release)制作時、この楽曲にUSで活躍するラッ パーをフューチャーしたい小室哲哉の意向により、その実力・人気ともに高 い評価を得ているCOMMONに白羽の矢を立て、制作したバージョン」とある
この文章は藤井徹貫だろうか
だが本テイクが「10 YEARS AFTER制作時」に作られたとするのは、
ライナーに書いてある日付と矛盾している
要するにこの文章は当てにならないらしい


本作は2001年の制作だが、
当時の小室がglobe・Gaballなどで手掛けたトランスミックスとは異なる流れである
むしろ流れとして近いのは、Kiss Destinationだろう
2001/4/25には2ndアルバム「AMARETTO」がリリースされており、
小室もこの頃までは、R&BやHip Hopへの関心が残っていた
どのような形でこれを発表する予定だったのかは明らかでないが、
実は2001年初めの段階では、
必ずしもトランス一辺倒で行くつもりではなかったのかもしれない


ROJAM期音源2曲は、村上章久がリミックスを担当した
(木根版「We Are Starting Over」は除く)
レコーディングは2002年12月某日、ROJAMスタジオで行なわれた


村上はTK時代以来小室のアシスタントを務めてきた人物である
2000年には「Log-on to 21st Century」でマニピュレータを務め、
「Major Turn-Round」でも岩佐俊秀とともにプログラミングを担当しており、
TMとも関係ないわけではない人物である
だがアシスタントにリミックスを投げると言うのは、
「Castle in the Clouds」でアレンジを吉田健に外注したこととともに、
当時はいささかがっかりさせられた


収録されたのは「Worldproof」「MESSaGE」で、
アルバム代表曲の「Ignition, Sequence, Start」はない
本作についてはすでに2001年ウツのソロアルバムに、
小室も関わった「tatsumaki remix」が収録されたからだろう


それにしても「Worldproof」がリミックスされるとは驚きだ
なにしろ、原曲は単なる水の泡の音であり、
実質的には次に収録される「Ignition, Sequence, Start」につながるSEである
ただこのアレンジでは「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭の音も用いている
というよりも、実質的には「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭部分のリミックスというべき内容であり、
なぜ「Worldpfoof」の曲名を用いているのかがむしろ不審である


「Ignition, Sequence, Start」イントロ冒頭の音はシングルにはなく、
アルバムで始めて追加されたものである
これが「Worldproof」のリミックスとして扱われているのは、
あるいは制作過程では、この部分が「Worldproof」の一部とされていたこともあったことを反映しているのかもしれない


このリミックスは小室の仕事ではないが、嫌いではない
曲を通じて無機質な電子音が流れ続け、
後半では原曲にはないオリジナルフレーズが展開するなど、
なかなか努力した印象である
(そもそもTMの要素がどこにあるのかと言われると微妙だが)
なお正式タイトルは「Worldproof (A Deep Remix)〜Interlude〜」で、
7曲目に収録される


10曲目「MESSaGE (KIOKU Remix)」は、
ミディアムテンポの原曲を、トランス風のアップテンポの曲に仕上げなおしたものである
思い切ったアレンジだとは思うが、良いアレンジかというと疑問である
むしろ、本商品で一番がっかりしたテイクである


キヲクトキロク
R and C Ltd.
2003-02-05
TM NETWORK
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 22 / トラックバック 0 / コメント 13


6-26 Major Turn-Round

2015/07/20 03:24
あと2日で「Quit30 Huge Data」のBD/DVDがリリースされます
7/9にはジャケットも公開されました
”「宇宙から飛来した物質」をイメージしたデザイン”だそうです
youtubeにも「Huge Data」「Seven Days War」「Still Love Her」「We love the EARTH」に加え、
「Quit30」「君がいてよかった」「The Point of Lovers' Night」のサンプル動画がアップされています


小室さんはglobe「Remode1」のレコーディングを終えたようです
2枚組20曲入りで、さらに冬に「Remode2」も出す予定だとか
え、TMでもそれくらいやってよ!…とも思いましたが、
TMは新曲をたくさん作ってくれたしライブもいっぱいあったし、
かけてくれたエネルギーを考えれば文句は言えませんね
globeはライブをやれない分リミックスに力を入れているんでしょうし…


個人的には、最近小室さんが達観を始めたのが少し心配です
たとえば7/13のtweetでは、

世界的に有名になった、 バンドのどきュメントを、 眠れなくって観ちゃった。 僕は、残念ながらもう無理だけど あと10年くらいで、日本から、 もしかしたら、いよいよ登場 する気もする。 僕は21世紀の 黒船は観れたし、乗れたなぁ。 まだまだ繋ぎ役はやるよ〜。


とかつぶやいています
「僕はもう無理だけど」ですか…
こういうことをこの人が言い出すのは意外です
また7/5のTweetには以下のようにあります

人生、発想の波の3回目、 まあ、最後だとは思うけど、 それの象徴が、REMODE1.2 その他今年から、来年出来上がる ものな気がしてます。 今も、音が鳴って寝れないんだよ。 嬉しいけどね。


今の仕事が自分の人生の最後の波だと言っています
なんかもう音楽人生終わりモードみたいな…
2012年のTM再始動の頃の、音楽を楽しんでいた感じとはかなり違うものを感じます
TMは30周年でケリをつけ、今年のglobeで音楽活動ひと段落みたいな感覚なんじゃないかと不安になります
しかも曲が作れなくてスランプになっているわけではないのにこの発言…
まあまた気分次第で発言も変わるかもしれませんけど


そういや「TK Dance Camp 2015」計画は流れた感じです
最難関ぽい安室奈美恵あたりの調整が付かなかったんでしょうか
7/10・11には大阪・東京でクラブイベントがあり、
大阪では鈴木亜美さん、東京ではMarc PantherもDJで共演したようです
7/26には愛知でもイベントがあるようです


7/12には小室さんが「関ジャム 完全燃SHOW」に出演し、
自慢話したりシンセのパフォーマンス披露したりしていました
ただ個人的には共演のJUJUさんが鬼平犯科帳の大ファンで、
楽しそうにプレゼンしていた方が印象的でした(しかもさいとうたかをの漫画の方)


7/22にはJFN系列「坂本美雨のDear Friends」に出演します
美雨さんの産休直前です
出演日から見て、TMのBD/DVDの宣伝もしてくれると思います
7/29には恒例の「FNSうたの夏まつり」出演します
Marc Pantherも出るようなので、globeの曲をやるんでしょうか
歌はE-girlsあたりがやるとかして


木根さんは、いよいよレギュラー番組「木根テレ!」が始まりました!
…が、なんですかこれは?
おっさん(木根&徹貫)がしゃべるだけの通販番組でした
基本的に毎回二人が懐メロCDのセールストークをして、
あと毎回最後に一曲二人で懐メロを演奏します
7/18には湘南の由比ヶ浜でロケもやってきた模様


正直、無理して見なくても良いとは思いましたが、
一応毎回TMの話もしてくれています(第3回までは)
3回目は西城秀樹さんのポップンロールバンドという、
TMファンにとってもなかなかコアな話題が出ました


7/15には「水曜日のダウンタウン」に出演しましたが、
木根さんは芸人が出すネタにコメントする側の立場で、
正直荷が重いと思いました
7/16には「ダウンタウンDXDX」に出演し、
こちらでは昔のTM話などをしていました
あと、すごい久しぶりにパントマイムを披露していました
まだ覚えてたんだ!?


また木根さんは「伊藤銀次の「POP FILE RETURNS」第114回・115回に出演し、
7/10・17にネット上で公開されました、
各40分以上のボリュームです
7/17公開分のトークではTM初期の話もしていました
初期のライブでは機材を同期させて流すと止まる恐れがあったため、
テープに録った音を流していたとか、なかなか興味深いことを暴露していました
多分「Electric Prophet」の頃の話だと思うのですが、
だとすれば、以前ポコ太さんが推測していたことがビンゴだったことになります


以上、近況のまとめでした
それでは本題に入ります

-----------------------------
TM NETWORK 9thアルバム「Major Turn-Round」は、
2000/12/25にリリースされた
インディーズレーベルROJAMからのリリースだったため、
セールスなどはチャート類に公表されていない
ただ本作は先行シングル3枚と異なり、
TSUTAYAと新星堂限定で店頭販売も行なったため、
おそらくシングルよりはまともに売れただろう


なおROJAM版・TSUTAYA版・新星堂版は、それぞれCDのデザインが異なった
ROJAM版は小室・ウツ・木根・3人の写真がプリントされる4パターンがあった
ROJAM版は通販のため、どれが来るかは運次第である
熱心なファンは全種類収集やお目当てバージョン獲得のため、
一人で何枚も購入する場合もあったが、
売り方としてはいささか疑問を感じさせるところもあった


ともかく1999年5月の再始動宣言から1年半をかけて、
ようやくTM NETWORKのオリジナルアルバムリリースが実現した
作品の内容以前に、まずはアルバムを作ることができたことが重要である
小室は2000年にMIYUKI、坂口実央、BALANCeなど、
多くの新人歌手・ユニットのプロデュースを始め、
いずれもアルバムリリースの予定があったが、どれもシングル数枚で終わった
シングルセールスの不振でSONYでのアルバムリリースを取りやめたTM NETWORKも、
この一つになる可能性は十分にあった


だが小室は2000年の後半を費やしてTMのアルバムを完成させ、
これをひっさげたツアーも敢行した
TMファンから見れば当たり前に見えるこの成果も、
当時の小室周辺を見れば、極めて特異で幸運なものだった


2001年以後、TM NETWORKをめぐる状況は悪化の一途をたどるが、
それでも2000年のアルバムリリースと全国ツアーという実績は、
ファンの離脱をある程度のところで食い止める役割を果たしただろう
ひいてはTMの継続を可能にしたと言っても良い
実績が0か1かの差は、非常に大きかったと思う


「Major Turn-Round」のコンセプトはプログレッシブロックだが、
この方針は7月の「Log-on to 21st Century」リハーサルの時に決まり、
先行シングル「Ignition, Sequence, Start」で示されていた


本作は全7曲の内、1曲目「Worldproof」はSE、
4〜7曲目はバラードかミディアムテンポであり、
全体として非常に地味な構成である
ノリの良い曲は2曲目「Ignition, Sequence, Start」だけだが、
それも構成が複雑で、必ずしも受け入れやすい曲ではない


典型的なTM的ポップチューンを求めるファンには不満もあっただろう
だが本作はそもそも曲単位で聞くものではなく、
全体を通して1枚の作品として聞くべきものである
最後まで聞けば、本作にポップチューンなど入り込む余地などないことは分かるだろう


楽曲集ではなくアルバム1枚で一つの世界を作るという構想は、
かつて「CAROL」でも目指されたが、
その頃はEPIC/SONYの稼ぎ頭という立場上、
売れ線楽曲を入れることも求められ、
結果としてLP2枚組み中の1枚のみ「CAROL」組曲という、
中途半端な内容になった


これに対して「Major Turn-Round」は、
アルバム全体で一つの世界を描ききった
レコード会社上層部の意向を気にする必要のないインディーズという条件を最大限に生かした内容であり、
小室のROJAM移籍の最大の成果は、
本作のリリースにあったと言っても良いかもしれない


なおアルバムにはCDエクストラが付いており、
パソコンにセットするとCD購入者限定BBSへのリンクが開かれるというサービスがあった
(2001年初めにサービス終了)


「Major Turn-Round」というタイトルは9月下旬に発表された
タイトルは「メジャーがひっくり返る」とのことで、
「MAJOR」をひっくり返した「ROJAM」の社名を意識しており、
メジャーになる以前の「初心に帰る」ことを含意していた
70年代プログレは3人が若い頃に通ってきた道であり、
これに取り組むことはまさに「初心に帰る」試みだったのだろう


なおタイトルの「Turn-Round」は、
映画「Perfect Storm」で漁船が引き返すシーンのセリフ「Turn Around」から着想を得たらしい
小室によれば、「Turn Round」は「Turn Around」よりもポジティブなニュアンスだとのことである
(本当にポジティブなのかは知らない)


アルバムのジャケットには、
先行シングル2枚と同様に赤青オレンジ三色各1個の球体が描かれる
この球体は「Ignition, Sequence, Start」「We Are Starting Over」ジャケットにも描かれたが、
これらよりも接近した視点である
オレンジから青の球体には一筋の光が向かっているが、
これは各球体=TMメンバーのネットワークを表現するものだろう


本作は3人が影響を受けたプログレ作品のオマージュ的要素が強い
何よりも目立つのが「Major Turn-Round」のロゴで、
YESの「Close To The Edge」のロゴを意識しているのが明らかである
ジャケットデザインはWilliam Roger Deanに依頼されているが、
彼は「Close To The Edge」をはじめとするYES作品のデザインも手がけた人物である


アルバムの構成を見るに、
半分の時間は長大な「Major Turn-Round」組曲で占められ、
その中は「T First Impression」「U Second Impression」「V Third Impression」の3楽章に分かれている
これは楽章名も含め、Emerson, Lake & Palmer「Brain Salad Surgery」「Karn Evil」組曲と同じである


「Major Turn-Round」組曲は、
ある男性の内面の展開を表現したもので、
小室のイメージでは、場面は未来都市の生活空間だという
「T First Impression」の始まりは、
マリブのキッチンの換気扇の音を加工したもので、
換気扇をぼんやりと眺めている男の姿がイメージされている


次の「U Second Impression」は、
男が自分を見つめなおす場面であり、
最後の「V Third Impression」は、
回想から現実に戻った後に見える未来の情景を示したものである
それは「光は見えてるんだけど、それほど楽観できない未来」らしい
作詞を担当した小室みつ子は、
閉じた世界でのたうっている心が、
少しずつ外への開放に向かうイメージと言っている


主人公の精神世界を長大な組曲で表現する手法は、
プログレ作品ではしばしば見られるものではあるが、
その代表作として「The Dark Side of the Moon」「The Wall」などPink Floydの作品群は小室の念頭にあったものと思う
この頃のインタビューでもPink Floydの話題はよく出ているし、
別章で触れる「Tour Major Turn-Round」でもPink Floydを意識した演出が見られた
つまり「Major Turn-Round」は、
YES・ELP・Pink Floydというイギリスの古典的三大プログレバンドを意識した作品だった


「Major Turn-Round」の制作過程を見てみよう
小室が8月初めにハワイで先行シングル「Ignition, Sequence, Start」jの制作に入り、
9月前半には次の「Major Turn-Round」組曲にも取り掛かっていたことは、
以前触れたところである


9/14には木根がハワイで小室と合流し、
日本で歌入れした「Ignition, Sequence, Start」の音源と、
「We Are Starting Over」のデモ音源を渡している
この時木根はさらに小室から、
アルバム用に6/8拍子の曲と3/4拍子の曲を作るよう注文があった
これがそれぞれ「Pale Shelter」「Cube」となる
木根は9/14「We Are Stating Over」をレコーディング、
9/15「Pale Shelter」作曲、
9/16〜17「Cube」作曲と、実に調子よく曲が出来た
帰国は9/18のことである


このように見ると、
7月にシングルとしてリリース済みだった「MESSaGE」を含め、
インタールードの「Worldproof」を除く6曲は、
リリース3か月前の9月中旬には原型ができていたか制作に入っていたことになる


さらに当初の計画では、
「10 Years After」「Happiness×3 Loneliness×3」「80’s」
などTRUE KiSS DiSC時代の楽曲も収録の予定だったらしい
9/28「Beat Club」で放送されたハワイでの木根・小室対談で、
小室がこのことを明言した上で、合計12曲前後になると言っている
「it’s gonna be alright」は忘れていた?)


結果としてTRUE KiSS DiSC期楽曲は収録されなかったが、
これは後にSONYからストップされたためか、
TM側の判断で収録を取りやめたものか、はっきりしない
このことは、後まで1999年の楽曲の存在感が薄くなる原因となったが、
「Major Turn-Round」という作品に統一性を持たせるためには、
収録しなくて正解だったと思う


この後もレコーディングは続いた
レコーディングはハワイの小室と東京のウツ・木根の間で、
インターネット回線で音源をやりとりすることで行なわれ、
3人が一緒にレコーディングすることは一度もなかった
小室は他の仕事も重ねていたためか、
10月にはシングル「We Are Starting Over」の制作に遅れが出ており、
アルバム曲の制作も半中断状態だった可能性がある


そのような中で10/24には3人がニューヨークで合流し、
10/27まで写真撮影や打ち合わせを行なっている
アルバムのジャケットもこの時に撮影された


この時点で残っていたのは、
「Pale Shelter」「Cube」「Major Turn-Round」の3曲だった
ウツ・木根は帰国後の10/31から東京で歌・ギターのレコーディングを始めた
スタジオには葛城哲哉や小室みつ子も詰めていた


レコーディングスタジオの木根


「Major Turn-Round」では、
シングルを含む全曲の作詞を小室みつ子が担当することは、
8月には決定していた
「Pale Shelter」「Cube」の作詞は10/28に依頼されたとされるが、
楽曲データがこの日に完成してみつ子に送られたということだろう
アルバム全曲の作詞を一人が担当したのはTM史上この時だけで、
みつ子にはプレッシャーだったらしい
その意味で本作は、実はTM史上みつ子成分がもっとも濃い作品となっている


同時期にロスアンゼルスでは、
TOTOのドラマーSimon Phillipsがレコーディングに参加していた
小室は80年代にTOTOの影響を大いに受けており、
TOTOのオリジナルメンバーでないとはいえ、
Simonにレコーディングに参加してもらえたことは光栄だっただろう


ベースのCarmine Rojasも同じスタジオにいたものだろうか
CarmineはかつてDavid BowieやRod Stewartのツアーやレコーディングに参加しており、
David Bowieファンの小室やRodファンのウツには嬉しい人選だったと思われる
2人の演奏は「Ignition, Sequence, Start」「Major Turn-Round」で味わうことができる


木根曲の歌入れは11/2〜8にかけて「Cube」「Pale Shelter」の順に行なわれた
だがレコーディングのタイムリミットが2週間後に迫ったこの時点で、
肝心の「Major Turn-Round」はまだメロディができていなかった
これは1年前の「Happiness×3 Loneliness×3」と同じ状況である
すでにアルバムリリース日が決定していただけでなく、
一か月後にはツアーも控えていた以上、日程の変更は許されなかった


小室はみつ子に「なんか言葉を書いて送って」と頼み、
みつ子は「テーマみたいな散文」を送り、
小室はそれを組み替えて仮歌にしてメロディを作った
日本には小室から1日に何度も制作中の音源が届くという緊迫した状況だった


こうした中、11/13にようやくメロディ入り音源が出来上がった
みつ子は1日で「T First Impression」
その翌日に「V Third Impression」の作詞を、
2晩半徹夜状態でやり遂げた
この難解な曲に2日で詞をつけることは困難を極めただろう
歌入れは11/15〜18に「T First Impression」「V Third Impression」を各2日ずつ使って行なわれた


日本で作詞・歌入作業が行なわれている間、
小室は11/14〜17にシングル3曲のアルバムバージョン制作を行なった
その後「Major Turn-Round」の歌入り音源のミックス作業に入ったと考えられるが、
11/20にはスタジオ作業を終えていたようで、11/21には日本に帰国している
マスタリング作業はその後もアメリカで続けられ、11/28に完了した
優先的にマスタリングされたと思しき「Major Turn-Round T First Impression」は、
11/27にROJAM.COMのサイトで無料ダウンロード第三弾として公開されている


ここまでのレコーディング日程を見るに、
特に11月のアルバム曲レコーディングはかなり差し迫ったスケジュールで行なわれた
小室は大作「Major Turn-Round」で行き詰っていたようだが、
それまでのプロデュース作品群とは異質の楽曲なだけに、
確かに大変だっただろう
ただこの頃は小室が細木数子に傾倒し始める頃で、
スランプ的状況もあったのかもしれない


以下ではアルバム収録曲について触れよう
ただし先行シングル3枚は「Album Version」も含め、
すでにシングルを扱った際に触れているので、ここでは触れない


まず1曲目「Worldoproof」は、
事実上次の「Ignition, Sequence, Start (Album Version)」のイントロである
曲というよりもSEであり、
具体的にはワイヤレスマイクを海に落として録音した音である
歴代TMインストの中でも、もっとも地味な曲といえるだろう
正直次に続けて1曲にしてもまったく問題はないと思うが、
さすがに曲数が6曲なのはまずいということになったのだろうか
なお本作については、制作日程が一切分からない
ほとんど時間は使っていないのだろう


小室によれば、海は外から見た平穏さに対して、
内には暗澹さが秘められており、
いわば別世界への扉だということで、
そこに落ちていく音によって、
別世界に入るリアリティを表現したかったとのことである


ここから3曲目の「Major Turn-Round」組曲までが、
本作の核となる攻めのプログレ楽曲群となっている
「Major Turn-Round」についてはすでに延々と触れてきたが、
進行とともに次々と場面が変わる曲である
3部構成で、各10分程度、合計32:22の大作で、
一曲でアルバムの半分を占めている
TM史上最長の曲であり、今後もこれを越える曲は出ないだろう
(なお小室ソロでは「Far Easter Wind -Completer-」収録の「五常」が73:22で最長)


「T First Impression」は、冒頭から重い曲調で始まる
「広大なのに閉じているこの世界 ただ君とつながりたい」
という歌詞からも分かるように、
「君」との接点のない閉塞した世界を嘆く主人公の心情がテーマである


3分半前後、「Right!」の掛け声とともに曲調が一転して明るくなる
だが歌詞の内容は、部屋の中で苦悩する主人公が「君」を求めるものである
5:40頃からは、歌詞のない沈んだ暗い曲が続く
主人公の沈んだ心情を反映しているのだろう


1分半ほど経つとまた曲が変わり、歌も少し入る
「You know, we can’t replay. 過ぎた日はもう二度と繰り返せはしない…」
という歌詞からは、
主人公が「君」との関係構築に失敗した過去を悔いていることが分かる


9:00頃からまたアップテンポな展開になるが、
緊迫感溢れる曲調とディストーションのかかったウツのボーカルからは、
退廃的な雰囲気が漂っている
「I’m in a cage」「無理矢理笑ってMidnight TV show」
などの歌詞を見るに、
絶望した主人公が現状を忘れようと自暴自棄になっているようだ
この部分、レコーディングでウツが苦労したそうである


最後は「missing you missing you…」と繰り返し、
別れた相手への想いをふっきれない苦悩が強調されて終わる
最後にボリュームを上げながら加わるシンセの演奏が、
個人的には大好きである
結局主人公は、落ち込んだ暗い精神状態から始まり、
救われるすべもないまま狂乱の度合いを高めて終わるのである


13分くらいからは中間のインスト部分、
「U Second Impression」であり、
小室によれば過去の回想シーンである
曲調は「T First Impression」から継続しており、
主人公は苦悩しながら過去を振り返っているようである
激しく重いギターが、絶望感を強調する


15分半頃から8分間は、小室のピアノがメインとなり、
ジャズ的な即興の要素も取り込み、時折激しい展開もあるものの、
全体としては穏やかな雰囲気になっていく
主人公が冷静になっていく様子を表現しているのだろう


「Major Turn-Round」では基本的に、
SimonとCarmineの演奏の上に小室のシンセ・ピアノがかぶせられたが、
「Second Impression」では小室の半即興のピアノが先に録音され、
その上にSimonらが音を重ねたという
その意味で「Second Impression」は、
小室のターンにSimonとCarmineが競演している部分と言えるだろう


なおこの部分は2000年末、
麻薬・覚醒剤乱用防止キャンペーンのCMに使われた
ただしテレビをよほどよく見ない限り、
TM NETWORKの曲と気づくことはなかっただろう
(よく見るとTV画面の端に「TM NETWORK」とあった)


23分半から9分間は最後の「V Third Impression」である
冒頭から明るい曲調であり、主人公が過去から解放された印象を受ける
20分を越える長いタメの後、ここでようやく主人公は救われる
みつ子の歌詞もそれを表現しているのだろう

締め切っていた窓 夜更けに開く
脱ぎ捨てられたまま 椅子にしおれたDress
愛と闇の残骸 みつめ続けて
孤独な嘘にただ 逃げ込んでいた
もう留まれない 壁の内側
ガラスのショウケース 過去には飽きた
失った時間今 夜空に解き放て
新しいぬくもり 抱きしめるのさ


この後は「Turn round, turn around」のフレーズが繰り返される
過去にとらわれていた状態から、
未来を向いていた以前の状態に戻るということだろうか
26:15頃から曲調が変わる
歌は「君」との過去を忘れないことを誓う部分である
ウツ・木根の「I never forget」のところのコーラスワークと、
その後の激しいシンセはとてもかっこよい


27分からは1分ほど、
「something new, something good」のフレーズが繰り返されるが、
これは葛城哲哉のボーカルである
曲が32分あると気にならないが、
1分続けて葛城ボーカルが入っているというのは、
TM曲ではかなり特殊だろう


28分からは曲がクールダウンする
哀愁漂うギターが印象深い
ウツはじっくりとロックバラードとして歌い上げる
この部分の歌詞を見る限り、
主人公はなおまだ「君」との過去を忘れられずにいるらしい

引き寄せられて 同じ時間駆け抜けて
傷んだ胸を合わせた 同じ夢をたどってた
Was it true? Woo Was it true?


結局主人公の葛藤が解決したのかどうか明確にされないままに曲は終わる
苦悩、回想、解放というハッピーエンドで分かりやすく終わらないところが、
この曲のミソなのだろう
ここまで32分、10回の場面転換を見せる大作だった
小室としては全力でやりきったとも言えるかもしれない
ウツや小室みつ子も、よくやったと思う


次の曲は4曲目、「Pale Shelter」である
小室のリクエストで木根が6/8拍子で作ったことはすでに述べた
ミディアムテンポの曲で、Aメロは切なげなピアノが雰囲気を作っている
Bメロからサビに向けては意外なほど盛り上げる


この曲は「Major Turn-Round」の一部に入れる案もあったらしい
(その場合、「Major Turn-Round」は小室・木根共作になったのだろうか)
ウツがこのアルバムで一番好きな曲だとのことで、
2009年には「SMALL NETWORK」でこの曲を演奏している


「Pale Shelter」のタイトルは、
都会を「青白い避難所」に見立てて名付けられた
「約束の場所はどこにもみつからない」とあるように、
全体としては救いのない場として描かれる
つまり「Pale Shelter」とは、
ネガティブなイメージで描かれた都会を表現したものである


具体的な場としては、南米の街の風景を意識しているという
「探し続けたShining El Dorado」というフレーズも、
南米が舞台であることを反映している
「白く乾いた道の向こうに荷台を引きずる痩せた馬が行く」
「残り少ないコイン数えて壁際寄りかかる旅人たち」
などの部分も南米のイメージなのだろう


歌詞のテーマは、閉塞した都市に守られて生きて行くのではなく、
そこから出ようという意志である
「Pale Shelter」は主人公にとって、
乗り越えるべき故郷を意味するということになろうか
歌詞の雰囲気はかなり異なるが、
「Get Wild」「Resitance」「We Are Starting Over」など、
先行する典型的なみつ子詞とテーマは共通している


みつ子はアルバム全体に漂う閉塞感の中で、
この曲からは開かれた場所というイメージを受け、
このような歌詞にしたのだという
閉塞しているけれど開かれてはいる場ということなのだろう


5・6曲目は「We Are Starting Over」「MESSaGE」「Album Version」で、
ともに先行シングルのリミックスである
プログレのコンセプトが決定する以前に作られた曲で、
その点でアルバムの中では異質な部分とも言える


最後の曲は「Cube」である
木根が小室から3/4拍子の曲を依頼されて作ったことはすでに述べたが、
小室はモデルとして、Pink Floydのビデオを見せたという
具体的にはBilly Joel「Piano Man」をPink Floydがピアノで演奏するシーンである
「Cube」で歌がオクターブ上がるところは、
「Piano Man」に基づいているという


木根はこの曲を依頼された時に難色を示したが、
Aメロだけで良いと小室から説得されて作ったのだという
メロディが基本的に同一の展開で最初から最後まで通されているのも、
Aメロだけで作ると言う条件があったからだろう


小室は本アルバムの木根曲でも、「Cube」を特に絶賛しており、
「20年か30年に1曲の名曲」と称えたという
小室は、木根の仮歌入れの場に現れた時、この曲を聞いて気に入り、
その場で木根が撮ったピアノパートの上にオルガンパートを加え、
木根の仮歌の上に小室が即興でハモるという、
セッション感覚でデモを作成した


「Cube」はピアノとオルガンのみのシンプルな曲だが、
それが曲の魅力をよく伝えている
しかも歌は1番のみ、2分あまりで終わり、
その後はピアノとオルガンのセッションが続く
最後はオルガンの長い間奏をはさみ、
ウツの優しい歌でしっとりと終える
歌い手としてはこれからというところであえて終わる構成にしたというが、
すっきりと終わらせない構成は「Major Turn-Round」にも通じている


「密室みたいに世界は息苦しい」のフレーズに見るように、
歌詞はアルバムのテーマである閉塞感をよく反映する
「欲しいのはただどこかにいる君だけ」というフレーズも含め、
「Major Turn-Round T First Impression」
と近い雰囲気の歌詞である
みつ子によれば、「Cube」の詞では俯瞰の視点からズームインして、
空から主人公の心へと迫っていくという手法を取ったのだという
つまりこの歌詞が描こうとしているのは「心」である


「Cube」(立方体)という曲名は意味が分かりづらいが、
歌詞の中では「Are you there? I’m in the cube」と、
「I don’t care what’s going on out of my tiny and empty cube」の一節で登場する、
「僕のちっぽけで空っぽな"cube"の外で何が起ころうが気にしない」
という後者の文意を考えるに、
「Cube」とは曲の主人公自身もしくはその精神を指すのだろう
「I’m in the cube」という表現も併せて考えれば、
主人公の行動を縛る思考とでも考えるべきだろうか


「Cube」は小室が絶賛した通り、
アルバムのラストにふさわしい名曲だと思う
再始動前とは異なる木根の魅力が存分に発揮されている
「Tour Major Turn-Round」でも本編最後という重要な箇所で演奏された
その後二度と演奏されないだろうと思われたが、
2014年「the beginning of the end」で、
まさかの新アレンジ・新歌詞版が披露されている

(2015/7/20執筆、2016/7/13加筆)

Major Turn-Round
ROJAM
2001-06-15
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 16 / トラックバック 0 / コメント 24


6-5 Time Capsule

2013/09/25 02:41
お久しぶりです
仕事の関係で長らく更新できていませんでした


9/21、木根さんはHot Legsのイベントを開き、
小室さんは「ザンジバルナイト」に出演しました
Hot Legsイベントはどうだったのかよく分からないのですが、
Hot Legsはこれを以って活動休止のようです


「ザンジバルナイト」についても詳細は不明なのですが、
11/6の20:00〜22:00にNOTTVで一部放送されるそうです
(私は見られませんが)
「流れゆくままDDブログ」のレポによれば、
「Love again」「EZ Do Dance」「survival dAnce」「Wow War Tonight」「You're My Sunshine」「Over The Rainbow」「Get Wild」をやったようです
「SUMMERSONIC」とほとんど同じ曲目ですね


「SUMMERSONIC」でやった曲では、
「Watch The Music」「Boy Meets Girl」「Self Control」が入っていませんが、
レポで落ちている可能性もあるのでよく分かりません
その他、やるといっていた「The Generation」は結局やらなかったんでしょうか


なお「SUMMERSONIC」の音源は「DEBF EDM 2013 Summer」として、
9/25にiTunesで配信されました
さっそく日が変わるとともにDLしましたが…
おお、これはいいですね! かっこいい!
でもこれ、ライブ音源そのものじゃなくて、ライブで使ったトラックを使ったスタジオアルバムですね
「SUMMERSONIC」で入った即興の音とかボーカルが入っていない部分があります


また本作収録の「Mission Part 1」は、
そもそも「SUMMERSONIC」では演奏していませんでした
これは「START investigation」のオープニングで、
「Children of the New Century」「Ignition, Sequence, Start」の間に演奏された短いインスト曲です
(一部の方が「クリストファー」と言っていた部分)


「Mission Part 1」というのは「FINAL MISSION -START investigation」のオリジナル曲1曲目ということでしょうね
ならば「Here, There & Everywhere」の後の寸劇で演奏された小室さんソロは「Mission Part 2」なのかもしれません


さて、9/21には上記のHot Legsイベントと「ザンジバルナイト」の後、
WOWOWで待望の「START investigation」のライブ映像が放映されました
映像は初日7/20の公演でした


放映時間は1時間半なので数曲カットされ、
曲としては「Mission Part 1」から始まりました
カットの餌食になったのは以下でした
「Children of the New Century」「Here, There & Everywhere」「In The Forest」「CAROL (Carol's ThemeU)」「Dawn Valley」
「Here, There & Everywhere」は知名度から言ってカットの対象にならざるを得なかったのでしょうが、
他はこれなら仕方ないかなと思う曲でした
その点では割とストレスのたまらない選曲だったと思います


ただ外人版「CAROL」組曲を後半カットというのは、
ファンの多くは不満は感じないでしょうが、
ストーリー的に意味不明になってしまった感じですね
「Children of the New Century」「Dawn Valley」も含めて、
ストーリーに関わる部分はかなり削られているので、
ここらへんも含めて確認したい人はそのうち出るDVD/BDを買えということなんでしょう


番組冒頭では、ライブ会場のスクリーンで、覚える間もなく流れていった設定の説明文が全部確認できました
以下に引用しましょう
諸種のレポや設定資料では1950年前後の時代設定となっていましたが、
スクリーンに示された設定によれば、ぴったり1950年なんですね

TM NETWORKが宇宙の果ての惑星から
地球を訪れたのは1984年だった。
その目的は、潜伏者となり
地球のさまざまな文化や
さまざまな営みを調査し
メインブレインへ報告するためである。
その任期は30年。

2012年 東京。
3人の新たな潜伏者が送り込まれた。
彼らは、正式に任務を引き継ぐまでの3年間
さまざまな時代やさまざまな場所で
訓練を繰り返している。

一方、残り任期が1年となった
TM NETWORKは…
あれから1年。
潜入者である彼らは
姿を消していたが…

一九五〇年 アメリカ
斜陽の田舎町


いくつか気になった点を挙げれば、
まずテレビで冷静に見ると、やはりウツはやつれたなあ…という感じでしょうか
でも声には力はないけれど、音程などはまったく問題なく、
ここらへんは大したものだと思いました


以前のライブレポにいくつか付け加えると、
IP-type04(新潜伏者3人)は、去年の「incubation Period」冒頭でTM NETWORK3人を発見する草原の3人と似ているように見えます
少なくとも女性は同一人物で、白人男性もおそらく同じでしょう
でも黒人男性は違う人っぽいなあ…
女性は去年のBDのライナーによれば紀元由有(きもと ゆう)という振り付け師です


ここ、たまたま同じ人を使ったのかどうか判断が難しいですが、
もしもストーリーがつながっているのならば、「incubation Period」冒頭の3人は、
宇宙から送り込まれたばかりのIP type-04ということになり、
そこに現れたTM NETWORKは彼らを見守りに来たということになります
もちろん全然つながっていない可能性もありますが…


「CAROL」組曲の後は、葛城哲哉さんのギターと木根さんのハーモニカの掛け合いがありました
ただWOWOWの映像を見ると、これ2人だけじゃなくて小室さんのシンセも加わっていますね
あとあまり気づいていませんでしたが、「Ignition, Sequence, Start」のインスト、
途中で歌メロの部分を小室さんが手弾きしていました


「CAROL」組曲も、外人がいっぱい登場して記憶があいまいになっていたため、
前回のレポは少々誤っていました
たとえば以前、「A Day In The Girl's Life」のイントロでウツのボーカルが流れると書きましたが、
これは女性二人+男性二人のコーラスが登場してやっていました(まあ口パクですが)
続く「CAROL (Carol's ThemeT)」では、
木根さんがキャロルの存在に気づいて驚いたり微笑んだりと、結構演技をしています


それと前回のレポに8414+さんがコメント欄でご指摘くださったんですが、
「一途な恋」ではウツが歌っていないところを木根さんが歌っていますね
ただ、やはり木根さんの独唱のようには聞こえず、
CDのウツボーカルにかぶせている可能性が高いように思います


今回のライブについては、「Keyboard Magazine」2013年秋号にも小室さんのインタビューが掲載されました
これによれば、今回のライブではやはりウツを休ませるため、
「苦肉の策」という部分もあったといいます
20分のオープニングと外人「CAROL」の部分でしょうね
がんばりすぎて途中で倒れるよりは、最後までみんなに楽しんでもらいたかった、とのことです


ただ今回の映像を見て思ったのですが、
「Ignitionn, Sequence, Start」の終わりでウツのサンプリングボイスを流したところ、
ここで本人が登場して歌うというのもありだったんじゃないかな?とも思います
まあ、本当に少しでも出番を減らすという方針だったんでしょうけどね


今回の小室さん、全演出を担当したので、常にそのチェックも行なっており、
感覚としてはPA卓にいるような気分だったそうです
特にウツがステージにいる間はずっと注意を払っていたのだとか


今回のライブ、本当はテーマを「HELLO」にしたかったそうです
これは「(IP type-04が?)地球に来て初めて覚えた言葉」だそうです
今年のライブでは使えなかったけど、
来年のライブは「HELLO」で始まるものにするつもりのようです
小室さん、来年のライブでは「Electric Prophet」を演奏するとラジオで言っていましたが、
あるいは「時を越えてHello Again」の歌詞がここで生きてくるのかも…
まあ、きっと別のことを思いついて、また全然別のタイトルになるんだと思いますが


また小室さんは「HELLO」を最初に覚えたという設定に触れた際に、
「”E.T.”じゃないですけど」と言っており、「E.T.(地球外生命体)」を意識しているようです
これ、当初キーワードとしていた「TMETWORK」とも絡むのかもしれません
以前ichoさんがコメント欄で同様の見解を出していました


今回のライブで特筆すべきはなんと言ってもソフトシンセの導入ですが、
すでに3月くらいから試していたようです
ただ一台のパソコンに何台もシンセを入れていたところ、
リハでパソコンがフリーズしてしまい、
急遽パソコンを一台追加購入して一台にかかる負担を軽減させるなど、
今回のライブシステムはそれなりに手探りでやっていたようです


今後はソロアルバムを一枚出してEDMは締めるとのことです
小室さんの読みでは、EDMのピークは来年くらいで、
EDMのような「”データ”のエンターテインメント」の先には生音の音楽が待っていると読んでいるようです
となると、2014年のTMの音はまた変わってくるんでしょうか?


なおTM30周年について、「2公演だけってことはないと思う」と言っており、
どうやら大規模な会場での2公演以外にもライブはあるようです
これはやはり全国ツアー+大規模ライブということで考えてよいのでしょうか!?
これは楽しみです
ただ「海外ツアーに行ってもいいかな」とか行っていて、また海外とか言い出しています
うーん、それはどうかなあ…


ライブでは9/7・8にウツ・木根・浅倉さんで「EXPOフォークパビリオン」が開催されました
結局FC限定になったようです
今回は1970年代の楽曲中心で、今までよりもさらに渋い選曲になったようです
TM曲はアンコールで「Another Meeting」でした
なおウツは「START investigation」の衣装の白いブーツを履いてきたそうです


この後、ウツは「U_WAVE Tour 2013 フォースアタック」(ツアータイトル決まりました)が、
木根さんは「Talk&Live "RESET" Tour」が待っております
すでにチケットは一般発売中です


magneticaのサイトではU_WAVEツアーチケット一般発売の9/21、
「EXPOフォークパビリオン」の後に撮影したウツと野村義男さんのメッセージが動画で公開されました
ちょっとだけ「EXPOフォークパビリオン」の雰囲気が分かりますね
U_WAVEで新曲も作っているとのことです
(STAFF DIARYによれば「AI」という曲名)


また去年のウツソロツアー会場で限定販売されたシングル「One of A Kind」は、
9/10からiTunesで配信が始まりました
SONY時代の旧譜についても、
9/11ウツ・木根ソロアルバムの一部がBlu-Spec2で再発されましたが、
どうやら同じ時に、小室さん・TM関係で、
浅倉大介・葛城哲哉・篠原涼子・Ring・鈴木あみ・Kiss Destinationのアルバム(の一部)もBlu-Spec2化されたようです


うーん、でもそこらへん出すんなら、
「Seven Days War」「Mademoiselle Mozart」「tk-trap」とかを出してくれた方が…
いや、それ以前に「Rhythm Red」「EXPO」を…
(自分は買わないけど)


小室さんは10/8フジテレビ系列の「ハモネプスターリーグ」に出演し、
坂本美雨・島谷ひとみ・篠原ともえ・DEEPとチームを組むそうです
小室さんも歌ったら面白いですが、演奏でしょうね
バラエティではありますが音楽関係ですし、
少し前の細木数子の番組とか暴露番組とかと比べればはるかに印象も良いと思います


一ヶ月ぶりの更新で前振りがとても長くなりましたが、
やっと本題に入ります(前振りと本題の長さがあまり変わらない…)
第六部に入って初めてのTM話です

----------------------------------------
1996/12/12、TMNの2枚組シングル集「Time Capsule all the singles」がリリースされた
当時は小室・ウツ・木根の3人の接近の過程中だっただけに、
旧TMNファンにも期待を持たせるリリースだった
実際にこのタイミングでリリースされたのは、
ファンの期待を煽る意味もあったに違いない


またTKブームの洗礼は受けていてもTMNはよく分からない世代にとって、
本作はTMN入門編としての意味も持った
30代前半くらいなら、「Time Capsule」でTMNを知ったという人も多いだろう


本作はプラスチック製のケースの中にに2つのケースが入る入れ子構造で、
中の一枚目は白、二枚目は黒のジャケットである
二枚とも中央には頭が3つある人体をデザイン化したマークがある
これはTMNの3人を表現したものだろう


中のCD


ライナーは各シングルのジャケットと歌詞が記されるだけのシンプルなもので、
特に新しい写真などはない
ただ付属のブックレットには過去の写真が収録されている
写真の年代は1994年から1984年へとさかのぼる形で収録されている


外のケースのデザインは、縦横2方向で2分され、
計4つの空間に分割されている
右上と左下は白、左上は黒、右下は灰地に黒点となっており、
中のケースも含めて白黒二色で構成されるデザインである


左上には「TMN TIME CAPSULE」のタイトルが記され、
左下には機械の写真の上に小室・ウツ・木根の名前が記される
右上には頭3つ人体のマークがプリントされていた


また右上には本物の電子時計も付いていた
時計を付けたのは「Time Capsule」というタイトルと絡めたものだろう
ただしこの時計は購入後数年で電池が切れた(ソニータイマー?)


本作はチャートで初動3位、22.7万枚を売り、
最終的には52.8万枚、1997年度年間35位を記録した
CDバブルの真っ最中のリリースという事情も勘案せねばならないが、
アルバムで50万枚を越える売上を達成したのは、
実に1991年「EXPO」以来のことである(そしてこれが最後である)
1997年度TK関連作品群の中でも(オリコンでは1996年12月から翌年11月)、
年間3位のglobe「Faces Places」(320万枚)、
7位の安室奈美恵「Concentration20」(187.9万枚)に次ぐ数字である


本作は「金曜日のライオン」から「Come On Everybody」までがDisc1、
「Just One Victory」から「Nights of the Knife」までがDisc2となっている
シングル集としてはすでに「終了」時にリリースされた「TMN Black」があったが、
これはシングル曲を対象としたベスト版であり、
シングル曲の中から約半分を収録し、曲順もリリース順とはなっていない
これに対して「Time Capsule」は全シングルをリリース順に収録したもので、
しかも2枚組みで3873円という価格だったため、
「TMN Black」よりもお得だった


2年前に「TMN Black」を買ったのは一体何だったのだということにもなるが、
ともかくシングルという媒体を通じて、
TM NETWORK〜TMNの歴史を通観できるようになったことは、
それなりに意味のあることだろう
他の濫造ベスト版のみならず、オリジナルアルバムまでしばしば絶版になる中で、
本作は現在でも販売が行なわれている


本作で意味があるのは、「TMN Black」未収シングルがまとめられたことだろう
TMのシングルはアルバム版とはミックスが異なることが多く、
その音源はベスト版に入らない限りシングルでしか聞けなかったので、
本作によって初めてアルバムで聞くことができるようになった音源もある


もっとも2008年以後はシングルリマスター音源集として、
「The Singles 1」「The Singles 2」「Original Singles」が相次いでリリースされ、
「Time Capsule」の存在意義は薄れてしまったが、
これらの間では内容に少しずつ出入りがあり、
「Time Capsule」の価値もまったく失われたわけではない


本作収録曲で特に歓迎されたと思われるのは、
人気作にも関わらず「TMN Black」未収だった「Beyond The Time」「Seven Days War」である
「Seven Days War」はサウンドトラック「Seven Days War」にも入っているが、
TM名義のアルバムにシングルバージョンを収めるのは初めてである


「Beyond The Time」は、さらにややこしい事情があり、
それが「Time Capsule」の価値を高めている
「Beyond The Time」のシングルは、
レコード版とCD版で収録時間が異なっており、
レコード版はフェードアウトで終わるが、CD版は最後まで収録されている


当然価値が高いのはCD版で、「Time Capsule」もCD版を収録している
しかし後にリリースされた「The Singles 1」「Orinigal Singles」は、
いずれもレコード版を用いている
音源の違いを理解しているスタッフがいないためでないならば、
本作のみCDシングルがまだ販売されていることが考慮されているのだろう
(CDシングルの商品価値を下げないための措置である可能性)
つまり「Beyond The Time」のCDシングル版を聞くことができるアルバムは、
現状では「Time Capsule」のみである


他のアルバム初収録音源としては、
「アクシデント」「All-Right All-Night」「Just One Victory」
の3曲もあり、それなりに意味があるだろう
「Dragon The Festival」「Your Song」「Come on Let’s Dance」は、
すでに「Gift for Fanks」にシングル版が収められていた
「Girl」「Resistance」「Get Wild '89」「Kiss You (Kiss Japan)」「Come On Everybody (with Nile Rodgers)」
はシングル・アルバムでアレンジが同じである


問題なのは「Rhythm Red Beat Black version 2.0」で、
オリジナルよりも時間が1分以上短くなっている
オリジナルが10分近い長さだったため、
曲数を入れるためにアウトロを一部カットしたものらしい


この曲は「TMN Black」には収められていなかったものの、
「TMN Red」には収録されたので、それほど大きな問題はないのだが、
シングルは「Time Capsule」で聞く方も多いと思うので、注意されたい
なお「Original Singles」では、なぜかこの曲は収録もされていない
そのためシングル集で完全版を聞くことができるのは、
「The Singles 2」のみとなっている


以上、本作収録のシングルに関して触れてきたが、
実は本作でもっとも重要なのはこれではない
Disc2の最後に収録されるボーナストラックこそが重要なのである
これはTMN名義ではなく、
小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登という名義ではあるが、
TMNの新曲に限りなく近い作品であることは間違いなく、
事実上はTMNの新曲と言ってしまっても良い


この曲について触れる前に、もう一つ触れねばならないトピックがある
Play Station用ゲームソフト「gaball screen」である
本作は小室哲哉トータルプロデュースとして、12/6にリリースされた


ゲームの内容は、行方不明になった音の断片を探し当てるというストーリーで、
音源をそろえるとその曲のPVを見ることができた
楽曲もすべてTKプロデュースである(ただし作曲は半分以上久保こーじ)


「gaball screen」は、TM NETWORKファンには言うまでもないが、
「CAROL」のストーリーに登場するTMをモデルにしたユニットの名前である
ゲーム内ででユニットgaball screenが登場するわけではないが、
TMを連想させるキーワードを盛り込んだことからは、
小室が世間のTMNの記憶を蘇らせようとしていた意図を見て取ることができる
ただしゲーム自体はクソゲーの定評があり、
この点、TMの黒歴史「Live in Powerbowl」を再現してしまったといえよう


ゲーム内で集める曲は全部で以下の7曲だった
後ろに作曲者名をつけておく
作詞は全部前田たかひろである


仲間由紀恵「Shubi-Duba, Dubi-Duba」(久保)
No! Galers「夢の続き」(久保)
知念里奈「Cry-Max」(久保)
岩下千絵「…I’m not in love」(小室・久保)
B☆KOOL「Do I, Do It」(小室・久保)
篠原涼子「waiting for…」(久保)
宇都宮隆「discovery」(小室)


最後の「discovery」は、「gaball screen」リリース直前の11/25、
ウツ初のTKプロデュースシングルとしてリリースされたものである
「discovery」「gaball screen」が連動企画だったことは、すでに述べた
なおゲーム中の「discovery」PVはウツ一人で歌ったり寝たりしたりするもので、
テレビなどで流れた女性と絡むPVとは異なるものである


「gaball screen」収録楽曲一覧を見て、
一番知名度が高いのがウツの曲であると思うのは、
おそらくファンの欲目ではないだろう
他は歌手や曲の魅力も概して薄い
(アイドル時代の仲間由紀恵はある意味で貴重だが)
篠原も貴重かもしれないが、作曲は久保で、しかも大した曲ではない
(なお篠原の「waiting for…」は現在までCD化されていない)
ゲームをリリースしたのがSONY系のアンティノスレコードだったので、
avexやorumokのミュージシャンを使うことができなかったこともあるのだろうが、
それにしてもあまりにもしょぼい布陣である


さて、このゲームでは全曲を集めると、ボーナストラックのPVも見ることができた
それが小室哲哉・宇都宮隆・木根尚登の「Detour」であり、
「Time Capsule」のボーナストラックにもなった曲である


これも他の「gaball screen」楽曲と同様、前田たかひろが作詞しているが、
本曲をTM関係楽曲として認めれば、前田がTMに関わった唯一の例となる
前田はスタジオに呼び出されて小室から作詞を依頼され、
その時に用意されていた部屋で歌詞を書いたとのことである


曲はシンセ色が強いバラードで、ウツの歌を強調した作りになっている
3分半程度の短いあっさりとした曲である
3人のコーラスワークが聞けるのは、
当時のファンにとって嬉しいポイントだっただろう


PVでは、まず3人が、パソコンが置かれた机に座る
そのパソコンの中には4体の謎の妖精?やら武人?やらがいるのだが、
小室がキーを打つと、その4体が召還され、
半透明の幻想的な姿で3人の周りにまとわり続ける


シーンが変わり、
ウツが歌入れ、木根がギター、小室がシンセを演奏している
小室の笑顔が印象的である
その後、3人が夜に車でどこかへ向かうシーンに移る
おそらくレコーディングを終えてスタジオから帰るところである
そして3人は車から降りると、どこかへ行ってしまう
最後には「off to our endless adventure」のメッセージが出るが、
「僕らの果てしない冒険へと旅立つ」とでも訳せば良いだろうか


なおこれは「gaball screen」全般について言えるのだが、
PVは楽曲をフルコーラス収録していない
そのため完全版の「Detour」を聞くためには、
いずれにしろ「Time Capsule」を買わなければいけなかった


この曲のコンセプトは何だろうか
作詞は前田だが、小室からおおまかな方針は告げられていたものと考え、
1番の歌詞を見てみることにしたい


まず冒頭は「とおくなったね君はもうとおすぎて」と始まるが、
これは元TMNの3人から、
「終了」以後遠ざかってしまったファンへ向けた言葉である
メンバーから「君」=ファンに語りかけるTMN常套の語法である
ファンから遠ざかっていたTMNは、この曲で帰ってきたのである


しかし次の歌詞に見えるように、3人にはファンの姿が見つからない

さぁどこにいるんだろう ふりかえりながら
ずっとさがして来たのに 逢えなかったね


そこで3人はファンとの再会を先送りして行ってしまう
PVの最後のシーンは、それを意味しているのだろう
だがそれは今までの過程とともに、あくまでも遠回り(Detour)であり、
最終的にはファンと再会するつもりであることが暗示されている


もう行くよこのまま 君を待たないで
奇跡は信じないで 偶然がいいね
そういくつも 遠回りを選んだのは
そうさ 君に逢うためかも知れない


以上の詞を見る限り、
3人はファンとの再会の準備は出来ている
だがファンの姿が見えないから再会できなかった
この場合の再会とは、もちろんTMN再結成を意味するはずである


ファンの姿が見えない現状とは、ファンの声が3人に届いていないということである
つまり3人はここでファンに対してこう言っているのである
「再結成を願う声を聞かせて欲しい、そうすれば再結成の準備はある」と


1996年に接近し始めた3人は、ここでファンに再結成の準備を告げる
あとはファンから再結成を望む声が高まるのを待つのみである
だが「もう行くよこのまま 君を待たないで」とある通り、
3人はこの後TMNをにおわす活動をしばらく断つ
3人での共同作業はなお続くのだが、
1996年が機運を高める種を蒔く時期だったとすれば、
1997年はいわば時機を待つ期間とされていたのだろう


このDetour(遠回り)は、果たして戦略としては正解だったのだろうか
1999年の再結成はいささか時機を逸していた感もあったが、
これは結果論だったとも言え、正当な評価は今もなお難しい


ともかく事実のみ見れば、彼らは拙速に再結成するのではなく、
それを求めるファンの声を待ち、ファンに迎えられる形で再結成しようとした
ここで重視すべきは、彼らの再結成への意志が明らかにされたことであろう
「終了」してしまったTMNは、
ここに再結成を待つユニットになったのである


なお「Detour」は発表の経緯もあって、
再結成後のTMのライブでも演奏されたことがない
だが2011年、ウツの過去の活動の集大成的な意味を持った「Tour Timesmile」で、
日替わり曲としてこれが演奏され、ライブDVDにも収録された
このライブでもっともレアな選曲だったはずである


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1996-12-12
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記事へなるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 14 / トラックバック 0 / コメント 18


6-3 木根尚登&宇都宮隆 produced by TK

2013/07/07 00:38
「START investigation」の先行予約分チケット、
発送が始まったようです
皆さん、席はどうだったでしょうか


さて、今回は告知があります
当ブログ読者の方から提案があり、ライブ当日、
夜に有志で集まろうということになりました
日時・場所は初日7/20(土)公演の後、さいたま新都心駅近くです
ライブは18:00スタートですから、集合は20:30前後で、
2時間くらいの軽い飲み会になると思います


ライブ直前で今更の上、かなり急ではありますが、
関心のある方は7/14(日)までに以下のアドレスまで、
お名前(本名でなくても可)・携帯番号・携帯メールをお知らせ下さい
こちらから折り返し連絡いたします

大規模なファンイベントなどではなく、
少人数で語り合うような感じになると思います

tm_on_the_planet%yahoo.co.jp(%を@に変える)


「START investigation」のチケットはローソン・ぴあ・e+でまだ残っていますが、
(参戦可能で未購入の方、是非!)
7/4にライブシネマのお知らせも来ました
去年は香港・台湾を含む118館で上映されましたが、
今回は半減して51館です
まあ、去年の館数が多すぎたんでしょうね


ただし前回と違って今回は2日とも上映しますから、
ライブに参加できない方には嬉しいことと思います
チケットの一般発売は7/19からですが、
ローソンチケット(7/5〜7)・チケットぴあ(7/8〜14)・楽天チケット(7/15〜17)で先行予約があります


magneticaのSTAFF DIARYが最近頻繁に更新されています
6/28の日記によれば、
6月前半にはウツが事務所に来てミーティングなどしていたようです
もうかなり大丈夫な感じですね
7/3にはリハーサル用の仮セットリストが作られ、
7/4にはリハーサル用機材が積み込まれました


小室さんも6/23に演出のリハーサルを行なっていましたが
7/5にリハ本番に入ったようです
7/5のTweetを転載します

一般のみなさん、奇跡だとおもいませんか?
日々、TMの3人が、揃って
リハーサルをやっている事実。
僕は手術とかはしたこと無いから、ビックリなんだよね。4月だよf^_^;手術!
凄いね、人のチカラって。


小室さん、嬉しそうですね
ウツは驚くくらい元気なようです
ただ木根さんは7/5〜6に名古屋・京都で神谷えりさんとコラボライブのはずで、
「TMの3人が、揃ってリハーサル」というのはどういうことか理解に苦しみますが、
リハ前のミーティングなどではすでに顔を合わせているんでしょう
ともかく小室さんとウツはリハーサルに入ったんでしょうね
(magneticaのSTAFF DIARYの7/5にもリハ用の軽食の写真が掲載)


あと小室さん、6/19にスタジオにソフトシンセを導入しました
小室さんはこれまでハードシンセにこだわり続けてきましたが、
あえてソフトシンセを取り入れたのは、
手弾きだと頚椎ヘルニアに響くためのようです
ヘルニアはさいアリのライブパフォーマンスに影響するんでしょうか
健康上の問題ですし、仕方ないことですけど


小室さんは7/2頃にはスタジオで音源のミックスを行ないました
これはさいアリで販売するとのことで、「貴重品」と言っていますから、
会場限定販売の音源かもしれません
3月にレコーディングしていたTM新曲の音源でしょうか?
これは気になりますね
当日は早めに会場に来た方が良いかもしれないです


新作といえば、別に新作ではないんですが、
7/17に再発される小室さんのソロDVD「Digitalian is eating breakfast」
特典が入る代わりに値段が初発版の2倍になりますが、
特典の内容がいまだに分かりません
このままだとHMVサイトにある通り
昔TVで放映した「20th Century Boy」一曲が入るだけで終わりでしょうか


7曲入りDVDを8曲入りにするだけで値段を倍にするというのは、
私のような凡人にはまったく理解できない商法ですが、
SONYは本当にそこまでやるでしょうか
本当にやったら、
バカじゃないの?
とこき下ろそうと思います


小室さんソロでは、
8/10「SUMMERSONIC 2013」東京会場の8/10深夜のステージ出演が決まりました
おおー「SUMMERSONIC」ですか
小室さんもこういうところから声がかかるようになって嬉しいです
ここ2年の「DOMMUNE」関連ライブの影響でしょうね


小室さんも嬉しがっており、
このライブが来年に向けての活動になると言っています
「Digitalian is eating breakfast」の曲を1曲は演奏する予定で、
しかもそのEDM版になるそうです
私は行けないのですが、これは見たいなあ
WOWOWとかで放送して欲しいですね


また何をするかは明らかにしていませんが、
globeデビュー日の8/9、globeで何かをやるそうです
6月のYahoo!ニュースでなぜか小室さんがKEIKOさんと一緒に買物していたという記事が出ていましたが、
こんなことはかなり前からやっていたことですし、
今あえて取り上げたのは、globeの活動を盛り上げる準備のための宣伝かもしれません


あと小室さん、6月中旬に続いて、
下旬にも過去のレア写真を次々とアップしました
TMデビュー当時の写真とか1988年ロンドンの写真とかがあります
ロンドンのTMの写真などは喜ぶ方も多いでしょう
1988/9/1「ザ・ベストテン」にロンドンから中継で出演した時のものですね


特にレアなのは1979年頃(ギズモ・銀星団時代?)の写真です(その1その2
これらは小室さんの昔の友人が送ってくれたとのことで、
具体的に誰かは不明ですが、デビュー以前からの音楽仲間でしょうね
いやーすごいなあ


以上、ライブ直前ということで長くなりましたが、
そろそろ本題に入ります
なお次回の更新はライブレポになると思います

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1996年の木根の活動を見てみるに、
1〜2月の「Tour liquid sun」の頃までは、
1995年の活動の延長と見て良いだろう
だが1996年度(1996年4月〜)になると、
小室との関係を深めるようになる


その始まりとなったのが、
4月以後の「ASAYAN」レギュラー出演である
この番組では歌手などのオーディションが行なわれ、
メイン審査員として小室哲哉がレギュラー出演していたが、
この頃から木根も出演するようになった
当時は人気番組だったこともあり、
木根の知名度を上げるための絶好の場となった


この番組からデビューしたので有名なのは、
やはりモーニング娘。とChemistryだろうが、
dos・鈴木あみ・MIYUKI・小林幸恵など、
小室がプロデュースすることになった歌手も含まれる
この中でもっとも成功したのは鈴木あみで、
末期TKブームを支える旗頭的存在となった


他は商業的にはあまり成功しなかったが、
dosのasami(吉田麻美)は、
dos解散後に小室とTrue Kiss Destinationを結成した
さらに小室の娘を妊娠して結婚したが後に離婚し、
その後小室破滅の一因を作ったことは記憶に新しい
ダンサーのkabaは、
後にオネエキャラとしてバラエティ番組の人気者になる


この中では目立たないが、
木根も城戸亜利抄というアイドルに楽曲を提供したことがある
少々ややこしいのだが、
「ASAYAN」からデビューし久保こーじがプロデュースしたL☆ISが、
1996/8/28にシングル「Running On」をリリースしている
そのカップリングに城戸の「赤い花」という曲が入り、
これが木根の作曲である(作詞は藤井徹貫)
このシングルが13位、11万枚のセールスを記録し
木根のソロ作品や木根プロデュースの日置明子の作品を遥かに凌駕する成績となった


またかなり後のことになるが、
「ASAYAN」から1999年にデビューした佐々木ゆう子に、
木根はシングル「Pure Snow」「Graduation」を提供し(29位・92位)、
アルバム「Pure」にも関わっている(56位)
佐々木作品には木根と親しい山本英美も作詞に関わった


さらに2000年には、
TKプロデュースのMIYUKIデビューシングル「Feel the Revolution」で、
小室とともに共同で作曲を行ない(30位)、
2ndシングル「If Only We Could Fly」では、
共同作曲のみならずプロデュースも行なっている(88位)


1996年では、「ASAYAN」からみではないが、
9/18に大賀埜々にデビュー曲「Close to the night」を提供している
大賀は小室のプロデュースで、作詞・編曲も小室が担当したが、
木根は作曲という形で関わることになった


本作は東京ビューティセンターのTVCMのタイアップが付いた
小室としてもおいしい話を木根に提供したと言って良いと思う
実際に木根の曲もまあまあ良かったのだが、
結果は19位、7.6万枚だった
これは他の木根作品と比べれば遥かに良い結果だが、
TKプロデュースという条件からすれば、
もう少し売れることも期待されていただろう


なお大賀は12/18、
やはり東京ビューティセンターのタイアップ付きで、
2ndシングル「Tomorrow Heart」をリリースするが、
この曲は作曲が小室・木根の共作となっている
1998/2/18リリースの4thシングル「orange」でも、
カップリングの「little bit of love」の作曲が木根である


このように、木根は1996年春以後、
小室との密接な関係をアピールしてその知名度を高めようとした
この頃ウツと小室の共同作業はまだ始まっておらず、
先に動き出したのは木根だった


そして木根はこの流れで
9/23リリースのシングル、11/25リリースのアルバムでも小室の協力を仰いだ
アルバムのリリース日は後で触れるウツの「discovery」と一緒で、
旧TMファンによる相乗効果を期待したものだった


タイトルはシングル・アルバムともに「Remember Me?」である
「僕を覚えているかい?」というタイトルは、
TMN「終了」後の世間に向けたメッセージにも見え、
いささか卑屈といわざるを得ないが、
いかにも木根がつけそうなタイトルだとも思う
なお2002年発売の小説「僕を忘れないで」は、内容はまったく関係ないが、
タイトルはおそらく本作を踏まえたものだろう


木根はこれらの作品で小室の名前を前面に出したが、
シングルでも作詞・作曲はあくまでも木根であり、
小室は編曲およびコーラスでの参加である
ただコーラスには華原朋美も参加しているが、
二人のコーラスは不必要なほどボリュームが大きい


アルバムも一般にはTKプロデュースとして扱われたが、
正式な名義は「NAOTO KINE supported by TETSUYA KOMURO」であり、
「produce」ではなく「support」とされている
この辺りは、木根がソロの音楽活動では小室と一定の距離を取っていることを示そうとしたものだろう
(もっとも微妙すぎて、一般にはほとんど伝わらなかっただろうが)


シングルは週間9位、総売り上げ10.3万枚の成績で、
木根のソロ作品で最大の成果となった
シングル・アルバム合わせて木根ソロ作品唯一のベスト10入りであり、
以後現在まで、木根ソロの代表曲となる
また10万枚越えというのは、木根が表題曲を担当したシングルの中でも、
1988年の浅香唯「Melody」(21.6万枚)に次ぐ成績である


アルバムは14位、4.9万枚の成績となった
アルバムがシングルよりもはるかに売上が低いのは、
シングル購入者の大部分がアルバム購入にまで至らなかったということで、
つまりTKプロデュースの単発楽曲を買った者も、
多くは木根ファンになるには至らなかったということを示している
シングルの売上は多分に小室哲哉の名前に依存するものだったと見られる


ただしそれでもアルバムは約2万枚の前作「liquid sun」を大きく上回り、
デビューミニアルバム「Roots of the Tree」(18位、5.0万枚)と同レベルまで回復した
本作は大成功とまでは言えないが、木根の中では成功の部類に入っている


本作にはTMカバーの「Sad Emotion」「Time Passed Me By」も収められている
これはTMN再結成に向けて動く中で、TMファンを意識したものだろう
この内「Sad Emotion」は、
アコースティックギターによる勢いのある弾き語りバージョンで、
原曲とはかなり異なる雰囲気となっている
また大賀埜々への提供曲「Close to the night」の木根ボーカル版も収録されている


なお本作は10曲入りだが、
シングル「Remember Me?」はバージョン違いで2テイク収録され、
2曲はTMカバー、1曲は大賀への提供楽曲カバーなので、
完全な新曲といえるのは5曲である
その内「Wish on the hill」「Saturday Morning 6 A.M.」の2曲は小室作曲で、
残り3曲の木根曲も、
「Still feel loneliness」「Bless this love」は当時TK作品に関わっていた前田たかひろの作詞である
収録曲の大部分が、小室と微妙に関わる内容となっていることになる


一方ウツとの接点については、
木根は「終了」以後もたまにライブで共演していたが、
1996年には木根の「Talk & Live」5/31池袋アムラックスホール公演にウツがゲスト出演している


木根とTMの接点に関して言えば、おまけ的なものだが、
ドラマCD「CAROL-k」との関与も挙げられる
これは「CAROL」の主人公キャロルの孫を主人公とした高河ゆんの漫画のタイトルで、
1995年から「きみとぼく」で連載されていたが、
そのドラマCD版が1996/9/21にリリースされたのである


そこには声優によるドラマの他、
オリジナル曲の椎名へきる「Graduater」
高山みなみによる「CAROL (Carol’s Theme U)」のカバーと、
木根によるインスト曲「Theme of CAROL-k」が収録されている
リリース時期が近いこともあり、
「Theme of CAROL-k」には「Close to the night」のフレーズが用いられている


もう一方、ウツについても見てみよう
ウツは1992年のソロデビュー以来、
1992〜94年はT.UTU with The Band、
1995年はBOYO-BOZO名義で活動した


だがBOYO-BOZOの活動は軌道に乗らず、
1996年からは第3の名義として「宇都宮隆」を用いるようになる
以後のウツは基本的に個人名のソロ名義で活動する
(2005年以後はバンドU_WAVEとしての活動も行なっている)


ウツはBOYO-BOZOの失敗を踏まえたテコ入れを全力で行なった
それはネームバリューのある知人への作曲依頼であり、
具体的にはB’zの松本孝弘と、旧accessの浅倉大介だった
ウツは1995年9月からアルバム用の楽曲選定を始め、
年末の時点で松本の「少年」も含む4・5曲ができていたという


1996/4/22には、宇都宮隆名義の初の作品として、
シングル「少年」がリリースされる
「少年」は松本、カップリングの「Kiss will Kill me」は浅倉の作曲である
同シングルは10位、14.0万枚の売上を達成した
これは1993年に17.8万枚を売った「Dance Dance Dance」に次ぐ売上であり、
BOYO-BOZOの「Jump」の倍以上の成績だった


この成功を受けて6/17には、
両曲を含むアルバム「easy attraction」がリリースされた
T.UTU with the Band以来の石井妥師の楽曲提供はなくなり、
BOYO-BOZO臭は一掃された
ウツは「Butterfly」の頃から石井の曲がお気に入りと言っていたのだが、
自らの生き残りのために大きな決断を下したということだろうか


代わってアルバムには、松本・浅倉の他、
木根尚登・葛城哲哉などの提供楽曲が並んだ
明らかに旧TMNファンを意識した制作陣である
特に浅倉曲は多く、11曲中5曲を占めている
楽曲も「Acrobat」のように実験的・特徴的な楽曲を集めるのではなく、
中庸の楽曲を(悪く言えば当たり障りの無い楽曲を)集めたものとなっている


浅倉(5曲)・松本・木根・葛城(各1曲)以外の3曲は朝井泰生が担当している
朝井はかつて山羊智詞率いる赤羽楽団に参加し、葛城哲哉とも親しかったから、
おそらくその縁だろうと思う
なお朝井・山羊らは1993年、
小室とともにダイナマイトマシーンというバンドでデビューすることになっていたが、
この話は直前になってなぜか立ち消えになった


この結果本作は4位、14.0万枚を売った
これも1993年「Butterfly」(15.5万枚)に次ぐ売上である
水準としてはT.UTU with The Band時代まで回復したと言ってよい


そして本作を引っさげたツアー「Tour easy attraction」(6/21〜8/18)は、
前ツアー「BOYO-BOZO Alive」(10公演、武道館1公演含む)の規模を超え、
17公演(武道館2公演含む)まで増えた
T.UTU with The Band時代には及ばないが、
それでも全体としては、テコ入れはかなり成功を収めた印象で、
宇都宮隆名義では最大の成績を上げていた頃である


「BOYO-BOZO Alive」ではドラムがいなかったが、
「Tour easy attraction」ではT.UTU with The BandのメンバーだったFence of Defenseの山田亘が担当した
ベースの平野健多は1995年にデビューしたMODEのメンバーだが、
MODEは前身バンドTerre Pierce時代からFence of Defenseと同じ音楽事務所所属だったから、
平野はその縁で参加したものだろう


バンドの中心になったのはキーボードの菊池圭介で、
かつてTOM★CATのメンバーだったが、
その後チューリップやTHE ALFEEのサポートメンバーとして活躍していた
ギターの白田一秀はPRESENCE・グランドスラムなどのロックバンドで長く活動してきた実績を持つ
葛城・山羊などとの縁があり、
朝井と同じく葛城の縁で紹介されたものだろうか
(本記事GAUZEさんコメント参照)
その他コーラス2人・パフォーマー3人も含むなど、豪華なバックバンドだった


「Tour easy attraction」で注目すべきは、
アンコールなどを除いて、原則としてMCを行なわなかったことで、
TM時代を思わせるステージ演出となったことである
この点はラフな雰囲気を意図的に出したBOYO-BOZOと対照的である


またアンコールでは、
TMの「Come on Let's Dance」「Be Together」「Dive Into Your Body」が演奏された
「Come on Let's Dance」「Be Together」は日替わり)
さらにSPEEDWAYの「Close Your Eyes」も演奏されている
これ以前、1994年の「Live Water Dance」と1995年の「BOYO-BOZO Alive」では、
TMの曲はセットリストに入れられていなかったのだが、
この時にTM曲が復活した


また8/18の日本武道館公演では、
TRFのDJ KOOがアンコールでゲスト出演し、
「Self Control」のレコード盤でスクラッチプレイを行ない、
「Dive Into Your Body」の演奏にも参加した


あざやかなダーイビング♪


この人脈は、ウツが小室に接近したところで生まれたものだろう
2010年にはウツが山田亘・DJ KOOのユニットWillとコラボして、
シングル「パンクロ」をリリースし、
ツアー「Jumping Jack Show」でもWillをサポートに加えており、
一過性の関係ではなかったようである


なおツアー後の9/2に開催されたファンイベント「HAWAII ATTRACTION」では、
TMデビュー当初レコーディングされ「終了」後に発表された「Open Your Heart」が演奏されている
1年前のクリスマスイベントでは「Dreams of Christmas」が演奏されるなど、
BOYO-BOZO以後のウツはファンイベントでしばしばTM曲を披露している


BOYO-BOZO時代のウツは、
あえてTMN時代とは異なるラフなスタイルを取ることで、
TMN時代との差別化を図っていた
TMN時代のファンのみに依存せず、
ソロミュージシャンとしてさらなるステップアップを期待したものだろう


だが実際にはBOYO-BOZOは成果を出すことができなかった
これを踏まえれば、宇都宮隆名義での成功は、
TMN時代の過去に依存することによって実現したとも言える
音楽のスタイルもTMN時代に近付いたし、
TMN時代の関係者から楽曲提供を受け、
ライブではTM時代の曲も演奏してTMNファンを喜ばせたし
さらには小室の関係者とも関わるようになったのである


これを踏まえた上で「Tour easy attraction」の後には、
ついに小室自身がウツにかかわるようになる
1996/11/25リリースの宇都宮隆2ndシングル「discovery」である
これは小室がトータルプロデュースを行なったゲーム「Gaball screen」のテーマソングとしてリリースされた
ゲームのリリースは12/6だったので、それに合わせたものだろう


ただしこの曲は、夏には出来上がっていた
1996/8/18武道館公演では、ライブの最後に「discovery」を演奏している
ウツによれば、ゲームの発売時期の問題でリリースが遅れたとのことで、
もっと早くリリースする予定もあったのかもしれない
そうならばツアーが終わって盛り上がってから、
待望のTKプロデュースシングルのリリースまで3ヶ月以上空いてしまったのは、
タイアップに合わせたことによる誤算だったのかもしれない


「discovery」10位を獲得し、11.9万枚を売った
順位は「少年」と同じだが、セールスは「少年」の水準に達していない
TKプロデュースの威力も期待したほどではなかったといえるが、
個人的には当時の小室楽曲の中でもかなり好きな曲である


ミディアムテンポで控えめなオケは、
必ずしも売れ線の作りだったとは思われない
だがCMなどのタイアップを前提にしていないこともあり、
サビの印象的なフレーズとその他の継ぎ接ぎという形になっておらず、
一つの楽曲としてきれいにまとまっている


ウツの歌をじっくり聞かせることを意識したためか、
1996年の小室楽曲でもメロディを重視した良作だと思う
この点では他にも同時期の華原朋美「I'm proud」、globe「Is this love」、TRF「Brave Story」などが挙げられ、
小室は一般の印象ほどハイbpmにキンキン声を乗せた曲ばかり作っていたわけでもない
ただ「I'm proud」は歌手の歌唱力が大変残念に思う


「discovery」は詞も良い
小室と前田たかひろの共作詞だが、ミスプリントで小室作詞となってしまったらしい
詞の内容は、ある女性に恋焦がれ、
どう伝えれば良いか思い悩む男性の気持ちを歌ったものである
よく読むと具体的に何があってどうしたいのかよく分からないのだが、
雰囲気はよく出ていると思う

さみしくて夜がながすぎて
見えるはずのない地平線をたどってる
出来ることならばそばにいて
やめたくなるほどいつもそばにいたいよ


「discovery」については「Gaball screen」とも関わるため、別章でも触れることにしたい
また小室は翌年にはさらにウツに「if you wish....」を提供するが、
これについてもその後の動向と絡めた方が話しやすいので、章を改めて見ることにしよう
ここではともかく、楽曲提供という形で、
ウツと小室のタッグが再び実現したという点のみ確認しておくに留める


なお「discovery」「if you wish...」はいずれもオリジナルアルバムには収録されなかった
このためこの2曲を聞くことが出来るのはシングルを除くと、
ベストアルバム「The Best "Files"」「Original Singles」しかないことを最後に触れておく

(2013/7/7執筆、2016/4/28加筆)

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5-25 final live LAST GROOVE (VIDEO&CD)

2012/06/25 02:29
先日「Incubation Period」の放映が終わったばかりですが、
早速次の情報が舞い込んできました!
magneticaのサイトより

TM NETWORKがSMAP×SMAP「S・LIVE」コーナーに初出演!
SMAPと共にヒットメドレーを披露!お見逃しなく!

日時:7月2日(月)21:00~23:08


私は見ていませんが、TV雑誌の情報によれば、
「Get Wild」「Love Train」「I am」などをメドレーするようです
(前記事haruさんコメントより)
「I am」、初の地上波公開です!!


やったーー!!
今回だけ一度もテレビで取り上げられないというのは、寂しすぎましたからね!
一度だけでも記念でテレビに出て欲しかったので、嬉しいです
小室さん、6/14にスタジオ撮影があったらしいので、この時に収録したものでしょうか
昔の曲はちょっとでいいから、「I am」はせめて一番だけでもフルでやって欲しいです


それと、前回触れ忘れていたんですが、
「Keyboard Magazine」に過去のTM記事が小さく再掲されていました
その中に、幻のファーストライブの記事があるんですが、
これってもしや、すごい貴重なんじゃ!?
1984年8月号の渋谷LIVE INNのライブ(1984/6/18)のレポです


ウツ・小室(KX装備)のツーショット写真があって、
煽り文句が「コンピュータを駆使したダンサブル・ロック」です
当時のライブの機材とかも書いてありますよ
これってTM公式データブックとかにも一切ない情報のはずです


字も、すごーく小さく書いてあります
ライブが決まったのは約一ヶ月前のこととありますが、
デビューから一ヶ月後くらいのことでしょうか
全然売れなくて、これはやばいということになった頃に急遽決まったのでしょうか
くそう…これ全部読みたいなあ
記事からは、小泉洋と高杉登も参加していたことが分かります
ここらへん、近いうちに過去記事に反映させないと…


ソロ情報では、ウツの20周年記念アルバムの発売が決まりました
タイトルは未定のようですが、9/5リリースとのことです
ソロツアーはこの直後ですから、ニューアルバムひっさげてのツアーということになりますね


ちなみにU_WAVEなどではなく、ウツのソロ名義のアルバムは、
特殊な形態だった「TAKASHI UTSUNOMIYA from "SPIN OFF" 2005 to 2007」を除くと、
2004年のミニアルバム「overtone」以来となります
フルアルバムとなると、2003年の「wantok」以来ですから、
実に9年ぶりになるんですね
実はこの10年、ほとんどソロアルバムを出していなかったんですねえ


小室さんは、特にこれと言った情報はないんですが、
なんだかすごいハイテンションで、
去年流れたDOMMUNE ZEROからのオファーを待つtweetをしたり、
布袋寅泰さんのライブを見てやる気を出しているtweetをしたり、
盛り上がっているみたいです
8月にやるという何かに、これがうまくつながると良いですね


さて、本題に入ります
今回で、TMNの全音楽ソフトの話題はおしまいです
第5部も終わりが見えてきました

--------------------
1994/8/1、「TMN 4001 Days Groove」のライブ映像が、
「final live LAST GROOVE 5.18」「final live LAST GROOVE 5.19」
と題して、ビデオで発売された
本作はその後TMN再結成後の2000/3/23にDVD化され、
20周年直前の2003/12/17に廉価版でリリースされた


TMN関係の商品は、「終了」の発表以来、
1994/4/21シングル「Nights of the Knife」
5/26BOX「Groove Gear」
6/22ビデオ「Decade」、ベストアルバム「TMN Black」「TMN Red」「TMN Blue」
と、ほぼ一ヶ月起きにリリースされていたことになる


これに7/21リリースのT.UTU with The Bandライブビデオ「Live Water Dance」を加えると、
その密度はさらに増す
リリースペースが月1ペースに抑えられたのは、
小遣いをTMNにつぎ込む高校生ファンのふところ具合も勘案したものかもしれない


「final live LAST GROOVE」は、
TMのライブのほぼ全体を商品化した最初のものである
一部のMCや5/19の「Get Wild '89」などは削られているが、
それらは一部の例外的存在である
最後のライブということもあり、
TMNの活動を伝える記録としての意味も持つ作品といえよう


ジャケットにはライブの写真が何枚も載せられ、
そこにビデオのタイトルと終了のロゴも印刷されている
5/18は黒地に赤字、5/19は黒地に青字となっており、
赤・青・黒という3色の組み合わせがここでも見出される


本作は、TMの歴代映像作品中でもおそらく最大の売上を出し、
5/18は6.7万本で年間3位、5/19は6.3万本で年間5位だった
「Decade」は年間8位だったので、
TMNは1994年の年間ビデオチャート10位内に3作品を入れたことになる


本作は基本的にはライブ映像をそのまま収録したものなので、
内容は以前書いた、
「5-19 TMN 4001 Days GrooveA」「5-20 TMN 4001 Days GrooveB」
を見ていただければよいのだが、
一部リハーサルシーンなど、ライブの裏側も収録されている
リハーサルシーンは白黒の荒い画面になっており、
一見してライブ本編と区別できるようになっている


特に5/18はリハーサル映像が多い
冒頭から会議やリハーサル映像で始まり、
木根のアコギに合わせてウツが「Electric Prophet」を歌うシーンなども収められる冒頭リハ映像は5.18の曲順についての打ち合わせと、
「金曜日のライオン」のサンプリングボイスを小室が試し弾きするシーンで終わり、
これにつながる形で、ライブ本番1曲目「金曜日のライオン」の映像が始まる


4曲目「Nervous」の後、
ビデオはサポートメンバーのリハーサルシーンに移る
「Be Together」のリハーサル中のようである
山田と阿部、北島と葛城など、同じパート同士で話しをしている
小室と北島の会話シーンも収められている
最後は全員で「1/2の助走」のさわりのところを練習するシーンで終わり、
ライブ本番の5曲目「アクシデント」の映像につながる


13曲目「All-Right All-Night」の後、
ライブ会場ではモニターにNHKニュースの様子が流されたのだが、
それはカットされ、代わりに打ち合わせシーンの映像が入れられている
話し合いの最中、ウツがこっそり帰るシーンも収められる


曲順を話し合っているところ、
「エレプロを、さっき19日で言った「Nights of the Knife」のところに持って来る。で、ポイントを抜いていくということで、全部で18曲に…」
という小室の発言が収録されているが、
これはおそらく「Electric Prophet」を18日の本編最後(19日の「Nights of the Knife」に当たるところ)に入れることを提案したものだろう
「ポイント」は「The Point of Lovers’ Night」だろうから、
どうやらこの曲を18日に演奏する案もあったらしい


本編ラスト、18曲目の「Electric Prophet」の後、
アンコールシーンの前にもリハーサル映像が挟まる
ウツがスロットマシーンで遊んだり(なぜあるか不明)、
木根がドラムを叩いたり、余興的シーンが見られる
小室はスタジオで「A Day in the Girl’s Life」の音源チェックをしているシーンである
最後に3人それぞれの映像が見られるようにしたものだろう


この後、3人だけのアンコール演奏が収録され、
それが終わると「Nights of the Knife」をBGMに、
1994/5/17のゲネプロの映像が流れてビデオは終わる


概して5.18はリハーサル映像が多く、カットされたシーンもほとんどない
収録時間も153分という長時間になっている
これに対して5.19はMCや曲にカットされた部分が多く、
リハーサル映像もあまり入っていない
時間も137分で、5.18と比べるとお得感は薄い
また5.19はウツが本番でかなりの大ミスをやったので、
その部分が修正されている


5.19のビデオの最初は、「Seven Days War」のリハーサルシーンで始まる
5/18のアンコール曲だが、ライブ本番と同様に、
ウツが小室のピアノ・木根のギターを伴奏に歌っている
その後は5/19のアンコール「Time Machine」のリハーサルシーンになる
ともに3人だけで演奏した曲ということで、この2曲を冒頭に入れたのだろう
5.19のリハーサル映像はこれだけである


その後、本編ラスト「Nights of the Knife」の直前、
つまりいよいよTMNが「終了」しようというシーンで、
涙ぐむファンたちの姿が白黒映像で映し出される
「Nights of the Knife」演奏中も、
熱心なファンたちには泣き崩れるものもおり、
その様子も収録されている


「Nights of the Knife」が終わり、メンバーが退場した後、
アンコールシーンの前には、
3人が東京ドームで記者たちに撮影されているシーンが入る
これはおそらくライブ開始直前のものだろう
白黒映像で、「終了」直前の3人の貴重なコメントが入る

木根「えーこの10年間に出会えたみんな、今後も大切に自分の中にしまっておきたいと思います」
小室「10年で僕たちが提供した楽曲は、当然この後も残るんで、それぞれ愛着がある曲も含めて、これから知る方でもいいんで、可愛がってあげて欲しいな」(小室さん)
ウツ「TMN、TM NETWORK、TMNという形は「終了」になるんですが、新しい形の僕たちも、応援してください」


この後ビデオの映像は、5/19の本編終了後に戻る
3人はアンコールを求める会場の歓声の中で舞台裏で座っているが、
やがて立ち上がり、歩いて会場に現れる
3人はアンコール用の特設ステージに上がり、
コメントを残して「Time Machine」を演奏し、また徒歩で退場する
この間、「Nights of the Knife (instrumental)」をBGMに、
メンバーが舞台裏を歩いて会場外のバスに乗り込む場面で、ビデオは終わる


5.19のビデオでは大きくカットされている部分がある
ゲストの登場シーンである
この日は「CAROL」組曲の前に浅倉大介が、
「Get Wild '89」の前に松本孝弘が登場し、
ウツによる紹介もあったのだが、
そのシーンは丸ごとカットされている


さらに昔からファンの間で問題になっている点だが、
このビデオでは一曲だけ収録されなかった曲がある
「Get Wild '89」である


松本は本番では「Get Wild '89」イントロ演奏の途中で登場したのだが、
ビデオには松本登場前の部分だけ、イントロが収録されている
そのためこのビデオでは、
小室のシンセ演奏が突然切れるという妙な編集になっている
イントロ後半のビデオ未収録の部分で、
松本と小室の競演による即興演奏が収録されなかったのは非常に惜しい


さらに松本が参加した曲でも、
「You Can Dance」は収録されているが、
非常に巧みな編集によって松本が一切映っていない
よくぞこんなアングルだけでビデオを作れたと思うほどである


これは松本が所属していた事務所ビーイングが、
映像の商品化に対して許可を出さなかったためらしい
あるいは金銭を支払えば許可されたのかもしれないが、
それは販売価格に影響が出るほどの金額だったのだろう


なお本題ではないのであまり触れたくないが、
私のビーイングに対する評価はすこぶる低い
それは音楽的な質の問題もあるが、
むしろ露骨な商業主義への嫌悪感が大きい


もちろん商業音楽の至上命題として、
売上という形で成績を上げることは必須である
だが事務所おかかえの作家陣がマニュアルに従って作った楽曲を、
事務所が結成させたバンドの曲としてリリースさせるビーイングの手法からは、
およそ新しい音楽を届けようという情熱は見出せない
見えてくるのは、むきだしの商業主義ばかりである
私の嫌悪感の根源は、商業主義を包み隠さないその下品さなのかもしれない


もっともこの点では、邦楽界の寵児となった90年代半ばの小室哲哉も、
ビーイングほど露骨ではないとしても、
やはり商業主義を前面に出して躊躇することはなかった
そのような時代だったといえばそれまでなのかもしれないが、
ビーイングとの根本的な相違点は、
小室があくまでも音楽的な試みをアピールしていた点であり、
その点でミュージシャンではあり続けたという点であろう


さて、ビデオの内容に戻ると、
他に大幅に修正されたところとしては、
ウツがミスをした「Kiss You」「Come On Everybody」がある
「Kiss You」では一箇所、ウツが歌がないところで歌ってしまったのだが、
その歌はどうやったのか、きれいに消えている


「Come On Everybody」でも、
ウツが歌入りのタイミングを間違えている
この点はさすがに直しきれなかったようだが、
自動演奏データと歌のズレについては、
ちゃんと合うように調整されている
こんなことが出来るのかと、ある意味で感激する


なおこの後ウツは、
「僕が一番緊張しているのかもしれないな」
とのたまわったが、続けて浅倉登場シーンが入ったため、
ビデオではまとめてカットされている


以上はライブビデオの内容だが、
ビデオリリース10日後の1994/8/11には、
同名のライブアルバムがリリースされている
やはり5.18と5.19各1枚ずつ、計2枚だった
当初はビデオと同日リリースの予定だったが、後に延期された
なお2014/9/24にはBlu-Spec2版2枚組CDとして、
「final live LAST GROOVE 5.18・5.19」がリリースされている


ジャケットのデザインなどはビデオとまったく同じである
初回限定で、ステッカーの付録もあった
「終了」ロゴを用いたもので、5.18は赤、5.19は青である


上が5.18、下が5.19


「final live LAST GROOVE 5.18」は6.9万枚、
「final live LAST GROOVE 5.19」は6.8万枚を、
それぞれ一週間で売り、3位・4位を獲得した
それぞれ最終的には14.9万枚・14.2万枚を売ったが、
ライブの様子を知るには10日前に発売されたビデオの方が意味があり、
ビデオ購入者にはあえてこのアルバムを買わない者もいただろう


CDは各10曲ずつ収録しており、
だいたいライブ半分くらいの音源を聞くことが可能である
選曲は完全にEPIC/SONYスタッフによるものだろう


その選曲を見るに、まず両アルバムとも、
一曲目(「金曜日のライオン」「1974」)と、
本編ラスト(「Electric Prophet」「Nights of the Knife」)は、
外せない音源だったと見られ、ともに収録されている


個人的には初めて一般向けアルバムに「Electric Prophet」が入ったことは嬉しい
それまではミニアルバムでしか聞くことができず、
この名曲をライトファンに認知させる機会は存在しなかった


またCDになっていなかった5.19アンコールの「Time Machine」は、
このアルバムでやっと音源化されることになった
最後の最後で、ぎりぎり間に合ったという感じである
この一曲のためだけにアルバムを買った者もいただろう


他の曲では、5.18については、
「Love Train」「Get Wild '89」「Self Control」の3曲は、
知名度から考えても入るべくして入ったといえる
意外なところでは「アクシデント」「1/2の助走」「Confession」が選ばれている
他に「Nervous」「Come on Let’s Dance」も選ばれた


一方5.18のアンコール「Seven Days War」は、
その知名度にもかかわらず選ばれなかった
個人的には残念なのは、
「Rainbow Rainbow」「All-Right All-Night」「Dragon The Festival」
が選ばれなかったことである
「Dragon The Festival」は、
長い間奏がCD向きではかったためとも考えられるが、
あとの2曲は演奏も良く、残念である


5.19については、
後半盛り上げどころの始まり「Time To Count Down」を、
あの華麗なイントロも含めて収録し、
さらにこれと一連の「69/99」も収録したのは、
評価できるところである
「Human System」も収録されているが、
5.18の選曲も見るに、ライブ中盤のバラード曲は、
アクセントとして必ず入れる方針だったのだろう


「Kiss You」「Come On Everybody」が入らなかったのは、
やはり本番で大ミスしたためだろうか
修正音源を入れるよりは、元からうまく歌えたものを選んだのだろう
他の演奏曲では、「CAROL」組曲(5曲)はバラすことも難しかっただろうし、
「Colosseum T」で組曲全曲のライブ音源が収録されているのとかぶるのを避けようともしたのだろう
また「Get Wild '89」はビデオとの絡みもあって収録が困難だったと思われる



5.19収録曲は以上で挙げたところで、
「1974」「Human System」「Time To Count Down」「69/99」「Nights of the Knife」「Time Machine」の6曲となる
残るは4曲となるが、候補曲は「Still Love Her」「Wild Heaven」「Rhythm Red Beat Black」「You Can Dance」「Dive Into Your Body」「The Point of Lovers’ Night」の6曲しかない
ここからは、「Still Love Her」「You Can Dance」の2曲を除く4曲が選ばれた
あるいは「You Can Dance」も松本が絡むということで、
ビーイングが何らかの制限をかけてきたのかもしれない


以上、「final live LAST GROOVE」のビデオ版・CD版を見てきた
これまで本ブログでは、
デビュー作「Rainbow Rainbow」以後のCDやビデオを紹介してきたが、
1994/8/11リリースのCD版「final live LAST GROOVE」2枚を以って、
TMNの音楽ソフトのリリースはついに終わる


1994/4/21の「Nights of the Knife」以来これまで、
TMNの作品は怒涛の勢いでリリースされ続けたが、
その最後を飾るのが本作品となった
TMNが5/19に最後のライブを終えてから約3ヶ月後のことだった


ちなみにCD版「final live LAST GROOVE」が、
アルバムチャート3位・4位を獲得した時、
2位はtrf「Billionaire」であり(前週は1位)、
小室関係の作品がこの週に2〜4位を占めたことになる


この頃「Billionaire」のセールスはすでに90万枚を越えており、
trfの前作「World Groove」も追い抜こうとしていた
この時点で、前作以上の成果を出すことは確実視されていただろう


シングルチャートでは、
すでにtrf「survival dAnce」が小室念願のミリオンを達成していたし、
「Boy Meets Girl」も80万枚を越え、ミリオンも見えていた
また篠原涼子with t.komuro「恋しさとせつなさと心強さと」も、
発売当初は注目されなかったが、
この週に19位から8位に急上昇している(9月には1位を獲得)
世間の関心は、すでにTMN「終了」からTKに移りつつあった


もちろんTMN「終了」が世間の関心を小室哲哉に引き付ける要因にもなったのだろうが、
ともかく時代はTMNを歴史的存在として位置付けた上で、
その後を求めていた
TMNが終わった頃、TKブームの始まりは、
もう目の前に来ようとしていたのである

(2012/6/25執筆、2014/6/28加筆)

TMN final live LAST GROOVE 5.19
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5-24 TMN Black/Red/Blue

2012/05/17 02:14
「I am」、2週目は41位、1966枚で、総計23449枚になりました
最終的に総計は2.5万枚くらいでしょうか
2004年の「NETWORK TM」(2.8万枚)くらいの数字になりそうです
(ネット配信の普及を考えれば、実質的にはもっと上でしょうが)


「Incubation Period」からもうすぐ一ヶ月で、
TM NETWORKをめぐる動きは終息した感じですが、
6/17の21:00からはWOWOWのライブ放送があります
(ただし放送は1時間半なので、数曲カットの模様)
ちなみに5/15にはWOWOWで「All That Love」の再放送もありましたが、
6/3には再々放送をやるようです
って、3回もやるの?


5/26発売の「ARENA 37℃ SPECIAL」でTM特集が組まれることは前回触れました
さらに「Keyboard Magazine」でも、
5/14に小室さんにTMについてのインタビューを行なったようで、
6/9発売のSummer号に掲載されるそうです


7/4リリース予定の木根さんの提供楽曲集「キネメロ」の収録曲が決定しました
記事の文字数制限の関係で曲名は挙げられませんが、
1位〜12位は渡辺美里・佐々木ゆう子・宇都宮隆・葛城哲哉・浅香唯・木村由姫・小室みつ子・日置明子・鈴木あみ・吉田栄作・田中裕子・椎名へきるへの提供曲となっています
レコーディングも始まったようですね


また7/3〜8には、ル・テアトル銀座で朗読劇「ユンカース・カム・ヒア」が開催され
木根さんも出演するそうです
「キネメロ」発売日の前後ですね
これを前提に決めた発売日だったんでしょうか


奇しくも同じル・テアトル銀座で8/3〜26上演の野島伸司脚本の舞台「ウサニ」で、
小室さんが音楽を担当します
演出が永山耕三さんなので、その縁でしょうか
野島・小室の組み合わせ、初めてですっけ?
小室さんはGoogle+などによると、5/16頃に音楽制作を始めたようです


では本題に入ります
今回から通常運転に戻ります
なお今回でようやく、
「終了」以前のTM全楽曲に触れることになります
いよいよ後始末も含めて、TMNの本当の終わりに近付いてきました

----------------
1994/6/22、ビデオ「Decade」と同じ日、
3枚のベスト版CDもリリースされた
「Tetsuya Komuro Presents TMN Black」
「Takashi Utsunomiya Presents TMN Red」
「Naoto Kine Presents TMN Blue」

である


3枚のジャケットはほぼ同じデザインで、
表は「TMN 4001 Days Groove」で用いられた河口陽一郎の有機体CG、
裏は3つの円を組み合わせた「終了」ロゴである
色はそれぞれ異なり、タイトルの通り黒・赤・青となっている
この3色は「TMN Groove Gear」の3枚のCDでも用いられた、
「終了」のイメージカラーである


3枚のCDのライナーでは関係者として、
Time Machine、SONY MUSIC AGENCY、IROAS CORPORATION、M.O.G、立岡正樹の5者を挙げているが、
「TMN Black」(小室)ではSONY、
「TMN Red」(ウツ)ではM.O.G、
「TMN Blue」(木根)ではIROASが、
それぞれArtist Managementとなっており、
他の4者は「Special Thanks To〜」の扱いである


M.O.Gはウツの事務所、IROASは木根の事務所名である
つまりこの3枚は権利関係の上ではTMN名義ではなく、
それぞれ小室・ウツ・木根の個人名義の商品として扱われたらしい
3人がタイムマシンを離れ別々の事務所に所属することになったため、
ベスト版を3枚リリースしてそれぞれに収入が入る形にしたのだろう


内容は、「TMN Black」がシングル曲、
「TMN Red」がダンスナンバー、
「TMN Blue」がバラードを集めたものである


一般に認知された曲は「TMN Black」に集中しており、売上も高かった
だがそこには未発表音源はなく、
シングルを購入済みのファンには大して意味はなかっただろう
特に1996年にTMの全シングルを収めた「Time Capsule」がリリースされると、
「TMN Black」の存在意義はまったくなくなった
これに対して他の2枚には、未発表曲が1曲ずつ含まれていた
前者はライトファン向け、後者はヘビーファン向けの作品と言えよう


「TMN Black」「TMN Red」「TMN Blue」は、
それぞれチャート一週目に14.5万枚・10.5万枚・10.1万枚を売り、
2位・4位・5位に入った
ベスト5中の3枚がTMNによって占められたことになる
最終的な売上は36.8万枚・21.8万枚・20.3万枚である


「TMN Red」「TMN Blue」のセールスはほぼ同じで、
初動・総合とも1993年の「Classix 1」(10.5万/24.8万)・「Classix 2」(10.1枚/24.0万枚)とだいたい同じ成績だった
これが最後まで残ったヘビーファンの規模と見て良いだろう


一方で「TMN Black」は36.8万枚を売り、
「EXPO」以後「終了」期までのアルバムでは最大の売上を記録した
「CAROL」「EXPO」「Rhythm Red」「Dress」「Time Capsule」「humansystem」
に次ぎ、TM7番目の売上となっている


なお当時CD店の店頭では、
「Nights of the Knife」「Groove Gear」「Decade」
および3枚のベストアルバムの宣伝映像が流された



この時は3枚のベスト版と「Decade」を購入すると、
抽選でグッズがプレゼントされた(T賞・M賞)
「まいるどHEAVEN」によれば
T賞はテレフォンカード12枚セット、
M章は特製キャップだったらしい


3枚のアルバムの選曲は、スタッフが行なったという
ただ3人の意向も汲まれている可能性は高いと思う
そう考える理由の一つは、
「TMN Black」「TMN Red」での「Love Train」の重複である
スタッフの選曲ならば、このような結果になるはずがない
事務所間で調整が行なわれず、3枚でそれぞれ独自に選曲していたのだろう
特に「Love Train」はTM最大のヒット曲ということもあり、
たとえば小室側がウツ側に差し替えを要求することなどは困難だったと思われる


メンバーの意向が汲み取られていると考える理由のもう一つは、
「TMN Red」にウツ好みのマイナー曲が入っていることである
具体的には「Spanish Blue」「あの夏を忘れない」で、
ともに発表当時、ウツが好きな曲であることを公言していた
「TMN 4001 Days Groove」のセットリストと同様、
素案はスタッフが組んだとしても、
そこにメンバーの意向が反映された可能性は高いと思う


となると、「TMN Black」「TMN Blue」の選曲は興味深い
まず「TMN Black」は、
4枚のリプロダクションシングルを除くと、
1980年代のシングル17曲から7曲が選ばれているのに対し、
1990年代のシングル7曲はすべて収録されており、
明らかにTMN時代の比重が高い


さらに区切りを変えると、14曲中9曲は、
1988年末の「Come On Everybody」以後の10曲から選ばれている
(未収録曲は「Just One Victory」のみ)
これ以前のシングル14曲から選ばれたのは5曲だけである


5曲の内訳はデビュー曲「金曜日のライオン」
デビューのきっかけになった「1974」
TMの代表曲でオリジナルアルバム未収録の「Get Wild」など、
絶対に外せない曲以外では、
1987年の「Self Control」「Kiss You」のみである


この傾向は一言でいえば、「今」に近い楽曲の重視である
もちろん最新の3枚のシングル、
すなわち「Wild Heaven」「一途な恋」「Nights of the Knife」は、
オリジナルアルバム未収録であり、
その前の「Love Train」はTMN最大のヒット作だから、
この4曲を収録することは大前提だっただろう
しかしそれでも、「TMN Black」が新しい曲に重点を置いていることは疑いなく、
TMの歴史を通時的に俯瞰するという姿勢ではない


一方で「TMN Blue」は、これとまったく逆の傾向を示す
ボーナストラック「Another Meeting」を除く13曲を見ると、
TMN時代は1曲もなく、すべて1988年の「CAROL」までの曲である
つまりこのアルバムは、
TM10年間中で前半5年分(TM NETWORK期)のみのベストである


TMN期のバラードは、
「TMN Black」収録が確定していたラストシングル「Nights of the Knife」を除き、
全部で6曲ある
その中で8分に及ぶ「Think of Earth」は、
時間の関係で除外されたのかもしれないが、その他にも、
「Looking At You」「Tender Is The Night」「Dreams of Christmas」「大地の物語」「月はピアノに誘われて」
の5曲があり、これらはすべて除かれた


一方TM NETWORK期のバラード・準バラードは23曲ある
その中で「CAROL」組曲の
「A Day in the Girl’s Life」「CAROL(Carol’s ThemeT・U)」
はバラでベスト版には入れづらいし、
「Electric Prophet」は9分近くあるため、
あえて収録されなかったものだろう


これらを除くと候補は19曲となるが、
「TMN Blue」はその中から約2/3に当たる13曲を選んだことになる
13/19(1984〜88)と0/5(1990〜91)という偏差を見るに、
この選曲も偏りがあることは否めない


以上を要するに、「TMN Black」はTM後半期、
「TMN Blue」はTM前半期を主な対象としている
「TMN Red」がウツの意向を汲んでいるのならば、
「TMN Black」「TMN Blue」の選曲も、
小室・木根の意向を汲んでいる可能性が高い
おそらくこれは、2人の志向を反映しているのではなかろうか


いささか乱暴な一般論を言えば、
小室は新しい曲を評価されたがるところが強いのに対し、
木根はデビュー当時も含め、古い思い出を語りたがる傾向が強い


木根は1993年のソロライブでも、、
「1/2の助走」「クリストファー」「パノラマジック」「永遠のパスポート」「8月の長い夜」
など、TM初期の曲はかなり演奏したが、
TMN期の曲で演奏したのは、
自らボーカルを取った「月はピアノに誘われて」のみである
初期曲の方が反応が大きいということもあるのだろうが、
木根個人の志向もあったのだろう


また当時の小室はTMN後の未来に向け、
かなりの期待を持って臨んでいたのに対し、
木根はこの点であまり積極的ではなかったし、
実際にメンバー3人中でもっとも先が見えない状態だった


おそらくこうした両者の志向が「TMN Black」「TMN Blue」の選曲に現れ、
小室は「現在」に近い時期の曲、
木根は遠い過去の曲を中心に選ぶことになったのだと推測する


なおこの点で「TMN Red」の選曲を見ると、
初期に当たる1984〜85年の曲はないが、
FANKS期以後の作品は偏りなく選ばれている印象である
(1986年3曲、1987年2曲、1989年2曲、1991年4曲)
このバランス感覚は、後のウツソロでの選曲にも通底するものがある


収録曲について今一度、アルバムごとに見てみよう
「TMN Black」は3枚中でもっとも売れたが、
その最大の要因は、やはりオリジナルアルバム未収録の
「Get Wild」「Dive Into Your Body」「Wild Heaven」「一途な恋」「Nights of the Knife」
が収められていたことだろう
(ただし「Get Wild」は、すでにベスト版「Gifr for Fanks」に収録されている)


他では「Kiss You」シングルバージョンは、
「humansystem」収録の「More Rock」や、
「Dress」収録の「Kiss Japan」と大きく異なるアレンジなので、
シングルを持っていなかったファンには意味がある音源である
「1974」「Come On Everybody」「The Point of Lovers’ Night」
も、オケはアルバム版と異なる
(ただし「1974」シングル版は「Gift for Fanks」に既収)


「金曜日のライオン」「Self Control」「Time To Count Down」は、
シングル版がアルバム版と比べてショートバージョンとなっている
この点は特にお得な感じはしないが、
熱心なファンでかつシングルを持っていなかった者には、
嬉しく思う者もいたかもしれない


一般にTMは先行シングルをアルバムに収める際に、
アレンジを変えることが多かったので、
ヘビーファンにとっては、
シングルをまとめること自体に意味があったともいえる
本作収録の14曲中、オリジナルアルバムとまったく同じ音源なのは、
実は「Rhythm Red Beat Black」「Love Train」の2曲のみである


選曲について、商業的見地からいえば、
TMの人気が盛り上がっていた時期、タイアップもあって有名だった、
「Resistance」「Beyond The Time」「Seven Days War」
の3曲が入っていないのは、失敗だろう
もっともこれは、小室にとってこの3曲が、
それほど重要な位置を占めていなかったということかもしれない
「TMN 4001 Days Groove」でも、
「Resistance」「Beyond The Time」は演奏されなかった


逆に「TMN Black」に収録された「Kiss You」は、
ライブの定番曲だったが一般の知名度は低い
小室にとっては一般に有名な3曲よりも、
「Kiss You」の方が重要な存在だったということだろうか


曲順を見ると、TMブレイク期の曲と最新のシングルが、
最初と最後にまとめられていることが分かる
一曲目には「Self Control」が置かれ、
ついで「一途な恋」「Wild Heaven」が続く
そしてアルバムの最後はTMの代表曲「Get Wild」と、
ラストシングル「Nights of the Knife」で終わると言う構成である
最初と最後に目玉曲が入るという構成は、意図的なものだろう


「TMN Red」に移ろう
他の2枚が14曲を収めるのに対し、
本アルバムは12曲しか収めていない
しかも一曲は、準インタールードの「Give You A Beat」であり、
実質的には11曲ともいえる
「Get Wild '89」「Rhythm Red Beat Black version .2.0」
という長大な曲を入れたために、
短い曲を入れたり曲数を減らしたりして調整したのだろう


「Give You A Beat」はオリジナルアルバム「Gorilla」では、
2曲目の「Nervous」の導入として曲間を設けずに収録されたが、
「TMN Red」ではこれを「Kiss You (More Rock)」とつなげて収録している
ただやはりこのつなげ方は、工夫は認めるにせよ、
本来の「Nervous」への接続と比べて違和感がある


「TMN Red」の特徴の一つとして、
シングル曲の別バージョンを多く収めていることが挙げられる
具体的には、
「Come on Let’s Dance (the saint mix)」「Kiss You (More Rock)」「Get Wild '89」「Rhythm Red Beat Black version .2.0」
の4曲がこれに当たる


おそらくこれら4曲は、
オリジナルが「TMN Black」に収められることを予想しての選曲だろう
(実際には「Come on Let’s Dance」は収められなかったが)
TMの魅力の一つに多様なリミックスバージョンの存在があったが、
それを伝えようと意識した選曲と言える
なお「Spanish Blue」も、「Self Control」所収のオリジナルではなく、
「Dress」収録のリプロダクションバージョンである


「Rhythm Red Beat Black version 2.0」「Come on Let’s Dance (the saint mix)」
は、当時アルバム未収録だったので、
これが収められたことは価値がある
この点では「We love the EARTH」も貴重である
「EXPO」「Classix 1」にはリミックス版が収められるが、
「TMN Red」所収音源はシングルバージョンで、アルバム初収録である


「TMN Red」についてもっとも重要なのは、
未発表曲「Open Your Heart」である
この曲については以前触れたことがあるが
1984年にデビューアルバム「Rainbow Rainbow」に収録される予定で、
結局使われずにお蔵入りしていたもので、
1989年発表の小室ソロ曲「Opera Night」の原曲になった
ファンの中にはこの1曲を目当てに「TMN Red」を購入した者も少なくなっただろう


他に「TMN Red」には、
「Passenger」「Don’t Let Me Cry」「あの夏を忘れない」「Love Train」
の4曲が収められている
個人的には、「Gorilla」から「Nervous」「You Can Dance」ではなく、
「Passenger」を選曲したのは意外で、面白いと思う


「TMN Red」の序盤から中盤にかけては、
単にアップテンポの曲を集めるというだけでなく、
ファンク・ユーロビート・ハウスなど、
ダンスミュージック色の強い楽曲を意図的に集めている
一方ロック色の強い曲は「Kiss You (More Rock)」くらいで、
「Rhythm Red」からの選曲はない
一方終盤の選曲はポップス色が強い
その境目に当たるのが9曲目の「Open Your Heart」で、
その後は「あの夏を忘れない」「We love the EARTH」「Love Train」と続く
最後の3曲はラストアルバム「EXPO」からの選曲である


最後に「TMN Blue」を見よう
本作はすでに述べたように、
TM NETWORK期のバラード・準バラードの大半を収録している
特に「Gorilla」(1986年)と「Self Control」(1987年)については、
対象楽曲7曲がすべて収録されており、これだけでアルバムの半分に及ぶ
それだけこの時期に思い入れがあるということだろうか


さらに1987年の「humansystem」からも2曲が収録されており、
実に全14曲中9曲(ボーナストラックを除けば13曲中9曲)が、
1986〜87年の曲となる


収録曲に特筆すべき方針は見出せない
「1/2の助走」「Fighting」「Here, There & Everywhere」「This Night」
など、影の薄い曲も多く採用されていることは特筆すべきかもしれないが、
もともと収録されていない曲の方が少ないのだから、
ここでは非収録曲を分析した方が意味があるだろう


意外な落選曲は、やはり「Electric Prophet」だろう
これは1984年以来TM NETWORKのテーマ曲的位置付けの曲で、
ある意味で「1974」「Get Wild」「Love Train」以上の存在感のある曲である
曲が長く2曲分を占めてしまうため外されたのかもしれないが、
TM史上最重要のバラードと言っても過言ではなく、
他の曲を削ってでも入れるべきだったと思う
ただ「Electric Prophet」は一聴してもはまりづらい曲ではある
限定BOX「Groove Gear」にこの曲が収録されたこともあり、
より広い層に向けた本作ではあえて外したのかもしれない


シングル「Seven Days War」は、
アルバムの「Four Pieces Band Mix」とは別バージョンなので、
収録してもよかったと思うが、
「TMN Black」に収録されることを見込んであえて外したのかもしれない
ただし「Seven Days War」カップリングの「Girl Friend」は収録されている


個人的には「Seven Days War」よりは、
「Human System」が収録されていないことの方が腑に落ちない
本作はリリース時の存在感からも、ライブでの演奏頻度の面でも、
バラードベストには必須の作品だろう
むしろ一枚のベスト版でも収録されて良い作品である


シングルカップリングでアルバム未収録の「Dreams of Christmas」を外したことは、
後発ファンが同曲の音源を長く入手できなくなる原因ともなった
クリスマスという期間限定の曲ということもあったのかもしれないが、
アルバム未収録の唯一のバラードだったこともあり、
商業的観点からも、必ず収録すべきだったと思う


また「大地の物語」もTVCMで使われた唯一の木根バラで、
収録してもよかったと思う
この2曲が入っていないのは、
やはり意図的に新しい曲を除いているように思える


商業的観点から言えば、「Still Love Her」がないことは、
本作のセールスを下げる一因になったかもしれない
「City Hunter 2」のエンディングテーマであり、
潜在的知名度や人気ではTMでも屈指の曲だった


以上のように非収録曲を見ると、
入れるべき曲をあえて外して、
日の当たらない曲を入れているように感じられる
だからこそありきたりのベストとは異なる選曲になったとも言えるが、
個人的には違和感を感じるところが多い


「TMN Blue」は概してレアテイクはほとんどなく、
シングルカップリングの「Girl Friend」を除き、
ほぼすべてオリジナルアルバム収録の音源である
ただその中で、一曲重要な曲が入っている
TMN最後の新曲、「Another Meeting」である


この曲については以前触れたが、
本来「Nights of the Knife」のカップリングになる予定だったものが、
レコーディング日にウツのノドの調子が悪かったため、
後に1994/5/3にレコーディングされ、発表が遅れてしまったものである


「TMN 4001 Days Groove」が予定通り3日間開催されていれば、
おそらくこの曲もアンコールなどで演奏されたのだろう
だが実際にはこの機会には演奏されず、
再結成後もTMのライブでは現在まで演奏されていない
もっとも作曲ウツ・作詞木根という珍しい組み合わせということもあり、
tribute LiveやFolk Pavilionなど二人の(小室がいない)ライブの時は、
たびたび演奏されている


それまでTM曲では、木根単独の作詞は「月の河」しかなく、
ウツ作曲は「I Hate Folk」しかなかった
特に「I Hate Folk」は冗談で作った曲なので、
「Another Meeting」は実質的にTM唯一のウツ曲となっている


ウツはすでにT.UTU with The Bandで、
1992年の「Strange Guitar」以来作曲にたずさわってきたが、
その成果が最後のTMN作品として世に出されたわけである
もしもTM10周年のオリジナルアルバムが実現していれば、
ウツのソロ活動の成果を踏まえたウツ曲も聞くことができたのかもしれない


曲は余計な飾り気のない、シンプルなアコギの演奏である
音を重ねた派手な小室的楽曲とは対極にある曲だが、
ウツの声を堪能できる点で、これはこれで魅力的な曲だと思う


木根の作詞も、やはりソロ活動期の成果と言えるだろう
曲名の通り、詞のテーマは出会いである
同年12月に発表された小説「いつか逢える日に」は、
この曲の歌詞のイメージを元にしたものだという
歌詞では四季(春・夏・秋・冬)を以って時の移り変わりを象徴的に示している
TMNが「神話」になった未来が歌詞の舞台のようである

春の風に戯れて 砂の大地を歩き
夏のトライアングルに 思いをめぐらした
秋の風に歌をのせ 君の夢かなえよう
冬の星座の下 ぼくらは神話になる


この未来を暗示する歌詞のメインは、
「めぐり合いは二人だけの遠い過去の約束だと 瞳を閉じて君が言った」
「蘇る思い出は永遠の星の姿 生まれ変わり再び出合う」
の部分である(なお「合う」は歌詞カードのママ)


いつか再会することを「君」と約束したことを歌い、
そしていつか違う形で再会できることをほのめかしている
つまりTMNはまたファンの前に現れるが、
それはTMNと同じ形ではないということでもある


小室も「TMNのオールナイトニッポン」「TMN 4001 Days Groove」で、
また3人で新しいプロジェクトをやると言っていた
その発言とウツ・木根の曲の歌詞が一致することは、
これが3人の合意事項であったことを意味する


確かな見通しがあったわけではないのだろうが、
小室・ウツ・木根は「終了」決定に当たり、
いずれ機が熟したら3人でまた音楽をやろうという口約束もしくは夢を、
お互いに確認していたのだろうと思う


おそらく1994年初め頃の3人は、
TMNとしての活動が困難もしくは妥当ではない状況下にあった
一つには、今のTMNでは世間の注目度に限界があるという小室の判断があり、
(そしてtrfの方が可能性があるという判断)
また一つには、事務所の分裂と関係者の利害関係の錯綜があった
その他にも複数の事情が絡み合っていたのだろうが、
ともかくTMNの継続的な活動はすでに困難になっていた


だが3人は、それでも一緒に音楽活動をしたいと思っており、
その見通しが付く日を望んでもいたのだろう
1997年のTMN再結成宣言、そして1999年の再結成実現も、
そのことの合意が前提にあったのだろうと思う


こうした観測は、ファンとしての願望に影響されているところもあるかもしれない
だが「終了」後も3人の付き合いは続いており、
「終了」がメンバー間の関係の問題でなかったことは確かだと思う
「Another Meeting」はそうした合意を、
最後にファンにこっそり教えようと残していった置き土産だったのではなかろうか



Naoto Kine Presents TMN blue
エピックレコードジャパン
1994-06-22
TMN
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5-22 TMN Groove Gear A

2012/03/29 00:25
「Incubation Period」、意外にも(失礼)、
特典無しの一般チケットはすごい倍率だったみたいですね
先行販売でも落選続出で、一般発売の日は1分もせず売り切れたようです
20周年の武道館2daysも、1日目は席が余っていたのに…
まああの時は、その前に特別ライブとツアーがあったから、
単純に比較はできませんけども


ということで、追加席が出ました
先行予約は終わりましたが、一般販売は4/1です
小室さんのオフィシャルサイトより

■追加販売席種
サイドバック席(北東・北西スタンド) ¥6,800(税込)
2F後方立見 ¥5,800(税込)
※サイドバック席は、機材などにより、演出の一部が見えにくい場合がございます。予めご了承下さい。

■追加チケット発売日:4/1(日)10:00〜
チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:162-816)
ローソンチケット 0570-08-4003 (Lコード:79722)
e+(イープラス)  (http://eplus.jp
公演に関するお問合せ:DISK GARAGE 050-5533-0888(平日12:00〜19:00)


3/27、新曲の完成版ができたようです
もう発売一ヶ月前ですし、
「I am」とそのカップリングもできたんでしょうね
小室さん、「メンバーみんながお気に入りな曲になるといいなあ」と言っています
どんな感じになったんでしょうね


先週、「小室哲哉 Digitalian」最終回で、
「I am」がほぼフルコーラス流れたそうです
ただ私の住んでいるところでは、急遽別の番組に差し替えになりまして、
録音していたのにゆずの特番が…
ああああああ!!!!
どこかにラジオアップされていないかなあ…
来週始まるウツのラジオでは掛かるんでしょうか


さて、3/28に「Far Eastern Wind」「小室哲哉 meets VOCALOID」がリリースされ、
3月の小室さん新作4点が全部出揃いました
私は上記2点は購入していませんが、
3/21リリースの「Special Live@DOMMUNE」「Digitalian is remixing」
およびmumo特典CDは入手しました


「Special Live@DOMMUNE」の内容については、
以前放映された時にすでに触れましたので、
そちらを御覧下さい
ただ以前は、2曲目は「Get Wild」と書いたんですが、
改めて聞いたら、始まりは「EZ Do Dance」ですね
原曲の面影はほぼ残していませんが、
曲目を書くなら、「EZ Do Dance〜Get Wild」と書くべきでしょうか


附属CDの音源についてはライナーによれば、
Disk1は「AGEHA, AVEX STUDIO AZABU, 名村造船所跡地, 早稲田大学, ラフォーレミュージアム原宿」、
Disk2は2011年の金沢・福井・富山・大阪公演のピアノコンサートの音源だそうです
ただしそれぞれの曲がどの会場の音源かは不明です
なおDisk1の会場は以下のライブに当たると思われます


・AVEX STUDIO AZABU:2011/8/19「FREEDOMMUNE ZERO」
・AGEHA:2011/8/29「ASOBINITE!!」
・名村造船所跡地:2011/10/15「ASOBINITE!!」
・早稲田大学:2011/11/5「UBC-jam vol.25」
・ラフォーレミュージアム原宿:2011/12/23「Harajuku Performance+DOMMUNE」


ただし収録曲は全部、
「FREEDOMMUNE」「Harajuku Performance+DOMMUNE」
でネット中継されたものに包摂されています
どれがageHaとかの音源なんだろう…?
あとCD収録曲のうち、
「Self Control〜Love Again」や「Wow War Tonight〜Many Classic Moments」
はDVDとダブっているので、
「奇跡」「Let it be」など他の音源にして欲しかったです


「Digitalian is remixing」は、
以前お知らせしたように、12曲中3曲が小室さん、
9曲(「Digitalian is eating breakfast 2」収録曲)が他のアレンジャーの作品です
私は最近の流行は分かりませんが、
結構面白いアレンジもありました
「Vienna」「Years Later」「THX A LOT」あたりは良いですね
あとRAM RIDER版「Carry On」はずいぶんはっちゃけてます(笑


ただPete HammondとかDave Fordとか、
いかにもavexの用意したアレンジャーって感じはしますけどね
でも「Years Later」とか、Soul'd Outのshinnosukeさんがアレンジってのは、
少し意外な人選でした


小室さんの作品では、「Running To Horizon」は結構面白かったです
一方「Get Into You Suddenly」は、原曲の完成度が高いこともあるんですが、
わざわざアレンジする必要はなかった気がします
小室さん、かつてはSong Nationのアルバムにもこの曲入れたりしてましたが、
再評価の機会が欲しいんでしょうか


「背徳の瞳」は、小室作品でよくあるピアノのインプロヴィゼーションですね
また「Special Live@DOMMUNE」「Digitalian is remixing」両方を買った人用の特典CDも、
小室さんのピアノ即興演奏の音源でした
曲はTM NETWORKピアノメドレー8分26秒で、
「Human System」「Self Control」「Get Wild」が入っています


もう一個、「Far Eastern Wind -Complete-」「小室哲哉 meets VOCALOID」双方購入者にも、
特典CDがついているようです
内容は知りませんが、私の予想では、TK時代作品のピアノメドレーでしょうか


3/27〜28には、ニコニコ動画で、
「24時間生放送 & TK withボカロP対談」が放映されました
24時間過去の音源やPV・ライブ映像を流した後、
一時間小室さんと「小室哲哉 meets VOCALOID」の音源作成者が生対談するというものだったようです
しかし生放送は何回入ってもすぐはじかれたので、諦めました
まあ、ボーカロイド自体に興味ないし…


ただこの番組、一点だけ大変注目すべき映像が流れました
2008年のTM NETWORKのライブ映像より、
「Seven Days War」「Be Together」です
2008年ということは、未商品化の「SPEEDWAY and TK Hits!」のはずです
サポートメンバーも北島健二とそうる透で、
「SPEEDWAY and TK Hits!」の時の面々でした
ということはこれ、武道館の特典チケットについているDVDの映像では…!!


つうことで、先行して映像を見ることが出来たわけですが、
だとするとDVD本体にもこの2曲が入っている可能性が高いです
他には何が入っているんでしょう
正直この2曲のライブ映像はいっぱいあるから、優先度は一番下くらいなんですが…
頼む! 全曲入っていてくれ!


つうことで、今回は小室さんの新作を中心に近況に触れてみました
では本題に入ります

------------------------------
「Groove Gear」には、
キーホルダー・Tシャツ・ブックレット・ビデオ以外に、
CD3枚も封入されていた


3枚のジャケットは、1が赤、2が黒、3が青で、
箱と同じプラスチック製のロゴの写真がプリントされる
中央の3つの円の中の1つには、
ディスクごとに「1」「2」「3」の番号が振られている
CD本体にもそれぞれの色で「終了」のロゴがプリントされている



赤・黒・青の3色でセットというコンセプトは、
この後にリリースされるベスト版でも採用されているが、
「3」色で「3」枚という構成はTMNメンバーの人数に対応する
「終了」期のロゴマークも「3」つの円で構成されており、
「3」という数字は「終了」の隠れたキーワードとも言える


なお「TMN 4001 Days Groove」の音源・映像は、
後にCD・ビデオとしてリリースされるが、
5/18は赤、5/19は青が基調となっている
おそらくもう一日あれば、
黒を基調としたデザインとなっていたものと思う


「Groove Gear」CDの中身を見よう
「Groove Gear 1」「Self Control」期まで、
(ライブ音源は「humansystem」期まで)
「Groove Gear 2」「humansystem」期から「Rhythm Red」期まで、
「Groove Gear 3」「EXPO」期以降となっている


選曲は誰が行なったのか不明だが、
ライブのセットリストすら基本的にスタッフが決めたことを考えれば、
メンバーのチェックは入ったとしても、基本的にスタッフの選曲と思う


3枚のCDには、それぞれ3種類の音源が混在している
一つは過去のオリジナル音源(14曲)、
一つは商品化以前に作成されたデモ音源(5曲)、
一つはライブ音源(17曲)である
この他に未発表アレンジ音源が1曲ある
デモ音源は「Introduction」以外「(Ver.0)」とついている


この中でオリジナル音源を見ると、
まずはTMの代表作「Get Wild」3バージョンが、
3枚に1バージョンずつ分散されていることが特徴として指摘できる
(1=オリジナル、2='89、3=Techno overdub mix)


他にTMの代表曲も何曲か選ばれている
まず「Get Wild」とともに「City Hunter」シリーズで使われ、
人気が高かった「Still Love Her」が2に入っている
TM最大の売上を出した「Love Train」は3に収録
TMデビューのきっかけとなった記念曲「1974」は1に収録


1に収録される「Fool on the Planet」は、
TM初の武道館ライブ「Fanks Cry-Max」で、
TM初のアンコール演奏の曲である
2に収録された「Dawn Valley」も武道館をイメージして作曲され、
「Fanks Cry-Max」で演奏された曲である
さらにTMのテーマ曲として特別な地位を締める「Electric Prophet」は、
3の最後、つまり「Groove Gear」の最後に収録されている
これはよく「分かっている」曲順である


他に5曲のオリジナル音源がある
「永遠のパスポート」(1収録)、
「Human System」「Fallin’ Angel」「Telephone Line (Lover’s Mix)」(2収録)、
「あの夏を忘れない」(3収録)である


この中で「Telephone Line (Lover’s Mix)」「Classix 1」収録)は、
木根ボーカルのデモ音源「Telephone Line (Ver.0)」の直後に収録されており、
セットで収録されたものと見るべきだろう
「Get Wild (Ver.0)」「Get Wild」も1に続けて収録されている


他の4曲は積極的な意味づけが難しい
特に「永遠のパスポート」「Fallin’ Angel」
それまでほとんど日の目を見ていなかった曲である
「永遠のパスポート」「TMN 4001 Days Groove」でも演奏されており、
この頃突如として強調されるようになった印象である
「あの夏を忘れない」がウツの特に好きな曲だったことを考えれば、
これらの選曲の一部にはメンバーの意向が入っている可能性もあり、
「永遠のパスポート」「Fallin’ Angel」は作曲者木根の意向かもしれない
ならば「Human System」は小室の意向か


これらの他に、「Groove Gear 3」「一途な恋 (3rd Mix)」は重要である
これは完成版のスタジオ音源としては、
「Groove Gear」でしか聞けない唯一の音源である
「一途な恋(Another Material)」と比べれば原曲の面影を比較的残している
あるいはTMN10周年アルバム用に作っておいたが発表の機会を逸した音源かもしれない


ライブ音源については、
「Groove Gear 1」に、
「Dragon The Festival Tour」(1985/10/31)から1曲、
「Fanks Cry-Max」(1987/6/24)から3曲、
「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」(1988/3/16)から4曲、
「Groove Gear 2」に、
「Camp Fanks!! '89」(1989/8/29)から2曲、
「Rhythm Red Tour」(1990/2/22)から2曲、
「Groove Gear 3」に、
「TMN Wild Heaven」(1991/12/1)から5曲が収録される


これ以前、ライブ音源としては、
1987年「Kiss You」のカップリングに、
「Fanks Cry-Max」「Self Control」が収録されたことがあり、
1992年にはライブ音源集「TMN Colosseum T・U」がリリースされている
全体として「Colosseum」より「Groove Gear」の方が、
原音源に忠実なミックスとなっている


この中で特筆すべきは、
1曲とは言え「Dragon The Festival Tour」の音源が初商品化されたことだろう
この時期(1985年)のライブはテレビ・ラジオで放送されたことはあるが、
ビデオ・ライブCDの形で商品化はされていなかった
以後2007年「The Singles 1」限定版のリリースまで
「Groove Gear」は同ツアーの様子を伝える唯一の商品となる


ただ収録された「パノラマジック」は、
前のインスト曲「Quatro」から連続する形で演奏されたものである
本CDではフェードインする形で収録されているが、
できれば「Quatro」も一緒に入れて欲しかったところである
「Quatro」はいまだにCD化していない)
ちなみに他のライブ音源と比べると、
1985年頃のウツはボーカルに力が入っているのが分かる


1984年の「Electric Prophet」と、
1986年の「Fanks Dyna-Mix」「Fanks “Fantasy” Dyna-Mix」は、
本CDには収録されない
これらのライブからも収録して欲しかった音源はたくさんあるのだが、
初期ライブは音質の差もあって、見送られたものかもしれない


「Fanks Cry-Max」「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」については、
FANKS時代の定番・準定番のアッパーチューンを中心に収録している
ただ曲の長さから見て仕方ないところもあるが、
FANKSライブを象徴する「Electric Prophet」「Dragon The Festival」は、
是非入れて欲しかった
両者ともFANKS期バージョンは一部がビデオ化されるのみで、
全体はいまだに商品化されていない


「Fanks Cry-Max」については、
TMの歴史にとって重要なライブであるにもかかわらず、
商品化された部分が非常に少なかったため、
この時3曲発表されたのは貴重である
収録曲は「Rainbow Rainbow」「Come on Let’s Dance」「You Can Dance」で、
いずれもFANKS期のライブで必ず演奏されたものである
TM NETWORK時代のライブを知る者には嬉しいところと思う


これに対して「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」については、
すでにライブの大半(11/17)が商品化されていたこともあるが、
4曲中既商品化のものが2曲含まれており、ありがたみが薄い
「Self Control」「Colosseum T」で、
「All-Right All-Night」「Fanks The Live 4」にも収録される


後者は非売品のプレゼント用ビデオなので、
まだ商品化の意味はあっただろうが、
前者は2年前のライブCDと同じ音源を入れたことになる
おそらくちゃんと調べていなかったということなのだろうが、
どうせなら他の音源を入れて欲しかったところである


初商品化音源は「Nervous」「Don’t Let Me Cry」である
ただし後者はオリジナルに忠実な「Kiss Japan Dancing Dyna-Mix」よりも、
大幅なアレンジが施されている「Kiss Japan Tour」版が聞きたかった


「Camp Fanks!! '89」については、
「Come On Everybody (with Nile Rodgers)」「Fanks The Live 3」に既収録なので、
あまり価値がない
「Kiss You」「Fanks The Live 3」に収められるが、
「Fanks The Live 3」では一部しか収録されていないので、
商品化には意味があると思う
(ただし後に8/30の映像が「CAROL The Live」「CAROL Deluxe Edition」として発売)
あとはできれば「CAROL Tour」から、
「Beyond The Time」も欲しかったところである


「Rhythm Red Tour」から収録された「Get Wild」は、
すでに「World’s End 2」に収録済みだが、
収録日は別なので、一応未発表音源である
「Rhythm Red Tour」の映像は多くがビデオ化していたが、
数少ない未収録曲「Burnin’ Street」があるのは大きな意味がある
本曲はライブで化けた曲である
あとは「Rhythm Red Beat Black (version 2.0)」も欲しかったが、
これはCD音源用に使われた2/22のライブでは演奏されなかったので、仕方ないだろう


「TMN Wild Heaven」は、
ライブビデオ「EXPO Arena Final」と同様に、
WOWOWで放送されたものを利用している
本ライブの演奏曲はアレンジも含めて、
「EXPO Arena」と共通するものが多いが、
「Groove Gear 3」ではビデオにない5曲を選んで収録している
「EXPO Arena」で削られた「大地の物語」「We love the EARTH」が聞けるのは嬉しいところである
特に「We love the EARTH」が10分近く全部収録されているのは、
評価すべきであろう


ただそもそもイベントライブの「TMN Wild Heaven」ではなく、
「Tour TMN EXPO」の音源を利用していれば、
「あの夏を忘れない」「Think of Earth」も入れられただろう
特に後者は2016年現在でいまだにライブ音源・映像の商品化が実現していないので、
惜しいところである


他にアンコールの「69/99」「Time To Count Down」も収録される
「69/99」の前にあった小室のソロ演奏部分も入れてくれれば、
なお良かったと思う
また浅倉アレンジの「Dive Into Your Body」も収録されている
これはなかなか異色のバージョンなので、商品化の価値は高いだろう


以上、「Groove Gear」ライブ音源の選択には不満もあるが、
全体としてはまあまあの線をいっているというのが私の印象である
むしろオリジナル音源をなくして、
その分ライブ音源を増やして欲しかったくらいである


デモ音源としては、まず「Groove Gear 1」の1曲目、
「Introduction (Any Time)」がある
冒頭から「ラランランラランランララララ」という、
「ラララ」だけのボーカルが続く曲である
サビのところで「Anytime」「Like a Melody」とあるので、
サブタイトルが「Any Time」となっているのだろう


これはライナーの説明によれば、
TMデビュー以前に小室がEpic/Sonyに持ち込んだデモ音源だという
デモ音源には9曲入っており、その1曲目だった
1曲目ということを考えるに、おそらく小室の自信作だったのだろう
9曲の中には、渡辺美里「君に会えて」の原曲も入っていたという


おそらくこれは1982年秋に小室が、
Epic/Sonyの小坂洋二のところに持っていったデモテープだろう
「深層の美意識」によれば、
この時に小室は20曲程度をシンセだけで作ったが、
そこには後に美里に提供された「I Wish」「君に会えて」「嵐が丘」「Believe」の原曲もあった
「Introduction」もシンセのみで作られているので、
この時のものと見て矛盾はない


「Groove Gear 1」ではこれとクロスフェードする形で、
2曲目に「Get Wild (Ver.0)」を収める
小室のインチキ英語によるそれっぽい歌詞の仮歌を聞けた点でも、
ディープなファンにとって嬉しい音源だったと思う
「ダラスタンタン」「ステンレス」など、
よく分からない何かを歌う小室の仮歌は、かなり衝撃的で、
今でもよくネタにされる
これがTMのブレイクにつながった音源と思うと感慨深いものがある
この後、3曲目にオリジナルの「Get Wild」
次いで4曲目にTMデビューの契機となった「1974」が収められる


インチキ英語の仮歌は、
「Groove Gear 2」に収める木根の「Telephone Line (Ver.0)」でも聞ける
こちらは何を言っているかはよく分からないが、
「Get Wild (Ver.0)」よりは英語っぽく聞こえる


小室ボーカルの「This Night (Ver.0)」は、
すでに歌詞ができていた後に作成されたデモである
「Get Wild」「Telephone Line」は小室みつ子の作詞だが、
「This Night」は作曲・作詞がともに小室哲哉なので、
詞をつけた上でデモを作成できたのだろう


ただしデモの歌詞は商品版と一部変わっており、
後に直されたようである
特に3番はかなり変わっており、

一年前の哀しげな君のまなざしがUh
めぐり来る季節の中でほほえみに変わるUh…
ひとりきりの夜は今も忘れないけれどUh
“いつまでもいつまでも君はぼくのものだよ”Uh…


という商品版歌詞に対応する箇所が、
デモ版では以下のようになっている

寒い夜は過ぎてゆく 雪は消えてゆくUh
去年の悲しみの君はいない 今はもういないUh…
だけど僕は忘れない 君の寂しさをUh
“いつまでもいつまでも君は僕のものだよ”Uh…


一年前には哀しげだった恋人が、
今は幸せになっているという点は変わらないが、
言葉は商品版の方がこなれている印象である
しかし大谷香奈子との離婚後、
大谷との思い出の曲のデモを収録するのは、
小室としてはいかがなものだっただろうか


他のデモ音源としては、
「Groove Gear 3」「Nights of the Knife (Ver.0)」は、
すでにウツボーカルで、歌詞も商品版と同じである
トラックダウン前のラフミックスで、
音のバランスの違いなどはあるが、完成版に近い内容となっている
どうせなら1993年に仮歌を入れた時のものを収録して欲しかった


なお現在、ファンの間ではTMのデモ音源が、
「Childhood’s End」期から「humansystem」期を中心に、
かなりの数が出回っている
一部はネット上にアップされていると思う
これらは明らかに内部から流出したものである


当時私は気付かなかったのだが、
「TMN 4001 Days Groove」当日に武道館近くの某所で、
デモ音源集をこっそりと販売していた場所があったらしい
おそらくその音源が広まったものだろう


現在確認されているもので本物と思われるのは、
「Groove Gear」収録音源を除くと、以下のものがある

「Dragon The Festival」「Your Song」「Twinkle Night」「Give You A Beat」「Sad Emotion」「Don’t Let Me Cry」「Self Control」「All-Right All-Night」「Fighting」「Spanish Blue」「Here, There & Everywhere」「Children of the New Century」「Kiss You」「Be Together」「Resistance」「This Night(Ver.0と別バージョン)」「The Point of Lovers' Night」


他にもラフミックスやバックトラックのみの音源、
TV用音源なども出回っているが、
これらデモ音源とは出所は違うようである
また、別の機会に流出した可能性が高いが、
小室の「Digitalian is eating breakfast」や、
その他小室の非TM曲のデモも何点か存在する


「Groove Gear」収録のCDは、
「EXPO Arena Final」ビデオと同様、
「終了」後のファンから需要があった
2004/3/31リリースのCD BOX「World Heritage」にはリマスター版が収録されたが、
CDが単品でリリースされるのは、
2014/9/24リリースの2枚組Blu-spec2CD「Groove Gear Sound Selection」まで待たねばならなかった
ただしこれはオリジナル音源14曲を除く音源を2枚組にしたもので、
「Groove Gear」収録の3枚組版とは構成が異なっている

(2012/3/29執筆、2016/4/15加筆)

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5-14 Water Dance

2011/10/16 18:50
結構前の情報ですが、9/26付けのオリコンで、
9/14リリースのAAA2枚目のベスト版「#AAABEST」一位を獲得しました
アルバムで一位は、彼等にとって初めてのことのようです


内容はここ3年間のシングルをまとめたもので、
去年から今年にかけて小室さんが提供した5曲も収録されています
去年は小室さんのシングルで売上の記録を更新し、
今年は小室さん曲メインのアルバムで売上の記録を更新し、
今回は初の一位ということで、嬉しいですね


小室さんの力でこうなったというつもりはないですが、
少なくとも小室さんの楽曲提供が失敗には終わらなかったことは認めて良いと思います
ネットニュースでも小室さんの曲が褒められたりしています
(「小室哲哉の曲で求心力高まる」とか、なんかよく分からない褒め方ですが)


小室さんは10/15、「ASOBINITE!!」でライブを行ない、
最後は中田ヤスタカさんと共演したようです
また11/5、「早稲田祭2011」の企画「UBC-jam vol.25 」にも出演するそうです
早稲田大学のイベントサークルの企画のようです
入場は無料ですが、チケットは10/17より早稲田大学キャンパスで販売し、
10/24よりweb受付を行なうとのことです


では本題に入ります
いよいよ1994年に入ります

-------------------------
ウツは1993/11/21、T.UTU with The Band名義で、シングル「Angel」をリリースした
チャートで20位、7.2万枚の成績だった


10ヶ月前のシングル「Dance Dance Dance」は6位、17.8万枚を売ったが、
これと比べると「Angel」は大幅な成績低下と言える
「Angel」が作詞小室みつ子・作曲西村麻聡という、
旧TMファンをひきつける作家陣だったにもかかわらず、である


一方、翌年1/21リリースの2ndアルバム「Water Dance」は、
ウツソロ作品唯一の首位獲得を果たした
初動売上も、「Butterfly」(4.8万枚)より多い5.8万枚である


だが総売上では、むしろ成績は落ちた
「Butterfly」は15.5万枚なのに対し、
「Water Dance」は11.9万枚である
早い話ウツソロ第二段は、
商業的には第一弾ほど成功しなかった


一見して、アルバムと比べてシングルの落ち幅が大きい
ただ前シングル「Dance Dance Dance」の売上は、
映画タイアップ効果で底上げされたものと考えるべきで、
アルバムの方が実質的な人気を反映していると思われる


「Angel」「Water Dance」の6割を売っているが、
タイアップ効果が少なかった他のTMN関係シングルを見るに、
TMNの「EXPO」(64.8万枚)と「Wild Heaven」(39.9万枚)や、
小室の「Hit Factory」(15.9万枚)と「Magic」(9.2万枚)も、
だいたいアルバムセールスの6割がシングルセールスという関係になっている


そう考えると、「Dance Dance Dance」の2ヶ月前(1992年11月)、
タイアップ無しでリリースされ13.7万枚売った「Trouble in Heaven」の頃は、
「Butterfly」リリース時よりも潜在的には多くのファンが付いていたと考えることもできる
つまりシングルの固定購買層の規模は1年かけて、
ソロデビュー当時の14万(1992/11)から7万(1993/11)へと半減した
1995年のウツのユニットBOYO-BOZOのデビューシングル「JUMP」(6.2万枚)は、
よく酷評されるものの、
実はT.UTUの1年間と比べればまだ健闘していたとも言える


「Trouble in Heaven」から「Buttefly」の間の固定層減少は、
TMN的な音を求めていたファン層が、
T.UTU with The Bandの目指す音を知って離れていったこともあるだろう
同じ頃にTMNにより近いスタイルを取ったaccessがファンを増やしたことも、
これと関わるのかもしれない


だが「Angel」の場合はどうだろうか
本作はカップリング(正確には両A面)の「ゼロよりも少ない始まり」とともに、
「Butterfly」期のオールドロック的雰囲気は薄い
むしろポップス的要素が強く、TMNの音との差はあまりない
これは「Water Dance」全体を通じていえることである
TMNとの差の大きさがTMNファンを見限らせて、
売上減少の原因となったと考えることは難しいだろう


もちろん「Butterfly」期に、
旧TMNファンではない新規ファンがいなかったわけではないだろう
そのようなファン層が「Water Dance」で離れたこともあったかもしれない
しかしそれが15.5万人中の3.6万人(「Butterfly」「Water Dance」の売上の差)もいたと考えるのは無理だろう


直接的な原因としては、
ファン層のaccessへの流出が続いたことも考えられるが、
おそらくそれだけではなかったと思う
当時の私の感覚から言えば、
もうT.UTUはいいんじゃないか、という印象だった


つまり「Trouble in Heavem」「Butterfly」の時は、
TMNの活動はまったく白紙で、
ファンの間でもTMNの自然消滅の可能性は想定されていた
こうした中で、とりあえず小室・木根も含めて、
各メンバーのソロ活動を把握しておこうというファンもいただろう


しかし「Angel」リリースの直前、
TMNは活動の再開を宣言していた
やっとTMNが見られるはずと思っていたファンからすれば、
「なぜ?」という印象を抱いた者も多かったのではないか


現実にTMNの新作はリリースされなかったのだから、
熱心なファンはなおT.UTUの活動を追っただろう
しかしそのようなファンばかりではなかったことが、
アルバムセールスの1/4減少という結果に現れているのだと思う


個別の楽曲については、私は前作より「Water Dance」の方が好きである
「ゼロよりも少ない始まり」「Cool Jam, Cool Mode」
などは、なかなか良い出来だと思うし、ソロライブでもよく演奏された
だが「Butterfly」ではウツがTMNでやれなかった音を試みたのに対し、
ポップさを前面に出した「Water Dance」はそのような積極的意義があまり見出せない
いわゆるTM風の楽曲と比べればロックテイストが強いが、
聞きやすい分、何を目指したのか分かりづらい「普通」のアルバムになっている
つまり「Water Dance」期のT.UTUは、
TMN復活宣言の裏であえて活動を再開するには、
その楽曲はいささか特色の弱いものだった


さらにこれはスタッフの問題と思うが、
T.UTUは新曲のアピールのために話題を仕掛けようとする発想が薄い
意図的に話題性のある行動を起こし注目を集めようとする小室流のやり方は、
当時のタイムマシンでは木根ソロも含め皆無である


概して小室が抜けた後のタイムマシンスタッフは、
音楽を続けることには関心があっても、
どうアピールしてリスナーに届けるのかという、
小室が常に重視してきた部分はほぼ置き去りにしてきた
この志向は、2005年以後のM-tresやTMの活動にも通じるものである


地道に音楽活動を行なえば、ファンはついて来るという発想なのかもしれない
実際にオリジナルアルバム60万枚を売るTMNの人気や、
全国でも最大規模と言われたTMNファンクラブの組織率の高さを見れば、
TMNファンの何割かを動員するだけでかなりの稼ぎは可能である
そしてウツはメンバー3人の中で、
TMNファンをもっとも多く動員させることに成功した


だがその活動は、旧TMNファン以外にどの程度届いていただろうか
決して皆無ではなかったと思うが、
少なくとも私は当時ソロ期からのウツの新規ファンを見なかった


また世間でウツがソロ活動をしていた事実を知る者は少なくなかっただろうが、
その楽曲を具体的に知っている者が今どれだけいるかは、相当心もとない
活動をしている話は聞こえてくるが、既存ファン以外はほとんど食いついてこなかったというのが、
当時のウツのソロ活動の実態に近かったと思う


そしてもしもソロファンの母体がTMNファンであるならば、
その中でもTMNへのつなぎとしてソロ活動についてきた程度のファンにとって、
TMN再開宣言後のウツソロ第二段にどの程度の魅力があっただろうか
つまり「Water Dance」期のセールス減少は、
その支持基盤によるところが大きかったのではなかろうか


いささか小室寄りの言い方をすれば、
これこそ「EXPO」期の小室がもっとも忌避した活動形態だったはずである
TMN休止前、活動を広げようとする小室は、
堅実に音楽中心の活動を目指すスタッフとの間で意見の対立があったというが、
小室がタイムマシンから離れた直接の契機はともかく、
根本の理由はこうした志向の違いなのかもしれない


T.UTU with The Bandは93〜94年、TMNファンの離反をある程度食い止め、
いずれ来るべき(来なかったが)活動再開まで待たせた点では、成功したと思う
だがウツ個人として見た場合、成功裏に終わったとはなかなか言いがたいと思う
失礼な物言いをすれば、TMN時代の遺産をすり減らしつつ1994年まで持たせたという印象である


一方で「Water Dance」リリースの半月後、小室はtrf「World Groove」をリリースし、
1994年度のみで88万枚、年間9位という大成功を収めた(最終的には97万枚)
これはウツのアルバムの8倍、accessの3〜4倍の売上である
(1993/9/22「ACCESS U」25.4万枚、1994/5/25「Delicate Planet」27.6万枚)


「World Groove」購買層にはTMNファンも含まれただろうが、
TM全作品をしのぐセールスを実現している以上、
TMNファンの一部を動員しただけの成果ではありえない
trfには明らかにTMNファン以外の新たな支持層が多く付いていた
その結果として、小室はタイムマシン側を大きく上回る成果を出したのである
これは1年前、1993年2月とは真逆の結果だった


ただこの後、ウツ・木根はジリ貧状態でファンの規模を減らしつつも、
一応は音楽活動を継続させているのに対し、
小室は邦楽史上に残る大ブームを一時的に起こしながら、
その後急激に没落していくことになるのであり、
どちらが正解とはなかなか言いづらい問題だとは思う
結局は音楽で何を目指すのかという、
人生観の相違としか言えないのかもしれない


さて、「Water Dance」の内容についても触れておこう
本作にはインタールードの「Water Dance T」「Water Dance U」を含めて、
全13曲が収録される
小室みつ子・川村真澄というTM NETWORK時代の作家陣が主に作詞を担当したことは、
前作「Butterfly」と同様である
他に前作でも関わった西尾佐栄子の作詞が2曲と、石井恭史の詞が1曲ある
三浦徳子の詞はなくなった


楽曲制作がウツ・石井・土橋安騎夫を中心に行なわれたのは前作と同様だが、
一見して気が付くのは、シングル2曲とインタールードを除く大部分が、
BOYO-BOZO名義の作曲となっていることである
これはウツ・石井両名の名義で、
ウツによると「いい仲間」という意味の造語らしい
他に石井単独名義の「Eternal Date」を加えれば、
石井は本アルバム13曲中で9曲を担当したことになる


石井は1991年12月の「EPIC/SONY Face to Face」というオーディションで入賞し、
プロデビューのきっかけをつかんだ
1992年5月にはタイムマシンの事務所に来て、ウツと初対面を果たしたと言う
あるいはウツのソロ活動の計画と絡むものかもしれないが、
だとすればこれはウツソロに関わる初期の情報となるだろう
その後T.UTU with The Bandにコーラスとして参加した


一方で1991/11/21には石井作曲の楽曲がシングルとして二枚同時リリースされた
一曲はT.UTU with The Bandのデビュー曲「Trouble in Heaven」
もう一曲は渡辺美里「メリーゴーランド」である
かなりの抜擢と感じるが、もともと作曲能力を買われていたものかもしれない
ただし「メリーゴーランド」は14位で終わり、
美里のブレイク以後のシングルの最低記録となってしまった
(ただし売り上げは前作「泣いちゃいそうだよ」を上回った)


ウツは石井の楽曲を気に入っていたらしい
ウツはTMN「終了」後の1995年、
BOYO-BOZOとして石井と二人で活動を行ない、
CDのリリースや全国ツアーも行なっている


このユニットは同年中に活動を終えたが、
その後2002年にはウツシングル「Remedy」カップリングで、
「Sing A Song, miss clear light」がBOYO-BOZO名義で作曲されている
ウツソロ曲の中でも名曲の一つと思う
以後BOYO-BOZO名義は用いられていないが、
石井は以後もウツにソロ楽曲を提供し、
2005年にはウツ中心に結成されたU_Waveに土橋らとともに参加している(後に脱退)


このアルバム曲のレコーディングは、
「Live Butterfly」の公演期間中、1993/5/3に始まったという
この時点ではウツと石井の二人だけのレコーディングだった
その曲は「Live Butterfly」最終公演近くにも披露されたという
ただしレコーディングが本格的に始まったのは8月のことだった
完成は11/9のことである


当初ウツは、「Live Butterfly」とともにT.UTU with The Bandは解散すると考えていたという
まずはウツが石井と二人でレコーディングを行なったのも、
土橋安騎夫らが次作でも参加することの確証がとれておらず、
確実に動ける二人で試験的に行なったものだろう


「Water Dance」期のT.UTU with The Bandメンバーは、
1993/9/2に最終的に決定した
8月にはおおよそ決定していただろう
メンバーからは女性のFUMI・MIYAKO・YURIA3人が外れ、
宇都宮隆・葛城哲哉・是永巧一・山田亘・土橋安騎夫・石井妥師の6人となった
石井は「Live Butterfly」ではコーラスを務めたが、
この時はベースを担当している


アルバムリリース前日には特別ライブ「Club Water Dance」をClub Citta' 川崎で開催し、
一週間後の1/27からTMN10周年の前日4/20の三ヶ月間、
全国ツアー「Live Water Dance」を開催した
「Live Butterfly」と比べると、
武道館公演はファイナル2本に減ったが、
全体の本数は28本で、むしろ増えている



なお「Live Butterfly」では、アンコールでTM曲を演奏したが、
「Live Water Dance」ではTM曲はなかった
アルバムが2枚リリースされて曲数も十分になっていたこともあろうが、
TMN再始動の可能性が消え行く中で企画されたツアーだったため、
TM曲を演奏することでファンを期待させることがためらわれたのかもしれない


代わりに本ツアーでは中盤に日替わり曲として、
The Beatlesなど洋楽のカバーが演奏され、
さらにレベッカの「Monotone Boy」が演奏された
もちろん旧レベッカメンバー土橋の縁である(ビデオには未収録)

(2011/11/16執筆、2016/4/10加筆)

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5-11 TMN Classix 1・2

2011/08/02 02:29
今週はあまり触れる話題がないです
8/6「FNS歌謡祭」小室さんが出演することくらいでしょうか
小室さんはソロ曲やるんでしょうか
誰かの伴奏とかだったら残念ですが…
数十組出演するみたいだし、ほんのちょっとの出演でしょうから、
あまり期待はせずにおきます


あと今更ですが、7/23・24の「a-nation The Premium Night」の様子がニュースに出ています
BARKSの記事なんかは小室さんの写真もありますね
小室さんがトリで、
「Get Wild」「Self Control」「Many Classic Moments」
とかを演奏したようです


では本題に入ります

---------------------
1993/8/21、リミックスアルバム「TMN Classix 1」「TMN Classix 2」が同時リリースされた
ちょうど一年前の8/21には「TMN Colosseum T・U」がリリースされているが、
8/21という日付けは決算上何かの意味がある日なのだろうか


「Classix 1」は、TMN(TM NETWORK)史上最後の首位獲得アルバムである
初週でそれぞれ1位・10.5万枚、2位・10.1万枚の成績で、
最終的には24.8万枚・24万枚を売った


1週目に1・2位を独占したのは「TMN Colosseum T・U」と同様だが、
セールス自体は2/3近くに減少している
「TMN Colosseum」は33.8万枚・32.5万枚)
「TMN Colosseum」の時はTMN活動休止直後だったが、
その後1年でファン離れも進行していたということだろう


「Classix」はclassic(古典)の複数形classicsを意味している
古典とは、後続の作品の基礎となるとともに乗り越えられる存在である
小室は1991年までのTM NETWORK・TMN作品群を古典としてとらえ、
10周年ではさらに先の音を目指して行くことを宣言したつもりだったのだろう
なお本作は2014年に「TMN Classix 1・2」として、
Blu-spec2版2枚組廉価版が発売されている


このアルバムで私が一番好きなのはCDのデザインである
1993年の初回版では、
プラスチックケースの上に紙製のカバーがついている
「Classix 1」は黒、「Classix 2」は黄色という違いはあるが、
カバーにはどちらも中心部に円形の穴が開いている



「Classix 1」のジャケットは鉄製の門飾りの写真で、
三叉の矛の形をしている
ところがこの上に紙ケースを重ねると、
門飾りの先端部分が見えなくなり、
ピースマークになる仕様となっている
ちなみにジャケットの裏は門飾りの別の部分の写真となっている


「Classix 2」のジャケットは3発のミサイルが下を向いて撃たれているところで、
その下にはミサイルの衝撃波が3波描かれている
ところがこの上に紙ケースを重ねると、
2発のミサイルの先端部と一番上の衝撃波のみ見え、
スマイルマークに見えるようになる


ジャケット裏は、黄色いスイカの写真だが、
二つの種が並んでいるところの下にスイカの皮で口を作り、
ジャケットと似た顔に見えるようにされている
(ピースマーク・スマイルマークは本記事kuri566さんのコメントで知りました)


本アルバムは、実に1991年11月の「Wild Heaven」以来、
約2年ぶりのTMNの新作である
小室は本作をTMNのウォーミングアップと位置付けている
当時予定されていた10周年へのウォーミングアップという意味である
この時点では、TMN10周年の方向性を示す作品と考えていたのだろう


ただし本作の制作にはウツ・木根は関わらず、
小室とEPIC/SONYのスタッフのみで行なわれた
旧作のリミックスなのだからウツ・木根の出番はなくても当然だが、
2年ぶりの新作リリースとは言っても、
実際にTMN3人での楽曲作りが再開されたわけではない


小室は本作を完成させると、
渋谷のホテルで木根にあって聞かせ、
次のTMNの音はこれで行こうと思うと告げたという
同じ時かもしれないが、ウツも本作を小室から聞かされ、
「あの夏を忘れない」の変わり方に感心したらしい


つまり木根・ウツは「Classix」のレコーディングに関わっていなかったし、
それがどのような方針で作られていたのかも、
小室の事後報告で知ったのである
この時点ではTMNの名前は使われていたとしても、
3人は交わらないままに音楽活動を行なっていた
実質的な内容はTMN Remixed by TKともいえよう


本作のプロモーションも、ほぼ完全に小室一人で行なわれた
これは「Colosseum」のプロモーションをウツが行なったのと対照的である
ウツの「T.UTU and so on」に小室が出演して宣伝したことはあったが、
3人が一緒にテレビ・ラジオや雑誌で宣伝活動を行なうことはなかった
相変わらず事務所の分裂状態が尾を引いていたのだろうか


本作のレコーディングがいつ行なわれたのかは分からない
ただリリース時期を考えるに、7月中には終わっていた可能性が高く、
またレコーディングに一ヶ月弱かかったというので、
おそらくは6〜7月頃にレコーディングされたのだろう
その前には7/21リリースのtrf「EZ Do Dance」のレコーディングがあったから、
「Classix」のレコーディングが本格的な作業に入ったのはその後と見られる


本章では最初に、本作をリミックスアルバムと書いたが、
厳密に言えばこれは正確ではない
まず短いインストではあるが、新曲が含まれている
「Classix 1」「Channel ’93」「Interval」
「Classix 2」「Channel ’93 Part 2」「Interval」である
「Classix 1」「Classix 2」「Interval」は別の曲)


そしてもう一点、
オリジナルのままで収録されている曲がある
一応この点は容易に見分けがつくようになっており、
「〜mix」となっているものはリミックス、
「〜version」となっているものはオリジナルである


オリジナル曲は、「Classix 1」については、
「The Point of Lovers’ Night (rhythm red version)」のみだが、
「Classix 2」については、
「69/99(rhythm red version)」
「Daichi no Monogatari (expo version)」「大地の物語」
「Girlfriend (motion picture version)」
「Sad Emotion (album version)」
の4曲がオリジナルで、損なラインナップに見える
なお「Classix 2」には、
「Just One Victory (single 7’ version)」もあるが、
後述するように、これは既発表音源ではない


以上、インストと「〜version」を除くと、
「Classix 1」には9曲、
「Classix 2」には7曲のリミックス曲が収録されていることになる


ただ後で言うように、
リミックスというよりリマスタリングというべき楽曲が3曲ほどあり、
大きく変化したリミックス曲は13曲である
「Classix 1」「Classix 2」両方合わせて26曲だから、
ちょうど半分にしかならない


実際にインスト4曲と実質的なリミックス13曲全部入れても、
81分程度にしかならないので、
CD収録時間(74分か80分)をフルに使えば大部分が収録できる
早い話、本作は本来必要な部分だけならば、
アルバム1枚で済ませられる程度の内容であって、
それをあえて2枚分に水増ししているように感じられる


おそらくリミックスアルバムではオリジナルほどの売上が見込めないため、
アルバム2枚のリリースがEPIC/SONYから要求されたのではなかろうか
前年リリースの「Colosseum T・U」が2枚セットだったことを考えても、
そのような疑念を感じる


もう少し長くTMの歴史全体の中で見れば、
本作には「Gift for Fanks」「Dress」に続く準ベスト版としての意味もあるのだろう
「Gift for Fanks」は3rdアルバム「Gorilla」までを中心とし、
「Dress」「Gorilla」から5th「humansystem」までを中心とした選曲である


「Classix」は6thアルバム「CAROL」以後の楽曲を中心としており、
「Twinkle Night」以前の初期楽曲が採られていない
デビュー以来の楽曲を収録した「Gift for Fanks」「Dress」との相違点である
以下にアルバムごとに原曲の収録数を挙げる
( )はアルバムに近い時期に発表されたアルバム未収録曲である

「Gorilla」=3曲
「Self Control」=1曲[2テイク]
「humansystem」=2曲
「CAROL」=3曲(+3)
 *「Get Wild (techno overdub mix)」原曲の「Get Wild '89」も含める
「Rhythm Red」=3曲
「EXPO」=5曲(+1)


「Classix 1・2」の曲順は、ともに同様の構成を取っている
1曲目と7曲目に新曲のインスト(「Chanel ’93」「Interval」)を入れて、
アルバムの中を前半と後半に分け、
前半5曲はアップテンポな楽曲やダンス系楽曲のクラブ系ミックスを配し、
後半(1は5曲、2は7曲)はバラード・ミディアム系楽曲を配している
特に前半部分は当時の小室の関心が強く出たアレンジとなっている


「Classix 1・2」の2曲目(歌モノ1曲目)は、
「Dive Into Your Body (extended 12’ version mix)」
「Wild Heaven (extended hard core mix)」だが、
原曲はともにアルバム未収録シングルである


シングル未購入のファンにとっては、
この2曲がアルバムに収録されたことは意味があったはずで、
これを2枚のアルバムにバラして2曲目に置いたことは、
意図的なものであろう
さらに「Classix 2」には「Girlfriend」のオリジナルが収録されるが、
これもTMのアルバムには初収録である


3曲目にはそれぞれ「Get Wild (techno overdub mix)」と、
「Love Train (extended euro mix)」が収録されている
それぞれTM NETWORK時代とTMN時代の代表曲である
この2曲をばらしたのも意図的なものであろう


「Dive Into Your Body」「Wild Heaven」は、
ともに8分近くの長さになっており、
特に「Wild Heaven」は、楽曲の半分程度が、
シンセフレーズとサンプリングボイスがループするアウトロで占められる
これはかなり極端な構成と言えるだろう


ただ小室が目指していたものは分かるものの、
個人的にはこのアレンジを聞くのはかなり苦痛で、
だいたい飛ばして聞くことにしている
「Wild Heaven」自体がかなりポップな作りなので、
その後のテクノ系のアウトロとのつながりがしっくりこない
まったく異質なものを組み合わせているように聞こえる


本作で小室がもっとも積極的に試みたのは、
オーバーダビングによるリミックスだった
つまり以前の音源の上に別の音を足すことで、
新たな楽曲に生まれ変わらせるという手法である


ただし、単純に上から音を重ねただけというわけではないらしい
小室によれば、一週間ほどはオーバーダビングの前提として、
旧音源のクリック音を消すという機械作業のみで費やされたという


重ねている音のパターンにはあまりバリエーションが無く、
そのために数曲を通して聞くと飽きが来てしまう
その意味においては2枚に分けたのは正しかったのかもしれない


特に「Wild Heaven」「Dive Into Your Body」は、
オーバーダビングした音が目立ちすぎる嫌いがある
個人的に適度な耳障り感を覚えるのは、
「Come On Everybody (garage mix)」で、
原曲よりもむしろ好きだ
当時小室が好んで使ったRoland JD-800のピアノを重ねたものらしい


他のオーバーダビングものとしては、
「Love Train (extended euro mix)」「We love the EARTH (single overdub mix)」「Rhythm Red Beat Black (house sample food mix)」「Just Like Paradise (expo overdub mix)」
などは、おおむねバランス良くできていると思う


また「Just Like Paradise」に追加されているシンセフレーズは、
次の「Interval」「Classix 1」)でもそのまま使われており、
事実上両曲は一体のものとなっている


これら前半の楽曲には、
小室がtrfで学んだテクノ・ユーロの音が組み込まれている
これに対して後半のバラード・ミディアム楽曲群の場合、
オーバーダビングは使いづらかったようである


明確に使われた例は「7 Days War (album overdub mix)」くらいで、
しかもそれほどうまい使い方とも思えない
(なお「Seven Days War」は本アルバムでは「7 Days War」と表記される)
また「〜mix」とあっても、リマスタリング音源と変わらないものもある
「Time Passed Me By (zurich mix)」「Confession (promotion mix)」「Telephone Line (lover’s mix)」
などである
なお「Telephone Line (lover’s mix)」のミックス名は、
この曲について恋人との思い出があるという話をある女性から聞いたことがあったことに因むという


ロック系の楽曲もテクノの手法ではいじりずらかったようで、
ロック色の強い「Rhythm Red」の楽曲では、
ハウス曲「Rhythm Red Beat Black」はリミックスされているが、
「69/99」「The Point of Lovers’ Night」は原曲のまま収録されている


ちなみに「Rhythm Red Beat Black (house sample food mix)」は、
ハウスの楽曲であることと、
オリジナル版が1991年にハウス食品のCFソングに用いられたことによる命名である
冒頭から葛城哲哉の「Don’t Make Believe」の声が入り、
代わりにオリジナルにある笑い声のSEが無くなっている


「Rhythm Red」の代表曲「Time To Count Down」は、
TMNの象徴といえる曲でもあり、
これが外されているのはいささか奇異である
「CAROL」期以後で未収録のシングルはこれだけである
「CAROL」収録の「Beyond The Time」もないが、これはむしろ「humansystem」期の延長と見るべき)


ただ「Classix 2」「Interval」は、
「Time To Count Down」イントロのリミックスという情報がある
(本記事Mさんコメント)
確かにテンポは落ちているが、同じメロディである
「Classix」に合うアレンジが困難だったため、
イントロだけ作った後に断念したのだろうか


オーバーダビング以外の方法によりアレンジされた楽曲は、
むしろ佳作が多い印象がある
「Ano Natsu o Wasurenai (motion picture mix)」「Human System (café de paris mix)」
などは、ボーカルは同じものを用いながら、オケはほぼ別物である
これは「Dress」時代ならリプロダクションと呼ばれたものだろう
ウツは特に「Ano Natsu o Wasurenai」「あの夏を忘れない」)を気に入っていたらしい


なお「motion picture mix」というのは、サントラ風というニュアンスだという
また「café de paris mix」のcafé de parisは、
小室が「EZ Do Dance」レコーディングのために渡英した時、
出入りしたロンドンのカフェの名前である
またディスコの名まえと言う説もある


「Classix」で特殊な扱いをされているのが「Time Passed Me By」である
ともに「Classix 2」に収録されるが、
「moonlight mix」「zurich mix」の2テイクが収められている
「zurich mix」は、小室がチューリッヒに行った体験を踏まえたものという


「zurich mix」は原曲と大きく変わるところは無く、
おそらく事実上リマスタリングを行なっただけなのだろうが、
「moonlight mix」は、
「Far Away」「Fairy」「Moonlight Magic So Many Shooting Star」
など、楽曲の一部のウツボーカルをサンプリングして作った事実上のSEである
テクノミックスなどよりも、よほど面白いと思う
なお本曲は直前の「Interval」と雰囲気が近く、
両曲は事実上一連の楽曲ととらえるべきものであろう


同様に原曲のフレーズを用いながら、
事実上まったく異なる楽曲になっているのが、
「Passenger」のリミックス「U.K. Passenger」である
これは原曲のオケをまったく用いず、
新しく作ったオケをBGMに原曲最後のラップを流したものである
(原曲にないラップもあるが、没テイクか)
この原曲の壊し方には驚くべきものがある
「Time Passed Me By」「Passenger」に関しては、
かつてのTM楽曲を新曲の音源として利用しているという印象である


本作が1993年にリリースされたことの意味の一つは、
世に出ていなかった音源が再利用される最後のチャンスとなったことであろう
たとえば「Dive Into Your Body」「Love Train」は、
CDシングルやアルバムに収録されたオリジナルのリミックスではなく、
プレゼント用の特典CD(非売品)の
「Dive Into Your Body (12” Club Mix)」「Love Train (Club Mix)」
のリミックスである
そのため、非売品CDを持っていなかったファンにとって意味のある音源だった


「Just One Victory (single 7’ version)」は、
「〜version」とあるので、他の例に従えば既発表版のはずである
だが実際には既発表の「CAROL」収録版とシングル版のどちらとも異なる音源である


シングル版は「CAROL」バージョンを海外に外注しリミックスしたもので、
ミックスは変わっているが、曲の長さは短くなっている
(最後がフェイドアウトされている)
だが「single 7’ version」は、
シングルのミックスで「CAROL」バージョンの長さとなっている


「〜version」とあることを見るに、おそらくこれは小室のミックスではなく、
シングル作成時に海外から送られた原音源を収録したものだろう
(逆にいえば、シングル版は原音源を短くして商品化したものか)
個人的に「Just One Victory」は、
アレンジはシングル版が好きだが、曲の構成は「CAROL」の方が好きだったので、
「single 7’ version」は私の中でベストテイクである


「Classix」のアレンジは、
現在までほとんどライブで再現されたことがない
翌年の「終了」ライブ「4001 Days Groove」も、
オリジナルに基づくアレンジを原則としたため、
「Classix」バージョンで演奏されたものはなかった
本ライブでは1993年のシングル「一途な恋」も演奏されなかったので、
1993年の成果は一切反映されないライブだったことになる


おそらく「Classix」バージョン披露の唯一の機会は、
アルバムリリース直前の1993/8「Racy Rockfes」だったが、
この時にはそもそもTMNの出演がなかった
1993/12「AAA ’93」でTMNが演奏した「Human System」「Seven Days War」もオリジナルバージョンだった


ただ2003年の「Live in Naeba」で演奏された「Human System」は、
ドラムのリズムが「Clasix 1」の「café de paris mix」に準じているようである(本記事のんきさんコメント参照)
また2015年「30th Final」で演奏された「あの夏を忘れない」は、
Aメロに「Classix 1」「motion picture mix」のフレーズが加わっている
今後も何かの機会で、一部のフレーズを再現することもありえるだけに、
要注意のアルバムと言えるかもしれない

(2011/8/2執筆、2016/4/10加筆)

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